JP2004314534A - レジ用インクジェット記録方法及びインクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】レシート印刷において、印刷濃度と印刷耐性との両立を実現できるレジ用インクジェット記録方法および、そのためのレジ用インクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上のノズル列を有するインクジェットヘッド8を用いて、少なくとも1つのノズル列から染料を着色剤として含有するインクと、少なくとも1つのノズル列から前記の染料を着色剤として含有するインクと同色の顔料を着色剤として含有するインクとを吐出し、同色の染料インクと顔料インクとを同一位置に着弾させロール紙4にレシート印刷する。この記録方法によれば、印刷濃度と印刷耐性との両立を実現できるレシート印刷を実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも2つ以上のノズル列を有するインクジェットヘッド8を用いて、少なくとも1つのノズル列から染料を着色剤として含有するインクと、少なくとも1つのノズル列から前記の染料を着色剤として含有するインクと同色の顔料を着色剤として含有するインクとを吐出し、同色の染料インクと顔料インクとを同一位置に着弾させロール紙4にレシート印刷する。この記録方法によれば、印刷濃度と印刷耐性との両立を実現できるレシート印刷を実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料を着色剤とするインクと顔料を着色材とするインクを使用することにより、印刷濃度と印刷耐性を兼ね備えたレジ用インクジェット記録方法及びレジ用インクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
独立的、或いはPOSシステムのターミナルとして使用される例えば電子キャッシュレジスタ型の商品販売データ処理装置では、顧客買い上げ商品について商品登録し、1取引終了宣言の締め操作を条件として会計処理を行う。登録製品情報及び会計処理情報等を含むレシート印字情報は編集されかつレジ用プリンタを駆動制御してレシート用紙に印字される。そして、カットされたレシートを発行し当該顧客に手渡される。
【0003】
このようなレジ用プリンタとして、従来はサーマルプリンタやインパクトドットプリンタが多用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年、レシートの利用性は高まっており、例えば、顧客がレシートからレシート印字情報を読み取り、当該レシート印字情報を自宅パソコンに入力し、或いは自動文字読取装置等を用いて読み取り入力し、家計簿を管理するといった利用方法がある。また、販売店がレシートに商品情報等をバーコードで印字し、返品時等にそのバーコードを読み取り、商品管理を簡素化するといった利用方法がある。従って、レシートに印刷された印字情報について、顧客及び販売店の双方から高画質、且つ高保存性が望まれている。しかしながら、レジ用プリンタとして、サーマルプリンタを採用すると消耗品であるレシート用紙(感熱用紙)が高価であり、且つ耐光性、耐熱性の点から、長期の保存には向いていない。また、インパクトドットプリンタを利用すると、印字時の騒音が大きく耳障りである。
【0005】
これらの課題を解決するため、ロール紙として普通紙を使用し、印刷を行うインクジェットプリンタを利用するレジ用プリンタが近年登場している。インクジェットプリンタによるレシートの印字情報の保存性に大きく寄与しているのは、露光における光退色である。そのため、より耐光性に優れた印字情報を形成することが求められている。そして、染料インクは一般的に色再現範囲が広く鮮やかな色調になるが、耐光性は低い。一方、耐光性を優先すれば顔料インクを用いることになるが、顔料インクは色再現範囲が狭く、印刷濃度が低くなる。即ち、インクジェットプリンタを用いても、印刷濃度と印刷耐性(例えば、耐光性、耐水性、耐熱性)を両立させるのは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、同色の染料インクと顔料インクとを同一着弾位置に重ねて印刷できるインクジェット記録方法を用いて、高画質で高速印字ができ、且つ印刷濃度と印刷耐性を両立させるレシート印刷を可能とするレジ用インクジェットプリンタを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクジェットヘッドの少なくとも1つのノズル列から染料を着色剤として含有する染料系インクを吐出する染料インク吐出工程と、前記インクジェットヘッドの他のノズル列から顔料を着色剤として含有する顔料系インクとを吐出する顔料インク吐出工程とを有し、
どちらか一方のインクに他方のインクを同一着弾位置に重ねて印刷することを特徴とする。
【0008】
