JP2004311076A - 燃料電池システム、それを搭載した車両及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システム、それを搭載した車両及び燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池に酸化ガスを供給する手段の予備を持つことなく、その手段が故障したときの対処を行うことができる。
【解決手段】燃料電池システム20は、FC用エアコンプレッサ37が故障したときには、FC用バルブ61、排出用バルブ62及び燃焼用バルブ63を閉鎖し臨時第1バルブ64及び臨時第2バルブ65を開放する。これにより、燃焼用エアコンプレッサ27は外部から臨時第1バルブ64、ガス流量計38、酸化ガス通路33及び臨時第2バルブ65を介して吸込口から空気を吸い込んで吐出口から加熱部23へ吐出するため、酸化ガス通路33には外気が通過することになり、燃料電池30は発電し続けることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システム、それを搭載した車両及び燃料電池システムの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、カソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。この種の燃料電池システムでは、エアコンプレッサからの圧縮空気を酸化ガスとして燃料電池の酸化ガス通路へ供給し、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成し該改質ガスを燃料ガスとして燃料電池の燃料ガス通路へ供給するものも知られている。
【0003】
このような燃料電池システムにおいて、燃料電池の酸化ガス通路へ圧縮空気を供給するエアコンプレッサが故障した場合には電気化学反応が起こらなくなるため電力が発生しなくなり不都合が生じることがある。したがって、そのような場合を想定して、予め何らかの対策を講じておくことが好ましい。例えば、酸化ガス通路へ圧縮空気を供給するエアコンプレッサの予備を搭載しておくことが考えられるが、そのような予備の設置場所が必要となるうえコストも嵩むことになる。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、燃料電池に酸化ガスを供給する手段の予備を持つことなくその手段から燃料電池に酸化ガスが正常に供給されなくなったときの対処が可能な燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的の一つとする。また、燃料電池に酸化ガスが正常に供給されなくなったときに何らかの不具合が発生したことをオペレータが気づきやすい状態でその対処を行う燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的の一つとする。
【0005】
なお、本出願人は、燃料電池システムにおいて、燃料電池の酸化ガス通路へ酸化ガスを供給するエアコンプレッサのほかに、炭化水素系燃料から改質ガスを生成する改質器に隣接して設けられた燃焼器へ燃焼用エアを供給するエアコンプレッサを備えたものを提案している(例えば特許文献1)が、前者のエアコンプレッサが故障したときの対策については言及されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−289243号公報
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述した目的の少なくとも一部を達成するため、本発明は以下の構成を採っている。
【0008】
本発明の第1の燃料電池システムは、
カソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池と、
前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給する第1酸化ガス供給手段と、
前記燃料電池以外の酸化ガスを要するシステム搭載機器へ酸化ガスを供給する第2酸化ガス供給手段と、
前記第1酸化ガス供給手段が前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給するのを許容する通常状態と前記第2酸化ガス供給手段が前記酸化ガス通路へ酸化ガスを通過させるのを許容する臨時状態とを切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記通常状態に設定されているときに前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないと判定されたとき、前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替える切替制御手段と
を備えたものである。
【0009】
この燃料電池システムでは、切替手段により通常状態に設定されているときに第1酸化ガス供給手段から燃料電池の酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されているか否かを判定し、第1酸化ガス供給手段から酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないと判定されたきには切替手段を通常状態から臨時状態に切り替える。これにより、第1酸化ガス供給手段から何らかの理由で酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されなくなったときには、第2酸化ガス供給手段が酸化ガス通路へ酸化ガスを通過させることになる。したがって、燃料電池に酸化ガスを供給する手段(つまり、第1酸化ガス供給手段)の予備を持つことなくその手段から燃料電池に酸化ガスが正常に供給されなくなったときの対処が可能になり、燃料電池を発電させ続けることができる。
