JP2004309698A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置であって、上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間Treを設け、それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間Tprを設けた構成の画像表示装置およびその駆動方法とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は画像表示装置に係り、特に有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置に好適な、高画質の画像表示装置とその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光素子をマトリックス状に配置して構成されるディスプレイが開発されている。この様なディスプレイに使用されている発光素子として、例えば有機材料を発光層として用いた有機EL素子がある。有機EL素子は、基本的に陰極電極と陽極電極と、この電極に挟まれた少なくとも1層以上の有機材料で構成された発光層で構成されている。また、この有機EL素子を用いたディスプレイの駆動方法として、単純マトリックス方式が知られている。
【0003】
この単純マトリクス方式は、マトリック状に配置したデータ電極D1−Dmと走査電極S1〜Smの各交点に有機EL素子を配置して、この素子の陰極を走査電極に、陽極をデータ電極に接続する。そして走査電極を一定時間間隔で走査駆動し、これに同期してデータ電極を駆動することによって、任意の有機EL素子を選択的に発光させる。この時、走査電極の駆動周期は人間の目が明滅を分別できる周期以上にする。この事により各交点の有機EL素子が連続に発光しているかの様に認識させ、画像の表示を可能とする。この時の画像の輝度は走査駆動時に有機EL素子が発する光を時間平均したものになる。従って、通常マトリクス表示装置の発光輝度は、駆動時の発光輝度を走査電極数で割った値以下になる。
【0004】
従来、この様な単純マトリックス駆動を行うと有機EL素子が有する容量成分により点灯する素子にかかる電圧が高速に立ち上がらないという問題点が知られており、これを解決する方法として特開平9−232074号公報に開示されている駆動方法が提案されている。これは走査電極を走査駆動させる一定時間毎に素子の陰極並びに陽極を同一のリセット電圧に接続することにより、容量成分に蓄積された電荷を放電させて上記問題点を解決しようとするものである。
【0005】
ところが、このような駆動方式には以下のような問題点がある事が判っている。この問題点を図1〜図5を用いて説明する。その全体の流れは第1に走査電極S3が走査駆動されている状態から第2に放電動作を行い、第3に走査電極S1の走査駆動を行うものである。
【0006】
図2は、画像表示装置の一形態である表示パネルの3×4ドット領域を、単純マトリックス駆動により駆動する際の第1の状態を示した模式図である。なお駆動対象の有機EL素子はダイオードの記号により表し、それ以外の有機EL素子はコンデンサの記号により表している。また、各素子の近傍には、その両端の電圧が示してある。この第1の状態では、走査電極S3が選択されている走査期間であり、全てのデータ線が駆動されている。この時の各有機EL素子の両電極の電位は、図中にVf、Vc並びに0で示される。ここで、0はGND電位、Vcはパネルに供給される電源電圧、Vfは有機EL素子を所望の瞬時輝度で発光させるのに必要な電圧である。このVf電位は、データ線を駆動する定電流源から流れるIfと、有機EL素子のI−V特性から決定される。この状態で、選択された走査電極S3に接続されている有機EL素子は、順方向にVfの電圧が印加されて発光を行っている。一方、他の走査線に接続されている有機EL素子は、逆バイアスの電圧が印加されており、その電圧はVc−Vfとなる。
【0007】
次に、図3に示す第2の状態の放電動作を、所定のリセット期間だけ行う。この例ではリセット電圧としてGND電位を使用しており、走査電極並びにデータ電極をすべてGND電位に接続している。このリセット操作により、直前に走査された走査電極S3に接続されている有機EL素子と、それ以外の走査電極に接続されている有機EL素子に蓄積されていた電荷が放電される。
【0008】
このリセットに要される時間は
(全ての有機EL素子に蓄積された電荷量)/(電位を選択するスイッチが流せる電流値)
で決定される。ここで、電位を選択するスイッチ素子は、通常バイポーラー、FET等のトランジスタで構成され、このようなトランジスタは経済的でもある。一般に用いられるトランジスタのI−V特性は、図9で表せる特性を有するものが多い。この場合、スイッチで流せる電流量は、図中の飽和電流Icを用いても16階調を実現できるようにする必要がある。
【0009】
次に、図4および図5に示すように、第3の状態として、次の走査期間での駆動を行う。ここでは、駆動される素子が極端に多い場合と少ない場合について考察する。ここで、図4は選択される走査線に接続されている有機EL素子の内、駆動される素子が支配的な場合、図5は駆動されない素子が支配的な場合を示している。
【0010】
まず、図4に示す場合について説明する。今リセット期間が終了した後、S1の走査電極を選択し、その他の走査電極をVcに接続すると同時にデータ線の殆どを有機EL素子を駆動するために定電流源に接続する。この時リセット期間で蓄積電荷が0になった素子は充電を開始し、その充電電流の向きは図中の矢印で示すように走査電極→EL素子の寄生容量→データ電極になる。
【0011】
ここで、データ電極の端はスイッチにより定電流源に接続されているため、データ電極の充電電流の向きがデータ電極の極性と逆になり、結局選択された走査電極に接続された有機EL素子を通してGNDに流れ込む。この時の選択されている有機EL素子のインピーダンスの総和は、そのI−V特性並びに画素サイズより、非選択状態の走査電極が接続されているスイッチ素子のインピーダンスの総和より通常十分高い。そのため、全ての電極は一旦Vc電位に近づき、充電が進むにつれデータ電極がVfに低下して行く。この電位の時間変化は図1のD1(a)に示すオーバーシュートOsとして表される。
