JP2004306435A - プリンタ及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリントヘッド雰囲気の温度変化の観測情報や、ヘッド駆動用素子35の過熱を表す情報等をプリンタ本体側1に送信するのに、各々専用の信号線が必要である。
【解決手段】プリントヘッド側機器3の状態を表す情報のうち、時系列に変化する状態の観測情報(例えば温度変化を捉えるためのサーミスタ31の出力電圧)と、印刷実行の障害となる事象の発生(例えばヘッド駆動用素子35の過熱)を知らせる通知情報とを、単一の信号線21を介してプリントヘッド側からプリンタ本体側に送信し、前記各情報に基づきプリンタを制御する。その際、観測情報は、所定の有効範囲帯域を有するアナログの値として表現され、通知情報は、有効範囲帯域外の値を採るようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】プリントヘッド側機器3の状態を表す情報のうち、時系列に変化する状態の観測情報(例えば温度変化を捉えるためのサーミスタ31の出力電圧)と、印刷実行の障害となる事象の発生(例えばヘッド駆動用素子35の過熱)を知らせる通知情報とを、単一の信号線21を介してプリントヘッド側からプリンタ本体側に送信し、前記各情報に基づきプリンタを制御する。その際、観測情報は、所定の有効範囲帯域を有するアナログの値として表現され、通知情報は、有効範囲帯域外の値を採るようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタにおけるヘッドの駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタでは、インクカートリッジや、実際にインクの吐出を行わせるプリントヘッドや、その駆動のための各種回路などを実装した小型の基板等からなるプリントヘッド側機器をキャリッジと呼ばれる容器に搭載し、そのキャリッジを走査させながら印刷を行う。上記のプリントヘッド側機器は、プリンタ全体を統轄制御するプリンタ本体側基板とフレキシブルフラットケーブルで結ばれ、プリンタ本体側が送信する信号に従った制御を受けて印刷を実行する。
【0003】
現在のインクジェットプリンタでは、印刷速度と印刷品質との向上を図るため、プリンタ本体側基板の機能である印刷制御部が、上記プリントヘッド側機器の状態を観察しながら、その状態に応じた最適な制御を行う。そのために、プリントヘッド側機器からは上記のフレキシブルフラットケーブルを介してプリンタ本体側に対して状態情報の送信が行われる。
【0004】
とりわけ画質を優先する高級機種においては、インク粒が小さく、且つドット密度の高い印刷を行う。そのため、プリントヘッドに搭載されるヘッド駆動用スイッチング素子(ディジタル信号のタイミングでアナログの電圧波形信号を圧電素子に対して印加することから、双方向アナログスイッチ、あるいはトランスミッションゲート等とも呼ばれる)は非常に高速に動作し、発熱も大きい。このような発熱によっては、印刷結果に悪影響がもたらされるだけでなく素子の破壊を招く危険も考えられる。そこでプリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際には、それをプリンタの統轄制御部に伝え、印刷停止制御を行うようにしている。
【0005】
現在ではシアン、マゼンダ、イエローの3原色以外にもライトシアン、ライトマゼンダ及びダークイエローのインクが採用されるなど、印刷に用いるインクの種類が増えている。それにつれてプリントヘッドの数は増し、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の数も増えている。その各々の過熱情報信号をプリンタ本体側に送信する複数の信号線を必要とすることを防止するため、過熱検知装置の出力信号線を共通化して1本の信号線とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−225246号公報
なお、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱は、印刷を実行するにあたって障害となる事象であるから、素子が過熱であるか、あるいはそうでないかが判ればよい。そこで現在では、過熱検出信号を、過熱が検知されていない際と検知された際とで、異なる2値の電圧値の何れかを出力するようにして、ディジタル信号でプリンタ本体側に送信するようにしている。
【0007】
また、カラーインクジェットプリンタにおける印刷実行に先立っては、インクカートリッジ装着の有無が確認されるのが一般的である。プリンタの電源を投入すると、プリンタの制御部がインクカートリッジの有無を確認する。そのために、インクカートリッジ装着時には導通し、インクカートリッジ未装着時には非導通とされるようなスイッチ様のものを含む信号線が配線され、その信号線を介してプリンタの統轄制御部にその事象を通知してインクカートリッジの有無について判断できるようになっている。
【0008】
このようにインクカートリッジの不存在も、印刷を実行するにあたって障害となる事象であるから、導通、又は非導通というディジタルの信号で表されるものである。プリンタの統轄制御部は、インクカートリッジ不存在の通知を受けた場合には印刷停止制御を行うようにしている。
【0009】
また、プリントヘッド側から、プリンタ本体側制御基板に対して伝えられる情報の一つには、プリントヘッド雰囲気の温度情報がある。印刷実行中におけるプリントヘッドの雰囲気温度の変化を時系列に観測し、それをプリンタの制御部側で監視しつつ、温度によって変化するインクの粘性に応じたプリントヘッド駆動電圧の調整を行うなどの印刷制御を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、プリントヘッド側機器の状態を表す複数の情報が、プリンタ本体側に送信されている訳であるが、ヘッド雰囲気温度に関する観測情報はアナログの値であるのに対し、印刷実行の障害となる各事象の発生を知らせる通知情報はディジタルの値である。そのため、これらを一本の信号線で本体側に送信するという発想は従来は無く、それぞれに信号線が必要であった。
【0011】
また、キャリッジの走査速度向上に伴って、印刷実行中のキャリッジに手が触れることを防止する観点から、プリンタのカバーを開けた際にも印刷停止制御を行う必要も生じている。このプリンタカバーオープンを表す信号を送信するための信号線も加えて必要となってきおり、信号線の数はさらに増える傾向にある。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであって、フレキシブルフラットケーブルに引き回される配線数を減らし、それでいて従来通りに適切な印刷制御を行なわせることが可能な技術を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためのプリンタ制御方法は、プリントヘッド側機器の状態を表す情報のうち、時系列に変化する状態の観測情報と、印刷実行の障害となる事象の発生を知らせる通知情報とを、単一の信号線を介してプリントヘッド側からプリンタ本体側に送信し、前記各情報に基づきプリンタを制御する方法において、前記観測情報は、所定の有効範囲帯域を有するアナログの値として表現されるものであり、前記通知情報は、前記事象の発生に際しては、前記所定の有効範囲帯域外の値を採るものであることを特徴とする。これにより、単一の信号線をもってして伝えられる観測情報、及び、通知情報に基づく印刷制御が可能となる。
【0014】
また、前記通知情報には、印刷実行の障害となる複数の事象に、各々対応する複数の通知情報が含まれるものである上記構成のプリンタ制御方法において、前記各通知情報のうちの一の通知情報として、その事象の発生に際して、所定の有効範囲帯域を上回る値が採用されるものであるとき、前記各通知情報のうちの他の通知情報は、その事象の発生に際して、前記所定の有効範囲帯域を下回る値が採用されるものである。換言すれば、一の通知情報が、有効範囲帯域を下回る値を採るものであるときには、他の通知情報は、有効範囲帯域を上回る値を採るものである。これにより、一つの観測情報と、複数の通知情報とを、単一の信号線を介して送信可能となる。
