JP2004311808A - 可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法および可変面積型電子ビーム描画装置 - Google Patents

可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法および可変面積型電子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子ビームの電流測定を極めて短い時間で行なうことができる電子ビームの電流測定方法および可変面積型電子ビーム描画装置を実現する。
【解決手段】乗算器32は、制御コンピュータ30からの設定ビーム面積とレジスタ31から供給される基準電流値基準となる電子ビームの形状(面積=1μm)のときの電子ビームの電流値とを乗算し、得られた予想電流値をメモリー33に出力する。一方、メモリー33は、各測定電流値レンジでの最適な測定電流値をテーブルの形式で記憶しており、乗算器32から予想電流値が供給されると、テーブルを参照し、予想電流値から最適な測定レンジを選択する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、LSI製作のためのマスクパターン等を描画する可変面積型電子ビーム描画装置において、被描画材料に照射される電子ビームをブランキングする時間を求めるため、電子ビームの電流を測定するための方法および可変面積型電子ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来の可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示している。1は電子ビームEBを発生する電子銃であり、該電子銃1から発生した電子ビームEBは、照射レンズ(図示せず)を介して第1成形スリット2上に照射される。なお、電子銃1と第1成形スリット2との間には、ブランキング電極3が配置されている。
【0003】
第1成形スリット2の開口像は、成形レンズ(図示せず)により、第2成形スリット4上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器5により変えることができる。第2成形スリット4により成形された像は、図示していない縮小レンズ、対物レンズを経て描画材料6上に照射される。描画材料6への照射位置は、位置決め偏向器7により変えることができる。なお、成形偏向器5および位置決め偏向器7は、図面上1組しか描かれていないが、実際には、図示されている各偏向器に直交する方向にもう1組設けられる。
【0004】
このような構成において、図示していない制御コンピュータは描画データメモリーからのパターンデータを照射制御回路(図示せず)に転送する。照射制御回路によって作成されたブランキング信号は、増幅器8を介してブランキング電極3に供給される。また、照射制御回路で作成された電子ビームの形状成形信号は、DA変換増幅器9を介して成形偏向器5に供給される。更に、照射制御回路で作成された材料6上の電子ビームの照射位置信号は、DA変換増幅器10を介して位置決め偏向器7に供給される。なお、制御コンピュータは、材料6のフィールド毎の移動のために、材料6が載せられたステージ(図示せず)を制御する。このような構成の動作を次に説明する。
【0005】
まず、基本的な描画動作について説明する。描画データメモリーに格納されたパターンデータは、逐次読み出され、照射制御回路に供給される。この照射制御回路からのデータに基づき、成形偏向器6、位置決め偏向器7は制御される。
【0006】
この結果、各描画パターンデータに基づき、成形偏向器5により電子ビームの断面が単位パターン形状に成形され、その単位パターンが順々に材料6上にショットされ、所望の形状のパターン描画が行われる。なお、この時、ブランキング電極3へのブランキング信号により、材料6への電子ビームのショットに同期して電子ビームのブランキングが実行される。また、材料6上の異なったフィールドへの描画の際には、制御コンピュータの制御により、材料6が載せられたステージは所定の距離移動させられる。なお、ステージの移動距離は、図示していないが、レーザー測長器により監視されており、測長器からの測長結果に基づき、ステージの位置は正確に制御される。
【0007】
上記したような電子ビーム描画装置では、被描画材料6は、例えば光学的描画装置において使用されるマスク(レチクル)であり、ガラス基板の表面に導電性物質が蒸着され、更にその上に電子ビームの感光材料(レジスト)が塗布されている。
【0008】
電子ビームはこのレジスト上に照射され、所定の形状のパターンを描画し、電子ビームの照射された部分のレジストを感光する。すなわち、電子ビームの断面の形状を制御しながら矩形や三角形、もしくは台形などの形状の描画を行い、それらの形状の組み合わせでマスク乾板上のレジストに所望のパターンを描画して感光させる。