【0010】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記第1酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記酸化ガス通路の入口へ供給し、前記第2酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給し、前記臨時状態は、前記第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を前記酸化ガス通路を介して吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給可能な状態としてもよい。この場合、第2酸化ガス供給手段は、外部の空気を燃料電池の酸化ガス通路を介して吸い込むため酸化ガス通路には空気が流通することになるが、酸化ガス通路の圧力損失により十分な量の空気を吸い込みにくいため燃料電池は十分発電しにくい。したがって、この燃料電池システムのオペレータは何らかの不具合が発生したことに気づきやすい。
【0011】
この態様を採用した本発明の燃料電池システムにおいて、前記第1酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第1開閉弁と、前記酸化ガス通路の出口とカソードオフガスを外部へ排出する外部とを接続する配管の途中に設けられた第2開閉弁と、酸化ガスとしての空気を導入する外部と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口とを接続する配管の途中に設けられた第3開閉弁と、酸化ガスとしての空気を導入する外部と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第4開閉弁と、前記酸化ガス通路の出口と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口とを接続する配管の途中に設けられた第5開閉弁とを備え、第1,第2及び第3開閉弁を開き第4及び第5開閉弁を閉じた状態の前記通常状態と第1,第2及び第3開閉弁を閉じ第4及び第5開閉弁を開いた状態の前記臨時状態とを切り替えるようにしてもよい。こうすれば、開閉弁の切替という比較的簡単な操作で本発明の効果を得ることができる。また、前記酸化ガス通路の出口と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口との間に前記酸化ガス通路の出口から排出されるカソードオフガスに含まれる水分を除去する水分除去手段を備えていてもよい。燃料電池の電気化学反応によりカソード側には水が生成するため、酸化ガス通路の出口から排出されるカソードオフガスは水を含んでいることが多いが、ここではその水を除去したうえでカソードオフガスを第2酸化ガス供給手段からシステム搭載機器へ供給するため、システム搭載機器において水分による不具合が生じるおそれがない。
【0012】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記第1酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記酸化ガス通路の入口へ供給し、前記第2酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給し、前記臨時状態は、前記第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器及び前記酸化ガス通路の両方へ供給可能な状態としてもよい。上述したように、第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を燃料電池の酸化ガス通路を介して吸い込む場合には酸化ガス通路の圧力損失により十分な量の空気を吸い込みにくく燃料電池は十分に発電しないおそれがあるが、第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を吸い込んで吐出口からシステム搭載機器及び前記ガス通路の両方へ供給する場合にはそのようなおそれが少ない。
【0013】
この態様を採用した本発明の燃料電池システムにおいて、前記切替手段は、前記第1酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する途中に設けられた第1開閉弁と、前記第2酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第2開閉弁とを備え、前記第1開閉弁を開き前記第2開閉弁を閉じた状態の前記通常状態と前記第1開閉弁を閉じ前記第2開閉弁を開いた状態の前記臨時状態とを切り替えるようにしてもよい。こうすれば、開閉弁の切替という比較的簡単な操作で本発明の効果を得ることができる。
【0014】
本発明の燃料電池システムにおいて、前記システム搭載機器は、炭化水素系燃料を改質して燃料ガスとしての水素リッチなガスを生成する改質反応部を燃焼熱により加熱するか又は前記改質反応部へ供給される前記炭化水素系燃料を燃焼熱により気化させる加熱器であり、前記第2酸化ガス供給手段は、前記加熱器に燃焼用の酸化ガスを供給するものであってもよい。あるいは、前記システム搭載機器は、炭化水素系燃料を改質反応で改質して得られるガスからCO酸化反応でCOを低減化して燃料ガスを生成する改質装置であり、前記第2酸化ガス供給手段は、前記改質反応又は前記CO酸化反応で使用される酸化ガスを供給するものであってもよい。ここで、第1酸化ガス供給手段から燃料電池の酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されなくなったときに、後者の場合には改質装置から生成するガスの量や組成に影響するおそれがあるのに対し、前者の場合にはそのようなおそれが小さい。
