JP2004311269A - ジョイントコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】より低背型(薄型)で、かつ導通パターンの自由度が高いジョイントコネクタを提供する。
【解決手段】電線に装着される端子2と、この端子2を収納するコネクタハウジングとを有する。ハウジングは一対の単位ハウジング20a、20bから構成し、各単位ハウジング20a,20bには、端子収納室の略全体をコネクタ接続方向と直交する方向に開放する挿入口を設けた。そして、シート状回路体22を挟み込んだ状態で両単位ハウジング20a、20bを合体させると、端子2の短絡用接点3aがシート状回路体22の回路に接触し、その結果、特定の端子2同士が短絡するように構成した。
【選択図】 図8
【解決手段】電線に装着される端子2と、この端子2を収納するコネクタハウジングとを有する。ハウジングは一対の単位ハウジング20a、20bから構成し、各単位ハウジング20a,20bには、端子収納室の略全体をコネクタ接続方向と直交する方向に開放する挿入口を設けた。そして、シート状回路体22を挟み込んだ状態で両単位ハウジング20a、20bを合体させると、端子2の短絡用接点3aがシート状回路体22の回路に接触し、その結果、特定の端子2同士が短絡するように構成した。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタハウジング内に複数の端子を並列に収納するコネクタに関し、特に、コネクタハウジングに収納された特定の端子同士を電気的に接続させることができるジョイントコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特許文献1に開示されるように、コネクタハウジングに収納される特定の端子同士をハウジング内で短絡させることにより、コネクタ自体に回路的な機能を組込んだいわゆるジョイントコネクタが知られている。
【0003】
この文献に開示されるジョイントコネクタは、端子収納室が横並びに形成された上下一対のハウジングを、それらの間に回路形成体を挟み込んだ状態で合体させる構成となっており、回路形成体を介して各ハウジングに収納された特定の端子同士を短絡させるようになっている。
【0004】
回路形成体は、絶縁性材料からなる板状のホルダと、このホルダをくわえ込むように該ホルダに装着される金属性導体からなるバスバーとから構成されている。バスバーには、ハウジングの各端子収納室に対応する板ばね状の接触片がホルダを挟んで上下両側に形成されており、これにより両ハウジングの間に回路形成体を挟み込むと、ハウジングに収納された端子と前記接触片とが接触して端子同士を短絡させるように構成されている。従って、接触片又はバスバーの一部を予め切除しておくことによって特定の端子同士を短絡させ得るようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−246127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のジョイントコネクタでは、バスバーとホルダとを互いに組付けた回路形成体をハウジング間に挟み込む必要があるため、端子数が同等の一般的なコネクタに比べるとその厚み(コネクタ接続方向と直交する方向の寸法)が厚くなる傾向がある。ところが、コネクタについては省スペース化、特に、低背化(薄型化)を図ることが一つの課題とされて常に要求されており、上記のようなジョイントコネクタについてもこの課題を解決することが必要とされる。
【0007】
また、上記従来のジョイントコネクタでは、バスバーの一部分を切断して導通パターンを確立する構成であるため、複雑な導通パターンへの対応が困難である。そのため、導通パターンに制限が課せられ易いという問題もある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ジョイントコネクタにおいて、より低背型(薄型)で、かつ導通パターンの自由度が高いジョイントコネクタを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のジョイントコネクタは、複数の端子収納室を並列に備えたハウジングを有し、端子収納室に収納された端子のうち特定の端子同士を前記ハウジング内で短絡させるジョイントコネクタにおいて、前記端子収納室に収納される特定の端子同士を短絡させる回路を形成したシート状の短絡回路体を有し、この短絡回路体がコネクタ接続方向と直交する方向から前記ハウジングに重ね合わされた状態で装着される一方、前記端子に回路体の前記回路に接触可能な短絡用接点が設けられ、前記端子収納室に収納された端子の短絡用接点が前記ハウジングに形成される開口部を介して回路体の前記回路に接触することにより特定の端子同士が短絡回路体を介して短絡しているものである。
【0010】
このようにシート状の短絡回路体をハウジングに重ねせた状態で装着して特定の端子同士を短絡させる構成とすれば、端子を短絡させるための構成部分がコネクタ接続方向と直交する方向にコンパクトな構成となる。そのため、立体的な短絡用の部材を用いる従来構成に比べてコネクタ構造を効果的に低背化することができる。また、短絡回路体に形成される回路を介して端子同士を短絡させるので、複雑な回路を組込んで複雑な導通パターンを実現することも可能となる。
【0011】
この構成においては、ハウジングが、コネクタ接続方向と直交する方向に開口する前記開口部を有する複数の端子収納室をそれぞれ並列に備えた一対の単位ハウジングからなり、これら単位ハウジングが、前記開口部を対向させた状態で、かつ前記短絡回路体を間に挟み込んだ状態で互いに重ね合わされることにより構成され、各単位ハウジングに収納された特定の端子同士が前記短絡回路体を介して短絡しているものとすることができる。この構成によると、複数列に端子を収納できる低背型のジョイントコネクタを提供することが可能となる。
【0012】
