JP2004312950A - エンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ回路6には、直巻コイル2bをバイパスするバイパス回路10が接続され、このバイパス回路10にバイパス電流を制御する制御用素子11が設けられている。また、始動スイッチ9から分巻コイル2cに接続される接続線7には、分巻コイル2cの電流量を制御する制御用素子12が設けられている。制御用素子11は、100 %OFF 状態から回転数の上昇に従って通電量を増加させ、所定期間t2経過した時点で100 %ON状態となる様に制御される。一方、制御用素子12は、常に100 %ON状態に保持される。これにより、所定期間t2経過後は、直巻コイル2bが短絡されて、直巻コイル2bの配線抵抗分が無くなるため、アーマチャ電圧を最大に上げることができ、高回転時のモータ能力を最大限に発揮できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻線界磁式のモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1の従来技術として、エンジンの始動モード(例えば通常始動時とエコラン始動時)に応じて、直巻モータの特性を切り替えることができるエンジン始動装置が提案されている(特許文献1参照)。このエンジン始動装置は、図8に示す様に、アーマチャ100 と直列に接続された直巻コイル110 を有する直流モータMと、この直流モータMの通電電流をON/OFFする電磁スイッチ120 、この電磁スイッチ120 の駆動電流をON/OFFする始動スイッチ130 、直巻コイル110 の一部を短絡できるリレー140 (短絡手段)、及びリレー140 を通電制御するECU150 等を備える。
【0003】
この従来技術に示される様な直流モータMでは、直巻コイル110 がアーマチャ100 と直列に接続されているため、リレー140 がOFF 状態の時は、直巻コイル110 にアーマチャ100 と同じ大きさの電流が流れる。従って、図9に示す様に、直巻コイル110 が発生する界磁磁束量Φもアーマチャ電流Imに比例して変化する。また、アーマチャ100 の両端に掛かるアーマチャ電圧Vaは、大電流が流れる低回転域では小さく、回転の上昇に従って回復して大きくなっていく。なお、図9は、モータの回転数上昇に伴うアーマチャ電流Im、界磁磁束量Φ、及びアーマチャ電圧Vaの変化を表した概念図である。
【0004】
また、直流モータMは、一般に界磁磁束量Φが大きい程、高トルクが得られ、小さい程、高回転を発生する特性を持っている。そこで、回転の上昇に合わせて界磁磁束量Φを減らすことで、より高い回転数を得ることができる。
これに対し、第1の従来技術では、図10に示す様に、モータMへの通電開始から所定期間t1経過後にリレー140 を制御(ON)して直巻コイル110 の一部を短絡することで、短絡した分だけ直巻コイル110 の界磁磁束量Φが減少してモータMの回転数が上昇する。また、短絡した直巻コイル110 の配線抵抗分だけアーマチャ電圧Vaを上げることができるので、その分、モータ能力を向上できる。
【0005】
第2の従来技術として、分巻コイルの通電量をエンジンの負荷変動に応じて制御するエンジン始動装置が公知である(特許文献2参照)。このエンジン始動装置は、図11に示す様に、分巻コイル160 と直列に接続された制御用素子170 を有し、エンジン負荷が増加すると、制御用素子170 を介して分巻コイル160 の界磁電流を増大し、エンジン負荷が減少すると、制御用素子170 を介して分巻コイル160 の界磁電流を低減することにより、エンジンの回転変動を抑制できる。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−389210
【特許文献2】
特開2002−70700号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1の従来技術では、リレー140 をONした状態(短絡状態)でも直巻コイル110 の一部分を残した状態になっている。つまり、直流モータMでは、直巻コイル110 の両端を完全に短絡すると界磁磁束を失う(界磁磁束量Φがゼロになる)ため、非常に大きなバッテリ電流がアーマチャ100 に流れる危険性がある。従って、第1の従来技術では、安全のために、直巻コイル110 の一部しか短絡していない。その結果、直巻コイル110 の一部が短絡された状態でも、残った界磁コイルの配線抵抗分がロスとなり、モータ効率を下げる要因になっている。
