JP2004313924A - 浸漬型膜分離装置の集水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸漬型膜分離装置の集水装置であって、濾過運転時、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になるのを防止し、さらに、逆洗運転時、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になるのを防止する。
【解決手段】各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集める集水管32と、膜透過液を集水管32内から外部へ導出する膜透過液導出管33とが設けられ、集水管32内に集水空間34が形成され、膜透過液導出管33の先端部が集水管32の一端側から集水管32内へ挿入されて、同一軸心状に配置された二重管構造となっている。膜透過液導出管33には、集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が形成され、連通口35は管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【選択図】 図1
【解決手段】各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集める集水管32と、膜透過液を集水管32内から外部へ導出する膜透過液導出管33とが設けられ、集水管32内に集水空間34が形成され、膜透過液導出管33の先端部が集水管32の一端側から集水管32内へ挿入されて、同一軸心状に配置された二重管構造となっている。膜透過液導出管33には、集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が形成され、連通口35は管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定間隔をおいて配列された複数の膜カートリッジを有する浸漬型膜分離装置の集水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4,図5に示すように、し尿処理や合併処理等を行う処理装置として、処理槽内に設置される浸漬型膜分離装置10が用いられている。すなわち、浸漬型膜分離装置10は、上下が開口した箱枠状の膜ケース11の内部に、上下方向に配置された平板状の膜カートリッジ12が所定間隔をおいて複数配列され、同じく上下が開口した箱枠状の散気ケース13の内部に散気管14が設けられ、膜ケース11と散気ケース13とを互いに上下に配置した構成を有している。
【0003】
上記膜カートリッジ12は、濾板16と、この濾板16の両表面に設けられた濾過膜17と、濾板16と濾過膜17との間或いは濾板16の内部に形成される膜透過液流路(図示せず)とで構成されている。各膜カートリッジ12には、膜透過液流路(図示せず)に連通する膜透過液取出ノズル18が設けられている。
【0004】
また、上記浸漬型膜分離装置10には、以下のように、集水管19と膜透過液導出管20とで構成される集水装置21が設けられている。すなわち、上記集水管19は、各膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集めるものであり、各膜透過液取出ノズル18に接続されている。尚、各膜透過液取出ノズル18は、集水管19の管軸19aの方向に沿って複数配置され、集水管19の外周面から内部の集水空間22に連通している。さらに、上記集水管19は、一端が膜透過液導出管20に接続されており、他端が閉塞されている。
【0005】
これによると、図5の実線矢印で示すように、処理槽内の活性汚泥混合液等の被処理液を濾過する濾過運転の際には、膜透過液導出管20,集水管19,膜透過液取出ノズル18を通じて膜カートリッジ12の膜透過液流路に吸引圧を負荷することにより、或いは槽内の被処理液の水頭を濾過駆動力として、被処理液中に含まれる活性汚泥等の懸濁物質を濾過膜17で捕捉し、濾過膜17を透過して膜透過液流路内に流入した膜透過液を膜透過液取出ノズル18,集水管19,膜透過液導出管20を通じて処理槽の外部へ取り出している。
【0006】
また、各膜カートリッジ12を逆洗する逆洗運転の場合、図5の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液を膜透過液導出管20から各膜カートリッジ12に供給する。この際、上記薬液は、膜透過液導出管20から集水管19内に流れ込み、集水管19内から各膜透過液取出ノズル18を通り、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−253461号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、集水管19の一端側に接続された膜透過液取出ノズル18から膜透過液導出管20の先端までの距離は短く、これに比べて、集水管19の他端側に接続された膜透過液取出ノズル18から膜透過液導出管20の先端までの距離は非常に長い。したがって、濾過運転時、集水管19内に集水された膜透過液が集水管19の一端から膜透過液導出管20内へ流れ込む際、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管19内に流れ込む膜透過液の流量は一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管19内に流れ込む膜透過液の流量よりも減少してしまう。これにより、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過流量が一端側にある膜カートリッジ12の膜透過流量よりも減少し、膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になるため、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合にばらつきが生じてしまい、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が低下するといった問題がある。
【0009】
また、逆洗運転時、薬液が集水管19の一端から集水空間22を経て各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む際、集水管19内から他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量は一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量よりも減少してしまう。したがって、他端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果が一端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果よりも低下し、膜カートリッジ12の配置位置によって逆洗効果が不均一になるといった問題がある。さらに、他端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果を向上させるために、膜透過液導出管20から集水管19内へ供給する薬液の量を増加した場合、一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量が過大となって、一端側にある膜カートリッジ12の濾過膜17が損傷する恐れがある。また、薬液の供給速度を低下させると、各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量がほぼ均一になるが、時間がかかり過ぎて作業性が損なわれる。