この構成においては、一方側の単位ハウジングに収納される特定の端子と他方側の単位ハウジングに収納される特定の端子とが共通の前記短絡回路体を介して短絡されるのが、より好ましい。この構成によれば、複数列に端子を収納する場合の導通パターンの自由度を高めることが可能となる。
【0013】
なお、これらのコネクタの構成において、前記短絡回路体は、特定の端子を短絡するための導体からなる回路と、この回路を保持する保持体とから構成することができる。具体的には、前記短絡回路体は、導体から構成される回路を一対の絶縁フィルム間に挟み込んだラミネート構造を有し、前記絶縁フィルムのうち対象端子の前記短絡用接点に対応する部分に窓部が形成されることにより前記回路が短絡用接点と接触可能な状態に露出しているのが、好ましい。
【0014】
この構成によると、対象端子の短絡用接点が窓部を介して回路に接触することにより対象端子同士が良好に短絡することとなり、その他の端子については、絶縁フィルムにより短絡用接点と回路との接触が確実に阻止される。そのため、対象端子のみを確実に短絡させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るジョイントコネクタを説明する斜視概略図である。この図において、C1は基板側コネクタで、回路基板Pの表面に実装された状態で固定されている。また、C2は複数の電線1(ディスクリート線)を保持した配線材側コネクタで、前記基板側コネクタC1に嵌合することにより各電線1を電気的に回路基板Pに接続するように構成されている。なお、この実施形態では配線材側コネクタC2に本発明に係るジョイントコネクタの構成が適用されている。
【0017】
基板側コネクタC1は、前記配線材側コネクタC2を嵌合するための凹部を有した幅方向に細長の雌型コネクタハウジング10(以下、ハウジング10と略す)を有している。このハウジング10には、タブ状の接触部をもつ複数の雄型端子12が保持されている。具体的には、複数の雄型端子12が、タブ状の接触部を前記凹部内に突出させ、幅方向に一定の間隔で上下二列に並んだ状態で保持されている。同図に示すように、各雄型端子の後部(コネクタ接続方向における後部)には逆L字型の脚部12aが形成されており、これら脚部12aが回路基板Pの固定用ランドに半田付けされることにより各端子12が基板上回路(パターン)に接続されている。
【0018】
一方、配線材側コネクタC2は、複数の電線1を保持する幅方向に細長の雄型コネクタハウジング20(以下、ハウジング20と略す)を有している。
【0019】
このハウジング20は、図2に示すように上下一対の単位ハウジング20a、20bとシート状回路体22(短絡回路体)とを有し、電線1の末端に装着される端子2をそれぞれ単位ハウジング20a、20bに収納し、シート状回路体22を間に挟んだ状態で両単位ハウジング20a、20bを上下に合体させることにより、各電線1を保持するとともに、シート状回路体22を介して特定の電線1(端子2)同士を短絡させるように構成されている。
【0020】
一方側の単位ハウジング(下側の単位ハウジング20b)に基づいてより具体的に説明すると、図2及び図4に示すように、単位ハウジング20bには端子2を収納するための複数の端子収納室24が幅方向に並列に形成されている。
【0021】
各端子収納室24は、その上方(相手単位ハウジング側;コネクタ接続方向と直交する方向)が略全体に亘って開放されており、これにより端子収納室上方に端子2の挿入口26(開口部)が形成されている。なお、端子収納室24は、その後方(図4では右方;コネクタ接続方向後側)も開放されており、この部分は電線1を導出するための導出口となっている。
【0022】
挿入口26に対向する端子収納室24の底面28aには、端子2を係止するための係止部30が突設されている。この係止部30には、前側(コネクタ接続方向における前側;図4では左側)に向き、かつ前後方向に撓み可能な係止爪30aが設けられており、この係止爪30aが端子2の後記接触部4に係合することにより端子2を底面28aに対して係止するように構成されている。なお、この係止部30は、端子収納室24の前端面28bと協働して端子2の接触部4を前後方向に拘束するように、前端面28bとの間隔が接触部4の前後方向の寸法に対応した間隔で設けられている。
【0023】
端子収納室24の前端面28bには、相手側端子12のタブ状接触部をハウジング内に挿入させるための挿入口32が形成されるとともに、さらにこの挿入口32の上側に、端子収納室24に収納される端子2の先端部分を覆うかぶり部34が突設されている。
【0024】
一方、端子収納室24の後端部分には、電線1を係止するための一対のフック36が側壁から内側に向って突設されている。
【0025】
さらに、単位ハウジング20bには、図2に示すように、その幅方向両端部に相手側単位ハウジング20aとの係合用フックが形成されている。具体的には、ハウジング前側部分に内側に向く一対の内向きフック38が形成されるとともに、ハウジング後側部分に外側に向く一対の外向きフック39が形成されている。なお、図6に示すように、内向きフック38の基端部には、絶縁シート22を位置決めするための前側に開くスリット38aが形成されている。
【0026】
以上は下側の単位ハウジング20bの構成であるが、上側の単位ハウジング20aも基本的にはこの単位ハウジング20bと共通の構成を有している。但し、上側の端子ハウジング20aは、基板側コネクタC1に対するロック機構41が中央部分(幅方向中央部分)に設けられている点、ロック機構41との関係で該中央部分に端子収納室24が設けられていない点、および前記フック38,39の代わりにこれらフック38,39の被係合部42等が幅方向両端部に設けられている点で下側の単位ハウジング20bとは構成が相違している。
【0027】