【0009】
さて、上記したような描画を行う場合、マスク乾板上のレジストの感度に合わせて所定の時間電子ビームを乾板上に照射することによって、レジストを適性に感光させることができる。この際、描画したパターンの精度を向上させるためには、成形された電子ビームの材料上の面積あたりに照射される電子ビームの電荷量を一定に制御することが必要となる。面積あたりの電荷量は、電子ビームの照射時間×電流密度で決まるため、あらかじめ電子ビームの電流を正確に測定しておく必要がある。
【0010】
すなわち、電子ビームが均一な電流密度で広がりを有したビームであれば、電流密度は一定であるが、実際には電子ビームの電流密度は一定でないため、成形されたビーム形状により、電流密度が異なってくる。この電流密度の違いは、電子ビームによる描画動作の前あるいはその途中で電流測定を実行し、その電流値に応じてレジストに照射される電子ビームの照射時間を変化させることによって補正している。
【0011】
上記した電子ビーム電流の測定方式の一例を図2に示す。図2において、図1の中の構成要素と同様な構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。図2において、被描画材料6は移動ステージ11上に載置されている。移動ステージ11の端部には、ファラデーカップ12が設けられており、電子ビーム電流の測定の際には、移動ステージ11が移動され、ファラデーカップ12が電子ビームEBのほぼ光軸上に配置される。
【0012】
この状態で制御コンピュータ14は、電子ビームの照射形状を設定し、微小電流測定器(ピコアンペアメータ)13に測定命令を送る。この際、ブランキング用DA変換増幅器8には、電子ビームがON状態となる電流が制御コンピュータ14によって設定される。また、成形偏向器用DA変換増幅器9には、電子ビームEBの形状が設定形状となるような電流が供給される。更に、位置決め偏向器7用のDA変換増幅器10は、中立(0V)に設定される。
【0013】
このような状態で、電子ビームの電流密度は、その形状によって異なるため、電子ビームの形状の設定をDA変換増幅器9の設定電流を変化させることによって行ない、その都度微小電流の測定動作を繰り返し行う。例えば、縦長の形状、横長の形状、正方形などのいくつかの種類の形状ごとに電子ビーム電流を測定し、その際の電子ビームの照射面積と測定した電子ビーム電流とによって電流密度を求める。なお、実際に設定した形状の中間的な形状の場合は、補間法による計算によって電流密度を求める。このようにして求められた電流密度に応じて、ブランキング時間が補正され、面積あたりの電荷量を一定とすることができる。
【0014】
上記図2を用いて説明したように、電流密度を求めるためにファラデーカップ12によって検出した微小電流を、微小電流測定器13によって測定するようにしている。図3はこの微小電流測定器13の構成の一例を示しており、ファラデーカップ12によって検出された電流Iは、演算増幅器20に供給される。
【0015】
演算増幅器20は、供給された電流を電圧に変換する。この場合、より広い範囲で電流が測定可能なように、演算増幅器20のフィードバック抵抗は、異なる抵抗値の抵抗R,10R,100R,1000Rが接続されており、スイッチS1,S2,S3,S4によってどの値のフィードバック抵抗を使用するかを選択することができるように構成されている。
【0016】
例えば、スイッチS1がONになると、抵抗値Rが選択され、演算増幅器20の出力は、入力電流I×Rの電圧が出力される。演算増幅器20に変換された電圧は、高周波格子ノイズを除去するためLPF(ローパスフィルタ)21を通り、AD変換器22によってディジタルデータに変換されて出力される。
【0017】
上記した可変面積型電子ビーム描画装置、およびその装置において所定の面積に成形された電子ビームの電流値を測定している例として、例えば、特許文献1を参照することができる。
【0018】
【特許文献1】
特開平4−63420号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3に示した微小電流測定器の構成で問題となるのは、測定レンジの選択方法である。これまでは、制御コンピュータ14から測定指令がくるのみであったため、未知の電流を測定するために、測定器はレンジ選択切替スイッチ25をオートレンジALに設定していた。この場合、測定器は、最初の測定でできる限り大きな電流が測定可能なように、レンジを選択する。すなわち、図3の構成では、スイッチS1をONにしてフィードバック抵抗Rを選択する。
【0020】
