【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、前部ドアを開いたときに後部ドアを開閉操作するいわゆる観音開きタイプのドアに装着される自動車用ドアハンドル装置であって、特にその後部ドアに装着される後部ドアハンドルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開２００２−２６６５２４号公報
【０００３】
従来の観音開きタイプのドアに装着される自動車用ドアハンドル装置は、例えば特許文献１に示されるように、前部ドアと後部ドアとで構成され、前部ドアは車体に対してその前部側が蝶番で軸支され、後部ドアは車体に対してその後部側が蝶番で軸支され、後部ドアの上部および下部には、車体に固定されたストライカに係合するロック装置が取付けられ、ロック装置とストライカとの係合により閉扉状態に保持されている。また、前記前部ドアには後部ドアの左端の半露出パネルに固定されたストライカと係合するロック装置が取付けられ、これらの係合により閉扉状態に保持される。このロック装置をストライカから解放させる前部ドアハンドルは、前部ドアのアウターパネルに取付けられ、アウターパネルの開扉操作で前部ドアは単独開扉可能となる。これに対して、前記後部ドアに取り付けられたロック装置をストライカから解放させる後部ドアハンドルは、後部ドアの前端の半露出パネルに形成した取付孔に取付けられる。半露出パネルとは、後部ドアの前端のアウターパネルとインナーパネルの接続部分であって、前部ドアが閉扉状態の時は前部ドアにより操作不能に隠されているが、前部ドアが開扉されると操作可能に露出されるパネル部分をいう。このように、後部ドアハンドルが半露出パネルに取付けられるのは、後部ドアの単独開扉を禁止するためであり、後部ドアはドアが開いているときだけ開扉できるドアとなっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献１の後部ドアハンドルは、半露出パネルに取付けられているため、運転者等の前部座席に乗車していた者が後部ドアを開くことは容易であるが、後部座席に乗車していた者は後部ドアハンドルが見えない位置にあるため、自分でドアを開いて下車することは非常に難しく、前部座席に乗車した者に頼るしかなかった。
【０００５】
また、無理して、後部座席の者がドアを開くために後部ドアハンドルに手を置いて操作しているとき、誤って前部ドアが閉じられると、前部ドアと後部ドアとの間に手を挟まれてしまい、非常に危険なものであった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記問題を解決するために本発明は、前部ドアを開いたときに後部ドアを開閉するようにした観音開きドアに装着される自動車用ドアハンドル装置において、
操作部を操作することによって前記後部ドアと車体との係合を解除する後部ドアハンドルが、後部ドアの車室内側パネルの前端部に取り付けられ、前記操作部に応動する阻止部材が操作時に閉じられた状態の前部ドアに当接するようにしたことを特徴とするものである。
【０００７】
この構成によれば、車室内側の前端部にドアハンドル装置を取り付けているため、後部座席の者がドアハンドル装置を操作してドアを開くことができ、半露出パネル付近に手を置くことがないので、不用意に前部ドアが閉じられても手を挟むことがない。また、前部ドアが閉じているときには阻止部材が前部ドアに当接して操作できないようになっているため、後部ドアが半開きになったりするようなことはない。更に、ドアハンドル装置と前部ドアは隣接しているため操作部に応動して前部ドアに当接する阻止部材を小型化することができる。
【０００８】
また、操作部は後側から前側に作動するようにすることが好ましく、この構成によると後部座席の者は車室内側から斜め前方の操作部を押し操作すればよく、即ち斜め前方に押し操作することになり、後部ドアを開く方向に作用させることになるため、容易に後部ドアを開くことができる。そして、前部座席の者が外側から操作部を引き操作する場合も同様に斜め前方に引き操作することになり、この場合も後部ドアを開く方向に作用させることになるため、前部座席の者も容易にドアを開くことができる。
【０００９】
さらに、操作部は後側から前側に回動するようにし、阻止部材は操作部の前端部とすることが好ましく、この構成によると阻止部材も操作部と一体的に回動することになり、操作部の後側から前側への操作に応動して、阻止部材は車室内側から車室外側方向に移動して、前部ドアに当接することになるため、部品点数を増加させることなく、後部ドアの開扉を阻止することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図１は、本発明の実施例のドアハンドル装置を装着した自動車の右側ドアを開扉した状態を上方から見た図であり、図２は左側ドアの正面から見た図である。
【００１１】
１は自動車の前側の左右に装着され蝶番２で開閉可能に軸支された前部ドア１で、該前部ドア１は自動車の外側の面であるアウターパネル１ａと、車室内側のインナーパネル１ｂと接続部分である半露出パネル１ｃで主要部分が形成されている。そして、アウターパネル１ａには前部ドアハンドル３が取り付けられ、インナーパネル１ｂにはインナーハンドル４が取り付けられ、インナーパネル１ｂと半露出パネル１ｃ間には前記前部ドアハンドル３とインナーハンドル４のいずれかの操作に応動して、後述するストライカ９と係脱するロック装置５が取り付けられている。
【００１２】
６は自動車の後部の左右に装着され蝶番７で軸支された後部ドアで、該後部ドア６は自動車の外側の面であるアウターパネル６ａと、車室内側のインナーパネル６ｂ（車室内側パネル）と接続部分である半露出パネル６ｃで主要部分が形成されている。そして、インナーパネル６ｂの前端部には後部ドアハンドル８が取り付けられ、半露出パネル６ｃには前記ロック装置５が係合するストライカ９が取り付けられている。更に後部ドア６の前側上下端には、車体に設けられたストライカ１０，１０と係脱するロック装置１１，１１が取り付けられている。
【００１３】
ドアが閉じられた状態では、後部ドア６に取り付けられたロック装置１１，１１が車体に設けられたストライカ１０，１０と係合して後部ドア６を閉じた状態に維持し、前部ドア１に取り付けられたロック装置５は後部ドア６の半露出パネル６ｃに取り付けられたストライカ９と係合して前部ドア１を閉じた状態に維持している。そして、前部ドアハンドル３若しくはインナーハンドル４を操作するとロック装置５が応動してストライカ９との係合を解除して前部ドア１が開扉する。次に後部ドアハンドルを後部ドアハンドル８を操作すると後述するケーブル３０，４０を介してロック装置１１，１１が応動して車体に設けられたストライカ１０，１０との係合を解除し、後部ドア６が開扉するようになっている。
【００１４】