シート状回路体22は、図7に示すように幅方向に細長い矩形シート状の部材で、各単位ハウジング20a、20bの端子収納室24の全体を覆い得るように形成されている。なお、図7(a)はシート状回路体22の平面図、同(b)は同(a)のA−A断面図、同(c)はシート状回路体22の底面図である。
【0028】
このシート状回路体22は、板状導体の打ち抜きにより形成された複数のパターンプレート52(回路)を、例えば飽和ポリエステル、フェノール樹脂あるいは塩化ビニル樹脂等の絶縁性樹脂材料からなる一対の絶縁フィルム50(保持体)によりラミネートした可撓性を有するシート状の部材である。
【0029】
各パターンプレート52は、シート状回路体22の前端縁部に沿って絶縁フィルム50に挟み込まれており、各絶縁フィルム50に形成された窓部50aを介して外部露出されている。このパターンプレート52の形状、配置および窓部50aの位置は、各単位ハウジング20a、20bに収納させる特定の端子同士を短絡させ得るように端子2の後記短絡用接点3aに対応して予め設定されており、その結果、後に説明するように、端子2が窓部50aを介してパターンプレート52に接触することにより、共通のパターンプレート52に接触する端子2同士が短絡するように構成されている。
【0030】
なお、このシート状回路体22の幅方向両縁部には、図2及び図7に示すように、該回路体22を単位ハウジング20bに重ねたときに前記フック38を逃がすための切欠き22aがそれぞれ形成されている。
【0031】
一方、電線1は、図3に示すように、絶縁被覆1bが切除されることにより端部で導体1aが露出した状態とされており、この端部に端子2が装着されている。
【0032】
端子2は、前後方向に延びる細長のベース部3の先端部分に相手側端子12のタブ状接触部を差込み可能な前後方向に延びる筒状の接触部4を有するとともに、後端部分にバレル6a,6bを備えており、同図に示すようにバレル6a,6bが電線1の前記導体1aおよび絶縁被覆1bにそれぞれかしめられることにより電線1の末端部分に装着されている。
【0033】
端子2の前記接触部4の内側には、上下方向に撓み変位可能な一対の接触片5a,5bが設けられており、相手側端子12のタブ状接続片がこれら接触片5a,5bの間に差込まれるように構成されている。また、ベース部3において前記接触部4に対応する位置には前記シート状回路体22に対する短絡用接点3aが外向き(図3では下向き)に突設されている。なお、前記接触部4の側壁4aは同図に示すように同底壁4bよりも先端側に僅かに突出して設けられている。
【0034】
上記のハウジング20により電線1を保持させる手順は以下の通りである。
【0035】
まず、図5(a)に示すように端子2を上下反転させ、つまり接触部4が下向きとなり短絡用接点3aが上側にくる姿勢とし、この姿勢で挿入口26を介して端子2を単位ハウジング20bの上側から各端子収納室24に収納する。
【0036】
より詳細には、同図に示すように、端子2の先端(側壁4aの先端)を端子収納室24の前記かぶり部34の下側に潜り込ませて前端面28bに突き当て、この状態で端子2をその上側から押し付ける。このようにすると、端子2の押し付けに伴い係止爪30aが後側に撓み、端子2が完全に端子収納室24内に挿入されると、図5(b)に示すように、係止爪30aがその弾発力で復帰して接触部4の構成壁4bに係合する。これにより係止爪30aにより端子2が端子収納室24内に係止された状態で、前端面28bと係止部30とにより接触部4が前後方向に拘束されることとなる。この挿入作業時には、接触部4の後端部分に係止部30が当接して端子2の先端が浮き上がろうとするが、上記のように予め端子2の先端をかぶり部34の下側に潜り込ませた状態で端子2を押し下げていることによって、端子先端の浮き上がりを防止することができ、これにより容易に端子2を端子収納室24に挿入させることができる。
【0037】
なお、電線1は、同図に示すようにフック36の下側に押し込んだ状態で端子収納室24の後側からその外部に導出させておく。
【0038】
ここでは下側の単位ハウジング20aに対する端子2の収納手順について図面を用いて説明したが、上側の単位ハウジング20aについても同様の手順で端子2を収納する。
【0039】
このような単位ハウジング20a、20bへの端子2の収納作業後、図2に示すように、両単位ハウジング20a、20bを互いに上下に対向させ、具体的には、端子2の挿入口26が向かい合わせとなるように両単位ハウジング20a、20bを対向させ、シート状回路体22を下側の単位ハウジング20b上に重ねた状態で両単位ハウジング20a、20bを互いに押し付ける。この際、シート状回路体22は、前記切欠き22aの前縁部を単位ハウジング20bの前記スリット38a(図6参照)に差込むことにより、単位ハウジング20bに対して位置決めしておくようにする。
【0040】
このようにして単位ハウジング20a、20bを互いに押し付けると、下側の単位ハウジング20bの前記フック38,39が上側の単位ハウジング20aの対応する被係合部42等にそれぞれ係合し、これにより両単位ハウジング20a、20bが一体化されて、各電線1をハウジング20によって保持した前記の配線材側コネクタC2が構成されることとなる。
【0041】
このように配線材側コネクタC2が構成されると、図2に示すように、各単位ハウジング20a、20bに収納された端子2が短絡用接点3aを介してシート状回路体22に接触することとなる。従って、シート状回路体22に形成された窓部50aに対応する端子2については、この窓部50aを介して端子2がパターンプレート52に接触することとなり、その結果、共通のパターンプレート52に接触する端子同士が短絡することとなる。なお、図9は、図7(a)〜(c)に示したシート状回路体22によって短絡される端子2の位置関係(導通パターン)を模式的に示したものである。
【0042】
