JP2004311199A - アーク安定化機能を備えたランプ駆動回路及びそれを用いたプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】アークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常の発生を抑制したランプ駆動回路を提供することを目的とする。
【解決手段】放電ランプ90と、放電ランプ90を駆動するための駆動パルス電流を生成し、駆動パルス電流を放電ランプ90に供給する電力供給回路30および駆動回路40と、放電ランプ90のアーク異常を検出するアーク異常検出部60と、アーク異常検出部60によりアーク異常が検出されたとき、駆動パルス電流に脈電流100を重畳する制御部70とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】放電ランプ90と、放電ランプ90を駆動するための駆動パルス電流を生成し、駆動パルス電流を放電ランプ90に供給する電力供給回路30および駆動回路40と、放電ランプ90のアーク異常を検出するアーク異常検出部60と、アーク異常検出部60によりアーク異常が検出されたとき、駆動パルス電流に脈電流100を重畳する制御部70とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプのアークを安定化させるためのアーク安定化機能を備えたランプ駆動回路及びこれを用いたプロジェクタに関し、特に、液晶デバイスやDMD(Digital Mirror Device)を用いたプロジェクタの光源に用いられるランプ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶デバイスやDMDを用いて画像を光学的に投射し表示させるプロジェクタの光源として、キセノンランプ、メタルハライドランプ、あるいは超高圧水銀ランプなどの放電ランプが用いられている。これらの放電ランプは、そのガスや金属によって分光分布、輝度分布、配光分布、電気特性等を異にし、プロジェクタの設計仕様に適したランプが選択される。
【0003】
放電ランプには、電極間にDC駆動電圧を印加する直流型ランプと、電極間にAC駆動電圧を印加する交流型ランプがある。直流型ランプは、電極の一方が陰極になり他方が陽極となる。陰極からの電子が常に陽極に衝突するために陽極の温度が上昇されやすく、そのため一般に陰極に比べて陽極の熱容量を大きくし温度上昇を抑制している。他方、交流型ランプは、両電極が交互に陽極と陰極になるため、電極の大きさは基本的に同じものが多い。
【0004】
放電ランプは、電極間のアーク距離を短くしたショートアークランプを用いることが望ましい。こうすることで、非常に高い放射輝度の光を発生させることが可能であり、発光される光も点光源に近似されるため、レンズやミラー等の光学部材を使用するときに、光の屈折や反射等の光学的精度を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタにおいて、ランプの集光効率を上げるためには、ショートアークランプの光点を光学系に用い、狭い範囲に集光する必要がある。しかし、ショートアークランプでは、電極間にアークジャンプやアークフリッカ等を発生させるため、狭い範囲に集光することが困難であり、仮に狭い範囲に集光したとしても投影画像上で配光の均一性が崩れたり、チラツキが発生したりしてしまうという課題がある。
【0006】
図15に、交流型放電ランプの電極部の構成を模式的に示す。放電ランプ400は、石英ガラス401内に陰極(または陽極)402と陽極(または陰極)403とを含む。パルス駆動電圧が電極402、403間に印加されると、陰極402から飛び出した熱電子は陽極402へ衝突し、電極間で放電が行われる。
【0007】
陰極402から放出される熱電子は、最短の距離でかつ同一の経路で陽極403へ到達することが望ましい。距離が短ければ、その分だけ抵抗も小さくなり、経路が同一であれば抵抗あるいは電流の変動もきわめて小さく、ランプの光量やチラツキも安定化される。実際には陰極402の先端から放出される熱電子は、先端が尖った位置から放出され易い。これは、先端が尖った部分は電界が集中し、その分だけ他よりも温度の上昇が大きいためである。他方、陽極403においても、先端が尖った部分はその熱容量が小さく他の部分よりも温度が高くなりやすい。その結果、陰極402からの熱電子は、いろんな経路で陽極403に衝突する。例えば図15に示すように、陰極402からの熱電子は、陽極403に巻回されたコイル部分の先端位置に衝突するルートA、陰極402と直面する角度が形成されたコーナーに衝突するルートBまたはCをたどることになる。
【0008】
さらに、石英ガラス401内の温度が適正値より高い場合や、低い場合、石英ガラス401内に封入されたハロゲンガスのサイクルがうまく行えず、電極にa、b、c、dに示すような突起や窪みが発生するため、アークの位置が定まらなくなる。これらの突起や窪みは、熱電子の電極への衝突の際に発生した電極材料によって堆積されあるいは削られる。例えば、a−c間で安定して放電した電流が、ハロゲンサイクル等の関係により、“b”という細長い突起が電極に発生すると、突起bの距離が、突起aの距離よりも大きく細いため、電界強度が強くなり、b−c間において放電し易くなる。また、電極内の不純物により熱電子が発生し易い部分(ピンポイント的大きさ)と、そうでない部分が存在し、これによっても放電経路が遷移する。
【0009】
このように、陰極から放出される熱電子の衝突位置が異なってそのルートが遷移することを一般にアークジャンプといい、そのような現象が比較的速い周期で繰り返されることをアークフリッカという。上記ルートA、B、C、a、bおよびcで示すような突起物のある位置は、アークジャンプやアークフリッカの発生する可能性が高く、一般にアークフリッカはアークジャンプよりも発生頻度が高い。本明細書では、アークジャンプやアークフリッカを含む現象をアーク異常と定義する。
【0010】
本発明は、従来の放電ランプの課題を解決し、アークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常の発生を抑制したランプ駆動回路を提供することを目的とする。
さらに本発明は、放電ランプのアークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常を電気的に制御することが可能なランプ駆動回路を提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、投影画像のチラツキを抑制しかつその配光の均一性を向上させたプロジェクタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、前記放電ランプのアーク異常を検出する検出手段と、前記検出手段によりアーク異常が検出されたとき、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。これにより、放電ランプのアーク異常が発生したときに、それを速やかに電気的に抑制することで、チラツキの少ない安定した照明を行うことができる。脈電流は、複数のパルス状、こぎり状、あるいは上下の変動を有する電流である。放電ランプの定常の駆動電流よりもピークが大きめの脈電流を重畳することにより、例えば、上記図15に示した電極に形成された細長い突起bを溶融し、突起aの距離を突起bの距離よりも大きくさせ、再び突起a―c間で安定した放電を行えるようにする。さらに、電極内の不純物により熱電子が発生し易い部分とそうでない部分があるとき、定常電流よりも大きめの脈流電流を重畳することにより、アークが飛んでいるピンポイント部分において電流密度が高くなり抵抗が大きくなるため、抵抗の低い安定した電極アークポイントに移行し、アークが安定化される。
【0012】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、放電ランプの動作の開始に伴い、時間を計時する計時手段と、前記計時手段からの出力に基づき前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。計時手段により適宜脈電流を加えることで、アーク異常の発生を抑制し、またアーク異常が発生している場合にはそれを収束させることができる。
【0013】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、予め決められたスケジュールを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたスケジュールに従い、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。放電ランプの実際のアーク異常を検出することなく、一定の周期で脈電流を印加することで、電極を加熱し、アーク異常の派生を抑制し、また発生されたアーク異常を抑制することができる。
【0014】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、ランダムなタイミングで、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。放電ランプのアーク異常を実際に検出することなく、ランダムなタイミングで脈電流を印加することで、アーク異常の発生を抑制し、また発生されたアーク異常を抑制することができる。
【0015】
