JP2004306579A - 木材等生物乾燥機及びそれを用いた乾燥方法 - Google Patents

木材等生物乾燥機及びそれを用いた乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 乾燥温度が低く木材等生物にダメージを与えず短時間で乾燥させ、消費電力が少なく省エネルギー性に優れ、特に木材を乾燥した場合に反りやひび割れ、収縮、曲がりなどを低減し、乾燥後の木材表面に光沢があり、香りも残って商品価値が高く、木材に含まれる水分などを無駄なく採取し副産物として有効利用できる木材等生物乾燥機の提供。
【解決手段】 乾燥室と、乾燥室の後面壁側に配設された除湿機と、除湿機と連設された室外圧縮機と、乾燥室に連設された室外真空ポンプと、複数の風孔が穿設され風路を形成する整流用中子と、乾燥室の内壁に配設された循環ファンと、乾燥物を積載する台車と、乾燥室の床部に配設された台車案内部と、除湿機から連設され乾燥物から取り出した水分を採取する取水管と、乾燥室内の温度、湿度、圧力及び台車に積載される乾燥物の質量、採取される水量を測定する各センサと、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木材等生物を人工的に乾燥させる木材等生物乾燥機に関し、特に温度と湿度を自動コントロールする冷風除湿乾燥と、含水率20〜30%程度から断続的に減圧する減圧除湿乾燥と、乾燥物に均一に風を当てる整流用中子によって短時間で乾燥室内の木材等生物を乾燥させることが可能な木材等生物乾燥機に関する。
従来、木材の人工乾燥方法として、第一に熱風乾燥方式がある。この方式では、乾燥室内において、乾燥させようとする木材に蒸気をかけ、熱風を吹きつけて乾燥させる。蒸気をかけるのは、熱風を吹きつけることにより木材表面が熱くなりひび割れるのを防ぎ、熱風による熱を蒸気により木材の中へ伝達させるためである。従ってこの方式では乾燥室の温度・湿度の時間による変化が大きく、従って木材の温度・湿度変化も大きいので、木材を乾燥させる際の木材のひび、割れ、変形、収縮などが発生し易い。また、蒸気や熱風をおこすための熱量が多量に必要とされ、そのための燃料コストが大きいという問題があった。
更に、乾燥室内の天井部や側部に設けた放熱部で加熱された高温空気を送風機で乾燥室内へ送風すると共に再び放熱部へと回流、循環させながら木材内の水分を蒸発乾燥させるものがあるが、天井部へ送風された熱風は内壁面に沿って下降した後に底部位置より放熱部へと回流することとなり、木材の内部位置や両端部位置等に均等に熱風が通流しないため、木材に乾燥むらによる曲がり、割れ等を発生し易いという問題点があった。また、熱風の温度を50℃位、湿度70乃至80%に保持した乾燥において、木材の完全乾燥までに2週間位を要し、燃料経費が高価となり、乾燥時間を短縮するために熱風の温度を高めると更に木材の割れが増加する等の問題があった。
人工乾燥方法の第ニには、シーズヒーターを用いた除湿式がある。この方式では、乾燥室内において木材を乾燥させるための風を循環させ、循環している風を冷却及び除湿し、冷却・除湿した風をあたため、あたためられた風をさらにシーズヒータによって加熱すると共にこの風に紫外線等を混合させて乾燥室内に送り出す。循環風を冷却・除湿することにより木材からでる湿気が除去され、加熱された風に紫外線等を混合させて木材に吹きつけることにより、木材は乾燥する。しかし、波長が短い紫外線等を木材にあてるため、木材の表面が黒っぽくなり、また消費電力も大きいという問題点があった。
これらの問題点を解決するために、(特許文献1)には「木材を収容した乾燥箱内の空気を循環させるファンと、乾燥室内の空気を所定値に昇温するヒーターと、乾燥箱内の湿度を低減させる除湿機と、乾燥室内の気圧を低減する減圧機とを設け、乾燥室内の湿度を検出する湿度センサを設け、該湿度センサの検出値が所定値以上になった際に前記除湿機を作動させるとともに前記減圧機を停止させ、湿度センサの検出値が所定値以下になった際に前記除湿機を停止させるとともに前記減圧機を作動させる木材乾燥機の制御装置」が開示されている。
また、(特許文献2)には「密閉かつ断熱状態にした乾燥室内に木材を収容し、かつ前記乾燥室内に風を循環させる木材乾燥装置であって、循環している風を冷却及び除湿する冷却除湿装置と、冷却及び除湿した風をあたためる加熱装置と、あたためられた風を通過させて前記風を加熱すると共に前記風に遠赤外線を混合させる遠赤外線ヒーターと、遠赤外線が混合した風を前記乾燥室内に送り出す送り出し装置と、からなる木材乾燥装置」が開示されている。
(特許文献3)には「乾燥室の天井に、下側へ向けて強制送気する循環用のファンを配置し、その下位の両側に前記強制送気される空気を加熱するヒーターを配置し、乾燥物が置かれる乾燥室の下部の壁面に、前記乾燥物へ向けて遠赤外線ヒーターを配置し、その上部の壁面に、乾燥室内に外気を導入する外気導入口と、乾燥室内の空気をその外に排出する排気口を設けた乾燥装置」が開示されている。
(特許文献4)には「気密室の長手方向に沿った一方内壁面に上下多段に熱風を放出する送気部と、他方内壁面に熱風を上下多段に吸気する吸気部とを設けてプッシュプル方式により熱風を強制的に送気部から吸気部へ吸引、循環させることにより、室内で熱風を水平方向に均等に通流させる乾燥装置」が開示されている。
特公平8−12035号公報 特開平10−325677号公報 実公平4−33757号公報 実開平4−82690号公報
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)では、乾燥箱内の温度を50℃以上、湿度を60乃至70%に保持して乾燥を行っているが、乾燥温度が50℃以上では木材の表面が変色し、また木の香りもなくなってしまうと共に、乾燥後に大気温度程度まで冷却する冷却期間が必要になるという課題があった。また、乾燥箱内に風路がないので、木材を均一に乾燥させることができず、反りやひび割れ、収縮、曲がりなど発生し易いという課題があった。更に、乾燥中に外気を吸入するので、温度と湿度の均一なコントロールが困難であるという課題があった。
(2)(特許文献2)では、乾燥装置内の温度を30℃〜60℃に保って乾燥を行うので、木材の表面が変色してしまい、また木の香りもなくなってしまうという課題があった。更に、乾燥装置上面のみに風路を有しているので、木材に対して上面や長手方向の側面から送風することができず、長手方向の一端面のみから送風することになるので、均一な乾燥を行うことができず、端面部においてひび割れが発生してしまうという課題があった。更に、乾燥中に外気を吸入するので、温度と湿度の均一なコントロールが困難であるという課題があった。
(3)(特許文献3)では、乾燥室の天井に下方に向けて強制送気するファンを備えると共に仕切壁によって風路を形成しているので、熱風を循環させることができるが、加熱が乾燥室の両側壁に配設された遠赤外線ヒーターによって行われるため、乾燥が不均一で木材の反りやひび割れ、収縮、曲がりなどが発生してしまうという課題があった。また、乾燥室は密閉されているが、減圧できない構造のため、乾燥に時間がかかるという課題があった。
(4)(特許文献4)では、気密室の長手方向に沿った一方内壁面に上下多段に熱風を放出する送気部と、他方内壁面に熱風を上下多段に吸気する吸気部とを設けてプッシュプル方式により熱風を強制的に送気部から吸気部へ吸引、循環させることにより、室内で熱風を水平方向に通流させるので、木材に対して一方向のみからしか送気することができず、送気側が急速に乾燥され、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどが発生してしまうという課題があった。また、乾燥室は密閉されているが、減圧できない構造のため、乾燥に時間がかかるという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、乾燥温度が低いので木材等生物にダメージを与えず、短時間で乾燥させることができるので、消費電力が少なく省エネルギー性に優れ、特に木材を乾燥した場合に反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの欠陥がほとんど発生せず、乾燥後の木材表面に光沢があり、香りも残るので商品価値が高く、木材に含まれる水分などを無駄なく採取して副産物として有効利用することができる木材等生物乾燥機の提供、及び省エネルギー性に優れ高品質の乾燥物を得ることのできる乾燥方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の木材等生物乾燥機は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の木材等生物乾燥機は、天井部、側壁部及び床部が外壁と内壁により二重構造に形成された乾燥室と、前記乾燥室の前面壁部に配設された密閉式の開閉扉と、前記外壁と前記内壁の間に配設された断熱層と、前記乾燥室の後面壁側に配設された除湿機と、前記除湿機と連設された室外圧縮機と、前記乾燥室に連設され前記乾燥室内を脱気する室外真空ポンプと、複数の風孔が穿設され前記乾燥室の天井部及び側壁部の内壁と所定の間隔で配設されて風路を形成する整流用中子と、前記乾燥室の天井部及び側壁部の内壁にそれぞれ1以上配設された循環ファンと、乾燥される木材等生物が積載される台車と、前記除湿機に連設され前記乾燥室外に前記木材等生物から取り出した水分を採取する取水口を有する取水管と、前記乾燥室内の温度を測定する温度センサと、前記乾燥室内の湿度を測定する湿度センサと、前記乾燥室内の減圧度を測定する圧力センサと、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)乾燥室の天井部、側壁部及び床部が外壁と内壁により二重構造に形成され、前面壁部に配設された密閉式の開閉扉と、外壁と内壁の間に配設された断熱層を有しているので、乾燥室からの放熱や乾燥室外からの吸熱を抑制して乾燥室内の冷却及び加熱時の効率を高めることができると共に、乾燥室内の温度を低温で安定に保つことができる。
(2)除湿機を乾燥室の後面壁側に配置し、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁と所定の間隔で配設されて風路を形成する整流用中子と、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁に配設された循環ファンとを備えているので、除湿された乾燥空気を天井部や側壁部の風路を通して循環させながら、整流用中子に形成された複数の風孔から乾燥される木材等生物を包み込むように均一に低温の乾燥空気を送風することができ、乾燥室内を均一な乾燥条件に保ち、特に木材を乾燥した場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる。
(3)乾燥される木材等生物が積載される台車を備えているので、木材等生物を台車上に積載して、容易に乾燥室内への出し入れや搬送ができる。
(4)除湿機に連設され乾燥室外に木材等生物から取り出した水分を採取する取水口を有する取水管を備えているので、採取した採取水を副産物として有効に利用することができる。
(5)乾燥室内の温度を測定する温度センサと、乾燥室内の湿度を測定する湿度センサと、乾燥室内の圧力を測定する圧力センサを有することにより乾燥室内の状態を監視し、最適な乾燥条件を設定することができる。
(6)室外真空ポンプを有することにより、乾燥室内を減圧し、室内の温度を低温に保つことができ、木材等生物の中心部の水分を表面方向に積極的に移行させて乾燥を行うので、乾燥時間を短縮することができ、特に木材を乾燥する場合は、木材の中心部と表面とで水分差を低減して、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止することができる。
ここで、断熱層には板状に成形されたグラスウールや発泡ポリウレタン、ロックウールなど産業設備の断熱保温に用いられる柔軟性に富み、施工が容易な断熱材が好適に用いられる。
