JP2004309076A - バグフィルタバイパスラインの腐食防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バグフィルタへの排ガス導入用の排ガスラインより分岐させたバイパスライン内の低温腐食を防止する。
【解決手段】バグフィルタIの容器1の下端部にホッパ5を取り付け、該ホッパ5に排ガスライン7を接続して、容器1内に排ガスを導入させるようにする。排ガスライン7の途中よりバイパスライン10を分岐させて設け、容器1内の濾布4の損傷を防止するため、高温の排ガスを排ガスライン7よりバイパスライン10に切り換えて流すようにする。バイパスライン10に排ガスを流さないときは、該バイパスライン10にはガスの循環がないので、低温となる。低温になると、バイパスライン10は腐食するので、バイパスライン内を低温腐食温度以上にするため、温風取出ライン29より温風をバイパスライン10内に吹き込む。
【選択図】 図1
【解決手段】バグフィルタIの容器1の下端部にホッパ5を取り付け、該ホッパ5に排ガスライン7を接続して、容器1内に排ガスを導入させるようにする。排ガスライン7の途中よりバイパスライン10を分岐させて設け、容器1内の濾布4の損傷を防止するため、高温の排ガスを排ガスライン7よりバイパスライン10に切り換えて流すようにする。バイパスライン10に排ガスを流さないときは、該バイパスライン10にはガスの循環がないので、低温となる。低温になると、バイパスライン10は腐食するので、バイパスライン内を低温腐食温度以上にするため、温風取出ライン29より温風をバイパスライン10内に吹き込む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はごみ焼却設備で用いられている、排ガス中の飛灰等のダストを捕集するためのバグフィルタに排ガスを導入させないようなときに用いるようにするバイパスラインの低温腐食を防止するためのバイパスラインの腐食防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却施設で排ガス中のダストを捕集するために用いられているバグフィルタIは、図2に一例の概略を示す如く、上下方向に延びるように据え付けられている容器1内の上部位置に、多数の濾布取付孔3を有するセルプレート2を、気密に取り付け、該セルプレート2の各濾布取付孔3に、円筒形状とした細長い袋状の濾布4を上方から落し込んで、濾布4の上端部を濾布取付孔3の周縁部に取外し可能に支持させ、各濾布4内には、骨組構造とした円筒状のリテーナを上方より挿入して濾布4を筒状に保持するようにし、又、上記容器1の下端部には、下端にスクリューコンベヤ6を装備させたホッパ5を取り付けて、該ホッパ5の下端部位置に設けた開口を通してホッパ5内に排ガスライン7を連通させ、該排ガスライン7からホッパ5内を経て容器1内に導入させる焼却排ガスを、各濾布4を外側から内側へ通過させた後、濾布取付孔3からセルプレート2の上方へ移行させるようにすることによって、排ガス中のダストを捕集させるようにしてある。ダスト捕集後のガスは、容器1の上端部のガス出口8からクリーンガスとして排出され、ダンパ9aを有する排ガスライン9により、たとえば、排ガス再加熱器へ送られるようにしてあり、一方、捕集されたダストは、濾布4の外側面より落下し、ホッパ5の下端部よりスクリューコンベヤ6で排出されるようにしてある。
【0003】
上記バグフィルタIに排ガスを導入してダストを捕集するようにする場合に、高温排ガスがバグフィルタIの容器1内に導入されると、濾布4が損傷するという問題がある。
【0004】
そのため、従来では、濾布4の損傷防止として、非常時にはバグフィルタIへ排ガスを導入させないようにバイパスさせるバイパスライン10を、排ガスライン7の途中位置より分岐して設けて、排ガスをバイパスライン10を通して、たとえば、誘引通風機入口へ導くようにし、且つバイパスライン10の入出口部と、排ガスライン7のバイパスライン分岐点より下流側位置とに、それぞれダンパ11,12と13を設け、該ダンパ11,12と13及び上記排ガスライン9のダンパ9aの切り換えによりバイパスライン10に排ガスを流すようにしている。
【0005】
しかしながら、バグフィルタを使用している通常運転時に、バイパスライン10のダンパ11,12を閉じていても、バイパスライン10は負圧状態になっていることから、ごみ焼却で発生した排ガス(腐食性ガス)がダンパ11からバイパスライン10に進入することがあり、進入した排ガスがバイパスライン内に溜ることになる。一方、バイパスライン10は使用されていないので低温となっており、しかも、バイパスライン10内はガスの循環がないため、バイパスライン10内の温度は酸露点以下に低下することになり、バイパスライン10を構成するダクトやダンパ11等が低温腐食により破孔等の損傷を来たすことが問題となっている。又、かかる破孔は早ければ1年程度で発生しているのが実状である。