【0015】
本発明の燃料電池システムは、前記切替制御手段が前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替えたあと、前記酸化ガス通路を通過する酸化ガスの流量に基づいて前記燃料電池の運転を制御する運転制御手段を備えていてもよい。第1酸化ガス供給手段から酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないときには第2酸化ガス供給手段に燃料電池の酸化ガス通路へ酸化ガスを通過させるが、そのときには十分な酸化ガス量が得られないことがあり、要求される電力を燃料電池が発生できないことがある。このため、燃料電池を保護する観点から、酸化ガス量に基づいて燃料電池の運転を制御することが好ましい。例えば、運転制御手段は、臨時状態になったあと、酸化ガス通路を実際に通過する酸化ガスの流量から電気化学反応の化学量論値に基づいて燃料ガス通路へ供給する燃料ガスの流量を決定しその流量となるように燃料ガスの流量を調整してもよい。
【0016】
本発明の第2は、上述した燃料電池システムを搭載した車両である。この燃料電池システム搭載車両によれば、上述した燃料電池システムと同様な効果が得られる。また、何らかの理由により第1酸化ガス供給手段から燃料電池の酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されなくなったとしても、車両を修理工場まで運んだりすることができる。
【0017】
本発明の第3は、カソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池と、前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給する第1酸化ガス供給手段と、前記燃料電池以外の酸化ガスを要するシステム搭載機器へ酸化ガスを供給する第2酸化ガス供給手段と、前記第1酸化ガス供給手段が酸化ガスを前記酸化ガス通路に供給するのを許容する通常状態と前記第2酸化ガス供給手段が酸化ガスを前記酸化ガス通路に通過させるのを許容する臨時状態とを切り替える切替手段とを備えた燃料電池システムをコンピュータが制御する燃料電池システムの制御方法であって、
(a)前記切替手段により前記通常状態に設定されているときに、前記コンピュータが前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されているか否かを判定する判定ステップと、
(b)前記判定ステップで前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないと判定されたとき、前記コンピュータが前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替える切替制御ステップと
を含むものである。
【0018】
この燃料電池システムでは、第1酸化ガス供給手段から何らかの理由で酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されなくなったときには、第2酸化ガス供給手段が酸化ガス通路へ酸化ガスを通過させることになる。したがって、燃料電池に酸化ガスを供給する手段(つまり、第1酸化ガス供給手段)の予備を持つことなくその手段から燃料電池に酸化ガスが正常に供給されなくなったときの対処が可能になり、燃料電池を発電させ続けることができる。なお、本発明の第3における燃料電池システムは、本発明の第1の説明において述べたような具体的な構成を備えていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の燃料電池システム20を搭載した車両10の概略構成を表すブロック図である。
【0020】
車両10は、燃料電池30で発電を行う燃料電池システム20と、燃料電池30で発生した電力を駆動力に変換して減速ギヤ52を介して駆動輪54,54を回転させる駆動装置50とを備えている。また、燃料電池システム20は、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質装置21と、カソード側に設けられた酸化ガス通路33に供給される酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路35に供給される燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池30と、システム全体の制御を司るコントローラ40とを備えている。なお、駆動装置50は、図示しないが、燃料電池30で発生した直流電力を交流電力に変換する電力変換装置やその交流電力で回転駆動されるモータなどを備えている。
【0021】
改質装置21は、改質用メタノールと水との混合溶液を気化させて混合気体とする蒸発部22と、この混合気体と改質用エアとを導入して改質反応を行う改質反応部24と、改質反応部24から送られてきたガス中のCOから水素を発生させるシフト反応部25と、シフト反応部25から送られてきたガス中に残存するCOを低減させるCO選択酸化部26とを備えている。
【0022】
蒸発部22は、図示しないポンプから供給される改質用メタノールと水との混合溶液を気化させて混合気体とし、その混合気体を改質反応部24へ供給する。この蒸発部22は、改質用メタノールと水との混合溶液を気化させるのに必要な熱エネルギを加熱部23から受け取る。加熱部23は、図示しないポンプから供給される燃焼用メタノールを燃焼用エアコンプレッサ27から供給される燃焼用エアと共にバーナーで燃焼することにより生じる熱量で蒸発部22を加熱する。また、燃焼用エアコンプレッサ27は、開状態の燃焼用バルブ63を介して吸込口から外気を吸い込んだあと吐出口から加熱部23へ吐出可能なように配管されていると共に、燃料電池30のカソードオフガスを吸込口から吸い込んだあと吐出口から加熱部23へ吐出可能なように配管されている。なお、本実施形態で用いられる各バルブは、ソレノイドへの通電・遮電を制御することによって開閉が切り替わるソレノイドバルブである。また、加熱部23から排出される排ガスは、浄化処理されたあと外部へ排出される。
