JP2004307443A - カスパーゼ−9活性阻害剤含有組成物 - Google Patents

カスパーゼ−9活性阻害剤含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】カスパーゼ−9阻害剤の提供。
【解決手段】本発明は、ツバキ科チャノキ葉エキス、バラ科トルメンチラエキス、ブドウ科ブドウ葉エキス、ツバキ科コウチャエキス、ツバキ科アッサムチャエキス、マメ科アスパラサスリネアリスエキス、シナノキ科ボダイジュエキス、ムラサキ科コンフリーエキス、ユリアニア科クアチャララーテエキス、ダテ科地上部エキス、ツツジ科葉エキス、オトギリソウ科樹皮エキス、ツバキ科樹皮エキス、シナノキ科幹エキス、クスノキ科幹又は葉エキス、カンラン科樹皮エキス、ハイノキ科樹皮エキス及びクワ科樹皮エキスから成る群から選ばれる1又は複数の生薬エキスをカスパーゼ−9活性阻害成分として含んで成る、カスパーゼ−9阻害組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カスパーゼ−9の活性を阻害する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アポトーシスは発生過程における不要細胞の排除、恒常性維持のための細胞の除去、感染症や癌に対する生体防御の目的で引き起こされる細胞死であり、様々なシグナル伝達系を介して実行される。アポトーシスは様々な疾患における病態に関与していることも報告され、その人為的な制御は様々な疾患の治療に有効であるものと考えられている。このアポトーシス分子機構に深く関与しているのがシステインプロテアーゼであるカスパーゼ分子群であり、現在までにヒト、マウスに由来のものを含め、約15種類の存在が知られている。
【0003】
アポトーシスの分子機構は大きく分けてミトコンドリアを介する経路で活性化が行われる内因系活性化系と、ミトコンドリアを介さない経路で活性化が行われる外因系活性化系との二つの経路がある。内因系活性化経路におけるアポトーシス誘導においては、アポトーシス誘導作用をもつBH3−only因子が同様に誘導活性作用をもつBaxとBak因子を活性化し、その活性化をアポトーシス抑制作用をもつBcl−2やBcl−X等といった因子が抑える、あるいはBH3−only因子がBcl−2やBcl−X因子を抑えることでBaxとBakが活性化されるという制御系列が考えられる。この制御系により細胞死が決定されると、ミトコンドリアからアポトーシスシグナル伝達分子チトクロームcが放出され、そのチトクロームcがアダプタータンパク質Apaf−1を介してカスパーゼ−9を活性化し、活性化されたカスパーゼ−9がアポトーシス実行に関わる実行カスパーゼ−2、3、6、7を活性化する。このように、カスパーゼ−9が内因系活性化経路における開始カスパーゼを担う。
【0004】
カスパーゼ−9は他のカスパーゼ分子群と同様活性中心にシステイン残基をもつプロテアーゼであり、不活性型のプロカスパーゼの状態で存在し、切断されることで活性化される。カスパーゼ−9の全長配列についてはhttp://www−personal.umich.edu/ ̄ino/List/31919.htmにおいて公開されている。
【0005】
開始カスパーゼを司ることで、カスパーゼ−9は様々な疾患、例えば脳梗塞等の脳神経疾患、脊髄損傷、脳損傷等の外傷性損傷、アルツハイマー病等の変性疾患に関与することが示唆されている(実験医学 Vol.18, No.3(8月号)2000)。また、カスパーゼ−9はUVにより媒介される細胞収縮やヒト角化細胞におけるUV死実行経路に関与し、カスパーゼ−9の阻害が正常角化細胞をUVB誘導アポトーシスから保護できることが報告されている(Collin C. et al., Journal of Biological Chemistry, Vol.276, No.40. 2001, pp. 37602− 37611 及び Leonid A. et al., Journal of Biological Chemistry, Vol.277, No.22. 2002, pp. 19346−19352)。このように、カスパーゼ−9は様々な疾患における病態やUVBによる皮膚細胞死に関与していることから、その人為的な制御は神経疾患を含む様々な疾患の治療・予防、UVBによる皮膚老化の予防・治療等に有効となり得るものと考えられている。
【非特許文献1】
