JP2004306704A - ブレーキ装置のストロークシミュレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキぺダル7は太径ロッド8、細径ロッド4および抵抗器2と一体に連結する。細径ロッド4は、シリンダ1内をピストンシール3sを介して摺動するピストン3を遊貫する。太径ロッド8とシリンダ1の隙間はシール構造11により封止され、作動油がシリンダ1から流出することを防止する。ブレーキペダル7踏み込み開始時は、太径ロッド8および細径ロッド4を介して踏力を抵抗器2へ伝達することにより、抵抗器2はスプリング9の弾発力に抗してシリンダ1内を前進するが、ピストン3は前進しない。このため踏み込み開始時の摺動抵抗はシール構造11の摺動抵抗のみであり、踏み込み開始時にペダルが重く感じられることはない。一方スプリング9は踏み込みストロークに応じた反力をブレーキペダル7へ返す。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキバイワイヤ式の制動装置において運転者がブレーキペダルを踏み込む時に、踏み込みストロークに応じた反力をブレーキペダルへ返すためのストロークシミュレータにつき、特に運転者がブレーキペダルを踏み始める時に感じる摺動抵抗を低減する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
運転者がブレーキペダルを踏み込むことにより、該ブレーキペダルと連接したストロークシミュレータに発生する液圧やストローク変化量を、センサで検出し、電気信号に変換して各車輪に設けられたホイールシリンダ液圧の制御を行うブレーキバイワイヤ式の制動装置においては、良好なブレーキフィーリングを得るために、ブレーキペダルの踏み込みを解除した直後であっても、ある程度の遅れを伴ってブレーキペダルが非制動位置に戻ることが望ましい。そこでこのようなブレーキフィーリングを実現するための発明としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−321621号公報
【0004】
特許文献1に記載のブレーキペダルストロークシュミレータは、ブレーキブースタを具えた液圧制動装置が有し、踏み込み時および踏み戻し時においてのペダル踏力とブレーキ力との関係の相違であるヒステリシス特性を、ブレーキバイワイヤ式の制動装置に用いられるブレーキペダルストロークシュミレータに付与し、上記ヒステリシス特性に基づく良好なブレーキフィーリングの達成を図ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のようなブレーキペダルストロークシュミレータにあっては、複数のカップシールを組み合わせて用いたことで以下に説明するような問題を生ずる。つまりピストンが前方へ移動する際には、ピストンとシリンダとの間に位置するカップシールと、第1液室から第2液室への液体の流れを許容する一方向弁として機能するカップシールと、特にシールはないが液密になっているためダンパとシリンダとの間に生じる前記シール相当の摺動抵抗との3つの摺動抵抗がブレーキペダルに反力として作用する。したがってブレーキペダル踏み込み開始時にはペダルが重く感じられ、良好なブレーキフィーリングを実現したものとはいえない。
【0006】
本発明は、ブレーキペダル踏み込み開始時に液圧を発生させない構造を採用することで上記カップシールの部品点数を削減し、初期踏力の軽い良好なブレーキフィーリングを実現することができる液圧制動装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による液圧式制動装置は、請求項1に記載のごとく、
シリンダおよびピストンに包囲された空間に作動液を満たした液室と、ブレーキ操作力に応動して前記シリンダ内に対し進入、退出するロッドとを具えたブレーキ装置のストロークシミュレータにおいて、
前記進入方向におけるロッドの前部はピストンに遊貫する細いロッド部となし、前記退出方向におけるロッドの後部は前記シリンダに対し液密封止状態で摺動自在に嵌合する太いロッド部となし、
前記細いロッド部の前端には、該ロッド部と共に変位して前記作動液の流動抵抗により前記ロッドに抵抗を付与する抵抗器を設け、
該抵抗器と前記ロッドから遠いシリンダ前端との間には、前記抵抗器および前記ロッドを非制動時の位置へ後退させる第1弾性手段を設け、
ブレーキ操作力の入力時には、前記細いロッド部および太いロッド部間における段差部が前記ピストンに係合して該ピストンを前進させることにより上記液室内に液圧を発生させるよう構成したことを特徴としたものである。