【0015】
また、本発明のプリンタ制御方法は、観測情報が、プリントヘッドの雰囲気温度に関する情報であり、各通知情報のうちの一の通知情報には、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際に、該事象を通知するするための過熱通知情報が含まれるものであり、各通知情報のうちの他の通知情報には、インクカードリッジの不存在を通知するための情報、及び、又は、プリンタカバーが開いている際に、該事象を通知するための情報が含まれ、前記各通知情報の何れかに基づき、印刷停止制御を行うものであることを特徴とする。この構成のプリンタ制御方法によっては、印刷実行の障害となる事象であるプリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱、インクカートリッジの不存在、プリンタカバーのオープンという事態に際して、自動的にプリンタの稼働を止めることができる。
【0016】
また、前記通知情報には、前記プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知されなくなった際に、該事象を通知するための過熱解除通知情報が含まれるものである上記構成のプリンタ制御方法において、過熱通知情報に基づき印刷停止制御を行った際には、過熱解除通知情報に基づき印刷再開制御をも行うものであることを特徴とする。このプリンタ制御方法では、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱に際して自動的にプリンタの稼働を止めた場合であっても、素子の温度が下がるのを待って、印刷を再開させることができる。
【0017】
また、上記プリンタ制御方法にあって、前記有効範囲帯域は、プリントヘッドの雰囲気温度が、プリンタの適正稼働可能温度帯(例えば、マイナス10度Cから50度Cの温度帯)にあるときに観測される値の範囲であるようすればよい。これにより、上記範囲を超える特殊な利用環境でない限り、温度の観測情報と各通知情報とを明確に識別可能となる。
【0018】
上記課題を解決するためのプリンタは、以下の構成を備える。すなわち、プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置(例えばサーミスタ)と、プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる2値の電圧値を出力する過熱検知装置と、前記温度検出装置の接地線に介在してインクカートリッジ未装着時において該接地線を非導通とさせるインクカートリッジ未装着検知装置、及び、又は、プリンタカバーが開いている場合において前記接地線を非導通とさせるカバー開閉検知装置とを備え、前記各装置からの出力信号を、単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、前記電圧値は、前記アナログの電圧値とそれとは異なる値で構成されて成る。上記構成のプリンタでは、インクカートリッジ不存在の場合やプリンタカバーが開いている場合に、温度検出装置の出力が無効とされる。また、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際には、所定の電圧値が出力される。
【0019】
また、本発明のプリンタは、以下の構成を備える。すなわち、プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる2値の電圧値を出力する過熱検知装置の出力信号線と、インクカートリッジ未装着時において装置の出力信号線を非導通とさせる、インクカートリッジ未装着検知装置の出力信号線とを、並列接続して共通出力信号線とし、プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置の出力信号線と、前記共通出力信号線とを、さらに共用して単一の信号線とし、前記各装置からの出力信号を、前記単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、前記並列接続された過熱検知装置とインクカートリッジ未装着検知装置との出力信号を選択的に出力するためのスイッチ回路が設けられている。このプリンタでは、ディジタルの信号によって表される通知情報が相互に混信されて不正確な値を出力することが避けられる。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明の1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、インクジェットプリンタの構成のうち、本発明に関わる主要機能部分を表す図である。プリンタ全体を統轄制御する役割を担う本体側基板1と、図示しないキャリッジに搭載されて、実際に印刷動作を行うプリントヘッド側の各機器3とは、フレキシブルフラットケーブル2を介して接続されている。本体側基板1には、例えばカスタムICチップ等を用いて印刷制御部が構成され、ホストコンピュータから受信した印刷データに基づいて、プリントヘッド側機器に対してデータを送る。
【0021】
フレキシブルフラットケーブル2には、各インクノズル毎のon/offのタイミングを表すディジタル信号を送信するon/off信号線22や、ノズルon信号のタイミングにおいて、どの位の強さでインクを吐出させるかについての情報をディジタル化したデータとしてプリントヘッド側のD/Aコンバータ33に送信する波形データ信号線23等がプリント配線されている。D/Aコンバータ33は、このディジタルデータをアナログの電圧波形信号に変換する。ヘッドドライバIC34は、このアナログ波形信号により、プリントヘッド駆動用スイッチング素子35を駆動する。
【0022】
プリントヘッド駆動用スイッチング素子35は、ディジタル及びアナログの双方向の入力を受け、ディジタルの信号がonを表すノズルについて、アナログ波形信号が表す強さで圧電振動子37を振動させることにより、インクを図示しないノズルから吐き出させる。
【0023】
印刷実行の際には、このような動作が非常に高速に行なわれるため、プリントヘッド側の各機器は動作に伴って発熱する。サーミスタ31は、このような印刷動作に伴って時系列に変化するヘッドの雰囲気温度を検出するために、プリントヘッド側の小型の基板上に取り付けられているものである。サーミスタ31の端子のうち、一端はインクカートリッジ32内の配線(図において点線で示される)を通して接地されている。また、他端はフレキシブルフラットケーブル2にプリント配線されたアナログ信号線21を介して、本体側基板1上のA/Dポートに接続されている。
【0024】
本体基板1のA/Dポートはプリントヘッド側機器の状態を表す情報を電圧の値で入力するものである。A/Dポートに電圧入力があると、本体基板側でこれをディジタルの数値化したデータに変換し、その値に基づき、印刷制御を行う。プリントヘッド側において、インクカートリッジ32が正常に装着されている状態では、サーミスタ31の置かれている箇所の雰囲気温度に応じた抵抗により、所定範囲の電圧が本体基板1のA/Dポートに入力される。例えば、プリントヘッドの雰囲気温度が25度Cであるときに、A/Dポートに2Vの電圧入力がある。雰囲気温度が上昇すると電圧の値は下がり、逆に雰囲気温度が下降すると電圧の値は上昇する。
【0025】
図2は、上記の関係、すなわちサーミスタ31によって観測されるプリントヘッドの雰囲気温度と、A/Dポートに入力される電圧の値の関係をグラフ形式で表した図である。ここではサーミスタの特性として、プリントヘッドの雰囲気温度がプリンタの適正稼働可能温度帯であるマイナス10度Cから50度Cの温度帯にあるときに、2.5Vから1.4Vの範囲の出力電圧が得られる場合の例が示されている。すなわち実施形態における温度観測情報の有効範囲帯域は、本例では2.5Vから1.4Vの範囲とされる。