実験医学 Vol.18, No.3(8月号)2000
【非特許文献2】
Collin C. et al., Journal of Biological Chemistry, Vol.276, No .40. 2001, pp. 37602− 37611
【非特許文献3】
Leonid A. et al., Journal of Biological Chemistry, Vol.277, No .22. 2002, pp. 19346−19352
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記カスパーゼ−9の活性を阻害し、その結果カスパーゼ−9の存在が関与する疾患の予防・治療、またはUVBによる皮膚細胞死の抑制等に使用できる医薬又は化粧製剤の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は数ある生薬の中から、下記の生薬がカスパーゼ−9の酵素活性を効果的に阻害できることを見出し、本発明を完成するに至った:
ツバキ科チャノキ(Thea sinensis L. (Theaceae))葉エキス、
バラ科トルメンチラ(Potentilla tormentilla Neck.)エキス
ブドウ科ブドウ葉(Vitis vinifera L.)エキス
ツバキ科コウチャ(Thea sinensis L.)エキス
ツバキ科アッサムチャ(Thea sinensis L. var. assamica Pierre)エキス
マメ科アスパラサスリネアリス(Aspalathus linearis (N.L.Burm.) R.Dahlgr.)エキス
シナノキ科ボダイジュ(Tilia cordata Miller(和名:フエボダイジュ)エキスムラサキ科コンフリー(Symphytum officinale L.(和名:ヒレハリソウ))エキス
ユリアニア科クアチャララーテ(Juliania adstringens)エキス(〜6m喬木樹皮)
ダテ科(Rumex salicifolius Weinm)地上部エキス
ツツジ科(Arctostaphylos patula Greene)葉エキス
オトギリソウ科(Calophyllum brasiliensis Cambess)樹皮エキス
ツバキ科(Schima noronhae Reinw)果実エキス
シナノキ科(Grewia salutaris Span)樹皮エキス
クスノキ科(Persea americana Mill)樹皮エキス
カンラン科(Boswellia serrata)樹皮エキス
ハイノキ科(Symplocos racemosa)樹皮エキス
クワ科(Ficus religiosa)樹皮エキス
【0008】
従って、本発明は上記生薬を1又は複数種、カスパーゼ−9活性阻害成分として含んで成る、カスパーゼ−9阻害組成物を提供する。
好適な態様において、かかるカスパーゼ−9阻害組成物は育毛剤として利用される。この場合、当該カスパーゼ−9阻害組成物は頭皮に塗布することで使用されるのが好ましい。別の好適な態様において、かかるカスパーゼ−9阻害組成物はカスパーゼ−9の存在が関与する神経疾患の治療又は予防のための医薬製剤として利用される。この場合、この医薬製剤は経口又は非経口投与されるのが好ましい。更なる別の好適な態様において、かかるカスパーゼ−9阻害組成物はUVB照射を原因とするカスパーゼ−9の活性化が関与する皮膚細胞死又は皮膚老化を治療又は予防するための医薬製剤又は化粧製剤として利用される。この場合、当該カスパーゼ−9阻害組成物は皮膚に塗布することで使用されるのが好ましい。
上記生薬は全て慣用の医薬製剤や化粧製剤に既に使用されているものであり、従って人体を含む生体や環境に対し安全に使用できることも確認されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
カスパーゼ−9の属するカスパーゼ分子群はシステインプロテアーゼであり、Asp−X結合(ここで「X」は任意のアミノ酸である)基質切断活性を有する。従って、カスパーゼ−9の活性、即ち、基質切断活性は、この酵素を例えば合成蛍光基質アセチル−Leu−Glu−His−Asp−メチルクマリンアミド(Ac−LEHD−MCA)に作用させ、Asp−X結合の切断の結果遊離する蛍光物質メミノメチルクマリンに由来する蛍光を測定することで決定することができる。従って、本発明でいうカスパーゼ−9活性とは、カスパーゼ−9がもつAsp−X結合特異的基質切断活性を意味し得る。