以上のような配線材側コネクタC2(本発明に係るジョイントコネクタ)によると、パターンプレート52を絶縁フィルム50によりラミネートしたシート状回路体22を両単位ハウジング20a、20bに挟み込むことによって特定の端子同士を短絡させるように構成しているので、バスバーとホルダとを互いに組付けることにより構成された立体的な回路形成体をハウジング間に挟み込む従来のこの種のジョイントコネクタに比べてコネクタ構造を低背化することができる。
【0043】
特に、上記配線材側コネクタC2のハウジング20では、図5(b)に示すように、端子収納室24の挿入口26と略面一となる状態で各単位ハウジング20a、20bに対して端子2を収納し、両単位ハウジング20a、20bの間にシート状回路体22を介在させる構成としているので、端子2を短絡させるための部材(シート状回路体22)を介在させながらも上下方向の端子間ピッチを極めて狭く設定することができる。従って、コネクタの低背化を効果的に図ることができるという利点がある。
【0044】
また、シート状回路体22に形成されるパターンプレート52を介して端子同士を短絡させるので、組込むパターンプレート52に応じてより複雑な導通パターンを実現することが可能であり、コネクタの低背化を図りながら導通パターンの自由度を高めることができるという利点もある。
【0045】
なお、以上説明した配線材側コネクタC2は、本発明に係るジョイントコネクタの一の実施形態であって、その具体的な構成は実施形態のものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような態様を採ることもできる。
▲1▼ 実施形態では、上下一対の単位ハウジング20a、20bを合体させることによりハウジング20を構成しているが、本発明に係るジョイントコネクタは、勿論、一方側の単位ハウジング(例えば、下側の単位ハウジング20b)に相当する構成のハウジングのみからなるものであってもよい。この場合には、各端子収納室24の挿入口26を塞ぐ蓋部材としてシート状回路体を兼用してもよく、また、蓋部材を別途設け、この蓋部材とハウジングとの間にシート状回路体を挟み込む構成としてもよい。
▲2▼ 各単位ハウジング20a、20bは、コネクタ接続方向と直交する方向から端子収納室24に端子2を挿入し、この端子2を係止部30により係止するように構成されているが、例えば、従来の一般的なコネクタのように、コネクタ接続方向後側に開口する端子挿入口を介して端子収納室に端子を挿入し、端子収納室内に設けられたランスにより抜け止めする構成であってもよい。この場合には、端子収納室の構成壁の一部に開口部を形成して端子の短絡用接点をシート状回路体に接触させるようにすればよい。
▲3▼ シート状回路体22は、上記のように互いに独立した複数のパターンプレート52を絶縁フィルム50によってラミネートする構成以外に、例えば、予め回路パターンを形成したシート状の回路基板の表面に絶縁フィルムを貼付ける構成であってもよい。この場合、共通の回路パターンを形成した回路基板の表面全体に絶縁フィルムを貼付けておき、必要に応じて回路パターンをカットし、また絶縁フィルムに窓部を形成することにより任意の端子を短絡させ得るように構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るジョイントコネクタは、シート状の短絡回路体をハウジングに重ね合わせた状態で装着して特定の端子同士を短絡させる構成とし、これにより端子を短絡させるための構成部分をコネクタ接続方向と直交する方向にコンパクトな構成としたので、立体的な短絡用の部材を用いる従来のジョイントコネクタに比べて低背型のコネクタを提供することができる。また、短絡回路体に形成される回路を介して端子同士を短絡させるので、複雑な回路を組込んで複雑な導通パターンを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジョイントコネクタである配線材側コネクタとこの配線材側コネクタが接続される基板側コネクタを示す斜視図である。
【図2】配線材側コネクタの構成を示す分解斜視図である。
【図3】電線とその末端部分に装着された端子を示す断面図である。
【図4】配線材側コネクタのコネクタハウジングを構成する単位ハウジングを示す断面図である。
【図5】単位ハウジングへの端子の収納手順を説明する図である((a)は端子先端を端子収納室のかぶり部に潜り込ませた収納初期の状態を示し、(b)は端子収納室への端子の収納が完了した状態を示す図である)。
【図6】単位ハウジングの構成を示す側面図である。
【図7】シート状回路体(短絡回路体)の構成を示す概略図である((a)は平面図、(b)は(a)図のA−A断面図、(c)は底面図である)。
【図8】端子(短絡用接点)とシート状回路体との接触状態を示す配線材側コネクタの要部断面図である。
【図9】短絡される端子の位置関係(導通パターン)を説明するための配線材側コネクタの正面図である。
【符号の説明】
C1 基板側コネクタ
C2 配線材側コネクタ
1 電線
2 端子
3a 短絡用接点
4 接触部
10 雌型コネクタハウジング
20 雄型コネクタハウジング
22 シート状回路体(短絡回路体)
24 端子収納室
26 挿入口(開口部)
50 絶縁フィルム(保持体)
50a 窓部
52 パターンプレート(回路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタハウジング内に複数の端子を並列に収納するコネクタに関し、特に、コネクタハウジングに収納された特定の端子同士を電気的に接続させることができるジョイントコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特許文献1に開示されるように、コネクタハウジングに収納される特定の端子同士をハウジング内で短絡させることにより、コネクタ自体に回路的な機能を組込んだいわゆるジョイントコネクタが知られている。
【0003】
この文献に開示されるジョイントコネクタは、端子収納室が横並びに形成された上下一対のハウジングを、それらの間に回路形成体を挟み込んだ状態で合体させる構成となっており、回路形成体を介して各ハウジングに収納された特定の端子同士を短絡させるようになっている。