【0008】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、踏み込み始期段階では複数のカップシールのうちシリンダと太いロッド部の外周との間に設けたシール構造の摺動抵抗のみがブレーキペダルに反力として作用するため、踏み込み開始時にペダルが重く感じられることはなく、良好なブレーキフィーリングを実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態になる液圧式制動装置の構成を、模式的に示す縦断面図である。
作動油で内部を満たされたシリンダ1内には、シリンダ1の内径よりやや小さめの抵抗器2と、ピストン3と、該ピストン3を遊貫し、ブレーキペダル7からの踏力を抵抗器2へ伝達する細径ロッド4が存在する。シリンダ1の内壁には作動油の量を調節するためリザーバポート5を配置する。ブレーキバイワイヤの機能が失陥した場合にはシリンダ1がマスターシリンダとして機能するよう、シリンダ1前端部は液圧通路6および開閉弁12を介して図示せざるホイールシリンダと連通する。
【0010】
抵抗器2とシリンダ1前端との間にはスプリング9を縮設し、非制動時には抵抗器2がシリンダ1の後端へ押し戻されている。また抵抗器2は後方で細径ロッド4と、太径ロッド8と、ブレーキペダル7と一直線に連結する。ブレーキペダル7の基端7oは車体側メンバに固定され、ブレーキペダル7の中間部7cは太径ロッド8の後端と連節し、遊端はステップ7pを具え、運転者がステップ7pを踏み込むことにより本実施の形態になるストロークシミュレータと踏力の授受を行う。
【0011】
運転者がブレーキペダル7を踏み込み始めて暫時の踏み込み始期段階には、図2に示すように太径ロッド8および細径ロッド4を介して踏力を抵抗器2へ伝達することにより、抵抗器2はスプリング9の弾発力に抗してシリンダ1内を前進する。この際、スプリング9周辺にある作動油は、シリンダ1内壁と抵抗器2外周との隙間を通過して、抵抗器2の後方へまわりこむが、この隙間の大きさおよび形状を変更することにより、ブレーキペダル7の移動速度およびロッド4,8およびブレーキペダル7を通じて運転者に伝達する踏み込み抵抗を調節可能である。太径ロッド8と蓋13との摺動面はシール構造11により密封され、作動油がシリンダ1から流出することを防止する。
【0012】
太径ロッド8の外径は細径ロッド4の外径よりも大きいものとし、抵抗器2が細径ロッド4の全長Lgだけ前進すると、太径ロッド8と細径ロッド4の間の段差部24がピストン3と係合すると共に、ピストン3と細径ロッド4の隙間を密閉する。
【0013】
このため、運転者がブレーキペダル7を踏み込み続けた場合の踏み込み終期段階には、抵抗器2およびピストン3が前進する。ピストン3の外周にはピストンシール3sを設け液室22を密封するため、ピストン3の前進中は液室22内の作動油をリザ―バポート5からリザーバ10へ排出するが、ピストン3がリザーバポート5に達した位置でシリンダ1内の作動油の排出口であるリザーバポート5は閉ざされ、図3に示すようにピストン3はこれ以上前進することができない。このピストン3位置を最大ストローク位置とする。このピストン3前進距離は非制動状態のピストン3位置からリザーバポート5までの距離Lpに等しい。
【0014】
次に踏み戻し時について説明するに、運転者がブレーキペダル7に加わる踏力を弱めたり、ブレーキペダル7の踏み込み動作を中止すると、スプリング9の弾発力により抵抗器2がブレーキペダル7側つまり後方へ所定の速度で移動する。この際抵抗器2の後方にある作動油は、図4中の矢印のように抵抗器2外周とシリンダ1の隙間を通過して、スプリング9周辺へ移動する必要があることから、抵抗器2の上記所定速度には上記隙間の形状・大きさおよび作動油の粘度が関係する。また、前記踏み込み終期段階にピストン3も前進した場合には、抵抗器2がピストン3と接触しながら共に非制動時の位置まで後退する。
【0015】
万一ブレーキバイワイヤとしての制御システムが失陥した場合であっても、シリンダ1がマスターシリンダとしての役目を果たすことにより車輪側に設置した図示せざるホイールシリンダへ油圧を供給しブレーキ機能を果たす。この機能を、図5を用いて説明すると、図示せざるコントロールユニットがシステム失陥を検出した場合には、開閉弁12を開弁する。制動時には運転者がブレーキペダル7を踏み込むことにより、ピストン3が図4に示した最大ストローク位置からさらに前進し、図5に示すようにシリンダ1内の作動油の液圧が液圧通路6を介して図示せざるホイールシリンダへ伝達される。
【0016】