上記の本発明により、染料系の欠点の耐光性を顔料系のインクがカバーするので、染料系と顔料系の両方の特徴を備えた印刷ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明に適用したレジ用インクジェットプリンタを示す斜視図である。レジ用インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体にロール紙充填機構2と単票紙挿入機構3とガイドシャフト6とキャリッジ7とインクジェットヘッド8とインクカートリッジを収納するインク供給部10とを備えている。本実施形態では、印刷媒体であるロール紙4及び単票紙5に非接触印字可能なインクジェットヘッド8を利用することから、同一のインクジェットヘッド8を用い、印刷位置11において、ロール紙4及び単票紙5にも印字可能な構成にしてある。
【0010】
即ち、レジ用インクジェットプリンタ1は、ケーブルを介して電子キャッシュレジスタ(図示省略)に接続され、電子キャッシュレジスタから受信した商品登録及び会計処理に伴うレシート印字情報である画像、文字、バーコードを印刷媒体であるロール紙4または単票紙5に印刷し、顧客に手渡すために使用される。インクジェットヘッド8へのインク供給方法は、インク供給部10にインクカートリッジをセットし、チューブを介して供給する。インクカートリッジは全色一体となったインクカーリッジであっても、各色単体となったインクカートリッジでもあってもよい。
【0011】
図2は本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタに備えられているインクジェットヘッドの斜視図である。インクジェットヘッド8は、ノズル40が複数個並び一つのノズル列を形成している。染料を着色剤として含有するブラックインクを吐出する複数個のノズル40を備えるノズル列31と、顔料を着色剤として含有するブラックインクを吐出する複数個のノズル40を備えるノズル列32を有する。この場合において、相対するノズル列40は、インクジェットヘッド8の駆動方向(キャリッジ7と平行を意味する)で横一列に形成されていることが、紙送り機構制御及びインク吐出制御上望ましい。
【0012】
また、図2では、2つのノズル列でブラックインク専用としたインクジェットヘッドを図示しているが、例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色について、それぞれの染料インクと顔料インクを吐出するノズル列及びインク流路を1つのインクジェットヘッドに分けて形成し、更にそれぞれにインクを供給するインク供給システムとそれぞれのインク吐出制御システムを備えることで、実現が可能である。また、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色について、1つずつのインクジェットヘッドを使用する方法においても実現可能である。
【0013】
なお、本発明の一実施形態であるインクジェットヘッド8は、これらのインクをノズル40から吐出させるインクジェット記録方式として、小型で且つ省電力で駆動する静電アクチュエータを利用したインクジェット記録方式を採用したが、圧電素子を利用したピエゾ方式のインクジェット記録方式、熱エネルギーを利用したサーマルインクジェット記録方式であってもよい。
【0014】
本発明のレジ用インクジェット記録方法は、印字情報を同色の染料インクと顔料インクからなるインクセットを予め設定されたプログラムに従って、印刷媒体への吐出のための記録信号に変換処理し、該記録信号に従って前記インクセットを利用して行われる。前述したいずれのヘッド構成においても、同色の染料インクと顔料インク液滴は、印刷媒体の同一位置に着弾するようにプログラムが構成されている。
【0015】
インクの着弾順序は、染料インク液滴が先でも、顔料インク液滴が先でもよい。さらに、染料インクと顔料インクのインク液滴の体積は、それぞれ単独で印字した際、その画像において問題ない範囲で、できるだけ小さくすることが同一着弾位置で重ね打ちした時に、インクの定着性がよくなるので好ましい。
【0016】
また、インク液滴の体積は、インクに含まれる界面活性剤、浸透性溶剤等の含有量を調整することで、大きくしたり小さくしたりすることができる。加えて、電子キャッシュレジスタからの操作により、顔料インク、染料インクを選択し、どちらか一方のインクで印刷することも可能である。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタによるロール紙及び領収証の発行例を示す図である。図3(a)はロール紙に印字されたレシート70、図3(b)は単票紙に印字された領収証71である。バーコード72には、商品情報、或いは顧客データが書き込んである。例えば、販売店は、顧客からの返品、修理のとき、バーコードスキャナで読み取るようにすれば、商品情報管理において簡素化ができる。従って、バーコード72を印刷濃度と印刷耐性をよくしておくように顔料インクで印刷した上に染料インクで印刷し、他の部分は染料インクで印刷している。
【0018】
これにより、販売店のロゴや広告等は表現力豊かで再現性のある染料インクで印刷し、バーコード72を長期に保存できるようにすることができる。
【0019】
領収書71の場合は、記載されている殆ど全てが長期保存性を求められるため、領収書発行の指示があった場合、印刷する全ての情報を顔料インクの上に染料インクで重ね印刷するように制御されている。尚、全て重ね印字する場合の指示は、レジのオペレータが入力する情報によってレシート印刷とは区別される。
【0020】