【0023】
改質反応部24は、蒸発部22から供給される改質用メタノールと水との混合気体と改質用エアコンプレッサ28から供給される改質用エアとを反応させ、その反応により生成したガスをシフト反応部25へ供給する。この改質反応部24では、吸熱反応である水蒸気改質反応(CHOH+HO→3H+CO)と発熱反応である部分酸化反応(CHOH+1/2O→2H+CO)とが併合して行われるが、生成するガスには水素、二酸化炭素のほかに一酸化炭素も含まれる。また、改質反応部24では、両反応の熱収支が合うように改質用メタノールや水、改質用エアが供給される。ここで、改質用エアコンプレッサ28は、吸込口から改質用エアを吸い込んだあと吐出口から改質反応部24へ供給するように配管されている。
【0024】
シフト反応部25は、改質反応部24から供給されるガス中の一酸化炭素と図示しないポンプから供給されるシフト反応用の水とを反応させ、反応後のガスをCO選択酸化部26へ供給する。このシフト反応部25ではシフト反応(CO+HO→H+CO)が行われて一酸化炭素から水素が発生するため、水素発生率が向上すると共に一酸化炭素が低減化される。このシフト反応後のガスには、水素、二酸化炭素のほかに数%オーダの一酸化炭素が含まれる。
【0025】
CO選択酸化部26は、シフト反応部25から供給されるガス中の一酸化炭素とCO選択酸化用エアコンプレッサ29から供給されるCO酸化用エアとを反応させ、反応後のガスを燃料電池30の燃料ガス通路35へ供給する。このCO選択酸化部26ではCO酸化反応(CO+1/2O→CO)が行われて一酸化炭素が二酸化炭素に変換されるため、一酸化炭素濃度が低減する。このCO酸化反応後のガスには、水素、二酸化炭素のほかに数ppmオーダの一酸化炭素が含まれる。ここで、CO選択酸化用エアコンプレッサ29は、吸込口からCO酸化用エアを吸い込んだあと吐出口からCO選択酸化部26へ供給するように配管されている。なお、一酸化炭素濃度をこのように低減させるのは、燃料電池30のアノード34に用いられる貴金属触媒のCO被毒を防ぎ、貴金属触媒上での水素のプロトン化を効率よく行うためである。
【0026】
燃料電池30(FCと略すこともある)は、湿潤状態でプロトン伝導性を有する固体電解質膜31をカソード32とアノード34とで挟み込み更にその両側を一対の緻密質カーボン製のセパレータ36,36で挟み込んで形成された単電池を複数積層した燃料電池スタックとして構成されている。なお、図1に示した燃料電池30は、便宜上、単電池の概略構成を表した。燃料電池30は、カソード側に空気(酸化ガス)が通過する酸化ガス通路33を有し、アノード側に改質装置21からの改質ガス(燃料ガス)が通過する燃料ガス通路35を有している。そして、アノード34では改質ガス中の水素がプロトンと電子に解離し、そのうちのプロトンが固体電解質膜31を伝導してカソード32に達すると共に電子が外部配線を通じてカソード32に達し、カソード32で圧縮空気中の酸素がアノード34からの電子によって酸素イオンとなり、その酸素イオンと固体電解質膜31を伝導してきたプロトンとによって水が生成する。このような電気化学反応により単電池のアノードとカソードとの間に起電力が生じる。
【0027】
酸化ガス通路33の入口には、FC用エアコンプレッサ37が吸込口から吸い込んで吐出口から吐出したFC用エアをFCエア用バルブ61及びガス流量計38を介して流入可能な配管が接続されているほか、これと並列に外部から臨時第1バルブ64及びガス流量計38を介して外気が流入可能な配管が接続されている。一方、酸化ガス通路33の出口には、排出用バルブ62を介して外部へカソードオフガスを放出可能な配管が接続されているほか、これと並列に臨時第2バルブ65及びドレーン39を介して燃焼用エアコンプレッサ27の吸込口へカソードオフガスを流入可能な配管が接続されている。ここで、ドレーン39は、燃料電池30での電気化学反応によりカソード側に発生した水分を含むカソードオフガスから水分を除去するものである。
【0028】
コントローラ40は、CPU42を中心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムや各種マップ等を記憶するROM44と、一時的にデータを記憶するRAM46と、図示しない入出力ポートとを備えている。このコントローラ40には、酸化ガス通路33へ流入する空気流量を表すガス流量計38からの検出信号や、図示しないアクセルペダルセンサからのアクセルペダル開度信号AP、図示しない車速センサからの車速信号V、駆動装置に含まれる電力変換装置やモータ等からの各種信号などが入力ポートを介して入力される。また、コントローラ40からは、各バルブ61〜65への開閉信号や各エアコンプレッサ27,28,29,37への回転数を制御する制御信号、駆動装置50に含まれる電力変換装置やモータへの制御信号などが出力ポートを介して出力される。
【0029】
