JP2004315413A - メタノール合成用反応装置及びメタノールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メタノールの増産化が可能なメタノール合成用反応装置を提供する。
【解決手段】反応容器と、反応容器を合成ガス集合室、冷却媒体流通室、反応生成ガス滞留室、合成ガス流入室に区画するための第1〜第3の隔壁と、反応容器底部に設けられた合成ガス供給部と、反応容器の側壁に設けられた冷却媒体供給部と、反応容器の側壁に設けられた冷却媒体排出部と、冷却媒体流通室内に配置された複数本の反応管と、各反応管内にそれぞれ挿入され、下端が反応生成ガス滞留室内まで延出された複数本の内管と、反応生成ガス滞留室内に下端が第3隔壁を貫通して前記合成ガス流入室に連通し、上端が前記各内管の下端に連結されるように配置された複数本の合成ガス導入管と、内管および反応管の間の環状空間から各内管が延出される反応生成ガス滞留室部分の領域に充填されたメタノール合成触媒層と、反応容器の側壁に設けられた反応生成ガス排出部とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】反応容器と、反応容器を合成ガス集合室、冷却媒体流通室、反応生成ガス滞留室、合成ガス流入室に区画するための第1〜第3の隔壁と、反応容器底部に設けられた合成ガス供給部と、反応容器の側壁に設けられた冷却媒体供給部と、反応容器の側壁に設けられた冷却媒体排出部と、冷却媒体流通室内に配置された複数本の反応管と、各反応管内にそれぞれ挿入され、下端が反応生成ガス滞留室内まで延出された複数本の内管と、反応生成ガス滞留室内に下端が第3隔壁を貫通して前記合成ガス流入室に連通し、上端が前記各内管の下端に連結されるように配置された複数本の合成ガス導入管と、内管および反応管の間の環状空間から各内管が延出される反応生成ガス滞留室部分の領域に充填されたメタノール合成触媒層と、反応容器の側壁に設けられた反応生成ガス排出部とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ガスを触媒の存在下で反応させてメタノールを合成するためのメタノール合成用反応装置およびメタノ−ル製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタノールは、例えば水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含む合成ガスから前記反応装置内充填された合成触媒の存在下で合成されている。
【0003】
このようなメタノール合成用の反応装置としては、従来、例えば特許文献1、特許文献2に開示された技術として図3、図4に示す構造のものが知られている。
【0004】
反応装置31は、反応容器32を備えている。この反応容器32は、第1〜第3の隔壁331、332、333により上部から下方に向けて合成ガス集合室34、冷却媒体流通室35、反応生成ガス集合室36および合成ガス流入室37の4つの室に区画されている。
【0005】
合成ガス供給口38は、前記反応容器32底部に前記合成ガス流入室37と連通するように設けられている。冷却媒体供給口39は、前記冷却媒体流通室35の下部に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。冷却を行った後の媒体の排出口40は、前記冷却媒体流通室35の上部に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。
【0006】
複数本の反応管41は、図3および図4に示すように前記冷却媒体流通室35内に上下端が前記第1、第2の隔壁331、332に支持、固定されるように配置されている。複数本の内管42は、前記各反応管41内に同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入され、これら反応管41との間に環状空間43をそれぞれ形成している。メタノール合成触媒層44は、前記内管及び反応管42,41間の前記環状空間43にそれぞれ充填されている。なお、前記環状空間43の下端には前記触媒の落下を防止するためにメッシュ板(または多孔質板)45が取付けられている。
【0007】
複数本の合成ガス導入管46は、下端が前記反応生成ガス集合室36内および前記第3隔壁333を貫通して前記合成ガス流通室37に連通し、上端が前記各内管42の下端に連結されるように具備されている。反応生成ガス排出口47は、前記反応生成ガス集合室36に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。
【0008】
次に、前述した図3および図4に示す従来の反応装置を用いてメタノールの合成方法を説明する。
【0009】
まず、冷却媒体供給口39から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器32の冷却媒体流通室35に供給し、冷却媒体排出口40から排出して冷却媒体流通室35内に位置する複数本の反応管41およびそれら内側の触媒層44を冷却する。次に水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、所定の温度に予熱された合成ガスを図3に示す合成ガス供給口38から合成ガス流入室37に供給する。この合成ガスは、複数本の合成ガス導入管46を通して各内管42に導入され、それら内管42を上昇し、それらの上端から内管42と反応管41の間の環状空間43内に充填された触媒層44に流入される。合成ガスは、前記触媒層44を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールに変換される。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む粗メタノールガスは、前記環状空間43の下端から反応生成ガス集合室36を経て排出口47から排出される。
【0010】
このようなメタノールの合成において、メタノールの反応効率は内管42と反応管41の間の環状空間43内に充填された触媒層44の高さ方向の温度分布に多大に影響を受ける。
【0011】
すなわち、特許文献1に開示されているように、反応生成物の濃度が十分に低い触媒層入口付近では,反応平衡から十分に離れているために、より高い温度が好ましい。反面、反応が進んだ触媒層出口付近では反応生成物の濃度が高くなり、触媒層入口付近に比べて反応平衡に接近し反応速度が低下するため、反応温度を下げて、反応平衡状態から遠くして、反応速度の低下を防ぐことが好ましい。
【0012】
前述したメタノールの反応効率の向上を図る観点から、図3および図4に示す従来の反応装置では合成ガスを内管42に流通させて、前記触媒層44を内側から冷却し、合成ガス自身は予熱されるため、触媒層入口付近を高温化する。また、触媒層出口付近は冷却媒体供給口39から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器32の冷却媒体流通室35の下部付近に供給し、その冷却媒体流通室35の上部付近に位置させた冷却媒体排出口40から排出することにより、前記触媒層44を反応管41を通して冷却される。
【0013】
【特許文献1】
特公平3−63425号公報
【0014】
【特許文献2】
特公平4−5487号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの実験、研究によれば従来の反応装置では触媒層44の下端付近(冷却媒体流通室35の底部付近)での過度の冷却により、メタノールを含む合成ガスの反応効率が低下することを究明し、特に二酸化炭素の含有量が多い、例えば二酸化炭素の含有量が5〜10モル%の合成ガスでは、メタノールの反応効率の低下が顕著になることも究明した。