【0026】
インクカートリッジ32が未装着であるような場合、サーミスタ31は接地がとられていない状態となるため、本体側基板のA/Dポートには定電圧(例えば3.3V)の電源11からの電流がそのまま流される(図中の矢印12)。すなわち、この3.3Vの電圧入力を得ることにより、インクカートリッジ未装着という事象の発生を検知することができる構成となっている。
【0027】
図3は、これらディジタルの通知情報を出力する検知装置の詳細を表す図である。図3において各インクカートリッジ32の1〜32のnは、印刷に用いられる種類の各インクを蓄えたタンクを有し、サーミスタ31とその接地線を、各々のカートリッジ内部の配線を介して直列に繋いでいる。さらに、カバーオープン検知装置37も、この接地線上に設けられてある。そして、オペレータによってプリンタのカバーが開けられると、内部のスイッチによって接地線が非導通とされるようになっている。すなわち、カバーオープンという事象の発生を検出して、それを通知する仕組みとなっている。
【0028】
信号線21には、プリントヘッド駆動用スイッチング素子35の1〜35のn内部に存在する過熱検知装置36の1〜36のnも接続されている。この過熱検知装置は温度検出用のダイオードや、そのダイオードの出力電圧値と設定電圧値を比較するコンパレータ回路等により構成されるものであり、各プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に作り込まれているものである。各過熱検知装置は、プリントヘッド駆動用スイッチング素子のジャンクション温度である100℃前後で、出力が有効範囲帯域の電圧からLowに切り替わるようになっている。すなわち、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、電圧値が急に変化するものである。ここではLow電圧として0.5Vが出力されるものとして、以下に説明する。
【0029】
図4は、温度検出装置であるサーミスタ31や、インクカートリッジ未装着検知装置として働く内部導通線(図において点線で表される)、プリンタカバーが開いている場合において前記接地線を非導通とさせるカバー開閉検知装置37、及び過熱検知装置36からの各出力情報信号を受けたプリンタの制御部(プリンタ本体側基板の有する機能)が、実際にどのような手順に従って印刷制御を実行するかの手順について、フローチャートの形式で表す図である。
【0030】
まず、ホストコンピュータから印刷命令を受けると、プリンタの制御部はプリンタ本体側基板のA/Dポートの電圧値を確認する(S101,S102)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧である1.4Vから2.5Vの範囲の電圧が検出さる(S103においてYes)。この状態であれば、印刷が正常に実行される(S107)。
【0031】
もし、インクカートリッジの未装着やカバーオープンという事象があれば、サーミスタ31の接地がとれない状態になっているので、プリンタ本体側基板の電源11から、直接A/Dポートに電流が流され、3.3Vという有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)を上回る値が検出される筈である(S103において2.5V以上)。この場合、印刷を一旦停止し(S108)オペレータにカートリッジの装着やカバー閉じの操作を促すための表示を行わせる(S109)。この表示はホストコンピュータのモニター上に行ってもよいし、プリンタの操作ボタンに付随するランプの点滅などの方法によって表すものでもよい。オペレータがこれに従った操作を行ったなら(S110)、A/Dポートの電圧値を確認し、値が有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)帯域にあれば印刷を実行する(S112においてYes,S107)。
【0032】
印刷を進めるにつれ、ヘッドの負荷条件によっては何れかのヘッド駆動用スイッチング素子35が過熱してしまう場合がある。その場合、過熱検知装置36の出力信号がLow(過熱通知情報)に切り替わってA/Dポートで0.5Vという有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)を下回る値が検出される(S103において1.4V以下)。その場合には印刷停止制御が行われる(S104)。
【0033】
それとともに、ヘッド駆動用スイッチング素子35の過熱が解除された際には、印刷再開制御も行われる。すなわち、2秒後に再度A/Dポートの電圧値を確認する(S105)。その時点で過熱が解除されていれば、過熱検知装置36のディジタル出力信号は有効範囲(1.4Vから2.5Vの範囲)に戻っている。そこで、A/Dポートの電圧値は1.4V以上となって、印刷も再開される(S106においてYes,S107)。
【0034】
上述の説明ように、複数のディジタル信号をもサーミスタ31による温度検出用信号線21に重畳させて通信を行う際には、複数の検知情報信号が同時に出された場合や素子のリーク電流等により、予想外の値が出力されることを防止しなければならない。
【0035】
図5は、上記の事態を防止するために並列接続された過熱検知装置36とインクカートリッジ未装着検知装置32との出力信号の誤出力を防止するためのスイッチを設けた回路構成例を表すものである。この例では、各々ベース側を各検知装置32及び36の出力に接続した2つのトランジスタ38及び39が、各々定電源に接続されている。従って、検知信号が発せられた側の電源が信号線21側に導通する。この際、過熱検知装置36とインクカートリッジ未装着検知装置32との出力信号が同時に発せられて、予想外の電圧値を送信してしまうことを防止するために、片側の配線に抵抗R1を設けて、信号の優先順位を定めている。このR1の抵抗値は、サーミスタ31が50度C以下(適正稼働可能温度帯)の雰囲気中にあるときの抵抗値よりも小さな値のものが採用される。
【0036】
図5の回路を用いた場合の電源ON時のフローチャートを図6に示す。まず電源投入し(S201)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S202)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される(S203においてYES)。この状態にあれば、印刷命令を待機することができる(S212)。
【0037】
もし、インクカートリッジ32の未装着やカバーオープンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vとなり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S203においてV1<1.4V)。この場合、パソコンの表示画像やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し(S206)、ユーザーがカートリッジの装着やカバー閉じの操作を行ったなら(S207)、A/Dポートの電圧値V1を確認し(S208)、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、印刷待機状態に入る(S209においてYES、S212)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にない場合には、操作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S209においてNO、S210、S211)。
【0038】
また、電源投入時に、過熱検知装置36の出力信号がLowの場合は、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である。(S203において2.5V<V1<)。これは、スイッチング素子35がダメージを受けているため、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S204,S205)