【0004】
回路形成体は、絶縁性材料からなる板状のホルダと、このホルダをくわえ込むように該ホルダに装着される金属性導体からなるバスバーとから構成されている。バスバーには、ハウジングの各端子収納室に対応する板ばね状の接触片がホルダを挟んで上下両側に形成されており、これにより両ハウジングの間に回路形成体を挟み込むと、ハウジングに収納された端子と前記接触片とが接触して端子同士を短絡させるように構成されている。従って、接触片又はバスバーの一部を予め切除しておくことによって特定の端子同士を短絡させ得るようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−246127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のジョイントコネクタでは、バスバーとホルダとを互いに組付けた回路形成体をハウジング間に挟み込む必要があるため、端子数が同等の一般的なコネクタに比べるとその厚み(コネクタ接続方向と直交する方向の寸法)が厚くなる傾向がある。ところが、コネクタについては省スペース化、特に、低背化(薄型化)を図ることが一つの課題とされて常に要求されており、上記のようなジョイントコネクタについてもこの課題を解決することが必要とされる。
【0007】
また、上記従来のジョイントコネクタでは、バスバーの一部分を切断して導通パターンを確立する構成であるため、複雑な導通パターンへの対応が困難である。そのため、導通パターンに制限が課せられ易いという問題もある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ジョイントコネクタにおいて、より低背型(薄型)で、かつ導通パターンの自由度が高いジョイントコネクタを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のジョイントコネクタは、複数の端子収納室を並列に備えたハウジングを有し、端子収納室に収納された端子のうち特定の端子同士を前記ハウジング内で短絡させるジョイントコネクタにおいて、前記端子収納室に収納される特定の端子同士を短絡させる回路を形成したシート状の短絡回路体を有し、この短絡回路体がコネクタ接続方向と直交する方向から前記ハウジングに重ね合わされた状態で装着される一方、前記端子に回路体の前記回路に接触可能な短絡用接点が設けられ、前記端子収納室に収納された端子の短絡用接点が前記ハウジングに形成される開口部を介して回路体の前記回路に接触することにより特定の端子同士が短絡回路体を介して短絡しているものである。
【0010】
このようにシート状の短絡回路体をハウジングに重ねせた状態で装着して特定の端子同士を短絡させる構成とすれば、端子を短絡させるための構成部分がコネクタ接続方向と直交する方向にコンパクトな構成となる。そのため、立体的な短絡用の部材を用いる従来構成に比べてコネクタ構造を効果的に低背化することができる。また、短絡回路体に形成される回路を介して端子同士を短絡させるので、複雑な回路を組込んで複雑な導通パターンを実現することも可能となる。
【0011】
この構成においては、ハウジングが、コネクタ接続方向と直交する方向に開口する前記開口部を有する複数の端子収納室をそれぞれ並列に備えた一対の単位ハウジングからなり、これら単位ハウジングが、前記開口部を対向させた状態で、かつ前記短絡回路体を間に挟み込んだ状態で互いに重ね合わされることにより構成され、各単位ハウジングに収納された特定の端子同士が前記短絡回路体を介して短絡しているものとすることができる。この構成によると、複数列に端子を収納できる低背型のジョイントコネクタを提供することが可能となる。
【0012】
この構成においては、一方側の単位ハウジングに収納される特定の端子と他方側の単位ハウジングに収納される特定の端子とが共通の前記短絡回路体を介して短絡されるのが、より好ましい。この構成によれば、複数列に端子を収納する場合の導通パターンの自由度を高めることが可能となる。
【0013】
なお、これらのコネクタの構成において、前記短絡回路体は、特定の端子を短絡するための導体からなる回路と、この回路を保持する保持体とから構成することができる。具体的には、前記短絡回路体は、導体から構成される回路を一対の絶縁フィルム間に挟み込んだラミネート構造を有し、前記絶縁フィルムのうち対象端子の前記短絡用接点に対応する部分に窓部が形成されることにより前記回路が短絡用接点と接触可能な状態に露出しているのが、好ましい。
【0014】
この構成によると、対象端子の短絡用接点が窓部を介して回路に接触することにより対象端子同士が良好に短絡することとなり、その他の端子については、絶縁フィルムにより短絡用接点と回路との接触が確実に阻止される。そのため、対象端子のみを確実に短絡させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るジョイントコネクタを説明する斜視概略図である。この図において、C1は基板側コネクタで、回路基板Pの表面に実装された状態で固定されている。また、C2は複数の電線1(ディスクリート線)を保持した配線材側コネクタで、前記基板側コネクタC1に嵌合することにより各電線1を電気的に回路基板Pに接続するように構成されている。なお、この実施形態では配線材側コネクタC2に本発明に係るジョイントコネクタの構成が適用されている。
【0017】
基板側コネクタC1は、前記配線材側コネクタC2を嵌合するための凹部を有した幅方向に細長の雌型コネクタハウジング10(以下、ハウジング10と略す)を有している。このハウジング10には、タブ状の接触部をもつ複数の雄型端子12が保持されている。具体的には、複数の雄型端子12が、タブ状の接触部を前記凹部内に突出させ、幅方向に一定の間隔で上下二列に並んだ状態で保持されている。同図に示すように、各雄型端子の後部(コネクタ接続方向における後部)には逆L字型の脚部12aが形成されており、これら脚部12aが回路基板Pの固定用ランドに半田付けされることにより各端子12が基板上回路(パターン)に接続されている。
