JP2004306479A - 繊維性成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、セルロース系ファイバーを成形し、この成形体にリグノフェノール誘導体溶液を含浸する木質成形品の製造方法が提案されている。しかし、成形体の中心までリグノフェノール誘導体が浸透するには時間がかかり、生産性が低くなるなどの課題があった。
【解決手段】繊維性材料とリグノフェノール・アルコール溶液とを、射出機構10の加熱筒11に供給し、加熱筒11内で材料を十分に混練し、金型40に射出することで、繊維性成形品を製造する。
【効果】アルコールにより材料の流動性を高めることにより、射出成形を実現した。射出成形法によるため生産性が高まる。混練するため、リグノフェノール誘導体が繊維性材料に十分に混合する。従って、芯までリグノフェノール誘導体が浸透した成形品を多量に生産することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木材チップ、草、藁などの繊維性材料の有効活用を図るべく、これらを成形品化する技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材チップ、草、藁などの繊維性材料は、紙製品、木製品、建材などに有効利用されるが、結合材(バインダー)としてフェノール樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの高分子樹脂を用いることが一般的である。しかし高分子樹脂を用いると再利用(リサイクル)や廃棄が困難となる。
【0003】
そこで、高分子樹脂の代わりに樹木から抽出した天然物質であるリグノフェノール誘導体を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−278904号公報(段落番号[0025]、図6〜図10)
【0005】
特許文献1の図6を従来の技術の代表例と位置づけ、詳しく説明する。
図5は特許文献1の図6の再掲図であり、特許文献1段落番号[0025]第3行〜第6行に「・・・セルロース系ファイバーを成形し、この成形体に、リグノフェノール誘導体溶液を含浸した後、溶媒を留去する。溶媒の留去によりリグノフェノール誘導体は粘結性を発揮し、成形材料に対して接着性を発揮する。・・・」と説明されているとおりに、リグノフェノール誘導体溶液に成形体を浸漬することを基本とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
成形体をリグノフェノール誘導体溶液に浸漬すると、当然のことながら溶液の浸透は、成形体の表面から中心に向かって進行する。しかし、成形体はある程度緻密であるため、浸透速度が低く、中心まで浸透させるには時間がかかる。時間がかかると生産性が低下する。
【0007】
又、リグノフェノール誘導体溶液は、容器に満たし、そこへ成形体を浸漬するため、リグノフェノール誘導体溶液は、成形体体積よりも数倍の体積のものを準備する必要があり、容器に残るなど無駄が発生する。ところで、リグノフェノール誘導体は、多量に準備することや無駄が発生すると、製品コストが嵩むことになる。
【0008】
そこで本発明の目的は、リグノフェノール誘導体の使用を前提として生産性を高めることができると共にリグノフェノール誘導体の無駄を省くことのできる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、繊維性材料とリグノフェノール誘導体とアルコールと射出機構と金型とを準備する準備工程と、リグノフェノール誘導体をアルコールで溶解してなるリグノフェノール・アルコール溶液及び繊維性材料を射出機構に供給する供給工程と、射出機構の加熱筒内部でスクリューによる混練を実施することで繊維性材料をアルコールで溶解しつつ繊維性材料にリグノフェノール誘導体を含浸させる可塑化工程と、可塑化した繊維性材料を金型へ射出する射出工程と、金型の隙間からアルコールを蒸発させつつ金型内部で成形を促す成形工程と、からなる繊維性成形品の製造方法である。
【0010】
先ず、射出成形法を採用することで、多量の成形品を効率よく生産することができる。
射出機構において、可塑化工程で繊維性材料にリグノフェノール誘導体を十分に含浸させるため、成形品の表面から中心までリグノフェノール誘導体を均等に配合することができる。リグノフェノール誘導体の結合作用で繊維性材料を成形品化することができる。
【0011】
リグノフェノール誘導体は樹木から抽出した天然物質であり、繊維性材料も天然物質であるから、繊維性成形品を地中に廃棄したときにはバクテリアなどの助けにより土壌に戻すことができる。又は、繊維性成形品をリサイクル化することができる。
【0012】
請求項2では、準備工程で、繊維性材料を70〜95質量%、リグノフェノール誘導体を30〜5質量%、アルコールを100〜500質量%の割合で準備することを特徴とする。
【0013】
アルコールは繊維性材料を溶かして流動性を高める作用を発揮する。アルコールが100質量%未満、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量未満であると、所望の流動性が得られず、射出機構における流動抵抗が増加し、射出工程の実施が難しくなる。