【0008】
また、第1の従来技術では、直巻コイル110 の一部をリレー140 によって短絡しているため、直巻コイル110 に対して短絡する位置を一度決めると、配線をつなぎ変えない限り、モータMの特性を変えることができない。つまり、リレー140 をONして直巻コイル110 の一部を短絡する短絡状態と、リレー140 をOFF して短絡回路を開放する開放状態の2つの状態しか選択できないため、モータMの特性も2つの状態のいずれかに限られてしまう。
更に、所定のタイミングでリレー140 を操作して開放状態から短絡状態に切り替えた場合、短絡時にモータ回転数が急激に変化する問題もある。
【0009】
第2の従来技術では、分巻コイル160 に流れる電流の立ち上がりが遅れるという問題がある。つまり、モータMのアーマチャ100 は、大電流を流すために線径が太く作られているのに対し、分巻コイル160 は、界磁磁束を発生できれば良いため、線径が細く、その分、巻数を増やして小電流で界磁磁束を発生できるように作られている。従って、モータMへの通電を開始すると、一般に線径が太くインダクタンスの小さなアーマチャ100 には直ちに電流Imが流れるが、線径が細くインダクタンスの大きな分巻コイル160 には、直ぐに電流Iaが流れ出ることはない。(図12参照)。
【0010】
また、図11に示した様に、アーマチャ100 の通電回路(モータ回路)に接続される分巻コイル160 の一端は、電磁スイッチ120 のモータ側固定接点121 と直巻コイル110 との間に接続されているが、その接続点180 を通る通電回路には、数100 アンペアの大電流が流れるため、配線抵抗によってバッテリ190 から接続点180 までの間に電圧降下を生じる。このため、分巻コイル160 に印加される電圧は、バッテリ電圧Vより低い値となり、その電圧降下量は、アーマチャ電流Imの大きさに比例し、アーマチャ電流Imが大きくなる程、電圧降下量も大きくなる。
【0011】
モータMへの通電開始から期間t1(図10参照)までは、重量のあるアーマチャ100 を回し始めるために大きなトルクが必要となり、大きなアーマチャ電流Imが流れるため、分巻コイル160 に印加される電圧が下がってしまう。この結果、図12に示すように、分巻コイル160 に流れる電流Iaの立ち上がりが更に遅れることになる。
ここで、モータMのトルクをTとすると、トルクTは一般に次式で表される。
T=kΦIm
k:トルク定数、Φ:界磁磁束量、Im:アーマチャ電流
【0012】
よって、立ち上がりの遅れにより分巻コイル160 に流れる電流Iaが不足して界磁磁束量Φが減少すると、モータMのトルクTが減り、不足したトルク分を補おうとしてさらに大きなアーマチャ電流Imが流れようとする。その結果、分巻コイル160 に印加される電圧がさらに下がるという悪循環を生じる。
【0013】
更に、モータMは、エンジンを回しているため、ピストンの動きの影響を受ける。図12に示す期間t2は、ピストンが圧縮行程に入ったことを示す。この圧縮行程では、ピストンが閉鎖されたシリンダ内の空気を圧縮するため、モータMにとって負荷が大きくなり、要求トルクが増加する。この時、分巻コイル160 は、非制御の場合、期間t2以降では略一定の電流が流れ、一定の界磁磁束を発生させている。一方、モータMの発生トルクは、前記式(T=kΦIm)で表されるため、要求トルクが増加すると、アーマチャ電流Imが増えて発生トルクが確保されることになる。
【0014】
アーマチャ電流Imが増えると、バッテリの内部抵抗によってバッテリ内部で電圧降下が生じ、バッテリ電圧Vが低下する。圧縮行程が終了して期間t3に入ると、要求トルクの減少に伴ってアーマチャ電流Imも減少するため、バッテリ電圧Vが回復する。以降、この繰り返しとなり、エンジンが始動するまで、バッテリ電圧Vが上下することになる。その結果、同じバッテリ190 に接続されているヘッドライト等にちらつきが生じる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、エンジンの始動性を向上できるエンジン始動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明は、直巻コイルと分巻コイルとで界磁磁束を発生するモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