【0010】
本発明は、濾過運転時、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、さらに、逆洗運転時、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、且つ実用的な運転が行える浸漬型膜分離装置の集水装置を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、所定間隔をおいて配列された複数の膜カートリッジを有する浸漬型膜分離装置の集水装置であって、各膜カートリッジに形成された膜透過液取出ノズルから取り出された膜透過液を集める集水管と、膜透過液を集水管内から外部へ導出する膜透過液導出管とが設けられ、互いの管軸が同方向になるように上記集水管と膜透過液導出管とが配置され、上記各膜透過液取出ノズルは、集水管の管軸方向に沿って並べられるとともに、集水管内に形成された集水空間に連通し、上記集水空間と膜透過液導出管内とに連通する連通口が設けられ、上記連通口は上記管軸方向における複数箇所に位置しているものである。
【0012】
これによると、濾過運転時、各膜カートリッジで濾過された被処理液は、膜透過液として膜透過液取出ノズルから取り出され、集水管の集水空間に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間から各連通口を通って膜透過液導出管内に流入し、膜透過液導出管内を流れて外部へ導出される。この際、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズルから各連通口までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0013】
また、逆洗運転時、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管から各連通口を通って集水管の集水空間に流れ込んで圧力が均一化された後、集水空間から各膜透過液取出ノズルを通って各膜カートリッジに供給される。この際、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各連通口から各膜透過液取出ノズルまでの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1,図2に基づいて説明する。尚、従来のものと同じ構成の部材については、同一の符号を付記して説明を省略する。
【0015】
集水装置31は、各膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集める集水管32と、膜透過液を集水管32内から外部へ導出する膜透過液導出管33とで構成されている。
【0016】
上記集水管32は両端が閉塞された円管であり、上記膜透過液導出管33の先端部が集水管32の一端側から集水管32内へ挿入されている。膜透過液導出管33は先端を閉塞した円管であり、集水管32と膜透過液導出管33の先端部とは同一軸心状に配置された二重管構造を有しており、これにより、集水管32の管軸32aと膜透過液導出管33の先端部の管軸33aとが同一で同方向になっている。
【0017】
集水管32内には集水空間34が形成されており、また、膜透過液導出管33の先端部には、上記集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が形成されている。尚、連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【0018】
また、上記各膜透過液取出ノズル18は、集水管32の管軸32a,33aの方向に沿って並べられるとともに、集水空間34に連通している。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0019】
濾過運転時、図1の実線矢印で示すように、各膜カートリッジ12の濾過膜17を透過した膜透過液は、膜透過液流路(図示せず)内を流れて膜透過液取出ノズル18から取り出され、集水管32内の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各連通口35を通って膜透過液導出管33内に流入し、膜透過液導出管33内を流れて槽外へ導出される。
【0020】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズル18から各連通口35までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、濾過膜17を透過する膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が向上する。
【0021】
また、逆洗運転時、図1の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管33から各連通口35を通って集水管32の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各膜透過液取出ノズル18を通って各膜カートリッジ12に供給され、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する。
【0022】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各連通口35から各膜透過液取出ノズル18までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0023】
上記第1の実施の形態では、各連通口35を同じ径で形成しているが、他端側ほど連通口35の径を大きくしてもよい。これによると、膜透過液および薬液が他端側の連通口35に対して流れ易くなる。これにより、濾過運転時、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがより一層均一になる。同様に、逆洗運転時、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがより一層均一になる。
【0024】
また、上記第1の実施の形態では、図1に示すように、膜透過液導出管33の一端側の径と他端側の径とを同一にしているが、一端側から他端側にいくほど、径を次第に小さくしてもよい。
【0025】
上記第1の実施の形態では、図2に示すように、連通口35を横向きに形成しているが、上向きや下向きであってもよい。また、連通口35を膜透過液導出管33の周方向において1個ずつ形成しているが、複数個形成してもよい。
【0026】
上記第1の実施の形態では集水管32と膜透過液導出管33とを二重管構造に配置しているが、二重管構造に限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態として、図3に示すように、集水管32の上方に膜透過液導出管33の先端部が配置され、集水管32の管軸32aと膜透過液導出管33の先端部の管軸33aとが同方向となるように配置されている。尚、集水管32の直径は膜透過液導出管33の直径よりも大きく形成されている。
【0027】
上記集水管32と膜透過液導出管33とには、集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が設けられている。尚、連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【0028】
