JP2004311542A - 光学素子の脱水方法 - Google Patents

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Shuichi Matsunari
秀一 松成
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Abstract

【課題】ステッパ用光学部品の透過率を向上させる。
【解決手段】処理室に収められた光学素子に、水分濃度3ppm以下の雰囲気ガス中で、波長180nm以下の紫外線を照射し、光学素子表面の水分・水酸基を除去することを特徴とする光学素子の脱水方法
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体露光装置用光学部品の透過率向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造用縮小投影露光装置(ステッパ)の高解像化の要求が高まっており、解像度向上のために露光光源波長の短波長化が進んでいる。特に最近では水銀ランプよりも短波長の光を発生でき、かつ高出力が得られるエキシマレーザを光源としたステッパの実用化が始まっている。ArFレーザ(波長193nm)、Fレーザ(波長157nm)などの短波長領域では、レンズやミラーなど光学部品表面に付着した有機物が光を吸収してしまうため、これらの光学部品を洗浄して表面から有機物を除去する必要がある。光洗浄法は、有機溶剤等を用いる従来の湿式洗浄法に比べて表面の残留有機物量を著しく低減することが可能であるため、特に有機物による吸収が問題となる紫外光用光学部品の洗浄に適用されている(特許文献1参照)。
【0003】
光洗浄法の原理は、一般的に次のように考えられている。
紫外光源として低圧水銀ランプを用いた場合は、低圧水銀ランプからは波長185nmと254nmの二つの波長の紫外光が放射される。185nmの紫外光が酸素に吸収されるとオゾンを生じ、このオゾンが254nmの紫外光を吸収して活性酸素を生成する。一方、これらのガスに吸収されなかった紫外光は被洗浄物表面に到達し、前記表面に付着している汚染物である有機分子の結合を切断する。その結果生じた前記有機分子のフラグメントが、前記活性酸素と反応することで更に酸化、分解、気化されて表面から除去されるのである。
【0004】
光洗浄法に用いられる紫外光源としては、低圧水銀ランプの他にエキシマランプも知られている。キセノンガスを用いた波長172nmのエキシマランプ光は、酸素に吸収されて活性酸素を直接生成する他、185nmの光と同様にオゾンを経由しても活性酸素を生成する。以後の洗浄メカニズムは低圧水銀ランプを用いた場合と同一であるので説明を省略する。
【0005】
光洗浄装置の主な構成要素は、被洗浄物を収める洗浄槽と、洗浄槽内の被洗浄物に紫外線を照射する紫外光源である。洗浄槽内部には被洗浄物を保持するホルダが設けられるが、紫外線照射量の均一化等を目的として、ホルダに揺動機構・回転機構等が付加される場合もある。光洗浄法には酸素供給が必要であるため、酸素を含有するガスを洗浄槽に供給する、ガス導入系が設けられる。ガス導入系から酸素を含有するガスを導入して紫外線を照射すると、洗浄槽内でオゾン・活性酸素が発生し、洗浄槽に収められた被洗浄物表面に付着した有機物が分解・除去される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−169806号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
キセノンエキシマランプや低圧水銀ランプによる光洗浄を光学素子に適用した場合、表面の付着有機物が除去されることによって透過率向上効果が得られる。しかしながら特に高い光透過率が要求されるステッパ用光学部品に対しては、従来の光洗浄のみでは透過率向上効果が不十分で、必要とされる光学特性が得られないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者はステッパ用光学部品の洗浄技術について研究を進め、従来の光洗浄方法により有機物はほぼ完全に除去されていること、残存する光吸収源は有機物ではなく、光学素子表面に存在する水分または水酸基であることを見出した。光吸収源が突き止められたことによって研究対象は光学素子表面の水分除去技術に移り、本発明者は新たな光学素子の脱水方法を開発するに至ったのである。以下、光学素子の脱水とは表面の水分又は水酸基を除去することを指す。
【0009】