【0016】
なお、前記問題を回避するために内管42に供給される合成ガスの予熱温度を高めたり、冷却媒体の温度高くしたり、すると触媒層入口付近での過度の温度上昇を伴い、触媒の活性劣化を招く。そこで、本発明は、触媒層の高さ方向の温度分布を、メタノールの反応効率を向上するのに適した条件に設定することを可能にしたメタノール合成用反応装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るメタノール合成用反応装置は、反応容器内に複数本の反応管を配設し、この反応管内に内管を同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入し二重管とし、前記二重管の内管と反応管の間の環状空間に触媒を充填し、内管は原料流体が導入されるべく外部と連通し、前記触媒層は上記内管内を通過した流体が前記内管内流れ方向と逆の方向に通過せしめるべく内管と連通してある反応装置であって、
前記反応容器を上部から下方に向けて合成ガス集合室、冷却媒体流通室、反応生成ガス滞留室および合成ガス流入室の4つの室に区画するための第1、第2、及び第3の隔壁と、
前記反応容器底部に前記合成ガス流入室と連通するように設けられた合成ガス供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室下部と連通するように設けられた冷却媒体供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室上部と連通するように設けられた冷却媒体排出部と、
前記冷却媒体流通室内に上下端が前記第1、第2の隔壁に支持、固定されるように配置された複数本の反応管と、
前記各反応管内にそれぞれ挿入され、下端が前記反応生成ガス滞留室内の上部まで延出された内管と、
前記反応生成ガス滞留室内に下端が前記第3隔壁を貫通して前記合成ガス流入室に連通し、上端が前記各内管の下端に連結されるように具備された複数本の合成ガス導入管と、
前記内管と反応管の間の環状空間から前記各内管が延出される前記反応生成ガス滞留室上部まで充填されたメタノール合成触媒層と、
前記反応容器の側壁に反応生成ガス滞留室下部と連通するように設けられた反応生成ガス排出部と
を具備したことを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係るメタノールの製造方法は、改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成する合成ガス製造工程と、
前記合成ガスをメタノール合成触媒上で反応させて粗メタノールを生成し、その粗メタノールを冷却後にガス成分と液状粗メタノールとに気液分離して液状粗メタノールを得るメタノール合成工程と、
前記液状粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程と
を含むメタノールの製造方法であって、
前記メタノール合成工程を前述した反応装置を用いて行うことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメタノール合成用反応装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明のメタノール合成用反応装置を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図である。
【0021】
反応装置1は、反応容器2を備えている。この反応容器2は、第1〜第3の隔壁31、32、33により上部から下方に向けて合成ガス集合室4、冷却媒体流通室5、反応生成ガス滞留室6および合成ガス流入室7の4つの室に区画されている。
【0022】
さらに、反応生成ガス滞留室6はメッシュ板15から上部の内管延出部12aの外側に触媒層14を形成する反応生成ガス滞留室上部6aと、メッシュ板15から下部の反応生成ガス滞留室下部6bとによりなる。
【0023】
合成ガス供給口8は、前記反応容器2底部に前記合成ガス流入室7と連通するように設けられている。冷却媒体供給口9は、前記冷却媒体流通室5の下部に対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。冷却を行った後の媒体の排出口10は、前記冷却媒体流通室5の上部に対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。
【0024】
複数本の反応管11は、図1および図2に示すように前記冷却媒体流通室5内に上下端が前記第1、第2の隔壁31、32に支持、固定されるように配置されている。複数本の内管12は、前記各反応管11内に同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入され、これら反応管11との間に環状空間13をそれぞれ形成するとともに、下端が反応生成ガス滞留室上部6aまで延出した延出部12aをそれぞれ有する。
【0025】
メタノール合成触媒層14は、前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室6部分までの領域に充填されている。なお、メタノール合成触媒層14の下端には触媒の落下を防止するためにメッシュ板(または多孔質板)15が取付けられている。前記メタノール合成用触媒としては、例えば銅系触媒を挙げることができる。特に、高濃度の二酸化炭素雰囲気中で高い耐久性を有するCu、Zn、Al、GaおよびM(アルカリ土類金属元素および希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素)を含む酸化物からなり、前記Cu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒が好ましい。
【0026】
複数本の合成ガス導入管16は、下端が前記第3隔壁33を貫通して前記合成ガス流入室7に連通し、上端が前記各内管12の延出部12aの下端に連結されるように配置されている。反応生成ガス排出口17は、前記反応生成ガス滞留室下部6bに対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。
【0027】
次に、前述した図1および図2に示す反応装置によるメタノールの合成を説明する。
【0028】
まず、冷却媒体供給口9から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器2の冷却媒体流通室5に供給し、冷却媒体排出口10から排出し、前記冷却媒体流通室5内に位置する複数本の反応管11およびそれら内側の触媒層14を冷却する。つづいて、水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、所定の温度に予熱された合成ガスを図1に示す合成ガス供給口8から合成ガス流入室7に供給する。この合成ガスは、複数本の合成ガス導入管16を通して反応生成ガス滞留室上部6a内に延出された各内管12に導入され、それら内管12を上昇し、それらの上端から内管12と反応管11の間に形成された環状空間13内の触媒層14に上部から流入される。合成ガスは、前記触媒層14の入口から、発熱反応によりメタノールに合成される。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに前記反応生成ガス滞留室6内に向かって流通する間、同様に触媒の存在下で反応がなされ、大部分がメタノールに合成される。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部6bに流出し、排出口17から排出される。