【0010】
本発明者はカスパーゼ−9の基質切断特性を阻害する生薬をスクリーニングするため、上記基質を用いて種々の生薬のカスパーゼ−9活性阻害作用を調べた。詳しくは、Ac−LEHD−MCAを含む緩衝液にリコンビナントカスパーゼ−9および種々のサンプル生薬を加えてインキュベートして酵素反応させ、遊離したアミノメチルクマリンの蛍光強度を、サンプル生薬を加えずに同様の条件下で酵素反応させたコントロールの値と比較することで、各生薬のカスパーゼ−9活性阻害作用を調べた。
【0011】
リコンビナントカスパーゼ−9は例えばRyan C.A. et al., Biochem. J. 2002 Sep. 1; 366(Pt.2): 595−601 の記載に従い作製でき、具体的には以下のようにして作製できる。
カスパーゼ−9はどのような細胞でも発現しているので、適当な培養細胞から例えばIsogenなどを用いてRNAを取得し、RT−PCRによりその遺伝子のcDNAを得ることができる。通常、6個のヒスチジン残基の結合した(His−tag)リコンビナントタンパク質として作製することができる。これには、pQE30(QIAGEN)というプラスミドベクタ−を用いる。cDNAを適当な制限酵素サイトを付加したリンカープライマーを用いて増幅し、当確ベクターに組み込む。これを大腸菌(例えばJM109やBL21)にトランスフォームし、LB倍地中で一晩培養する。IPTG添加により、目的のタンパク質を合成させ、しばらく培養した後、大腸菌を溶解し、上清をニケルカラムにアプライする。良く洗浄した後、250mM程度のイミダゾールを含む緩衝液をカラムに流すことにより、結合したHis−tagのついたリコンビナントカスパーゼ−9を精製することができる。
【0012】
カスパーゼ−9の活性を効果的に阻害することのできる本発明に係る植物生薬エキスを得るには、好ましくは抽出植物材料を乾燥し、必要に応じて小片化又は破砕してよい。抽出剤としては、水、有機液剤、水に混和性の有機溶剤と水との混合溶剤等が使用でき、水に混和性の有機溶剤と水との混合溶液が特に好ましい。有機溶剤としては、エタノール、メタノール等が挙げられる。エタノール水溶液が好ましく、特に70%エタノール水溶液が好ましい。抽出濃度としては、室温〜抽出剤の沸点までの温度を使用することができ、20℃〜37℃が特に好ましい。抽出は3時間〜7日間行ってよい。
【0013】
エキスは、減圧蒸発等常法に従って溶剤を除去して乾燥することもでき、また抽出溶剤として非毒性の溶剤、例えば、水、エタノール水溶液等を使用した場合には、抽出液をそのままで、又は適当に濃縮して用いることができる。
【0014】
本発明に係るカスパーゼ−9の活性阻害組成物はカスパーゼ−9の活性を抑制する様々な目的に使用することができる。例えば、本発明にかかる阻害組成物はカスパーゼ−9の存在が関与する神経疾患、例えば脳梗塞等の脳神経疾患、脊髄損傷、脳損傷等の外傷性損傷、アルツハイマー病等の変性疾患の治療又は予防のための医薬製剤、UVB照射を原因とする皮膚細胞死による皮膚老化の治療又は予防のための医薬製剤又は化粧製剤等として利用できる。また、脱毛はカスパーゼ依存性のアポトーシスによるものであり、カスパーゼ−9が活性化されることによって起きる。従って、カスパーゼ−9阻害活性を有する上記生薬は、育毛剤として利用できる。
【0015】
上記医薬製剤又は化粧製剤は、通常、上記生薬エキスを水やエタノール等の水性溶媒に含有させて用いられる。本発明にかかる生薬エキスの配合量は特に限定されないが、例えば0.01〜10重量%、特に0.1〜5.0重量%程度の範囲が好ましい。上記水性溶媒としては、低級アルコールが好ましく、低級アルコールの含有量は、当該医薬製剤又は化粧製剤中に、20〜80重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
【0016】
また、上記医薬製剤又は化粧製剤には、上記必須成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、その他の美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0017】
その他、薬剤の用途に合わせ、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類なども適宜配合することができる。