次に、本実施形態の燃料電池システム20の動作について説明する。図2はコントローラ40のCPU42が実行する故障対応ルーチンを表すフローチャートであり、このルーチンは数msecごとにROM44から読み出され、繰り返し実行される。ところで、この故障対応ルーチンは、FC用エアコンプレッサ37から燃料電池30の酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときの対応処理に関するものであるが、酸化ガスが正常に供給されているときには、各バルブ61〜65を図3のテーブルの通常状態に設定している。即ち、FC用バルブ61、排出用バルブ62及び燃焼用バルブ63を開放し、臨時第1バルブ64及び臨時第2バルブ65を閉鎖している。このため、FC用エアコンプレッサ37が吸込口から外気を吸い込んだあと吐出口から吐出した圧縮空気がFC用バルブ61を介して酸化ガス通路33の入口に供給され、酸化ガス通路33の出口から排出されたカソードオフガスは排出用バルブ62を介して外部へ排出される。また、通常の車両走行運転時には、車速信号Vやアクセルペダル開度信号APからROM44に記憶されている図示しないマップに基づいて駆動輪54,54に要求される動力を算出し、その動力に見合った電力を燃料電池30が発電するよう酸化ガス通路33へ流入させる空気の流量(目標空気流量Qa*)や燃料ガス通路35へ流入させる改質装置21からの改質ガスの流量(目標改質ガス流量Qr*)を算出し、実際の空気流量Qaが目標空気流量Qa*となるようFC用エアコンプレッサ37を制御すると共に改質装置21からの実際の改質ガス流量Qrが目標改質ガス流量Qr*となるよう改質装置21の各エアコンプレッサ27,28,29等を制御している。これと共に、予めROM44に記憶された燃料電池30のIV特性を用いて今回燃料電池30に要求された電力を発生するのに最適な運転ポイント(電流電圧値)を求め、その運転ポイントとなるよう駆動装置50の図示しない電力変換装置を制御して要求動力が駆動輪54,54に出力されるように制御している。
【0030】
さて、図2の故障判定ルーチンの処理が開始されると、コントローラ40のCPU42は、まずフェイルフラグのオンオフ状態を判定する(ステップS100)。このフェイルフラグは、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されているときにはオフ、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときにはオンにセットされるフラグであり、RAM46の所定領域に記憶される。ステップS100でフェイルフラグがオフだったときには、酸化ガス通路33へ供給すべき目標空気流量Qa*を読み込み(ステップS110)、続いてガス流量計38からの検出信号から酸化ガス通路33へ流入する実際の空気流量Qaを読み込み(ステップS120)、実際の空気流量Qaが目標空気流量Qa*に応じて決まる閾値より大きいか否かを判定する(ステップS130)。ここでは、閾値は、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されているときには取り得ない小さな値を算出する関数f(x)を予め設定しておき、この関数f(x)に目標空気流量Qa*を代入したときのf(Qa*)とした。
【0031】
そして、ステップS130で実際の空気流量Qaが閾値より大きいときには、FC用エアコンプレッサ27から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されているとみなし、RAM46の所定領域に設けられたフェイルカウンタの値をゼロにリセットし(ステップS140)、このルーチンを終了する。ここで、フェイルカウンタは、ステップS130で実際の空気流量Qaが閾値以下であるとの判定が何回連続して行われたかを示すカウンタである。一方、ステップS130で実際の空気流量Qaが閾値以下のときには、RAM46の所定領域に設けられたフェイルカウンタの値を1インクリメントする(ステップS140)。
【0032】
続いてフェイルカウンタの値が所定値n(nは2以上の整数)に達したか否かを判定し(ステップS150)、フェイルカウンタの値が所定値nに達していないときには、このルーチンを終了する。一方、ステップS150でフェイルカウンタの値が所定値nに達したときには、実際の空気流量Qaが閾値以下であるとの判定がn回連続して行われたことになるため、ノイズや急加速による応答遅れ等により実際の空気流量Qaがたまたま閾値以下になったのではなくFC用エアコンプレッサ37の故障等が原因であるとみなし、フェイルフラグをオンにする(ステップS160)。なお、所定値nはノイズや応答遅れ等の原因によりステップS130で実際の空気流量Qaが閾値以下であると連続して何回判定されるかを経験的に求めておき、その経験に基づいて設定すればよい。その後、各バルブ61〜65を図3のテーブルの臨時状態に設定し(ステップS170)、このルーチンを終了する。これにより、FC用バルブ61、排出用バルブ62及び燃焼用バルブ63は閉鎖され臨時第1バルブ64及び臨時第2バルブ65は開放されるので、燃焼用エアコンプレッサ27が酸化ガス通路33へ空気を通過させることができる。具体的には、燃焼用エアコンプレッサ27は外部から臨時第1バルブ64、ガス流量計38、酸化ガス通路33及び臨時第2バルブ65を介して吸込口から空気を吸い込んで吐出口から加熱部23へ吐出するため、酸化ガス通路33には外気が通過することになり、燃料電池30は発電し続けることができる。
【0033】
さて、ステップS100でフェイルフラグがオンであったときには、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないため、コントローラ40のCPU42は故障時運転モードに従って燃料電池30の運転制御を実行し(ステップS180)、この故障対応ルーチンを終了する。ここで、故障時運転モードとは、車速信号Vやアクセルペダル開度信号APに基づいて駆動輪54,54に要求される動力を算出しその動力に見合った電力を燃料電池30が発電するように燃料電池30を運転制御するのではなく、実際に酸化ガス通路33へ流入する空気流量Qaに基づいて燃料電池30を運転制御するモードである。例えば、酸素と水素との電気化学反応の化学量論値から空気流量Qaに対応する目標改質ガス流量Qr*を求め、その目標改質ガス流量Qr*となるよう改質装置21の各エアコンプレッサ27,28,29等を制御する。