【0006】
このような低温腐食対策として、(1)バイパスライン10を排ガスライン7から垂直上部に接続し、ダストの溜りがない構造とすること、(2)バイパスライン10の入口部のダンパ11を極力排ガスライン7に接近させるようにすること、(3)ダンパ11,12にノンリークダンパを採用すること、等が考えられている。
【0007】
又、ダクトの低温腐食ではないが、バグフィルタの低温腐食対策として、バグフィルタを構成する容器の側部に断熱パッキンを配置したり、容器の上部にヒータを取り付けるか、もしくは熱風を吹き込むようにしたものが提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0008】
更に、ボイラ設備のコモンダクト内部の低温腐食を防止するものとして、図3に示す如く、ボイラ本体14の火炉15に設けたバーナ16に燃焼用空気を供給する空気供給ダクト17の途中と、ボイラ本体14の後部伝熱部18に接続された排ガスダクト19の途中との間に、排ガスの一部を空気供給ダクト17に導くための2本の排ガス再循環ダクト20を接続して、該両排ガス再循環ダクト20の途中にそれぞれ排ガス再循環ファン21を設け、該両排ガス再循環ファン21の駆動により排ガスの一部を空気供給ダクト17へ導くようにしてあり、更に、上記両排ガス再循環ファン21の吐出側をコモンダクト22で連通させると共に、該コモンダクト22の水平部22aの両端にダンパ23を設けた構成とし、いずれか一方の排ガス再循環ファン21が故障したときに、各ダンパ23を開いて他方の排ガス再循環ファン21で昇圧した排ガスをコモンダクト22を通して故障した側の排ガス再循環ダクト20へも圧送するようにしてある構成において、該コモンダクト22の水平部22aの両端のダンパ23を通常運転時に閉じておいた場合、コモンダクト22内部の温度が酸露点以下の温度に低下すると、該コモンダクト22の使用時にその内部に付着して残存した排ガス中の硫黄分等により、コモンダクト22内部が低温腐食する問題が提起されている。この低温腐食を防止するために、排ガス再循環ファン21の吐出側とコモンダクト22の水平部22aとを、導入配管24によって連通させると共に、コモンダクト22の水平部22aと一方の排ガス再循環ファン21の吸込側とを、導出配管25によって連通させ、コモンダクト22の水平部22aに所要量の排ガスを流通させるようにしたものも提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【非特許文献1】
発明協会公開技報
【特許文献1】
特開平9−287702号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バイパスライン10を排ガスラインから垂直上部に立上がるように接続した場合や、バイパスライン10のダンパ11を排ガスラインに極力接近させるようにした場合でも、バグフィルタの運転中にバイパスライン10内は吸引されていて負圧状態になっていることから、焼却排ガス(腐食性ガス)の一部がダンパ11からバイパスライン10に進入することがあり、バイパスライン以降の清浄化(ダイオキシンの暴露防止)が必要となり、又、ダンパ11,12にノンリークダンパを採用するようにする場合は、バイパスラインへの排ガスの進入は防止できるが、ダンパ交換等メンテナンス費用が嵩むという問題がある。
【0011】
又、非特許文献1に示されているものは、バグフィルタの容器の低温腐食を防止することはできるが、バグフィルタをバイパスさせるバイパスラインの如きダクト内部の低温腐食防止に適用することはできないものである。
【0012】
更に、特許文献1に示されているものは、ダクトの低温腐食防止を図るものであるが、2本の排ガス再循環ダクト間を連通させるためのコモンダクト22内部の低温腐防止のために、排ガスを空気供給ダクト17へ導入中に排ガスの一部をコモンダクト22に流通させるようにしているもので、バグフィルタのバイパスラインに適用することはできないものである。
【0013】
そこで、本発明は、バグフィルタに排ガスを導入している通常運転時においてバイパスラインの低温腐食を防止できるようにしようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、温風を吹き込むように構成してあるので、バグフィルタの運転中、ガスの循環がなく低温になっているバイパスラインに、温風を吹き込んで、バイパスライン内を低温腐食温度以上に保つようにすることにより、バイパスラインの低温腐食を防止できる。