好ましくは、駆動電流制御手段は、アーク異常が検出されたときから所定の期間内だけ脈電流を重畳する。さらに好ましくは、駆動電流制御手段は、放電ランプと並列に接続される第1のコンデンサおよび第1のスイッチ手段とを含み、前記第1のスイッチ手段を閉じることで、脈電流を重畳する。さらに好ましくは、駆動電流制御手段は、放電ランプと並列に接続される第2のコンデンサおよび第2のスイッチ手段とを含み、脈電流が重畳されるとき、第2のスイッチが開かれる。
【0016】
好ましくは駆動電流制御手段は、電力供給回路に含まれる平滑第3のコンデンサと並列に接続される第4のコンデンサと、第4のコンデンサと直列に接続される第3のスイッチとを含み、第3のスイッチの開閉を制御することで、脈流電流を重畳する。この場合、第4のコンデンサの容量が第3のコンデンサの容量よりも大きく、第3のスイッチが開かれたとき、駆動電流に脈流電流が重畳されるようにすることができる。
【0017】
好ましくは、駆動手段は、直流電圧を交流電圧に変換するスイッチングトランジスタを含むAC駆動回路と、放電ランプの起動時に放電ランプに高電圧を印加するイグナイタ回路とを含む。
【0018】
本発明に係るプロジェクタは、上述したようなランプ駆動回路と、放電ランプからの光を光学的に変調する変調手段と、変調された光を投影する投影手段とを有する。これにより、チラツキの少ない、きれいな投射映像を得ることができる。
【0019】
上述したアーク異常検出手段は、好ましくは放電ランプの動作電圧の変動を検出する。例えば、放電ランプの電極と電気的に並列に接続された第1及び第2の抵抗と、第1の比較回路とを有する。第1の比較回路の第1の入力には第1及び第2の抵抗間に形成された接続ノードの電圧が供給され、第2の入力には基準電圧が供給される。そして第1の比較回路は、接続ノードの電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果を駆動電流制御手段へ出力する。アーク異常が発生すると、そのランプ動作電圧が変動する。これは、放電ランプの電極間において熱電子の経路が変化すると抵抗が変化するためである。例えばその経路が長くなると、それに伴い抵抗が大きくなる。アーク異常検出手段は、抵抗の変化に伴い変化したランプ動作電圧を検出することでアーク異常を検出する。
【0020】
アーク異常検出手段は、好ましくは放電ランプの動作電流の変動を検出する。例えば、放電ランプの少なくとも一方の電極と電気的に直列に接続された電流検出用抵抗と、第2の比較回路とを有する。第2の比較回路の第1の入力には電流検出用抵抗からの出力電圧が供給され、第2の入力には第2の基準電圧が供給される。第2の比較回路は、出力電圧と第2の基準電圧とを比較し、その比較結果を制御手段に出力する。アーク異常が発生すると、電極間の抵抗が変化するため放電ランプに流れる電流も変化する。検出手段によりランプ動作電流の変化を検出することでアーク異常を検出する。
【0021】
好ましくは、基準電圧または第2の基準電圧は、放電ランプの動作電圧または動作電流から生成される。放電ランプは、その使用年数や使用頻度により経年変化し、そのランプ動作電圧やランプ動作電流は初期状態のときから変化する。このため、アーク異常の検出に際し、基準電圧はそのような経年変化等に対応するものであることが望ましい。また、第1および第2の比較回路は、差動増幅器を含むものであっても良い。
【0022】
好ましくは検出手段は、放電ランプの発光の変動を検出する光センサーを含むものでもよい。光センサーは、フォトダイオードまたはフォトトランジスタを含み、フォトダイオードまたまフォトトランジスタを放電ランプの近傍に配することができる。アーク異常が発生すると、放電ランプでの発光あるいは発光量にチラツキ等の変化が生じる。光センサーにより光の変化量を検出することでアーク異常を検出する。
【0023】
アーク異常は、放電ランプの電極間においてアークが所望の位置から離れた位置へジャンプするアークジャンプや、放電ランプの電極間においてアークが所定の経路から外れた経路へ遷移するアークフリッカを含む。
【0024】
プロジェクタの変調手段は、DMDあるいは液晶デバイスを含む。好ましくは分別手段は、R、G、Bのカラーフィルターを有す回転可能なカラーホイールを備え、カラーフィルターへ光を入射させることで順次R、G、Bの波長を有する光を出射させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。ランプ駆動回路1は、交流電源10と、交流電源10の交流電圧を直流電圧に整流する整流回路20と、放電ランプ90へ安定的な電力を供給する電力供給回路30と、放電ランプ90を駆動する駆動回路40と、電力供給回路30の電力供給を制御するPWM制御回路50と、放電ランプのアーク異常を検出するアーク異常検出部60と、駆動回路40等の各部を制御する制御部70とを含む。ランプ回路1は、さらに電力供給回路30と駆動回路40との間の電源供給ライン間に介在されたランプ電圧検出回路80と、一方の電源供給ラインに接続されたランプ電流検出回路82とを含む。ランプ電圧検出回路80は放電ランプ90の動作電圧を検出し、その検出した出力をPWM制御回路50及び制御部70にそれぞれ供給する。ランプ電流検出回路82は放電ランプ90の動作電流を検出し、その検出した出力をPWM制御回路50及び制御部70にそれぞれ供給する。
【0026】
駆動回路40は、放電ランプ90を交流駆動(AC駆動)するためのAC駆動回路41と、放電ランプ90の起動時にランプに高電圧を印加するイグナイタ回路42とを有する。放電ランプ90は、例えばキセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなどである。このようなランプ駆動回路1は、液晶デバイスやDMDを用いたプロジェクタに用いられる。
【0027】
図2は図1に示すランプ駆動回路の構成を示す図である。電力供給回路30は、MOSトランジスタ31、パルストランス32、ダイオード33、インダクター(コイル)34、コンデンサ35を含む。MOSトランジスタ31のゲートはパルストランス32の二次側コイルに接続され、その一次側コイルはPWM制御回路50のPWM出力信号51に接続される。PWM出力信号51から出力されるパルス信号に応答してMOSトランジスタ31のオン・オフが制御され、直流電圧の降圧が行われる。インダクター34及びコンデンサ35は、変圧された直流電圧から脈動する成分を取り除き平滑化された直流電圧を供給する。
【0028】
電力供給回路30の電源供給ライン間にランプ電圧検出回路80が接続される。ランプ電圧検出回路80は、ライン間に直列に接続された抵抗R2、R3と、抵抗R3に並列に接続されたコンデンサとを含む。抵抗R2とR3との接続ノードはPWM制御回路50および制御部70へ供給される。
【0029】
ランプ電流検出回路82は、電力供給回路30からの一方の電源供給ラインに直列接続されたランプ電流検出用の抵抗R1を含む。抵抗R1の出力は、PWM制御回路50および制御部70へ供給される。
【0030】
PWM制御回路50は、スイッチSW1を閉じることによって動作を開始し、スイッチSW1は制御部70から出力される制御信号71によって制御される。PWM制御回路50は、ランプ電圧検出回路80の出力およびランプ電流検出回路82の出力を入力し、これらの出力からランプ電力を演算し、放電ランプ90の動作に必要な電力が安定的に供給されるように電力供給回路30を制御する。
【0031】
AC駆動回路41は、電源供給ラインを介して電力供給回路30に接続され、直流電圧を交流電圧に変換するためのCMOSトランジスタQ1、Q2とQ3、Q4とを有する。CMOSトランジスタQ1、Q2と、CMOSトランジスタQ3、Q4により一対のCMOSインバータを構成し、それらのゲート電極は制御部70からの駆動信号74を介して相補的に駆動される。従って、トランジスタQ1、Q4がオンするときトランジスタQ2、Q3がオフであり、反対にトランジスタQ2、Q3がオンするとき、トランジスタQ1、Q4がオフである。こうして電力供給回路30からの直流電圧は、各インバータによって交流電圧に変換され、放電ランプ90に印加される。直流−交流の変換周波数は制御部70からの駆動信号74のパルス周波数を可変することによって任意に選択することが可能である。
【0032】
各インバータの出力は、イグナイタ回路42の電源供給ラインを介して放電ランプ90に接続される。イグナイタ回路42は、放電ランプ90の起動時に放電ランプ90に高電圧を印加し放電ランプ90にアーク放電を引き起こす。PWM制御回路50によって制御された電力供給回路30は、約250ないし370ボルトの電圧を電源供給ラインに出力し、この電圧はAC駆動回路41を介してイグナイタ回路42に供給される。AC駆動回路41の高電位側出力からダイオード121を介してコンデンサ122に電流が蓄積され、この電圧が一定値を超えるとトリガー素子123が導通し、トランス124の一次側コイルに電流が流され、これによって二次側コイルに発生された電流がダイオード125を介してコンデンサ126に充電される。コンデンサ126の電圧がバリスタ127のしきい値を越えると、トランス128の一次側コイルに電流が流れ、これによって二次側コイルに非常に高い十数キロボルトの電圧が発生される。そして、放電ランプ90の端子間に絶縁破壊が生じ、アーク放電が開始される。
【0033】
また、コンデンサC1とこれに直列に接続されたとスイッチSW2と、コンデンサC2とこれに直列に接続されたスイッチSW3とが、それぞれ放電ランプ90と並列に接続される。コンデンサC1のキャパシタンスは、コンデンサC2のそれよりも十分に大きく、放電ランプ90の交流駆動時にノイズや脈動(リップル)等を除去するのに十分な大きさである。スイッチSW2、SW3の駆動制御については後述する。
【0034】