【0034】
以上詳述した本実施形態によれば、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときには、FC用エアコンプレッサ37に代わって燃焼用エアコンプレッサ27が燃料電池30の酸化ガス通路33へ空気を通過させるため、FC用エアコンプレッサ37の予備をわざわざ持つことなくその対処を行うことが可能になり、燃料電池30は発電し続けることができる。これにより、車両10の動力源として燃料電池30しか利用できない場合であっても、車両10を修理工場まで運んだりすることができる。
【0035】
また、上述した実施形態では、FC用エアコンプレッサ37が自ら故障した場合のほか、FC用エアコンプレッサ37は正常であるにもかかわらず酸化ガス通路33へ至る経路が破損して空気流量Qaが閾値以下になった場合であっても、フェイルフラグがオンになるため故障対応がなされる。
【0036】
更に、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときには、燃料電池30の酸化ガス通路33の入口と出口との間で生じる圧力損失により燃焼用エアコンプレッサ27は十分な量の空気を吸い込みにくいため、酸化ガス通路33に十分な量の空気が通過しにくく、燃料電池30は十分に発電しにくい。このようなときには、車両10の運転者は、アクセルペダルを踏み込んでも十分加速しないことから何らかの不具合が発生したと気づきやすい。
【0037】
更にまた、燃焼用エアコンプレッサ27の吸込口と燃料電池30の酸化ガス通路33の出口とを連通する配管の途中にカソードオフガスに含まれる水分を除去するドレーン39が配置されているため、燃焼用エアコンプレッサ27の吸込口から吸い込まれるカソードオフガスは水分が除去され、加熱部23において水分不具合が生じるという事態を招くことがない。
【0038】
そして、前述したように酸化ガス通路33に十分な量の空気が通過しにくいが、故障時運転モードではその空気流量に見合っただけの改質ガスを生成し燃料ガス通路35に供給するため、無駄な改質ガスを生成することがないし、燃料電池30も保護される。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときには、改質用メタノールを燃焼熱により気化させる加熱部23へ燃焼用エアを供給する燃焼用エアコンプレッサ27が酸化ガス通路33へ空気を通過させるようにしたが、改質反応部24の周囲を燃焼熱により加熱する加熱部へ燃焼用エアを供給する燃焼用エアコンプレッサを搭載している場合にはその燃焼用エアコンプレッサが酸化ガス通路33へ空気を通過させるようにしてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されていないときには、燃焼用エアコンプレッサ27に酸化ガス通路33へ空気を通過させるようにしたが、改質用エアコンプレッサ28又はCO酸化用エアコンプレッサ29が酸化ガス通路33へ空気を通過させるようにしてもよい。例えば、改質用エアコンプレッサ28を利用する場合には、図4に示すように、改質用エアコンプレッサ28の吸込口側に改質用バルブ66を配置し、酸化ガス通路33の出口には、排出用バルブ62を介して外部へカソードオフガスを放出可能な配管を接続するほか、これと並列に臨時バルブ67及びドレーン69を介して燃焼用エアコンプレッサ27の吸込口へカソードオフガスを流入可能な配管を接続する。そして、通常状態ではFC用バルブ61、排出用バルブ62及び改質用バルブ66を開放し臨時第1バルブ64及び臨時バルブ67を閉鎖してFC用エアコンプレッサ37が吸込口から吸い込んだ空気を吐出口から酸化ガス通路33へ供給するようにし、臨時状態ではFC用バルブ61、排出用バルブ62及び改質用バルブ66を閉鎖し臨時第1バルブ64及び臨時バルブ67を開放して改質用エアコンプレッサ28が酸化ガス通路33を介して外部の空気を吸い込むようにする。この場合も、上述した実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。ただし、燃焼用エアコンプレッサ27は通常、改質用エアコンプレッサ28やCO酸化用エアコンプレッサ29に比べて容量が大きく改質装置21から生成するガスの量や組成に与える影響も少ないため、これら3台のエアコンプレッサのうちでは燃焼用エアコンプレッサ27が適しているといえる。
【0042】
更に、上述した実施形態では、燃焼用エアコンプレッサ27が吸込口から外部の空気を酸化ガス通路33を介して吸い込んで吐出口から加熱部23へ供給可能な状態を臨時状態としたが、燃焼用エアコンプレッサ27が吸込口から外部の空気を吸い込んで吐出口から加熱部23及び酸化ガス通路33の両方へ供給可能な状態を臨時状態としてもよい。具体的には、図5に示すように、第1実施形態の外部と酸化ガス通路33の入口とを接続する配管、酸化ガス通路33の出口と燃焼用エアコンプレッサ27の吸込口とを接続する配管及びそれに付随するバルブ64,65をなくし、その代わりに燃焼用エアコンプレッサ27の吐出口と酸化ガス通路33の入口側(FC用バルブ61とガス流量計38との中間)とを接続する配管を設けてその配管途中に臨時バルブ68を配置する。そして、通常状態ではFC用バルブ61を開放し臨時バルブ68を閉鎖してFC用エアコンプレッサ37が吸込口から吸い込んだ空気を吐出口から酸化ガス通路33へ供給するようにし、臨時状態ではFC用バルブ61を閉鎖し臨時バルブ68を開放して燃焼用エアコンプレッサ27が吸込口から吸い込んだ空気を吐出口から加熱部23及び酸化ガス通路33の両方へ供給するようにする。こうすれば、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されなくなったとしても、燃焼用エアコンプレッサ27の吐出口から吐出される圧縮空気の一部が酸化ガス通路33へ供給されるため、酸化ガス通路33に十分な量の空気を通過させることが可能となる。ただし、この場合には、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33の入口に至るまでの経路が破損しているときには、その破損部から空気が抜けてしまい、対処できないこともある。これに対して上述した実施形態では、そのようなときにも対処できる点で有利である。