上記のように重ね印字した場合、顔料インクを使用していることで、自動車の中、家の中(特に太陽光が当たる場所)に放置されても、サーマル紙に印刷されたレシート等に比べて長期間保存できるため、領収証などにも適している。
【0021】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく,種々の変更を行うことができる。例えば、レシートの期日をも重ね印字しても構わなく、更には、レジ用プリンタからチケット等を印字する場合も適宜重ね印字しても構わないものである。
【0022】
以下に本発明による実施例と比較例を挙げて具体的に説明する。
【0023】
インクの調製
次の表に示される成分を混合しインクを調製した。
【0024】
【表1】
表中、全ての数値は重量%である。着色剤として、顔料は表面処理型顔料分散液CW1(オリエント化学工業株式会社製)を、染料には、染料水溶液Special Black SP liquid(バイエル株式会社製)を用いた。
【0025】
インク放置安定性
表中のインクを60℃環境下において28日間、静かに放置後、容器上部のインクと容器下部のインクを取り出し、着色剤の沈殿について、分光光度計U−3000(日立製作所社製)を用いて次のように評価した。
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が10%未満のもの ○
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が10%以上20%未満のもの △
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が20%以上のもの ×
以上の結果は表1に記載される通りであった。
【0026】
表1のインクを、POS用インクジェットプリンタTM−J2100セイコーエプソン社製)搭載されているインクジェットヘッドのノズル列A及びノズル列Bの2列のノズル列に供給し、ノズル列Aとノズル列Bの相対するノズルから吐出したインク液滴が同一位置に着弾するように制御して印刷媒体に記録した。それぞれノズル列の供給するインクセットの組み合わせは、次に示す表2の通りである。
【0027】
本発明の実施例となるインクセットはインクセット4(表2参照)であり、その他のインクセットが比較例となる。尚、印刷媒体として、ロール紙は王子レジ45kg紙(王子製紙社)を、単票紙はXerox P紙(Xerox社製)を用いた。
【0028】
【表2】
得られた印字物の印刷濃度、バーコード読取性、耐光性を次のように評価した。
【0029】
印字濃度
1cm×1cmのベタブロックを印字後1時間放置し、反射濃度計RD918(マクベス社製)にて印字濃度を測定し、それを次のように評価した。
濃度が1以上のものを○
濃度が1未満0.6以上のものを△
濃度が0.6未満のものを×
バーコード読取性
バーコード印字後1時間放置し、バーコード検証機LASERCEKII(Symbol社製)にて、バーコード読取性を測定し、それを次のように評価した。
ANSIモード測定結果がグレードA、B、Cのものを○
ANSIモード測定結果がグレードDのものを△
ANSIモード測定結果がグレードFのものを×
耐光性
1cm×1cmのベタブロック印字後1時間放置し、反射濃度計RD918(マクベス社製)にて印字濃度(放置前濃度)を測定した。さらに、太陽光下にて1週間放置し、同測定機で印字濃度(放置後濃度)を測定し、それを次のように評価した。
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が10%未満のもの○
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が10%以上50%未満のもの△
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が50%以上のもの×
以上の結果は表2に記載される通りであった。
【0030】
上記表1においては、インク1a、インク1b、インク1c、インク2a、インク2bが放置安定性があり、表2からはインクセット3a及びインクセット4が印字濃度、バーコード読取性、耐光性に優れている結果を示している。
【0031】
従って、表1と表2から、本発明のインクカセット4は、表1の放置安定性に優れたインク1aとインク2aを使用しており、表2においても優れていることから、本発明のものが最良のものであること分かる。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、同色の染料インクと顔料インクとを重ねて印刷するインクジェット記録方法を用いて、高画質で高速印字が可能で、且つ印刷濃度と印刷耐性を両立させ、自動文字読取装置及びバーコードにおける読取性の高いレシート印刷を可能とするレジ用インクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタに備えられているインクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタによるロール紙及び領収証の発行例を示す図である。
【符号の説明】
1.インクジェットプリンタ
2.ロール紙充填機構
3.単票紙挿入機構
4.ロール紙
5.単票紙
6.ガイドシャフト