アーク異常検出部60は、比較回路61、62を含む。比較回路61の一方の入力には、ランプ電圧検出回路80からの出力電圧が接続され、他方の入力には基準電圧が接続される。比較回路62の一方の入力には、ランプ電流検出回路82からの出力が接続され、他方の入力には基準電圧が接続される。比較回路61、62の出力は制御部70へ入力される。
【0035】
比較回路61は、ランプ電圧検出回路80からの出力電圧を基準電圧と比較し、放電ランプ90の電極間において発生されるアークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常を検出する。アークジャンプやアークフリッカが発生すると、アークは定常の経路から外れた経路で放電するため、それによって抵抗が変化する。比較回路61の基準電圧を所定の値に選択することにより、ランプ動作電圧が一定の値よりも大きく変化した場合には、それをアーク異常と判定する。
【0036】
比較回路62は、ランプ電流検出回路82からの出力電圧を基準電圧と比較し、ランプ動作電流の変化が一定の値よりも大きい場合にはアーク異常と判定する。図3に比較回路61の詳細な構成を示す。比較回路61は、コンパレータ61aを含み、コンパレータ61aの入力Vinはランプ電圧検出回路80の出力に接続される。入力Vinは、抵抗R11およびコンデンサC3を含むRC回路に接続され、このRC回路の出力を基準電圧として非反転入力に供給する。また、入力Vinの信号は、抵抗R12を介して反転入力端子に接続され、コンパレータ61aがこれを基準電圧と比較し、その比較結果をVoutとして出力する。比較回路62も同様にコンパレータ62aを有する。
【0037】
制御部70は、スイッチSW1、スイッチSW2およびスイッチSW3のオン、オフを制御する制御信号71、72、73と、AC駆動回路41の駆動を制御する駆動信号74とを出力する。また、制御部70は、比較回路61、62の出力を入力するオア回路を含み、比較回路61または比較回路62のいずれか一方からアーク異常を示す検出信号が入力された場合、SW2およびSW3のオン・オフを制御するための制御信号72、73を出力し、後述するように、放電ランプのアーク異常を抑制させる。
【0038】
次に、本実施の形態に係るランプ駆動回路の動作について説明する。放電ランプ90に高電圧が印加される前、スイッチSW1とSW3は開いており、SW2は閉じている。交流電源10からの交流電圧が整流・平滑化回路20により直流電圧に変換され、制御部70からの制御信号71、72によりスイッチSW1、SW2が閉じ、PWM制御回路50からPWM出力信号51がパルストランス32へ出力される。これによって、MOSトランジスタ31のオン・オフが制御され、電力供給回路30からは約250−370ボルトの直流電圧が供給される。
【0039】
AC駆動回路41のトランジスタQ2、Q3は駆動信号74によりオン状態にされており、イグナイタ回路42により放電ランプ90の電極間に10キロ−20キロボルトの高電圧が印加され、アーク放電により電流が流れ始まる。
【0040】
PWM制御回路50は、放電初期時のランプ動作電圧が低いためランプが安全に動作できる電流制御を行い、その後、温度上昇と共にランプ動作電圧が上昇(例えば65ボルト)した時点で電力(ワット)制御に切り替える。他方、制御部70は、駆動信号74によりAC駆動回路41のインバータ駆動を開始させ、直流電圧を交流駆動電圧に変換させる。これによって放電ランプ90の電極間には、図7(a)に示すようなランプ電流が印加される。またイグナイタ回路42は、そのトリガー素子123のしきい値電圧を200ボルト程度としているため、AC駆動回路41からの交流駆動電流によって動作しない。
【0041】
放電ランプ90に、アークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常が発生すると、ランプ動作電圧あるいはランプ動作電流が変動する。この様子を図4に示す。アークフリッカは、比較的早い周期でアーク経路を変動もしくは遷移させるため、それに応じてランプ電圧およびランプ電流の変化の周波数が比較的高い。これに対してアークジャンプは、アークが異なる経路を比較的遅い周期で行き来するため、ランプ電圧およびランプ電流の変化の周波数も比較的低くなる。
【0042】
ランプ電圧検出回路80は、放電ランプ90の電極と並列に接続された関係にあり、ランプ動作電圧が変動すると、抵抗R2、R3の接続ノードからの検出電圧が変動する。図5に比較回路61の入力電圧Vinと出力電圧Voutとの関係を示す。比較回路61の入力Vinに、図5に示すようなアークジャンプを伴う出力電圧が入力されると、RC回路によりその脈動(変動)成分が除去された電圧が基準電圧としてコンパレータ61aに入力される。他方、その反転入力端子には脈動成分を有する信号が入力されるため、その比較によりパルス信号が出力電圧Voutとして出力される。ランプ電圧検出回路80の出力から基準電圧を生成することで、ランプの経年変化等による動作電圧の変化(例えば電極の磨耗等により動作電圧が変化する)を考慮し的確にアーク異常の電圧を検出することが可能となる。こうして比較回路61によって検出されたアーク異常を示す信号が制御部70へ供給される。
【0043】
ランプ電流検出回路82は、放電ランプ90の一方の電極と直列に接続された電流検出用の抵抗R1を含む。ランプ動作電流が変動すると、抵抗R1の出力電圧が変動される。この出力電圧は、比較回路62の入力電圧Vinとしてコンパレータ62aに供給され、上述した比較回路61と同様の動作が行われる。こうして比較回路62によって検出されたアーク異常を示す信号が制御部70へ出力される。
【0044】
比較回路61、62は必ずしもコンパレータに限られるものではない。例えば、図6に示すような差動増幅器を用いて、アーク異常を検出することが可能なことは云うまでもない。この場合、検出結果から増幅された出力電圧を得ることができる。
【0045】
制御部70は、比較回路61または62のいずれか一方からアーク異常を検出する出力信号を受けると、制御信号72によりスイッチSW2を閉から開にし、制御信号73によりスイッチSW3を開から閉にする。コンデンサC1は、放電ランプ90に与えられる交流駆動パルス電流のノイズや脈動を除去するのに十分なキャパシタンスを有するが、これに対して、コンデンサC2のキャパシタンスは小さいため、十分にノイズや脈動を除去することができず、図7(b)に示すように、駆動パルス電流に脈電流100が重畳される。このような脈電流100が重畳されることで、放電ランプ90の電極の温度が上昇され、図15に示すような細長い突起bを溶融させ、熱電子の放電経路が安定化され、アークフリッカやアークジャンプの状態を速やかに抑制することができる。制御部70は、アーク異常検出部60からのアーク異常の検出信号がなくなったとき、制御信号72、73により、スイッチSW2を閉じ、SW3を開かせる。
【0046】
制御部70は、比較回路61、62の出力をオアする回路を有するが、これに代えてアンド回路を用いてもよい。この場合には、ランプ動作電圧とランプ動作電流の双方の変動が一定値を超えアーク異常と判定された場合に、制御部70がスイッチSW2、SW3の開閉を制御する。
【0047】
さらに、制御部70は、駆動パルス電流に重畳する脈電流91の期間をタイマーにより制御することも可能である。すなわち、比較回路61または/および比較回路62からのアーク異常の検出信号を受け取ったとき、該検出信号をトリガーとして、そこから一定期間の間、スイッチSW2を開かせ、スイッチSW3を閉じるように制御することもできる。
【0048】
次に第2の実施の形態に係るランプ駆動回路を図8に示す。本実施の態様に係るランプ駆動回路は、第1の実施の態様と異なり、コンデンサC1、C2およびスイッチSW2、SW3の代わりに、電力供給回路30の平滑コンデンサC3(参照番号35)と並列に接続されるコンデンサC4とこれに直列に接続されたスイッチSW4が設けられている。コンデンサC4とコンデンサC3の関係は、C3<C4となるように設定し、スイッチSW4は制御部70からの制御信号75(図1の破線)によって制御される。そして、スイッチSW4が閉じているとき、並列関係にあるコンデンサC3、C4によって、十分な容量により脈流を除去し、他方、スイッチSW4が開かれたとき、駆動電流が“0”に途切れないようなC1の容量とし、図7(b)に示すような脈流電流を重畳するようにすることができる。第2の実施の態様の場合、コンデンサC4を電力供給回路30に設けることで、第1の実施の態様の時よりも、駆動電流の立ち上がり時間を速くすることができる。さらに、スイッチSW4の開閉のタイミングを制御することで、駆動パルス電流に重畳される脈流電流100を、図7(c)に示すように、駆動パルス電流の1周期よりも小さくし、かつ、駆動電流の所定の周期に亘って重畳させるようにすることもできる。
【0049】
本発明の第3の実施の形態に係るランプ駆動回路について説明する。図9は、第3の実施の形態に係るランプ駆動回路を示すものであるが、第1、第2の実施の形態のランプ駆動回路と異なり、アーク異常検出部を備えていない。第3の実施の形態に係るランプ駆動回路1aにおいて、制御部70aは、タイマー200と、タイマー200からの出力を受けるスイッチ制御部210とを有する。タイマー200は、ランプ駆動回路の電源が投入されると、その時刻からの時間を計時する。スイッチ制御部210は、タイマー200からの計時出力を管理し、予め決められた動作時間に到達したときに、一定期間、スイッチSW2を開き、SW3を閉じる制御をし、駆動パルス電流に脈電流を重畳させる。
【0050】