【0043】
更にまた、上述した実施形態では、故障対応ルーチンにおけるステップS180で故障時運転モードで燃料電池30を運転制御したが、ステップS180では故障時運転モードではなく通常時運転モードで燃料電池30を運転制御してもよい。つまり、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されなくなったあとも、車速信号Vやアクセルペダル開度信号APに基づいて駆動輪54,54に要求される動力を算出しその動力に見合った電力を燃料電池30が発電するように燃料電池30を運転制御してもよい。特に、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ正常に酸化ガスを供給できなくなったあとも十分な量の空気を酸化ガス通路33に通過させることができる場合には、燃料電池30は要求電力に応じて発電することが可能なため、ステップS180で通常時運転モードで燃料電池30を運転制御してもよい。
【0044】
そしてまた、上述した実施形態では、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されているか否かの判定は、酸化ガス通路33に流入する空気流量Qaが閾値より大きいか否かにより行うこととし、閾値として関数f(Qa*)を用いたが、閾値として関数ではなく一定値を用いてもよい。このときの一定値はFC用エアコンプレッサ37が正常なときには取り得ない小さな値に設定すればよい。また、FC用エアコンプレッサ37から酸化ガス通路33へ酸化ガスが正常に供給されているか否かの判定は、FC用エアコンプレッサ37の回転数に基づいて行ってもよいし、FC用エアコンプレッサ37の温度(過熱か否か)に基づいて行ってもよい。ただし、空気流量QaはFC用エアコンプレッサ37が故障しているときだけでなくFC用エアコンプレッサ37が正常でも酸化ガス通路33の入口に至るまでの経路が破損しているときにも閾値以下となるため、空気流量Qaに基づいて判定するのが好ましい。
【0045】
そしてまた、上述した実施形態では、燃料電池システム20を搭載した車両10について説明したが、車両以外に航空機や船舶、鉄道などの輸送機にこの燃料電池システム20を搭載してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の燃料電池システム搭載車両の概略構成を表すブロック図。
【図2】故障対応ルーチンのフローチャート。
【図3】通常状態と臨時状態のバルブ開閉状態を表すテーブル。
【図4】他の実施形態の燃料電池システム搭載車両の概略構成を表すブロック図。
【図5】他の実施形態の燃料電池システム搭載車両の概略構成を表すブロック図。
【符号の説明】
10 車両、20 燃料電池システム、21 改質装置、22 蒸発部、23 加熱部、24 改質反応部、25 シフト反応部、26 CO選択酸化部、27燃焼用エアコンプレッサ、28 改質用エアコンプレッサ、29 CO酸化用エアコンプレッサ、30 燃料電池、31 固体電解質膜、32 カソード、33 酸化ガス通路、34 アノード、35 燃料ガス通路、36 セパレータ、37 FC用エアコンプレッサ、38 ガス流量計、39 ドレーン、40 コントローラ、50 駆動装置、52 減速ギヤ、54 駆動輪、61 FC用バルブ、62 排出用バルブ、63 燃焼用バルブ、64 臨時第1バルブ、65臨時第2バルブ、66 改質用バルブ、67 臨時バルブ、68 臨時バルブ、69 ドレーン、AP アクセルペダル開度信号、V 車速信号。

Claims (11)

  1. カソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給する第1酸化ガス供給手段と、
    前記燃料電池以外の酸化ガスを要するシステム搭載機器へ酸化ガスを供給する第2酸化ガス供給手段と、
    前記第1酸化ガス供給手段が前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給するのを許容する通常状態と前記第2酸化ガス供給手段が前記酸化ガス通路へ酸化ガスを通過させるのを許容する臨時状態とを切り替える切替手段と、
    前記切替手段により前記通常状態に設定されているときに前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないと判定されたとき、前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替える切替制御手段と
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記第1酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記酸化ガス通路の入口へ供給し、
    前記第2酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給し、
    前記臨時状態は、前記第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を前記酸化ガス通路を介して吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給可能な状態である