【0029】
このようなメタノールの合成において、メタノール合成触媒層14を前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室上部6a部分までの領域に充填しているため、予熱された合成ガスを導入管16を通して内管12の延出部12aに導入すると、合成ガスと前記反応生成ガス滞留室上部6a部分の触媒層14内の反応生成ガスとが熱交換され、その触媒層14部分が冷却されるとともに、合成ガスが加熱される。
【0030】
また、メタノールの合成において前記延出部12aより上方の内管12は、外周に反応管11が配置され、これら内管12および反応管11間の環状空間13に充填された触媒層14部分は冷却媒体(例えばボイラ水)が供給される冷却媒体流通室5に配置され、前記冷却媒体流通室5の底部付近の触媒層14部分の反応管11に最も低温のボイラ水が接触される。この低温のボイラ水が接触される反応管11内側の内管12では、前述したように前記延出部12aで触媒層14と熱交換して加熱された合成ガスが流通するため、冷却媒体流通室5の底部付近の触媒層14部分での過度の冷却を緩和することができる。
【0031】
すなわち、図3および図4に示す従来の反応装置では冷却媒体流通室35の底部付近の触媒層44部分において最も低温の冷却媒体で冷却されるのみならず、触媒層で内管42に供給された合成ガスでも冷却されるのに対し、図1および図2に示す本発明の実施形態の反応装置では延出部12aで触媒層14と既に熱交換して加熱された合成ガスが流通するため、前記触媒層14部分が過度に冷却されるのを防止することができる。その結果、メタノールの生成に適した温度域に制御することができる。特に、二酸化炭素の含有量が多い(例えば二酸化炭素の含有量が5〜10モル%)合成ガスを用いる場合において、前記メタノールの生成に適した温度域に制御することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態の反応装置では十分に低温の冷却媒体を冷却媒体供給口9から内管12および反応管11間の環状空間13に充填された触媒層14が位置する前記冷却媒体流通室5に供給できるため、メタノール合成時の発熱反応に伴う触媒層14の温度上昇を抑制して過度の温度上昇による触媒の活性劣化を防ぐことができる。
【0033】
さらに、触媒層14を前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13に充填するのみならず、前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室上部6a部分にも充填することによって、従来の反応装置に比べて反応容器2に充填される触媒容量を増大することができる。
【0034】
したがって、本発明の実施形態に係る反応装置1によればメタノールの反応効率(メタノールの生成効率)を向上することができる。
【0035】
【実施例】
以下、好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図5は、前述した図1、図2の反応装置が組み込まれたメタノール製造プラントの要部を示す概略図である。
【0037】
反応装置1は、その合成ガス供給口8に流路501が連結されている。この流路501には、改質器で合成された水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分として含む合成ガスが流通される。前記流路501には、前記合成ガスを予熱するための予熱器51が介装されている。
【0038】
前記反応装置1の排出口17は、流路502を通して気液分離器53に連結されている。この流路502には、前記流路501と予熱器51を介して交換され、さらに冷却器52が介装されている。前記気液分離器53は、ガス循環流路503を通して前記流路501に接続されている。ガス圧縮機54は、前記ガス循環流路503に介装されている。パージガス流路504は、前記気液分離器53と前記ガス圧縮機54の間のガス循環流路503から分岐されている。
【0039】
なお、前記反応装置1の各内管12および反応管11の間の各環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する反応容器2の反応生成ガス滞留室6部分までの領域に充填された触媒層14はCu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒を用いた。
【0040】
次に、前述したメタノール製造プラントを参照してメタノールの製造方法を説明する。
【0041】
まず、水素83モル%、一酸化炭素4モル%および二酸化炭素3モル%を含む合成ガスを流路501を通して反応装置1の合成ガス供給口8から反応容器2の合成ガス流入室7に供給した。このとき、前記合成ガスは前記流路501に介装された予熱器51によりメタノール合成反応に適した温度(例えば150〜200℃)まで予熱された。なお、後述する気液分離器53で分離された未反応ガスはガス循環流路503を通して前記予熱器51手前で前記流路501に供給され、前記合成ガスと混合された。
【0042】
合成ガス流入室7に供給された合成ガスは、複数本の合成ガス導入管16を通して反応生成ガス滞留室6a内に延出された各内管12aに導入され、さらに内管12を上昇し、それらの上端から内管12と反応管11の間に形成された環状空間13内の触媒層14に上部から流入された。合成ガスは、前記触媒層14の上部を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールが合成された。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに前記反応生成ガス滞留室6a内に位置する触媒層14の下部に向かって流通する間、反応がなされ、大部分がメタノールに合成された。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部6bに流出し、排出口17から排出された。
【0043】
前記メタノールの合成において、冷却媒体供給口9から冷却媒体としてボイラ水を冷却媒体流通室5に供給し、冷却媒体排出口10から排出することにより、前記触媒層14を反応管11を通して冷却した。また、合成ガスを内管延出部12aおよび内管12を通して触媒層14が充填された環状空間13の上端まで流通させることによって、前記触媒層14が内側から冷却された。
【0044】
得られたメタノールおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部の排出口17から予熱器51および冷却器52が介装された流路502に供給される。前記冷却器52において、前記反応生成ガスが冷却され、前記反応生成ガス中のメタノールと水はそのほとんどが凝縮し、液状となって気液分離器53に供給される。この気液分離器53では、液状の粗メタノールと未反応ガスとに分離した。液状の粗メタノールは、流路505を通して図示しない蒸留塔に供給して蒸留した。
【0045】
(比較例1)
図6は、前述した図3、図4の従来の反応装置が組み込まれたメタノール製造プラントの要部を示す概略図である。
【0046】
反応装置31は、その合成ガス供給口38に流路601が連結されている。この流路601には、改質器で合成された水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分として含む合成ガスが流通される。前記流路601には、前記合成ガスを予熱するための予熱器61が介装されている。
【0047】