次に後部ドアハンドル８を詳細に説明する。なお、便宜上、図４乃至図８はケーブル３０，４０を省略している。
図３において、１２はハンドルベースであり、該ハンドルベース１２は後述するブラケットにネジ１３で固定され、正面側にはオープニングハンドル１４が収納される凹部１５が形成されている。
【００１５】
オープニングハンドル１４は、後述する長軸２０を中心に回動可能となっており、操作部１４ａは図４において長軸２０の真下付近から前方に向かって長軸２０を中心とした円弧状態に形成されている。従って、操作部１４ａの後端１４ｂを、後側から前側への操作すると前端１４ｃ（阻止部材）は車室内から車室外（図４においてＡ方向）へ向かって回動する。また、車室内または車室外から操作する場合、人の位置からすると斜め前方（図４においてＢ方向）に向かって操作することになり、後部ドア６を開扉する方向へ作用することになる。なお、後端１４ｂは回動すると斜めの傾斜がより大きくなり（図６においてＣ方向）、後部ドア６を開扉する方向へ、より大きく作用が働くことになる。
【００１６】
また、オープニングハンドル１４には、ハンドルベース１２に形成した開口１２ａを介してハンドルベース１２の裏面側に突出するアーム１６，１７が形成され、一方のアーム１６には、図４において右側に突出した押圧部１８が突設されている。
【００１７】
１９は後部ドア６のインナーパネル６ｂの前端部（図４において左側）に取り付けられるブラケットであり、このブラケット１９は金属板をプレス加工して形成され、取付部１９ａと１９ｂが設けられている。そして、この取付部１９ａと１９ｂと図示していない他の取付部の３箇所でインナーパネル６ｂに図示しないネジ止めにより固定されるようになっている。
【００１８】
このブラケット１９には、長軸２０、支軸２１に回動可能に軸支されたレバー２２、長軸２０に装着されたリターンスプリング２３、前記オープニングハンドル１４の戻し操作時の衝撃音を和らげるゴム部材で形成されたストップラバー２４，２５が装着されている。
【００１９】
長軸２０は前記オープニング１４のアーム１６，１７に穿設された軸孔（図示せず）に貫入してオープニングハンドル１４を回動可能に支持する棒状であって、その一端部２０ａが鍔部となっており、前記アーム１６，１７間にリターンスプリング２３を配設した状態で他端部２０ｂを加締によってブラケット１９に固定されている。
【００２０】
レバー２２は前記オープニングハンドル１４のアーム１６の突設された押圧部１８に当接している押圧受部２２ａ、回動したとき前記一方のストップラバー２４に接触しないように設けられた逃がし孔２２ｂ、前記リターンスプリング２３の一端部２３ａに係合する凹部２２ｃ、後述する上方のケーブル３０に連結する連結孔２２ｄ、下方のケーブル４０に連結する連結孔２２ｅが形成され、リターンスプリング２３によって支軸２１を中心に図５において、時計回り方向に付勢されている。そして、連結孔２２ｅには下方のケーブル４０を保持するクリップ２６が嵌入されている。
【００２１】
クリップ２６は図９（ａ）乃至（ｄ）に示すように板状の基部２６ａ、円筒状の胴体部２６ｂ、弾性係合部２６ｃ、弾性保持部２６ｄで形成されており、基部２６ａと弾性保持部２６ｄとの開口部２６ｅに傾斜面２６ｆが形成されており、弾性係合部２６ｃを上記レバー２２の連結孔２２ｅに挿入して押し込むことにより弾性係合部２６ｃが係合した状態で胴体部２６ｂが連結孔２２ｅに嵌合してクリップ２６がレバー２２に回動可能に装着されるようになっている。
【００２２】
ストップラバー２４，２５は同一の形状でありストッパ部２４ａ（図示せず），２５ａと係止部２４ｂ，２５ｂで形成されている。そしてストッパ部２４ａはオープニングハンドルに形成された当接部（図示せず）に当接し、ストッパ部２５ａはアーム１７に形成した当接部１７ａに当接している。
【００２３】
また、上記ブラケット１９には後述する上方のケーブル３０と下方のケーブル４０を取り付ける取付片２７，２８が折り曲げて形成されている。この取付片２７，２８にはそれぞれＵ字状の取付凹部２７ａ，２８ａが設けられている。
【００２４】
上方のケーブル３０は、図１０に示すようにインナーケーブル３１、該インナーケーブル３１の先端に取り付けられた連結部３２、インナーケーブル３１を摺動自在に収容しているアウター３３、該アウター３３の下方端部に固定された取付部材３４で概略が構成され、上方端部は上方のロック装置１１に接続され、インナーケーブル３１の作動に応動するようになっている。連結部３２は基部３２ａと該基部３２ａから直角に折れ曲がった胴体部３２ｂと胴体部３２ｂから下方に折れ曲がった係合部３２ｃとでコテ状に形成されている。また、取付部材３４には、前記ブラケット１９に形成された取付片２７の取付凹部２７ａに嵌入する溝部３４ａが形成され、下方先端部が円錐状に形成されている。
【００２５】
一方、下方のケーブル４０は、図１１に示すようにインナーケーブル４１、該インナーケーブル４１の先端に取り付けられた連結部４２、インナーケーブル４１を摺動自在に収容しているアウター４３、該アウター４３の上方端部に固定された取付部材４４で概略が構成され、下方端部は下方のロック装置１１に接続され、インナーケーブル４１の作動に応動するようになっている。連結部４２は基部４２ａと該基部４２ａから直角に折れ曲がった胴体部４２ｂとでＬ字形に形成されている。取付部材４４は、前記取付部材３４と同じ形状に形成されており、前記ブラケット１９に形成された取付片２８の取付凹部２８ａに嵌入する溝部４４ａを設け、上方先端部が円錐状に形成されている。
【００２６】
次に、上記構成からなる後部ドアハンドル８の後部ドア６への取付方法について説明する。
予め、後部ドアハンドル８には上下方向にそれぞれロック装置１１，１１が装着されており、該ロック装置１１，１１に上方のケーブル３０と下方のケーブル４０は接続されている。従って、上方のケーブル３０の連結部３２と下方のケーブル４０の連結部４２間は所定の間隔に位置している。
【００２７】
この状態で、後部ドアハンドル８を取付位置の状態から９０°傾けてレバー２２と上方のケーブル３０が直角方向になるようにして、レバー２２の連結孔２２ｄに上方のケーブル３０の連結部３２の先端部の係合部３２ｃを挿入すると、上方のケーブル３０とレバー２２の関係は図１２（ａ）のようになる。そして、係合部３２ｃを挿入した状態でドアハンドル８を取付位置の状態に戻すと、胴体部３２ｂが連結孔２２ｄに嵌り込み係合部３２ｃにより抜脱不能な状態となり、図１２（ｂ）のようになる。それから、取付部材３４の溝部３４ａを前記ブラケット１９に形成された取付片２７の取付凹部２７ａに嵌入すると上方のケーブル３０とレバー２２が連結された状態となる。
【００２８】