直巻コイルの両端を短絡する短絡回路と、この短絡回路に設けられ、短絡回路を閉じる短絡状態と短絡回路を開く開放状態との何方か一方に制御される短絡手段と、この短絡手段をモータの回転状態に応じて制御する第1の制御手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、界磁手段として直巻コイルと分巻コイルとを有しているので、短絡手段により直巻コイルの両端を短絡しても、分巻コイルが発生する界磁磁束でモータを回転させることができる。つまり、直巻コイルの両端を完全に短絡しても、界磁磁束量がゼロになることはなく、大きなバッテリ電流がモータに流れる危険性を防止できる。また、本発明の短絡回路は、直巻コイルの一部ではなく、直巻コイルの両端を短絡するので、短絡状態において直巻コイルの配線抵抗分を排除でき、モータ効率を向上できる。
【0017】
(請求項2の発明)
本発明は、直巻コイルと分巻コイルとで界磁磁束を発生するモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
直巻コイルをバイパスするバイパス回路と、このバイパス回路に設けられ、バイパス回路を流れるバイパス電流量を任意の大きさに制限できるバイパス電流制限手段と、このバイパス電流制限手段をモータの回転状態に応じて制御する第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、界磁手段として直巻コイルと分巻コイルとを有しているので、直巻コイルが短絡状態となっても、分巻コイルが発生する界磁磁束でモータを回転させることができる。つまり、直巻コイルの両端が完全に短絡されても、界磁磁束量がゼロになることはなく、大きなバッテリ電流がモータに流れる危険性を防止できる。
また、バイパス電流制限手段によりバイパス回路を流れるバイパス電流量を任意の大きさに制限できるので、モータの出力特性を広範囲に切り替えることができる。
【0019】
(請求項3の発明)
請求項1に記載したエンジン始動装置において、
第1の制御手段は、モータへの通電開始時に短絡手段を開放状態に制御し、通電開始から所定の時間、あるいは所定の回転数、あるいは所定の電機子コイル電流量に達した時点で、短絡手段を短絡状態に制御することを特徴とする。
この場合、モータへの通電開始時には、直巻コイルと分巻コイルの両方で界磁磁束を発生できるので、高トルク型の出力特性を得ることができ、その後、直巻コイルの両端を短絡して界磁磁束量を減らすことにより、高回転型の出力特性に切り替えることができる。
【0020】
(請求項4の発明)
請求項2に記載したエンジン始動装置において、
第2の制御手段は、モータへの通電開始時にバイパス電流量がゼロになるようにバイパス電流制限手段を制御し、その後、通電開始から所定の時間、あるいは所定の回転数、あるいは所定の電機子コイル電流量に達した時点でバイパス電流量が最大になるように、バイパス電流制限手段を連続的に制御することを特徴とする。
【0021】
この場合、モータへの通電開始時には、直巻コイルをバイパスするバイパス電流量がゼロになるため、アーマチャ(電機子コイル)に通電されるバッテリ電流の全てが直巻コイルに流れる。その結果、直巻コイルと分巻コイルの両方で界磁磁束を発生できるので、エンジン始動時に高トルクを発生できる。その後、バイパス電流量の増加に伴って直巻コイルを流れる電流量が減少するため、直巻コイルが発生する界磁磁束量が減少し、例えば通電開始から所定の時間に達した時点で直巻コイルの界磁磁束量がゼロになる。これにより、分巻コイルの界磁磁束量だけが残るため、モータ回転数を上げることができる。
【0022】
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかのエンジン始動装置において、
分巻コイルに流れる電流量を任意の大きさに制限できる分巻界磁電流制限手段と、この分巻界磁電流制限手段をモータの回転状態に応じて制御する第3の制御手段とを有することを特徴とする。
この場合、分巻コイルに流れる電流量を制御することで、その分巻コイルが発生する界磁磁束量を増減できるので、例えば回転数の上昇に合わせて直巻コイルと分巻コイルの両方で界磁磁束量を減らすことができるので、制御の幅を更に広げることが可能になる。
【0023】
(請求項6の発明)
請求項5に記載したエンジン始動装置において、
第3の制御手段は、モータへの通電開始時に分巻コイルの電流量が最大になるように分巻界磁電流制限手段を制御し、時間の経過あるいは回転数の上昇とともに分巻コイルの電流量が減少するように分巻界磁電流制限手段を制御することを特徴とする。