【0018】
一方、配線材側コネクタC2は、複数の電線1を保持する幅方向に細長の雄型コネクタハウジング20(以下、ハウジング20と略す)を有している。
【0019】
このハウジング20は、図2に示すように上下一対の単位ハウジング20a、20bとシート状回路体22(短絡回路体)とを有し、電線1の末端に装着される端子2をそれぞれ単位ハウジング20a、20bに収納し、シート状回路体22を間に挟んだ状態で両単位ハウジング20a、20bを上下に合体させることにより、各電線1を保持するとともに、シート状回路体22を介して特定の電線1(端子2)同士を短絡させるように構成されている。
【0020】
一方側の単位ハウジング(下側の単位ハウジング20b)に基づいてより具体的に説明すると、図2及び図4に示すように、単位ハウジング20bには端子2を収納するための複数の端子収納室24が幅方向に並列に形成されている。
【0021】
各端子収納室24は、その上方(相手単位ハウジング側;コネクタ接続方向と直交する方向)が略全体に亘って開放されており、これにより端子収納室上方に端子2の挿入口26(開口部)が形成されている。なお、端子収納室24は、その後方(図4では右方;コネクタ接続方向後側)も開放されており、この部分は電線1を導出するための導出口となっている。
【0022】
挿入口26に対向する端子収納室24の底面28aには、端子2を係止するための係止部30が突設されている。この係止部30には、前側(コネクタ接続方向における前側;図4では左側)に向き、かつ前後方向に撓み可能な係止爪30aが設けられており、この係止爪30aが端子2の後記接触部4に係合することにより端子2を底面28aに対して係止するように構成されている。なお、この係止部30は、端子収納室24の前端面28bと協働して端子2の接触部4を前後方向に拘束するように、前端面28bとの間隔が接触部4の前後方向の寸法に対応した間隔で設けられている。
【0023】
端子収納室24の前端面28bには、相手側端子12のタブ状接触部をハウジング内に挿入させるための挿入口32が形成されるとともに、さらにこの挿入口32の上側に、端子収納室24に収納される端子2の先端部分を覆うかぶり部34が突設されている。
【0024】
一方、端子収納室24の後端部分には、電線1を係止するための一対のフック36が側壁から内側に向って突設されている。
【0025】
さらに、単位ハウジング20bには、図2に示すように、その幅方向両端部に相手側単位ハウジング20aとの係合用フックが形成されている。具体的には、ハウジング前側部分に内側に向く一対の内向きフック38が形成されるとともに、ハウジング後側部分に外側に向く一対の外向きフック39が形成されている。なお、図6に示すように、内向きフック38の基端部には、絶縁シート22を位置決めするための前側に開くスリット38aが形成されている。
【0026】
以上は下側の単位ハウジング20bの構成であるが、上側の単位ハウジング20aも基本的にはこの単位ハウジング20bと共通の構成を有している。但し、上側の端子ハウジング20aは、基板側コネクタC1に対するロック機構41が中央部分(幅方向中央部分)に設けられている点、ロック機構41との関係で該中央部分に端子収納室24が設けられていない点、および前記フック38,39の代わりにこれらフック38,39の被係合部42等が幅方向両端部に設けられている点で下側の単位ハウジング20bとは構成が相違している。
【0027】
シート状回路体22は、図7に示すように幅方向に細長い矩形シート状の部材で、各単位ハウジング20a、20bの端子収納室24の全体を覆い得るように形成されている。なお、図7(a)はシート状回路体22の平面図、同(b)は同(a)のA−A断面図、同(c)はシート状回路体22の底面図である。
【0028】
このシート状回路体22は、板状導体の打ち抜きにより形成された複数のパターンプレート52(回路)を、例えば飽和ポリエステル、フェノール樹脂あるいは塩化ビニル樹脂等の絶縁性樹脂材料からなる一対の絶縁フィルム50(保持体)によりラミネートした可撓性を有するシート状の部材である。
【0029】
各パターンプレート52は、シート状回路体22の前端縁部に沿って絶縁フィルム50に挟み込まれており、各絶縁フィルム50に形成された窓部50aを介して外部露出されている。このパターンプレート52の形状、配置および窓部50aの位置は、各単位ハウジング20a、20bに収納させる特定の端子同士を短絡させ得るように端子2の後記短絡用接点3aに対応して予め設定されており、その結果、後に説明するように、端子2が窓部50aを介してパターンプレート52に接触することにより、共通のパターンプレート52に接触する端子2同士が短絡するように構成されている。
【0030】
なお、このシート状回路体22の幅方向両縁部には、図2及び図7に示すように、該回路体22を単位ハウジング20bに重ねたときに前記フック38を逃がすための切欠き22aがそれぞれ形成されている。
【0031】
一方、電線1は、図3に示すように、絶縁被覆1bが切除されることにより端部で導体1aが露出した状態とされており、この端部に端子2が装着されている。
【0032】
端子2は、前後方向に延びる細長のベース部3の先端部分に相手側端子12のタブ状接触部を差込み可能な前後方向に延びる筒状の接触部4を有するとともに、後端部分にバレル6a,6bを備えており、同図に示すようにバレル6a,6bが電線1の前記導体1aおよび絶縁被覆1bにそれぞれかしめられることにより電線1の末端部分に装着されている。
【0033】
端子2の前記接触部4の内側には、上下方向に撓み変位可能な一対の接触片5a,5bが設けられており、相手側端子12のタブ状接続片がこれら接触片5a,5bの間に差込まれるように構成されている。また、ベース部3において前記接触部4に対応する位置には前記シート状回路体22に対する短絡用接点3aが外向き(図3では下向き)に突設されている。なお、前記接触部4の側壁4aは同図に示すように同底壁4bよりも先端側に僅かに突出して設けられている。
