JP2004307361A - 発毛剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】有用微生物群EMを利用して生成した抗酸化物質を含む発毛剤を提供する。
【解決手段】発毛剤1は、玄米、昆布、ビワ、およびパパイヤを含む植物をEMで発酵させ、オゾンにより酸化物を除去し、さらに微生物や残渣を除去した抽出液を具備する。発毛剤1を、スプレー瓶Aに入れ、朝晩に、頭皮Sがしっとりと濡れる程度に噴霧し、経皮吸収させる。これにより、発毛剤1に含まれる、抗酸化物質2、ビタミン成分3、生体金属元素成分5、アミノ酸成分4等の栄養類が、頭皮Sおよび毛球(毛母および毛乳頭)に送り込まれ、薄毛を引起こしている因子に働きかけ、発毛が促進される。
【選択図】 図1
【解決手段】発毛剤1は、玄米、昆布、ビワ、およびパパイヤを含む植物をEMで発酵させ、オゾンにより酸化物を除去し、さらに微生物や残渣を除去した抽出液を具備する。発毛剤1を、スプレー瓶Aに入れ、朝晩に、頭皮Sがしっとりと濡れる程度に噴霧し、経皮吸収させる。これにより、発毛剤1に含まれる、抗酸化物質2、ビタミン成分3、生体金属元素成分5、アミノ酸成分4等の栄養類が、頭皮Sおよび毛球(毛母および毛乳頭)に送り込まれ、薄毛を引起こしている因子に働きかけ、発毛が促進される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発毛剤に関するものであり、特に、有用微生物群を利用して得られた抽出液を含む発毛剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、髪は、その人のイメージにおいて重要な要素であると考えられていることが多い。例えば、人が髪型、および髪色等を変化させることによって顔のイメージが左右されることがある。そのため、髪が薄くなった(以下、薄毛と称する。)人は、思い通りの髪型を作ることができなくなり、自分らしさを失ったように思い、深刻に悩むことがある。
【0003】
そして、重度の薄毛の人は、実年齢より老けているように感じる、鬱状態、ストレス、社会的不適合に陥りやすい、自己嫌悪に陥りやすく、他人の目が気になる等の精神的ダメージを受けることが多いことがわかっている。そして、そのような精神的ダメージは身体全体の新陳代謝の減少、性格の神経症的変化、自己犠牲的発想、微量元素の吸収障害などを引起こし、栄養バランスの悪化につながるといわれ、最近、このようなストレスが免疫力の低下を引起こし、種々の細菌感染や皮膚の防御力に大きな影響を与えることも明らかにされている。このように、薄毛は、美容上だけでなく、間接的に、栄養バランスの悪化、免疫力の低下に伴う心身の障害を引起こす可能性がある。
【0004】
ところで、有用微生物群(Effective Microorganisms)は、光合成細菌、乳酸菌、酵母菌、糸状菌、放線菌を含む5科10属80種余りの嫌気性微生物および好気性微生物を共存させた微生物資材であり、強い抗酸化力を持ち、さらに抗酸化物質を生成するといわれている。そして、有用微生物群は、農薬、化学肥料の代替に利用され、その効果が確認されている。さらに、生活排水、下水、汚染された河川、湖沼の浄化等にも使用されている(例えば、非特許文献1参照)。また、一般に、抗酸化物質には、老化を防止する作用があるといわれている。
【0005】
【非特許文献1】
比嘉照夫、田中茂監修,「EM医学革命 いのちを救う!驚異のEM−Xとは EM情報大百科」,初版,綜合ユニコム株式会社,2000年9月15日,p.7−40
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、薄毛の対策、および治療の研究は、古くから行われており、遺伝、加齢変化(老化)、および男性ホルモンの作用等が薄毛の主な要因とこれまではいわれていたが、最近は、さらに、ストレス、外傷(紫外線、パーマ、毛染め等による刺激を含む)、生活様式の変化等も要因の一つと考えられるようになっている。そのため、薄毛に至るメカニズム等を解明することは難しく、未だ、解明されていない。
【0007】
そこで、薬品会社、および化粧品会社等は、血流をよくする末梢血管拡張剤、髪の成長に必要な酵素を活性化させる毛髪代謝活性化剤、およびビタミン類等の栄養補給剤を含む養毛剤、育毛剤を発売している。また、かつらや植毛による薄毛の対策も盛んに行われている。しかしながら、自身の毛髪を再生させるのに効果的なものは少なかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、有用微生物群を利用して生成した抗酸化物質を含む発毛剤を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の発毛剤は、「有用微生物群で植物を発酵させることにより得られ、前記植物に由来する抗酸化物質を含んでなる抽出液を具備する」ことを上述の課題を解決するための主な特徴とする。