【0024】
この場合、モータへの通電開始時には、分巻コイルが発生する界磁磁束量を最大にできるので、エンジン始動に必要な高トルクを確保できる。その後、分巻コイルの電流量が減少することに伴って、界磁磁束量も減少するので、より高い回転数を得ることができる。
【0025】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置において、
低温時あるいは高温時には、制御手段による制御を禁止することを特徴とする。
低温時には、エンジンオイルの粘度が上昇して、エンジン始動時のエンジン駆動トルクが上昇する。また、高温時には、シリンダの気密性が上昇して、やはりエンジン駆動トルクが上昇する。従って、低温時及び高温時には、請求項1〜6に記載した制御を禁止して、確実にエンジン始動を行うことが優先される。
【0026】
(請求項8の発明)
請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置において、
長時間放置後の初回作動時には、制御手段による制御を禁止することを特徴とする。
車両を長期間放置した場合には、バッテリの充電状態が低下して、モータの出力が低下する可能性がある。従って、長時間放置後の初回作動時には、請求項1〜6に記載した制御を禁止して、確実にエンジン始動を行うことが優先される。
【0027】
(請求項9の発明)
巻線界磁として少なくとも分巻コイルを持つモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
バッテリからモータの電機子コイルに通電するための高電流通電回路と、バッテリから分巻コイルに通電するための低電流通電回路とを有し、この低電流通電回路が高電流通電回路と独立してバッテリに接続されていることを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、低電流通電回路に大電流が流れることはなく、且つ高電流通電回路と独立してバッテリに接続されるので、高電流通電回路に大電流が流れることによる電圧降下の影響を殆ど受けない。従って、分巻コイルに印加される電圧が大きく低下することはなく、略バッテリ電圧が印加される。その結果、電圧降下に起因する分巻コイル電流の立ち遅れを小さくできる(または無くすことができる)。
【0029】
(請求項10の発明)
請求項9に記載したエンジン始動装置において、
高電流通電回路を開閉する電磁スイッチと、この電磁スイッチの駆動電流をON/OFFする始動スイッチとを有し、この始動スイッチが低電流通電回路に設けられていることを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、低電流通電回路に設けられた始動スイッチが投入されると同時に分巻コイルに電流が流れるので、電磁スイッチに駆動電流が通電されて高電流通電回路を閉じるまでの間(つまり、電機子コイルにアーマチャ電流が通電される前)に、分巻コイルの電流を立ち上げることが可能になる。
また、始動スイッチによって低電流通電回路を開閉できるので、分巻コイルに電流が流れっぱなしになることも防止できる。
【0031】
(請求項11の発明)
巻線界磁として少なくとも分巻コイルを持つモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
分巻コイルに流れる電流量を任意の大きさに制限できる分巻界磁電流制限手段と、モータの電機子コイルに流れる電流量を検出する電流量検出手段と、この電流量検出手段で検出される検出電流値が略一定になるように、分巻界磁電流制限手段を制御する第4の制御手段とを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、電機子コイルに流れる電流量が略一定になる(変動しない)ので、バッテリ電圧が安定し、ヘッドライト等のちらつきを抑制できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はエンジン始動装置1の回路図である。
エンジン始動装置1は、巻線界磁式の直流モータ2と、このモータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ3、及び直流モータ2の特性を制御する制御装置(ECU4と呼ぶ)等を備えている。
【0033】