乾燥室の開閉扉は観音開きにすることが望ましい。これにより、大きな台車でも容易に乾燥室に出し入れできるので、大量の木材等生物を一度に乾燥させることができる。乾燥室の大きさは設置場所や処理能力などにより変更可能であり、内容積は約20m3〜80m3で形成される。また、車載式にすることもでき、木材等の被乾燥物の集積現場毎に移動し現場で乾燥できる。尚、開閉扉の開閉は手動式でも電動式でもよい。
また、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁に配設される循環ファンは、乾燥室の前面と後面との間を平行に移動できるようにすることが好ましい。これにより、風向や風量を調整して乾燥室内を均一な乾燥条件にすることができる。尚、循環ファンは、乾燥室の底面部にも配設することができる。これにより、乾燥室内の乾燥空気をかき混ぜて、更に均一な乾燥状態とすることができる。
更に、木材等生物を積載する台車を複数セット用意しておくことが好ましい。これにより、乾燥中に次に乾燥を行う木材等生物を台車上に予め積載しておくことができ、乾燥前の準備時間を短縮することができる。
尚、台車の出し入れは手動で行ってもよいし、乾燥室内に電動式の摺動手段を設け、自動で移動させるようにしてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の木材等生物乾燥機であって、前記乾燥室の床部に配設され前記台車に配設された車輪をガイドする両側のレール部と前記台車を所定位置に固定するストッパー部とを有する台車案内部と、前記台車に積載される木材等生物の質量を測定する質量センサと、前記取水管から採取される水量を測定する水量センサと、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)乾燥室内に台車に配設された車輪をガイドするレール部と台車を所定位置に固定するストッパー部とを有する台車案内部を備えることにより、台車を乾燥室内の所定位置へ容易に案内して設置することができる。
(2)台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを有することにより木材等生物の乾燥状態を確認して、最適な乾燥条件を設定することができる。
(3)台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを備えているので、特に、木材を乾燥させる場合は、木材の含水率を把握することができ、木材の乾燥状態に適した条件で乾燥を行うことができる。
ここで、木材等生物の質量を測定する質量センサは乾燥室内に配設し、台車と共に質量を測定するようにしてもよいし、台車に配設するようにしてもよい。質量センサを台車に配設した場合、木材等生物を台車上に積載する際に、容易に台車上の木材等生物の質量を検知して、積載量を把握して作業効率を向上することができる。
さらに、木材を乾燥させる場合は、質量センサや水量センサの代わりに、木材の含水率を測定する含水率計を設置してもよい。これにより、直接的に含水率を測定することができる。また、質量センサや水量センサと併用してもよく、この場合、より正確な含水率を把握し、最適な条件での乾燥を行うことができる。
尚、含水率計としては、針式のものや面接触式のものが用いられる。特に、面接触式のものは木材の表面に傷をつけることがなく好適である。
また、乾燥室内に配設された台車案内部が台車の底面部に配設された車輪をガイドするレール部と台車を停止及び/又は固定するストッパー部とを有することにより、台車を容易に乾燥室に出し入れして案内すると共に、所定の位置に設置することができ、誤って乾燥室の内壁面や設備にぶつけることを防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の木材等生物乾燥機であって、前記整流用中子が、天井板と、前記天井板の左右それぞれから垂設された側面板と、前記天井板及び前記左右の側面板と連設され下端側に前記除湿機の前面に対向する開口部が形成された背面板と、前記天井板及び前記左右の側面板に穿設された複数の風孔と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)整流用中子が、天井板と、天井板の左右それぞれから垂設された側面板と、天井板及び左右の側面板と連設され下端側に除湿機の前面に対向する開口部が形成された背面板とを有しているので、乾燥室の天井部内壁及び側壁部内壁と整流用中子との間に風路を形成し、除湿された乾燥空気を後面壁側から天井部の風路を通して前面壁側へ送り、更に前面壁側から整流用中子の内側と側壁部の風路を通して後面壁側へ送るようにして循環させ、乾燥室内を均一な乾燥状態にすることができる。
(2)整流用中子の天井板及び左右の側面板に複数の風孔が穿設されていることにより、乾燥する木材等生物全体を周りから包み込むように除湿された乾燥空気を送風して、均一な乾燥を行うことができる。
ここで、整流用中子はステンレスなどの金属製であり、天井板、左右の側面板に穿設される複数列の風孔はレーザ加工などにより形成される。
なお、左右の側面板の最下端の風孔は、台車の積載面より低い位置に形成されることが望ましい。これにより、側面板の風孔から流入した乾燥空気を台車の底面側から上方に向けて送り込むことができ、より均一な乾燥を行うことができる。
また、整流用中子のコーナー部は乾燥空気を整流させるために円弧状に形成することが好ましい。これにより、強度も増して耐圧も大きくすることができる。
更に、乾燥室の天井部と前面壁部、天井部と側壁部及び床部と側壁部で形成された角部には円弧状の整流板を備えることが望ましい。これにより、乾燥室の後面側から流れてきた乾燥空気を前面から床部、天井部から側壁部、側壁部から床部へと向けて誘導し、スムーズに循環させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、前記台車上に乾燥される木材が整列支持される治具が1以上配設されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)台車上に治具を配設することにより、乾燥される木材を水平方向及び垂直方向に各々一定の間隔で開けて効率よく整列支持して、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる。
(2)最下端の木材も治具上に整列支持して台車上に積載することにより、台車の積載面と木材の底面との間に隙間を形成し、上段に積載された木材と同様に側面や底面から乾燥空気を通すことができ、均一な乾燥状態にすることができる。
(3)木材が治具によって垂直方向に積載されているので、乾燥中に積載時の垂直方向の反りや曲がりが強制され、木材の品質を改善することができる。
ここで、治具は鉄やステンレス鋼などの金属によって形成されことが好ましい。これにより、十分な強度を得て安全に木材を支持することができる。
また、木材の中心部に構造強度に影響しない程度に長手方向に孔あけを施工すれば、表面部と中心部がより均一に乾燥し、割れ、曲がりなどがなく、乾燥時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、前記温度センサと前記湿度センサと前記圧力センサの各値と予めセットされたプログラムに基づいて前記除湿機と前記室外圧縮機と前記室外真空ポンプとを制御する制御部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)各センサの値と予めセットされたプログラムに基づいて除湿機、室外圧縮機、室外真空ポンプを制御する制御部を備えているので、運転を自動化して専任のオペレーターなどを必要とせず、工数を減らすことができる。
(2)制御部による自動運転が可能なので、24時間運転などによりサイクルを短くしてランニングコストを低減することができる。
(3)制御部を有することで予めセットされたプログラムに基づいて乾燥が行われるので、設定ミスや操作ミスなどを防止して、信頼性、品質を確保することができる。
ここで、温度センサ及び湿度センサは、除湿機から離れた乾燥室の前面壁側の側壁部などの内壁に配設することが望ましい。これにより、除湿機による除湿や冷却又は加熱の影響を受け難く、乾燥室内の温度及び湿度を測定することができる。
尚、制御部は乾燥室の室外に配設されることが望ましい。これにより、乾燥室内に入ることなく、容易に操作を行うことができる。また、制御部は、乾燥室のメイン電源スイッチ、循環ファン用電源スイッチ、自動運転スイッチを有し、乾燥条件となる設定温度、設定湿度、減圧圧力などの設定を行うことができる。自動運転スイッチにより、設定温度、設定湿度、減圧圧力の値に基づいた除湿機、室外圧縮機及び室外真空ポンプの自動運転を行う。また、制御部にはタイマー機能を備えることが好ましい。これにより、自動的に運転の開始や停止を行うことができる。更に、室外真空ポンプによる減圧の回数も設定できるようにすることが望ましい。これにより、減圧を断続的に行って、より効率的に乾燥を行うことが出来る。尚、制御部には温度センサ、湿度センサ、圧力センサにより測定された値を表示する表示部を並設することが好ましい。これにより、操作時に乾燥室内の状態を容易に確認しながら作業を行うことができ、操作ミスなどを低減することができる。
また、温度や湿度などの設定を数値で行うのではなく、予めセットされた木材の種類や産地から選択するようにしておけば、操作が容易であるばかりでなく、誤った設定をしてしまう可能性を低減することができる。
尚、特に木材を乾燥する場合は、質量センサと水量センサを備え、制御部において質量センサと水量センサの測定値に基づいて減圧開始含水率を制御するようにしてもよい。これにより、より木材の乾燥状態に合わせた乾燥を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、前記整流用中子の天井板に穿設された風孔の孔径が、前記除湿機に近い後面壁側ほど小さく、前記除湿機から離れた前面壁側ほど大きく形成され、前記整流用中子の側面板に穿設された風孔の孔径が、前記除湿機に近い後面壁側ほど大きく、前記除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)整流用中子の天井板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど小さく、除湿機から離れた前面壁側ほど大きく形成され、側面板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど大きく、除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成されているので、天井部の風路を後面壁側から前面壁側へ流れる乾燥空気が天井板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量と、側壁部の風路を前面壁側から後面壁側へ流れる乾燥空気が側面板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラをなくすことができ、特に木材を乾燥した場合は、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる。
ここで、天井板及び側面板に穿設する風孔の孔径を均一に形成した整流用中子では、前面壁側と後面壁側とで風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量が不均一となり、乾燥ムラが発生して、特に木材を乾燥した場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどが発生していた。天井部の風路と側壁部の風路とでは循環している乾燥空気の流れる方向が違うことに着目し、整流用中子の天井板及び側面板に穿設する風孔の面積をそれぞれ流れの上流側ほど小さく、下流側ほど大きくすることにより、風孔から整流用中子の内部へ流入する風量を場所によらず均一とすることができ、大幅に乾燥ムラを改善することが可能となった。