【0010】
ここで、有用微生物群(Effective Microorganisms:以下、「EM」と称する。)とは、乳酸菌群、酵母菌群、放線菌群、光合成菌群、糸状菌群等を含む5科10属80種以上の嫌気性微生物および好気性微生物を共生させた液状の微生物資材である。そして、EMは、強い抗酸化力を持つといわれ、さらに、植物を発酵させ、低分子の抗酸化物質を生成するといわれている。ここで、抗酸化物質とは、細胞の酸化を引き起こす因子といわれるフリーラジカルを消去する機能を持った物質である。例えば、フラボノイド、ポリフェノール、ビタミンE、ビタミンC、および生体金属元素(一般に、ミネラルと呼ばれている。)のキレート等が相当する。さらに、抗酸化物質は、薄毛の要因の一つといわれている老化を防ぐといわれている。
【0011】
また、毛髪は、内側が毛乳頭、外側が毛母の二重構造になっている毛球で生成される。ここで、毛乳頭は、血液中から毛髪の原料となるアミノ酸、生体金属元素、および毛髪を作るのに必要なエネルギーであるビタミン、その他の栄養素を取り込み、毛母に送り込む。そして、それらの成分を受取った毛母細胞が分裂し、毛髪を生成する。
【0012】
また、発毛剤は、毛が抜け落ちた頭皮から毛を生やす「発毛」を促す外用剤をいい、「養毛剤」、「育毛剤」、「発毛促進剤」と呼ばれることもある。
【0013】
したがって、本発明の発毛剤は、有用微生物群で植物を発酵させることにより得られ、前記植物に由来する抗酸化物質を含んでなる抽出液を具備するため、頭皮に塗布することにより、頭皮、および毛球に抗酸化物質が吸収される。そして、頭皮、および毛球(毛乳頭、毛母)の老化が抑制される。すなわち、毛髪を生成する毛乳頭細胞、および毛母細胞の働きの衰え、頭皮の血管の衰えによる血流不足や栄養不足等が改善され、正常な発毛を促進することが可能となる。さらに、前述の抗酸化物質は、植物由来のものであり、化学合成されたものでない天然の抗酸化物質であるため、身体に対して無害で安全である。加えて、低分子の抗酸化物質を含むため、頭皮から吸収されやすい。そして、効率良く吸収されるため、発毛剤の使用量を減少させることが可能となる。
【0014】
上記の発毛剤を、「前記抽出液は、人体を構成する上で必要となるビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分をさらに含んでなる」ものとしてもよい。
【0015】
これにより、抽出液に含まれるビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分が、経皮吸収される。したがって、毛髪の原料となるアミノ酸、および生体金属元素、毛母細胞の分裂に必要なエネルギーであるビタミンが、容易に毛母に吸収され、互いに有効に作用し、毛母細胞が分裂し毛髪が生成され、発毛が促進される。
【0016】
上記の発毛剤を、「前記抽出液は、玄米、パパイヤ、および昆布が前記植物として利用される」ものとしてもよい。
【0017】
ここで、玄米は、ビタミンA、ビタミンB、およびビタミンEを多く含む。特に、ビタミンB1,B2,B6,B12,ニコチン酸,パントテン酸,葉酸,およびイトシノールという多くのビタミンB群を含むという特徴がある。そして、ビタミンBは、生体内で物質の代謝に関与する酵素に結合して、その働きを活性化する作用を持つ補酵素の構成材料として、重要な生理機能を発揮する栄養素である。特に、ビタミンB2,B6,および葉酸は、抗炎症作用があると言われ、脱毛の要因の一つと考えられている頭皮の炎症を改善することが可能となる。また、ビタミンAは健康な髪、皮膚を作る作用があるといわれいる。そして、ビタミンEは、抗酸化作用、血液循環を良くする作用があるといわれている。さらに、鉄、および亜鉛等の生体金属元素やタンパク質を豊富に含有する。ここで、亜鉛は、毛髪に多く含まれ、タンパク質の合成に必要であることがわかっている。
【0018】
そして、パパイヤは、ビタミンCの含有量が多い。ここで、ビタミンCは、皮膚の主成分であるコラーゲンの合成に必要であり、また、ビタミンEの抗酸化作用を助けるといわれている。また、消化酵素を豊富に保有し、タンパク質を分解し吸収しやすい状態にすることが知られている。
【0019】