モータ2は、電機子コイル(図示せず)を備えるアーマチャ2aと、巻線界磁を形成する直巻コイル2bと分巻コイル2cとを有している。
直巻コイル2bとアーマチャ2aは、電磁スイッチ3を介してバッテリ5に繋がるモータ回路6に接続され、このモータ回路6を通じてバッテリ電流が供給される。
分巻コイル2cは、接続線7を介して電磁スイッチ3の駆動回路8に接続され、この駆動回路8に設けられる始動スイッチ9の投入によりバッテリ電流が供給される。
【0034】
モータ回路6には、直巻コイル2bをバイパスするバイパス回路10が接続され、このバイパス回路10に制御用素子11が設けられている。制御用素子11は、例えば半導体素子を用いた電子式スイッチング素子(一例としてMOS−FET )であり、バイパス回路10を流れるバイパス電流を制御することができる。
電磁スイッチ3の駆動回路8と分巻コイル2cとを接続する接続線7には、分巻コイル2cに流れる電流量を制御する制御用素子12が設けられている。この制御用素子12は、制御用素子11と同様に、電子式スイッチング素子(一例としてMOS−FET )が用いられている。
【0035】
電磁スイッチ3は、モータ回路6に接続された一組の固定接点3aと、この一組の固定接点3aに対向して可動する可動接点3b、及びこの可動接点3bを駆動するソレノイド3c等を有し、始動スイッチ9の投入(ON)によりソレノイド3cが通電されると、可動接点3bが一組の固定接点3aに当接して両固定接点3a間を導通することにより、モータ回路6を閉成する。
【0036】
電磁スイッチ3の駆動回路8は、前記モータ回路6と独立してバッテリ5に接続されている。つまり、駆動回路8の一端は、バッテリ5の近傍(またはバッテリ端子)に接続されている。
また、駆動回路8と接続線7との接続点13は、図1に示す様に、始動スイッチ9とソレノイド3cとの間に設けられている。従って、駆動回路8から接続線7を介して分巻コイル2cに繋がる通電回路(本発明の低電流通電回路)は、モータ回路6と独立して配線されている。
【0037】
ECU4は、制御用素子11を介してバイパス電流量を制御すると共に、制御用素子11を介して分巻コイル2cに流れる電流量を制御する。なお、ECU4には、アーマチャ2aに流れる電流量を検出する電流量検出手段14、及びアーマチャ2aの回転数を検出する回転数検出手段15の検出結果が入力される。
【0038】
次に、ECU4による制御例を説明する。
(第1実施例)
この第1実施例は、制御用素子12を100 %ON状態(電流量を制限していない状態)に保持して、制御用素子11のみ制御する場合の一例であり、その制御手順を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
Step10…始動スイッチ9を投入(ON)する。
Step11…モータ2の起動時にはトルクが必要なため、制御用素子11を100 %OFF 状態(電流が流れない状態)とする。
Step12…ソレノイド3cへの通電により、電磁スイッチ3の可動接点3bが一組の固定接点3aに当接してモータ回路6を閉成する。
【0040】
Step13…回転数の上昇に従って制御用素子11の通電量を増加させ、通電開始から所定期間t2経過した時点で100 %ON状態にする(図3参照)。これにより、バイパス回路10を流れる電流量が次第に増加して、相対的に直巻コイル2bに流れる電流量が減少していくため、図3に示す様に、直巻コイル2bの界磁磁束量Φb は、電流量の減少に比例して減少する。また、アーマチャ電圧Vaは、直巻コイル2bの配線抵抗分が小さくなる分、上昇する。
【0041】
なお、分巻コイル2cの電流量を制御する制御用素子12は、常に100 %ON状態であり、且つ分巻コイル2cが始動スイッチ9を介して直接バッテリ5に繋がっている(モータ回路6と独立している)ため、分巻コイル2cには常に一定の電流が流れている。従って、分巻コイル2cは、モータ2の回転数に関係なく、一定の界磁磁束量Φc を発生し続けている。これにより、通電開始から所定期間t2経過した時点(制御用素子11が100 %ON状態になる時点)では、直巻コイル2bによる界磁磁束量Φb がゼロとなるため、分巻コイル2cによる界磁磁束量Φc だけが残ることになる(図3参照)。
【0042】
Step14…エンジンの始動判定を行う。この判定結果がYES の時、つまりエンジンが始動したと判定された時は、次のStep15へ進み、判定結果がNOの時は、Step13へ戻る。
Step15…始動スイッチ9を遮断(OFF )する。