【0012】
このオーバーシュートが発生すると、選択された有機EL素子に流れ込む電流が大きくなる。このため、瞬時輝度が設定値以上となってしまい、予め設定された輝度より明るく認識されることになる。この瞬時輝度が設定値より大きくなる程度は、データ線をGNDに接続している選択スイッチのインピーダンスの総和と、非選択状態の走査電極が接続されている選択スイッチのインピーダンスの総和と、選択EL素子のインピーダンスおよび寄生容量の総和とで決定される。つまり、選択されている有機EL素子の数で変化する。なお、選択されている有機EL素子のインピーダンスの総和は、そのI−V特性並びに画素サイズ(面積)より決定される。
【0013】
次に、図5の場合について説明する。今リセット期間が終了した後、S1の走査電極を選択し、その他の走査電極をVcに接続すると同時にデータ線の一部を有機EL素子を駆動するために定電流源に接続する。この時リセット期間で蓄積電荷が0になった素子は充電を開始し、その充電電流の向きは図中の矢印で示すように走査電極→EL素子の寄生容量→データ電極になる。ここで、データ電極の端はスイッチによりGND電位に接続されているので電流はGNDに流れ込む。
【0014】
この時、データ電極をGNDに接続しているデータ電極側スイッチ素子のインピーダンスの総和が、非選択状態の走査電極が接続されている走査電極側スイッチ素子のインピーダンスの総和より十分低いと、全ての走査電極は一旦GND電位に近づき、充電が進むに連れ非選択走査電極の電圧がVcに上昇して行く。この電位の時間変化は図1のD1(a)に示すアンダーシュートUsとして表される。
【0015】
このアンダーシュートが発生すると選択されているデータ電極に接続されている定電流源から流れ込むIfは他の非選択の有機EL素子の寄生容量の充電にも消費されてしまうためロスが生じ、瞬時輝度は設定値以下になってしまい設定以下に暗く認識されてしまう。この瞬時輝度が設定値より小さくなる程度は、データ線をGNDに接続している選択スイッチのインピーダンスの総和と、非選択状態の走査電極が接続されている選択スイッチのインピーダンスの総和と、非選択EL素子のインピーダンスおよび寄生容量の総和とで決定される。つまり選択されていない有機EL素子の数で変化する。
【0016】
以上のように、特開平9−232074号公報に開示されている駆動方法を用いた場合、オーバーシュートまたはアンダーシュートが発生してしまい所望の発光輝度に対して誤差が生じる。この現象により著しい画質の劣化が引き起こされる。さらに、このオーバーシュートまたはアンダーシュートは、リセット期間後に選択される有機EL素子の数により、オーバーシュートとなるかアンダーシュートとなるかが決められ、またその誤差の大きさが変化する。
【0017】
ところで、特開2000−66639号公報(以下特許文献2)には、任意の走査線を走査する走査期間が終了し次の走査線の走査が開始するまでのリセット期間において、すべての前記走査線に第1のリセット電圧が付与されるとともにすべての前記ドライブ線に前記第1のリセット電圧よりも大なる第2のリセット電圧が付与される駆動方法が記載されている。しかし、これらの文献の実施例において、プリセット期間の直前にリセット期間を設けていない。この様な駆動にした場合は逆バイアスがチャージされている有機EL素子の寄生容量の放電にも走査電極をVcに接続しているトランジスタのIcを介して行われる。このため所望の時間でプリセットを終了させようとするとトランジスタのIcを十分大きくしなければならず不経済である。
【0018】
特開2000−305521号公報(以下特許文献3)には、第1の陰電極に設けられた第1の発光素子の次に第2の陰電極に設けられた第2の発光素子に発光可能なように電流を流す時に、前記発光素子に蓄積された電荷を所定の期間で取り除いた後に前記第2の発光素子に電流を流す表示装置の駆動方法であって、発光素子が電荷を蓄積していないか、もしくはほとんど電荷を蓄積していない時の前記第2の発光素子の輝度をLeとし、Lp=A×Le(Aは0.9〜0.95)の関係を満たす発光輝度Lpに対応する放電期間をTxとし、実際に放電する放電期間をRtとすると、Tx<Rtの関係を満たすように、放電期間Rtを設定する事を特徴とする表示装置の駆動方法が記載されている。
【0019】
この特許文献3で開示されている実施例は、あくまでも上記特開平9−232074号公報のリセット時間を輝度、並びに立ち上がり時間の範囲で規定したものである。
【0020】
特開2001−236039号公報(以下特許文献4)には、複数の走査電極に順次に走査選択パルスを印加すると共に該走査選択パルスに同期して前記複数のデータ電極に所望の定電流パルスを供給することにより各有機EL素子を所望輝度で発光させ、かつ前記走査選択パルスを次の走査電極へ切り換える期間に、すべてのデータ電極を所定の時定数を有する時定数回路に接続し、前記データ電極に蓄積されている電荷を放電させることを特徴とする有機ELディスプレイの駆動方法が記載されている。つまり、データ電極並びに選択スイッチの外側に時定数回路を設けこの時定数回路を用いてプリセットを行っている。しかし、この文献ではリセットとプリセットを組み合わせてはいない。このため所望の時間でプリセットを終了させようとするとトランジスタのIcを十分大きくしなければならず不経済である。
【0021】
特開平8−305318号公報(以下特許文献5)では、データ書き込み前に基準電圧にプリチャージする手法が開示されている。これは、全てのデータ電極において行われる。この場合、次回に選択される走査線に接続されている有機EL素子は一旦逆バイアスに充電され、走査期間中に0電位に放電されるか、またはVfに逆充電されることになる。これは消費電力の上昇をもたらすので望ましくない。また走査電極の電位を選択する機能に3つの状態を持たせる事になり、素子が高価になって不経済である。
【0022】
【特許文献1】
特開平9−232074号公報
【特許文献2】