以下、上記構成における作用を説明する。
濾過運転時、図3の実線矢印で示すように、各膜カートリッジ12の濾過膜17を透過した膜透過液は、膜透過液流路(図示せず)内を流れて膜透過液取出ノズル18から取り出され、集水管32内の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各連通口35を通って膜透過液導出管33内に流入し、膜透過液導出管33内を流れて槽外へ導出される。
【0029】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズル18から各連通口35までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、濾過膜17を透過する膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が向上する。
【0030】
また、逆洗運転時、図3の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管33から各連通口35を通って集水管32の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各膜透過液取出ノズル18を通って各膜カートリッジ12に供給され、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する。
【0031】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各連通口35から各膜透過液取出ノズル18までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズルから各連通口までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジの汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジを逆洗する際の効率が向上する。
【0033】
また、逆洗運転時においては、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になるため、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【図2】図1におけるX−X矢視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【図4】従来の浸漬型膜分離装置の一部切欠き斜視図である。
【図5】同、浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【符号の説明】
10 浸漬型膜分離装置
12 膜カートリッジ
18 膜透過液取出ノズル
31 集水装置
32 集水管
32a 管軸
33 膜透過液導出管
33a 管軸
34 集水空間
35 連通口
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定間隔をおいて配列された複数の膜カートリッジを有する浸漬型膜分離装置の集水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4,図5に示すように、し尿処理や合併処理等を行う処理装置として、処理槽内に設置される浸漬型膜分離装置10が用いられている。すなわち、浸漬型膜分離装置10は、上下が開口した箱枠状の膜ケース11の内部に、上下方向に配置された平板状の膜カートリッジ12が所定間隔をおいて複数配列され、同じく上下が開口した箱枠状の散気ケース13の内部に散気管14が設けられ、膜ケース11と散気ケース13とを互いに上下に配置した構成を有している。
【0003】
上記膜カートリッジ12は、濾板16と、この濾板16の両表面に設けられた濾過膜17と、濾板16と濾過膜17との間或いは濾板16の内部に形成される膜透過液流路(図示せず)とで構成されている。各膜カートリッジ12には、膜透過液流路(図示せず)に連通する膜透過液取出ノズル18が設けられている。
【0004】
また、上記浸漬型膜分離装置10には、以下のように、集水管19と膜透過液導出管20とで構成される集水装置21が設けられている。すなわち、上記集水管19は、各膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集めるものであり、各膜透過液取出ノズル18に接続されている。尚、各膜透過液取出ノズル18は、集水管19の管軸19aの方向に沿って複数配置され、集水管19の外周面から内部の集水空間22に連通している。さらに、上記集水管19は、一端が膜透過液導出管20に接続されており、他端が閉塞されている。
【0005】
これによると、図5の実線矢印で示すように、処理槽内の活性汚泥混合液等の被処理液を濾過する濾過運転の際には、膜透過液導出管20,集水管19,膜透過液取出ノズル18を通じて膜カートリッジ12の膜透過液流路に吸引圧を負荷することにより、或いは槽内の被処理液の水頭を濾過駆動力として、被処理液中に含まれる活性汚泥等の懸濁物質を濾過膜17で捕捉し、濾過膜17を透過して膜透過液流路内に流入した膜透過液を膜透過液取出ノズル18,集水管19,膜透過液導出管20を通じて処理槽の外部へ取り出している。
【0006】
また、各膜カートリッジ12を逆洗する逆洗運転の場合、図5の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液を膜透過液導出管20から各膜カートリッジ12に供給する。この際、上記薬液は、膜透過液導出管20から集水管19内に流れ込み、集水管19内から各膜透過液取出ノズル18を通り、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−253461号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来形式では、集水管19の一端側に接続された膜透過液取出ノズル18から膜透過液導出管20の先端までの距離は短く、これに比べて、集水管19の他端側に接続された膜透過液取出ノズル18から膜透過液導出管20の先端までの距離は非常に長い。したがって、濾過運転時、集水管19内に集水された膜透過液が集水管19の一端から膜透過液導出管20内へ流れ込む際、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管19内に流れ込む膜透過液の流量は一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管19内に流れ込む膜透過液の流量よりも減少してしまう。これにより、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過流量が一端側にある膜カートリッジ12の膜透過流量よりも減少し、膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になるため、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合にばらつきが生じてしまい、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が低下するといった問題がある。
【0009】