図10は第4の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す。本例では、制御部70bは、脈電流を重畳するためのスケジュールを記憶するメモリ220と、スイッチSW2、SW3を制御するスイッチ制御部230と、クロック発生部240とを有する。メモリ220は、例えば、脈電流を重畳する周期を記憶する。スイッチ制御部230は、動作開始後、クロック発生部230からのクロック信号をカウントし、そのカウント値がメモリ220の周期と一致するたびに、一定期間、スイッチSW2を開き、SW3を閉じるように制御する。
【0051】
図11は第5の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す。本例では、制御部70cは、スイッチSW2、SW3を制御するスイッチ制御部250と、ランダム発生部260とを有する。ランダム発生部260は、動作開始後に、ランダムなタイミングで、スイッチ制御部250に対して出力信号を供給する。スイッチ制御部250は、その出力信号を受けたとき、一定期間、スイッチSW2を開き、スイッチSW3を閉じる制御をし、駆動パルス電流に脈電流を重畳する。
【0052】
図12は第6の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す図である。本例では、放電ランプ90の光量を検出する光検出部270を有する。光検出部270は、放電ランプ90からの光の変動をチェックし、この結果を制御部70へ供給する。アーク異常が発生すると、そのランプ電圧あるいは/およびランプ電流が変動するため、結果として放電ランプ90から発せられる光にチラツキ等が生じる。光検出部270は、好ましくはフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換素子を含み、放電ランプ90の光量の変化に応じた電気信号を制御部70へ与える。
【0053】
制御部70dは、光検出部270の検出結果からアーク異常を判定し、一定期間だけスイッチSW2を開き、スイッチSW3を閉じ、脈電流100を重畳する。また、制御部70dは、光検出部270からの出力を基準電位と比較するための第3の比較回路を備えるようにしてもよい。第3の比較回路の出力は、比較回路61、62の出力とともにオア回路に入力させ、ランプ電圧検出回路80、ランプ電流検出回路82、あるいは光検出部270のいずれかにおいてアーク異常が検出されたときにアーク異常と判定し、制御部70dがスイッチSW2、SW3を制御することができる。あるいは、オア回路の代わりにアンド回路を用い、すべての検出部においてアーク異常が検出されたときにのみアーク異常と判定し、スイッチSW2、SW3を制御することもできる。
【0054】
図13は図12に示す光検出部270の取り付け例を示す図である。放電ランプ90は、回転楕円面鏡あるいは回転放物面鏡を有するリフレクター91の光軸に取り付けられ、好ましくは一対の電極の中心がリフレクターの焦点にくるように配される。リフレクター91の開放端はガラス92によって封止され、ガラス92の対向する位置に光導波路93が配される。光導波路93は、例えば、ライトトンネルあるいはライトインテグレータである。さらにガラス92と対向する位置にフォトダイオード94が配置され、リフレクター91によって反射された光の一部がフォトダイオード94を照射する。こうして、放電ランプ90にアーク異常が発生されると、フォトダイオード94からその異常を示す電気信号95が制御部70dへ与えられる。
【0055】
上記実施の態様では光検出部としてフォトダイオードを用いたが、これに限らず他のフォトトランジスタ等の検出素子を用いることも可能である。また取り付け位置も、ガラスと対向する位置以外に、例えばリフレクターに溝または凹部を形成し、そこに一体的にフォトダイオードを取り付けるようにしてもよい。
【0056】
以上説明したランプ駆動回路は、プロジェクタ用の光源に適用することができる。ランプ駆動回路をDLP(Digital Light Processing)方式のプロジェクタに適用した例を図14に示す。
【0057】
プロジェクタ300は、ランプ駆動回路301と、ランプ駆動回路301から発せられた光を伝送するライトトンネル302と、R、G、B(またはWを含む)の波長の光を透過するためのカラーフィルターを配列し回転駆動される円盤状のカラーホイール303と、カラーホイール303によって順次R、G、Bの波長の光に分別された光をDMD305上へ投射する投射光学系304と、半導体基板上に二次元的に配列させた複数のマイクロミラー素子からなる画像領域を有するDMD305と、DMD305によって光学的に変調された光をスクリーン上へ投射する投射光学系306とを有する。本実施の形態に係る放電ランプ装置301を用いることにより投射画像のチラツキを抑制しかつ配光の均一性を担保することができる。なお、上述した実施の態様において、スイッチSW2、SW3、SW4は、DMD305に供給される映像信号と同期するように、制御信号72、73、75によって駆動されるようにすることもできる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0059】
本実施の形態では、交流電源を直流電源に変換するが、これに限らず直流電源をそのまま用いるものであっても良い。ランプ電圧検出回路80及びランプ電流検出回路82は、必ずしも電力供給回路30と駆動回路40との間に接続することに限らずこれ以外の位置に接続するものであっても良い。駆動回路40は、イグナイタ回路42を含むものとしたが、必ずしもイグナイタ回路42を包含する必要はない。さらにイグナイタ回路42において必要に応じてインダクター電流経路にインダクターを介在させて駆動パルス信号の立ち上がりおよび立下りを急峻にするようにしても良い。
【0060】
さらに、上記実施の態様では、駆動パルス電流に脈電流を重畳させるために、キャパシタンスの小さなコンデンサC2を用いるようにしたが、これに限らず、他の方法により行うようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係るランプ駆動回路によれば、放電ランプの電極間に発生されるアーク異常を検出し、この検出結果に基づき放電ランプの駆動を制御するようにしたので、アークジャンプやアークフリッカの発生を電子的に抑制することができ、その結果、放電ランプのチラツキを抑制しかつ配光の均一性を向上させることが可能となる。このような放電ランプ装置をプロジェクタの光源に用いれば、投射される画像のチラツキを抑制し高品位の画像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すランプ駆動回路の詳細を示す図である。
【図3】比較回路61、62の詳細を示す回路図である。
【図4】アークジャンプおよびアークフリッカの信号波形を示す図である。
【図5】比較回路の入力および出力電圧波形を示す図である。
【図6】比較回路63、64に差増増幅器を適用した回路図である。
【図7】図7(a)は放電ランプに印加されるランプ駆動電流の波形を示し、同図(b)は脈電流が重畳された例を示す。
【図8】第2の実施の形態に係るランプ駆動回路の詳細を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図13】光検出部を放電ランプに取り付けた状態を示す図である。
【図14】本発明に係るランプ駆動回路をプロジェクタに適用した例を示すブロック図である。
【図15】放電ランプの電極間のアーク異常の状態を説明する図である。
【符号の説明】
30:電力供給回路、 40:駆動回路、
41:AC駆動回路、 42:イグナイタ回路、
50:PWM制御回路、 60:アーク異常検出部、
61、62:比較回路 70:制御部、
71、72、73:制御信号 74:駆動信号
80:ランプ電圧検出回路、 82:ランプ電流検出回路、
90:放電ランプ、 270:光検出部
300:プロジェクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプのアークを安定化させるためのアーク安定化機能を備えたランプ駆動回路及びこれを用いたプロジェクタに関し、特に、液晶デバイスやDMD(Digital Mirror Device)を用いたプロジェクタの光源に用いられるランプ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶デバイスやDMDを用いて画像を光学的に投射し表示させるプロジェクタの光源として、キセノンランプ、メタルハライドランプ、あるいは超高圧水銀ランプなどの放電ランプが用いられている。これらの放電ランプは、そのガスや金属によって分光分布、輝度分布、配光分布、電気特性等を異にし、プロジェクタの設計仕様に適したランプが選択される。
【0003】
放電ランプには、電極間にDC駆動電圧を印加する直流型ランプと、電極間にAC駆動電圧を印加する交流型ランプがある。直流型ランプは、電極の一方が陰極になり他方が陽極となる。陰極からの電子が常に陽極に衝突するために陽極の温度が上昇されやすく、そのため一般に陰極に比べて陽極の熱容量を大きくし温度上昇を抑制している。他方、交流型ランプは、両電極が交互に陽極と陰極になるため、電極の大きさは基本的に同じものが多い。
【0004】