7.キャリッジ
8.インクジェットヘッド
10.インク供給部
11.印刷位置
31.染料インク吐出ノズル列
32.顔料インク吐出ノズル列
40.ノズル
70.レシート
71.領収証
72.バーコード
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料を着色剤とするインクと顔料を着色材とするインクを使用することにより、印刷濃度と印刷耐性を兼ね備えたレジ用インクジェット記録方法及びレジ用インクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
独立的、或いはPOSシステムのターミナルとして使用される例えば電子キャッシュレジスタ型の商品販売データ処理装置では、顧客買い上げ商品について商品登録し、1取引終了宣言の締め操作を条件として会計処理を行う。登録製品情報及び会計処理情報等を含むレシート印字情報は編集されかつレジ用プリンタを駆動制御してレシート用紙に印字される。そして、カットされたレシートを発行し当該顧客に手渡される。
【0003】
このようなレジ用プリンタとして、従来はサーマルプリンタやインパクトドットプリンタが多用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年、レシートの利用性は高まっており、例えば、顧客がレシートからレシート印字情報を読み取り、当該レシート印字情報を自宅パソコンに入力し、或いは自動文字読取装置等を用いて読み取り入力し、家計簿を管理するといった利用方法がある。また、販売店がレシートに商品情報等をバーコードで印字し、返品時等にそのバーコードを読み取り、商品管理を簡素化するといった利用方法がある。従って、レシートに印刷された印字情報について、顧客及び販売店の双方から高画質、且つ高保存性が望まれている。しかしながら、レジ用プリンタとして、サーマルプリンタを採用すると消耗品であるレシート用紙(感熱用紙)が高価であり、且つ耐光性、耐熱性の点から、長期の保存には向いていない。また、インパクトドットプリンタを利用すると、印字時の騒音が大きく耳障りである。
【0005】
これらの課題を解決するため、ロール紙として普通紙を使用し、印刷を行うインクジェットプリンタを利用するレジ用プリンタが近年登場している。インクジェットプリンタによるレシートの印字情報の保存性に大きく寄与しているのは、露光における光退色である。そのため、より耐光性に優れた印字情報を形成することが求められている。そして、染料インクは一般的に色再現範囲が広く鮮やかな色調になるが、耐光性は低い。一方、耐光性を優先すれば顔料インクを用いることになるが、顔料インクは色再現範囲が狭く、印刷濃度が低くなる。即ち、インクジェットプリンタを用いても、印刷濃度と印刷耐性(例えば、耐光性、耐水性、耐熱性)を両立させるのは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、同色の染料インクと顔料インクとを同一着弾位置に重ねて印刷できるインクジェット記録方法を用いて、高画質で高速印字ができ、且つ印刷濃度と印刷耐性を両立させるレシート印刷を可能とするレジ用インクジェットプリンタを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクジェットヘッドの少なくとも1つのノズル列から染料を着色剤として含有する染料系インクを吐出する染料インク吐出工程と、前記インクジェットヘッドの他のノズル列から顔料を着色剤として含有する顔料系インクとを吐出する顔料インク吐出工程とを有し、
どちらか一方のインクに他方のインクを同一着弾位置に重ねて印刷することを特徴とする。
【0008】
上記の本発明により、染料系の欠点の耐光性を顔料系のインクがカバーするので、染料系と顔料系の両方の特徴を備えた印刷ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明に適用したレジ用インクジェットプリンタを示す斜視図である。レジ用インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体にロール紙充填機構2と単票紙挿入機構3とガイドシャフト6とキャリッジ7とインクジェットヘッド8とインクカートリッジを収納するインク供給部10とを備えている。本実施形態では、印刷媒体であるロール紙4及び単票紙5に非接触印字可能なインクジェットヘッド8を利用することから、同一のインクジェットヘッド8を用い、印刷位置11において、ロール紙4及び単票紙5にも印字可能な構成にしてある。
【0010】
即ち、レジ用インクジェットプリンタ1は、ケーブルを介して電子キャッシュレジスタ(図示省略)に接続され、電子キャッシュレジスタから受信した商品登録及び会計処理に伴うレシート印字情報である画像、文字、バーコードを印刷媒体であるロール紙4または単票紙5に印刷し、顧客に手渡すために使用される。インクジェットヘッド8へのインク供給方法は、インク供給部10にインクカートリッジをセットし、チューブを介して供給する。インクカートリッジは全色一体となったインクカーリッジであっても、各色単体となったインクカートリッジでもあってもよい。
【0011】