図5の回路を用いた場合の印刷中の制御のフローチャートを図7に示す。印刷待機状態から、印刷命令を受信し(S301)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S302)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される(S303においてYES)。この状態にあれば、環境温度に応じた補正を駆動波形に補正し(S317)、印刷を実行する(S318)印刷データがあるか判別し、ある場合(S319においてYES)は再度電圧値を検出し、データがなくなるまで繰り返される。データがない場合には、終了し、印刷待ち状態になる。(S319においてNO)。
【0039】
もし、インクカートリッジ32の浮き上がりやカバーオーブンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vとなり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S303においてV1<1.4V>。この場合印刷を停止し、パソコンの表示画面やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し(S310、S311)、ユーザーがカートリッジの装着やカバー閉じの操作を行ったなら(S312)、A/Dポートの電圧値V1を確認(S313)し、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、印刷を正常に実行する(S314においてYES)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲内にない場合には、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S314においてNO、S315、S316)。
【0040】
過熱検知装置36が動作した場合には、出力信号がLowとなり、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である(S203において2.5V<V1>。一度、印刷を停止し(S305)、2秒後に再度電圧を確認したのち(S306)、1.4V≦V1≦2.5Vであれば、印刷を正常に実行する(S307においてYES)。それでも検出電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vでない場合には、スイッチング素子35がダメージを受けているため、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S307においてNO、S308,S309)。
【0041】
図5の回路を用いた場合のインクカートリッジ交換時のフローチャートを図8に示す。まずユーザーがインクカートリッジ交換を行い(S401)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S402)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される。(S403においてYES)。個の状態であれば、インクカートリッジの交換クリーニングを行うことができる。(S412)。
【0042】
もし、インクカートリッジ32の未装着やカバーオーブンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vになり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S403においてV1<1.4V)。この場合、パソコンの表示画面やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し、(S406)、ユーザーがカートリッジ再装着やカバー閉じの操作を行ったなら、(S407)、A/Dポートの電圧値V1を確認し(S408)、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、インクカートリッジ交換クリーニングに入る(S409においてYES、S412)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲内にない場合には、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S409においてNO、S410,S411)。
【0043】
また、電源投入時に過熱検知装置36の出力信号がLowの場合は、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である(S403において2.5V<V1<)これは、スイッチング35がダメージを受けているため、操作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S404,S405)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるインクジェットプリンタのハードウエア構成を表す図。
【図2】サーミスタによって観測されるヘッド雰囲気温度と電圧の関係を表す図。
【図3】ディジタルの通知情報を出力する検知装置の詳細を表す図。
【図4】観測情報及び検知情報に基づき行われる制御手順をフローチャートで表す図。
【図5】検知情報信号を選択的に出力するためのスイッチを設けた回路構成例を表す図。
【図6】電源ON時の制御手順をフローチャートで表す図。
【図7】印刷中の制御をフローチャートで表す図。
【図8】インクカートリッジ交換時の制御をフローチャートで表す図。
【符号の説明】
1 本体側基板、 2 フレキシブルフラットケーブル、 21 信号線、
3 プリントヘッド側機器、 31 サーミスタ、
32 インクカートリッジ、 35 ヘッド駆動用スイッチング素子、
36 過熱検知装置、 37 カバーオープン検知装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタにおけるヘッドの駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタでは、インクカートリッジや、実際にインクの吐出を行わせるプリントヘッドや、その駆動のための各種回路などを実装した小型の基板等からなるプリントヘッド側機器をキャリッジと呼ばれる容器に搭載し、そのキャリッジを走査させながら印刷を行う。上記のプリントヘッド側機器は、プリンタ全体を統轄制御するプリンタ本体側基板とフレキシブルフラットケーブルで結ばれ、プリンタ本体側が送信する信号に従った制御を受けて印刷を実行する。
【0003】
現在のインクジェットプリンタでは、印刷速度と印刷品質との向上を図るため、プリンタ本体側基板の機能である印刷制御部が、上記プリントヘッド側機器の状態を観察しながら、その状態に応じた最適な制御を行う。そのために、プリントヘッド側機器からは上記のフレキシブルフラットケーブルを介してプリンタ本体側に対して状態情報の送信が行われる。
【0004】
とりわけ画質を優先する高級機種においては、インク粒が小さく、且つドット密度の高い印刷を行う。そのため、プリントヘッドに搭載されるヘッド駆動用スイッチング素子(ディジタル信号のタイミングでアナログの電圧波形信号を圧電素子に対して印加することから、双方向アナログスイッチ、あるいはトランスミッションゲート等とも呼ばれる)は非常に高速に動作し、発熱も大きい。このような発熱によっては、印刷結果に悪影響がもたらされるだけでなく素子の破壊を招く危険も考えられる。そこでプリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際には、それをプリンタの統轄制御部に伝え、印刷停止制御を行うようにしている。
【0005】