また、昆布は、カルシウム、ヨウ素等の生体金属元素、およびタンパク質を多く含む。特に、カルシウムは、吸収効率の良いカルシウム化合物として含まれているといわれている。ここで、カルシウムとヨウ素は、血管の老化を防ぐ働きがあり、老化防止に有効性が認められている。
【0020】
さらに、EMで玄米、昆布、およびパパイヤを含む植物を発酵させて、抗酸化物質を抽出、および精製した液体は、一般に「EM−X」と呼ばれている。そして、EM−Xには、低分子のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド、γ−オリザノール、ユビキノン、サポニン、およびイノシトール等の抗酸化物質、L−アラニン、L−グルタミン等のアミノ酸、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド:nicotinamide adenine dinucleotide)、およびペプチド等の生理活性物質、および約40種の生体金属元素等を含むことが明らかになっている。さらに、EM−Xは、癌、糖尿病等の治療に使用されており、その抗酸化作用、免疫力増強作用、抗癌作用、抗高血糖作用等が報告されている。
【0021】
したがって、本発明の発毛剤によれば、ビタミン、および生体金属元素の中でも特に、皮膚、および毛髪に有効に作用するといわれているものが豊富に含有されている。例えば、玄米、昆布、およびパパイヤに由来するビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、および亜鉛を豊富に含有するため、脱毛の要因の一つと考えられる頭皮の慢性炎症が改善される。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを含む抗酸化物質、カルシウム、およびヨウ素により、老化が防止される。また、パパイヤに含まれる消化酵素により、タンパク質が分解されるため、吸収されやすくなる。すなわち、ビタミン成分、および生体金属元素成分によって、頭皮の慢性炎症、および毛母等の老化を抑制し(土壌を耕すことに相当)、さらにアミノ酸を加えること(水をまくことに相当)により、ビタミン、および生体金属元素が一層有効に作用し、毛乳頭、および毛母細胞をに栄養、およびエネルギーが行き渡り、発毛(発芽に相当)を促進することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の発毛剤1について、図1に基づいて説明する。図1は、発毛剤1の使用例を示す説明図である。
【0023】
本発明の一実施形態の発毛剤1は、玄米、昆布、ビワ、およびパパイヤを含む植物をEMで発酵させ、オゾンにより酸化物を除去し、さらに微生物や残渣を除去した抽出液を含むものである。そして、抽出液には、低分子のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド、γ−オリザノール、ユビキノン、サポニン、およびイノシトール等の抗酸化物質2、特に頭皮Sと毛髪に関係があるといわれるビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、およびビタミンE等のビタミン成分3、L−アラニン、L−グルタミン等のアミノ酸成分4、およびカルシウム、銅、マグネシウム、鉄、マンガン、リン、カリウム、セレニウム、亜鉛等の生体金属元素成分5等が含まれる。
【0024】
次に、本実施形態の発毛剤1を用いた使用例について説明する。まず、発毛剤1を、液体を霧状に噴出させることが可能なスプレー瓶Aに入れる。そして、毛髪が少ない(或いは、無い)部分の頭皮Sに、発毛剤1を頭皮Sがしっとりと濡れる程度に噴霧し、経皮吸収させる。また、発毛剤1を直接頭皮に塗布してもよい。なお、随時、発毛剤1を塗布することが可能であるが、朝晩に塗布するのが好適である。
【0025】
これにより、発毛剤1に含まれる多種のビタミン成分3、生体金属元素成分5、およびアミノ酸成分4が、頭皮および毛球(毛母および毛乳頭)に直接送り込まれる。そして、特に、頭皮Sや毛髪の環境を改善するのに必要なビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、ヨウ素、鉄、リン、カリウム、亜鉛等が、アミノ酸成分4と共にバランス良く含まれているため、毛乳頭、毛母細胞の退縮、および頭皮Sの慢性炎症による頭皮Sの血液の悪循環等の頭皮Sの状態が改善される。さらに、ビタミンE、ビタミンCを含む種々の抗酸化物質2によって、薄毛の原因の一つといわれる老化を防止することが可能となる。すなわち、発毛剤1に含まれる種々の成分が互いに有効に作用し、頭皮Sおよび毛球に効率良く吸収されるため、薄毛を引起こしている因子に働きかけ、発毛が促進される。