特開2000−66639号公報
【特許文献3】
特開2000−305521号公報
【特許文献4】
特開2001−236039号公報
【特許文献5】
特開平8−305318号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、選択される素子の数の変化で発生するオーバーシュート並びにアンダーシュートを低減し、表示される画質を改善した画像表示装置およびその駆動方法を実現することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の画像表示装置では、下記の如く構成される。
(1) 複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、前記走査電極を少なくとも選択状態となる第1の電位と非選択状態となる第2の電位のいずれかに接続する走査電極側スイッチと、前記データ電極に少なくとも所定の定電流を供給する定電流源と非動作状態とする第1の電位とのいずれかに接続するデータ電極側スイッチとを有すると共に、
上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置であって、
上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間を設け、
それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設けた画像表示装置。
(2) 前記プリセット期間により、次の走査期間中に選択されたデータ電極の電位が規定の電圧より上下に10%以上オーバーシュートまたはアンダーシュートすることを抑制する上記(1)の画像表示装置。
(3) 前記プリセット時間の時間幅を調整することにより、オーバーシュートまたはアンダーシュートを10%以内とする上記(2)の画像表示装置。
(4) 前記プリセット時間の時間幅を温度に依存して調整する上記(3)の画像表示装置。
(5) 前記プリセット時間の時間幅を次に選択駆動される薄膜表示素子の数に応じて調整する上記(3)の画像表示装置。
(6) 複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、前記走査電極を少なくとも選択状態となる第1の電位と非選択状態となる第2の電位のいずれかに接続する走査電極側スイッチと、前記データ電極に少なくとも所定の定電流を供給する定電流源と非動作状態とする第1の電位とのいずれかに接続するデータ電極側スイッチとを有すると共に、
上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置の駆動方法であって、
上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間を設け、
それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設け、
その後画像信号を供給する画像表示装置の駆動方法。
【0025】
なお、リセット期間、プリセット期間について規定した先行技術も上記の通り、幾つか見られるが、これらの文献に開示されている技術は以下のように本発明とは異なったものである。
【0026】
特開2000−66639号公報(以下特許文献2)
この特許文献2の実施例において、プリセット期間の直前にリセット期間を設けていない。この様な駆動にした場合は逆バイアスがチャージされている有機EL素子の寄生容量の放電にも走査電極をVcに接続しているトランジスタのIcを介して行われる。このため所望の時間でプリセットを終了させようとするとトランジスタのIcを十分大きくしなければならず不経済である。
【0027】
一方、この出願の発明は、一度リセット期間を設け、走査電極をGNDに接続されたトランジスタのIcを介して放電を行ってから走査電極をVcに接続しているトランジスタのIcを介して行う。走査電極をGNDに接続されたトランジスタのIcは走査選択期間中に接続されている有機EL素子に流れる全てのIFを流す事が出来るように十分大きく設計されている。これをリセット期間の放電にも利用する事で高速な放電を行い、つづくプリセット期間に走査電極をVcに接続しているトランジスタのIcを介して行っても十分に短い時間でのプリセットが経済的に行うことができる。またプリセット自体はVc電位を利用しているため新たに電源を用意する必要が無く容易に実施できる。
【0028】
特開2000−305521号公報(以下特許文献3)
この特許文献3で開示されている実施例は、あくまでも上記特開平9−232074号公報のリセット時間を輝度、並びに立ち上がり時間の範囲で規定したものである。一方、この出願の発明ではリセット時間と、それに続くプリセット時間を用いて画質の向上を目指すものであり、手段が異なる。また、この出願の発明においてはリセット時間の決定には必ずしも輝度、並びに立ち上がり時間の測定は必要ない。
【0029】
特開2001−236039号公報(以下特許文献4)
特許文献4ではデータ電極並びに選択スイッチの外側に時定数回路を設けこの時定数回路を用いてプリセットを行っている。一方、本願では有機EL素子の寄生容量と選択スイッチの駆動電流量によってプリセットを行っている。従って公知例と本願はまったく別の構成である。また、この出願の発明においてはリセット期間を設けた後にプリセットを行っているが特許文献4では行っていない。リセット後にプリセット後を行う事の有用性は下記に示す通りである。
【0030】
特開平8−305318号公報(以下特許文献5)
この文献では、データ書き込み前に基準電圧にプリチャージする手法が開示されている。これは、全てのデータ電極において行われる。この場合、次回に選択される走査線に接続されている有機EL素子は一旦逆バイアスに充電され、走査期間中に0電位に放電されるか、またはVfに逆充電されることになる。これは消費電力の上昇をもたらすので望ましくない。また走査電極の電位を選択する機能に3つの状態を持たせる事になり、素子が高価になって不経済である。
【0031】