現在ではシアン、マゼンダ、イエローの3原色以外にもライトシアン、ライトマゼンダ及びダークイエローのインクが採用されるなど、印刷に用いるインクの種類が増えている。それにつれてプリントヘッドの数は増し、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の数も増えている。その各々の過熱情報信号をプリンタ本体側に送信する複数の信号線を必要とすることを防止するため、過熱検知装置の出力信号線を共通化して1本の信号線とする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−225246号公報
なお、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱は、印刷を実行するにあたって障害となる事象であるから、素子が過熱であるか、あるいはそうでないかが判ればよい。そこで現在では、過熱検出信号を、過熱が検知されていない際と検知された際とで、異なる2値の電圧値の何れかを出力するようにして、ディジタル信号でプリンタ本体側に送信するようにしている。
【0007】
また、カラーインクジェットプリンタにおける印刷実行に先立っては、インクカートリッジ装着の有無が確認されるのが一般的である。プリンタの電源を投入すると、プリンタの制御部がインクカートリッジの有無を確認する。そのために、インクカートリッジ装着時には導通し、インクカートリッジ未装着時には非導通とされるようなスイッチ様のものを含む信号線が配線され、その信号線を介してプリンタの統轄制御部にその事象を通知してインクカートリッジの有無について判断できるようになっている。
【0008】
このようにインクカートリッジの不存在も、印刷を実行するにあたって障害となる事象であるから、導通、又は非導通というディジタルの信号で表されるものである。プリンタの統轄制御部は、インクカートリッジ不存在の通知を受けた場合には印刷停止制御を行うようにしている。
【0009】
また、プリントヘッド側から、プリンタ本体側制御基板に対して伝えられる情報の一つには、プリントヘッド雰囲気の温度情報がある。印刷実行中におけるプリントヘッドの雰囲気温度の変化を時系列に観測し、それをプリンタの制御部側で監視しつつ、温度によって変化するインクの粘性に応じたプリントヘッド駆動電圧の調整を行うなどの印刷制御を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、プリントヘッド側機器の状態を表す複数の情報が、プリンタ本体側に送信されている訳であるが、ヘッド雰囲気温度に関する観測情報はアナログの値であるのに対し、印刷実行の障害となる各事象の発生を知らせる通知情報はディジタルの値である。そのため、これらを一本の信号線で本体側に送信するという発想は従来は無く、それぞれに信号線が必要であった。
【0011】
また、キャリッジの走査速度向上に伴って、印刷実行中のキャリッジに手が触れることを防止する観点から、プリンタのカバーを開けた際にも印刷停止制御を行う必要も生じている。このプリンタカバーオープンを表す信号を送信するための信号線も加えて必要となってきおり、信号線の数はさらに増える傾向にある。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであって、フレキシブルフラットケーブルに引き回される配線数を減らし、それでいて従来通りに適切な印刷制御を行なわせることが可能な技術を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためのプリンタ制御方法は、プリントヘッド側機器の状態を表す情報のうち、時系列に変化する状態の観測情報と、印刷実行の障害となる事象の発生を知らせる通知情報とを、単一の信号線を介してプリントヘッド側からプリンタ本体側に送信し、前記各情報に基づきプリンタを制御する方法において、前記観測情報は、所定の有効範囲帯域を有するアナログの値として表現されるものであり、前記通知情報は、前記事象の発生に際しては、前記所定の有効範囲帯域外の値を採るものであることを特徴とする。これにより、単一の信号線をもってして伝えられる観測情報、及び、通知情報に基づく印刷制御が可能となる。
【0014】
また、前記通知情報には、印刷実行の障害となる複数の事象に、各々対応する複数の通知情報が含まれるものである上記構成のプリンタ制御方法において、前記各通知情報のうちの一の通知情報として、その事象の発生に際して、所定の有効範囲帯域を上回る値が採用されるものであるとき、前記各通知情報のうちの他の通知情報は、その事象の発生に際して、前記所定の有効範囲帯域を下回る値が採用されるものである。換言すれば、一の通知情報が、有効範囲帯域を下回る値を採るものであるときには、他の通知情報は、有効範囲帯域を上回る値を採るものである。これにより、一つの観測情報と、複数の通知情報とを、単一の信号線を介して送信可能となる。
【0015】
また、本発明のプリンタ制御方法は、観測情報が、プリントヘッドの雰囲気温度に関する情報であり、各通知情報のうちの一の通知情報には、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際に、該事象を通知するするための過熱通知情報が含まれるものであり、各通知情報のうちの他の通知情報には、インクカードリッジの不存在を通知するための情報、及び、又は、プリンタカバーが開いている際に、該事象を通知するための情報が含まれ、前記各通知情報の何れかに基づき、印刷停止制御を行うものであることを特徴とする。この構成のプリンタ制御方法によっては、印刷実行の障害となる事象であるプリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱、インクカートリッジの不存在、プリンタカバーのオープンという事態に際して、自動的にプリンタの稼働を止めることができる。
【0016】
また、前記通知情報には、前記プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知されなくなった際に、該事象を通知するための過熱解除通知情報が含まれるものである上記構成のプリンタ制御方法において、過熱通知情報に基づき印刷停止制御を行った際には、過熱解除通知情報に基づき印刷再開制御をも行うものであることを特徴とする。このプリンタ制御方法では、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱に際して自動的にプリンタの稼働を止めた場合であっても、素子の温度が下がるのを待って、印刷を再開させることができる。
【0017】
また、上記プリンタ制御方法にあって、前記有効範囲帯域は、プリントヘッドの雰囲気温度が、プリンタの適正稼働可能温度帯(例えば、マイナス10度Cから50度Cの温度帯)にあるときに観測される値の範囲であるようすればよい。これにより、上記範囲を超える特殊な利用環境でない限り、温度の観測情報と各通知情報とを明確に識別可能となる。
【0018】
上記課題を解決するためのプリンタは、以下の構成を備える。すなわち、プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置(例えばサーミスタ)と、プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる2値の電圧値を出力する過熱検知装置と、前記温度検出装置の接地線に介在してインクカートリッジ未装着時において該接地線を非導通とさせるインクカートリッジ未装着検知装置、及び、又は、プリンタカバーが開いている場合において前記接地線を非導通とさせるカバー開閉検知装置とを備え、前記各装置からの出力信号を、単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、前記電圧値は、前記アナログの電圧値とそれとは異なる値で構成されて成る。上記構成のプリンタでは、インクカートリッジ不存在の場合やプリンタカバーが開いている場合に、温度検出装置の出力が無効とされる。また、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際には、所定の電圧値が出力される。
【0019】