【0015】
又、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、バグフィルタ内の濾布の結露防止のために設けられている温風循環ラインから取り出した温風を吹き込むように構成することにより、既設の温風循環ラインを有効に利用できて、設備的に有利である。
【0016】
更に、バイパスラインへの温風の吹き込み位置を、バイパスラインの入口ダンパの近くとすることにより、バイパスライン内の広い範囲とダンパの低温腐食を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図2に示したバグフィルタIと同様に、バグフィルタIの容器1の下端部に設けたホッパ5内に排ガスを導入させるように排ガスライン7を接続し、且つ容器1の上端部に設けたガス出口8にクリーンガスの排ガスライン9を接続し、上記容器1内に設置される多数の濾布4の外側から内側へ排ガスを通してダストを捕集するようにし、ダスト捕集後のクリーンガスを濾布4の内部から容器1上端部のセルプレート2上に導いてガス出口8から排出させ、捕集されたダストはホッパ5の下端部よりスクリューコンベヤ6で排出させるようにしてある構成において、上記濾布4の結露防止のために設置してある温風循環ライン26から温風を取り出して、バイパスライン10に吹き込むことにより、該バイパスライン10内を酸露点以上に保つようにすると共に、該バイパスライン10内を正圧にするようにする。
【0019】
詳述すると、バグフィルタIには、濾布4の結露防止のために温風循環ライン26が設けられている。この既設の温風循環ライン26は、容器1内のセルプレート2(図2参照)よりも上方位置と排ガスライン7の下流側位置との間に接続されていて、途中に、バグ熱風循環ファン27とバグ熱風循環ヒータ28が上流側より順に備えられており、容器1の上部から取り出した排ガスをバグ熱風循環ファン27で昇圧した後、バグ熱風循環ヒータ28で加熱して温風とし、温風を排ガスライン7からホッパ5内に吹き込んで、容器1内の濾布4と接触させて該濾布4の結露防止を図るようにしてある。本発明の特徴とするところは、上記熱風循環ライン26のバグ熱風循環ヒータ28の下流側位置に、温風取出ライン29を分岐して設け、該温風取出ライン29をバイパスライン10の入口ダンパ11の近傍位置に接続して、温風循環ライン26から取り出した温風をバイパスライン10内に吹き込むようにすることである。なお、30,31はダンパであり、その他の構成は図2に示したものと同じであり、同一のものには同一符号が付してある。
【0020】
バグフィルタIの濾布4の損傷を防止するため、高温の排ガスがバグフィルタIへ導入されようとするときは、排ガスライン7のダンパ13及び排ガスライン9のダンパ9aを閉じ、バイパスライン10のダンパ11,12を開けて、高温の排ガスは排ガスライン7からバイパスライン10の方へ流すようにすることは図2について説明した従来の場合と同様であり、又、バグフィルタIに排ガスを導入してダストの捕集を行う運転時は、バイパスライン10のダンパ11,12を閉じて排ガスがバイパスラインへ進入しないようにすることも従来の場合と同様であるが、本発明では、上記バイパスライン10に排ガスを流さないときに該バイパスライン10の低温腐食を防止するために、バイパスライン10に温風を吹き込み、バイパスライン10内を酸露点以上の温度に保つようにする。これにより、ダンパ11,12を閉じてガスの循環がない状態としてあるバイパスライン10内が低温となることがなくなり、低温腐食を防止することができる。この際、濾布4の結露防止上設けられている温風循環ライン26から温風を取り出すようにするので、別途温風発生装置等を設けたりする必要がなく、構成が簡単で、設備費も安価なものとすることができる。又、バイパスライン10内に温風を吹き込むことによりバイパスライン10内を正圧にできて、該バイパスライン10内の温風の一部が、ダンパ11から排ガスライン7内へ流入して循環することもあるので、バグフィルタIの容器1内に導入されている排ガスがダンパ11からバイパスライン10内へ進入することを抑えることができて、バイパスライン10以降の清浄化(ダイオキシンの暴露防止)が期待でき、バイパスライン以降の煙道の清掃、点検の手間を削減することが可能となる。
【0021】
なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、温風取出ライン29により温風循環ライン26より取り出した温風をバイパスライン10内に吹き込む位置は、バイパスライン10の入口ダンパ11の近くが好ましいが、ダンパ11に比較的近い位置であれば、図示した位置以外でもよいこと、バグフィルタIは一例を示したものであり、図示以外のバグフィルタでバイパスラインが設けられているものにも同様に適用できること、濾布の結露防止のための既設の温風循環ライン26から温風を取り出してバイパスライン10内へ吹き込むようにすることが設備的にも有利であるが、温風循環ライン26以外から温風をバイパスライン10内に吹き込むようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置によれば、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、温風を吹き込むように構成してあるので、バグフィルタの運転中はガスの循環がないバイパスラインに温風を吹き込んで、バイパスライン内を酸露点温度以上の温度にすることができて、バイパスライン内を低温腐食させることがなくなると共に、バイパスライン内を正圧にすることができて、バイパスライン内に排ガスが進入しないため、バイパスライン以降の清浄化が期待でき、且つ点検の手間も削減することができ、更に、バイパスラインのダンパをノンリークダンパにする必要がなく、ダンパ交換等のメンテナンス費用を削減でき、又、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、バグフィルタ内の濾布の結露防止のために設けられている温風循環ラインから取り出した温風を吹き込むように構成することにより、既設の温風循環ラインを有効利用することができ、容易に温風が得られて、設備的に有利であり、更に、バイパスラインへの温風の吹き込み位置を、バイパスラインの入口ダンパの近くとすることにより、バイパスライン内の広い範囲とダンパの低温腐食を防止することができる、等の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】バグフィルタの一例を示す概要図である。
【図3】ダクト内の低温腐食対策の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
I バグフィルタ
1 容器
2 セルプレート
4 濾布
5 ホッパ
7 排ガスライン
8 ガス出口
10 バイパスライン
11,12 ダンパ
26 温風循環ライン
29 温風取出ライン
【発明の属する技術分野】
本発明はごみ焼却設備で用いられている、排ガス中の飛灰等のダストを捕集するためのバグフィルタに排ガスを導入させないようなときに用いるようにするバイパスラインの低温腐食を防止するためのバイパスラインの腐食防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却施設で排ガス中のダストを捕集するために用いられているバグフィルタIは、図2に一例の概略を示す如く、上下方向に延びるように据え付けられている容器1内の上部位置に、多数の濾布取付孔3を有するセルプレート2を、気密に取り付け、該セルプレート2の各濾布取付孔3に、円筒形状とした細長い袋状の濾布4を上方から落し込んで、濾布4の上端部を濾布取付孔3の周縁部に取外し可能に支持させ、各濾布4内には、骨組構造とした円筒状のリテーナを上方より挿入して濾布4を筒状に保持するようにし、又、上記容器1の下端部には、下端にスクリューコンベヤ6を装備させたホッパ5を取り付けて、該ホッパ5の下端部位置に設けた開口を通してホッパ5内に排ガスライン7を連通させ、該排ガスライン7からホッパ5内を経て容器1内に導入させる焼却排ガスを、各濾布4を外側から内側へ通過させた後、濾布取付孔3からセルプレート2の上方へ移行させるようにすることによって、排ガス中のダストを捕集させるようにしてある。ダスト捕集後のガスは、容器1の上端部のガス出口8からクリーンガスとして排出され、ダンパ9aを有する排ガスライン9により、たとえば、排ガス再加熱器へ送られるようにしてあり、一方、捕集されたダストは、濾布4の外側面より落下し、ホッパ5の下端部よりスクリューコンベヤ6で排出されるようにしてある。
【0003】
上記バグフィルタIに排ガスを導入してダストを捕集するようにする場合に、高温排ガスがバグフィルタIの容器1内に導入されると、濾布4が損傷するという問題がある。
【0004】
そのため、従来では、濾布4の損傷防止として、非常時にはバグフィルタIへ排ガスを導入させないようにバイパスさせるバイパスライン10を、排ガスライン7の途中位置より分岐して設けて、排ガスをバイパスライン10を通して、たとえば、誘引通風機入口へ導くようにし、且つバイパスライン10の入出口部と、排ガスライン7のバイパスライン分岐点より下流側位置とに、それぞれダンパ11,12と13を設け、該ダンパ11,12と13及び上記排ガスライン9のダンパ9aの切り換えによりバイパスライン10に排ガスを流すようにしている。