抵抗Rを選択して一度測定を行なった結果、電流が小さく、十分な精度の測定結果が得られないと、電流計23は測定レンジ設定器24を制御してスイッチS1をOFFにし、次にS2をONとしてフィードバック抵抗10Rを選択する。更に、測定を行なった結果、電流が小さく、十分な精度の測定結果が得られないと、電流計23は測定レンジ設定器24を制御してスイッチS2をOFFにし、次にS3をONとしてフィードバック抵抗100Rを選択する。
【0021】
このような動作を繰り返して、最適な測定レンジの設定で得られた数値を測定値として出力する。このような測定方式では、pA〜nA単位の微小電流の測定では、1回の測定に数百msの時間を要するため、複数のレンジを切り換えて測定を行なうと、数秒の時間を要していた。このような電流測定のシーケンスを実施する時間は、1枚のマスクに対する描画のスループットに少なからずの影響を与えている。
【0022】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定を極めて短い時間で行なうことができる電子ビームの電流測定方法および可変面積型電子ビーム描画装置を実現するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に基づく電子ビーム描画装置における電子ビーム電流測定方法は、可変面積型電子ビーム描画装置において、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に電子ビームの検出器を配置し、検出器から得られた電流を、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器で電圧信号に変換するようにして電子ビームの面積に応じた電流値を測定する電子ビームの電流測定方法であって、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた電子ビーム電流の値を測定して基準電流値として保持し、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流値に応じて演算増幅器のフィードバック抵抗を選択し、演算増幅器の測定レンジの選択を行なうようにしたことを特徴としている。
【0024】
すなわち、請求項1の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの予想検出電流値を求め、この予想電流地の大きさに適した演算増幅器の測定レンジを短時間に設定することを可能とする。
【0025】
請求項2に記載の発明に基づく電子ビーム描画装置における電子ビーム電流測定方法は、可変面積型電子ビーム描画装置において、被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に電子ビームの検出器を配置し、検出器から得られた電流を、演算増幅器で電圧信号に変換するようにして電子ビームの面積に応じた電流値を測定する電子ビームの電流測定方法であって、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた電子ビーム電流の値を測定して基準電流値として保持し、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流をオフセット電流として演算増幅器の入力に流すようにし、予想検出電流と測定電流とを加算することによって電子ビーム電流の測定を行なうようにしたことを特徴としている。
【0026】
すなわち、請求項2の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流をオフセット電流として演算増幅器の測定入力に加算するようにしたので、演算増幅器のフィードバック抵抗に流れる電流は小さな値となり、この小さな値をAD変換器のフルスケールで測定することができるので、測定の分解能を向上させることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明に基づく可変面積型電子ビーム描画装置は、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に配置された電子ビームの検出器と、検出器から得られた電流が供給され、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器と、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた基準電流値を保持するレジスタと、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求める乗算器と、乗算器の出力信号が供給され、予想検出電流値に応じて演算増幅器のフィードバック抵抗を選択し、演算増幅器の測定レンジの選択を行なうテーブルが記憶されているメモリーと、メモリーからの選択された測定レンジに応じて、演算増幅器のフィードバック抵抗を設定するように構成したことを特徴としている。
【0028】