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記切替手段は、前記第1酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第1開閉弁と、前記酸化ガス通路の出口とカソードオフガスを排出する外部とを接続する配管の途中に設けられた第2開閉弁と、酸化ガスとしての空気を導入する外部と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口とを接続する配管の途中に設けられた第3開閉弁と、酸化ガスとしての空気を導入する外部と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第4開閉弁と、前記酸化ガス通路の出口と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口とを接続する配管の途中に設けられた第5開閉弁とを備え、第1,第2及び第3開閉弁を開き第4及び第5開閉弁を閉じた状態の前記通常状態と第1,第2及び第3開閉弁を閉じ第4及び第5開閉弁を開いた状態の前記臨時状態とを切り替える
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 請求項2又は3に記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化ガス通路の出口と前記第2酸化ガス供給手段の吸込口との間に設けられ、前記酸化ガス通路の出口から排出されるカソードオフガスに含まれる水分を除去する水分除去手段
    を備えた燃料電池システム。
  5. 前記第1酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記酸化ガス通路の入口へ供給し、
    前記第2酸化ガス供給手段は、吸込口から酸化ガスとして外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器へ供給し、
    前記臨時状態は、前記第2酸化ガス供給手段が吸込口から外部の空気を吸い込んで吐出口から前記システム搭載機器及び前記酸化ガス通路の両方へ供給可能な状態である
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記切替手段は、前記第1酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する途中に設けられた第1開閉弁と、前記第2酸化ガス供給手段の吐出口と前記酸化ガス通路の入口とを接続する配管の途中に設けられた第2開閉弁とを備え、前記第1開閉弁を開き前記第2開閉弁を閉じた状態の前記通常状態と前記第1開閉弁を閉じ前記第2開閉弁を開いた状態の前記臨時状態とを切り替える
    請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記システム搭載機器は、炭化水素系燃料を改質して燃料ガスとしての水素リッチなガスを生成する改質反応部を燃焼熱により加熱するか又は前記改質反応部へ供給される前記炭化水素系燃料を燃焼熱により気化させる加熱器であり、
    前記第2酸化ガス供給手段は、前記加熱器に燃焼用の酸化ガスを供給する
    請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記システム搭載機器は、炭化水素系燃料を改質反応で改質して得られるガスからCO酸化反応でCOを低減化して燃料ガスを生成する改質装置であり、
    前記第2酸化ガス供給手段は、前記改質反応又は前記CO酸化反応で使用される酸化ガスを供給する
    請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記切替制御手段が前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替えたあと、前記酸化ガス通路を通過する酸化ガスの流量に基づいて前記燃料電池の運転を制御する運転制御手段
    を備えた燃料電池システム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池システムを搭載した車両。
  11. カソード側に設けられた酸化ガス通路を通過する酸化ガス中の酸素とアノード側に設けられた燃料ガス通路を通過する燃料ガス中の水素との電気化学反応により発電する燃料電池と、前記酸化ガス通路へ酸化ガスを供給する第1酸化ガス供給手段と、前記燃料電池以外の酸化ガスを要するシステム搭載機器へ酸化ガスを供給する第2酸化ガス供給手段と、前記第1酸化ガス供給手段が酸化ガスを前記酸化ガス通路に供給するのを許容する通常状態と前記第2酸化ガス供給手段が酸化ガスを前記酸化ガス通路に通過させるのを許容する臨時状態とを切り替える切替手段とを備えた燃料電池システムをコンピュータが制御する燃料電池システムの制御方法であって、
    (a)前記切替手段により前記通常状態に設定されているときに、前記コンピュータが前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されているか否かを判定する判定ステップと、
    (b)前記判定ステップで前記第1酸化ガス供給手段から前記酸化ガス通路へ酸化ガスが正常に供給されていないと判定されたとき、前記コンピュータが前記切替手段を前記通常状態から前記臨時状態に切り替える切替制御ステップと
    を含む燃料電池システムの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009238618A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Casio Comput Co Ltd 発電システム及び発電システムの停止方法

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