【0005】
しかしながら、バグフィルタを使用している通常運転時に、バイパスライン10のダンパ11,12を閉じていても、バイパスライン10は負圧状態になっていることから、ごみ焼却で発生した排ガス(腐食性ガス)がダンパ11からバイパスライン10に進入することがあり、進入した排ガスがバイパスライン内に溜ることになる。一方、バイパスライン10は使用されていないので低温となっており、しかも、バイパスライン10内はガスの循環がないため、バイパスライン10内の温度は酸露点以下に低下することになり、バイパスライン10を構成するダクトやダンパ11等が低温腐食により破孔等の損傷を来たすことが問題となっている。又、かかる破孔は早ければ1年程度で発生しているのが実状である。
【0006】
このような低温腐食対策として、(1)バイパスライン10を排ガスライン7から垂直上部に接続し、ダストの溜りがない構造とすること、(2)バイパスライン10の入口部のダンパ11を極力排ガスライン7に接近させるようにすること、(3)ダンパ11,12にノンリークダンパを採用すること、等が考えられている。
【0007】
又、ダクトの低温腐食ではないが、バグフィルタの低温腐食対策として、バグフィルタを構成する容器の側部に断熱パッキンを配置したり、容器の上部にヒータを取り付けるか、もしくは熱風を吹き込むようにしたものが提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0008】
更に、ボイラ設備のコモンダクト内部の低温腐食を防止するものとして、図3に示す如く、ボイラ本体14の火炉15に設けたバーナ16に燃焼用空気を供給する空気供給ダクト17の途中と、ボイラ本体14の後部伝熱部18に接続された排ガスダクト19の途中との間に、排ガスの一部を空気供給ダクト17に導くための2本の排ガス再循環ダクト20を接続して、該両排ガス再循環ダクト20の途中にそれぞれ排ガス再循環ファン21を設け、該両排ガス再循環ファン21の駆動により排ガスの一部を空気供給ダクト17へ導くようにしてあり、更に、上記両排ガス再循環ファン21の吐出側をコモンダクト22で連通させると共に、該コモンダクト22の水平部22aの両端にダンパ23を設けた構成とし、いずれか一方の排ガス再循環ファン21が故障したときに、各ダンパ23を開いて他方の排ガス再循環ファン21で昇圧した排ガスをコモンダクト22を通して故障した側の排ガス再循環ダクト20へも圧送するようにしてある構成において、該コモンダクト22の水平部22aの両端のダンパ23を通常運転時に閉じておいた場合、コモンダクト22内部の温度が酸露点以下の温度に低下すると、該コモンダクト22の使用時にその内部に付着して残存した排ガス中の硫黄分等により、コモンダクト22内部が低温腐食する問題が提起されている。この低温腐食を防止するために、排ガス再循環ファン21の吐出側とコモンダクト22の水平部22aとを、導入配管24によって連通させると共に、コモンダクト22の水平部22aと一方の排ガス再循環ファン21の吸込側とを、導出配管25によって連通させ、コモンダクト22の水平部22aに所要量の排ガスを流通させるようにしたものも提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
【非特許文献1】
発明協会公開技報
【特許文献1】
特開平9−287702号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バイパスライン10を排ガスラインから垂直上部に立上がるように接続した場合や、バイパスライン10のダンパ11を排ガスラインに極力接近させるようにした場合でも、バグフィルタの運転中にバイパスライン10内は吸引されていて負圧状態になっていることから、焼却排ガス(腐食性ガス)の一部がダンパ11からバイパスライン10に進入することがあり、バイパスライン以降の清浄化(ダイオキシンの暴露防止)が必要となり、又、ダンパ11,12にノンリークダンパを採用するようにする場合は、バイパスラインへの排ガスの進入は防止できるが、ダンパ交換等メンテナンス費用が嵩むという問題がある。
【0011】
又、非特許文献1に示されているものは、バグフィルタの容器の低温腐食を防止することはできるが、バグフィルタをバイパスさせるバイパスラインの如きダクト内部の低温腐食防止に適用することはできないものである。
【0012】