風孔の形状は円又は長孔であり、円又は長孔の直径は30mm〜60mm、長孔の長さは60mm〜100mmが好ましい。円又は長孔の直径が30mmより小さくなるか若しくは長孔の長さが60mmより短くなるにつれ、十分な風量が得られず乾燥が遅くなる傾向があり、円又は長孔の直径が60mmより大きくなるか若しくは長孔の長さが100mmより長くなるにつれ、十分な風速が得られず乾燥室内に乾燥空気を循環させ難くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
風孔のピッチは、100mm〜200mmが好ましい。風孔のピッチが100mmより短くなるにつれ風孔が密になり過ぎて十分な風速が得られず乾燥室内に乾燥空気を循環させ難くなる傾向があり、200mmより長くなるにつれて十分な風量が得られず乾燥が遅くなる傾向があり、いずれも好ましくない。特に、木材を乾燥させる場合は、木材が整列配置されるピッチと同等のピッチに形成されていることが望ましい。これにより、整列配置された木材に対して均等に乾燥空気を送風してより均一な乾燥状態にすることができる。
整流用中子は乾燥室の底面にボルト締めなどによって固定され着脱自在であることが好ましい。これにより、乾燥させる対象物に応じて風孔の大きさやピッチの異なる複数の整流用中子を使い分け、風量を調整することができる。また、風孔の一部や全体を覆うカバーを取り付けることにより、容易に風孔の数や大きさを調整することもできる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、前記治具が、長方形状に形成された平板部と、前記平板部の長手方向に所定間隔で突設された複数の支持部若しくは前記平板部に対して着脱自在及び/又は前記平板部の長手方向と平行に摺動自在に固定された複数の支持部と、を有し、積載される木材の底面及び側面の少なくとも一部が支持される構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)治具が、長方形状に形成された平板部と、平板部上の長手方向に所定間隔で突設された複数の支持部とを有することにより、木材を容易に水平方向に等間隔で積載し、木材間に隙間を形成して均一な乾燥状態を得ることができる。
(2)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材を確実に支持して搬送時に崩れ落ちるのを防止できる。
(3)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材と治具を台車上に交互に積載することにより、容易に木材を水平方向及び垂直方向に碁盤目状に整列支持して、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる。
(4)治具に配設された支持部が、平板部に対して着脱自在及び/又は平板部の長手方向と平行に摺動自在に固定されることにより、積載する木材の数や寸法に容易に対応して木材を等間隔に整列支持し、均一な乾燥を行うことができる。
ここで、支持部は、木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持するように形成されているが、側面を支持する部分は、上側の木材だけでなく、下側の木材にも当接するように上下に突起を形成することが望ましい。これにより、治具と木材を交互に積載していく際に、治具の支持部が上下及び左右の木材によって挟まれてかみ合うので、木材を容易に等間隔な碁盤目状に整列させることができると共に、確実に支持して搬送時にも木材が動くことがなく、均一な乾燥を行うことができる。
尚、平板部と支持部とが一体的に形成される場合は、支持部の配設間隔が異なる複数の治具を用意しておくことが好ましい。これにより、木材の寸法に合わせて、治具を選択することで木材間の隙間を一定に保つことができる。
更に、支持部の突起を一段ではなく、予め複数段形成するようにしてもよい。これにより、一つの治具で複数の寸法の木材に対応することができる。
また、着脱自在及び/又は摺動自在に配設される支持部は、側面で平板部に対してねじ止めなどで固定されることが好ましい。側面で固定することにより、積載する木材の邪魔にならず、容易に着脱又は摺動させることができる。また、支持部は積載後は上下及び左右の木材に挟まれ、木材の質量も受けて動くおそれがないので、強固な固定は必要なく作業性に優れる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、平面板と、前記平面板の左右それぞれから垂設された脚部と、前記平面板に前記除湿機に近い後面壁側ほど大きく前記除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成された複数の風孔と、を有し、前記台車案内部の両側のレール部間に配設された整流用床板と、前記整流用床板の前面壁側の前記床部に配設された床用循環ファンと、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)整流用床板が平面板と、平面板の左右それぞれから垂設された脚部と、を有しているので、床部と平面板との間に風路を形成し、整流用床板の前面壁側の床部に床用循環ファンを配設することにより、乾燥空気を風路内の前面壁側から後面壁側へ送風することができ、平面板に除湿機に近い後面壁側ほど大きく除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成された複数の風孔を有しているので、風孔から乾燥室の上方へ向かって流れ込む乾燥空気の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラを低減することができる。
(2)整流用床板及び床用循環ファンが台車案内部の両側のレール部間に配設されているので、台車によって木材等生物を乾燥室内へ搬入したり、乾燥室から搬出する際にも邪魔になることはなく、効果的に台車上に積載され乾燥される木材等生物に対して乾燥空気を送風し、より均一な乾燥状態とすることができる。
ここで、整流用床板は整流用中子と同様にステンレスなどの金属製であり、複数の風孔はレーザ加工などにより形成される。整流用床板の幅が台車案内部の両側のレール部間に収まるように形成されているので、容易に位置決めして乾燥室の床部に配設することができ、メンテナンス性にも優れる。
尚、台車の積載面は板状ではなく格子状の枠体で形成することが望ましい。これにより、台車の側面側や底面側から流れ込む乾燥空気を台車上に積載された木材等生物の底面にも当ててより均一な乾燥を行うことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、乾燥される木材等生物に振動を与える振動発生器を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)振動発生器により木材等生物に振動を与えることができ、木材等生物の表面付近で水分を吸収した高湿度の空気と整流用中子の内部へ流入する乾燥空気とを積極的に撹拌して交換することができるので、除湿効率を高めることができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる。
ここで、振動発生器の種類には慣性型、動電型、油圧型があるが、小型でメンテナンスが容易な慣性型が好適に用いられる。慣性型の振動発生器は電動回転式で円運動を描くように振動を与える。振動発生器の振幅は0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.5mmが望ましい。振幅が0.8mmより小さくなるにつれ、木材等生物の表面にある高湿度の空気の移動が少なくなり、乾燥空気との置換が不足して乾燥時間が長くなる傾向があり、1.5mmより大きくなるにつれ木材等生物全体が共振して大きく振動し、木材等生物が台車から脱落したり、形状が変形したりする傾向がある。特に、振幅が0.5mmより小さくなるか、2.0mmより大きくなるとこれらの傾向が顕著になり、いずれも好ましくない。
振動発生器は木材等生物が積載される台車や台車上に載置され木材等生物が積載されるスノコ状等の支持枠等の側面に配設される。尚、台車の車輪取付け部には防振ゴムを配設することが好ましく、台車と支持枠との間には防振ゴムやばね等の弾性部材を配設することが好ましい。これにより、台車の車輪側へ振動が伝達することを防止でき、台車又は支持枠上の木材等生物を振動させることができる。
また、木材等生物の質量を搬入前に測定しておけば、乾燥中は採取された水量を水量センサによって測定することで木材等生物の質量を確認することができるので、台車上のロードセルを設けなくてもよい。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機であって、前記乾燥室内に配設され前記乾燥室内の乾燥空気を圧縮する空気圧縮機と、前記空気圧縮機に接続され圧縮された前記乾燥空気を木材等生物に送気する送気用配管と、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至9の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)空気圧縮機で圧縮された乾燥空気を送気用配管により送気することができるので、木材等生物の内側等の乾燥空気が行き渡り難い箇所や風量が不足して乾燥し難い箇所等に乾燥空気を送ることができ、乾燥時間を短縮できると共に均一でムラのない乾燥状態を得ることができる。
ここで、送気用配管は空気圧縮機に接続された主配管から着脱自在なジョイント部等を介して所望の数の支管を取り出し、更に必要に応じてY字型やT字型等のコネクタで分岐させ、乾燥空気の取り出し管を配設する。これにより、主配管以外を容易に着脱することができ、木材等生物や整流用中子を乾燥室内に出し入れする際に邪魔にならず、作業性、メンテナンス性に優れる。
また、送気用配管の材質にはステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属やポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)等の合成樹脂等が好適に用いられるが、特に支管や取り出し管には柔軟性があり折り曲げ自在な合成樹脂製のチューブを用いることが望ましい。これにより、配管の自由度があり、乾燥させる木材等生物との位置関係を容易に調整することができ、軽量で取扱い性に優れる。
例えば木材を乾燥する場合、木材の中心部に長手方向と平行な貫通孔が穿設されていれば、送気用配管の取り出し管の先端部を貫通孔に挿通することにより、乾燥空気を貫通孔内へ送気することができるので、乾燥し難い木材の内側からも乾燥させてより均一な乾燥状態を得ることができ、割れ、曲がりなどの発生を低減できると共に、乾燥時間を短縮することができる。
本発明の請求項11に記載の木材等生物乾燥機を用いた乾燥方法は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機の前記乾燥室内を5℃〜40℃の範囲で設定される設定温度と30%〜90%の範囲で設定される一定の設定湿度を保つように行われる冷風除湿乾燥工程と、前記木材等生物の含水率20%〜30%の範囲で設定される設定含水率以下で行われる減圧除湿工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、乾燥後に木材等生物にダメージがほとんどなく、特に木材を乾燥する場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がり、変色などの発生を防ぎ、表面に艶が出て、乾燥後でも香りが残って商品価値を高めることができる。
(2)木材を乾燥させる場合には、木材内の自由水がほとんど取り除かれ、乾燥の進行が遅くなる含水率20%〜30%以下で、減圧除湿を行うことによって木材内の結合水を表面に積極的に移行させ、その水分を冷風除湿によって取り除くので、乾燥時間を短縮することができると共に、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる。