一方、この出願の発明では、次回選択される走査線とそれ以外の走査線とを異なる電位に接続してプレチャージを行っている。この様な駆動を行い問題を解決しているのは、有機EL素子の様な薄膜発光表示素子を用いたマトリックス駆動を行う表示装置を対象にしているためである。一方、特許文献5は主に電界放出デバイス表示装置に係わるため、プリチャージ中に行電圧源の電位を選択的に異ならせる事についての開示はない。またオーバーシュート並びにアンダーシュートの量をどれだけ抑えれば問題ない画質が実現できるかの検討もなされていない。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の画像表示装置は、複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、前記走査電極を少なくとも選択状態となる第1の電位と非選択状態となる第2の電位のいずれかに接続する走査電極側スイッチと、前記データ電極に少なくとも所定の定電流を供給する定電流源と非動作状態とする第1の電位とのいずれかに接続するデータ電極側スイッチとを有すると共に、上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置であって、上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間を設け、それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設けたものである。
【0033】
このように、リセット期間を有する単純マトリクス装置のパッシブ駆動において、次のデータ書き込み前に次回走査期間中に選択される走査電極を選択状態となる第1の電位に、その他の走査電極を非選択状態となる第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設けることで、データ電極駆動信号に生じるオーバシュート、アンダーシュートを効果的に抑制することができる。
【0034】
次に図を参照しつつ本発明の表示装置およびその駆動方法について説明する。
【0035】
図2は、画像表示装置の一形態である表示パネルの3×4ドット領域を、単純マトリックス駆動により駆動する際の第1の状態を示した模式図である。なお、図2,3は上記従来技術で説明した内容と同様であるため、説明を簡略にする。この第1の状態では、電極S3が選択されている走査期間であり、全てのデータ線が駆動されている。この時の各有機EL素子の両電極の電位は、図中にVf、Vc並びに0で示される。この状態で、選択された走査電極S3に接続されている有機EL素子は、順方向にVfの電圧が印加されて発光を行っている。一方、他の走査電極に接続されている有機EL素子は、逆バイアスの電圧が印加されており、その電圧はVc−Vfとなる。
【0036】
次に、図3に示す第2の状態の放電動作を、所定のリセット期間だけ行う。この例ではリセット電圧としてGND電位を使用しており、走査電極並びにデータ電極をすべてGND電位に接続している。このリセット操作により、直前に走査された走査電極S3に接続されている有機EL素子と、それ以外の走査電極に接続されている有機EL素子に蓄積されていた電荷が放電される。
【0037】
このリセットに要される時間は
(全ての有機EL素子に蓄積された電荷量)/(電位を選択するスイッチが流せる電流値)
で決定される。
【0038】
次に、図6に示すように、プリセット動作を行う。この例では、次回走査期間中に選択される走査電極S1を選択状態となる第1の電位つまりGNDに、その他の走査電極S2−3を非選択状態となる第2の電位Vcに接続する。また、同時にデータ電極D1−D4をすべて第1の電位つまりGNDに接続する。このとき、選択予定の走査電極に接続されている有機EL素子EL(1,1)〜EL(1,4)は、依然としてGND電位のままであるが、それ以外の非選択走査電極に接続されているEL素子には充電電流が流れ、電圧Vcに達するまで充電されようとし、素子の両端電圧は走査電極側がVc、データ電極側がVc−V’となる。
【0039】
ここで、電圧V’はプリセットにより有機EL素子に蓄積された電圧であり、有機EL素子の寄生容量C、走査電極をVcに接続するスイッチ素子(トランジスタ)の特性で決まる被制御電流(Ic)、並びにプリセット時間Tpreで決定される。すなわち、
V’=Ic×Tpre/C
と表される。
【0040】
次に、図7および図8に示すように、第3の状態として、次の走査期間での駆動を行う。ここでは、オーバーシュート、アンダーシュートの発生と、その抑制メカニズムを解りやすくするために、駆動される素子が極端に多い場合と少ない場合について説明する。ここで、図7は選択される走査線に接続されている有機EL素子の内、駆動される素子が支配的な場合、図8は駆動されない素子が支配的な場合を示している。そして、駆動状態の殆どのケースはこれらに該当するか、これらの中間状態として把握することができる。つまり、これらの図示例ケースは、オーバーシュート、アンダーシュートが最大の状態となる条件であり、これらの中間状態に移行するに従って、オーバーシュート、アンダーシュートが減少して行き、ついにはその逆の状態に移行する。従って、これらの極端な事例でオーバーシュート、アンダーシュートを抑制できることが確認できれば十分であることがわかる。
【0041】
先ず、図7に示すように、選択されている有機EL素子が多数の時、プリセット動作を行うことで、選択されている走査電極に接続されている有機EL素子に流れ込む電荷量が低減される。つまり、非選択走査線に接続されている有機EL素子の寄生容量には既にV’の電位にまで充電が行われている。このため、データ書き込み時には充電電流は殆ど流れず、有機EL素子を介してGNDに流れ込む電流もほとんどなくななる。従って、図1のD1(b)に示すように、プリセット期間を設けることで、オーバーシュートOsを小さく抑制することができる。また、この時にVc−V’<Vfとすれば、オーバーシュートは0とすることができる。
【0042】