また、逆洗運転時、薬液が集水管19の一端から集水空間22を経て各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む際、集水管19内から他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量は一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量よりも減少してしまう。したがって、他端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果が一端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果よりも低下し、膜カートリッジ12の配置位置によって逆洗効果が不均一になるといった問題がある。さらに、他端側にある膜カートリッジ12に対する逆洗効果を向上させるために、膜透過液導出管20から集水管19内へ供給する薬液の量を増加した場合、一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量が過大となって、一端側にある膜カートリッジ12の濾過膜17が損傷する恐れがある。また、薬液の供給速度を低下させると、各膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量がほぼ均一になるが、時間がかかり過ぎて作業性が損なわれる。
【0010】
本発明は、濾過運転時、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、さらに、逆洗運転時、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、且つ実用的な運転が行える浸漬型膜分離装置の集水装置を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、所定間隔をおいて配列された複数の膜カートリッジを有する浸漬型膜分離装置の集水装置であって、各膜カートリッジに形成された膜透過液取出ノズルから取り出された膜透過液を集める集水管と、膜透過液を集水管内から外部へ導出する膜透過液導出管とが設けられ、互いの管軸が同方向になるように上記集水管と膜透過液導出管とが配置され、上記各膜透過液取出ノズルは、集水管の管軸方向に沿って並べられるとともに、集水管内に形成された集水空間に連通し、上記集水空間と膜透過液導出管内とに連通する連通口が設けられ、上記連通口は上記管軸方向における複数箇所に位置しているものである。
【0012】
これによると、濾過運転時、各膜カートリッジで濾過された被処理液は、膜透過液として膜透過液取出ノズルから取り出され、集水管の集水空間に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間から各連通口を通って膜透過液導出管内に流入し、膜透過液導出管内を流れて外部へ導出される。この際、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズルから各連通口までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0013】
また、逆洗運転時、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管から各連通口を通って集水管の集水空間に流れ込んで圧力が均一化された後、集水空間から各膜透過液取出ノズルを通って各膜カートリッジに供給される。この際、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各連通口から各膜透過液取出ノズルまでの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1,図2に基づいて説明する。尚、従来のものと同じ構成の部材については、同一の符号を付記して説明を省略する。
【0015】
集水装置31は、各膜透過液取出ノズル18から取り出された膜透過液を集める集水管32と、膜透過液を集水管32内から外部へ導出する膜透過液導出管33とで構成されている。
【0016】
上記集水管32は両端が閉塞された円管であり、上記膜透過液導出管33の先端部が集水管32の一端側から集水管32内へ挿入されている。膜透過液導出管33は先端を閉塞した円管であり、集水管32と膜透過液導出管33の先端部とは同一軸心状に配置された二重管構造を有しており、これにより、集水管32の管軸32aと膜透過液導出管33の先端部の管軸33aとが同一で同方向になっている。
【0017】
集水管32内には集水空間34が形成されており、また、膜透過液導出管33の先端部には、上記集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が形成されている。尚、連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【0018】
また、上記各膜透過液取出ノズル18は、集水管32の管軸32a,33aの方向に沿って並べられるとともに、集水空間34に連通している。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0019】
濾過運転時、図1の実線矢印で示すように、各膜カートリッジ12の濾過膜17を透過した膜透過液は、膜透過液流路(図示せず)内を流れて膜透過液取出ノズル18から取り出され、集水管32内の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各連通口35を通って膜透過液導出管33内に流入し、膜透過液導出管33内を流れて槽外へ導出される。
【0020】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズル18から各連通口35までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、濾過膜17を透過する膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が向上する。
【0021】
また、逆洗運転時、図1の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管33から各連通口35を通って集水管32の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各膜透過液取出ノズル18を通って各膜カートリッジ12に供給され、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する。
【0022】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各連通口35から各膜透過液取出ノズル18までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0023】
上記第1の実施の形態では、各連通口35を同じ径で形成しているが、他端側ほど連通口35の径を大きくしてもよい。これによると、膜透過液および薬液が他端側の連通口35に対して流れ易くなる。これにより、濾過運転時、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがより一層均一になる。同様に、逆洗運転時、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがより一層均一になる。
【0024】
また、上記第1の実施の形態では、図1に示すように、膜透過液導出管33の一端側の径と他端側の径とを同一にしているが、一端側から他端側にいくほど、径を次第に小さくしてもよい。
【0025】
上記第1の実施の形態では、図2に示すように、連通口35を横向きに形成しているが、上向きや下向きであってもよい。また、連通口35を膜透過液導出管33の周方向において1個ずつ形成しているが、複数個形成してもよい。