Step16…制御用素子11及び制御用素子12を共に100 %OFF 状態にして、本制御を終了する。
【0043】
(第1実施例の効果)
この第1実施例では、通電開始から所定期間t2経過した時点で、直巻コイル2bの両端が完全に短絡状態となり、直巻コイル2bの配線抵抗分が無くなるため、アーマチャ電圧Vaを最大に上げることができ、高回転時のモータ能力を最大限に発揮できる。また、制御用素子11の通電量を連続的に制御することで、モータ2の回転数が急激に変化することはなく、滑らかに回転数を上げることができる。なお、所定期間t2を調整することで、要求されるモータ特性に応じて通電量のパターンを任意に変化させることも可能である。
【0044】
(第2実施例)
この第2実施例は、制御用素子11に加えて制御用素子12も制御した場合の一例である。その制御手順を図4に示す。
第1実施例と異なる点は、Step13A で、制御用素子11と共に制御用素子12の通電量も制御することである。具体的には、回転数の上昇に従って制御用素子12の通電量を減少させ、通電開始から所定期間t2経過した時点で100 %OFF 状態にする(図5参照)。
【0045】
これにより、直巻コイル2bの電流量が減少するのに加えて、分巻コイル2cに流れる電流量も次第に減少し、通電開始から所定期間t2経過後にゼロとなる。その結果、第1実施例と比較すると、図5に示す様に、全体の界磁磁束量(Φb +Φc )を更に減らすことができ、その分、制御の幅を広げることができる(アーマチャ電圧Vaをより高くでき、それに応じてモータ能力も向上する)。
【0046】
(第3実施例)
本発明のエンジン始動装置1は、図1に示した様に、電磁スイッチ3の駆動回路8から接続線7を介して分巻コイル2cに繋がる通電回路がモータ回路6と独立して配線されると共に、駆動回路8と接続線7との接続点13が、始動スイッチ9とソレノイド3cとの間に設けられている。
この構成によれば、上記通電回路に大電流が流れることはないので、モータ回路6にアーマチャ電流Im(数100 アンペアの大電流)が流れることによる電圧降下の影響を殆ど受けることなく、分巻コイル2cにバッテリ電圧Vを印加できる。その結果、分巻コイル2cに通電される電流Iaの立ち遅れを抑制できる。
【0047】
また、分巻コイル2cには、始動スイッチ9が投入されると同時に電流が流れるため、ソレノイド3cへの通電により、電磁スイッチ3の可動接点3bが一組の固定接点3aに当接してモータ回路6を閉成するまでの時間を利用して、アーマチャ電流Imより先に分巻コイル2cの電流Iaを立ち上げることが可能になる(図7の期間t4)。
更に、通電回路に始動スイッチ9を設けているので、万が一制御用素子12がショート故障した場合にも、強制的に始動スイッチ9をOFF して電流を遮断することができ、分巻コイル2cに電流が流れっぱなしになることを防ぐこともできる。
【0048】
(第4実施例)
この第4実施例は、バッテリ電圧Vを安定させるための一例であり、その制御手順を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
Step20…始動スイッチ9を投入(ON)する。
Step21…モータ2の起動時にはトルクが必要なため、制御用素子12を100 %ON状態とし、制御用素子11を100 %OFF 状態とする。
Step22…ソレノイド3cへの通電により、電磁スイッチ3の可動接点3bが一組の固定接点3aに当接してモータ回路6を閉成する。
【0049】
Step23…大きなトルクが必要な回転初期の期間t5(図7参照)が経過したか否か、あるいは所定の回転数に到達したか否かを判定する。この判定結果がYES の時は、次のStep24へ進み、判定結果がNOの時は、期間t5が経過するまで、あるいは所定の回転数に到達するまでStep23にて待機する。
Step24…電流量検出手段14によりアーマチャ電流Imを検出する。
Step25…アーマチャ電流Imが所定値より小さいか否かを判定する。この判定結果がYES の時、つまりアーマチャ電流Imが所定値より小さい場合は、Step26へ進み、判定結果がNOの時、つまりアーマチャ電流Imが所定値以上の場合は、Step27へ進む。
【0050】
Step26…制御用素子12の通電量を増加する。
Step27…制御用素子12の通電量を減少する。
Step28…エンジンの始動判定を行う。この判定結果がYES の時、つまりエンジンが始動したと判定された時は、次のStep29へ進み、判定結果がNOの時は、Step24へ戻る。