(3)冷風除湿乾燥工程と減圧除湿工程を有することにより、低温で、しかも4日〜7日間という短期間での乾燥を行うことができるので、電気代を節約し、ランニングコストを低減することができる。
(4)冷風除湿乾燥が低温で行われるので、乾燥途中に乾燥機の扉を開閉しても乾燥室内の環境が大きく変化することがなく、容易に木材等生物の乾燥状態などを確認することができる。
(5)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、乾燥途中で除湿を一旦、停止して放置し、木材内部の水分を拡散させて均一化する庵蒸を行うことができ、表面だけが先に乾燥する上乾きを防止し、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる。
ここで、木材の含水率の定義は、木材の全乾重量に対する含有する水分の重量を百分率で表したものである。
減圧の程度は木材等生物の種類によって異なるが、約1.3kPa〜13.3kPaが望ましい。減圧が1.3kPaより小さくなるにつれ、減圧の効果が低減して好ましくなく、減圧が13.3kPaより大きくなるにつれて、表面だけが乾燥し易くなり、除湿能力が低下する傾向があるので好ましくない。
木材を乾燥させる減圧除湿工程では、減圧運転と除湿運転を1回から数回繰り返し、含水率を約15%まで低減させる。これにより、乾燥時間を短縮すると共に、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができ、環境にも優しく害がない。
尚、木材を乾燥させる場合、その種類及び産地によって、冷風除湿乾燥工程で設定される設定温度や設定湿度、減圧除湿工程を開始する設定含水率や減圧圧力を選択することにより、木材の種類及び産地に合わせた好適な条件で乾燥を行うことができ、より確実に反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる。これは、木材の種類及び産地によって含水率や乾燥の進行の仕方が異なるためである。
例えば、九州産の木材と北海道産の木材とでは、北海道産の木材の乾燥設定温度をより低くする必要がある。これにより、産地の環境に近いより自然な状態で乾燥させ、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどを低減することができる。
また、大気温度に近い低温で乾燥するため、木材等生物に含まれる水分などを無駄なく採取し、副産物として有効利用することができる。
木材の乾燥によって採取される採取水には、精油が含まれており、特に杉や檜から採取される精油は、消臭剤、芳香剤、脱臭剤、防虫剤などに使用できる他、精神安定の効果もあり、副産物として有用である。また、精油を取り除いた水分は、数百種以上の成分を含んでおり、精製することにより飲料水として利用できるだけでなく、様々な用途が期待できる。尚、杉などの木材1000kgから約10〜30kgの精油が採取可能である。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の木材等生物乾燥機を用いた乾燥方法であって、前記冷風除湿乾燥工程中に請求項9又は10に記載の振動発生器により前記台車上に積載された木材等生物に振動を与える構成を有している。
この構成により、請求項11の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)冷風除湿乾燥工程中に振動発生器により乾燥させる木材等生物に振動を与えることで、木材等生物の表面にある高湿度の空気を乾燥空気と置換することができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる。
ここで、振動発生器による振動は木材等生物の含水率によって制御する。例えば、檜では含水率30%以下、杉では含水率25%以下でそれぞれ振動を停止し、減圧除湿を行う。これにより、割れの発生及び発生した割れの進行を防止することができ、歩留まりを向上させて、均一で高品質な乾燥状態をえることができ、商品価値を高めることができる。
以上のように、本発明の木材等生物乾燥機によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)乾燥室の天井部、側壁部及び床部が外壁と内壁により二重構造に形成され、前面壁部に配設された密閉式の開閉扉と、外壁と内壁の間に配設された断熱層を有することで、乾燥室からの放熱や乾燥室外からの吸熱を抑制して乾燥室内の冷却及び加熱時の効率を高めることができ省エネルギー性に優れ、乾燥室内の温度を低温で安定に保つことができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)除湿機を乾燥室の後面壁側に配置し、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁と所定の間隔で配設されて風路を形成する整流用中子と、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁に配設された循環ファンとを備えることで、除湿された乾燥空気を天井部や側壁部の風路を通して循環させながら、整流用中子に形成された複数の風孔から乾燥される木材等生物を包み込むように均一に低温の乾燥空気を送風することができ、乾燥室内を均一な乾燥条件に保つことができるので安定性に優れ、特に木材を乾燥した場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(3)乾燥される木材等生物が積載される台車を備えているので、木材等生物を台車上に積載して、容易に乾燥室内への出し入れや搬送ができる作業性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(4)除湿機に連設され乾燥室外に木材等生物から取り出した水分を採取する取水口を有する取水管を備えているので、採取した採取水を副産物として有効に利用することができる機能性、省資源性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(5)乾燥室内の温度を測定する温度センサと、乾燥室内の湿度を測定する湿度センサと、乾燥室内の圧力を測定する圧力センサを有することにより、乾燥室内の状態を監視することができ信頼性に優れ、乾燥状態に合わせて最適な乾燥条件を設定することができる操作性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(6)室外真空ポンプを有することにより、乾燥室内を減圧し、室内の温度を低温に保つことができ、木材等生物の中心部の水分を表面方向に積極的に移行させて乾燥を行って、乾燥時間を短縮することができるので省エネルギー性に優れ、特に木材を乾燥する場合は、木材の中心部と表面とで水分差を低減して、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止することができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)乾燥室内に台車に配設された車輪をガイドするレール部と台車を所定位置に固定するストッパー部とを有する台車案内部を備えることにより、台車を乾燥室内の所定位置へ容易に案内して設置することができる信頼性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを有することにより木材等生物の乾燥状態を確認できるので信頼性に優れ、乾燥状態に合わせて最適な乾燥条件を設定することができる操作性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(3)台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを備えているので、特に、木材を乾燥させる場合は、木材の含水率を把握することができ信頼性に優れ、木材の乾燥状態に適した条件で乾燥を行うことができる操作性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)整流用中子が、天井板と、天井板の左右それぞれから垂設された側面板と、天井板及び左右の側面板と連設され下端側に除湿機の前面に対向する開口部が形成された背面板とを有しているので、乾燥室の天井部内壁及び側壁部内壁と整流用中子との間に風路を形成することができ機能性に優れ、除湿された乾燥空気を後面壁側から天井部の風路を通して前面壁側へ送り、更に前面壁側から整流用中子の内側と側壁部の風路を通して後面壁側へ送るようにして循環させることができ、乾燥室内を均一な乾燥状態にすることができる機能性、信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)整流用中子の天井板、左右の側面板、背面板に複数の風孔が穿設されていることにより、乾燥する木材等生物全体を周りから包み込むように除湿された乾燥空気を送風でき、均一な乾燥を行うことができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)台車上に治具を配設することにより、乾燥される木材を水平方向及び垂直方向に効率よく整列支持することができ機能性に優れ、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる信頼性、作業性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)最下端の木材も治具上に整列支持して台車上に積載することにより、台車の積載面と木材の底面との間に隙間を形成でき、上段に積載された木材と同様に側面や底面から乾燥空気を通すことができて機能性に優れ、より均一な乾燥状態にすることができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(3)木材が治具によって垂直方向に積載されているので、乾燥中に垂直方向の反りや曲がりを強制でき、木材の品質を改善することができる信頼性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)各センサの値と予めセットされたプログラムに基づいて除湿機、室外圧縮機、室外真空ポンプを制御する制御部を備えているので、運転を自動化して専任のオペレーターなどを必要とせず、工数を減らすことができる操作性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)制御部による自動運転が可能なので、24時間運転などによりサイクルを短くしてランニングコストを低減することができる低コスト性、作業性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(3)予めセットされたプログラムに基づいて乾燥が行われるので、設定ミスや操作ミスなどを防止できる信頼性、操作性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)整流用中子の天井板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど小さく、除湿機から離れた前面壁側ほど大きく形成され、側面板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど大きく、除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成されているので、天井部の風路を後面壁側から前面壁側へ流れる乾燥空気が天井板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量と、側壁部の風路を前面壁側から後面壁側へ流れる乾燥空気が側面板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラをなくすことができ機能性、安定性に優れ、特に木材を乾燥した場合は、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)治具が、長方形状に形成された平板部と、平板部上の長手方向に所定間隔で突設された複数の支持部とを有することにより、木材を容易に水平方向に等間隔で積載し、木材間に隙間を形成して均一な乾燥状態を得ることができる作業性、信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材を確実に支持して搬送時に崩れ落ちるのを防止できる作業性、安全性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(3)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材と治具を台車上に交互に積載することにより、容易に木材を水平方向及び垂直方向に碁盤目状に整列支持できて作業性に優れ、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる信頼性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(4)治具に配設された支持部が、平板部に対して着脱自在及び/又は平板部の長手方向と平行に摺動自在に固定されることにより、積載する木材の数や寸法に容易に対応して木材を等間隔に整列支持できるので作業性に優れ、均一な乾燥を行うことができる信頼性、機能性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)整流用床板が平面板と、平面板の左右それぞれから垂設された脚部と、を有しているので、床部と平面板との間に風路を形成でき、整流用床板の前面壁側の床部に床用循環ファンを配設することにより、乾燥空気を風路内の前面壁側から後面壁側へ送風することができて機能性に優れ、平面板に除湿機に近い後面壁側ほど大きく除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成された複数の風孔を有しているので、風孔から乾燥室の上方へ向かって流れ込む乾燥空気の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラを低減することができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
(2)整流用床板及び床用循環ファンが台車案内部の両側のレール部間に配設されているので、台車によって木材等生物を乾燥室内へ搬入する際や、乾燥室から搬出する際にも邪魔になることはなく作業性に優れ、台車上に積載され乾燥される木材等生物に対して効果的に乾燥空気を送風できて機能性に優れ、より均一な乾燥状態とすることができる信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)振動発生器により木材等生物に振動を与えることができ、木材等生物の表面付近で水分を吸収した高湿度の空気と整流用中子の内部へ流入する乾燥空気とを積極的に撹拌して交換することができるので機能性に優れ、除湿効率を高めることができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる信頼性、省エネルギー性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)空気圧縮機で圧縮された乾燥空気を送気用配管により送気することができるので、木材等生物の内側等の乾燥空気が行き渡り難い箇所や風量が不足して乾燥し難い箇所等に選択的に乾燥空気を送ることができて汎用性、機能性に優れ、乾燥時間を短縮できると共に均一でムラのない乾燥状態を得ることができる省エネルギー性、信頼性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができる。
本発明の木材等生物乾燥機を用いた乾燥方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項11に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、乾燥後に木材等生物にダメージがほとんどなく、特に木材を乾燥する場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がり、変色などの発生を防ぐことができ、表面に艶が出て、乾燥後でも香りが残って商品価値を高めることができる信頼性、機能性に優れた乾燥方法を提供することができる。
(2)木材を乾燥させる場合には、木材内の自由水がほとんど取り除かれ、乾燥の進行が遅くなる含水率20%〜30%以下で、減圧除湿を行うことによって木材内の結合水を表面に積極的に移行させ、その水分を冷風除湿によって取り除くので、乾燥時間を短縮することができて省エネルギー性に優れると共に、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる信頼性に優れた乾燥方法を提供することができる。
(3)冷風除湿乾燥工程と減圧除湿工程を有することにより、低温で、しかも4日〜7日間という短期間での乾燥を行うことができるので作業性に優れ、電気代を節約でき、ランニングコストを低減することができる省エネルギー性に優れた乾燥方法を提供することができる。
(4)冷風除湿乾燥が低温で行われるので、乾燥途中に乾燥機の扉を開閉しても乾燥室内の環境が大きく変化することがなく安全性に優れ、容易に木材の乾燥状態などを確認することができる作業性、機能性に優れた乾燥方法を提供することができる。
(5)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、乾燥途中で除湿を一旦、停止して放置し、木材内部の水分を拡散させて均一化する庵蒸を行うことができ、表面だけが先に乾燥する上乾きを防止でき、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる信頼性に優れた乾燥方法を提供することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)冷風除湿乾燥工程中に振動発生器により乾燥させる木材等生物に振動を与えることで、木材等生物の表面にある高湿度の空気を乾燥空気と置換することができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる省エネルギー性に優れた乾燥方法を提供することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機について、以下図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機の要部断面側面図であり、図2は図1におけるA−A線断面正面図であり、図3は本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機の要部断面平面図である。
図1乃至図3中、1は本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機の本体、2は外形の幅が約2.4m、高さが約2.5m、長さが約5mで内容積が約20m3に形成された乾燥室、2aは乾燥室2の外壁、2bは乾燥室2の内壁、2cは乾燥室2の前面壁、2dは乾燥室2の後面壁、2eは乾燥室2の天井部、2fは乾燥室2の側壁部、2gは乾燥室2の床部、2hは天井部2eと前面壁2c、天井部2eと側壁部2f、床部2gと側壁部2fで形成された角部にそれぞれ配設された整流板、3は前面壁2c部に配設された密閉式で観音開きの開閉扉、4は乾燥室2の外壁2aと内壁2bの間に配設されたグラスウールや発泡ポリウレタンなどの断熱材で形成された断熱層、5は後面壁2d側に配置され乾燥室2内を除湿乾燥する除湿機、6は除湿機5と連設された室外圧縮機、7は乾燥室2内を減圧する室外真空ポンプ、8は乾燥室2の天井部2e及び側壁部2fと所定の間隔をあけて配設固定され風路8aを形成する整流用中子、8bは整流用中子の天井板、8cは整流用中子の側面板、8dは整流用中子の背面板、8eは整流用中子の開口部、8fは平面板8gと脚部8hを有し床部2gに配設された整流用床板、9は天井部2e及び側壁部2fに配設されて空気を循環させる循環ファン、9aは整流用床板8fの前面壁2c側の床部2gに配設された床用循環ファン、10は底面の両側部に車輪10aが配設された格子状の積載板10bを有し乾燥室2内に配設された台車、10cは台車10の積載板10b上の四隅に配設されたロードセルの質量センサ、10dは質量センサ10cを介して台車10の積載板10b上に載置された格子状の支持枠、10eは台車10に配設され質量センサ10cの測定値を表示する質量センサ表示部、11は中間治具12及び下段治具13によって整列支持され台車10上の支持枠10d上に積載された木材、14は台車10の車輪10aをガイドするレール部14aと台車を所定位置に固定するストッパー部14bを備えた台車案内部、15は除湿機5に連設され乾燥室2の外に木材11から蒸発した水分を採取する取水口15aを有する取水管、15bは取水管15の取水口15aから採取された水分を貯める取水タンク、15cは取水タンク15b内に採取された水量を測定する水量センサ、16は乾燥室2の前面壁2c側の側壁部2fに配設され乾燥室2内の温度を測定する温度センサ、17は温度センサ16と併設され乾燥室2内の湿度を測定する湿度センサ、18は温度センサ16及び湿度センサ17と併設され乾燥室2の圧力を測定する圧力センサ、19は電源スイッチ(図示せず)と各センサの値を表示する表示部(図示せず)と温度や湿度などの乾燥条件を設定する条件設定部(図示せず)を有し、各センサの値と予めセットされたプログラムに基づいて除湿機5と室外圧縮機6と室外真空ポンプ7とを制御する制御部である。
次に、整流用中子8及び整流用床板8fについて図面を用いて説明する。
図4(a)及び(b)は本発明の実施の形態1における整流用中子の正面側及び背面側の全体斜視図であり、図5は本発明の実施の形態1における整流用床板の正面側の全体斜視図である。
図4中、8は整流用中子、8bは天井板、8cは天井板8bの左右それぞれから垂設された側面板、8dは天井板8b及び左右の側面板8cと連設された背面板、8eは背面板8dの下端側に形成された開口部であり、8iは天井板8b及び側面板8cにそれぞれ穿設された複数の風孔である。
図5中、8fは整流用床板、8gは平面板、8hは平面板8gの左右それぞれから垂設された脚部、8iは平面板8gに穿設された複数の風孔である。
図4において、天井板8bに穿設した風孔8iは、乾燥室2の後面壁2d側に配置される背面板8d側ほど孔径が小さく形成され、側面板8cに穿設した風孔8iは背面板8d側ほど孔径が大きく形成されている。また、図5において、平面板8gに穿設した風孔8iは、配設時に乾燥室2の後面壁2d側ほど孔径が大きくなるように形成されている。これにより、乾燥室2内の長手方向においてそれぞれの風孔8iから台車10側へ吹き出す風量をほぼ均一にし、乾燥室2内の木材11全体を周りから包み込むように均一に送風することができる。
整流用中子8及び整流用床板8fはステンレス鋼により作製し、風孔8iはレーザ加工により形成した。風孔8iの形状は円又は長孔であり、円又は長孔の直径は30mm〜60mm、長孔の長さは60mm〜100mmとした。また、整流用中子8及び整流用床板8fの各コーナー部は半径が100mmの円弧状に形成している。これにより、乾燥空気を整流すると共に、強度を増して耐圧を上げている。
尚、本発明の実施の形態1における、整流用床板8fと、整流用床板8fの前面壁2c側の床部2gに配設された床用循環ファン9aは、必ずしも設ける必要がなく、送風量を増やすことにより、その効果を補うことができる。これにより、部品点数を減らすと共に、台車10を乾燥室2に出し入れする際の自由度が増し、作業性を向上させることができる。