すなわち、請求項5の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの予想検出電流値を求め、この予想電流地の大きさに適した演算増幅器の測定レンジを短時間に設定することを可能とする。
【0029】
請求項6に記載の発明に基づく可変面積型電子ビーム描画装置においては、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に配置された電子ビームの検出器と、検出器から得られた電流が供給され、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器と、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた基準電流値を保持するレジスタと、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求める乗算器とを備え、予想検出電流を発生させて演算増幅器の入力に流すように構成し、予想検出電流と測定電流とを加算することによって電子ビーム電流の測定を行なうようにしたことを特徴としている。
【0030】
すなわち、請求項6の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流をオフセット電流として演算増幅器の測定入力に加算するようにしたので、演算増幅器のフィードバック抵抗に流れる電流は小さな値となり、この小さな値をAD変換器のフルスケールで測定することができるので、測定の分解能を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明に基づく電子ビーム描画装置における電子ビーム電流測定方法の一具体例は、前記した従来技術の項で図2を用いて説明したように、電子ビーム描画装置における電子ビームの電流を求めるため、ファラデーカップ12によって検出した微小電流を、微小電流測定器13によって測定するようにしている。図4は、本発明を実施するための微小電流測定器の一具体例を示しており、図3の従来方式と同一ないしは類似の構成要素には同一番号を付している。また、
図4の本発明に基づく微小電流測定器においては、図3に示した従来の測定器の構成に加えて、図2に示した電子ビーム描画装置における成形偏向器5に供給される成形偏向電圧に応じて設定された電子ビームの照射面積データを出力する制御コンピュータ30と、基準となる電流値を保持するレジスタ31と、設定電子ビーム照射面積と基準電流値を乗算する乗算器32と、乗算器32によって乗算された電流値に応じて、測定電流レンジを選択するテーブルが記憶されたメモリー33が備えられている。
【0032】
この図4の構成において、ファラデーカップ12によって検出された電流Iは、演算増幅器20に供給される。演算増幅器20は、供給された電流を電圧に変換する。この場合、より広い範囲で電流が測定可能なように、演算増幅器20のフィードバック抵抗は、異なる抵抗値の抵抗R,10R,100R,1000Rが接続されており、スイッチS1,S2,S3,S4によってどの値のフィードバック抵抗を使用するかを選択することができるように構成されている。
【0033】
例えば、スイッチS1がONになると、抵抗値Rが選択され、演算増幅器20の出力は、入力電流I×Rの電圧が出力される。演算増幅器20に変換された電圧は、高周波格子ノイズを除去するためLPF(ローパスフィルタ)21を通り、AD変換器22によってディジタルデータに変換されて出力される。
【0034】
ところで、電子ビーム描画装置の電流密度は、図2に示した描画装置における電子ビームEBを発生する電子銃1の高電圧発生部の設定によって決定される。例えば、電子銃1がLaB6(ランタニゥムヘキサボライド)のような熱電子銃の場合、エミッタに流す電流値やバイアス電極に印加されるバイアス電圧によって一義的に決定される。
【0035】
したがって、電子ビーム描画装置の使用時には、電子ビームの電流密度はほとんど変化することはない。このことは、ファラデーカップに入射する電子ビームの電流値は、測定する際の電子ビームの形状(面積)によってほぼ決定されることを意味する。
【0036】
そこでまず、図2に示した電子ビーム描画装置で成形偏向器5への供給電圧を調整して、1μm平方の正方形の電子ビームEBを成形し、この電子ビームがファラデーカップ12に入射するように各構成要素を設定する。この状態で電流の測定を行なうが、この測定は、レンジ設定切替スイッチ25を切り替え、オートレンジALで行なうように制御される。
【0037】
この場合、測定器は、最初の測定でできる限り大きな電流が測定可能なように、レンジを選択する。すなわち、スイッチS1をONにしてフィードバック抵抗Rを選択する。抵抗Rを選択して一度測定を行なった結果、電流が小さく、十分な精度の測定結果が得られないと、電流計23は測定レンジ設定器24を制御してスイッチS1をOFFにし、次にS2をONとしてフィードバック抵抗10Rを選択する。