【0034】
上記のハウジング20により電線1を保持させる手順は以下の通りである。
【0035】
まず、図5(a)に示すように端子2を上下反転させ、つまり接触部4が下向きとなり短絡用接点3aが上側にくる姿勢とし、この姿勢で挿入口26を介して端子2を単位ハウジング20bの上側から各端子収納室24に収納する。
【0036】
より詳細には、同図に示すように、端子2の先端(側壁4aの先端)を端子収納室24の前記かぶり部34の下側に潜り込ませて前端面28bに突き当て、この状態で端子2をその上側から押し付ける。このようにすると、端子2の押し付けに伴い係止爪30aが後側に撓み、端子2が完全に端子収納室24内に挿入されると、図5(b)に示すように、係止爪30aがその弾発力で復帰して接触部4の構成壁4bに係合する。これにより係止爪30aにより端子2が端子収納室24内に係止された状態で、前端面28bと係止部30とにより接触部4が前後方向に拘束されることとなる。この挿入作業時には、接触部4の後端部分に係止部30が当接して端子2の先端が浮き上がろうとするが、上記のように予め端子2の先端をかぶり部34の下側に潜り込ませた状態で端子2を押し下げていることによって、端子先端の浮き上がりを防止することができ、これにより容易に端子2を端子収納室24に挿入させることができる。
【0037】
なお、電線1は、同図に示すようにフック36の下側に押し込んだ状態で端子収納室24の後側からその外部に導出させておく。
【0038】
ここでは下側の単位ハウジング20aに対する端子2の収納手順について図面を用いて説明したが、上側の単位ハウジング20aについても同様の手順で端子2を収納する。
【0039】
このような単位ハウジング20a、20bへの端子2の収納作業後、図2に示すように、両単位ハウジング20a、20bを互いに上下に対向させ、具体的には、端子2の挿入口26が向かい合わせとなるように両単位ハウジング20a、20bを対向させ、シート状回路体22を下側の単位ハウジング20b上に重ねた状態で両単位ハウジング20a、20bを互いに押し付ける。この際、シート状回路体22は、前記切欠き22aの前縁部を単位ハウジング20bの前記スリット38a(図6参照)に差込むことにより、単位ハウジング20bに対して位置決めしておくようにする。
【0040】
このようにして単位ハウジング20a、20bを互いに押し付けると、下側の単位ハウジング20bの前記フック38,39が上側の単位ハウジング20aの対応する被係合部42等にそれぞれ係合し、これにより両単位ハウジング20a、20bが一体化されて、各電線1をハウジング20によって保持した前記の配線材側コネクタC2が構成されることとなる。
【0041】
このように配線材側コネクタC2が構成されると、図2に示すように、各単位ハウジング20a、20bに収納された端子2が短絡用接点3aを介してシート状回路体22に接触することとなる。従って、シート状回路体22に形成された窓部50aに対応する端子2については、この窓部50aを介して端子2がパターンプレート52に接触することとなり、その結果、共通のパターンプレート52に接触する端子同士が短絡することとなる。なお、図9は、図7(a)〜(c)に示したシート状回路体22によって短絡される端子2の位置関係(導通パターン)を模式的に示したものである。
【0042】
以上のような配線材側コネクタC2(本発明に係るジョイントコネクタ)によると、パターンプレート52を絶縁フィルム50によりラミネートしたシート状回路体22を両単位ハウジング20a、20bに挟み込むことによって特定の端子同士を短絡させるように構成しているので、バスバーとホルダとを互いに組付けることにより構成された立体的な回路形成体をハウジング間に挟み込む従来のこの種のジョイントコネクタに比べてコネクタ構造を低背化することができる。
【0043】
特に、上記配線材側コネクタC2のハウジング20では、図5(b)に示すように、端子収納室24の挿入口26と略面一となる状態で各単位ハウジング20a、20bに対して端子2を収納し、両単位ハウジング20a、20bの間にシート状回路体22を介在させる構成としているので、端子2を短絡させるための部材(シート状回路体22)を介在させながらも上下方向の端子間ピッチを極めて狭く設定することができる。従って、コネクタの低背化を効果的に図ることができるという利点がある。
【0044】
また、シート状回路体22に形成されるパターンプレート52を介して端子同士を短絡させるので、組込むパターンプレート52に応じてより複雑な導通パターンを実現することが可能であり、コネクタの低背化を図りながら導通パターンの自由度を高めることができるという利点もある。
【0045】
なお、以上説明した配線材側コネクタC2は、本発明に係るジョイントコネクタの一の実施形態であって、その具体的な構成は実施形態のものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような態様を採ることもできる。
▲1▼ 実施形態では、上下一対の単位ハウジング20a、20bを合体させることによりハウジング20を構成しているが、本発明に係るジョイントコネクタは、勿論、一方側の単位ハウジング(例えば、下側の単位ハウジング20b)に相当する構成のハウジングのみからなるものであってもよい。この場合には、各端子収納室24の挿入口26を塞ぐ蓋部材としてシート状回路体を兼用してもよく、また、蓋部材を別途設け、この蓋部材とハウジングとの間にシート状回路体を挟み込む構成としてもよい。