また、本発明のプリンタは、以下の構成を備える。すなわち、プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる2値の電圧値を出力する過熱検知装置の出力信号線と、インクカートリッジ未装着時において装置の出力信号線を非導通とさせる、インクカートリッジ未装着検知装置の出力信号線とを、並列接続して共通出力信号線とし、プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置の出力信号線と、前記共通出力信号線とを、さらに共用して単一の信号線とし、前記各装置からの出力信号を、前記単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、前記並列接続された過熱検知装置とインクカートリッジ未装着検知装置との出力信号を選択的に出力するためのスイッチ回路が設けられている。このプリンタでは、ディジタルの信号によって表される通知情報が相互に混信されて不正確な値を出力することが避けられる。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明の1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、インクジェットプリンタの構成のうち、本発明に関わる主要機能部分を表す図である。プリンタ全体を統轄制御する役割を担う本体側基板1と、図示しないキャリッジに搭載されて、実際に印刷動作を行うプリントヘッド側の各機器3とは、フレキシブルフラットケーブル2を介して接続されている。本体側基板1には、例えばカスタムICチップ等を用いて印刷制御部が構成され、ホストコンピュータから受信した印刷データに基づいて、プリントヘッド側機器に対してデータを送る。
【0021】
フレキシブルフラットケーブル2には、各インクノズル毎のon/offのタイミングを表すディジタル信号を送信するon/off信号線22や、ノズルon信号のタイミングにおいて、どの位の強さでインクを吐出させるかについての情報をディジタル化したデータとしてプリントヘッド側のD/Aコンバータ33に送信する波形データ信号線23等がプリント配線されている。D/Aコンバータ33は、このディジタルデータをアナログの電圧波形信号に変換する。ヘッドドライバIC34は、このアナログ波形信号により、プリントヘッド駆動用スイッチング素子35を駆動する。
【0022】
プリントヘッド駆動用スイッチング素子35は、ディジタル及びアナログの双方向の入力を受け、ディジタルの信号がonを表すノズルについて、アナログ波形信号が表す強さで圧電振動子37を振動させることにより、インクを図示しないノズルから吐き出させる。
【0023】
印刷実行の際には、このような動作が非常に高速に行なわれるため、プリントヘッド側の各機器は動作に伴って発熱する。サーミスタ31は、このような印刷動作に伴って時系列に変化するヘッドの雰囲気温度を検出するために、プリントヘッド側の小型の基板上に取り付けられているものである。サーミスタ31の端子のうち、一端はインクカートリッジ32内の配線(図において点線で示される)を通して接地されている。また、他端はフレキシブルフラットケーブル2にプリント配線されたアナログ信号線21を介して、本体側基板1上のA/Dポートに接続されている。
【0024】
本体基板1のA/Dポートはプリントヘッド側機器の状態を表す情報を電圧の値で入力するものである。A/Dポートに電圧入力があると、本体基板側でこれをディジタルの数値化したデータに変換し、その値に基づき、印刷制御を行う。プリントヘッド側において、インクカートリッジ32が正常に装着されている状態では、サーミスタ31の置かれている箇所の雰囲気温度に応じた抵抗により、所定範囲の電圧が本体基板1のA/Dポートに入力される。例えば、プリントヘッドの雰囲気温度が25度Cであるときに、A/Dポートに2Vの電圧入力がある。雰囲気温度が上昇すると電圧の値は下がり、逆に雰囲気温度が下降すると電圧の値は上昇する。
【0025】
図2は、上記の関係、すなわちサーミスタ31によって観測されるプリントヘッドの雰囲気温度と、A/Dポートに入力される電圧の値の関係をグラフ形式で表した図である。ここではサーミスタの特性として、プリントヘッドの雰囲気温度がプリンタの適正稼働可能温度帯であるマイナス10度Cから50度Cの温度帯にあるときに、2.5Vから1.4Vの範囲の出力電圧が得られる場合の例が示されている。すなわち実施形態における温度観測情報の有効範囲帯域は、本例では2.5Vから1.4Vの範囲とされる。
【0026】
インクカートリッジ32が未装着であるような場合、サーミスタ31は接地がとられていない状態となるため、本体側基板のA/Dポートには定電圧(例えば3.3V)の電源11からの電流がそのまま流される(図中の矢印12)。すなわち、この3.3Vの電圧入力を得ることにより、インクカートリッジ未装着という事象の発生を検知することができる構成となっている。
【0027】
図3は、これらディジタルの通知情報を出力する検知装置の詳細を表す図である。図3において各インクカートリッジ32の1〜32のnは、印刷に用いられる種類の各インクを蓄えたタンクを有し、サーミスタ31とその接地線を、各々のカートリッジ内部の配線を介して直列に繋いでいる。さらに、カバーオープン検知装置37も、この接地線上に設けられてある。そして、オペレータによってプリンタのカバーが開けられると、内部のスイッチによって接地線が非導通とされるようになっている。すなわち、カバーオープンという事象の発生を検出して、それを通知する仕組みとなっている。
【0028】
信号線21には、プリントヘッド駆動用スイッチング素子35の1〜35のn内部に存在する過熱検知装置36の1〜36のnも接続されている。この過熱検知装置は温度検出用のダイオードや、そのダイオードの出力電圧値と設定電圧値を比較するコンパレータ回路等により構成されるものであり、各プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に作り込まれているものである。各過熱検知装置は、プリントヘッド駆動用スイッチング素子のジャンクション温度である100℃前後で、出力が有効範囲帯域の電圧からLowに切り替わるようになっている。すなわち、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、電圧値が急に変化するものである。ここではLow電圧として0.5Vが出力されるものとして、以下に説明する。
【0029】
図4は、温度検出装置であるサーミスタ31や、インクカートリッジ未装着検知装置として働く内部導通線(図において点線で表される)、プリンタカバーが開いている場合において前記接地線を非導通とさせるカバー開閉検知装置37、及び過熱検知装置36からの各出力情報信号を受けたプリンタの制御部(プリンタ本体側基板の有する機能)が、実際にどのような手順に従って印刷制御を実行するかの手順について、フローチャートの形式で表す図である。
【0030】
まず、ホストコンピュータから印刷命令を受けると、プリンタの制御部はプリンタ本体側基板のA/Dポートの電圧値を確認する(S101,S102)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧である1.4Vから2.5Vの範囲の電圧が検出さる(S103においてYes)。この状態であれば、印刷が正常に実行される(S107)。
【0031】
もし、インクカートリッジの未装着やカバーオープンという事象があれば、サーミスタ31の接地がとれない状態になっているので、プリンタ本体側基板の電源11から、直接A/Dポートに電流が流され、3.3Vという有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)を上回る値が検出される筈である(S103において2.5V以上)。この場合、印刷を一旦停止し(S108)オペレータにカートリッジの装着やカバー閉じの操作を促すための表示を行わせる(S109)。この表示はホストコンピュータのモニター上に行ってもよいし、プリンタの操作ボタンに付随するランプの点滅などの方法によって表すものでもよい。オペレータがこれに従った操作を行ったなら(S110)、A/Dポートの電圧値を確認し、値が有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)帯域にあれば印刷を実行する(S112においてYes,S107)。