次に、下方のケーブル４０の連結部４２の胴体部４２ｂを図１３（ａ）においてＤ方向に移動させてレバー２２に装着されているクリップ２６の筒状孔２６ｇに差し込むと図１３（ｂ）及び（ｃ）の状態となる。そして、クリップ２６を図１３（ｃ）において時計回りに回動させると基部４２ａがクリップ２６の開口部２６ｅ（図９（ｃ）参照）から進入し傾斜面２６ｆによって弾性保持部２６ｄを押し上げて更に進出して保持孔２６ｈに嵌入する。そして弾性保持部２６ｄによって連結部４２は抜脱不能に保持され、取付部材４４の溝部４４ａを前記ブラケット１９に形成された取付片２８の取付凹部２８ａに嵌入すると下方のケーブル４０とレバー２２が連結され、図１５に示す状態となる。そして、ブラケット１９の３箇所の取付部１９ａ、１９ｂと図示していない他の取付部をネジでインナーパネル６ｂに固定し、後部ドアハンドル８の後部ドア６への取付が完了する。
【００２９】
次に、上記構成からなる自動車用ドアハンドル装置の動作につい説明する。
前部ドア１と後部ドア６が閉じられた状態では、後部ドア６の上下方向に取り付けらているロック装置１１，１１は車体に固定されているストライカ１０，１０と係合して、後部ドア６は閉じた位置に保持されている。この状態では、後部ドアハンドル８のリターンスプリング２３の作用でレバー２２が図５において支軸２１を中心に時計回りに付勢されている。そしてレバー２２の押圧受部２２ａに当接しているアーム１６の押圧部１８がこれを受けて、右側に押圧され、オープニングハンドル１４は図４において長軸２０を中心に反時計回りに付勢された状態で、ストップラバー２４，２５によって非操作位置に保持されている。
【００３０】
そして、後部ドア６を開扉するためには、まず前部ドア１の前部ドアハンドル３若しくはインナーハンドル４を操作してロック装置５を作動し、後部ドア６の半露出パネル６ｃに取り付けられたストライカ９との係合を解除して、前部ドア１を開扉することができる。
【００３１】
この状態で、車両の外側から後部ドアハンドル８のオープニングハンドル１４を引き操作または車室内から押し操作するとオープニングハンドル１４はリターンスプリング２３の付勢力に抗して図６に示すように長軸２０を中心に時計回りに回動する。このときオープニングハンドル１４のアーム１６に突設された押圧部１８も時計回りに回動して、レバー２２の押圧受部２２ａを押し下げ、図７に示すようにレバー２２は反時計回りに回動する。これにより、レバー２２の連結孔２２ｄは下方に下がり上方のケーブル３０のインナーケーブル３１が引かれて、上方のロック装置１１が作動し上方のストライカ１０との係合が外れる一方、連結孔２２ｅは上方に上がり下方のケーブル３０のインナーケーブル３１が引かれて、下方のロック装置１１が作動し下方のストライカ１０との係合も外れ、後部ドア６は開扉可能となる。
【００３２】
前部ドア１が閉じた状態で後部ドア６を開扉しようとして前記オープニングハンドル１４の操作部１４ａの後端１４ｂを押し操作すると、オープニングハンドル１４は長軸２０を中心に図４において時計回りに回動し、回動阻止部である前端１４ｃは車室内から車室外（図４においてＡ方向）に向かって回動し始める。しかし、前部ドア１が閉じられているため、前端１４ｃは前部ドア１のインナーパネル１ｂに当接しそれ以上の回動が阻止される。従って、後部座席の者が誤ってオープニングハンドル１４を操作しても、ロック装置１１，１１が作動することはなく、後部ドアが単独で開くことはない。
【００３３】
【発明の効果】
以上のように本発明は、車室内側の前端部にドアハンドル装置を取り付けているため、前部座席の者も後部座席の者もドアハンドル装置を操作してドアを開くことができ、半露出パネル付近に手を置くことがないので、不用意に前部ドアが閉じられても手を挟むことがない。また、前部ドアが閉じているときには阻止部材が前部ドアに当接して操作できないようになっているため、後部ドアが半開きになったりするようなことはない。さらに、ドアハンドル装置と前部ドアは隣接しているため操作部に応動して前部ドアに当接する阻止部材を小型化することができる。
【００３４】
また、操作部を後側から前側に作動するようにすれば、後部座席の者は車室内側から操作部を押し操作することになり、前側に押し操作することは同時にドアを開く方向に作用するため、容易にドアを開くことができる。そして、前部座席の者は外側から操作部を引き操作することになり、この引き操作は同時にドアを開く方向に作用するため、前部座席の者も容易にドアを開くことができる。
【００３５】
さらに、操作部を後側から前側に回動するようにし、阻止部材を操作部の前端部とすれば、阻止部材も操作部と一体的に回動することになり、操作部の後側から前側への操作に応動して、阻止部材は車室内側から社室外側方向に移動して、前部ドアに当接することになるため、部品点数を増加させることなく、後部ドアの開扉を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例のドアハンドル装置を装着した自動車の右側ドアを開扉した状態を上方から見た図。
【図２】図１の自動車を左側ドアの正面から見た図である。
【図３】本発明の後部ドアハンドルを車室内側から見た正面図。
【図４】ケーブルを省略した図３の一部断面平面図。
【図５】ケーブルを省略した図３の右側面図。
【図６】図４のオープニングハンドルを操作した状態を示す図。
【図７】図５のオープニングハンドルを操作してレバーが回動した状態を示す図。
【図８】図４のオープニングハンドルを操作して前部ドアに当接した状態を示す図。
【図９】（ａ）はクリップの平面図、（ｂ）は（ａ）の正面図、（ｃ）は（ｂ）の右側面図、（ｄ）は（ｂ）の断面図。
【図１０】上方側のケーブルの要部正面図。
【図１１】下方側のケーブルの要部正面図。
【図１２】上方側のケーブルのレバーへの取付を示す図で、（ａ）は組付開始状態、（ｂ）は組付後の図。
【図１３】下方側のケーブルのクリップへの取付を示す図で、（ａ）は組付前、（ｂ）は組付途中の図、（ｃ）は（ｂ）の右側面図。
【図１４】（ａ）は下方側のケーブルのクリップへの取付後を示す図、（ｂ）は（ａ）の右側面図。
【図１５】図５のケーブルを組付けた状態の図。
【符号の説明】
１…前部ドア、６…後部ドア、８…後部ドアハンドル、１４…オープニングハンドル、１４ａ…操作部、１４ｃ…前端（阻止部材）。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a door handle device for an automobile mounted on a so-called double-door type door that opens and closes a rear door when the front door is opened, and particularly to a rear door handle mounted on the rear door. is there.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-266524