【0014】
又、アルコールが500質量%を超える、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量の5倍を超えると、金型内部で成形を促す過程で多量のアルコールが蒸発し、結果として成形品に多数の微細な空洞が発生し、成形品が崩れやすくなる。すなわち、成形品の強度が著しく低下する。
そこで、アルコールは100〜500質量%とする。
【0015】
リグノフェノール誘導体の割合が5質量%未満であると、成形品の表面の光沢が乏しくなり、木質感が損なわれる。
また、リグノフェノール誘導体は繊維性材料を結合するバインダーの役割を果たす。リグノフェノール誘導体の割合が5質量%未満であると、結合力が不十分になり、成形品の強度が不十分になり、成形品が壊れやすくなる。木質感を高めると共に強度を確保するために、リグノフェノール誘導体の割合は5質量%以上にする必要がある。
【0016】
反面、リグノフェノール誘導体は軟質材料であるから、15質量%以上になるとその割合が増加するほど成形品の強度が低下する。本発明者らが実験し、検討したところでは、リグノフェノール誘導体の割合が30質量%を超えると成形品の強度が不十分となることが分かった。そのため、リグノフェノール誘導体の割合は30質量%以下にする必要がある。
【0017】
請求項2では、繊維性材料を70〜95質量%、リグノフェノール誘導体を30〜5質量%、アルコールを100〜500質量%とすることで成形を開始し、アルコールを蒸発させることで、ほぼ繊維性材料が70〜95質量%で、リグノフェノール誘導体が30〜5質量%の成形品を得ることができ、この成形品は木質感がよく、十分な強度が期待できる。
【0018】
請求項3は、成形工程で、金型の温度を170〜200℃に保つことを特徴とする。
【0019】
金型の温度が170℃未満であるとアルコールの蒸発が遅くなり、生産性が低下する。又、金型の温度が200℃を超えるとリグノフェノール誘導体が変質する心配がある。そこで、金型の温度を170〜200℃に保つこととする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明で使用する射出機構の断面図であり、射出機構10は、加熱筒11と、この加熱筒11に回転自在に且つ前後進可能に取付けたスクリュー12と、このスクリュー12を前後進させるスクリュー前後進手段としての油圧シリンダ13と、この油圧シリンダ13のピストン14を回転させることで前記スクリュー12を回転させるスクリュー回転手段15と、スクリュー12の基部に設け、スクリュー12のポジションを検出するスクリュー位置検出手段16と、加熱筒11の先端に設けたノズルバルブ17と、加熱筒11の基部に接続したホッパー18と、このホッパー18の縮径部19に挿入したフィードスクリュー21と、このフィードスクリュー21の軸22に取付けた撹拌羽根23、24と、ホッパー18の上部の蓋25に取付けたフィードモータ26と、蓋25に接続した材料供給管27及び溶液供給管28と、これらの材料供給管27及び溶液供給管28に各々設けたゲートバルブ31、32とからなる。
【0021】
金型40は、固定型41と可動型42とこれらの間に形成したキャビティ43とからなる。型締め機構は省略した。
【0022】
以上の構成からなる射出機構10及び金型40を用いて実施する本発明の繊維性成形品の製造方法を次に説明する。
図2は本発明の繊維性成形品を製造するのに好適な製造フロー図であり、図1を参照しつつ説明する。ST××はステップを示す。
【0023】
ST01:繊維性材料とリグノフェノール誘導体とアルコールと射出機構と金型とを準備する。
ST02:リグノフェノール誘導体をアルコールに溶解してリグノフェノール・アルコール溶液を調製する。混合比は後述する。
【0024】
リグノフェノール誘導体は、次の要領で製造することができる。
木粉、チップ、廃材、木片などの木質化した材料は、リグニンを含むリグノセルロース系材料であり、この材料をクレゾールなどのフェノール誘導体で処理すると材料が溶解し、リグニンをリグノフェノール誘導体として抽出することができる。
【0025】
アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低沸点アルコール類を基本とし、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を代替させることができる。さらに、アルコールは、水やケトンを含む工業アルコールであってもよい。
【0026】
ST03:同溶液(リグノフェノール・アルコール溶液)及び繊維性材料をホッパーに供給する。繊維性材料は、木粉、チップ、廃材、木片、草などの樹木草片であれば、種類は問わない。図1において、材料供給管27を通じて矢印▲1▼のごとく、繊維性材料をホッパー18へ供給すると同時に、溶液供給管28を通じて矢印▲2▼のごとく、リグノフェノール・アルコール溶液をホッパー18へ供給する。
【0027】
ST04:ホッパー内を撹拌する。すなわち、図1にてフィードモータ26の作用で撹拌羽根23、24を廻すことで、撹拌し、繊維性材料にリグノフェノール・アルコール溶液を十分に接触させる。
【0028】