【0032】
印刷を進めるにつれ、ヘッドの負荷条件によっては何れかのヘッド駆動用スイッチング素子35が過熱してしまう場合がある。その場合、過熱検知装置36の出力信号がLow(過熱通知情報)に切り替わってA/Dポートで0.5Vという有効範囲(1.4V〜2.5Vの範囲)を下回る値が検出される(S103において1.4V以下)。その場合には印刷停止制御が行われる(S104)。
【0033】
それとともに、ヘッド駆動用スイッチング素子35の過熱が解除された際には、印刷再開制御も行われる。すなわち、2秒後に再度A/Dポートの電圧値を確認する(S105)。その時点で過熱が解除されていれば、過熱検知装置36のディジタル出力信号は有効範囲(1.4Vから2.5Vの範囲)に戻っている。そこで、A/Dポートの電圧値は1.4V以上となって、印刷も再開される(S106においてYes,S107)。
【0034】
上述の説明ように、複数のディジタル信号をもサーミスタ31による温度検出用信号線21に重畳させて通信を行う際には、複数の検知情報信号が同時に出された場合や素子のリーク電流等により、予想外の値が出力されることを防止しなければならない。
【0035】
図5は、上記の事態を防止するために並列接続された過熱検知装置36とインクカートリッジ未装着検知装置32との出力信号の誤出力を防止するためのスイッチを設けた回路構成例を表すものである。この例では、各々ベース側を各検知装置32及び36の出力に接続した2つのトランジスタ38及び39が、各々定電源に接続されている。従って、検知信号が発せられた側の電源が信号線21側に導通する。この際、過熱検知装置36とインクカートリッジ未装着検知装置32との出力信号が同時に発せられて、予想外の電圧値を送信してしまうことを防止するために、片側の配線に抵抗R1を設けて、信号の優先順位を定めている。このR1の抵抗値は、サーミスタ31が50度C以下(適正稼働可能温度帯)の雰囲気中にあるときの抵抗値よりも小さな値のものが採用される。
【0036】
図5の回路を用いた場合の電源ON時のフローチャートを図6に示す。まず電源投入し(S201)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S202)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される(S203においてYES)。この状態にあれば、印刷命令を待機することができる(S212)。
【0037】
もし、インクカートリッジ32の未装着やカバーオープンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vとなり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S203においてV1<1.4V)。この場合、パソコンの表示画像やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し(S206)、ユーザーがカートリッジの装着やカバー閉じの操作を行ったなら(S207)、A/Dポートの電圧値V1を確認し(S208)、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、印刷待機状態に入る(S209においてYES、S212)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にない場合には、操作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S209においてNO、S210、S211)。
【0038】
また、電源投入時に、過熱検知装置36の出力信号がLowの場合は、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である。(S203において2.5V<V1<)。これは、スイッチング素子35がダメージを受けているため、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S204,S205)
図5の回路を用いた場合の印刷中の制御のフローチャートを図7に示す。印刷待機状態から、印刷命令を受信し(S301)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S302)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される(S303においてYES)。この状態にあれば、環境温度に応じた補正を駆動波形に補正し(S317)、印刷を実行する(S318)印刷データがあるか判別し、ある場合(S319においてYES)は再度電圧値を検出し、データがなくなるまで繰り返される。データがない場合には、終了し、印刷待ち状態になる。(S319においてNO)。
【0039】
もし、インクカートリッジ32の浮き上がりやカバーオーブンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vとなり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S303においてV1<1.4V>。この場合印刷を停止し、パソコンの表示画面やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し(S310、S311)、ユーザーがカートリッジの装着やカバー閉じの操作を行ったなら(S312)、A/Dポートの電圧値V1を確認(S313)し、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、印刷を正常に実行する(S314においてYES)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲内にない場合には、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S314においてNO、S315、S316)。
【0040】
過熱検知装置36が動作した場合には、出力信号がLowとなり、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である(S203において2.5V<V1>。一度、印刷を停止し(S305)、2秒後に再度電圧を確認したのち(S306)、1.4V≦V1≦2.5Vであれば、印刷を正常に実行する(S307においてYES)。それでも検出電圧V1が、1.4V≦V1≦2.5Vでない場合には、スイッチング素子35がダメージを受けているため、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S307においてNO、S308,S309)。
【0041】
図5の回路を用いた場合のインクカートリッジ交換時のフローチャートを図8に示す。まずユーザーがインクカートリッジ交換を行い(S401)、プリンタの制御部はプリンタ本体基板側のA/Dポートの電圧値を確認する(S402)。プリンタが通常の良好な状態にあるとき、A/Dポートではサーミスタ31の出力電圧V1が1.4V≦V1≦2.5Vの範囲で検出される。(S403においてYES)。個の状態であれば、インクカートリッジの交換クリーニングを行うことができる。(S412)。
【0042】