2. Description of the Related Art A conventional door handle device for an automobile mounted on a double door type door includes a front door and a rear door, for example, as shown in Patent Document 1, and the front door has a front side with respect to a vehicle body. The rear door is hinged at the rear side to the vehicle body with a hinge, and a locking device that engages with a striker fixed to the vehicle body is attached to the upper and lower portions of the rear door, and the locking device and The door is kept closed by engagement with the striker. The front door is provided with a lock device that engages with a striker fixed to the half-exposed panel at the left end of the rear door, and the door is held closed by these engagements. A front door handle for releasing the lock device from the striker is attached to an outer panel of the front door, and the opening of the outer panel allows the front door to be independently opened. On the other hand, a rear door handle for releasing the lock device attached to the rear door from the striker is mounted in a mounting hole formed in a semi-exposed panel at the front end of the rear door. The semi-exposed panel is the connection between the outer panel and the inner panel at the front end of the rear door. When the front door is closed, it is hidden by the front door so that it cannot be operated, but the front door is open. A panel portion that is exposed to be operable when opened. The reason why the rear door handle is attached to the semi-exposed panel is to prohibit the rear door from being independently opened, and the rear door is a door that can be opened only when the door is open.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the rear door handle of Patent Document 1 is mounted on the semi-exposed panel, it is easy for a driver or the like who has occupied the front seat to open the rear door. It was very difficult for the occupants to open the doors themselves and get off because the rear door handle was not visible, and had to rely on those who got in the front seats.
[0005]
Also, if the rear seat is inadvertently closed when a person in the rear seat is operating with the hand on the rear door handle to open the door, the front door and the rear door will be closed. Her hands were caught and it was very dangerous.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, in order to solve the above problem, the present invention provides a door handle device for an automobile attached to a double door that opens and closes the rear door when the front door is opened.
A rear door handle, which releases the engagement between the rear door and the vehicle body by operating the operation unit, is attached to a front end of the rear panel of the vehicle interior side panel, and a blocking member responsive to the operation unit is closed during operation. It is characterized in that it comes into contact with the front door in a state where it has been set.
[0007]