本実施の形態になるブレーキペダル7のペダルストロークおよび踏力の関係をグラフにしたものを図6(a)に示し、従来の液圧式制動装置におけるペダルストロークおよび踏力の関係をグラフにしたものを図6(b)に示す。本実施の形態において踏み込み開始時にブレーキペダル7に作用する摺動抵抗は、太径ロッド8の外周をシールするシール構造11のみであり、その大きさは図6(a)中のR1のみである。他方従来の液圧式制動装置において踏み込み開始時にブレーキペダル7に作用する摺動抵抗は、前述したようにピストンのカップシールと、バルブ機構のカップシールと、ダンパーのシール部位で発生する抵抗との3箇所があり、その大きさは図6(b)中のR3であり、本実施の形態になるストロークシミュレータと比較して大きなもの(R3 >> R1)となる。
【0017】
また本実施の形態においてブレーキペダル7のストローク長がLgに達し、ピストン3が前進を開始した場合には、図6(a)中に示すように、踏力にピストンシール3sの摺動抵抗R2が加算される。
【0018】
ところで本実施の形態においては、踏み込み始期段階ではピストン3が停止したままで抵抗器2が前進するため、ブレーキペダル7に及ぼす摺動抵抗は、太径ロッド8の外周をシールするシール構造11の摺動抵抗のみであり、踏み込み開始時の踏力は図6(a)中のR1のみである。したがって、踏み込み開始時にブレーキペダル7が重たく感じることはなく、初期踏力の軽い良好なブレーキフィーリングを実現することが可能となる。
【0019】
また段差部24がピストン3に係合し、ピストン3が前進する踏み込み終期段階でも、上記シール構造11の摺動抵抗にピストン3の有するピストンシールの摺動抵抗が加わるのみで、従来の液圧式制動装置のように3つの摺動抵抗がブレーキペダルに作用することがない。
【0020】
上記実施の形態においては、太径ロッド8の外径をシリンダ1の内径よりも充分に小さくしたものであるが、図7に示すように太径ロッド8の外径をシリンダ1の内径と同じくすれば、上記実施の形態におけるシリンダ1後方の蓋13を省略することが可能となり、部品点数の減少および組立作業の効率化を図ることができる。また太径ロッド8の外径を大きくし太径ロッド8の断面積から細径ロッド4の断面積を減じた面積を大きくするほど、マスターシリンダとしての役目を果たすときに、同一ストロークにおいてより多くの油圧をホイールシリンダへ供給することが可能となる。
【0021】
また図1に示した実施の形態では、ブレーキペダル7のストローク中に作動油が抵抗器2の外周とシリンダ1の内壁との隙間を通過するものであるが、図8に示すように、抵抗器2の外径をシリンダ1の内径とほぼ等しくすると共に、抵抗器2を貫通する孔2hを設け、作動油が穴2hを通過するものとしても図1に示す実施の形態と同様の効果を果たすこと勿論である。
【0022】
次に本発明の他の実施の形態につき、図9を用いて説明する。
本実施の形態においては抵抗器2の外径をシリンダ1の内径とほぼ等しくすると共に、抵抗器2を貫通する孔2hを設け、該貫通孔2hには作動油の一方向のみの通過を許容する流出弁15および戻り弁16をそれぞれ設ける。またピストン3と段差部24の間には、細径ロッド4を取り巻くようにスプリング14を設ける。
【0023】
ブレーキペダル7を踏み込んている状態では、図10に示すように太径ロッド8および細径ロッド4を介して踏力を抵抗器2へ伝達することにより、抵抗器2はスプリング9の弾発力に抗してシリンダ1内を前進する。この際、スプリング9周辺にある作動油は、流出弁15を通過して、抵抗器2の後方へ移動する。また抵抗器2の前進と同時に、踏力がスプリング14を介してピストン3に伝達されるため、ピストン3も前進する。
【0024】
そしてピストン3がリザーバポート5に達した位置でシリンダ1内の作動油の排出口であるリザーバポート5は遮断され、これ以上前進することができない。このピストン3位置を最大ストローク位置とする。
【0025】
他方ブレーキペダル踏み戻し時では、スプリング9の弾発力により抵抗器2が後方へ所定の速度で後退する。この際抵抗器2の後方にある作動油は、図11中の矢印のように戻り弁16を通過して、スプリング9周辺へ移動する。該戻り弁16に開弁圧を設定することにより、ブレーキペダル7の踏み込み力を弱く設定しつつ、ブレーキペダル7の戻りを遅らせることが可能である。なお抵抗器2がピストン3位置まで後退すると、抵抗器2はピストン3と接触しながら共に非制動時の位置まで後退する。
【0026】