【0038】
更に、測定を行なった結果、電流が小さく、十分な精度の測定結果が得られないと、電流計23は測定レンジ設定器24を制御してスイッチS2をOFFにし、次にS3をONとしてフィードバック抵抗100Rを選択する。このような動作を繰り返して、最適な測定レンジの設定で得られた数値を測定値として出力する。このようにして得られた電流値は、基準電流値としてレジスタ31に記憶する。
【0039】
以上述べたように、基準となる特定の電子ビームの形状(面積=1μm)のときの電子ビームの電流値を基準電流値とする。この基準電流値が得られた後の電子ビームの電流値の測定は、制御コンピュータ30から電流値を測定する電子ビームの面積を設定すると、電流値の測定前に、電子ビームの面積とレジスタ31に記憶された基準電流値とによって予想電流値が、次の関係式により大まかに計算することができる。
【0040】
予想電流値=(電子ビームの面積/基準電流測定時の電子ビームの面積)×基準電流値
この関係式は、基準電流測定時の電子ビームの面積が1μmとすると、次のようになる。
【0041】
予想電流値=電子ビームの面積×基準電流値
この結果、乗算器32は、制御コンピュータ30からの設定ビーム面積とレジスタ31から供給される基準電流値とを乗算し、予想電流値をメモリー33に出力する。一方、メモリー33には、微小電流測定回路構成によって決まる各測定電流値レンジでの最適な測定電流値をテーブルの形式で記憶されており、乗算器32から予想電流値が供給されると、テーブルを参照し、予想電流値から最適な測定レンジを選択する。
【0042】
図5は、メモリー33に記憶されているテーブルの一種であり、メモリー33に供給された予想電流値Xに応じて、対応した測定レンジが選択される。なお、a1〜a8は電流値を表している。
【0043】
このメモリー33から出力される測定レンジに関するデータは、レンジ設定切替スイッチ25により、マニュアルレンジMLに接続されており、選択された測定レンジは、測定レンジ設定器24に供給される。測定レンジ設定器24は、供給された測定レンジデータに基づいて、スイッチS1〜S4のいずれかを選択し、予想電流値を測定するに最適な測定レンジとなるように、例えば、スイッチS3を選択する。
【0044】
このように構成することで、電子ビーム描画時の多くの電子ビーム電流測定時には、その時々の電子ビームの面積に応じて最適な測定レンジが選択される。したがって、従来のように、測定レンジを変えながら複数回の電流値測定を行なう必要がなくなり、1回の電流値測定動作で正確な電子ビームの電流値が得られることになる。
【0045】
図4に基づいて説明した本発明の第1の実施の形態では、ハードウェア構成、すなわち、基準電流値を記憶するレジスタ31、予想電流値を求めるための乗算器32、測定レンジ設定テーブルを記憶し、乗算器からの予想電流値データから最適な測定レンジデータを出力するメモリー33を設けるようにして、本発明を実施するようにした。しかしながら、このような機能をマイクロプロセッサによって置き換え、これらの一部あるいは全部の機能・動作をソフトウェアによって行わせることも可能である。
【0046】
図6は本発明の他の実施の形態を示しており、図4に示した第1の実施の形態と同一ないしは類似の構成要素には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。この図5の実施の形態では、演算増幅器20への測定電流入力に、測定値に応じて電流値の変化分をキャンセルする回路を追加している。
【0047】
具体的には、制御コンピュータ30からの設定ビーム面積と、レジスタ31に記憶された基準電流値とを乗算器32によって乗算し、この乗算結果である予想電流値を電流発生テーブルが記憶されたメモリー35に供給する。メモリー35には、予想電流値データに対応したオフセット電流値データがテーブルの形式で記憶されている。
【0048】
このメモリー35からのオフセット電流値データは、DA変換器36に供給され、DA変換器36からはビーム面積に応じたオフセット電流Iが発生される。DA変換器36からのオフセット電流Iは、演算増幅器20の入力に流し込まれる。この結果、フィードバック抵抗に流れる電流は、測定電流Imとオフセット電流Iとの差分となる。この時、演算増幅器20の測定レンジは、最も小さい電流を検出できるように、レンジ設定切替スイッチ25を切り替え、マニュアルレンジMLを用いて設定される。図6の例では、レンジ設定切替スイッチ25により、スイッチS4がONとされ、フィードバック抵抗1000Rが用いられる測定レンジが選択される。
【0049】