According to this configuration, since the door handle device is attached to the front end on the vehicle interior side, the person in the rear seat can operate the door handle device to open the door, and place a hand near the semi-exposed panel. Because there is no hand, even if the front door is inadvertently closed, no hand is caught. Further, when the front door is closed, the blocking member is in contact with the front door and cannot be operated, so that the rear door does not open halfway. Further, since the door handle device and the front door are adjacent to each other, it is possible to reduce the size of the blocking member that contacts the front door in response to the operation unit.
[0008]
Further, it is preferable that the operation unit is operated from the rear side to the front side. According to this configuration, the rear seat person can push the operation unit obliquely forward from the vehicle interior side, that is, push the diagonally forward operation unit. As a result, the rear door is operated in the opening direction, so that the rear door can be easily opened. Also, when the person in the front seat pulls the operation unit from the outside, the pulling operation is also performed diagonally forward, and in this case, the rear door is operated in the opening direction, so that the front seat is opened. Can easily open the door.
[0009]
Further, it is preferable that the operation portion is rotated from the rear side to the front side, and the blocking member is preferably a front end portion of the operation portion. According to this configuration, the blocking member also rotates integrally with the operation portion, In response to the operation from the rear side of the operation unit to the front side, the blocking member moves from the vehicle interior side to the vehicle exterior side and comes into contact with the front door, so that the number of parts is not increased, The opening of the rear door can be prevented.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a top view showing a state where a right door of an automobile equipped with a door handle device according to an embodiment of the present invention is opened, and FIG. 2 is a front view of a left door.
[0011]
Reference numeral 1 denotes a front door 1 mounted on the front left and right sides of the vehicle and supported by a hinge 2 so as to be openable and closable. The front door 1 includes an outer panel 1a which is an outer surface of the vehicle, and an inner panel on the vehicle interior side. A main part is formed by the semi-exposed panel 1c which is a connection part with the part 1b. The front door handle 3 is attached to the outer panel 1a, the inner handle 4 is attached to the inner panel 1b, and the front door handle 3 and the inner handle 4 are provided between the inner panel 1b and the semi-exposed panel 1c. In response to one of the operations, a lock device 5 that is engaged and disengaged with a striker 9 described later is attached.