ST05:加熱筒へ撹拌済みの材料をフィードする。すなわち、図1にてフィードモータ26で廻されるフィードスクリュー21の押出し作用で、材料を加熱筒11内へ押し込む。
【0029】
ST06:加熱筒内で混練する。すなわち、図1にてスクリュー12を所定の回転数で廻すと、材料はスクリュー12の溝に沿って移動して先端に向かう。先端に材料が溜まるが、この溜まる量に対応してスクリュー12は後退する。
【0030】
加熱筒11では、材料がスクリュー12の作用で加熱筒11との間で圧縮されるつつ、混練が進行する。このときに、繊維性材料にアルコールが浸透し、好ましい温度と好ましい圧縮とが加わって、繊維性材料は溶ける。この溶けた繊維性材料にリグノフェノール誘導体が均等に混ざる。
【0031】
ST07:次に、射出を実行する。すなわち、図1にてノズルバルブ17を開き、後退しているスクリュー12を前進させる。スクリュー12の押出し作用により、溶融化材料は、金型40のキャビティ43に充満する。
【0032】
ST08:成形体からアルコールを蒸発させる。すなわち、図1にて金型40を170〜200℃に保つと、アルコールが盛んに蒸発し、固定型41と可動型42との間の隙間から型外へ逃げる。
【0033】
ST09:アルコールが十分に抜けたころに、金型を開いて、繊維性成形品を取出せばよい。
得られた繊維性成形品を構成する母材は樹木・草からなる天然材料であり、バインダーは樹木から抽出したリグノフェノール誘導体であって天然材料である。この結果、繊維性成形品は、土中に廃棄することで土に戻すことができ、破砕することで紙原料に転用しリサイクル化を図ることできる。
【0034】
本発明を実施するときに原料の配合が重要となるので、以下にその説明をする。
図3はリグノフェノール誘導体の割合と成形品の光沢との関係を示すグラフである。
横軸はリグノフェノール誘導体(上段)並びに繊維性材料(下段)の割合を示し、縦軸は成形品の光沢を示す。木材チップに代表される繊維性材料は光沢に乏しい。逆に、リグノフェノール誘導体は光沢作用を発揮する。リグノフェノール誘導体と繊維性材料との合計を100質量%として、両者の配合を種々変更して成形品の光沢を調べた。
【0035】
グラフに示すとおりに、リグノフェノール誘導体の割合が5質量%以上であれば、必要な光沢が確保できることが確認できた。そこで、リグノフェノール誘導体の割合の最小値を5質量%、繊維性材料の割合の最大値を95質量%にすることとした。
【0036】
図4はリグノフェノール誘導体の割合と成形品の強度との関係を示すグラフである。
横軸はリグノフェノール誘導体並びに繊維性材料の割合を示し、縦軸は成形品の引張り強さを示す。
リグノフェノール誘導体と繊維性材料との合計を100質量%として、両者の配合を種々変更して成形品の引張り強さを調べたところ、山形の曲線を描くことが分かった。
【0037】
繊維性成形品は、家具や木質調食器を想定しているため、取扱いに耐える強さが必要である。横軸のリグノフェノール誘導体5質量%から縦軸に平行な線を描き、曲線と交わった点をP1とする。発明者らの研究では、この点P1における引張り強さを、必要強さとみなすことができる。
【0038】
点P1を通る横線を引き、この横線と交わった新たな点をP2とする。この点P2は横軸の目盛りで30質量%に相当する。すなわち、リグノフェノール誘導体の割合を5〜30質量%にすることで、必要な強さを発揮させることができるといえる。
【0039】
そして、より高い強さが要求されたときには、図示するごとくリグノフェノール誘導体の割合を10〜25質量%にすることで、好ましい強さを発揮させることができるといえる。
【0040】
従って、繊維性材料を70〜95質量%としリグノフェノール誘導体を30〜5質量%とすることが有効であり、好ましくは繊維性材料を75〜90質量%としリグノフェノール誘導体を25〜10質量%とする。
【0041】
アルコールは、成形品には残らない溶剤であるが、繊維性材料とリグノフェノール誘導体との合計を100質量%としたときに、アルコールは100〜500質量%、すなわち合計に対し1.0倍〜5.0倍を加える。その理由は次の通りである。
【0042】
アルコールは繊維性材料を溶かして流動性を高める作用を発揮する。アルコールが100質量%未満、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量未満であると、所望の流動性が得られず、射出機構における流動抵抗が増加し、射出工程の実施が難しくなる。
【0043】
又、アルコールが500質量%を超える、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量の5倍を超えると、金型内部で成形を促す過程で多量のアルコールが蒸発し、結果として成形品に多数の微細な空洞が発生し、成形品が崩れやすくなる。すなわち、成形品の強度が著しく低下する。
そこで、アルコールは100〜500質量%とする。
【0044】
尚、図1で説明した射出機構10は1例を示したに過ぎず、全電動式射出機構であってもよい。
又、図2で説明したフローは1例を示したに過ぎず、ステップを増減すること、発明の主旨を変えない範囲でステップの内容を変更することは差し支えない。