【0026】
上記第1の実施の形態では集水管32と膜透過液導出管33とを二重管構造に配置しているが、二重管構造に限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態として、図3に示すように、集水管32の上方に膜透過液導出管33の先端部が配置され、集水管32の管軸32aと膜透過液導出管33の先端部の管軸33aとが同方向となるように配置されている。尚、集水管32の直径は膜透過液導出管33の直径よりも大きく形成されている。
【0027】
上記集水管32と膜透過液導出管33とには、集水空間34と膜透過液導出管33内とに連通する連通口35が設けられている。尚、連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置している。
【0028】
以下、上記構成における作用を説明する。
濾過運転時、図3の実線矢印で示すように、各膜カートリッジ12の濾過膜17を透過した膜透過液は、膜透過液流路(図示せず)内を流れて膜透過液取出ノズル18から取り出され、集水管32内の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各連通口35を通って膜透過液導出管33内に流入し、膜透過液導出管33内を流れて槽外へ導出される。
【0029】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズル18から各連通口35までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18から集水管32内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、濾過膜17を透過する膜透過流量が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジ12の濾過膜17の汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジ12を逆洗する際の効率が向上する。
【0030】
また、逆洗運転時、図3の点線矢印で示すように、逆洗用の薬液は、膜透過液導出管33から各連通口35を通って集水管32の集水空間34に流れ込んで圧力が均一化され、集水空間34から各膜透過液取出ノズル18を通って各膜カートリッジ12に供給され、各膜カートリッジ12の膜透過液流路(図示せず)を逆流して濾過膜17の二次側の面から一次側の面へ透過する。
【0031】
この際、各連通口35は上記管軸32a,33aの方向における複数箇所に位置しているため、各連通口35から各膜透過液取出ノズル18までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジ12の膜透過液取出ノズル18に流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になる。これにより、逆洗効果が膜カートリッジ12の配置位置によって不均一になることを防止できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、連通口は管軸方向における複数箇所に位置しているため、各膜透過液取出ノズルから各連通口までの距離の差異が縮小されてほぼ均等となり、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルから集水管内に流れ込む膜透過液の流量とがほぼ均一になる。これにより、膜透過流量が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止でき、各膜カートリッジの汚れ具合のばらつきが縮小され、各膜カートリッジを逆洗する際の効率が向上する。
【0033】
また、逆洗運転時においては、他端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量と一端側にある膜カートリッジの膜透過液取出ノズルに流れ込む薬液の流量とがほぼ均一になるため、逆洗効果が膜カートリッジの配置位置によって不均一になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【図2】図1におけるX−X矢視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【図4】従来の浸漬型膜分離装置の一部切欠き斜視図である。
【図5】同、浸漬型膜分離装置の集水装置の図である。
【符号の説明】
10 浸漬型膜分離装置
12 膜カートリッジ
18 膜透過液取出ノズル
31 集水装置
32 集水管
32a 管軸
33 膜透過液導出管
33a 管軸
34 集水空間
35 連通口
Claims (1)
- 所定間隔をおいて配列された複数の膜カートリッジを有する浸漬型膜分離装置の集水装置であって、各膜カートリッジに形成された膜透過液取出ノズルから取り出された膜透過液を集める集水管と、膜透過液を集水管内から外部へ導出する膜透過液導出管とが設けられ、互いの管軸が同方向になるように上記集水管と膜透過液導出管とが配置され、上記各膜透過液取出ノズルは、集水管の管軸方向に沿って並べられるとともに、集水管内に形成された集水空間に連通し、上記集水空間と膜透過液導出管内とに連通する連通口が設けられ、上記連通口は上記管軸方向における複数箇所に位置していることを特徴とする浸漬型膜分離装置の集水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110923A JP2004313924A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 浸漬型膜分離装置の集水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003110923A JP2004313924A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 浸漬型膜分離装置の集水装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004313924A true JP2004313924A (ja) | 2004-11-11 |
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ID=33471614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003110923A Pending JP2004313924A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 浸漬型膜分離装置の集水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004313924A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101345835B1 (ko) | 2012-04-26 | 2013-12-30 | 하이디스 테크놀로지 주식회사 | 분사 장치 |
-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003110923A patent/JP2004313924A/ja active Pending
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