更に、特許文献1に示されているものは、ダクトの低温腐食防止を図るものであるが、2本の排ガス再循環ダクト間を連通させるためのコモンダクト22内部の低温腐防止のために、排ガスを空気供給ダクト17へ導入中に排ガスの一部をコモンダクト22に流通させるようにしているもので、バグフィルタのバイパスラインに適用することはできないものである。
【0013】
そこで、本発明は、バグフィルタに排ガスを導入している通常運転時においてバイパスラインの低温腐食を防止できるようにしようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、温風を吹き込むように構成してあるので、バグフィルタの運転中、ガスの循環がなく低温になっているバイパスラインに、温風を吹き込んで、バイパスライン内を低温腐食温度以上に保つようにすることにより、バイパスラインの低温腐食を防止できる。
【0015】
又、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、バグフィルタ内の濾布の結露防止のために設けられている温風循環ラインから取り出した温風を吹き込むように構成することにより、既設の温風循環ラインを有効に利用できて、設備的に有利である。
【0016】
更に、バイパスラインへの温風の吹き込み位置を、バイパスラインの入口ダンパの近くとすることにより、バイパスライン内の広い範囲とダンパの低温腐食を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図2に示したバグフィルタIと同様に、バグフィルタIの容器1の下端部に設けたホッパ5内に排ガスを導入させるように排ガスライン7を接続し、且つ容器1の上端部に設けたガス出口8にクリーンガスの排ガスライン9を接続し、上記容器1内に設置される多数の濾布4の外側から内側へ排ガスを通してダストを捕集するようにし、ダスト捕集後のクリーンガスを濾布4の内部から容器1上端部のセルプレート2上に導いてガス出口8から排出させ、捕集されたダストはホッパ5の下端部よりスクリューコンベヤ6で排出させるようにしてある構成において、上記濾布4の結露防止のために設置してある温風循環ライン26から温風を取り出して、バイパスライン10に吹き込むことにより、該バイパスライン10内を酸露点以上に保つようにすると共に、該バイパスライン10内を正圧にするようにする。
【0019】
詳述すると、バグフィルタIには、濾布4の結露防止のために温風循環ライン26が設けられている。この既設の温風循環ライン26は、容器1内のセルプレート2(図2参照)よりも上方位置と排ガスライン7の下流側位置との間に接続されていて、途中に、バグ熱風循環ファン27とバグ熱風循環ヒータ28が上流側より順に備えられており、容器1の上部から取り出した排ガスをバグ熱風循環ファン27で昇圧した後、バグ熱風循環ヒータ28で加熱して温風とし、温風を排ガスライン7からホッパ5内に吹き込んで、容器1内の濾布4と接触させて該濾布4の結露防止を図るようにしてある。本発明の特徴とするところは、上記熱風循環ライン26のバグ熱風循環ヒータ28の下流側位置に、温風取出ライン29を分岐して設け、該温風取出ライン29をバイパスライン10の入口ダンパ11の近傍位置に接続して、温風循環ライン26から取り出した温風をバイパスライン10内に吹き込むようにすることである。なお、30,31はダンパであり、その他の構成は図2に示したものと同じであり、同一のものには同一符号が付してある。
【0020】
バグフィルタIの濾布4の損傷を防止するため、高温の排ガスがバグフィルタIへ導入されようとするときは、排ガスライン7のダンパ13及び排ガスライン9のダンパ9aを閉じ、バイパスライン10のダンパ11,12を開けて、高温の排ガスは排ガスライン7からバイパスライン10の方へ流すようにすることは図2について説明した従来の場合と同様であり、又、バグフィルタIに排ガスを導入してダストの捕集を行う運転時は、バイパスライン10のダンパ11,12を閉じて排ガスがバイパスラインへ進入しないようにすることも従来の場合と同様であるが、本発明では、上記バイパスライン10に排ガスを流さないときに該バイパスライン10の低温腐食を防止するために、バイパスライン10に温風を吹き込み、バイパスライン10内を酸露点以上の温度に保つようにする。これにより、ダンパ11,12を閉じてガスの循環がない状態としてあるバイパスライン10内が低温となることがなくなり、低温腐食を防止することができる。この際、濾布4の結露防止上設けられている温風循環ライン26から温風を取り出すようにするので、別途温風発生装置等を設けたりする必要がなく、構成が簡単で、設備費も安価なものとすることができる。又、バイパスライン10内に温風を吹き込むことによりバイパスライン10内を正圧にできて、該バイパスライン10内の温風の一部が、ダンパ11から排ガスライン7内へ流入して循環することもあるので、バグフィルタIの容器1内に導入されている排ガスがダンパ11からバイパスライン10内へ進入することを抑えることができて、バイパスライン10以降の清浄化(ダイオキシンの暴露防止)が期待でき、バイパスライン以降の煙道の清掃、点検の手間を削減することが可能となる。