【0026】
また、本実施形態の発毛剤1は、植物をEMによって発酵させた抽出液を具備し、添加物は含有しない。すなわち、化学合成物質を含まず、飲用することも可能であり、副作用がなく、人体に対して安全である。
【0027】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0028】
すなわち、植物をEMで発酵させることにより生成された抗酸化物質2を含む抽出液を、毛髪洗浄成分等と混合したシャンプー、および毛髪保護成分等と混合したリンス等を作製し、使用するものであってもよい。
【0029】
また、一般に「EM−X」と呼ばれ、主に清涼飲料水として市販されている液体を抽出液として利用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発毛剤は、植物を有用微生物群で発酵させることにより生成される抗酸化物質を含む抽出液を具備する。そして、それらの抗酸化物質は、吸収率が高く、頭皮に塗布し、頭皮および毛球に直接吸収させることにより、老化による毛乳頭細胞、および毛母細胞の働きの衰え、頭皮の血管の衰えによる血流不足や栄養不足等が改善され、正常な発毛を促進することができる。さらに、ビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分を含有することにより、各成分が相互に効果的に作用し、頭皮の慢性炎症、および毛乳頭、毛母細胞の退縮等の薄毛を引起こしていると考えられる因子に働きかけ、さらに、発毛を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の発毛剤の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発毛剤
2 抗酸化物質
3 ビタミン成分
4 アミノ酸成分
5 生体金属元素成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、発毛剤に関するものであり、特に、有用微生物群を利用して得られた抽出液を含む発毛剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、髪は、その人のイメージにおいて重要な要素であると考えられていることが多い。例えば、人が髪型、および髪色等を変化させることによって顔のイメージが左右されることがある。そのため、髪が薄くなった(以下、薄毛と称する。)人は、思い通りの髪型を作ることができなくなり、自分らしさを失ったように思い、深刻に悩むことがある。
【0003】
そして、重度の薄毛の人は、実年齢より老けているように感じる、鬱状態、ストレス、社会的不適合に陥りやすい、自己嫌悪に陥りやすく、他人の目が気になる等の精神的ダメージを受けることが多いことがわかっている。そして、そのような精神的ダメージは身体全体の新陳代謝の減少、性格の神経症的変化、自己犠牲的発想、微量元素の吸収障害などを引起こし、栄養バランスの悪化につながるといわれ、最近、このようなストレスが免疫力の低下を引起こし、種々の細菌感染や皮膚の防御力に大きな影響を与えることも明らかにされている。このように、薄毛は、美容上だけでなく、間接的に、栄養バランスの悪化、免疫力の低下に伴う心身の障害を引起こす可能性がある。
【0004】
ところで、有用微生物群(Effective Microorganisms)は、光合成細菌、乳酸菌、酵母菌、糸状菌、放線菌を含む5科10属80種余りの嫌気性微生物および好気性微生物を共存させた微生物資材であり、強い抗酸化力を持ち、さらに抗酸化物質を生成するといわれている。そして、有用微生物群は、農薬、化学肥料の代替に利用され、その効果が確認されている。さらに、生活排水、下水、汚染された河川、湖沼の浄化等にも使用されている(例えば、非特許文献1参照)。また、一般に、抗酸化物質には、老化を防止する作用があるといわれている。
【0005】
【非特許文献1】
比嘉照夫、田中茂監修,「EM医学革命 いのちを救う!驚異のEM−Xとは EM情報大百科」,初版,綜合ユニコム株式会社,2000年9月15日,p.7−40
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、薄毛の対策、および治療の研究は、古くから行われており、遺伝、加齢変化(老化)、および男性ホルモンの作用等が薄毛の主な要因とこれまではいわれていたが、最近は、さらに、ストレス、外傷(紫外線、パーマ、毛染め等による刺激を含む)、生活様式の変化等も要因の一つと考えられるようになっている。そのため、薄毛に至るメカニズム等を解明することは難しく、未だ、解明されていない。