次に、図8に示すように、選択されていない有機EL素子が多数の時、プリセット動作を行うことで、選択されていない走査電極に流れ込むIfの総電荷量が低減される。つまり、非選択走査線に接続されている有機EL素子の寄生容量には既にV’の電位にまで充電が行われている。このため、書き込みデータ電極D1に流れる電流Ifは、選択素子(1,1)以外には殆ど流れない状態となる。従って、図1のD1(b)に示すように、プリセット期間を設けることで、アンダーシュートUsを小さく抑制することができる。また、この時にV’>Vfとすればアンダーシュートは0(ゼロ)になる。
【0043】
以上のように、オーバーシュート並びにアンダーシュートを最大限に抑えるにはV’=Vf=1/2Vcとすることが望ましいことが解る。しかし、16階調のパネルを実現するにはオーバーシュート並びにアンダーシュートが±10%以下であれば十分である。また、オーバシュート、アンダーシュートを抑制するために、プリセット期間を長くすると、実質的な発光輝度が減少してしまうという弊害が生じてくる。このため、オーバシュート、アンダーシュートを許容範囲内に納めつつ、素子駆動時間はできるだけ長くできるようにすることが望ましい。
【0044】
ここで、オーバーシュート・アンダーシュートは、オーバーシュート並びにアンダーシュートによって生じる変動電圧の時間推移における時間積分値として表されるが、さらにこの積分値を理想駆動電圧Vf×走査時間に対する比とすると、オーバーシュート・アンダーシュートの割合を表すことができ、定量的に把握することができる。
【0045】
上記のように、オーバーシュート並びにアンダーシュートを最大限に抑えるにはV’=Vf=1/2Vcである事が望ましいが、±10%までなら許容できることがわかった。しかし有機EL素子は、温度によりその特性が変化する。例えば一般的な素子の場合、その温度係数は−0.06/℃程度にもなる。つまり有機EL素子を発光させるVfは、温度が上昇すると低下し、温度が低下すると上昇する。
【0046】
一方、通常有機EL素子から構成される画像表示装置では、定電流源は、外部から供給される電源電圧をレギュレートして定電流出力している。このようにレギュレータを用いることで、装置を低コストで作製することができ、経済的である。定電流用レギュレータとしては定電流素子やFET、トランジスタを組み合わせた定電流回路等を挙げることができる。代表的な例としては、カレントミラー回路で実現できる。
【0047】
しかし、レギュレートによる定電流源を使用した表示装置の周囲温度が上昇した場合、前述の温度係数によりVfが低下する。この電圧変動は、定電流源が吸収することになるが、これは定電流源における電力損失が増大することを意味し、その損失が定電流源の許容損失を超えると、ついには定電流源の破壊につながる。ここで、定電流源の許容損失自身も周囲温度の上昇と共に低下するので、その許容動作温度の範囲は著しく低下してしまう。一方、上記表示装置の周囲温度が低下してしまう場合は、Vfが上昇するので、入力される電源電圧より高いVfが必要になった時点で定電流動作が不可能になり、輝度を一定に保てなくなる。これらの理由で、上記表示装置の許容動作温度範囲は、有機EL素子の温度係数と、定電流源の許容損失、ならびに入力されている電源電圧の値である範囲に狭められてしまう。
【0048】
この問題は、上記表示装置の周囲温度を測定し、その値に応じて前記電源電圧の値を調整することにより解決できる。また、レギュレータの温度係数を上記素子の温度係数にできるだけ近づけるようにしてもよい。具体的には安全動作領域(ASO)に収まるようにできるだけ近づけるとよい。なお、周囲温度の測定には、サーミスターや、白金等を用いた測温素子、熱電対等により容易に測定することができ、これらと制御素子、制御回路を、公知の制御技術に習って接続して用いるようにすればよい。
【0049】
ところが、この駆動回路、駆動方法を適用すると、周囲温度によってVc並びにVfが異なるため、オーバーシュート並びにアンダーシュートが規定値より大きくなってしまう場合もある。そこで、プリセット時間を周囲温度によって調整し、これによって幅広い温度範囲で使用しても画質を一定に保った画像表示装置を実現するすることができる。
【0050】
もちろん、温度を検出する機能は走査を制御する機能と同一のデバイスである必要はなく、電源、両ドライバIC、有機パネル等に付随させてもよいし、独立したデバイスであってもかまわない。
【0051】
上記のように、周囲温度に応じてプリセット時間を調整することで、幅広い温度範囲で均一な画質を保てることがわかった。ところで、プリセット時間は、さらに駆動される素子の数を考慮して制御することで、より高い画質の画像を得ることができる。
【0052】
上記のように、アンダシュート並びにオーバーシュートの量は次の走査期間に選択されるデータ電極の数に依存する。そこで、次の走査期間に選択されるデータ電極の数をカウントし、その数によってプリセット時間を制御する事でより高画質の画像表示装置を実現することが可能である。
【0053】
具体的には、選択されるデータ線によるプリセット期間の変化を、上記オーバシュート・アンダーシュートが上記範囲内であって、かつ良好な画質が得られるように制御すればよい。その一つの手法としては、駆動時間/選択データ電極数が、予め得られた一定の値にできるだけ近づけるように制御する。この”一定の値”は、予め実験的に求めたり、回路内の各パラメータを計算することにより求めることができる。通常、走査電極と、データ電極を制御する素子であれば、次の走査期間に選択されるデータ電極の数を予め検出することができるので、制御が容易になる。もちろん、次の走査期間に選択されるデータ電極の数をカウントする機能は走査を制御する機能と同一のデバイスである必要はなく、電源、両ドライバIC、有機パネルに持たせる事も可能であるし独立したデバイスであってもかまわない。
【0054】
なお本発明は有機EL素子に限るものではなく、有機EL素子同様電流で駆動されまた寄生容量をもつ薄膜発光素子全般に適用することができる。
【0055】