【0021】
なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、温風取出ライン29により温風循環ライン26より取り出した温風をバイパスライン10内に吹き込む位置は、バイパスライン10の入口ダンパ11の近くが好ましいが、ダンパ11に比較的近い位置であれば、図示した位置以外でもよいこと、バグフィルタIは一例を示したものであり、図示以外のバグフィルタでバイパスラインが設けられているものにも同様に適用できること、濾布の結露防止のための既設の温風循環ライン26から温風を取り出してバイパスライン10内へ吹き込むようにすることが設備的にも有利であるが、温風循環ライン26以外から温風をバイパスライン10内に吹き込むようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置によれば、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、温風を吹き込むように構成してあるので、バグフィルタの運転中はガスの循環がないバイパスラインに温風を吹き込んで、バイパスライン内を酸露点温度以上の温度にすることができて、バイパスライン内を低温腐食させることがなくなると共に、バイパスライン内を正圧にすることができて、バイパスライン内に排ガスが進入しないため、バイパスライン以降の清浄化が期待でき、且つ点検の手間も削減することができ、更に、バイパスラインのダンパをノンリークダンパにする必要がなく、ダンパ交換等のメンテナンス費用を削減でき、又、バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、バグフィルタ内の濾布の結露防止のために設けられている温風循環ラインから取り出した温風を吹き込むように構成することにより、既設の温風循環ラインを有効利用することができ、容易に温風が得られて、設備的に有利であり、更に、バイパスラインへの温風の吹き込み位置を、バイパスラインの入口ダンパの近くとすることにより、バイパスライン内の広い範囲とダンパの低温腐食を防止することができる、等の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】バグフィルタの一例を示す概要図である。
【図3】ダクト内の低温腐食対策の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
I バグフィルタ
1 容器
2 セルプレート
4 濾布
5 ホッパ
7 排ガスライン
8 ガス出口
10 バイパスライン
11,12 ダンパ
26 温風循環ライン
29 温風取出ライン
Claims (3)
- バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、温風を吹き込むように構成したことを特徴とするバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置。
- バグフィルタに排ガスを導入させる排ガスラインより分岐してあるバイパスラインに、バグフィルタ内の濾布の結露防止のために設けられている温風循環ラインから取り出した温風を吹き込むように構成したことを特徴とするバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置。
- バイパスラインへの温風の吹き込み位置を、バイパスラインの入口ダンパに近い位置とした請求項1又は2記載のバグフィルタバイパスラインの腐食防止装置。
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CN102721075A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-10-10 | 中节能科技投资有限公司 | 一种对除尘器内部进行预热的装置和方法 |
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2003
- 2003-04-10 JP JP2003106123A patent/JP2004309076A/ja active Pending
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