【0007】
そこで、薬品会社、および化粧品会社等は、血流をよくする末梢血管拡張剤、髪の成長に必要な酵素を活性化させる毛髪代謝活性化剤、およびビタミン類等の栄養補給剤を含む養毛剤、育毛剤を発売している。また、かつらや植毛による薄毛の対策も盛んに行われている。しかしながら、自身の毛髪を再生させるのに効果的なものは少なかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、有用微生物群を利用して生成した抗酸化物質を含む発毛剤を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の発毛剤は、「有用微生物群で植物を発酵させることにより得られ、前記植物に由来する抗酸化物質を含んでなる抽出液を具備する」ことを上述の課題を解決するための主な特徴とする。
【0010】
ここで、有用微生物群(Effective Microorganisms:以下、「EM」と称する。)とは、乳酸菌群、酵母菌群、放線菌群、光合成菌群、糸状菌群等を含む5科10属80種以上の嫌気性微生物および好気性微生物を共生させた液状の微生物資材である。そして、EMは、強い抗酸化力を持つといわれ、さらに、植物を発酵させ、低分子の抗酸化物質を生成するといわれている。ここで、抗酸化物質とは、細胞の酸化を引き起こす因子といわれるフリーラジカルを消去する機能を持った物質である。例えば、フラボノイド、ポリフェノール、ビタミンE、ビタミンC、および生体金属元素(一般に、ミネラルと呼ばれている。)のキレート等が相当する。さらに、抗酸化物質は、薄毛の要因の一つといわれている老化を防ぐといわれている。
【0011】
また、毛髪は、内側が毛乳頭、外側が毛母の二重構造になっている毛球で生成される。ここで、毛乳頭は、血液中から毛髪の原料となるアミノ酸、生体金属元素、および毛髪を作るのに必要なエネルギーであるビタミン、その他の栄養素を取り込み、毛母に送り込む。そして、それらの成分を受取った毛母細胞が分裂し、毛髪を生成する。
【0012】
また、発毛剤は、毛が抜け落ちた頭皮から毛を生やす「発毛」を促す外用剤をいい、「養毛剤」、「育毛剤」、「発毛促進剤」と呼ばれることもある。
【0013】
したがって、本発明の発毛剤は、有用微生物群で植物を発酵させることにより得られ、前記植物に由来する抗酸化物質を含んでなる抽出液を具備するため、頭皮に塗布することにより、頭皮、および毛球に抗酸化物質が吸収される。そして、頭皮、および毛球(毛乳頭、毛母)の老化が抑制される。すなわち、毛髪を生成する毛乳頭細胞、および毛母細胞の働きの衰え、頭皮の血管の衰えによる血流不足や栄養不足等が改善され、正常な発毛を促進することが可能となる。さらに、前述の抗酸化物質は、植物由来のものであり、化学合成されたものでない天然の抗酸化物質であるため、身体に対して無害で安全である。加えて、低分子の抗酸化物質を含むため、頭皮から吸収されやすい。そして、効率良く吸収されるため、発毛剤の使用量を減少させることが可能となる。
【0014】
上記の発毛剤を、「前記抽出液は、人体を構成する上で必要となるビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分をさらに含んでなる」ものとしてもよい。
【0015】
これにより、抽出液に含まれるビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分が、経皮吸収される。したがって、毛髪の原料となるアミノ酸、および生体金属元素、毛母細胞の分裂に必要なエネルギーであるビタミンが、容易に毛母に吸収され、互いに有効に作用し、毛母細胞が分裂し毛髪が生成され、発毛が促進される。
【0016】
上記の発毛剤を、「前記抽出液は、玄米、パパイヤ、および昆布が前記植物として利用される」ものとしてもよい。
【0017】
ここで、玄米は、ビタミンA、ビタミンB、およびビタミンEを多く含む。特に、ビタミンB1,B2,B6,B12,ニコチン酸,パントテン酸,葉酸,およびイトシノールという多くのビタミンB群を含むという特徴がある。そして、ビタミンBは、生体内で物質の代謝に関与する酵素に結合して、その働きを活性化する作用を持つ補酵素の構成材料として、重要な生理機能を発揮する栄養素である。特に、ビタミンB2,B6,および葉酸は、抗炎症作用があると言われ、脱毛の要因の一つと考えられている頭皮の炎症を改善することが可能となる。また、ビタミンAは健康な髪、皮膚を作る作用があるといわれいる。そして、ビタミンEは、抗酸化作用、血液循環を良くする作用があるといわれている。さらに、鉄、および亜鉛等の生体金属元素やタンパク質を豊富に含有する。ここで、亜鉛は、毛髪に多く含まれ、タンパク質の合成に必要であることがわかっている。