図6は、本発明の実施の形態1における木材の積載状態を示す正面図であり、図7(a)及び(b)は中間治具及び下段治具の要部斜視図である。
図6及び図7中、11は乾燥される木材、11aは木材11の底面、11bは木材11の側面、11cは木材11の上面、12は長方形状に形成され木材11の底面11aを支持する平板部12aと、平板部12aの上面に等間隔で突設され平板部12aの上面に積載された木材11の側面11bを支持する支持部12bと、平板部12aの底面の両端に突設され下段に積載された木材11の側面11b及び上面11cに当接する逆L字型の支持部12cと、両端の支持部12cの間に等間隔で平板部12aの底面に突設され下段に積載された木材11の側面11b及び上面11cに当接するT字型の支持部12dを有し木材11と交互に積載される中間治具、13は長方形状に形成された平板部13aと、平板部13aの上面の両端に突設され木材11の底面11a及び側面11bを支持するL字型の支持部13bと、両端の支持部13bの間に等間隔で突設され木材11の底面11a及び側面11bを支持する逆T字型の支持部13cを有して台車10上の支持枠10dに積載される下段治具である。
中間治具12及び下段治具13を木材11の長手方向の長さに応じて2以上配設することにより、木材11を確実に整列支持することができる。
図6において、水平方向及び垂直方向に整列支持された木材11の上下及び左右にそれぞれ隙間11d及び側面の隙間11eが形成されているので、木材11の長手方向の端面や側面から流れてきた乾燥空気を木材11に対して満遍なく包み込むように送り込み、均一な乾燥状態にすることができる。
図8(a)及び(b)は中間治具及び下段治具の変形例を示す要部斜視図である。
図8(a)中、22は中間治具、22aは長方形状に形成された平板部、22bは平板部22aの長手方向の両端に配設され中間治具の上段に積載される木材11の底面11a、側面11b及び下段に積載される木材11の側面11b、上面11cに当接して支持するT字を90度回転させた支持部、22cは平板部22aが挿通する挿通孔22dを有し平板部22aの長手方向に対して摺動自在に配設され上段に積載される木材11の底面11a、側面11b及び下段に積載される木材11の側面11b、上面11cに当接して支持する十字型の支持部であり、22eは平板部22aに対して支持部22cを任意の位置で固定するネジである。
図8(b)中、23は下段治具、23aは長方形状に形成された平板部、23bは平板部23aの長手方向の両端に配設され下段治具の上段に積載される木材11の底面11a及び側面11bに当接して支持するL字型の支持部、23cは平板部23aが挿通する挿通溝23dを有し平板部23aの長手方向に対して摺動自在に配設され上段に積載される木材11の底面11a及び側面11bに当接して支持する逆T字型の支持部であり、23eは平板部23aに対して支持部23cを任意の位置で固定するネジである。
図8(a)及び(b)において支持部22c、23cがそれぞれ平板部22a、23aに対して水平方向に摺動自在に配設されているので、木材11の寸法に合わせて移動させ、確実に木材11を整列支持して乾燥させることができる。なお、両端部の支持部22b、23bについても平板部22a、23aに対してネジ止めなどにより着脱自在にしておけば、支持部22c、23cの数を木材11の寸法に合わせて変更し、効率的に木材11を積載することができる。また、平板部22a、23aの側面に複数の円形状の凹部を形成しておけば、支持部22c、23cをネジによって固定する際にネジの先端を凹部に係止させることができるので位置決めが簡単で、確実に固定することができる。
図9(a)及び(b)は中間治具及び下段治具の変形例を示す要部斜視図である。
図9(a)中、32は中間治具、32aは長方形状に形成された平板部、32bは平板部32aの長手方向の両端に突設され中間治具の上段に積載される木材11の底面11a、側面11b及び下段に積載される木材11の側面11b、上面11cに当接して支持する階段状の支持部、32cは両端の支持部32bの間に等間隔で突設され上段に積載される木材11の底面11a、側面11b及び下段に積載される木材11の側面11b、上面11cに当接して支持する階段状の支持部である。
図9(b)中、33は下段治具、33aは長方形状に形成された平板部、33bは平板部33aの長手方向の両端に突設され下段治具の上段に積載される木材11の底面11a及び側面11bに当接して支持する階段状の支持部、33cは両端の支持部33bの間に等間隔で突設され上段に積載される木材11の底面11a及び側面11bに当接して支持する階段状の支持部である。
図9(a)及び(b)において、支持部32b、32c、33b、33cの形状がそれぞれ図8(a)及び(b)に示した支持部22b、22c、23b、23cに対して上下共に一段ずつ段差が多い階段状に形成されているので、一つの治具で二種類の寸法に対応して木材11を整列支持することができる。なお、支持部32b、32c、33b、33cの階段状の段差を増やしたり、支持部32c、33cを図8(a)及び(b)に示した支持部22c、23cのように摺動可能に配設したりしてもよい。これにより、一つの治具で更に複数種類の寸法に対応して木材11を整列支持することができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機について、以下図面を用いてその動作を説明する。
図1乃至図3において、乾燥室2は、開閉扉3によって密閉され、乾燥室2の外壁2aと内壁2bの間に断熱層4を有するので、乾燥室2内の温度が安定に保たれる。除湿機5と除湿機5に連設された室外圧縮機6を備えることにより、乾燥室2内を設定温度及び設定湿度に保つよう冷却又は加熱しながら、乾燥を行う。冷風除湿乾燥工程では、木材11の種類により設定温度を約5℃〜40℃の低温の温度範囲で選択し、設定湿度を30%〜90%の範囲で選択する。また、含水率20%〜30%の範囲で設定される設定含水率以下で行われる減圧除湿工程では、室外真空ポンプ7により、乾燥室2内を減圧して木材11内の内部にある水分を積極的に木材11の表面に移行させて低温での減圧乾燥を行う。
減圧の圧力は木材11の種類により約1.3kPa〜13.3kPa(ゲージ圧)の範囲で選択される。
この時、乾燥室2の天井部2e及び側壁部2fに平行に配設されて風路8aを形成する整流用中子8と床部2gに配設された整流用床板を有し、天井部2e及び側壁部2fに配設された循環ファン9と床部2gに配設された床用循環ファン9aを備えていることにより、図中の矢印で示すように除湿した低温の乾燥空気を循環させる。
更に、乾燥する木材11と交互に積載して木材11を整列支持する中間治具12と、台車10上の支持枠10dに積載して木材11を整列支持する下段治具13とで積載した木材11の間に隙間11dを形成し、除湿した低温乾燥空気を段積みした木材11間に送り込む。
尚、木材11及び中間治具12、下段治具13が車輪10aを有する台車10上に支持枠10dを介して積載されているので、開閉扉3から乾燥室2に容易に出し入れすることができる。また、乾燥室2内に台車10の車輪10aをガイドするレール部14a及びストッパー部14bを有する台車案内部14が配設されているので、台車10を所定の位置に誘導して配置、固定することができ、誤って乾燥室2内の内壁2bや除湿機5、循環ファン9などにぶつけるのを防止している。台車10の出し入れは手動で行ってもよいし、乾燥室2内に電動式の摺動手段を設け、自動で移動させるようにしてもよい。
制御部19の条件設定部(図示せず)には、質量センサ10c及び水量センサ15cにより検出される含水率と比較するための設定含水率、温度センサ16により検出される乾燥室内温度と比較するための設定温度、湿度センサ17により検出される乾燥室内湿度と比較するための設定湿度、圧力センサ18により検出される乾燥室内圧力と比較するための設定圧力が予めセットされている。
乾燥室2内の温度、湿度、圧力及び台車10上に積載された木材11の質量、採取した水量を測定しながら、制御部19によって除湿機5、室外圧縮機6、室外真空ポンプ7が制御される。
尚、乾燥室2内の温度は設定温度に対して±1℃〜±2℃の精度で保たれる。
以上のように実施の形態1における木材等生物乾燥機は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)乾燥室の天井部、側壁部及び床部が外壁と内壁により二重構造に形成され、前面壁部に配設された密閉式の開閉扉と、外壁と内壁の間に配設された断熱層を有しているので、乾燥室からの放熱や乾燥室外からの吸熱を抑制して乾燥室内の冷却及び加熱時の効率を高めることができると共に、乾燥室内の温度を低温で安定に保つことができる。
(2)除湿機を乾燥室の後面壁側に配置し、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁と所定の間隔で配設されて風路を形成する整流用中子と、乾燥室の天井部及び側壁部の内壁に配設された循環ファンとを備えているので、除湿された乾燥空気を天井部や側壁部の風路を通して循環させながら、整流用中子に形成された複数の風孔から乾燥する木材等生物を包み込むように均一に低温の乾燥空気を送風することができ、乾燥室内を均一な乾燥条件に保ち、特に木材を乾燥した場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる。
(3)乾燥する木材等生物を積載する台車を備えているので、木材等生物を台車上に積載して、容易に乾燥室内への出し入れや搬送ができると共に、乾燥室内に台車に配設された車輪をガイドするレール部と台車を所定位置に固定するストッパー部とを有する台車案内部を備えることにより、台車を乾燥室内の所定位置へ容易に案内して設置することができる。
(4)除湿機に連設され乾燥室外に木材から取り出した水分を採取する取水口を有する取水管を備えているので、採取した採取水を副産物として有効に利用することができる。
(5)乾燥室内の温度を測定する温度センサと、乾燥室内の湿度を測定する湿度センサと、乾燥室内の圧力を測定する圧力センサを有することにより乾燥室内の状態を監視し、台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを有することにより木材の乾燥状態を確認して、最適な乾燥条件を設定することができる。
(6)室外真空ポンプを有することにより、乾燥室内を減圧し、室内の温度を低温に保つので、木材等生物の中心部の水分を表面方向に積極的に移行させて乾燥を行うので、乾燥時間を短縮することができ、特に木材を乾燥する場合は、木材の中心部と表面とで水分差を低減して、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止することができる。
(7)台車に積載された木材等生物の質量を測定する質量センサと、取水口から採取された水量を測定する水量センサを備えているので、特に、木材を乾燥させる場合は、木材の含水率を把握することができ、木材の乾燥状態に適した条件で乾燥を行うことができる。
(8)整流用中子が、天井板と、天井板の左右それぞれから垂設された側面板と、天井板及び左右の側面板と連設され下端側に除湿機の前面に対向する開口部が形成された背面板とを有しているので、乾燥室の天井部内壁及び側壁部内壁と整流用中子との間に風路を形成し、除湿された乾燥空気を後面壁側から天井部の風路を通して前面壁側へ送り、更に前面壁側から整流用中子の内側と側壁部の風路を通して後面壁側へ送るようにして循環させ、乾燥室内を均一な乾燥状態にすることができる。
(9)整流用中子の天井板、左右の側面板、背面板に複数の風孔が穿設されていることにより、乾燥する木材等生物全体を周りから包み込むように除湿された乾燥空気を送風して、均一な乾燥を行うことができる。
(10)台車上に治具を配設することにより、乾燥する木材を水平方向及び垂直方向に各々一定の間隔で開けて効率よく整列支持して、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる。