本発明の表示装置は、例えば図10に示すように、ディスプレイに表示するデータや、表示に関するデータを与える主制御部104を有し、この主制御部104から与えられる表示データに応じて有機ELディスプレイの走査電極、データ電極を駆動する信号である走査電極駆動信号、データ電極駆動信号を送出する表示制御御部105を有する。さらに、この表示制御御部105と接続され、主制御部104等から与えられる表示データをマトリクスデータ、ビットマップデータ等に展開するためのデータや、あらかじめ決められた表示内容のデータ等を格納する表示データ記憶部106と、表示制御御部105からの走査電極駆動信号、データ電極駆動信号により、有機ELパネル(有機ELディスプレイ本体)101の走査電極、データ電極を駆動する走査電極駆動部102と、データ電極駆動部103とを有する。
【0056】
主制御部104は、有機EL表示器101に表示させる表示データを与えたり、表示データ記憶部106に記憶されている表示データを指定したり、表示に必要なタイミングや制御データを与えたりする。この主制御部104は、通常、汎用のマイクロプロセッサ(MPU)と、このMPUと接続されている記憶媒体(ROM、RAM等)上の制御アルゴリズム等により構成することができる。主制御部104は、CISC、RISC、DSP等プロセッサの態様を問わず使用可能であり、その他ASIC等論理回路の組み合わせなどにより構成してもよい。また、この例では主制御部104を独立に設けているが、表示制御御部105や、ディスプレイが備え付けられる装置の制御手段等と一体としてもよい。
【0057】
表示制御御部105は、主制御部104等から与えられる表示データ等を解析し、必要により表示データ記憶部106に格納されているデータを検索して、その表示データを有機ELディスプレイ上の所定の位置に表示させるためのマトリクスデータに変換する。すなわち、表示する画像(イメージまたはキャラクタ)データが、各マトリクスの交点で与えられる有機EL素子の画素単位のドットデータとした場合、そのドット座標を与える走査電極とデータ電極を駆動するような信号を発生する。また、上記のような各フレーム単位での駆動や、走査電極とデータ電極の駆動比(デューティ)制御等も行う。
【0058】
表示制御御部105は、例えば、所定の演算機能を有するプロセッサや複合論理回路、前記プロセッサ等が外部の主制御手段等とのデータの授受を行うためのバッファ、制御回路へのタイミング信号、表示タイミング信号や外部記憶手段等への読み出し、書き込みタイミング信号等を与えるタイミング信号発生回路(発振回路)、外部の記憶手段から表示データ等の授受を行う記憶素子制御回路、外部の記憶素子から読み出したり、外部から与えられ、あるいはこれを加工することにより得られた表示データを駆動信号として送出する駆動信号送出回路、外部から与えられる表示機能や表示させるディスプレイ等に関するデータ、制御コマンド等を格納する各種レジスタ等により構成することができる。
【0059】
表示データ記憶部106は、外部から与えられた画像データを、ディスプレイ上にマトリクスデータとして展開するためのデータ(変換テーブル)や、所定のキャラクタデータやイメージデータをそのままマトリクスデータに展開したデータ等が格納され、それぞれ必要に応じて格納位置(アドレス)を指定することにより読み出し(書き込み)が可能なようになっている。このような、表示データ記憶手段としてはRAM(VRAM)、ROM等の半導体記憶素子を好ましく挙げることができるが、これに限定されるものではなく、光や磁気を応用した記憶媒体(CD−R、DVD、HD等)を用いてもよい。
【0060】
また、上記のような外部温度を検出してプリセット期間や駆動電圧を調整する温度制御や、駆動電極の数に応じてプリセット期間を調整する制御機能を持たせることもできる。
【0061】
走査電極駆動部102およびデータ電極駆動部103は表示制御御部105から与えられた走査電極駆動信号、データ電極駆動信号に応じて走査電極、データ電極を駆動する。有機EL表示器を構成する有機EL素子は電流駆動により発光する発光素子である。よって、データ電極の選択時供給電源としては定電流源(定電流回路)が使用されるが、定電圧源でも構わない。駆動電流としては、データ側が通常、0.001〜1mA、走査側が通常0.001〜300mA程度である。
【0062】
より具体的には、必要な電流容量を有する電圧−電流変換素子、あるいは増幅素子(電力増幅)等のスイッチング素子を用いて、所定位置の走査電極、データ電極を駆動する。このような駆動回路の構成として、プッシュプル回路等が挙げられる。電圧−電流変換素子、あるいは増幅素子等のスイッチング素子としては、リレー等の有接点デバイスを用いることも考えられるが、動作の高速佐、信頼性等を考慮すると、トランジスタ、FETおよびこれらと同等の機能を有する半導体素子が好ましい。また、これらはIC等の集積回路となってもよい。これら半導体素子は、選択電源側または非選択電源側のいずれかに走査電極、データ電極を接続する。ここで、選択電源側、非選択電源側とは直接電圧源や電流源、接地ラインに接続する場合の他、電流制限抵抗、保護用デバイス、レギュレータ等の素子を介して接続する場合も含まれる。
【0063】
有機ELパネル101は、複数の走査電極と、データ電極とが交差するように配置され、これら2つの任意の電極問に与えられる駆動信号により、特定の画素(有機EL素子)が発光するようになっている。マトリクス部の走査電極数、データ電極数は、そのディスプレイの大きさや精細度により適宜決められるが、通常、走査電極数が1〜768本、データ電極数が1〜3072本程度である。
【0064】
上記回路は有機ELパネル(有機ELディスプレイ本体)を駆動するための回路構成の一例にすぎず、同等な機能を有するものであれば他の回路構成をとることも可能である。また、ディスプレイ制御手段、走査電極駆動手段およびデータ電極駆動手段等と明確に分割せずにこれらが渾然一体となった構成であってもよい。なお、これらの回路装置は、通常、1種または2種以上のICおよびその周辺部品として構成されている。
【0065】
本発明の装置により駆動されるディスプレイとして、例えば、電子レンジ、電気炊飯器、エアコン、ビデオ、オーディオ装置等の家電製品の表示器、自動車、二輪車の速度計、回転計、ナビゲーションシステム、オーディオパネル等の各種表示器、各種航空機、管制施設等に用いられる各種計器等の好適に使用される。
【0066】