前記反応装置31の排出口47は、流路602を通して気液分離器62に連結されている。この流路602には、前記流路601と予熱器61を介して交差され、さらに冷却器62が介装されている。前記気液分離器63は、ガス循環流路603を通して前記流路601に接続されている。ガス圧縮機64は、前記ガス循環流路603に介装されている。パージガス流路604は、前記気液分離器63と前記ガス圧縮機64の間のガス循環流路603から分岐されている。
【0048】
なお、前記反応装置31の各内管42および反応管41の間の各環状空間に充填された触媒層44はCu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒を用いた。
【0049】
次に、前述したメタノール製造プラントを参照してメタノールの製造方法を説明する。
【0050】
まず、水素83モル%、一酸化炭素4モル%および二酸化炭素3モル%を含む実施例1と同様な組成の合成ガスを流路601を通して反応装置31の合成ガス供給口38から反応容器32の合成ガス流入室37に供給した。このとき、前記合成ガスは前記流路601に介装された予熱器61によりメタノール合成反応に適した温度(例えば150〜200℃)まで予熱された。なお、後述する気液分離器63で分離された未反応ガスはガス循環流路603を通して前記予熱器61手前で前記流路601に供給され、前記合成ガスと混合された。
【0051】
合成ガス流入室37に供給された合成ガスは、複数本の合成ガス導入管46を通して各内管42に導入され、それら内管42を上昇し、それらの上端から内管42と反応管41の間に形成された環状空間43内の触媒層44に上部から流入された。合成ガスは、前記触媒層44の上部を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールが合成された。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに触媒層44の下部に向かって流通する間、反応がなされ、大部分がメタノールに合成された。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス集合室36に流出し、排出口47から排出された。
【0052】
前記メタノールの合成において、冷却媒体供給口39から冷却媒体としてボイラ水を冷却媒体流通室35に供給し、冷却媒体排出口40から排出することにより、前記触媒層44を反応管41を通して冷却した。また、合成ガスを内管42を通して触媒層44が充填された環状空間43の上端に流通させることによって、前記触媒層44が内側から冷却された。
【0053】
得られたメタノールおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス集合室36の排出口47から予熱器61および冷却器62が介装された流路602に供給される。前記冷却器62において、前記反応生成ガスが冷却され、前記反応生成ガス中のメタノールと水はそのほとんどが凝縮し、液状となって気液分離器63に供給される。この気液分離器63では、液状の粗メタノールと未反応ガスとに分離した。液状の粗メタノールは、流路605を通して図示しない蒸留塔に供給して蒸留した。
【0054】
実施例1および比較例1のメタノールの合成において、メタノール生産量を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、メタノール生産量は比較例1を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として求めた。また、下記表1には反応容器に充填される触媒量を比較例1を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として併記した。
【0055】
【表1】
【0056】
前記表1から明らかなように本発明による反応器を用いた実施例1は、従来反応器を用いる比較例1に比べて反応器1基当たりのメタノールの増産化が可能であることがわかる。また同一触媒量当たりのメタノール生産量も比較例1と比べて低下することはなくほぼ同様となる。
【0057】
(実施例2)
合成ガスとして、水素70モル%、一酸化炭素6モル%および二酸化炭素6モル%を含む組成のものを用いた以外、実施例1と同様な方法によりメタノールを合成した。すなわち、この実施例2では前述した実施例1より二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いた。
【0058】
(比較例2)
合成ガスとして、水素70モル%、一酸化炭素6モル%および二酸化炭素6モル%を含む組成のものを用いた以外、比較例1と同様な方法によりメタノールを合成した。すなわち、この比較例2では前述した比較例1より二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いた。
【0059】
実施例2および比較例2のメタノールの合成において、メタノール生産量を調べた。その結果を下記表2に示す。なお、メタノール生産量は比較例2を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として求めた。なお、下記表2には反応容器に充填される触媒量を比較例2を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として併記した。
【0060】
【表2】
【0061】
前記表2から明らかなように本発明による反応器を用いた実施例2は、二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いても、従来反応器を用いる比較例2に比べて反応器1基当たりのメタノールの増産化が可能であることがわかる。また同一触媒量当たりのメタノール生産量も比較例1と比べて低下することはなくほぼ同様となる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、触媒層の高さ方向の温度分布を適切に制御でき、メタノールの反応効率を向上してメタノールの増産化を図ることが可能なメタノール合成用反応装置を提供することができる。
【0063】
更に反応器1基当たりの触媒充填量を増加できるため,反応器1基当たりのメタノール生産量が増加する。このため大型メタノールプラント等において合成塔を多系列化する際に,従来よりも少ない基数の合成塔で同一メタノール生産量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタノール合成用反応装置を示す断面図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】従来のメタノール合成用反応装置を示す断面図。
【図4】図3の要部拡大断面図。
【図5】図1、図2に示す本発明の反応器が組込まれたメタノール製造プラントを示す要部概略図。
【図6】図3、図4に示す従来の反応器が組込まれたメタノール製造プラントを示す要部概略図。
【符号の説明】
1…反応装置、2…反応容器、31、32、33…隔壁、4…合成ガス室、5…冷却媒体流通室、6a,6b…反応生成ガス滞留室、7…合成ガス流入室、8…合成ガス供給口、9…冷却媒体供給口、10…冷却媒体排出口、11…反応管、12…内管、12a…内管延出部、13…環状空間、14…触媒層、15…メッシュ板、16…合成ガス導入管、17…反応生成ガス排出口、51…予熱器、52…冷却器、53…気液分離器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成ガスを触媒の存在下で反応させてメタノールを合成するためのメタノール合成用反応装置およびメタノ−ル製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタノールは、例えば水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含む合成ガスから前記反応装置内充填された合成触媒の存在下で合成されている。