放電ランプは、電極間のアーク距離を短くしたショートアークランプを用いることが望ましい。こうすることで、非常に高い放射輝度の光を発生させることが可能であり、発光される光も点光源に近似されるため、レンズやミラー等の光学部材を使用するときに、光の屈折や反射等の光学的精度を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタにおいて、ランプの集光効率を上げるためには、ショートアークランプの光点を光学系に用い、狭い範囲に集光する必要がある。しかし、ショートアークランプでは、電極間にアークジャンプやアークフリッカ等を発生させるため、狭い範囲に集光することが困難であり、仮に狭い範囲に集光したとしても投影画像上で配光の均一性が崩れたり、チラツキが発生したりしてしまうという課題がある。
【0006】
図15に、交流型放電ランプの電極部の構成を模式的に示す。放電ランプ400は、石英ガラス401内に陰極(または陽極)402と陽極(または陰極)403とを含む。パルス駆動電圧が電極402、403間に印加されると、陰極402から飛び出した熱電子は陽極402へ衝突し、電極間で放電が行われる。
【0007】
陰極402から放出される熱電子は、最短の距離でかつ同一の経路で陽極403へ到達することが望ましい。距離が短ければ、その分だけ抵抗も小さくなり、経路が同一であれば抵抗あるいは電流の変動もきわめて小さく、ランプの光量やチラツキも安定化される。実際には陰極402の先端から放出される熱電子は、先端が尖った位置から放出され易い。これは、先端が尖った部分は電界が集中し、その分だけ他よりも温度の上昇が大きいためである。他方、陽極403においても、先端が尖った部分はその熱容量が小さく他の部分よりも温度が高くなりやすい。その結果、陰極402からの熱電子は、いろんな経路で陽極403に衝突する。例えば図15に示すように、陰極402からの熱電子は、陽極403に巻回されたコイル部分の先端位置に衝突するルートA、陰極402と直面する角度が形成されたコーナーに衝突するルートBまたはCをたどることになる。
【0008】
さらに、石英ガラス401内の温度が適正値より高い場合や、低い場合、石英ガラス401内に封入されたハロゲンガスのサイクルがうまく行えず、電極にa、b、c、dに示すような突起や窪みが発生するため、アークの位置が定まらなくなる。これらの突起や窪みは、熱電子の電極への衝突の際に発生した電極材料によって堆積されあるいは削られる。例えば、a−c間で安定して放電した電流が、ハロゲンサイクル等の関係により、“b”という細長い突起が電極に発生すると、突起bの距離が、突起aの距離よりも大きく細いため、電界強度が強くなり、b−c間において放電し易くなる。また、電極内の不純物により熱電子が発生し易い部分(ピンポイント的大きさ)と、そうでない部分が存在し、これによっても放電経路が遷移する。
【0009】
このように、陰極から放出される熱電子の衝突位置が異なってそのルートが遷移することを一般にアークジャンプといい、そのような現象が比較的速い周期で繰り返されることをアークフリッカという。上記ルートA、B、C、a、bおよびcで示すような突起物のある位置は、アークジャンプやアークフリッカの発生する可能性が高く、一般にアークフリッカはアークジャンプよりも発生頻度が高い。本明細書では、アークジャンプやアークフリッカを含む現象をアーク異常と定義する。
【0010】
本発明は、従来の放電ランプの課題を解決し、アークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常の発生を抑制したランプ駆動回路を提供することを目的とする。
さらに本発明は、放電ランプのアークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常を電気的に制御することが可能なランプ駆動回路を提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、投影画像のチラツキを抑制しかつその配光の均一性を向上させたプロジェクタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、前記放電ランプのアーク異常を検出する検出手段と、前記検出手段によりアーク異常が検出されたとき、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。これにより、放電ランプのアーク異常が発生したときに、それを速やかに電気的に抑制することで、チラツキの少ない安定した照明を行うことができる。脈電流は、複数のパルス状、こぎり状、あるいは上下の変動を有する電流である。放電ランプの定常の駆動電流よりもピークが大きめの脈電流を重畳することにより、例えば、上記図15に示した電極に形成された細長い突起bを溶融し、突起aの距離を突起bの距離よりも大きくさせ、再び突起a―c間で安定した放電を行えるようにする。さらに、電極内の不純物により熱電子が発生し易い部分とそうでない部分があるとき、定常電流よりも大きめの脈流電流を重畳することにより、アークが飛んでいるピンポイント部分において電流密度が高くなり抵抗が大きくなるため、抵抗の低い安定した電極アークポイントに移行し、アークが安定化される。
【0012】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、放電ランプの動作の開始に伴い、時間を計時する計時手段と、前記計時手段からの出力に基づき前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。計時手段により適宜脈電流を加えることで、アーク異常の発生を抑制し、またアーク異常が発生している場合にはそれを収束させることができる。
【0013】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、予め決められたスケジュールを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたスケジュールに従い、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。放電ランプの実際のアーク異常を検出することなく、一定の周期で脈電流を印加することで、電極を加熱し、アーク異常の派生を抑制し、また発生されたアーク異常を抑制することができる。
【0014】
他の発明に係るランプ駆動回路は、放電ランプと、放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、ランダムなタイミングで、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する。放電ランプのアーク異常を実際に検出することなく、ランダムなタイミングで脈電流を印加することで、アーク異常の発生を抑制し、また発生されたアーク異常を抑制することができる。
【0015】
好ましくは、駆動電流制御手段は、アーク異常が検出されたときから所定の期間内だけ脈電流を重畳する。さらに好ましくは、駆動電流制御手段は、放電ランプと並列に接続される第1のコンデンサおよび第1のスイッチ手段とを含み、前記第1のスイッチ手段を閉じることで、脈電流を重畳する。さらに好ましくは、駆動電流制御手段は、放電ランプと並列に接続される第2のコンデンサおよび第2のスイッチ手段とを含み、脈電流が重畳されるとき、第2のスイッチが開かれる。
【0016】
好ましくは駆動電流制御手段は、電力供給回路に含まれる平滑第3のコンデンサと並列に接続される第4のコンデンサと、第4のコンデンサと直列に接続される第3のスイッチとを含み、第3のスイッチの開閉を制御することで、脈流電流を重畳する。この場合、第4のコンデンサの容量が第3のコンデンサの容量よりも大きく、第3のスイッチが開かれたとき、駆動電流に脈流電流が重畳されるようにすることができる。
【0017】
好ましくは、駆動手段は、直流電圧を交流電圧に変換するスイッチングトランジスタを含むAC駆動回路と、放電ランプの起動時に放電ランプに高電圧を印加するイグナイタ回路とを含む。
【0018】
本発明に係るプロジェクタは、上述したようなランプ駆動回路と、放電ランプからの光を光学的に変調する変調手段と、変調された光を投影する投影手段とを有する。これにより、チラツキの少ない、きれいな投射映像を得ることができる。
【0019】
上述したアーク異常検出手段は、好ましくは放電ランプの動作電圧の変動を検出する。例えば、放電ランプの電極と電気的に並列に接続された第1及び第2の抵抗と、第1の比較回路とを有する。第1の比較回路の第1の入力には第1及び第2の抵抗間に形成された接続ノードの電圧が供給され、第2の入力には基準電圧が供給される。そして第1の比較回路は、接続ノードの電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果を駆動電流制御手段へ出力する。アーク異常が発生すると、そのランプ動作電圧が変動する。これは、放電ランプの電極間において熱電子の経路が変化すると抵抗が変化するためである。例えばその経路が長くなると、それに伴い抵抗が大きくなる。アーク異常検出手段は、抵抗の変化に伴い変化したランプ動作電圧を検出することでアーク異常を検出する。
【0020】
アーク異常検出手段は、好ましくは放電ランプの動作電流の変動を検出する。例えば、放電ランプの少なくとも一方の電極と電気的に直列に接続された電流検出用抵抗と、第2の比較回路とを有する。第2の比較回路の第1の入力には電流検出用抵抗からの出力電圧が供給され、第2の入力には第2の基準電圧が供給される。第2の比較回路は、出力電圧と第2の基準電圧とを比較し、その比較結果を制御手段に出力する。アーク異常が発生すると、電極間の抵抗が変化するため放電ランプに流れる電流も変化する。検出手段によりランプ動作電流の変化を検出することでアーク異常を検出する。
【0021】