このように構成することで、異なる面積の電子ビームの電流を測定する際に、ビーム電流Imの値の幅が大きくなり、演算増幅器20の測定レンジをImの大きさに応じてその都度変化させなければならなかったが、図6の例では、特定の測定レンジだけを用いて、幅広い面積の電子ビームに対してそのビーム電流の測定を行なうことができる。この場合、測定電流Imとオフセット電流Iとの差分の電流は、常に(電子ビームの面積がどのような大きさであっても)著しく小さな値となるため、AD変換器22のフルスケールを微小電流に応じて設定することにより、精度の高い電流測定が可能となる。
【0050】
なお、測定すべき電子ビームの電流値Imは、オフセット電流Iと測定電流を加算した値となる。したがって、電子ビームの電流値Imを精度高く求めるためには、事前にオフセット電流Iを正確に測定し、その結果に基づいて、メモリー35に記憶させる電流発生テーブルを作成する必要がある。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および5の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの予想検出電流値を求め、この予想電流地の大きさに適した演算増幅器の測定レンジを短時間に設定することを可能とする。従って、可変面積型電子ビーム描画装置における描画時間のスループットを短縮することができる。
【0052】
請求項2および6の発明は、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流をオフセット電流として演算増幅器の測定入力に加算するようにしたので、演算増幅器のフィードバック抵抗に流れる電流は小さな値となり、この小さな値をDA変換器のフルスケールで測定することができるので、測定の分解能を向上させることができる。従って、可変面積型電子ビーム描画装置における描画時間のスループットを短縮することができると共に、電子ビーム描画の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示す図である。
【図2】図1の装置における電子ビーム電流測定時の構成を示す図である。
【図3】従来の微小電流測定器の一具体例を示す図である。
【図4】本発明に基づく微小電流測定器の一具体例を示す図である。
【図5】メモリーに記憶された検出電流の予測値と、対応する測定レンジのテーブルの例を示す図である。
【図6】本発明に基づく微小電流測定器の他の具体例を示す図である。
【符号の説明】
20 演算増幅器
21 ローパスフィルタ(LPF)
22 AD変換器
23 電流計
24 測定レンジ設定器
25 レンジ設定選択器
30 制御コンピュータ
31 レジスタ
32 乗算器
33 レンジ設定テーブル用メモリー
35 電流発生テーブル用メモリー
36 DA変換器

Claims (7)

  1. 電子ビームを第1の成形スリットを通過させ、第1のスリットを通過した電子ビームを第2の成形スリット上に照射し、第2のスリットを通過した電子ビームを被描画材料に照射すると共に、第1と第2のスリットの間に電子ビームの成形偏向器を設け、成形偏向器によって第1の成形スリットを通過した電子ビームを偏向し、第2の成形スリットを通過する電子ビームの面積を変化させ、この可変面積の電子ビームによって、被描画材料に塗布されたレジストを感光させるようにした可変面積型電子ビーム描画装置において、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に電子ビームの検出器を配置し、検出器から得られた電流を、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器で電圧信号に変換するようにして電子ビームの面積に応じた電流値を測定する電子ビームの電流測定方法であって、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた電子ビーム電流の値を測定して基準電流値として保持し、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流値に応じて演算増幅器のフィードバック抵抗を選択し、演算増幅器の測定レンジの選択を行なうようにした可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法。