もし、インクカートリッジ32の未装着やカバーオーブンという事象があれば、トランジスタ39のベースにVDDが印加され、トランジスタ39がONし、A/Dポートの電圧が0.3Vになり、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を下回る値が検出される筈である(S403においてV1<1.4V)。この場合、パソコンの表示画面やプリンタ本体のLED等でユーザーに表示し、(S406)、ユーザーがカートリッジ再装着やカバー閉じの操作を行ったなら、(S407)、A/Dポートの電圧値V1を確認し(S408)、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲にあれば、インクカートリッジ交換クリーニングに入る(S409においてYES、S412)。再度、1.4V≦V1≦2.5Vの範囲内にない場合には、動作を停止し、ユーザーにエラー表示を行い、終了する(S409においてNO、S410,S411)。
【0043】
また、電源投入時に過熱検知装置36の出力信号がLowの場合は、トランジスタ38がONし、A/Dポートに3.3Vが検出され、有効範囲(1.4V≦V1≦2.5V)を上回る値が検出される筈である(S403において2.5V<V1<)これは、スイッチング35がダメージを受けているため、操作を停止し、ユーザーにエラー表示を行う(S404,S405)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるインクジェットプリンタのハードウエア構成を表す図。
【図2】サーミスタによって観測されるヘッド雰囲気温度と電圧の関係を表す図。
【図3】ディジタルの通知情報を出力する検知装置の詳細を表す図。
【図4】観測情報及び検知情報に基づき行われる制御手順をフローチャートで表す図。
【図5】検知情報信号を選択的に出力するためのスイッチを設けた回路構成例を表す図。
【図6】電源ON時の制御手順をフローチャートで表す図。
【図7】印刷中の制御をフローチャートで表す図。
【図8】インクカートリッジ交換時の制御をフローチャートで表す図。
【符号の説明】
1 本体側基板、 2 フレキシブルフラットケーブル、 21 信号線、
3 プリントヘッド側機器、 31 サーミスタ、
32 インクカートリッジ、 35 ヘッド駆動用スイッチング素子、
36 過熱検知装置、 37 カバーオープン検知装置
Claims (8)
- プリントヘッド側機器の状態を表す情報のうち、
時系列に変化する状態の観測情報と、
印刷実行の障害となる事象の発生を知らせる通知情報とを、
単一の信号線を介してプリントヘッド側からプリンタ本体側に送信し、前記各情報に基づきプリンタを制御する方法において、
前記観測情報は、所定の有効範囲帯域を有するアナログの値として表現されるものであり、
前記通知情報は、前記事象の発生に際しては、前記所定の有効範囲帯域外の値を採るものであることを特徴とするプリンタ制御方法。 - 前記通知情報には、印刷実行の障害となる複数の事象に、各々対応する複数の通知情報が含まれるものである請求項1記載のプリンタ制御方法において、
前記各通知情報のうちの一の通知情報が、前記事象の発生に際しては、前記所定の有効範囲帯域を上回る値を採るものであるとき、
前記各通知情報のうちの他の通知情報は、前記事象の発生に際しては、前記所定の有効範囲帯域を下回る値を採るものであることを特徴とするプリンタ制御方法。 - 前記観測情報は、プリントヘッドの雰囲気温度に関する情報であり、
前記各通知情報のうちの一の通知情報には、プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際に、該事象を通知するための過熱通知情報が含まれ、
前記各通知情報のうちの他の通知情報には、インクカードリッジの不存在を通知するための情報、及び、又は、プリンタカバーが開いている際に、該事象を通知するための情報が含まれ、
前記各通知情報の何れかに基づき、印刷停止制御を行うものであることを特徴とする請求項2記載のプリンタ制御方法。 - 前記通知情報には、前記プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知されなくなった際に、該事象を通知するための過熱解除通知情報が含まれるものである請求項3記載のプリンタ制御方法において、
前記過熱通知情報に基づき印刷停止制御を行った際には、前記過熱解除通知情報に基づき印刷再開制御をも行うものであることを特徴とするプリンタ制御方法。 - 前記有効範囲帯域は、
プリントヘッドの雰囲気温度が、プリンタの適正稼働可能温度帯にあるときに観測される値の範囲であることを特徴とする請求項3、又は、請求項4記載のプリンタ制御方法。 - プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置と、
プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる電圧値を出力する過熱検知装置と、
前記温度検出装置の接地線に介在し、インクカートリッジ未装着時において該接地線を非導通とさせる、インクカートリッジ未装着検知装置、及び、又は、プリンタカバーが開いている場合において前記接地線を非導通とさせるカバー開閉検知装置とを備え、
前記各装置からの出力信号を、単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、
前記電圧値は、前記アナログの電圧値と異なる値を採るよう構成されて成ることを特徴とするプリンタ。 - プリントヘッド駆動用スイッチング素子内に配され、該プリントヘッド駆動用スイッチング素子の過熱が検知された際と過熱が検知されていない際とで、異なる電圧値を出力する過熱検知装置の出力信号線と、
インクカートリッジ未装着時において装置の出力信号線を非導通とさせる、インクカートリッジ未装着検知装置の出力信号線とを、並列接続して共通出力信号線とし、
プリントヘッドを搭載するヘッドユニットに配され、プリントヘッドの雰囲気温度に応じたアナログの電圧値を出力する温度検出装置の出力信号線と、前記共通出力信号線とを、さらに共用して単一の信号線とし、
前記各装置からの出力信号を、前記単一の信号線を介してプリンタ本体基板に送信し、当該信号の電圧値に基づいて印刷制御を行うプリンタにおいて、
前記並列接続された過熱検知装置とインクカートリッジ未装着検知装置との出力信号を選択的に出力するためのスイッチ回路を設けたことを特徴とするプリンタ。 - 前記異なる電圧値は、異なる2値の電圧値であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のプリンタ。
Priority Applications (1)
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JP2003103420A JP2004306435A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | プリンタ及びその制御方法 |
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JP2003103420A JP2004306435A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | プリンタ及びその制御方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006251723A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 後処理装置及び画像形成装置 |
JP2009258464A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置およびオーバーヒート時の動作制御方法 |
JP2010228420A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Brother Ind Ltd | 駆動制御装置 |
-
2003
- 2003-04-07 JP JP2003103420A patent/JP2004306435A/ja active Pending
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