好ましくは、基準電圧または第2の基準電圧は、放電ランプの動作電圧または動作電流から生成される。放電ランプは、その使用年数や使用頻度により経年変化し、そのランプ動作電圧やランプ動作電流は初期状態のときから変化する。このため、アーク異常の検出に際し、基準電圧はそのような経年変化等に対応するものであることが望ましい。また、第1および第2の比較回路は、差動増幅器を含むものであっても良い。
【0022】
好ましくは検出手段は、放電ランプの発光の変動を検出する光センサーを含むものでもよい。光センサーは、フォトダイオードまたはフォトトランジスタを含み、フォトダイオードまたまフォトトランジスタを放電ランプの近傍に配することができる。アーク異常が発生すると、放電ランプでの発光あるいは発光量にチラツキ等の変化が生じる。光センサーにより光の変化量を検出することでアーク異常を検出する。
【0023】
アーク異常は、放電ランプの電極間においてアークが所望の位置から離れた位置へジャンプするアークジャンプや、放電ランプの電極間においてアークが所定の経路から外れた経路へ遷移するアークフリッカを含む。
【0024】
プロジェクタの変調手段は、DMDあるいは液晶デバイスを含む。好ましくは分別手段は、R、G、Bのカラーフィルターを有す回転可能なカラーホイールを備え、カラーフィルターへ光を入射させることで順次R、G、Bの波長を有する光を出射させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。ランプ駆動回路1は、交流電源10と、交流電源10の交流電圧を直流電圧に整流する整流回路20と、放電ランプ90へ安定的な電力を供給する電力供給回路30と、放電ランプ90を駆動する駆動回路40と、電力供給回路30の電力供給を制御するPWM制御回路50と、放電ランプのアーク異常を検出するアーク異常検出部60と、駆動回路40等の各部を制御する制御部70とを含む。ランプ回路1は、さらに電力供給回路30と駆動回路40との間の電源供給ライン間に介在されたランプ電圧検出回路80と、一方の電源供給ラインに接続されたランプ電流検出回路82とを含む。ランプ電圧検出回路80は放電ランプ90の動作電圧を検出し、その検出した出力をPWM制御回路50及び制御部70にそれぞれ供給する。ランプ電流検出回路82は放電ランプ90の動作電流を検出し、その検出した出力をPWM制御回路50及び制御部70にそれぞれ供給する。
【0026】
駆動回路40は、放電ランプ90を交流駆動(AC駆動)するためのAC駆動回路41と、放電ランプ90の起動時にランプに高電圧を印加するイグナイタ回路42とを有する。放電ランプ90は、例えばキセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなどである。このようなランプ駆動回路1は、液晶デバイスやDMDを用いたプロジェクタに用いられる。
【0027】
図2は図1に示すランプ駆動回路の構成を示す図である。電力供給回路30は、MOSトランジスタ31、パルストランス32、ダイオード33、インダクター(コイル)34、コンデンサ35を含む。MOSトランジスタ31のゲートはパルストランス32の二次側コイルに接続され、その一次側コイルはPWM制御回路50のPWM出力信号51に接続される。PWM出力信号51から出力されるパルス信号に応答してMOSトランジスタ31のオン・オフが制御され、直流電圧の降圧が行われる。インダクター34及びコンデンサ35は、変圧された直流電圧から脈動する成分を取り除き平滑化された直流電圧を供給する。
【0028】
電力供給回路30の電源供給ライン間にランプ電圧検出回路80が接続される。ランプ電圧検出回路80は、ライン間に直列に接続された抵抗R2、R3と、抵抗R3に並列に接続されたコンデンサとを含む。抵抗R2とR3との接続ノードはPWM制御回路50および制御部70へ供給される。
【0029】
ランプ電流検出回路82は、電力供給回路30からの一方の電源供給ラインに直列接続されたランプ電流検出用の抵抗R1を含む。抵抗R1の出力は、PWM制御回路50および制御部70へ供給される。
【0030】
PWM制御回路50は、スイッチSW1を閉じることによって動作を開始し、スイッチSW1は制御部70から出力される制御信号71によって制御される。PWM制御回路50は、ランプ電圧検出回路80の出力およびランプ電流検出回路82の出力を入力し、これらの出力からランプ電力を演算し、放電ランプ90の動作に必要な電力が安定的に供給されるように電力供給回路30を制御する。
【0031】
AC駆動回路41は、電源供給ラインを介して電力供給回路30に接続され、直流電圧を交流電圧に変換するためのCMOSトランジスタQ1、Q2とQ3、Q4とを有する。CMOSトランジスタQ1、Q2と、CMOSトランジスタQ3、Q4により一対のCMOSインバータを構成し、それらのゲート電極は制御部70からの駆動信号74を介して相補的に駆動される。従って、トランジスタQ1、Q4がオンするときトランジスタQ2、Q3がオフであり、反対にトランジスタQ2、Q3がオンするとき、トランジスタQ1、Q4がオフである。こうして電力供給回路30からの直流電圧は、各インバータによって交流電圧に変換され、放電ランプ90に印加される。直流−交流の変換周波数は制御部70からの駆動信号74のパルス周波数を可変することによって任意に選択することが可能である。
【0032】
各インバータの出力は、イグナイタ回路42の電源供給ラインを介して放電ランプ90に接続される。イグナイタ回路42は、放電ランプ90の起動時に放電ランプ90に高電圧を印加し放電ランプ90にアーク放電を引き起こす。PWM制御回路50によって制御された電力供給回路30は、約250ないし370ボルトの電圧を電源供給ラインに出力し、この電圧はAC駆動回路41を介してイグナイタ回路42に供給される。AC駆動回路41の高電位側出力からダイオード121を介してコンデンサ122に電流が蓄積され、この電圧が一定値を超えるとトリガー素子123が導通し、トランス124の一次側コイルに電流が流され、これによって二次側コイルに発生された電流がダイオード125を介してコンデンサ126に充電される。コンデンサ126の電圧がバリスタ127のしきい値を越えると、トランス128の一次側コイルに電流が流れ、これによって二次側コイルに非常に高い十数キロボルトの電圧が発生される。そして、放電ランプ90の端子間に絶縁破壊が生じ、アーク放電が開始される。
【0033】
また、コンデンサC1とこれに直列に接続されたとスイッチSW2と、コンデンサC2とこれに直列に接続されたスイッチSW3とが、それぞれ放電ランプ90と並列に接続される。コンデンサC1のキャパシタンスは、コンデンサC2のそれよりも十分に大きく、放電ランプ90の交流駆動時にノイズや脈動(リップル)等を除去するのに十分な大きさである。スイッチSW2、SW3の駆動制御については後述する。
【0034】
アーク異常検出部60は、比較回路61、62を含む。比較回路61の一方の入力には、ランプ電圧検出回路80からの出力電圧が接続され、他方の入力には基準電圧が接続される。比較回路62の一方の入力には、ランプ電流検出回路82からの出力が接続され、他方の入力には基準電圧が接続される。比較回路61、62の出力は制御部70へ入力される。
【0035】
比較回路61は、ランプ電圧検出回路80からの出力電圧を基準電圧と比較し、放電ランプ90の電極間において発生されるアークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常を検出する。アークジャンプやアークフリッカが発生すると、アークは定常の経路から外れた経路で放電するため、それによって抵抗が変化する。比較回路61の基準電圧を所定の値に選択することにより、ランプ動作電圧が一定の値よりも大きく変化した場合には、それをアーク異常と判定する。
【0036】
比較回路62は、ランプ電流検出回路82からの出力電圧を基準電圧と比較し、ランプ動作電流の変化が一定の値よりも大きい場合にはアーク異常と判定する。図3に比較回路61の詳細な構成を示す。比較回路61は、コンパレータ61aを含み、コンパレータ61aの入力Vinはランプ電圧検出回路80の出力に接続される。入力Vinは、抵抗R11およびコンデンサC3を含むRC回路に接続され、このRC回路の出力を基準電圧として非反転入力に供給する。また、入力Vinの信号は、抵抗R12を介して反転入力端子に接続され、コンパレータ61aがこれを基準電圧と比較し、その比較結果をVoutとして出力する。比較回路62も同様にコンパレータ62aを有する。
【0037】
制御部70は、スイッチSW1、スイッチSW2およびスイッチSW3のオン、オフを制御する制御信号71、72、73と、AC駆動回路41の駆動を制御する駆動信号74とを出力する。また、制御部70は、比較回路61、62の出力を入力するオア回路を含み、比較回路61または比較回路62のいずれか一方からアーク異常を示す検出信号が入力された場合、SW2およびSW3のオン・オフを制御するための制御信号72、73を出力し、後述するように、放電ランプのアーク異常を抑制させる。
【0038】
次に、本実施の形態に係るランプ駆動回路の動作について説明する。放電ランプ90に高電圧が印加される前、スイッチSW1とSW3は開いており、SW2は閉じている。交流電源10からの交流電圧が整流・平滑化回路20により直流電圧に変換され、制御部70からの制御信号71、72によりスイッチSW1、SW2が閉じ、PWM制御回路50からPWM出力信号51がパルストランス32へ出力される。これによって、MOSトランジスタ31のオン・オフが制御され、電力供給回路30からは約250−370ボルトの直流電圧が供給される。
【0039】