【0018】
上記医薬製剤又は化粧製剤剤は、その用途に合わせ、例えば化粧料、医薬品、医薬部外品等の外用剤、例えば化粧水、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤、軟膏、ヘアーローション、ヘアートニック、ヘアーリキッド、シャンプー、リンス、養毛・育毛剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
【0019】
以下に本発明の限定でない実施例を提供する。
【0020】
【実施例】
実施例1
カスパーゼ−9の活性阻害物質のスクリーニング法
カスパーゼ−9の活性測定は、合成の蛍光基質アセチル−Leu−Glu−His−Asp−メチルクマリンアミド(Ac−LEHD−MCA)を用いて行った。10mMのAc−LEHD−MCA 10μl、100mMのジチオスレイトール1μl、1MのTris−HCl(pH7.5)5μl、蒸留水75μlを含む緩衝液に4μlのリコンビナントカスパーゼ−9およびサンプル生薬5μl(5μg)を加えて、37℃で30分間インキュベートした。
【0021】
反応は0.1Mクロロ酢酸2mlを添加して停止させ、遊離したメミノメチルクマリンの460nmの蛍光強度(励起波長380nm)をフルオロメーターで測定した。サンプルのカスパーゼ−9阻害活性は、溶媒コントロールに対する値として示す。
【0022】
その結果、以下の生薬エキスがカスパーゼ−9の活性を有為に阻害した:
Figure 2004307443
【0023】
実施例2
退行期毛包における活性化カスパーゼ−9の検出
毛周期における退行期に毛乳頭周囲の毛母細胞にアポトーシスが起っており、このアポトーシスにカスパーゼファミリーの一員たるカスパーゼ−3が関与していること、及び毛包の器官培養においてカスパーゼ−3阻害剤が、毛周期における成長期を延長し、退行期の進行を抑制することがわかっている(例えば、特開2000−258408号公報を参照のこと)。本実験では、内因系活性化経路においてカスパーゼ−3の活性化を司るカスパーゼ−9の、退行期毛包におけるその活性化状態での存在について調べた。
【0024】
形成外科手術により得られたヒト頭皮から様々な段階の退行期毛包を単離し、凍結切片作製用包埋剤OCTコンパウンド(Tissue−Tek; Sakura社製)に包埋し、5ミクロンの凍結切片を作製した。4%パラフォルムアルデヒドで20分間固定した後、活性化カスパーゼ−9特異的抗体(一次抗体)又は対照としての活性化カスパーゼ−3特異的抗体(一次抗体)と室温で1時間インキュベートし、洗浄後、テキサスレッドを結合させたロバの抗ウサギ抗体と反応させ、蛍光顕微鏡(オリンパス(株)社製;AHS)で観察して、毛包内の活性化カスパーゼ−9又は活性化カスパーゼ−3の存在を調べた。その結果を図1に示す。
【0025】
尚、活性化カスパーゼ−9特異的抗体はFujita E. et al., Brain Res. Dev. Brain Res. (2000) Vol.122, pp.135−147 (Detection of caspase−9 activation in the cell death of the Bcl−x−deficient mouse embryo nervous system by cleavage sites−directed antisera)の記載に従って作製したものであり、活性化カスパーゼ−3特異的抗体はUrase K. et al., Brain Res. Dev. Brain Res. (1998) Vol.111, pp.77−87 (Detection of activated caspase−3 (CPP32) in the vertebrate nervous system during development by a cleavage site−directed antiserum) の記載に従って作製したものである。
【0026】