(11)最下端の木材も治具上に整列支持して台車上に積載することにより、台車上の支持枠と木材の底面との間に隙間を形成し、上段に積載された木材と同様に側面や底面から乾燥空気を通すことができ、均一な乾燥状態にすることができる。
(12)木材が治具によって垂直方向に積載されているので、乾燥中に積載時の垂直方向の反りや曲がりが強制され、木材の品質を改善することができる。
(13)各センサの値と予めセットされたプログラムに基づいて除湿機、室外圧縮機、室外真空ポンプを制御する制御部を備えているので、運転を自動化して専任のオペレーターなどを必要とせず、工数を減らすことができる。
(14)制御部による自動運転が可能なので、24時間運転などによりサイクルを短くしてランニングコストを低減することができる。
(15)制御部有することで、予めセットされたプログラムに基づいて乾燥が行われるので、設定ミスや操作ミスなどを防止して、信頼性、品質を確保することができる。
(16)制御部有することで、木材の乾燥状態に適した細かい乾燥条件を設定して乾燥を行うことができ、効率的に乾燥時間の短縮、木材へのダメージの低減を図ることができると共に、制御部にセットする設定温度、設定湿度、設定圧力及び設定含水率を乾燥する木材の種類や産地によって変更することにより、木材に合わせて最適な乾燥条件を設定し、木材を効率的かつ高品質に乾燥することができる。
(17)整流用中子の天井板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど小さく、除湿機から離れた前面壁側ほど大きく形成され、側面板に穿設された風孔の孔径が、除湿機に近い後面壁側ほど大きく、除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成されているので、天井部の風路を後面壁側から前面壁側へ流れる乾燥空気が天井板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量と、側壁部の風路を前面壁側から後面壁側へ流れる乾燥空気が側面板の風孔から整流用中子の内部へ流入する際の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラをなくすことができ、特に木材を乾燥した場合は、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防止できる。
(18)治具が、長方形状に形成された平板部と、平板部上の長手方向に所定間隔で突設された複数の支持部とを有することにより、木材を容易に水平方向に等間隔で積載し、木材間に隙間を形成して均一な乾燥状態を得ることができる。
(19)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材を確実に支持して搬送時に崩れ落ちるのを防止できる。
(20)治具が、積載する木材の底面及び側面の少なくとも一部を支持する複数の支持部を有するので、木材と治具を台車上に交互に積載することにより、容易に木材を水平方向及び垂直方向に碁盤目状に整列支持して、一度に複数の木材を均一な条件で乾燥することができる。
(21)治具に配設された支持部が、平板部に対して着脱自在及び/又は平板部の長手方向と平行に摺動自在に固定されることにより、積載する木材の数や寸法に容易に対応して木材を等間隔に整列支持し、均一な乾燥を行うことができる。
(22)整流用床板が平面板と、平面板の左右それぞれから垂設された脚部と、を有しているので、床部と平面板との間に風路を形成し、整流用床板の前面壁側の床部に床用循環ファンを配設することにより、乾燥空気を風路内の前面壁側から後面壁側へ送風することができ、平面板に除湿機に近い後面壁側ほど大きく除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成された複数の風孔を有しているので、風孔から乾燥室の上方へ向かって流れ込む乾燥空気の風量を前面壁側と後面壁側とで均一にして乾燥ムラを低減することができる。
(23)整流用床板及び床用循環ファンが台車案内部の両側のレール部間に配設されているので、台車によって木材等生物を乾燥室内へ搬入する際や、乾燥室から搬出する際にも邪魔になることはなく、効果的に台車上に積載され乾燥される木材等生物に対して乾燥空気を送風し、より均一な乾燥状態とすることができる。
(24)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、乾燥後に木材等生物にダメージがほとんどなく、特に木材を乾燥する場合には、反りやひび割れ、収縮、曲がり、変色などの発生を防ぎ、表面に艶が出て、乾燥後でも香りが残って商品価値を高めることができる。
(25)木材を乾燥させる場合には、木材内の自由水がほとんど取り除かれ、乾燥の進行が遅くなる含水率20%〜30%以下で、減圧除湿を行うことによって木材内の結合水を表面に積極的に移行させ、その水分を冷風除湿によって取り除くので、乾燥時間を短縮することができると共に、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる。
(26)冷風除湿乾燥工程と減圧除湿工程を有することにより、低温で、しかも4日〜7日間という短期間での乾燥ができるので、電気代を節約し、ランニングコストを低減することができる。
(27)冷風除湿乾燥が低温で行われるので、乾燥途中に乾燥機の扉を開閉しても乾燥室内の環境が大きく変化することがなく、容易に木材等生物の乾燥状態などを確認することができる。
(28)冷風除湿乾燥工程での設定温度が、5℃〜40℃という低温なので、途中で乾燥を一旦、中止して放置し、木材内部の水分を拡散させて均一化する庵蒸を行うことができるので、表面だけが先に乾燥する上乾きを防止し、反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの発生を防ぐことができる。
(29)全ての動力源が電気であるため、太陽光発電を利用したり、電力会社と消費電力料金の特別契約を締結したりできる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における木材等生物乾燥機について、以下図面を用いて説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図10は本発明の実施の形態2における木材等生物乾燥機の要部断面側面図であり、図11は図10におけるB−B線断面正面図であり、図12は図10におけるC−C線断面平面図であり、図13は図10におけるD−D線断面側面図である。
図10乃至図13中、10a’は台車10の積載板10bの底面と車輪10aとの間に配設された防振ゴム、10fは台車10の積載板10bの両側の略中央部に配設された電動回転式の振動発生器、11fは中間治具12及び下段治具13によって整列支持され台車10の積載板10b上に直接、積載された木材11の小口の中央に長手方向と平行に穿設された直径が15mm〜25mmの貫通孔、24aは整流用中子8の代りに乾燥室2の天井部2eと所定の間隔をあけて配設固定され風路8aを形成する整流用天板、24bは乾燥室2の側壁部2fに形成された整流用側室部、24cは乾燥室2の側壁部2fと所定間隔をあけて配設された整流用側室部24bの吹き出し面、24dは吹き出し面24bの外周を囲繞する外周部、24eは整流用側室部24b内を分割する仕切り部、24fは整流用天板24a及び整流用側室部24bの吹き出し面24cに穿設され乾燥空気が吹き出す風孔、25は乾燥室2の後面壁2d側に配置され乾燥室2内の乾燥空気を圧縮する空気圧縮機、26aは空気圧縮機25に接続され整流用側室部24bの内側で吹き出し面24cに沿って配設固定されて乾燥空気を送気するステンレス鋼製の整流用主配管、26bは整流用主配管26aに直交して連設され仕切り部24eで仕切られた整流用側室部24b内に乾燥空気を吐出させる吹き出し口26cを形成された整流用支管、26dは空気圧縮機25に接続され、整流用天板24aの下面に沿って配設固定されて乾燥空気を乾燥室2の前面壁2c側へ送気するステンレス鋼製の主配管、27は主配管26に着脱自在に接続され乾燥室2の左右の側壁部2f間に配設されたポリ塩化ビニル製のヘッダ管、28は乾燥室2の左右の側壁部2fに形成されヘッダ管27の両端を支持する配管支持部、29はヘッダ管27の底部に着脱自在に配設されたジョイント部29aにより垂設されたテフロン(登録商標)等の合成樹脂製の支管、30は支管29からI型やT型、Y型等のコネクタ30aにより分岐され先端部を木材11の貫通孔11fに挿通されたテフロン(登録商標)等の合成樹脂製のチューブで形成された乾燥空気の取り出し管である。
尚、台車10の積載板10bの底面と車輪10aとの間に配設された防振ゴム10a’により、振動発生器10fにより発生する振動が台車10の車輪10a側へ伝播するのを防止する。振動発生器10fは出力が0.75kW〜1.5kWのものを使用し、振幅が0.8mm〜1.5mmの振動を与えた。振幅が0.8mmより小さくなるにつれ、木材等生物の表面にある高湿度の空気の移動が少なくなり、乾燥空気との置換が不足して乾燥時間が長くなる傾向があり、1.5mmより大きくなるにつれ木材等生物全体が共振して大きく振動し、木材等生物が台車から脱落したり、形状が変形したりする傾向があることがわかった。
また、木材11の初期の質量は搬入前に測定しておき、乾燥中は水量センサ15cにより採取された水量を測定するか、木材11の含水率を含水率計によって測定することで木材11の質量や乾燥状態を確認する。
整流用側室部24bが吹き出し面24cの外周を外周部24dにより囲繞されると共に、内部を仕切り部24eにより分割されているので、整流用支管26bに形成された吹き出し口26cから吐出された乾燥空気が吹き出し面24cに穿設された風孔24fから乾燥室2内に吹き出し、乾燥室2内の木材11の側面全体に均一に送風することができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態2における木材等生物乾燥機について、以下図面を用いてその動作を説明する。
まず、木材11の種類により設定温度を約5℃〜40℃の温度範囲で選択し、設定湿度を30%〜90%の範囲で選択する。乾燥室2内を一定の設定温度に保ち、振動発生器10fによる加振と冷風除湿乾燥とを繰り返す。この時、含水率の低下に合わせて乾燥室2内の設定温度及び設定湿度を徐々に下げていく。設定湿度が30%〜40%の間は振動発生器10fによる加振と冷風除湿乾燥とを同時に行い、含水率が30%以下では断続的に冷風除湿乾燥を停止して乾燥室2内の減圧を行う。尚、冷風除湿乾燥時には空気圧縮機25によって圧縮された乾燥空気を木材11の貫通孔11fに送気する。
以上のように実施の形態2における木材等生物乾燥機は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)振動発生器により木材等生物に振動を与えることができ、木材等生物の表面付近で水分を吸収した高湿度の空気と整流用中子の内部へ流入する乾燥空気とを積極的に撹拌して交換することができるので、除湿効率を高めることができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる。
(2)木材の中心部に長手方向と平行に穿設された貫通孔に取り出し管の先端部を挿通することにより、空気圧縮機で圧縮された乾燥空気を貫通孔内へ送気することができるので、乾燥し難い木材の内側からも乾燥させてより均一な乾燥状態を得ることができ、割れ、曲がりなどの発生を低減できると共に、乾燥時間を短縮することができる。
(3)乾燥空気を送気する主配管に接続されたヘッダ管、ジョイント部、支管、コネクタ、取り出し管が着脱自在に配設されているので、木材等生物や整流用中子を乾燥室内に出し入れする際に邪魔にならず、作業性、メンテナンス性に優れる。
(4)冷風除湿乾燥工程中に乾燥させる木材等生物に振動を与えることにより、木材等生物の表面にある高湿度の空気を乾燥空気と置換することができ、短時間で木材等生物の乾燥を行うことができる。