【0003】
このようなメタノール合成用の反応装置としては、従来、例えば特許文献1、特許文献2に開示された技術として図3、図4に示す構造のものが知られている。
【0004】
反応装置31は、反応容器32を備えている。この反応容器32は、第1〜第3の隔壁331、332、333により上部から下方に向けて合成ガス集合室34、冷却媒体流通室35、反応生成ガス集合室36および合成ガス流入室37の4つの室に区画されている。
【0005】
合成ガス供給口38は、前記反応容器32底部に前記合成ガス流入室37と連通するように設けられている。冷却媒体供給口39は、前記冷却媒体流通室35の下部に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。冷却を行った後の媒体の排出口40は、前記冷却媒体流通室35の上部に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。
【0006】
複数本の反応管41は、図3および図4に示すように前記冷却媒体流通室35内に上下端が前記第1、第2の隔壁331、332に支持、固定されるように配置されている。複数本の内管42は、前記各反応管41内に同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入され、これら反応管41との間に環状空間43をそれぞれ形成している。メタノール合成触媒層44は、前記内管及び反応管42,41間の前記環状空間43にそれぞれ充填されている。なお、前記環状空間43の下端には前記触媒の落下を防止するためにメッシュ板(または多孔質板)45が取付けられている。
【0007】
複数本の合成ガス導入管46は、下端が前記反応生成ガス集合室36内および前記第3隔壁333を貫通して前記合成ガス流通室37に連通し、上端が前記各内管42の下端に連結されるように具備されている。反応生成ガス排出口47は、前記反応生成ガス集合室36に対応する前記反応容器32の側壁に設けられている。
【0008】
次に、前述した図3および図4に示す従来の反応装置を用いてメタノールの合成方法を説明する。
【0009】
まず、冷却媒体供給口39から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器32の冷却媒体流通室35に供給し、冷却媒体排出口40から排出して冷却媒体流通室35内に位置する複数本の反応管41およびそれら内側の触媒層44を冷却する。次に水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、所定の温度に予熱された合成ガスを図3に示す合成ガス供給口38から合成ガス流入室37に供給する。この合成ガスは、複数本の合成ガス導入管46を通して各内管42に導入され、それら内管42を上昇し、それらの上端から内管42と反応管41の間の環状空間43内に充填された触媒層44に流入される。合成ガスは、前記触媒層44を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールに変換される。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む粗メタノールガスは、前記環状空間43の下端から反応生成ガス集合室36を経て排出口47から排出される。
【0010】
このようなメタノールの合成において、メタノールの反応効率は内管42と反応管41の間の環状空間43内に充填された触媒層44の高さ方向の温度分布に多大に影響を受ける。
【0011】
すなわち、特許文献1に開示されているように、反応生成物の濃度が十分に低い触媒層入口付近では,反応平衡から十分に離れているために、より高い温度が好ましい。反面、反応が進んだ触媒層出口付近では反応生成物の濃度が高くなり、触媒層入口付近に比べて反応平衡に接近し反応速度が低下するため、反応温度を下げて、反応平衡状態から遠くして、反応速度の低下を防ぐことが好ましい。
【0012】
前述したメタノールの反応効率の向上を図る観点から、図3および図4に示す従来の反応装置では合成ガスを内管42に流通させて、前記触媒層44を内側から冷却し、合成ガス自身は予熱されるため、触媒層入口付近を高温化する。また、触媒層出口付近は冷却媒体供給口39から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器32の冷却媒体流通室35の下部付近に供給し、その冷却媒体流通室35の上部付近に位置させた冷却媒体排出口40から排出することにより、前記触媒層44を反応管41を通して冷却される。
【0013】
【特許文献1】
特公平3−63425号公報
【0014】
【特許文献2】
特公平4−5487号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの実験、研究によれば従来の反応装置では触媒層44の下端付近(冷却媒体流通室35の底部付近)での過度の冷却により、メタノールを含む合成ガスの反応効率が低下することを究明し、特に二酸化炭素の含有量が多い、例えば二酸化炭素の含有量が5〜10モル%の合成ガスでは、メタノールの反応効率の低下が顕著になることも究明した。
【0016】
なお、前記問題を回避するために内管42に供給される合成ガスの予熱温度を高めたり、冷却媒体の温度高くしたり、すると触媒層入口付近での過度の温度上昇を伴い、触媒の活性劣化を招く。そこで、本発明は、触媒層の高さ方向の温度分布を、メタノールの反応効率を向上するのに適した条件に設定することを可能にしたメタノール合成用反応装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るメタノール合成用反応装置は、反応容器内に複数本の反応管を配設し、この反応管内に内管を同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入し二重管とし、前記二重管の内管と反応管の間の環状空間に触媒を充填し、内管は原料流体が導入されるべく外部と連通し、前記触媒層は上記内管内を通過した流体が前記内管内流れ方向と逆の方向に通過せしめるべく内管と連通してある反応装置であって、
前記反応容器を上部から下方に向けて合成ガス集合室、冷却媒体流通室、反応生成ガス滞留室および合成ガス流入室の4つの室に区画するための第1、第2、及び第3の隔壁と、
前記反応容器底部に前記合成ガス流入室と連通するように設けられた合成ガス供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室下部と連通するように設けられた冷却媒体供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室上部と連通するように設けられた冷却媒体排出部と、
前記冷却媒体流通室内に上下端が前記第1、第2の隔壁に支持、固定されるように配置された複数本の反応管と、
前記各反応管内にそれぞれ挿入され、下端が前記反応生成ガス滞留室内の上部まで延出された内管と、
前記反応生成ガス滞留室内に下端が前記第3隔壁を貫通して前記合成ガス流入室に連通し、上端が前記各内管の下端に連結されるように具備された複数本の合成ガス導入管と、
前記内管と反応管の間の環状空間から前記各内管が延出される前記反応生成ガス滞留室上部まで充填されたメタノール合成触媒層と、