  2. 電子ビームを第1の成形スリットを通過させ、第1のスリットを通過した電子ビームを第2の成形スリット上に照射し、第2のスリットを通過した電子ビームを被描画材料に照射すると共に、第1と第2のスリットの間に電子ビームの成形偏向器を設け、成形偏向器によって第1の成形スリットを通過した電子ビームを偏向し、第2の成形スリットを通過する電子ビームの面積を変化させ、この可変面積の電子ビームによって、被描画材料に塗布されたレジストを感光させるようにした可変面積型電子ビーム描画装置において、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に電子ビームの検出器を配置し、検出器から得られた電流を、演算増幅器で電圧信号に変換するようにして電子ビームの面積に応じた電流値を測定する電子ビームの電流測定方法であって、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた電子ビーム電流の値を測定して基準電流値として保持し、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求め、予想検出電流を発生させて演算増幅器の入力に流すようにし、予想検出電流と測定電流とを加算することによって電子ビーム電流の測定を行なうようにした可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法。
  3. 電子ビームの検出器は、被描画材料が載せられる移動ステージの端部上に設けられている請求項1および2記載の可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法。
  4. 測定した電流値に基づいて実際のレジストを露光する際の電子ビームの照射時間を決定するようにした請求項1〜3記載の可変面積型電子ビーム描画装置における電子ビームの電流測定方法。
  5. 電子ビームを第1の成形スリットを通過させ、第1のスリットを通過した電子ビームを第2の成形スリット上に照射し、第2のスリットを通過した電子ビームを被描画材料に照射すると共に、第1と第2のスリットの間に電子ビームの成形偏向器を設け、成形偏向器によって第1の成形スリットを通過した電子ビームを偏向し、第2の成形スリットを通過する電子ビームの面積を変化させ、この可変面積の電子ビームによって、被描画材料に塗布されたレジストを感光させるようにした可変面積型電子ビーム描画装置において、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に配置された電子ビームの検出器と、検出器から得られた電流が供給され、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器と、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた基準電流値を保持するレジスタと、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求める乗算器と、乗算器の出力信号が供給され、予想検出電流値に応じて演算増幅器のフィードバック抵抗を選択し、演算増幅器の測定レンジの選択を行なうテーブルが記憶されているメモリーと、メモリーからの選択された測定レンジに応じて、演算増幅器のフィードバック抵抗を設定するように構成した可変面積型電子ビーム描画装置。
  6. 電子ビームを第1の成形スリットを通過させ、第1のスリットを通過した電子ビームを第2の成形スリット上に照射し、第2のスリットを通過した電子ビームを被描画材料に照射すると共に、第1と第2のスリットの間に電子ビームの成形偏向器を設け、成形偏向器によって第1の成形スリットを通過した電子ビームを偏向し、第2の成形スリットを通過する電子ビームの面積を変化させ、この可変面積の電子ビームによって、被描画材料に塗布されたレジストを感光させるようにした可変面積型電子ビーム描画装置において、第2の成形スリットを通過して被描画材料に照射される電子ビームの光軸近傍に配置された電子ビームの検出器と、検出器から得られた電流が供給され、複数の互いに異なった抵抗値のフィードバック抵抗が並列に接続された演算増幅器と、あらかじめ電子ビームの基準面積に応じた基準電流値を保持するレジスタと、被描画材料に照射される電子ビームの面積のデータと基準電流値とを乗算して予想検出電流値を求める乗算器とを備え、予想検出電流を発生させて演算増幅器の入力に流すように構成し、予想検出電流と測定電流とを加算することによって電子ビーム電流の測定を行なうようにした可変面積型電子ビーム描画装置。
  7. 電子ビームの検出器は、被描画材料が載せられるステージの端部に設けられ、電子ビームの電流を測定する際には、ステージを移動させて検出器を電子ビームの光軸近傍に配置するように構成した請求項5および6記載の可変面積型電子ビーム描画装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013197468A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Nuflare Technology Inc マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

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