一般に光学素子表面には多層光学薄膜が形成されている。具体的には反射防止膜、波長選択膜、偏光膜などである。これらの薄膜は充填密度が低く構造が粗であるため、容易に雰囲気中の水分を吸着する。また薄膜最表面はエネルギー的に不安定で、水分と反応して水酸基(−OH)を生成することがある。水分及び水酸基は波長180nm以下の光に対する吸収係数が大きいため、光学素子表面に存在することにより光透過率を低下させていたのである。しかしながらこれらの水分・水酸基を取り除くことは容易ではない。有機・無機溶剤で洗浄しても膜中に入りこんだ水分・水酸基は取り除くことができない。加熱をすることで水分が除去できる場合があるが、加熱することにより薄膜に損傷が生じてしまう。また、薄膜のみが単独で使用されることは殆ど無く、多くの光学素子は金属やセラミックスに代表される他の基材上に薄膜を形成して製作される。このような場合に光学素子を加熱すると、熱は拡散しやすいため薄膜のみを加熱・制御することは困難で、基材までが加熱されてしまい、基材の破壊や薄膜の剥離等の損傷を生じることが多い。光学素子単体を加熱するのではなく、光学素子を冶具や鏡筒に固定した後に加熱する場合は、冶具や鏡筒が同様に損傷を受ける恐れがある。電子レンジのように水分子を直接加熱するような電磁波を照射した場合も同様で、水分を除去する効果が認められる場合もあるが、薄膜、基材、冶具等も同時に加熱されて損傷を生じる。電子レンジに使用されるマイクロ波の波長範囲では、水分子だけでなく殆どの材料がマイクロ波を吸収して発熱するからである。
【0010】
本発明が提供する脱水方法は光学素子に損傷を与えることなく光学素子表面の水分・水酸基を除去し、光透過率を向上させるものである。
本発明は第一に、
「処理室に光学素子を収め、該処理室内の雰囲気ガスの水分濃度を3ppm以下に維持しつつ、前記光学素子に波長180nm以下の紫外線を照射することを特徴とする光学素子の脱水方法」
を提供する。従来の光洗浄では180nmを超える波長の光を用いるが、この波長域では水分子の吸収係数は1×10−5Pa−1cm−1以下で、光はほとんど吸収されず、水分解・除去効果は期待できない。これに対して波長180nm以下、例えばFレーザー波長の157nmでは吸収係数が70×10−5Pa−1cm−1に達し、水分子が紫外線を強度に吸収することによって分解・除去されるのである。紫外線照射の際には光学素子周囲の雰囲気水分濃度を3ppm以下に維持する必要がある。その理由は、水分濃度が高い場合には、光学素子への水分の再吸着が起きたり、気相で生成した活性種によって光学素子表面がかえって水酸化されたりする不都合が生じるためである。
【0011】
本発明は第二に、
「前記雰囲気ガスは窒素ガスまたは希ガスであることを特徴とする請求項1記載の光学素子の脱水方法」
を提供する。光学素子周囲の雰囲気が窒素または希ガスである場合には、波長180nm以下の紫外線がガスに吸収されず被処理物である光学素子表面に到達し、十分な脱水効果が得られる。またこれらのガスは紫外線照射によって光化学反応を起こすこともなく、新たな光吸収の原因となる反応生成物を生じる恐れがない。
【0012】
本発明は第三に、
「前記波長180nm以下の紫外線はFレーザー光またはキセノンエキシマ光であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光学素子の脱水方法」
を提供する。波長157nmのFレーザーまたは波長172nmのキセノンエキシマランプを紫外線源として用いれば、高強度の紫外線を容易に発生することができ、高い脱水効果を安定して得ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は180nm以下の波長を持つ光を対象物である光学素子に照射し、水分・水酸基を取り除くことによって光学素子の透過率向上効果を得るものである。このとき光学素子の雰囲気ガスは水分濃度3ppm以下に保たれねばならない。したがって本発明に係る脱水方法の実施に際しては、光学素子を処理室に収めて外部から隔離し、さらに処理室内の雰囲気ガスを水分濃度3ppm以下に維持しなくてはならない。処理室内の水分濃度を維持する手段としては乾燥ガスを処理室に導入する方法が最も簡便である。乾燥ガスの種類は本発明に係る窒素ガスまたは希ガスに限られるが、ガスの乾燥方法については特段の制限はない。ただし有機物が光学素子表面に付着すると透過率低下を引き起こすので、処理室に導入される乾燥ガスは有機物を事前に十分除去したものであることが好ましい。ガス中の有機物除去には、活性炭や活性アルミナなどを主成分とするケミカルフィルターをガス導入系に挿入することが有効である。有機物による汚染防止の観点からは、処理室を構成する部材に関しても、有機物の発散量が少ない材質を選択して用いることが望ましい。
【0014】
光学素子を収める処理室は、脱水工程にのみ用いられる独立した脱水装置の一部であっても良いし、光学素子を取り付けた後の鏡筒などを処理室として用いることもできる。後者の場合、鏡筒等を密閉可能でかつ外部からガス導入ができる構造としておけば、内部にレンズ等の光学素子を取付・調整後、鏡筒内に乾燥ガスを導入し、前記レンズ等を通して紫外線を照射することにより脱水効果を得ることができる。
【0015】