前記反応容器の側壁に反応生成ガス滞留室下部と連通するように設けられた反応生成ガス排出部と
を具備したことを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係るメタノールの製造方法は、改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成する合成ガス製造工程と、
前記合成ガスをメタノール合成触媒上で反応させて粗メタノールを生成し、その粗メタノールを冷却後にガス成分と液状粗メタノールとに気液分離して液状粗メタノールを得るメタノール合成工程と、
前記液状粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程と
を含むメタノールの製造方法であって、
前記メタノール合成工程を前述した反応装置を用いて行うことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメタノール合成用反応装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明のメタノール合成用反応装置を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図である。
【0021】
反応装置1は、反応容器2を備えている。この反応容器2は、第1〜第3の隔壁31、32、33により上部から下方に向けて合成ガス集合室4、冷却媒体流通室5、反応生成ガス滞留室6および合成ガス流入室7の4つの室に区画されている。
【0022】
さらに、反応生成ガス滞留室6はメッシュ板15から上部の内管延出部12aの外側に触媒層14を形成する反応生成ガス滞留室上部6aと、メッシュ板15から下部の反応生成ガス滞留室下部6bとによりなる。
【0023】
合成ガス供給口8は、前記反応容器2底部に前記合成ガス流入室7と連通するように設けられている。冷却媒体供給口9は、前記冷却媒体流通室5の下部に対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。冷却を行った後の媒体の排出口10は、前記冷却媒体流通室5の上部に対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。
【0024】
複数本の反応管11は、図1および図2に示すように前記冷却媒体流通室5内に上下端が前記第1、第2の隔壁31、32に支持、固定されるように配置されている。複数本の内管12は、前記各反応管11内に同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入され、これら反応管11との間に環状空間13をそれぞれ形成するとともに、下端が反応生成ガス滞留室上部6aまで延出した延出部12aをそれぞれ有する。
【0025】
メタノール合成触媒層14は、前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室6部分までの領域に充填されている。なお、メタノール合成触媒層14の下端には触媒の落下を防止するためにメッシュ板(または多孔質板)15が取付けられている。前記メタノール合成用触媒としては、例えば銅系触媒を挙げることができる。特に、高濃度の二酸化炭素雰囲気中で高い耐久性を有するCu、Zn、Al、GaおよびM(アルカリ土類金属元素および希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素)を含む酸化物からなり、前記Cu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒が好ましい。
【0026】
複数本の合成ガス導入管16は、下端が前記第3隔壁33を貫通して前記合成ガス流入室7に連通し、上端が前記各内管12の延出部12aの下端に連結されるように配置されている。反応生成ガス排出口17は、前記反応生成ガス滞留室下部6bに対応する前記反応容器2の側壁に設けられている。
【0027】
次に、前述した図1および図2に示す反応装置によるメタノールの合成を説明する。
【0028】
まず、冷却媒体供給口9から冷却媒体(例えばボイラ水)を前記反応容器2の冷却媒体流通室5に供給し、冷却媒体排出口10から排出し、前記冷却媒体流通室5内に位置する複数本の反応管11およびそれら内側の触媒層14を冷却する。つづいて、水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、所定の温度に予熱された合成ガスを図1に示す合成ガス供給口8から合成ガス流入室7に供給する。この合成ガスは、複数本の合成ガス導入管16を通して反応生成ガス滞留室上部6a内に延出された各内管12に導入され、それら内管12を上昇し、それらの上端から内管12と反応管11の間に形成された環状空間13内の触媒層14に上部から流入される。合成ガスは、前記触媒層14の入口から、発熱反応によりメタノールに合成される。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに前記反応生成ガス滞留室6内に向かって流通する間、同様に触媒の存在下で反応がなされ、大部分がメタノールに合成される。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部6bに流出し、排出口17から排出される。
【0029】
このようなメタノールの合成において、メタノール合成触媒層14を前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室上部6a部分までの領域に充填しているため、予熱された合成ガスを導入管16を通して内管12の延出部12aに導入すると、合成ガスと前記反応生成ガス滞留室上部6a部分の触媒層14内の反応生成ガスとが熱交換され、その触媒層14部分が冷却されるとともに、合成ガスが加熱される。
【0030】
また、メタノールの合成において前記延出部12aより上方の内管12は、外周に反応管11が配置され、これら内管12および反応管11間の環状空間13に充填された触媒層14部分は冷却媒体(例えばボイラ水)が供給される冷却媒体流通室5に配置され、前記冷却媒体流通室5の底部付近の触媒層14部分の反応管11に最も低温のボイラ水が接触される。この低温のボイラ水が接触される反応管11内側の内管12では、前述したように前記延出部12aで触媒層14と熱交換して加熱された合成ガスが流通するため、冷却媒体流通室5の底部付近の触媒層14部分での過度の冷却を緩和することができる。
【0031】
すなわち、図3および図4に示す従来の反応装置では冷却媒体流通室35の底部付近の触媒層44部分において最も低温の冷却媒体で冷却されるのみならず、触媒層で内管42に供給された合成ガスでも冷却されるのに対し、図1および図2に示す本発明の実施形態の反応装置では延出部12aで触媒層14と既に熱交換して加熱された合成ガスが流通するため、前記触媒層14部分が過度に冷却されるのを防止することができる。その結果、メタノールの生成に適した温度域に制御することができる。特に、二酸化炭素の含有量が多い(例えば二酸化炭素の含有量が5〜10モル%)合成ガスを用いる場合において、前記メタノールの生成に適した温度域に制御することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態の反応装置では十分に低温の冷却媒体を冷却媒体供給口9から内管12および反応管11間の環状空間13に充填された触媒層14が位置する前記冷却媒体流通室5に供給できるため、メタノール合成時の発熱反応に伴う触媒層14の温度上昇を抑制して過度の温度上昇による触媒の活性劣化を防ぐことができる。
【0033】