Step29…始動スイッチ9を遮断(OFF )する。
Step30…制御用素子12を100 %OFF 状態にして、本制御を終了する。
【0051】
(第4実施例の効果)
この第4実施例では、アーマチャ2aに流れるアーマチャ電流Imが一定値になるように、制御用素子12の通電量を制御して分巻コイル2cに流れる電流量を増減させている。すなわち、図7に示す様に、期間t5が経過した後、ピストンの圧縮行程で要求トルクが増加する期間t6では、分巻コイル2cの電流量を増加させて界磁磁束量Φc を増やすことにより、アーマチャ電流Imを変動させることなく、モータ2の発生トルクを増やしている。
【0052】
ピストンの圧縮行程が終了して要求トルクが低減する期間t7では、分巻コイル2cの電流量を減少させて界磁磁束量Φc を減らすことにより、アーマチャ電流Imを変動させることなく、モータ2の発生トルクを減らすようにしている。
この様に、要求トルク量に合わせて分巻コイル2cの電流量を上下させてスタータ特性を変えることにより、アーマチャ電流Imの変動が抑制されるので、バッテリ電圧Vが安定して、ヘッドライト等のちらつきを抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン始動装置の回路図である(本発明)。
【図2】モータの制御手順を示すフローチャートである(第1実施例)。
【図3】回転数上昇に伴う界磁電流、界磁磁束量、及びアーマチャ電圧の変化を表した概念図である(第1実施例)。
【図4】モータの制御手順を示すフローチャートである(第2実施例)。
【図5】回転数上昇に伴う界磁電流、界磁磁束量、及びアーマチャ電圧の変化を表した概念図である(第2実施例)。
【図6】モータの制御手順を示すフローチャートである(第4実施例)。
【図7】バッテリ電圧、アーマチャ電流、及び分巻電流の変化を表した概念図である。
【図8】エンジン始動装置の回路図である(第1の従来技術)。
【図9】直流モータの回転数上昇に伴うアーマチャ電流、界磁磁束量、及びアーマチャ電圧の変化を表した概念図である(従来技術の説明)。
【図10】回転数上昇に伴う界磁電流、界磁磁束量、及びアーマチャ電圧の変化を表した概念図である(第1の従来技術)。
【図11】エンジン始動装置の回路図である(第2の従来技術)。
【図12】バッテリ電圧、アーマチャ電流、及び分巻電流の変化を表した概念図である(第2の従来技術)。
【符号の説明】
1 エンジン始動装置
2 モータ
2b 直巻コイル
2c 分巻コイル
3 電磁スイッチ
4 ECU(第1〜4の制御手段)
5 バッテリ
6 モータ回路(高電流通電回路)
7 接続線(低電流通電回路)
8 駆動回路(低電流通電回路)
9 始動スイッチ
10 バイパス回路
11 制御用素子(バイパス電流制限手段)
12 制御用素子(分巻界磁電流制限手段)
14 電流量検出手段
Claims (11)
- 電機子コイルに直列接続される直巻コイルと、前記電機子コイルに対し並列接続される分巻コイルとで界磁磁束を発生するモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
前記直巻コイルの両端を短絡する短絡回路と、
この短絡回路に設けられ、前記短絡回路を閉じる短絡状態と前記短絡回路を開く開放状態との何方か一方に制御される短絡手段と、
この短絡手段を前記モータの回転状態に応じて制御する第1の制御手段と
を有することを特徴とするエンジン始動装置。 - 電機子コイルに直列接続される直巻コイルと、前記電機子コイルに対し並列接続される分巻コイルとで界磁磁束を発生するモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
前記直巻コイルをバイパスするバイパス回路と、
このバイパス回路に設けられ、前記バイパス回路を流れるバイパス電流量を任意の大きさに制限できるバイパス電流制限手段と、
このバイパス電流制限手段を前記モータの回転状態に応じて制御する第2の制御手段とを有することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1に記載したエンジン始動装置において、
前記第1の制御手段は、前記モータへの通電開始時に前記短絡手段を開放状態に制御し、通電開始から所定の時間、あるいは所定の回転数、あるいは所定の電機子コイル電流量に達した時点で、前記短絡手段を短絡状態に制御することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項2に記載したエンジン始動装置において、