次に、本発明に使用される有機ELパネル(ディスプレイ)を構成する素子について説明する。
【0067】
有機ELパネルは、基板上にマトリクス配置された走査電極(電子注入電極)とデータ電極(ホール注入電極)との間に少なくとも発光機能に関与する有機物を含有する有機層を有するもので、例えば、これらの電極の間に有機層であるホール注入・輸送層、発光および電子注入輸送層、必要により保護層が積層され、さらにこの上にガラス等の封止板を配置した構成を有する。
【0068】
有機EL素子は、以下のような発光層を含む有機層およびこの有機層の上下に配置された電極により構成される。
【0069】
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0070】
ホール注入輸送層は、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0071】
発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0072】
ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。
【0073】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光怪物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジェン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報に記載のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0074】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することも好ましく、ドーバントとしての使用も好ましい。このような場合の発光層における化合物の含有量は0.01〜20質量%、さらには0.1〜15質量%であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0075】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0076】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0077】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーバントを含有させることが好ましい。このような混合層におけるドーパントの含有量は、0.01〜20質量%、さらには0.1〜15質量%とすることが好ましい。
【0078】
ホール注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EPO650955A1等に記載されている各種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
【0079】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0080】
ホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく低下する。
【0081】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10−4 Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0082】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0083】
なお、上記電子注入輸送層、ホール注入輸送層をSi、Ge等の無機材料を用いた無機物層としてもよい。また、有機EL表示器は上記有機層の他に、基板および基板上に有機層を挟み込むように形成された、ホール注入電極、電子注入電極等の機能性薄膜を有する。
【0084】
電子注入電極としては、低仕事関数の物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いることが好ましい。合金系としては、例えばAgMg(Ag:0.1〜50原子%)、AlLi(Li:0.01−14原子%)、InMg(Mg:50〜80原子%)、AlCa(Ca:0.01〜20原子%)、LiF等が挙げられる。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法でも形成することが可能である。
【0085】
電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0086】
蒸着時の圧力は、好ましくは1.33×10−4〜1.33×10−1 Pa(1×10−8 〜1×10−5 Torr)で、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれば100〜1400℃、有機材料であれば100〜500℃程度が好ましい。
【0087】
ホール注入電極は、発光した光を取り出すため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2O3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2O3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材料等を用いてもよい。
【0088】
ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0089】
このホール注入電極層は蒸着法等によっても形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にDCスパッタ法により形成することが好ましい。
【0090】