図2は本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタに備えられているインクジェットヘッドの斜視図である。インクジェットヘッド8は、ノズル40が複数個並び一つのノズル列を形成している。染料を着色剤として含有するブラックインクを吐出する複数個のノズル40を備えるノズル列31と、顔料を着色剤として含有するブラックインクを吐出する複数個のノズル40を備えるノズル列32を有する。この場合において、相対するノズル列40は、インクジェットヘッド8の駆動方向(キャリッジ7と平行を意味する)で横一列に形成されていることが、紙送り機構制御及びインク吐出制御上望ましい。
【0012】
また、図2では、2つのノズル列でブラックインク専用としたインクジェットヘッドを図示しているが、例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色について、それぞれの染料インクと顔料インクを吐出するノズル列及びインク流路を1つのインクジェットヘッドに分けて形成し、更にそれぞれにインクを供給するインク供給システムとそれぞれのインク吐出制御システムを備えることで、実現が可能である。また、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色について、1つずつのインクジェットヘッドを使用する方法においても実現可能である。
【0013】
なお、本発明の一実施形態であるインクジェットヘッド8は、これらのインクをノズル40から吐出させるインクジェット記録方式として、小型で且つ省電力で駆動する静電アクチュエータを利用したインクジェット記録方式を採用したが、圧電素子を利用したピエゾ方式のインクジェット記録方式、熱エネルギーを利用したサーマルインクジェット記録方式であってもよい。
【0014】
本発明のレジ用インクジェット記録方法は、印字情報を同色の染料インクと顔料インクからなるインクセットを予め設定されたプログラムに従って、印刷媒体への吐出のための記録信号に変換処理し、該記録信号に従って前記インクセットを利用して行われる。前述したいずれのヘッド構成においても、同色の染料インクと顔料インク液滴は、印刷媒体の同一位置に着弾するようにプログラムが構成されている。
【0015】
インクの着弾順序は、染料インク液滴が先でも、顔料インク液滴が先でもよい。さらに、染料インクと顔料インクのインク液滴の体積は、それぞれ単独で印字した際、その画像において問題ない範囲で、できるだけ小さくすることが同一着弾位置で重ね打ちした時に、インクの定着性がよくなるので好ましい。
【0016】
また、インク液滴の体積は、インクに含まれる界面活性剤、浸透性溶剤等の含有量を調整することで、大きくしたり小さくしたりすることができる。加えて、電子キャッシュレジスタからの操作により、顔料インク、染料インクを選択し、どちらか一方のインクで印刷することも可能である。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタによるロール紙及び領収証の発行例を示す図である。図3(a)はロール紙に印字されたレシート70、図3(b)は単票紙に印字された領収証71である。バーコード72には、商品情報、或いは顧客データが書き込んである。例えば、販売店は、顧客からの返品、修理のとき、バーコードスキャナで読み取るようにすれば、商品情報管理において簡素化ができる。従って、バーコード72を印刷濃度と印刷耐性をよくしておくように顔料インクで印刷した上に染料インクで印刷し、他の部分は染料インクで印刷している。
【0018】
これにより、販売店のロゴや広告等は表現力豊かで再現性のある染料インクで印刷し、バーコード72を長期に保存できるようにすることができる。
【0019】
領収書71の場合は、記載されている殆ど全てが長期保存性を求められるため、領収書発行の指示があった場合、印刷する全ての情報を顔料インクの上に染料インクで重ね印刷するように制御されている。尚、全て重ね印字する場合の指示は、レジのオペレータが入力する情報によってレシート印刷とは区別される。
【0020】
上記のように重ね印字した場合、顔料インクを使用していることで、自動車の中、家の中(特に太陽光が当たる場所)に放置されても、サーマル紙に印刷されたレシート等に比べて長期間保存できるため、領収証などにも適している。
【0021】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく,種々の変更を行うことができる。例えば、レシートの期日をも重ね印字しても構わなく、更には、レジ用プリンタからチケット等を印字する場合も適宜重ね印字しても構わないものである。
【0022】
以下に本発明による実施例と比較例を挙げて具体的に説明する。
【0023】
インクの調製
次の表に示される成分を混合しインクを調製した。
【0024】
【表1】
表中、全ての数値は重量%である。着色剤として、顔料は表面処理型顔料分散液CW1(オリエント化学工業株式会社製)を、染料には、染料水溶液Special Black SP liquid(バイエル株式会社製)を用いた。
【0025】
インク放置安定性
表中のインクを60℃環境下において28日間、静かに放置後、容器上部のインクと容器下部のインクを取り出し、着色剤の沈殿について、分光光度計U−3000(日立製作所社製)を用いて次のように評価した。