AC駆動回路41のトランジスタQ2、Q3は駆動信号74によりオン状態にされており、イグナイタ回路42により放電ランプ90の電極間に10キロ−20キロボルトの高電圧が印加され、アーク放電により電流が流れ始まる。
【0040】
PWM制御回路50は、放電初期時のランプ動作電圧が低いためランプが安全に動作できる電流制御を行い、その後、温度上昇と共にランプ動作電圧が上昇(例えば65ボルト)した時点で電力(ワット)制御に切り替える。他方、制御部70は、駆動信号74によりAC駆動回路41のインバータ駆動を開始させ、直流電圧を交流駆動電圧に変換させる。これによって放電ランプ90の電極間には、図7(a)に示すようなランプ電流が印加される。またイグナイタ回路42は、そのトリガー素子123のしきい値電圧を200ボルト程度としているため、AC駆動回路41からの交流駆動電流によって動作しない。
【0041】
放電ランプ90に、アークジャンプやアークフリッカ等のアーク異常が発生すると、ランプ動作電圧あるいはランプ動作電流が変動する。この様子を図4に示す。アークフリッカは、比較的早い周期でアーク経路を変動もしくは遷移させるため、それに応じてランプ電圧およびランプ電流の変化の周波数が比較的高い。これに対してアークジャンプは、アークが異なる経路を比較的遅い周期で行き来するため、ランプ電圧およびランプ電流の変化の周波数も比較的低くなる。
【0042】
ランプ電圧検出回路80は、放電ランプ90の電極と並列に接続された関係にあり、ランプ動作電圧が変動すると、抵抗R2、R3の接続ノードからの検出電圧が変動する。図5に比較回路61の入力電圧Vinと出力電圧Voutとの関係を示す。比較回路61の入力Vinに、図5に示すようなアークジャンプを伴う出力電圧が入力されると、RC回路によりその脈動(変動)成分が除去された電圧が基準電圧としてコンパレータ61aに入力される。他方、その反転入力端子には脈動成分を有する信号が入力されるため、その比較によりパルス信号が出力電圧Voutとして出力される。ランプ電圧検出回路80の出力から基準電圧を生成することで、ランプの経年変化等による動作電圧の変化(例えば電極の磨耗等により動作電圧が変化する)を考慮し的確にアーク異常の電圧を検出することが可能となる。こうして比較回路61によって検出されたアーク異常を示す信号が制御部70へ供給される。
【0043】
ランプ電流検出回路82は、放電ランプ90の一方の電極と直列に接続された電流検出用の抵抗R1を含む。ランプ動作電流が変動すると、抵抗R1の出力電圧が変動される。この出力電圧は、比較回路62の入力電圧Vinとしてコンパレータ62aに供給され、上述した比較回路61と同様の動作が行われる。こうして比較回路62によって検出されたアーク異常を示す信号が制御部70へ出力される。
【0044】
比較回路61、62は必ずしもコンパレータに限られるものではない。例えば、図6に示すような差動増幅器を用いて、アーク異常を検出することが可能なことは云うまでもない。この場合、検出結果から増幅された出力電圧を得ることができる。
【0045】
制御部70は、比較回路61または62のいずれか一方からアーク異常を検出する出力信号を受けると、制御信号72によりスイッチSW2を閉から開にし、制御信号73によりスイッチSW3を開から閉にする。コンデンサC1は、放電ランプ90に与えられる交流駆動パルス電流のノイズや脈動を除去するのに十分なキャパシタンスを有するが、これに対して、コンデンサC2のキャパシタンスは小さいため、十分にノイズや脈動を除去することができず、図7(b)に示すように、駆動パルス電流に脈電流100が重畳される。このような脈電流100が重畳されることで、放電ランプ90の電極の温度が上昇され、図15に示すような細長い突起bを溶融させ、熱電子の放電経路が安定化され、アークフリッカやアークジャンプの状態を速やかに抑制することができる。制御部70は、アーク異常検出部60からのアーク異常の検出信号がなくなったとき、制御信号72、73により、スイッチSW2を閉じ、SW3を開かせる。
【0046】
制御部70は、比較回路61、62の出力をオアする回路を有するが、これに代えてアンド回路を用いてもよい。この場合には、ランプ動作電圧とランプ動作電流の双方の変動が一定値を超えアーク異常と判定された場合に、制御部70がスイッチSW2、SW3の開閉を制御する。
【0047】
さらに、制御部70は、駆動パルス電流に重畳する脈電流91の期間をタイマーにより制御することも可能である。すなわち、比較回路61または/および比較回路62からのアーク異常の検出信号を受け取ったとき、該検出信号をトリガーとして、そこから一定期間の間、スイッチSW2を開かせ、スイッチSW3を閉じるように制御することもできる。
【0048】
次に第2の実施の形態に係るランプ駆動回路を図8に示す。本実施の態様に係るランプ駆動回路は、第1の実施の態様と異なり、コンデンサC1、C2およびスイッチSW2、SW3の代わりに、電力供給回路30の平滑コンデンサC3(参照番号35)と並列に接続されるコンデンサC4とこれに直列に接続されたスイッチSW4が設けられている。コンデンサC4とコンデンサC3の関係は、C3<C4となるように設定し、スイッチSW4は制御部70からの制御信号75(図1の破線)によって制御される。そして、スイッチSW4が閉じているとき、並列関係にあるコンデンサC3、C4によって、十分な容量により脈流を除去し、他方、スイッチSW4が開かれたとき、駆動電流が“0”に途切れないようなC1の容量とし、図7(b)に示すような脈流電流を重畳するようにすることができる。第2の実施の態様の場合、コンデンサC4を電力供給回路30に設けることで、第1の実施の態様の時よりも、駆動電流の立ち上がり時間を速くすることができる。さらに、スイッチSW4の開閉のタイミングを制御することで、駆動パルス電流に重畳される脈流電流100を、図7(c)に示すように、駆動パルス電流の1周期よりも小さくし、かつ、駆動電流の所定の周期に亘って重畳させるようにすることもできる。
【0049】
本発明の第3の実施の形態に係るランプ駆動回路について説明する。図9は、第3の実施の形態に係るランプ駆動回路を示すものであるが、第1、第2の実施の形態のランプ駆動回路と異なり、アーク異常検出部を備えていない。第3の実施の形態に係るランプ駆動回路1aにおいて、制御部70aは、タイマー200と、タイマー200からの出力を受けるスイッチ制御部210とを有する。タイマー200は、ランプ駆動回路の電源が投入されると、その時刻からの時間を計時する。スイッチ制御部210は、タイマー200からの計時出力を管理し、予め決められた動作時間に到達したときに、一定期間、スイッチSW2を開き、SW3を閉じる制御をし、駆動パルス電流に脈電流を重畳させる。
【0050】
図10は第4の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す。本例では、制御部70bは、脈電流を重畳するためのスケジュールを記憶するメモリ220と、スイッチSW2、SW3を制御するスイッチ制御部230と、クロック発生部240とを有する。メモリ220は、例えば、脈電流を重畳する周期を記憶する。スイッチ制御部230は、動作開始後、クロック発生部230からのクロック信号をカウントし、そのカウント値がメモリ220の周期と一致するたびに、一定期間、スイッチSW2を開き、SW3を閉じるように制御する。
【0051】
図11は第5の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す。本例では、制御部70cは、スイッチSW2、SW3を制御するスイッチ制御部250と、ランダム発生部260とを有する。ランダム発生部260は、動作開始後に、ランダムなタイミングで、スイッチ制御部250に対して出力信号を供給する。スイッチ制御部250は、その出力信号を受けたとき、一定期間、スイッチSW2を開き、スイッチSW3を閉じる制御をし、駆動パルス電流に脈電流を重畳する。
【0052】
図12は第6の実施の形態に係るランプ駆動回路を示す図である。本例では、放電ランプ90の光量を検出する光検出部270を有する。光検出部270は、放電ランプ90からの光の変動をチェックし、この結果を制御部70へ供給する。アーク異常が発生すると、そのランプ電圧あるいは/およびランプ電流が変動するため、結果として放電ランプ90から発せられる光にチラツキ等が生じる。光検出部270は、好ましくはフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換素子を含み、放電ランプ90の光量の変化に応じた電気信号を制御部70へ与える。
【0053】
制御部70dは、光検出部270の検出結果からアーク異常を判定し、一定期間だけスイッチSW2を開き、スイッチSW3を閉じ、脈電流100を重畳する。また、制御部70dは、光検出部270からの出力を基準電位と比較するための第3の比較回路を備えるようにしてもよい。第3の比較回路の出力は、比較回路61、62の出力とともにオア回路に入力させ、ランプ電圧検出回路80、ランプ電流検出回路82、あるいは光検出部270のいずれかにおいてアーク異常が検出されたときにアーク異常と判定し、制御部70dがスイッチSW2、SW3を制御することができる。あるいは、オア回路の代わりにアンド回路を用い、すべての検出部においてアーク異常が検出されたときにのみアーク異常と判定し、スイッチSW2、SW3を制御することもできる。
【0054】