【0018】
そして、パパイヤは、ビタミンCの含有量が多い。ここで、ビタミンCは、皮膚の主成分であるコラーゲンの合成に必要であり、また、ビタミンEの抗酸化作用を助けるといわれている。また、消化酵素を豊富に保有し、タンパク質を分解し吸収しやすい状態にすることが知られている。
【0019】
また、昆布は、カルシウム、ヨウ素等の生体金属元素、およびタンパク質を多く含む。特に、カルシウムは、吸収効率の良いカルシウム化合物として含まれているといわれている。ここで、カルシウムとヨウ素は、血管の老化を防ぐ働きがあり、老化防止に有効性が認められている。
【0020】
さらに、EMで玄米、昆布、およびパパイヤを含む植物を発酵させて、抗酸化物質を抽出、および精製した液体は、一般に「EM−X」と呼ばれている。そして、EM−Xには、低分子のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド、γ−オリザノール、ユビキノン、サポニン、およびイノシトール等の抗酸化物質、L−アラニン、L−グルタミン等のアミノ酸、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド:nicotinamide adenine dinucleotide)、およびペプチド等の生理活性物質、および約40種の生体金属元素等を含むことが明らかになっている。さらに、EM−Xは、癌、糖尿病等の治療に使用されており、その抗酸化作用、免疫力増強作用、抗癌作用、抗高血糖作用等が報告されている。
【0021】
したがって、本発明の発毛剤によれば、ビタミン、および生体金属元素の中でも特に、皮膚、および毛髪に有効に作用するといわれているものが豊富に含有されている。例えば、玄米、昆布、およびパパイヤに由来するビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、および亜鉛を豊富に含有するため、脱毛の要因の一つと考えられる頭皮の慢性炎症が改善される。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを含む抗酸化物質、カルシウム、およびヨウ素により、老化が防止される。また、パパイヤに含まれる消化酵素により、タンパク質が分解されるため、吸収されやすくなる。すなわち、ビタミン成分、および生体金属元素成分によって、頭皮の慢性炎症、および毛母等の老化を抑制し(土壌を耕すことに相当)、さらにアミノ酸を加えること(水をまくことに相当)により、ビタミン、および生体金属元素が一層有効に作用し、毛乳頭、および毛母細胞をに栄養、およびエネルギーが行き渡り、発毛(発芽に相当)を促進することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の発毛剤1について、図1に基づいて説明する。図1は、発毛剤1の使用例を示す説明図である。
【0023】
本発明の一実施形態の発毛剤1は、玄米、昆布、ビワ、およびパパイヤを含む植物をEMで発酵させ、オゾンにより酸化物を除去し、さらに微生物や残渣を除去した抽出液を含むものである。そして、抽出液には、低分子のビタミンE、ビタミンC、フラボノイド、γ−オリザノール、ユビキノン、サポニン、およびイノシトール等の抗酸化物質2、特に頭皮Sと毛髪に関係があるといわれるビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、およびビタミンE等のビタミン成分3、L−アラニン、L−グルタミン等のアミノ酸成分4、およびカルシウム、銅、マグネシウム、鉄、マンガン、リン、カリウム、セレニウム、亜鉛等の生体金属元素成分5等が含まれる。
【0024】
次に、本実施形態の発毛剤1を用いた使用例について説明する。まず、発毛剤1を、液体を霧状に噴出させることが可能なスプレー瓶Aに入れる。そして、毛髪が少ない(或いは、無い)部分の頭皮Sに、発毛剤1を頭皮Sがしっとりと濡れる程度に噴霧し、経皮吸収させる。また、発毛剤1を直接頭皮に塗布してもよい。なお、随時、発毛剤1を塗布することが可能であるが、朝晩に塗布するのが好適である。
【0025】