(5)整流用中子の代りに整流用天板及び整流用側室部を配設することにより、乾燥室内を広く利用することができるので、効率的で作業性に優れると共に、整流用中子を用いた場合と同様に木材等生物の上面及び側面から乾燥空気を送風することができ、乾燥室内を均一な乾燥状態とすることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機を使用して伐採から製材まで6日間を要した生の杉の桁材を乾燥した。乾燥条件及び乾燥前後の各測定値を表1に示す。
Figure 2004306579
乾燥を行った杉桁材の寸法は、幅150mm×高さ110mm×長さ4100mmであり、図2及び図6に示したように治具によって20本を碁盤目状に整列配置し、乾燥を行った。乾燥室内の設定温度35℃、設定湿度31%の下で冷風除湿乾燥を行い、その後、含水率20%から目標の含水率15%までは約6.7kPa(ゲージ圧)で断続的に減圧除湿を行った。乾燥前の含水率が約80〜120%のものを乾燥するのに要した時間は約168時間(7日)であり、減圧除湿を行ったのは乾燥開始から約132時間後であった。尚、乾燥後の含水率は、目標の含水率15%に対し約10〜19%となった。
比較例として挙げた50℃〜150℃の高温で乾燥する蒸気式乾燥では、幅が1mm〜6mmの長手方向割れが全長に渡って発生し、発生率が80%以上であったのに対し、実施例1における長手方向割れは幅が0.3mm〜1.5mm、長さが200mm〜1000mmと小さく、発生率も10%〜30%と低くなることがわかった。
収縮は比較例では5%〜10%発生したのに対し、実施例1では1%〜2%まで大幅に減少することがわかった。
また、比較例では5mm〜20mmの曲がりが10%以上発生したのに対し、実施例1で発生した曲がりは3mm以下で発生率も1%〜2%と低い上に、乾燥前の10mm程度の曲がりが2mm程度に修正されることがわかった。
尚、比較例では乾燥後の外観として木材表面が黒茶色に変色し、香りがなくなったのに対し、実施例1で変色は見られず、香りも初期のまま残存した。
以上の結果から、本発明の木材等生物乾燥機によれば、乾燥による割れ、収縮、曲がり、変色などの欠陥がほとんど発生せず、香りもそのまま残存することが分かった。
(実施例2)
本発明の実施の形態2における木材等生物乾燥機を使用して伐採から製材まで6日間を要した生の杉材を乾燥した。乾燥条件と乾燥時間及び乾燥後含水率の各測定値を表2に示す。比較例として、実施の形態1における木材等生物乾燥機を使用して乾燥した場合の結果も示す。
Figure 2004306579
表2に示した実施例2−Aの結果より、冷風除湿乾燥時に乾燥させる木材に振動を与えることで乾燥時間が24時間〜36時間短縮されることがわかった。また、冷風除湿乾燥時に振動を与えなかった比較例の場合は、表面と中心とで含水率に最大35%の差が生じ、特に木材の中心での含水率が35%〜50%とばらつきが大きかったのに対し、振動を与えた実施例2−Aの場合は、表面と中心とで含水率に最大で12%の差しかなく、木材の中心での含水率も20%〜30%とばらつきが小さいことがわかった。
実施例2−Bの結果より、木材の長手方向にφ20mmの貫通孔を形成し、貫通孔内に乾燥空気を送気しながら乾燥させることにより、108時間という短時間で木材の表面で
15%〜20%の含水率まで乾燥できることがわかった。また、中心での含水率は17%〜20%となり、ばらつきが大幅に低減されることがわかった。
実施例2−Cの結果より、冷風除湿乾燥時の振動と貫通孔内への乾燥空気の送気を同時に行った場合、96時間で実施例2−Bと同程度の含水率まで乾燥することができ、表面と中心との含水率の差もほとんどなくなることがわかった。
以上の結果より、乾燥時の振動による乾燥時間の短縮と貫通孔内への乾燥空気の送気による乾燥状態の均一化の効果が確認され、両者を組み合わせることにより、より短時間で均一な乾燥状態をえられることがわかった。
本発明は、木材等生物を人工的に乾燥させる木材等生物乾燥機に関するもので、乾燥温度が低いので木材等生物にダメージを与えず、短時間で乾燥させることができるので、消費電力が少なく省エネルギー性に優れた木材等生物乾燥機を提供することができ、特に木材を乾燥した場合に反りやひび割れ、収縮、曲がりなどの欠陥がほとんど発生せず、乾燥後の木材表面に光沢があり、香りも残って商品価値が高い木材を提供することができると共に、木材に含まれる水分などを無駄なく採取して副産物として有効利用することができる。
本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機の要部断面側面図 図1におけるA−A線断面正面図 本発明の実施の形態1における木材等生物乾燥機の要部断面平面図 (a)本発明の実施の形態1における整流用中子の正面側の全体斜視図 (b)本発明の実施の形態1における整流用中子の背面側の全体斜視図 本発明の実施の形態1における整流用床板の正面側の全体斜視図 本発明の実施の形態1における木材の積載状態を示す正面図 (a)中間治具の要部斜視図 (b)下段治具の要部斜視図 (a)中間治具の変形例を示す要部斜視図 (b)下段治具の変形例を示す要部斜視図 (a)中間治具の変形例を示す要部斜視図 (b)下段治具の変形例を示す要部斜視図 本発明の実施の形態2における木材等生物乾燥機の要部断面側面図 図10におけるB−B線断面正面図 図10におけるC−C線断面平面図 図10におけるD−D線断面平面図
符号の説明
1 本体
2 乾燥室
2a 外壁
2b 内壁
2c 前面壁
2d 後面壁
2e 天井部
2f 側壁部
2g 床部
2h 整流板
3 開閉扉
4 断熱層
5 除湿機
6 室外圧縮機
7 室外真空ポンプ
8 整流用中子
8a 風路
8b 天井板
8c 側面板
8d 背面板
8e 開口部
8f 整流用床板
8g 平面板
8h 脚部
8i 風孔
9 循環ファン
9a 床用循環ファン
10 台車
10a 車輪
10a’ 防振ゴム
10b 積載板
10c 質量センサ
10d 支持枠
10e 質量センサ表示部
10f 振動発生器
11 木材
11a 底面
11b 側面
11c 上面
11d、11e 隙間
11f 貫通孔
12、22、32 中間治具
12a、22a、32a 平板部
12b、12c、12d、22b、22c、32b、32c 支持部
13、23、33 下段治具
13a、23a、33a 平板部
13b、13c、23b、23c、33b、33c 支持部
14 台車案内部
14a レール部
14b ストッパー部
15 取水管
15a 取水口
15b 取水タンク
15c 水量センサ
16 温度センサ
17 湿度センサ
18 圧力センサ
19 制御部
22d 挿通孔
22e、23e ネジ
23d 挿通溝
24a 整流用天板
24b 整流用側室部
24c 吹き出し面
24d 外周部
24e 仕切り部
24f 風孔
25 空気圧縮機
26a 整流用主配管
26b 整流用支管
26c 吹き出し口
26d 主配管
27 ヘッダ管
28 配管支持部
29 支管
29a ジョイント部
30 取り出し管
30a コネクタ

Claims (12)

  1. 天井部、側壁部及び床部が外壁と内壁により二重構造に形成された乾燥室と、前記乾燥室の前面壁部に配設された密閉式の開閉扉と、前記外壁と前記内壁の間に配設された断熱層と、前記乾燥室の後面壁側に配設された除湿機と、前記除湿機と連設された室外圧縮機と、前記乾燥室に連設され前記乾燥室内を脱気する室外真空ポンプと、複数の風孔が穿設され前記乾燥室の天井部及び側壁部の内壁と所定の間隔で配設されて風路を形成する整流用中子と、前記乾燥室の天井部及び側壁部の内壁にそれぞれ1以上配設された循環ファンと、乾燥される木材等生物が積載される台車と、前記除湿機に連設され前記乾燥室外に前記木材等生物から取り出した水分を採取する取水口を有する取水管と、前記乾燥室内の温度を測定する温度センサと、前記乾燥室内の湿度を測定する湿度センサと、前記乾燥室内の減圧度を測定する圧力センサと、を備えていることを特徴とする木材等生物乾燥機。
  2. 前記乾燥室の床部に配設され前記台車に配設された車輪をガイドする両側のレール部と前記台車を所定位置に固定するストッパー部とを有する台車案内部と、前記台車に積載される木材等生物の質量を測定する質量センサと、前記取水管から採取される水量を測定する水量センサと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の木材等生物乾燥機。
  3. 前記整流用中子が、天井板と、前記天井板の左右それぞれから垂設された側面板と、前記天井板及び前記左右の側面板と連設され下端側に前記除湿機の前面に対向する開口部が形成された背面板と、前記天井板及び前記左右の側面板に穿設された複数の風孔と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の木材等生物乾燥機。
  4. 前記台車上に乾燥される木材が整列支持される治具が1以上配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機。
  5. 前記温度センサと前記湿度センサと前記圧力センサの各値と予めセットされたプログラムに基づいて前記除湿機と前記室外圧縮機と前記室外真空ポンプとを制御する制御部を有することを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機。
  6. 前記整流用中子の天井板に穿設された風孔の孔径が、前記除湿機に近い後面壁側ほど小さく、前記除湿機から離れた前面壁側ほど大きく形成され、前記整流用中子の側面板に穿設された風孔の孔径が、前記除湿機に近い後面壁側ほど大きく、前記除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機。
  7. 前記治具が、長方形状に形成された平板部と、前記平板部の長手方向に所定間隔で突設された複数の支持部若しくは前記平板部に対して着脱自在及び/又は前記平板部の長手方向と平行に摺動自在に固定された複数の支持部と、を有し、積載される木材の底面及び側面の少なくとも一部が支持されることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機。
  8. 平面板と、前記平面板の左右それぞれから垂設された脚部と、前記平面板に前記除湿機に近い後面壁側ほど大きく前記除湿機から離れた前面壁側ほど小さく形成された複数の風孔と、を有し、前記台車案内部の両側のレール部間に配設された整流用床板と、前記整流用床板の前面壁側の前記床部に配設された床用循環ファンと、を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1に記載の木材等生物乾燥機。
  9. 乾燥される木材等生物に振動を与える振動発生器を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1に記載の木材等生物乾燥機。
  10. 前記乾燥室内に配設され前記乾燥室内の乾燥空気を圧縮する空気圧縮機と、前記空気圧縮機に接続され圧縮された前記乾燥空気を木材等生物に送気する送気用配管と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至9の内いずれか1に記載の木材等生物乾燥機。
  11. 請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の木材等生物乾燥機の前記乾燥室内を5℃〜40℃の範囲で設定される設定温度と30%〜90%の範囲で設定される一定の設定湿度を保つように行われる冷風除湿乾燥工程と、前記木材等生物の含水率20%〜30%の範囲で設定される設定含水率以下で行われる減圧除湿工程と、を有していることを特徴とする木材等生物乾燥方法。
  12. 前記冷風除湿乾燥工程中に請求項9又は10に記載の振動発生器により前記台車上に積載された木材等生物に振動を与えることを特徴とする請求項11に記載の木材等生物乾燥方法。
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