[0012]
Reference numeral 6 denotes a rear door mounted on the left and right of the rear of the vehicle and supported by a hinge 7. The rear door 6 includes an outer panel 6a which is an outer surface of the vehicle, and an inner panel 6b (a vehicle interior panel) on the vehicle interior side. ) And the semi-exposed panel 6c, which is a connection part, forms a main part. A rear door handle 8 is attached to the front end of the inner panel 6b, and a striker 9 with which the lock device 5 is engaged is attached to the semi-exposed panel 6c. Further, lock devices 11, 11 that are engaged with and disengaged from strikers 10, 10 provided on the vehicle body are attached to the front upper and lower ends of the rear door 6.
[0013]
When the door is closed, the lock devices 11, 11 attached to the rear door 6 are engaged with strikers 10, 10 provided on the vehicle body to maintain the rear door 6 closed, and the front door 1 is closed. The lock device 5 attached to the front door 1 is engaged with the striker 9 attached to the semi-exposed panel 6c of the rear door 6 to keep the front door 1 closed. When the front door handle 3 or the inner handle 4 is operated, the lock device 5 responds to release the engagement with the striker 9 and the front door 1 is opened. Next, when the rear door handle 8 is operated by the rear door handle, the lock devices 11, 11 are responsive to the rear door handle 8 via cables 30, 40, which will be described later, to release the engagement with the strikers 10, 10 provided on the vehicle body. 6 is to be opened.
[0014]
Next, the rear door handle 8 will be described in detail. 4 to 8 omit the cables 30 and 40 for convenience.
In FIG. 3, reference numeral 12 denotes a handle base. The handle base 12 is fixed to a bracket, which will be described later, with screws 13, and a concave portion 15 for receiving an opening handle 14 is formed on the front side.
[0015]
The opening handle 14 is rotatable about a long axis 20 to be described later, and the operation portion 14a is formed in an arc shape centered on the long axis 20 from immediately below the long axis 20 to the front in FIG. Have been. Therefore, when the rear end 14b of the operation portion 14a is operated from the rear side to the front side, the front end 14c (blocking member) rotates from the vehicle interior to the exterior of the vehicle interior (the direction A in FIG. 4). In addition, when operating from inside or outside of the vehicle, the operation is performed obliquely forward (in the direction B in FIG. 4) from the position of the person, and acts in a direction to open the rear door 6. When the rear end 14b rotates, the oblique inclination becomes larger (direction C in FIG. 6), and the rear end 14b acts more in the direction of opening the rear door 6.
[0016]
The opening handle 14 is provided with arms 16 and 17 projecting to the back side of the handle base 12 through an opening 12a formed in the handle base 12, and one arm 16 projects to the right in FIG. The pressing portion 18 is provided in a protruding manner.
[0017]
Reference numeral 19 denotes a bracket attached to the front end (the left side in FIG. 4) of the inner panel 6b of the rear door 6. This bracket 19 is formed by pressing a metal plate, and is provided with attachment portions 19a and 19b. The three attachment portions 19a and 19b and other attachment portions (not shown) are fixed to the inner panel 6b by screws (not shown).
[0018]
The bracket 19 includes a long shaft 20, a lever 22 rotatably supported on the support shaft 21, a return spring 23 mounted on the long shaft 20, and a rubber for reducing an impact sound when the opening handle 14 is returned. Stop rubbers 24 and 25 formed of members are mounted.
[0019]
The long shaft 20 has a rod shape that penetrates through shaft holes (not shown) formed in the arms 16 and 17 of the opening 14 and rotatably supports the opening handle 14, and one end portion 20 a of which is a flange portion. The other end 20b is fixed to the bracket 19 by caulking with the return spring 23 disposed between the arms 16 and 17.
[0020]
The lever 22 has a pressing receiving portion 22a in contact with the pressing portion 18 protruding from the arm 16 of the opening handle 14, an escape hole 22b provided so as not to contact the one stop rubber 24 when rotated. A concave portion 22c engaging with one end 23a of the return spring 23, a connecting hole 22d connecting to an upper cable 30 described later, and a connecting hole 22e connecting to a lower cable 40 are formed. In the center in FIG. 5, it is urged clockwise. The clip 26 for holding the lower cable 40 is fitted in the connection hole 22e.
[0021]
As shown in FIGS. 9A to 9D, the clip 26 is formed of a plate-like base 26a, a cylindrical body 26b, an elastic engaging portion 26c, and an elastic holding portion 26d. An inclined surface 26f is formed in an opening 26e with the portion 26d, and the elastic body 26c is inserted into the connecting hole 22e of the lever 22 and pushed in, so that the body part is engaged with the elastic engaging part 26c. The clip 26 is fitted into the connecting hole 22e so that the clip 26 is rotatably mounted on the lever 22.