▲2▼ 各単位ハウジング20a、20bは、コネクタ接続方向と直交する方向から端子収納室24に端子2を挿入し、この端子2を係止部30により係止するように構成されているが、例えば、従来の一般的なコネクタのように、コネクタ接続方向後側に開口する端子挿入口を介して端子収納室に端子を挿入し、端子収納室内に設けられたランスにより抜け止めする構成であってもよい。この場合には、端子収納室の構成壁の一部に開口部を形成して端子の短絡用接点をシート状回路体に接触させるようにすればよい。
▲3▼ シート状回路体22は、上記のように互いに独立した複数のパターンプレート52を絶縁フィルム50によってラミネートする構成以外に、例えば、予め回路パターンを形成したシート状の回路基板の表面に絶縁フィルムを貼付ける構成であってもよい。この場合、共通の回路パターンを形成した回路基板の表面全体に絶縁フィルムを貼付けておき、必要に応じて回路パターンをカットし、また絶縁フィルムに窓部を形成することにより任意の端子を短絡させ得るように構成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るジョイントコネクタは、シート状の短絡回路体をハウジングに重ね合わせた状態で装着して特定の端子同士を短絡させる構成とし、これにより端子を短絡させるための構成部分をコネクタ接続方向と直交する方向にコンパクトな構成としたので、立体的な短絡用の部材を用いる従来のジョイントコネクタに比べて低背型のコネクタを提供することができる。また、短絡回路体に形成される回路を介して端子同士を短絡させるので、複雑な回路を組込んで複雑な導通パターンを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジョイントコネクタである配線材側コネクタとこの配線材側コネクタが接続される基板側コネクタを示す斜視図である。
【図2】配線材側コネクタの構成を示す分解斜視図である。
【図3】電線とその末端部分に装着された端子を示す断面図である。
【図4】配線材側コネクタのコネクタハウジングを構成する単位ハウジングを示す断面図である。
【図5】単位ハウジングへの端子の収納手順を説明する図である((a)は端子先端を端子収納室のかぶり部に潜り込ませた収納初期の状態を示し、(b)は端子収納室への端子の収納が完了した状態を示す図である)。
【図6】単位ハウジングの構成を示す側面図である。
【図7】シート状回路体(短絡回路体)の構成を示す概略図である((a)は平面図、(b)は(a)図のA−A断面図、(c)は底面図である)。
【図8】端子(短絡用接点)とシート状回路体との接触状態を示す配線材側コネクタの要部断面図である。
【図9】短絡される端子の位置関係(導通パターン)を説明するための配線材側コネクタの正面図である。
【符号の説明】
C1 基板側コネクタ
C2 配線材側コネクタ
1 電線
2 端子
3a 短絡用接点
4 接触部
10 雌型コネクタハウジング
20 雄型コネクタハウジング
22 シート状回路体(短絡回路体)
24 端子収納室
26 挿入口(開口部)
50 絶縁フィルム(保持体)
50a 窓部
52 パターンプレート(回路)
Claims (5)
- 複数の端子収納室を並列に備えたハウジングを有し、前記端子収納室に収納された端子のうち特定の端子同士を前記ハウジング内で短絡させるジョイントコネクタにおいて、
前記端子収納室に収納される特定の端子同士を短絡させる回路を形成したシート状の短絡回路体を有し、この短絡回路体がコネクタ接続方向と直交する方向から前記ハウジングに重ね合わされた状態で装着される一方、前記端子に回路体の前記回路に接触可能な短絡用接点が設けられ、前記端子収納室に収納された端子の短絡用接点が前記ハウジングに形成される開口部を介して回路体の前記回路に接触することにより特定の端子同士が短絡回路体を介して短絡していることを特徴とするジョイントコネクタ。 - 請求項1に記載のジョイントコネクタにおいて、
前記ハウジングは、コネクタ接続方向と直交する方向に開口する前記開口部を有する複数の端子収納室がそれぞれ並列に形成された一対の単位ハウジングからなり、これら単位ハウジングが、前記開口部を対向させた状態で、かつ前記短絡回路体を間に挟み込んだ状態で互いに重ね合わされることにより構成され、各単位ハウジングに収納された特定の端子同士が前記短絡回路体を介して短絡していることを特徴とするジョイントコネクタ。 - 請求項2に記載のジョイントコネクタにおいて、
一方側の単位ハウジングに収納される特定の端子と他方側の単位ハウジングに収納される特定の端子とが共通の前記短絡回路体を介して短絡されていることを特徴とするジョイントコネクタ。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のジョイントコネクタにおいて、
前記短絡回路体は、特定の端子を短絡するための導体からなる回路と、この回路を保持する保持体とを備えていることを特徴とするジョイントコネクタ。 - 請求項4に記載のジョイントコネクタにおいて、
前記短絡回路体は、前記保持体としての一対の絶縁フィルム間に前記回路を挟み込んだラミネート構造を有し、前記絶縁フィルムのうち対象端子の前記短絡用接点に対応する部分に窓部が形成されることにより前記回路が短絡用接点と接触可能な状態に露出していることを特徴とするジョイントコネクタ。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009283330A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 接続部材 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003104830A patent/JP2004311269A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009283330A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 接続部材 |
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