さらに、触媒層14を前記各内管12および反応管11間の前記環状空間13に充填するのみならず、前記各内管12の延出部12aが位置する前記反応生成ガス滞留室上部6a部分にも充填することによって、従来の反応装置に比べて反応容器2に充填される触媒容量を増大することができる。
【0034】
したがって、本発明の実施形態に係る反応装置1によればメタノールの反応効率(メタノールの生成効率)を向上することができる。
【0035】
【実施例】
以下、好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
図5は、前述した図1、図2の反応装置が組み込まれたメタノール製造プラントの要部を示す概略図である。
【0037】
反応装置1は、その合成ガス供給口8に流路501が連結されている。この流路501には、改質器で合成された水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分として含む合成ガスが流通される。前記流路501には、前記合成ガスを予熱するための予熱器51が介装されている。
【0038】
前記反応装置1の排出口17は、流路502を通して気液分離器53に連結されている。この流路502には、前記流路501と予熱器51を介して交換され、さらに冷却器52が介装されている。前記気液分離器53は、ガス循環流路503を通して前記流路501に接続されている。ガス圧縮機54は、前記ガス循環流路503に介装されている。パージガス流路504は、前記気液分離器53と前記ガス圧縮機54の間のガス循環流路503から分岐されている。
【0039】
なお、前記反応装置1の各内管12および反応管11の間の各環状空間13から前記各内管12の延出部12aが位置する反応容器2の反応生成ガス滞留室6部分までの領域に充填された触媒層14はCu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒を用いた。
【0040】
次に、前述したメタノール製造プラントを参照してメタノールの製造方法を説明する。
【0041】
まず、水素83モル%、一酸化炭素4モル%および二酸化炭素3モル%を含む合成ガスを流路501を通して反応装置1の合成ガス供給口8から反応容器2の合成ガス流入室7に供給した。このとき、前記合成ガスは前記流路501に介装された予熱器51によりメタノール合成反応に適した温度(例えば150〜200℃)まで予熱された。なお、後述する気液分離器53で分離された未反応ガスはガス循環流路503を通して前記予熱器51手前で前記流路501に供給され、前記合成ガスと混合された。
【0042】
合成ガス流入室7に供給された合成ガスは、複数本の合成ガス導入管16を通して反応生成ガス滞留室6a内に延出された各内管12aに導入され、さらに内管12を上昇し、それらの上端から内管12と反応管11の間に形成された環状空間13内の触媒層14に上部から流入された。合成ガスは、前記触媒層14の上部を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールが合成された。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに前記反応生成ガス滞留室6a内に位置する触媒層14の下部に向かって流通する間、反応がなされ、大部分がメタノールに合成された。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部6bに流出し、排出口17から排出された。
【0043】
前記メタノールの合成において、冷却媒体供給口9から冷却媒体としてボイラ水を冷却媒体流通室5に供給し、冷却媒体排出口10から排出することにより、前記触媒層14を反応管11を通して冷却した。また、合成ガスを内管延出部12aおよび内管12を通して触媒層14が充填された環状空間13の上端まで流通させることによって、前記触媒層14が内側から冷却された。
【0044】
得られたメタノールおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス滞留室下部の排出口17から予熱器51および冷却器52が介装された流路502に供給される。前記冷却器52において、前記反応生成ガスが冷却され、前記反応生成ガス中のメタノールと水はそのほとんどが凝縮し、液状となって気液分離器53に供給される。この気液分離器53では、液状の粗メタノールと未反応ガスとに分離した。液状の粗メタノールは、流路505を通して図示しない蒸留塔に供給して蒸留した。
【0045】
(比較例1)
図6は、前述した図3、図4の従来の反応装置が組み込まれたメタノール製造プラントの要部を示す概略図である。
【0046】
反応装置31は、その合成ガス供給口38に流路601が連結されている。この流路601には、改質器で合成された水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分として含む合成ガスが流通される。前記流路601には、前記合成ガスを予熱するための予熱器61が介装されている。
【0047】
前記反応装置31の排出口47は、流路602を通して気液分離器62に連結されている。この流路602には、前記流路601と予熱器61を介して交差され、さらに冷却器62が介装されている。前記気液分離器63は、ガス循環流路603を通して前記流路601に接続されている。ガス圧縮機64は、前記ガス循環流路603に介装されている。パージガス流路604は、前記気液分離器63と前記ガス圧縮機64の間のガス循環流路603から分岐されている。
【0048】
なお、前記反応装置31の各内管42および反応管41の間の各環状空間に充填された触媒層44はCu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒を用いた。
【0049】
次に、前述したメタノール製造プラントを参照してメタノールの製造方法を説明する。
【0050】
まず、水素83モル%、一酸化炭素4モル%および二酸化炭素3モル%を含む実施例1と同様な組成の合成ガスを流路601を通して反応装置31の合成ガス供給口38から反応容器32の合成ガス流入室37に供給した。このとき、前記合成ガスは前記流路601に介装された予熱器61によりメタノール合成反応に適した温度(例えば150〜200℃)まで予熱された。なお、後述する気液分離器63で分離された未反応ガスはガス循環流路603を通して前記予熱器61手前で前記流路601に供給され、前記合成ガスと混合された。
【0051】
合成ガス流入室37に供給された合成ガスは、複数本の合成ガス導入管46を通して各内管42に導入され、それら内管42を上昇し、それらの上端から内管42と反応管41の間に形成された環状空間43内の触媒層44に上部から流入された。合成ガスは、前記触媒層44の上部を流通する間、触媒の存在下で発熱反応によりメタノールが合成された。生成されたメタノールを含む未反応の合成ガスは、さらに触媒層44の下部に向かって流通する間、反応がなされ、大部分がメタノールに合成された。メタノールガスおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス集合室36に流出し、排出口47から排出された。
【0052】
前記メタノールの合成において、冷却媒体供給口39から冷却媒体としてボイラ水を冷却媒体流通室35に供給し、冷却媒体排出口40から排出することにより、前記触媒層44を反応管41を通して冷却した。また、合成ガスを内管42を通して触媒層44が充填された環状空間43の上端に流通させることによって、前記触媒層44が内側から冷却された。
【0053】