【0045】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の製造方法は、アルコールで繊維性材料を溶解し流動性を高めることで射出成形を可能にした。射出成形法を採用することで、多量の成形品を効率よく生産することができる。
【0046】
射出機構において、可塑化工程で繊維性材料にリグノフェノール誘導体を十分に含浸させるため、成形品の表面から中心までリグノフェノール誘導体を均等に配合することができる。リグノフェノール誘導体の結合作用で繊維性材料を成形品化することができる。リグノフェノール誘導体を使い切ることができるので、リグノフェノール誘導体を無駄にする心配はない。
【0047】
リグノフェノール誘導体は樹木から抽出した天然物質であり、繊維性材料も天然物質であるから、繊維性成形品を地中に廃棄したときにはバクテリアなどの助けにより土壌に戻すことができる。又は、繊維性成形品をリサイクル化することができる。
【0048】
請求項2では、準備工程で、繊維性材料を70〜95質量%、リグノフェノール誘導体を30〜5質量%、アルコールを100〜500質量%の割合で準備することを特徴とする。
【0049】
アルコールは繊維性材料を溶かして流動性を高める作用を発揮する。アルコールが100質量%未満、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量未満であると、所望の流動性が得られず、射出機構における流動抵抗が増加し、射出工程の実施が難しくなる。
【0050】
又、アルコールが500質量%を超える、すなわち繊維性材料にリグノフェノール誘導体を加えた量の5倍を超えると、金型内部で成形を促す過程で多量のアルコールが蒸発し、結果として成形品に多数の微細な空洞が発生し、成形品が崩れやすくなる。すなわち、成形品の強度が著しく低下する。
そこで、アルコールは100〜500質量%とする。
【0051】
リグノフェノール誘導体の割合が5質量%未満であると、成形品の表面の光沢が乏しくなり、木質感が損なわれる。リグノフェノール誘導体は繊維性材料を結合するバインダーの役割を果たす。リグノフェノール誘導体の割合が5質量%未満であると、結合力が不十分になり、成形品の強度が不十分になり、成形品が壊れやすくなる。木質感を高めると共に強度を確保するために、リグノフェノール誘導体の割合は5質量%以上にする必要がある。
【0052】
反面、リグノフェノール誘導体は軟質材料であるから、15質量%以上になるとその割合が増加するほど成形品の強度が低下する。本発明者らが実験し、検討したところでは、リグノフェノール誘導体の割合が30質量%を超えると成形品の強度が不十分となることが分かった。そのため、リグノフェノール誘導体の割合は30質量%以下にする必要がある。
【0053】
そこで請求項2では、繊維性材料を70〜95質量%、リグノフェノール誘導体を30〜5質量%、アルコールを100〜500質量%とすることで成形を開始し、アルコールを蒸発させることで、ほぼ繊維性材料が70〜95質量%で、リグノフェノール誘導体が30〜5質量%の成形品を得ることができ、この成形品は木質感がよく、十分な強度が期待できる。
【0054】
請求項3は、成形工程で、金型の温度を170〜200℃に保つことを特徴とする。
金型の温度が170℃未満であるとアルコールの蒸発が遅くなり、生産性が低下する。又、金型の温度が200℃を超えるとリグノフェノール誘導体が変質する心配がある。そこで、金型の温度を170〜200℃に保つこととする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する射出機構の断面図
【図2】本発明の繊維性成形品を製造するのに好適な製造フロー図
【図3】リグノフェノール誘導体の割合と成形品の光沢との関係を示すグラフ
【図4】リグノフェノール誘導体の割合と成形品の強度との関係を示すグラフ
【図5】特許文献1の図6の再掲図
【符号の説明】
10…射出機構、11…加熱筒、12…スクリュー、28…溶液供給管(リグノフェノール・アルコール溶液供給管)、40…金型。

Claims (3)

  1. 繊維性材料とリグノフェノール誘導体とアルコールと射出機構と金型とを準備する準備工程と、リグノフェノール誘導体をアルコールで溶解してなるリグノフェノール・アルコール溶液及び前記繊維性材料を射出機構に供給する供給工程と、射出機構の加熱筒内部でスクリューによる混練を実施することで繊維性材料をアルコールで溶解しつつ繊維性材料にリグノフェノール誘導体を含浸させる可塑化工程と、可塑化した繊維性材料を金型へ射出する射出工程と、金型の隙間からアルコールを蒸発させつつ金型内部で成形を促す成形工程と、からなる繊維性成形品の製造方法。
  2. 前記準備工程では、繊維性材料を70〜95質量%、リグノフェノール誘導体を30〜5質量%、アルコールを100〜500質量%の割合で準備することを特徴とする請求項1記載の繊維性成形品の製造方法。
  3. 前記成形工程では、金型の温度を170〜200℃に保つことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の繊維性成形品の製造方法。
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