光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、通常350〜800nm、特に各発光光に対する光透過率が50%以上、特に60%以上、さらには70%以上であることが好ましい。ホール注入電極層を成膜した後に、SiOx 等の無機材料、テフロン(登録商標)、塩素を含むフッ化炭素重合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよい。
【0091】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0092】
有機ELパネルは、直流駆動やパルス駆動等され、交流駆動することもできる。駆動電圧は、通常、2〜30V程度である。有機EL素子の発光しきい値電圧Vth は、通常2〜6V程度である。
【0093】
【実施例】
〔実施例1〕
寄生容量Cが18pF/dotである有機EL素子を、縦64dot、横240dotに配置したパネルを作製した。このパネルを1走査時間を100μs、Vcは17.5V、Vfは約11Vの条件でIc=10mAの走査ドライバを用いて駆動する際に、リセット時間4.8μs、プリセット時間は1.6μsに設定した。
【0094】
この表示装置のプリセット充電電圧V’は約4Vとなり、オーバーシュート並びにアンダーシュートを最大でも±10%以下に抑え、良好な画質を得ることができた。
【0095】
〔実施例2〕
実施例1のパネルにおいて、電源電圧の温度による変化を−0.06V/℃にできるだけ近づけ、−0.1V/℃とした。また、同時にプリセット期間の温度による変化を−26ns/℃にできるだけ近づけて、−25.6ns/℃として駆動した。その結果−20℃〜85℃までの温度範囲において良好な画像を得る事ができた。
【0096】
〔実施例3〕
実施例1のパネルにおいて、選択されるデータ線によりプリセット期間を−66ns/lineにできるだけ近づけるように変化させて制御した。この駆動によりさらに良好な画像を得る事ができた。
【0097】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、選択される素子の数の変化で発生するオーバーシュート並びにアンダーシュートを低減し、表示される画質を改善した画像表示装置およびその駆動方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置の電極に加えられる電圧を示したチャート図である。
【図2】画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図3】画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図4】画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図5】画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図6】本発明の一実施形態の画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図7】本発明の一実施形態の画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図8】本発明の一実施形態の画像表示装置の動作および構成を示す一部回路図である。
【図9】一般に用いられているトランジスタのI−V特性を示すグラフである。
【図10】本発明の装置の基本構成を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
101 有機ELパネル
102 走査電極駆動部
103 データ電極駆動部
104 主制御部
105 表示制御部
106 表示データ記憶部
Claims (6)
- 複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、前記走査電極を少なくとも選択状態となる第1の電位と非選択状態となる第2の電位のいずれかに接続する走査電極側スイッチと、前記データ電極に少なくとも所定の定電流を供給する定電流源と非動作状態とする第1の電位とのいずれかに接続するデータ電極側スイッチとを有すると共に、
上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置であって、
上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間を設け、
それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設けた画像表示装置。 - 前記プリセット期間により、次の走査期間中に選択されたデータ電極の電位が規定の電圧より上下に10%以上オーバーシュートまたはアンダーシュートすることを抑制する請求項1の画像表示装置。
- 前記プリセット時間の時間幅を調整することにより、オーバーシュートまたはアンダーシュートを10%以内とする請求項2の画像表示装置。
- 前記プリセット時間の時間幅を温度に依存して調整する請求項3の画像表示装置。
- 前記プリセット時間の時間幅を次に選択駆動される薄膜表示素子の数に応じて調整する請求項3の画像表示装置。
- 複数の走査電極と複数のデータ電極と、その交点に電流で駆動される薄膜表示素子を有し、前記走査電極を少なくとも選択状態となる第1の電位と非選択状態となる第2の電位のいずれかに接続する走査電極側スイッチと、前記データ電極に少なくとも所定の定電流を供給する定電流源と非動作状態とする第1の電位とのいずれかに接続するデータ電極側スイッチとを有すると共に、
上記走査電極を順次に選択するのに同期して上記データ電極に表示信号を供給することにより前記薄膜表示素子を駆動し画像を形成する画像表示装置の駆動方法であって、
上記データ電極に表示信号を供給する際に、予め先に全ての電極を任意のリセット電位に接続するリセット期間を設け、
それに続いて次回走査期間中に選択される走査電極を第1の電位に、その他の走査電極を第2の電位に接続すると同時にデータ電極をすべて第1の電位に接続するプリセット期間を設け、
その後画像信号を供給する画像表示装置の駆動方法。
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