図1(a)は退行初期毛包の染色写真を示す。カスパーゼ−3、9のいずれの写真においても、毛乳頭のすぐ上部がよく染色され、その部分での活性化カスパーゼ−3及び9の同程度で顕著な存在が示された。図1(b)は退行中期毛包の染色写真を示す。これも同様にカスパーゼ−3、9のいずれの写真において、上皮系細胞全体、特に棍棒上皮細胞及びストランド部分がよく染色され、その部分での活性化カスパーゼ−3及び9の同程度で顕著な存在が示された。前述の通り、カスパーゼ−3の内因系活性化はカスパーゼ−9が担う。従って、活性化カスパーゼ−3が実行する退行期の毛母細胞のアポトーシスの開始にはカスパーゼ−9の活性化が関与し、その結果カスパーゼ−3阻害剤と同様、カスパーゼ−9阻害剤も毛周期における成長期を延長し、退行期の進行を抑制することが明らかである。以上の結果から、実施例1においてカスパーゼ−9阻害活性の認められた生薬は、育毛剤として利用できるものと予想される。
【0027】
【発明の効果】
上記生薬含有組成物はカスパーゼ−9の特異的基質切断活性を阻害できる。従って、上記生薬含有組成物は、カスパーゼ−9の存在が関与する神経疾患、例えば脳梗塞等の脳神経疾患、脊髄損傷、脳損傷等の外傷性損傷、アルツハイマー病等の変性疾患の治療又は予防のための医薬製剤、UVB照射を原因とする皮膚細胞死による皮膚老化の治療又は予防のための医薬製剤又は化粧製剤等として利用できる。また、上記生薬含有組成物は育毛剤としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】退行期毛包における活性化カスパーゼ−3及び9の存在を示す顕微鏡写真図。

Claims (7)

  1. ツバキ科チャノキ(Thea sinensis L. (Theaceae))葉エキス、バラ科トルメンチラ(Potentilla tormentilla Neck.)エキス、ブドウ科ブドウ葉(Vitis vinifera L.)エキス、ツバキ科コウチャ(Thea sinensis L.)エキス、ツバキ科アッサムチャ(Thea sinensis L. var. assamica Pierre)エキス、マメ科アスパラサスリネアリス(Aspalathus linearis (N.L.Burm.) R.Dahlgr.)エキス、シナノキ科ボダイジュ(Tilia cordata Miller(和名:フエボダイジュ)エキス、ムラサキ科コンフリー(Symphytum officinale L.(和名:ヒレハリソウ))エキス、ユリアニア科クアチャララーテ(Juliania adstringens)エキス、ダテ科(Rumex salicifolius Weinm)地上部エキス、ツツジ科(Arctostaphylos patula Greene)葉エキス、オトギリソウ科(Calophyllum brasiliensis Cambess)樹皮エキス、ツバキ科(Schima noronhae Reinw)樹皮エキス、シナノキ科(Grewia salutaris Span)幹エキス、クスノキ科(Persea americana Mill)幹又は葉エキス、カンラン科(Boswellia serrata)樹皮エキス、ハイノキ科(Symplocos racemosa)樹皮エキス及びクワ科(Ficus religiosa)樹皮エキスから成る群から選ばれる1又は複数の生薬エキスをカスパーゼ−9活性阻害成分として含んで成る、カスパーゼ−9阻害組成物。
  2. 育毛剤として利用される、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物。
  3. カスパーゼ−9の存在が関与する神経疾患の治療又は予防のための医薬製剤として利用される、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物。
  4. UVB照射を原因とするカスパーゼ−9の活性化が関与する皮膚細胞死又は皮膚老化を治療又は予防するための医薬製剤又は化粧製剤として利用される、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物。
  5. 育毛のため、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物を頭皮に塗布することを含んで成る方法。
  6. カスパーゼ−9の存在が関与する神経疾患の治療又は予防のため、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物を投与することを含んで成る方法。
  7. UVB照射を原因とするカスパーゼ−9の活性化が関与する皮膚細胞死又は皮膚老化を治療又は予防するため、請求項1記載のカスパーゼ−9阻害組成物を皮膚に塗布することを含んで成る方法。
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