得られたメタノールおよび未反応の合成ガスを含む反応生成ガスは、反応生成ガス集合室36の排出口47から予熱器61および冷却器62が介装された流路602に供給される。前記冷却器62において、前記反応生成ガスが冷却され、前記反応生成ガス中のメタノールと水はそのほとんどが凝縮し、液状となって気液分離器63に供給される。この気液分離器63では、液状の粗メタノールと未反応ガスとに分離した。液状の粗メタノールは、流路605を通して図示しない蒸留塔に供給して蒸留した。
【0054】
実施例1および比較例1のメタノールの合成において、メタノール生産量を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、メタノール生産量は比較例1を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として求めた。また、下記表1には反応容器に充填される触媒量を比較例1を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として併記した。
【0055】
【表1】
【0056】
前記表1から明らかなように本発明による反応器を用いた実施例1は、従来反応器を用いる比較例1に比べて反応器1基当たりのメタノールの増産化が可能であることがわかる。また同一触媒量当たりのメタノール生産量も比較例1と比べて低下することはなくほぼ同様となる。
【0057】
(実施例2)
合成ガスとして、水素70モル%、一酸化炭素6モル%および二酸化炭素6モル%を含む組成のものを用いた以外、実施例1と同様な方法によりメタノールを合成した。すなわち、この実施例2では前述した実施例1より二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いた。
【0058】
(比較例2)
合成ガスとして、水素70モル%、一酸化炭素6モル%および二酸化炭素6モル%を含む組成のものを用いた以外、比較例1と同様な方法によりメタノールを合成した。すなわち、この比較例2では前述した比較例1より二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いた。
【0059】
実施例2および比較例2のメタノールの合成において、メタノール生産量を調べた。その結果を下記表2に示す。なお、メタノール生産量は比較例2を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として求めた。なお、下記表2には反応容器に充填される触媒量を比較例2を基準値(100)とし、この基準値に対する相対値として併記した。
【0060】
【表2】
【0061】
前記表2から明らかなように本発明による反応器を用いた実施例2は、二酸化炭素量が多い組成の合成ガスを用いても、従来反応器を用いる比較例2に比べて反応器1基当たりのメタノールの増産化が可能であることがわかる。また同一触媒量当たりのメタノール生産量も比較例1と比べて低下することはなくほぼ同様となる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、触媒層の高さ方向の温度分布を適切に制御でき、メタノールの反応効率を向上してメタノールの増産化を図ることが可能なメタノール合成用反応装置を提供することができる。
【0063】
更に反応器1基当たりの触媒充填量を増加できるため,反応器1基当たりのメタノール生産量が増加する。このため大型メタノールプラント等において合成塔を多系列化する際に,従来よりも少ない基数の合成塔で同一メタノール生産量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタノール合成用反応装置を示す断面図。
【図2】図1の要部拡大断面図。
【図3】従来のメタノール合成用反応装置を示す断面図。
【図4】図3の要部拡大断面図。
【図5】図1、図2に示す本発明の反応器が組込まれたメタノール製造プラントを示す要部概略図。
【図6】図3、図4に示す従来の反応器が組込まれたメタノール製造プラントを示す要部概略図。
【符号の説明】
1…反応装置、2…反応容器、31、32、33…隔壁、4…合成ガス室、5…冷却媒体流通室、6a,6b…反応生成ガス滞留室、7…合成ガス流入室、8…合成ガス供給口、9…冷却媒体供給口、10…冷却媒体排出口、11…反応管、12…内管、12a…内管延出部、13…環状空間、14…触媒層、15…メッシュ板、16…合成ガス導入管、17…反応生成ガス排出口、51…予熱器、52…冷却器、53…気液分離器。
Claims (4)
- 反応容器内に複数本の反応管を配設し、この反応管内に内管を同心円状もしくはほぼ同心円状に挿入し二重管とし、前記二重管の内管と反応管の間の環状空間に触媒を充填し、内管は原料流体が導入されるべく外部と連通し、前記触媒層は上記内管内を通過した流体が前記内管内流れ方向と逆の方向に通過せしめるべく内管と連通してある反応装置であって、
前記反応容器を上部から下方に向けて合成ガス集合室、冷却媒体流通室、反応生成ガス滞留室および合成ガス流入室の4つの室に区画するための第1、第2、及び第3の隔壁と、
前記反応容器底部に前記合成ガス流入室と連通するように設けられた合成ガス供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室下部と連通するように設けられた冷却媒体供給部と、
前記反応容器の側壁に前記冷却媒体流通室上部と連通するように設けられた冷却媒体排出部と、
前記冷却媒体流通室内に上下端が前記第1、第2の隔壁に支持、固定されるように配置された複数本の反応管と、
前記各反応管内にそれぞれ挿入され、下端が前記反応生成ガス滞留室内の上部まで延出された内管と、
前記反応生成ガス滞留室内に下端が前記第3隔壁を貫通して前記合成ガス流入室に連通し、上端が前記各内管の下端に連結されるように具備された複数本の合成ガス導入管と、
前記内管と反応管の間の環状空間から前記各内管が延出される前記反応生成ガス滞留室上部まで充填されたメタノール合成触媒層と、
前記反応容器の側壁に反応生成ガス滞留室下部と連通するように設けられた反応生成ガス排出部と
を具備したことを特徴とするメタノール合成用反応装置。 - 前記メタノール合成触媒は、Cu、Zn、Al、GaおよびM(アルカリ土類金属元素および希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素)を含む酸化物からなり、前記Cu、Zn、Al、GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有することを特徴とする請求項1記載のメタノール合成用反応装置。
- 改質器で炭化水素を水蒸気と反応させて、水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む合成ガスを生成する合成ガス製造工程と、
前記合成ガスをメタノール合成触媒上で反応させて粗メタノールを生成し、その粗メタノールを冷却後にガス成分と液状粗メタノールとに気液分離して液状粗メタノールを得るメタノール合成工程と、
前記液状粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程と
を含むメタノールの製造方法であって、
前記メタノール合成工程を請求項1記載の反応装置を用いて行うことを特徴とするメタノールの製造方法。 - 前記合成ガスは、水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、二酸化炭素が2〜10モル%含有する成分組成を有することを特徴とする請求項3記載のメタノールの製造方法。
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