これにより、発毛剤1に含まれる多種のビタミン成分3、生体金属元素成分5、およびアミノ酸成分4が、頭皮および毛球(毛母および毛乳頭)に直接送り込まれる。そして、特に、頭皮Sや毛髪の環境を改善するのに必要なビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、ヨウ素、鉄、リン、カリウム、亜鉛等が、アミノ酸成分4と共にバランス良く含まれているため、毛乳頭、毛母細胞の退縮、および頭皮Sの慢性炎症による頭皮Sの血液の悪循環等の頭皮Sの状態が改善される。さらに、ビタミンE、ビタミンCを含む種々の抗酸化物質2によって、薄毛の原因の一つといわれる老化を防止することが可能となる。すなわち、発毛剤1に含まれる種々の成分が互いに有効に作用し、頭皮Sおよび毛球に効率良く吸収されるため、薄毛を引起こしている因子に働きかけ、発毛が促進される。
【0026】
また、本実施形態の発毛剤1は、植物をEMによって発酵させた抽出液を具備し、添加物は含有しない。すなわち、化学合成物質を含まず、飲用することも可能であり、副作用がなく、人体に対して安全である。
【0027】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0028】
すなわち、植物をEMで発酵させることにより生成された抗酸化物質2を含む抽出液を、毛髪洗浄成分等と混合したシャンプー、および毛髪保護成分等と混合したリンス等を作製し、使用するものであってもよい。
【0029】
また、一般に「EM−X」と呼ばれ、主に清涼飲料水として市販されている液体を抽出液として利用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発毛剤は、植物を有用微生物群で発酵させることにより生成される抗酸化物質を含む抽出液を具備する。そして、それらの抗酸化物質は、吸収率が高く、頭皮に塗布し、頭皮および毛球に直接吸収させることにより、老化による毛乳頭細胞、および毛母細胞の働きの衰え、頭皮の血管の衰えによる血流不足や栄養不足等が改善され、正常な発毛を促進することができる。さらに、ビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分を含有することにより、各成分が相互に効果的に作用し、頭皮の慢性炎症、および毛乳頭、毛母細胞の退縮等の薄毛を引起こしていると考えられる因子に働きかけ、さらに、発毛を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の発毛剤の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発毛剤
2 抗酸化物質
3 ビタミン成分
4 アミノ酸成分
5 生体金属元素成分
Claims (3)
- 有用微生物群で植物を発酵させることにより得られ、前記植物に由来する抗酸化物質を含んでなる抽出液を具備することを特徴とする発毛剤。
- 前記抽出液は、
人体を構成する上で必要となるビタミン成分、生体金属元素成分、およびアミノ酸成分をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載の発毛剤。 - 前記抽出液は、
玄米、パパイヤ、および昆布が前記植物として利用されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発毛剤。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100721119B1 (ko) | 2005-09-14 | 2007-05-22 | 주식회사 이엠코리아 | 유용미생물을 이용한 화장료 조성물 및 그의 제조방법 |
KR100752623B1 (ko) | 2005-12-30 | 2007-09-11 | (주)필리엠에스피 | 미생물 발효공정을 이용한 천연발모제의 제조방법 및 이에의해 제조된 천연발모제 |
JP2007302664A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Stefano Sala | パパイアに依拠した外用美容剤または薬剤 |
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-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003099885A patent/JP2004307361A/ja active Pending
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