照射する紫外線の波長は180nm以下であれば本発明の効果が得られるが、光学素子を構成するフッ化物・酸化物の中には特定波長の光により色中心などの欠陥を生じるものが存在する。この場合には、欠陥を生じる波長以外の波長を持つレーザー光・エキシマランプ光を用いることで、対象物である光学素子の損傷を避けることが可能となる。
【0016】
紫外線の最適な照度や積算光量は被処理物である光学素子の構成や状態によって異なるため、脱水効果を調べながら実験的に最適値を決定する必要がある。
以下、実際の光学素子への適用例を説明する。
【0017】
【実施例】
図1は本実施例で使用した脱水処理装置の構成図である。光学系の構成はあくまで例示であり、光源の特性や被処理物の形態等によって最適な構成とすればよい。
【0018】
レーザ1から発せられた波長157nmのレーザ光2は、ビームエキスパンダ3、ズームレンズ4、アパーチャー5からなる光学系を通してパワー密度及びビーム形状を調整された後、処理室6に保持されている被処理物である光学素子7に照射される。そして光学素子7を通過するレーザ光2はビームストップ8に到達して消滅する。本実施例ではレーザ光2として波長157nmの光を用いているため、処理室の窓9には157nmで透明な蛍石を基板として用い、同波長で反射防止効果を有する多層反射防止膜を両面に形成している。処理室3は、乾燥ガスを供給するためのガス供給手段10と、処理室の排気を行う排気口11と、処理室内の水分濃度を監視するための水分濃度計12を備える。ガス供給手段10には乾燥窒素ボンベ13が接続される。
【0019】
被処理物として蛍石基板の両面に反射防止膜を形成した光学素子7を処理室に収納し、窒素ガスをガス供給手段を介して6L/分の流量で処理室に導入した。このとき処理室内部が大気圧を保つように排気口12からガスを排出した。また処理室内の水分濃度を監視し、常時3ppm以下が維持されるように乾燥窒素ガスの供給量を調整した。
【0020】
次に光学系のセッティングを調整し、光学素子全面にレーザ光が照射されることを確認してから、発信周波数600Hz、フルエンス1mJ/cm/パルスで1×10ショットを照射して光学素子の脱水処理を行った。照射中の処理室および光学素子の温度は常温である。
【0021】
脱水処理前後の光学素子表面の水分・水酸基量をSIMS(2次イオン質量分析法)により比較したところ、脱水処理により水分・水酸基量は30%減少していた。このとき光学素子の波長157nmにおける透過率は0.3%上昇し、本発明による脱水処理が透過率向上効果を有することが確認された。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、光学素子表面の水分・水酸基を除去することにより当該光学素子の光透過率を向上させることができる。本発明は光照射による瞬間的な光脱離・光化学反応を利用しているため、加熱処理に比べ、被処理物である光学素子に与える損傷が小さいという利点がある。また適当な光学系を用いれば被処理物上の特定箇所にのみ紫外線を照射することができ、不必要な部分への紫外線照射による無用な損傷を避けつつ透過率向上効果を得ることができる。さらに光学素子が光学機器・装置に組み込まれた後であっても、外部から紫外線を照射することによって、当該機器等に悪影響を及ぼすことなく透過率向上効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した脱水処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1:Fレーザ、2:レーザ光、3:ビームエキスパンダ、4:ズームレンズ、5:アパーチャ、6:処理室、7:光学素子、8:ビームストップ、9:窓、10:ガス供給手段、11:排気口、12:水分濃度計、13:乾燥窒素ボンベ

Claims (3)

  1. 処理室に光学素子を収め、該処理室内の雰囲気ガスの水分濃度を3ppm以下に維持しつつ、前記光学素子に波長180nm以下の紫外線を照射することを特徴とする光学素子の脱水方法。
  2. 前記雰囲気ガスは窒素ガスまたは希ガスであることを特徴とする請求項1記載の光学素子の脱水方法。
  3. 前記波長180nm以下の紫外線はFレーザー光またはキセノンエキシマ光であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光学素子の脱水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010507915A (ja) * 2006-10-27 2010-03-11 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー 対物レンズ部品を交換する方法及び装置
CN107309222A (zh) * 2017-08-25 2017-11-03 济南高能清扬激光清洗有限公司 一种长焦深激光清洗头装置及清洗方法

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