本実施の形態において上記開弁圧を0.7Mpaとした場合のペダルストロークおよび踏力の関係をグラフにしたものを図13(a)に示し、上記開弁圧を0とした場合のペダルストロークおよび踏力の関係をグラフにしたものを図13(b)に示す。このグラフを用いて説明すると、踏み込み時の踏力の増大に対してペダルストロークは一定に増加するが、踏み戻し時には、上記踏力よりも少ない踏力で同量のペダルストロークを保ちながら減少する。つまり踏み込み時にはブレーキペダル7の戻り力に粘りをつけ、ブレーキペダルにヒステリシス特性を与える。他方、上記開弁圧を0とした場合、つまり流出弁15と戻り弁16との開弁圧に差がない場合には、踏み込み時についても踏み戻し時についてもペダルストロークおよび踏力の関係は同じものとなる。
なお、ヒステリシス特性を与えるにあたっては、流出弁15のみとし、戻り弁16を設けずに図8に示したような単なる貫通孔2hとしてもよい。
【0027】
万一ブレーキバイワイヤとしての制御システムが失陥した場合であっても、シリンダ1がマスターシリンダとしての役目を果たすことにより車輪側に設置した図示せざるホイールシリンダへ油圧を供給しブレーキ機能を果たす。この機能を、図12を用いて説明すると、図示せざるコントロールユニットがシステム失陥を検出した場合には、開閉弁12を開弁する。制動時には運転者がブレーキペダルを踏み込むことにより、ピストン3はスプリング14から踏力を受けてリザーバポート5位置からさらに前進し、作動油の排出口を遮断することで液圧が発生する。またスプリング9周辺の作動油が流出弁15を通過し抵抗器2の後方へ移動する際に流出弁15を開弁し、シリンダ1内の作動油の液圧が液圧通路6を介して図示せざるホイールシリンダへ供給される。
【0028】
ところで本実施の形態においては、流出弁15の開弁圧を非常に小さくし、戻り弁16には所定の開弁圧を設定したため、ペダル踏み込み時には減速度の立ち上がり応答性が高い一方、ペダル戻し時にはペダルの戻り方向に粘りをつけることができ、従来のブレーキブースタと同等の良好なブレーキ感を実現することが可能になる。特に上記開弁圧を0.7Mpaに設定することにより、ペダルストローク−踏力関係に図13(a)に示すようなヒステリシス特性を与え、良好なブレーキ感を実現することが可能になる。
【0029】
また太径ロッド8とピストン3との間にスプリング14を設けたため、ブレーキ踏み込み開始からビストン3が前進を開始するまでの無効ストローク長が減少し、システムが失陥した場合に制動力発生までの立ち上がり時間を短縮することができる。
【0030】
次に本発明の更に他の実施の形態につき、図14を用いて説明する。
本実施の形態においては上記液圧管路6および開閉弁12の他に別の液圧管路20および開閉弁21を以下の説明の如く設けて2系統となす。図9に示した実施の形態になるストロークシミュレータのシリンダ1前端部を延長し、スプリング9の前端には第2ピストン17を設け、第2ピストン17とシリンダ1前端との間にスプリング19を縮設する。第1ピストン3と第2ピストン17との間に画成された液室を以下、後部液室22と、第2ピストン17とシリンダ1前端との間に画成された液室を前部液室23という。また、前部液室23に対してシリンダ1内壁にリザーバポート18および液圧管路20を設ける。液圧管路20は開閉弁21を介して図示せざるホイールシリンダと連通する。
【0031】
通常時にはスプリング9、第2ピストン17およびスプリング19がひとつのスプリングとして機能することで、シリンダ1全体で図9に示したストロークシミュレータと同様の機能を果たす。
【0032】
システム失陥時にブレーキペダル7を踏み込むと、スプリング14から踏力を受けて第1ピストン3がリザーバポート5位置よりも前進し、後部液室22内に液圧が発生する。さらにブレーキペダル7を踏み込むとスプリング9から踏力を受けて第2ピストン17がリザーバポート18位置よりも前進し前部液室23内に液圧が発生する。後部液室および前部液室は液圧管路6,20を介して各々のブレーキ系統に連通し、2系統の失陥時液圧回路を構成する。
【0033】
ところで本実施の形態においては、シリンダ1内に後部液室22および前部液室23を設けたため、システム失陥時には2系統の液圧回路を確保することができ、ブレーキ性能に対する信頼性を高くすることができる。
また通常時は開閉弁21が閉じているため、ブレーキ操作中に第2ピストン17が移動することはなく、2系統として第2ピストン17に追加のシール部材を具えたものであっても上記他の実施の形態と同様に踏み込み始期段階においてはシール構造11の摺動抵抗のみが作用する。さらに踏み込み終期段階でも、シール構造11の摺動抵抗にピストン3の摺動抵抗が加わるのみで、すなわち2系統化に伴って摺動抵抗が増加することはなく、初期踏力の軽い良好なブレーキフィーリングを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるストロークシミュレータの構成につき、非制動時の状態を示す要部縦断面図である。