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が10%未満のもの ○
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が10%以上20%未満のもの △
容器上部のインクと容器下部のインクとの吸光度差が20%以上のもの ×
以上の結果は表1に記載される通りであった。
【0026】
表1のインクを、POS用インクジェットプリンタTM−J2100セイコーエプソン社製)搭載されているインクジェットヘッドのノズル列A及びノズル列Bの2列のノズル列に供給し、ノズル列Aとノズル列Bの相対するノズルから吐出したインク液滴が同一位置に着弾するように制御して印刷媒体に記録した。それぞれノズル列の供給するインクセットの組み合わせは、次に示す表2の通りである。
【0027】
本発明の実施例となるインクセットはインクセット4(表2参照)であり、その他のインクセットが比較例となる。尚、印刷媒体として、ロール紙は王子レジ45kg紙(王子製紙社)を、単票紙はXerox P紙(Xerox社製)を用いた。
【0028】
【表2】
得られた印字物の印刷濃度、バーコード読取性、耐光性を次のように評価した。
【0029】
印字濃度
1cm×1cmのベタブロックを印字後1時間放置し、反射濃度計RD918(マクベス社製)にて印字濃度を測定し、それを次のように評価した。
濃度が1以上のものを○
濃度が1未満0.6以上のものを△
濃度が0.6未満のものを×
バーコード読取性
バーコード印字後1時間放置し、バーコード検証機LASERCEKII(Symbol社製)にて、バーコード読取性を測定し、それを次のように評価した。
ANSIモード測定結果がグレードA、B、Cのものを○
ANSIモード測定結果がグレードDのものを△
ANSIモード測定結果がグレードFのものを×
耐光性
1cm×1cmのベタブロック印字後1時間放置し、反射濃度計RD918(マクベス社製)にて印字濃度(放置前濃度)を測定した。さらに、太陽光下にて1週間放置し、同測定機で印字濃度(放置後濃度)を測定し、それを次のように評価した。
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が10%未満のもの○
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が10%以上50%未満のもの△
放置後濃度が放置前濃度からの濃度低下が50%以上のもの×
以上の結果は表2に記載される通りであった。
【0030】
上記表1においては、インク1a、インク1b、インク1c、インク2a、インク2bが放置安定性があり、表2からはインクセット3a及びインクセット4が印字濃度、バーコード読取性、耐光性に優れている結果を示している。
【0031】
従って、表1と表2から、本発明のインクカセット4は、表1の放置安定性に優れたインク1aとインク2aを使用しており、表2においても優れていることから、本発明のものが最良のものであること分かる。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、同色の染料インクと顔料インクとを重ねて印刷するインクジェット記録方法を用いて、高画質で高速印字が可能で、且つ印刷濃度と印刷耐性を両立させ、自動文字読取装置及びバーコードにおける読取性の高いレシート印刷を可能とするレジ用インクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタに備えられているインクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態であるレジ用インクジェットプリンタによるロール紙及び領収証の発行例を示す図である。
【符号の説明】
1.インクジェットプリンタ
2.ロール紙充填機構
3.単票紙挿入機構
4.ロール紙
5.単票紙
6.ガイドシャフト
7.キャリッジ
8.インクジェットヘッド
10.インク供給部
11.印刷位置
31.染料インク吐出ノズル列
32.顔料インク吐出ノズル列
40.ノズル
70.レシート
71.領収証
72.バーコード
Claims (3)
- インクジェットヘッドの少なくとも1つのノズル列から染料を着色剤として含有する染料系インクを吐出する染料インク吐出工程と、前記インクジェットヘッドの他のノズル列から顔料を着色剤として含有する顔料系インクとを吐出する顔料インク吐出工程とを有し、
どちらか一方のインクに他方のインクを同一着弾位置に重ねて印刷することを特徴とするレジ用インクジェット記録方法。 - 請求項1記載のレジ用インクジェット記録方法において、
重ね合わせて印刷する前記インクは、同色であることを特徴とするレジ用インクジェット記録方法。 - 請求項1及び請求項2記載のレジ用インクジェット記録方法を備えるレジ用インクジェットプリンタ。
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- 2003-04-18 JP JP2003114355A patent/JP2004314534A/ja not_active Withdrawn
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