図13は図12に示す光検出部270の取り付け例を示す図である。放電ランプ90は、回転楕円面鏡あるいは回転放物面鏡を有するリフレクター91の光軸に取り付けられ、好ましくは一対の電極の中心がリフレクターの焦点にくるように配される。リフレクター91の開放端はガラス92によって封止され、ガラス92の対向する位置に光導波路93が配される。光導波路93は、例えば、ライトトンネルあるいはライトインテグレータである。さらにガラス92と対向する位置にフォトダイオード94が配置され、リフレクター91によって反射された光の一部がフォトダイオード94を照射する。こうして、放電ランプ90にアーク異常が発生されると、フォトダイオード94からその異常を示す電気信号95が制御部70dへ与えられる。
【0055】
上記実施の態様では光検出部としてフォトダイオードを用いたが、これに限らず他のフォトトランジスタ等の検出素子を用いることも可能である。また取り付け位置も、ガラスと対向する位置以外に、例えばリフレクターに溝または凹部を形成し、そこに一体的にフォトダイオードを取り付けるようにしてもよい。
【0056】
以上説明したランプ駆動回路は、プロジェクタ用の光源に適用することができる。ランプ駆動回路をDLP(Digital Light Processing)方式のプロジェクタに適用した例を図14に示す。
【0057】
プロジェクタ300は、ランプ駆動回路301と、ランプ駆動回路301から発せられた光を伝送するライトトンネル302と、R、G、B(またはWを含む)の波長の光を透過するためのカラーフィルターを配列し回転駆動される円盤状のカラーホイール303と、カラーホイール303によって順次R、G、Bの波長の光に分別された光をDMD305上へ投射する投射光学系304と、半導体基板上に二次元的に配列させた複数のマイクロミラー素子からなる画像領域を有するDMD305と、DMD305によって光学的に変調された光をスクリーン上へ投射する投射光学系306とを有する。本実施の形態に係る放電ランプ装置301を用いることにより投射画像のチラツキを抑制しかつ配光の均一性を担保することができる。なお、上述した実施の態様において、スイッチSW2、SW3、SW4は、DMD305に供給される映像信号と同期するように、制御信号72、73、75によって駆動されるようにすることもできる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0059】
本実施の形態では、交流電源を直流電源に変換するが、これに限らず直流電源をそのまま用いるものであっても良い。ランプ電圧検出回路80及びランプ電流検出回路82は、必ずしも電力供給回路30と駆動回路40との間に接続することに限らずこれ以外の位置に接続するものであっても良い。駆動回路40は、イグナイタ回路42を含むものとしたが、必ずしもイグナイタ回路42を包含する必要はない。さらにイグナイタ回路42において必要に応じてインダクター電流経路にインダクターを介在させて駆動パルス信号の立ち上がりおよび立下りを急峻にするようにしても良い。
【0060】
さらに、上記実施の態様では、駆動パルス電流に脈電流を重畳させるために、キャパシタンスの小さなコンデンサC2を用いるようにしたが、これに限らず、他の方法により行うようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係るランプ駆動回路によれば、放電ランプの電極間に発生されるアーク異常を検出し、この検出結果に基づき放電ランプの駆動を制御するようにしたので、アークジャンプやアークフリッカの発生を電子的に抑制することができ、その結果、放電ランプのチラツキを抑制しかつ配光の均一性を向上させることが可能となる。このような放電ランプ装置をプロジェクタの光源に用いれば、投射される画像のチラツキを抑制し高品位の画像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すランプ駆動回路の詳細を示す図である。
【図3】比較回路61、62の詳細を示す回路図である。
【図4】アークジャンプおよびアークフリッカの信号波形を示す図である。
【図5】比較回路の入力および出力電圧波形を示す図である。
【図6】比較回路63、64に差増増幅器を適用した回路図である。
【図7】図7(a)は放電ランプに印加されるランプ駆動電流の波形を示し、同図(b)は脈電流が重畳された例を示す。
【図8】第2の実施の形態に係るランプ駆動回路の詳細を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係るランプ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図13】光検出部を放電ランプに取り付けた状態を示す図である。
【図14】本発明に係るランプ駆動回路をプロジェクタに適用した例を示すブロック図である。
【図15】放電ランプの電極間のアーク異常の状態を説明する図である。
【符号の説明】
30:電力供給回路、 40:駆動回路、
41:AC駆動回路、 42:イグナイタ回路、
50:PWM制御回路、 60:アーク異常検出部、
61、62:比較回路 70:制御部、
71、72、73:制御信号 74:駆動信号
80:ランプ電圧検出回路、 82:ランプ電流検出回路、
90:放電ランプ、 270:光検出部
300:プロジェクタ
Claims (15)
- 放電ランプと、
放電ランプを駆動するための駆動電流を生成し、該駆動電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、
前記放電ランプのアーク異常を検出する検出手段と、
前記検出手段によりアーク異常が検出されたとき、前記駆動電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する、ランプ駆動回路。 - 放電ランプと、
放電ランプを駆動するための駆動電流を生成し、該駆動電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、
放電ランプの動作の開始に伴い、時間を計時する計時手段と、
前記計時手段からの出力に基づき前記駆動電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する、ランプ駆動回路。 - 放電ランプと、
放電ランプを駆動するための駆動電流を生成し、該駆動電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、
予め決められたスケジュールを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたスケジュールに従い、前記駆動電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する、ランプ駆動回路。 - 放電ランプと、
放電ランプを駆動するための駆動パルス電流を生成し、該駆動パルス電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、
ランダムなタイミングで、前記駆動パルス電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する、ランプ駆動回路。 - 放電ランプと、
放電ランプを駆動するための駆動電流を生成し、該駆動電流を前記放電ランプに供給する駆動手段と、
前記駆動電流に脈電流を重畳する駆動電流制御手段とを有する、ランプ駆動回路。 - 前記駆動電流制御手段は、交流駆動電流に脈電流を重畳する、請求項1ないし5いずれかに記載のランプ駆動回。
- 前記駆動電流制御手段は、前記アーク異常が検出されたとき、駆動電流の1周期以内の脈電流を、駆動電流の所定周期間において重畳する、請求項1ないし6いずれかに記載のランプ駆動回路。
- 前記駆動電流制御手段は、前記放電ランプと並列に接続される第1のコンデンサおよび第1のスイッチ手段とを含み、前記第1のスイッチ手段を閉じることで、脈電流を重畳する、請求項1ないし7いずれかに記載のランプ駆動回路。
- 前記駆動電流制御手段は、前記放電ランプと並列に接続される第2のコンデンサおよび第2のスイッチ手段とを含み、脈電流が重畳されるとき、前記第2のスイッチが開かれる、請求項8に記載のランプ駆動回路。
- 前記駆動電流制御手段は、電力供給回路に含まれる平滑第3のコンデンサと並列に接続される第4のコンデンサと、第4のコンデンサと直列に接続される第3のスイッチとを含み、第3のスイッチの開閉を制御することで、脈流電流を重畳する、請求項1ないし9いずれかに記載のランプ駆動回路。
- 第4のコンデンサの容量が第3のコンデンサの容量よりも大きく、第3のスイッチが開かれたとき、駆動電流に脈流電流が重畳される、請求項10に記載のランプ駆動回路。
- 前記アーク異常は、アークジャンプまたはアークフリッカを含む、請求項1ないし11いずれかに記載のランプ駆動回路。
- 前記駆動手段は、直流電圧を交流電圧に変換するスイッチングトランジスタを含むAC駆動回路と、放電ランプの起動時に放電ランプに高電圧を印加するイグナイタ回路とを含む、請求項1ないし12いずれかに記載のランプ駆動回路。
- 請求項1ないし13いずれかに記載のランプ駆動回路と、前記放電ランプからの光を光学的に変調する変調手段と、変調された光を投影する投影手段とを有するプロジェクタ。
- 前記プロジェクタは、放電ランプからの光を少なくともR、G、Bの波長の光に分別する分別手段を含み、分別されたR、G、Bの光が前記変調手段によって変調される、請求項14に記載のプロジェクタ。
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2003
- 2003-04-07 JP JP2003102769A patent/JP2004311199A/ja active Pending
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