前記第2の制御手段は、前記モータへの通電開始時に前記バイパス電流量がゼロになるように前記バイパス電流制限手段を制御し、その後、通電開始から所定の時間、あるいは所定の回転数、あるいは所定の電機子コイル電流量に達した時点で前記バイパス電流量が最大になるように、前記バイパス電流制限手段を連続的に制御することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1〜4に記載した何れかのエンジン始動装置において、
前記分巻コイルに流れる電流量を任意の大きさに制限できる分巻界磁電流制限手段と、
この分巻界磁電流制限手段を前記モータの回転状態に応じて制御する第3の制御手段とを有することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項5に記載したエンジン始動装置において、
前記第3の制御手段は、前記モータへの通電開始時に前記分巻コイルの電流量が最大になるように前記分巻界磁電流制限手段を制御し、時間の経過あるいは回転数の上昇とともに前記分巻コイルの電流量が減少するように前記分巻界磁電流制限手段を制御することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置において、
低温時あるいは高温時には、前記制御手段による制御を禁止することを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置において、
長時間放置後の初回作動時には、前記制御手段による制御を禁止することを特徴とするエンジン始動装置。 - 巻線界磁として少なくとも分巻コイルを持つモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
バッテリから前記モータの電機子コイルに通電するための高電流通電回路と、
前記バッテリから前記分巻コイルに通電するための低電流通電回路とを有し、この低電流通電回路が前記高電流通電回路と独立して前記バッテリに接続されていることを特徴とするエンジン始動装置。 - 請求項9に記載したエンジン始動装置において、
前記高電流通電回路を開閉する電磁スイッチと、
この電磁スイッチの駆動電流をON/OFFする始動スイッチとを有し、
この始動スイッチが前記低電流通電回路に設けられていることを特徴とするエンジン始動装置。 - 巻線界磁として少なくとも分巻コイルを持つモータを有し、このモータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるエンジン始動装置であって、
前記分巻コイルに流れる電流量を任意の大きさに制限できる分巻界磁電流制限手段と、
前記モータの電機子コイルに流れる電流量を検出する電流量検出手段と、
この電流量検出手段で検出される検出電流値が略一定になるように、前記分巻界磁電流制限手段を制御する第4の制御手段とを備えることを特徴とするエンジン始動装置。
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JP2003106196A JP2004312950A (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | エンジン始動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013080746A1 (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エンジン始動装置および始動方法 |
-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003106196A patent/JP2004312950A/ja active Pending
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WO2013080746A1 (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エンジン始動装置および始動方法 |
CN103946537A (zh) * | 2011-11-29 | 2014-07-23 | 日立汽车系统株式会社 | 发动机起动装置和起动方法 |
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