【図2】同実施の形態になるストロークシミュレータの踏み込み始期段階の状態を示す要部縦断面図である。
【図3】同実施の形態になるストロークシミュレータ内のピストンが最大ストローク位置に達した状態を示す要部縦断面図である。
【図4】同実施の形態になるストロークシミュレータの踏み戻し時の状態を示す要部縦断面図である。
【図5】同実施の形態になるストロークシミュレータがマスターシリンダとして機能する場合を示す要部縦断面図である。
【図6】ストロークシミュレータについて、ブレーキペダルのペダルストロークおよび踏力の関係を示すグラフであり、
(a)は同実施の形態になるストロークシミュレータについて、
(b)は従来のストロークシミュレータについて示すものである。
【図7】同実施の形態になるストロークシミュレータの太径ロッドの形状に変更を加えた形態につき、非制動時の状態を示す要部縦断面図である。
【図8】同実施の形態になるストロークシミュレータの抵抗器の形状に変更を加えた形態を示す要部縦断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態になるストロークシミュレータにつき、非制動時の状態を示す要部縦断面図である。
【図10】同実施の形態になるストロークシミュレータの踏み込み時の状態を示す要部縦断面図である。
【図11】同実施の形態になるストロークシミュレータの踏み戻し時の状態を示す要部縦断面図である。
【図12】同実施の形態になるストロークシミュレータがマスターシリンダとして機能する場合を示す要部縦断面図である。
【図13】同実施の形態になるストロークシュミレータについて、ブレーキペダルのペダルストロークおよび踏力の関係を示すグラフであり、
(a)は戻り弁に開弁圧0.7Mpaを設定した場合、
(b)は戻り弁の開弁圧を0に設定した場合を示す。
【図14】本発明の更に他の実施の形態になるストロークシミュレータがマスターシリンダとして機能する場合を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 抵抗器
3 ピストン(第1ピストン)
4 細径ロッド
5 リザーバポート
6 液圧通路
7 ブレーキペダル
8 太径ロッド
9 スプリング
10 リザーバ
11 シール構造
12 開閉弁
13 蓋
14 スプリング
15 流出弁
16 戻り弁
17 第2ピストン
18 リザーバポート
19 スプリング
20 液圧通路
21 開閉弁
22 液室(後部液室)
23 前部液室
Claims (4)
- シリンダおよびピストンに包囲された空間に作動液を満たした液室と、ブレーキ操作力に応動して前記シリンダ内に対し進入、退出するロッドとを具えたブレーキ装置のストロークシミュレータにおいて、
前記進入方向におけるロッドの前部はピストンに遊貫する細いロッド部となし、前記退出方向におけるロッドの後部は前記シリンダに対し液密封止状態で摺動自在に嵌合する太いロッド部となし、
前記細いロッド部の前端には、該ロッド部と共に変位して前記作動液の流動抵抗により前記ロッドに抵抗を付与する抵抗器を設け、
該抵抗器と前記ロッドから遠いシリンダ前端との間には、前記抵抗器および前記ロッドを非制動時の位置へ後退させる第1弾性手段を設け、
ブレーキ操作の入力時には、前記細いロッド部および太いロッド部間における段差部が前記ピストンに係合して該ピストンを前進させることにより上記液室内に液圧を発生させるよう構成したことを特徴とするブレーキ装置のストロークシミュレータ。 - 請求項1に記載のストロークシミュレータにおいて、
前記段差部と前記ピストンとの間に第2弾性手段を設けたことを特徴とするブレーキ装置のストロークシミュレータ。 - 請求項1または2に記載のストロークシミュレータにおいて、
前記抵抗器には作動液がシリンダ前後方向へ貫通する通路を1つあるいは複数設け、該通路のうち少なくとも1つの通路には開閉弁を設け、前方から後方へ作動液が通過する流動抵抗に対し、後方から前方へ作動液が通過する流動抵抗が大きくなるように前記開閉弁の開弁圧を設定したことを特徴とするブレーキ装置のストロークシミュレータ。 - 請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のストロークシミュレータにおいて、
前記抵抗器と前記シリンダ前端との間に第2ピストンを配設し、該第2ピストンと前記抵抗器との間に前記第1弾性手段を介在させ、第2ピストンと前記シリンダ前端との間に第3弾性手段を介在させたことを特徴とするブレーキ装置のストロークシミュレータ。
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