[0022]
The stop rubbers 24, 25 have the same shape and are formed by stopper portions 24a (not shown), 25a and locking portions 24b, 25b. The stopper portion 24a contacts a contact portion (not shown) formed on the opening handle, and the stopper portion 25a contacts a contact portion 17a formed on the arm 17.
[0023]
The bracket 19 is formed by bending attachment pieces 27 and 28 for attaching an upper cable 30 and a lower cable 40 described later. The mounting pieces 27 and 28 are provided with U-shaped mounting recesses 27a and 28a, respectively.
[0024]
As shown in FIG. 10, the upper cable 30 includes an inner cable 31, a connecting portion 32 attached to a tip of the inner cable 31, an outer 33 that slidably accommodates the inner cable 31, and a lower part of the outer 33. The upper end is connected to the upper locking device 11 and is responsive to the operation of the inner cable 31. The connecting portion 32 is formed in a iron shape with a base portion 32a, a body portion 32b bent at a right angle from the base portion 32a, and an engaging portion 32c bent downward from the body portion 32b. The mounting member 34 is formed with a groove 34a that fits into the mounting recess 27a of the mounting piece 27 formed on the bracket 19, and the lower end is formed in a conical shape.
[0025]
On the other hand, as shown in FIG. 11, the lower cable 40 includes an inner cable 41, a connecting portion 42 attached to a distal end of the inner cable 41, an outer 43 that slidably accommodates the inner cable 41, and an outer 43. The lower end is connected to the lower lock device 11, and is responsive to the operation of the inner cable 41. The connecting portion 42 is formed in an L-shape by a base portion 42a and a body portion 42b bent at a right angle from the base portion 42a. The mounting member 44 is formed in the same shape as the mounting member 34, is provided with a groove 44 a that fits into the mounting recess 28 a of the mounting piece 28 formed in the bracket 19, and has an upper end formed in a conical shape. I have.
[0026]
Next, a method of attaching the rear door handle 8 having the above configuration to the rear door 6 will be described.
Locking devices 11 and 11 are attached to the rear door handle 8 in the vertical direction in advance, and the upper cable 30 and the lower cable 40 are connected to the locking devices 11 and 11 respectively. Therefore, the connection portion 32 of the upper cable 30 and the connection portion 42 of the lower cable 40 are located at a predetermined interval.
[0027]
In this state, the rear door handle 8 is tilted by 90 ° from the state of the mounting position so that the lever 22 and the upper cable 30 are at right angles to each other. When the engaging portion 32c at the distal end is inserted, the relationship between the upper cable 30 and the lever 22 is as shown in FIG. When the door handle 8 is returned to the mounting position with the engagement portion 32c inserted, the body portion 32b is fitted into the connection hole 22d and cannot be removed by the engagement portion 32c. become that way. Then, when the groove 34a of the mounting member 34 is fitted into the mounting recess 27a of the mounting piece 27 formed on the bracket 19, the upper cable 30 and the lever 22 are connected.
[0028]
Next, when the body portion 42b of the connecting portion 42 of the lower cable 40 is moved in the direction D in FIG. 13A and inserted into the cylindrical hole 26g of the clip 26 attached to the lever 22, FIG. And (c). Then, when the clip 26 is rotated clockwise in FIG. 13C, the base 42a enters from the opening 26e of the clip 26 (see FIG. 9C), and the elastic holding portion 26d is pushed up by the inclined surface 26f to be further pushed up. It advances and fits into the holding hole 26h. The connecting portion 42 is undetachably held by the elastic holding portion 26d. When the groove 44a of the mounting member 44 is fitted into the mounting recess 28a of the mounting piece 28 formed on the bracket 19, the lower cable 40 and the lever 22 are connected. Then, the state shown in FIG. 15 is obtained. Then, the three mounting portions 19a and 19b of the bracket 19 and other mounting portions (not shown) are fixed to the inner panel 6b with screws, and the mounting of the rear door handle 8 to the rear door 6 is completed.
[0029]
Next, the operation of the vehicle door handle device having the above configuration will be described.
When the front door 1 and the rear door 6 are closed, the lock devices 11, 11 attached to the rear door 6 in the vertical direction engage with the strikers 10, 10 fixed to the vehicle body, and the rear door 6 is closed. 6 is held in the closed position. In this state, the lever 22 is urged clockwise around the support shaft 21 in FIG. 5 by the action of the return spring 23 of the rear door handle 8. Then, the pressing portion 18 of the arm 16 which is in contact with the pressing receiving portion 22a of the lever 22 receives this and is pressed rightward, and the opening handle 14 is urged counterclockwise around the long axis 20 in FIG. In this state, it is held in the non-operation position by the stop rubbers 24 and 25.
[0030]
In order to open the rear door 6, the lock device 5 is first operated by operating the front door handle 3 or the inner handle 4 of the front door 1, and the rear door 6 is attached to the semi-exposed panel 6c of the rear door 6. The front door 1 can be opened by releasing the engagement with the striker 9.
[0031]
In this state, when the opening handle 14 of the rear door handle 8 is pulled from the outside of the vehicle or pushed from the interior of the vehicle, the opening handle 14 moves the long shaft 20 against the urging force of the return spring 23 as shown in FIG. Rotate clockwise around the center. At this time, the pressing portion 18 protruding from the arm 16 of the opening handle 14 also rotates clockwise to push down the pressing receiving portion 22a of the lever 22, and the lever 22 rotates counterclockwise as shown in FIG. I do. As a result, the connecting hole 22d of the lever 22 is lowered and the inner cable 31 of the upper cable 30 is pulled, and the upper locking device 11 is operated to disengage with the upper striker 10, while the connecting hole 22e is closed. The inner cable 31 of the lower cable 30 is pulled upward, the lower locking device 11 is operated, the engagement with the lower striker 10 is released, and the rear door 6 can be opened.
[0032]
When the rear end 14b of the operating portion 14a of the opening handle 14 is pushed to open the rear door 6 with the front door 1 closed, the opening handle 14 rotates clockwise in FIG. The front end 14c, which is a rotation preventing portion, starts to rotate from the vehicle interior to the exterior of the vehicle interior (the direction A in FIG. 4). However, since the front door 1 is closed, the front end 14c abuts on the inner panel 1b of the front door 1 and further rotation is prevented. Therefore, even if a person in the rear seat operates the opening handle 14 by mistake, the locking devices 11 and 11 do not operate, and the rear door does not open alone.
[0033]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the door handle device is attached to the front end on the vehicle interior side, both the front seat person and the rear seat person can operate the door handle device to open the door. Since the hand is not placed near the exposed panel, the hand is not caught even if the front door is inadvertently closed. In addition, when the front door is closed, the blocking member is in contact with the front door and cannot be operated, so that the rear door does not open halfway. Further, since the door handle device and the front door are adjacent to each other, it is possible to reduce the size of the blocking member that contacts the front door in response to the operation unit.
[0034]
Also, if the operating part is operated from the rear side to the front side, the person in the rear seat will push the operating part from the inside of the vehicle interior, and pushing forward the front will simultaneously act in the direction to open the door Therefore, the door can be easily opened. Then, the person in the front seat pulls the operation unit from the outside, and this pulling operation simultaneously acts in the direction of opening the door, so that the person in the front seat can also easily open the door.
[0035]
Further, if the operating portion is rotated from the rear side to the front side, and the blocking member is the front end of the operating portion, the blocking member also rotates integrally with the operating portion, and from the rear side of the operating portion. In response to the operation to the front side, the blocking member moves from the vehicle interior side to the outside of the company room and comes into contact with the front door, so that the rear door can be opened without increasing the number of parts. Can be blocked.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a top view of a vehicle equipped with a door handle device according to an embodiment of the present invention, in which a right door is opened.
FIG. 2 is a view of the automobile of FIG. 1 as viewed from the front of a left door.
FIG. 3 is a front view of the rear door handle of the present invention as viewed from the vehicle interior side.
FIG. 4 is a partial cross-sectional plan view of FIG. 3 from which a cable is omitted.
FIG. 5 is a right side view of FIG. 3 from which a cable is omitted.
FIG. 6 is a view showing a state where the opening handle of FIG. 4 is operated.
FIG. 7 is a view showing a state in which a lever is turned by operating the opening handle of FIG. 5;
FIG. 8 is a view showing a state in which the opening handle of FIG. 4 is operated to come into contact with the front door.
9A is a plan view of a clip, FIG. 9B is a front view of FIG. 9A, FIG. 9C is a right side view of FIG. 9B, and FIG. 9D is a cross-sectional view of FIG.
FIG. 10 is a front view of a main part of an upper cable.
FIG. 11 is a front view of a main part of a cable on the lower side.
12A and 12B are diagrams showing an upper cable attached to a lever, wherein FIG. 12A is a state in which assembly is started, and FIG. 12B is a diagram after assembly.
13A and 13B are diagrams showing attachment of the cable on the lower side to the clip, where FIG. 13A is a diagram before assembly, FIG. 13B is a diagram during assembly, and FIG. 13C is a right side view of FIG.
14A is a diagram showing a lower cable after being attached to a clip, and FIG. 14B is a right side view of FIG.
FIG. 15 is a view showing a state where the cable of FIG. 5 is assembled.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... front door, 6 ... rear door, 8 ... rear door handle, 14 ... opening handle, 14a ... operation part, 14c ... front end (blocking member).
