JP2004306334A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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和彦 沖藤
Shuichi Murakami
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】インクジェットプリンタにおけるその配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴が配列方向中央側に偏倚し、べたプリントを形成した場合に白筋が発生してしまう。
【解決手段】第1の方向に沿って配列する複数の吐出口25e,25cと、これら吐出口25e,25cから液体を吐出させるための複数の電気熱変換体33と、吐出口25e,25cにそれぞれインク路30e,30cを介して連通し、吐出口25e,25cから吐出されるインクが供給される共通インク室29とを有し、プリント媒体に対して相対移動する液体吐出ヘッドであって、共通インク室29からその配列方向両端部に位置して端部吐出口群を構成する個々の吐出口25eに至るインクの流れ抵抗を、共通インク室29からその配列方向中央部に位置して中央吐出口群を構成する個々の吐出口25cに至るインクの流れ抵抗よりも大きく設定した。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を吐出するための吐出口を有する液体吐出ヘッドに関する。
【0002】
なお、本明細書において「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、または媒体の加工を行う場合をも包含する。また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、布,プラスチックフィルム,金属板,ガラス,セラミックス,木材,皮革などのインクを受容可能な物をも含むものである。さらに、「インク」(「液体」と記述する場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、プリント媒体に付与されることによって、画像,模様,パターンなどの形成またはプリント媒体の加工あるいはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化など)に供され得る液体を含み、従ってプリントに関して用いることが可能なあらゆる液体を包含している。
【0003】
【従来の技術】
近年、インターネットやでデジタルカメラの普及などにより、高階調のカラー印刷に対する需要も高まってきており、これに伴ってインクジェットプリンタの高性能化も進められつつある。高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得る手段として、
▲1▼ インクを吐出するための吐出口の配列間隔を狭め、解像度の向上を図る。
▲2▼ 特定の色インクに対し、これに含まれる色剤の割合、つまり色剤の濃度が異なる複数(最低2つ)の色インクをそれぞれ吐出する複数のプリントヘッドを用意し、必要に応じて濃インクと淡インクとを選択的に重ね打ちすることにより階調性の向上を図る。
▲3▼ 吐出口から吐出されるインク滴の大きさ、すなわちインク量を可変にすることにより階調性の向上を図る。
などの方法が知られている。
【0004】
プリントヘッドの吐出口からインクを吐出させるための吐出エネルギーとして熱エネルギーを用い、インク中に気泡を発生させてその際の発泡圧力を利用する、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式のプリンタにおいては、上述した▲3▼の方法が比較的困難であるので、▲1▼や▲2▼の方法が特に有効であると考えられる。
【0005】
しかしながら、▲2▼の方法を実現しようとすると、特定の色インクに対して2つ以上のプリントヘッドが必要となり、コスト高になってしまう。従って、バブルジェット(登録商標)方式のプリンタにおいては、▲1▼のように吐出口の配列間隔を狭め、各吐出口から吐出される個々のインク滴の大きさを小さく(例えば10ピコリットル以下)して解像度の向上を図る手法が、製造コストの上昇をほとんど伴わないことから最も望ましい簡便な方法と言えよう。
【0006】
このような小さなインク滴を吐出口から吐出させる場合、インクの加熱に伴って膜沸騰により成長する気泡を吐出口を介して大気に連通させる方式のものが、例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3などに開示され、膜沸騰により成長する気泡を大気に連通させずにインク滴を吐出する旧来のバブルジェット(登録商標)方式のものと区別するため、いわゆるバブルスルー方式と呼称される場合がある。
【0007】
膜沸騰により成長する気泡を大気に連通させずにインク滴を吐出する旧来のバブルジェット(登録商標)方式によるプリントヘッドにおいては、吐出口から吐出されるインク滴の大きさを小さくするに連れて吐出口に連通するインク流路の通路断面積を小さくしなければならず、吐出効率が低下して吐出口から吐出されるインク滴の噴射速度が低下してしまう不具合が生ずる。インク滴の噴射速度が低下すると、その吐出方向が不安定になる上、プリントヘッドの休止時に水分の蒸発に伴ってインクの増粘化が起こり、吐出状態がさらに不安定となって初期吐出不良などが発生し、信頼性の低下を来す可能性がある。
【0008】
この点、気泡が大気に連通するバブルスルー方式のプリントヘッドは、インク滴の大きさを吐出口の幾何学的形状のみで決定できるため、小インク滴を吐出するのに適しており、温度などの影響を受けにくく、インク滴の吐出量が旧来のバブルジェット(登録商標)方式のプリントヘッドと比較して非常に安定しているという利点があるため、高精細かつ高階調の高品位プリント画像を比較的容易に得ることが可能である。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−10940号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平4−10941号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平4−10742号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得るには、1つの吐出口から極めて少量のインク滴を吐出させてプリントを行うことが好ましい。この場合、プリント速度の高速化のためには吐出口からインク滴を短周期で吐出させる必要がある。しかも、プリントヘッドを搭載するキャリッジをプリント媒体に対してプリントヘッドの駆動周波数に同期して高速で走査移動させなければならない。このような観点から、インクジェットプリンタにおいては特にバブルスルー方式のものが適していると言える。
【0013】
このようなインクジェット方式のプリントヘッドをキャリッジと共にプリント媒体に沿って高速で走査移動させつつすべての吐出口からインク滴を連続的に吐出させ、いわゆるべたプリントをプリント媒体に対して行う場合、この時のインク滴の吐出状態を図10に示す。プリントヘッド1の走査移動方向は、この図10の紙面に対して垂直な方向であり、図示しない吐出口は図の左右方向に配列した状態となっている。画像データがべたの場合には、各吐出口に対応するすべての吐出エネルギー発生部(図示せず)が高い駆動周波数で駆動される。このため、吐出口からプリント媒体2に向けて吐出するインク滴3の運動に伴い、その周囲に介在する粘性を持った空気もインク滴3の運動に引きずられて移動する。この結果、プリントヘッド1の吐出口が開口する吐出口面4近傍がプリントヘッド1の周囲よりも減圧傾向となり、特に吐出口の配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴3がその配列方向中央側に引き寄せられ、プリント媒体2に対して所期の位置に吐出されなくなることが判明した。
【0014】
しかも、吐出口の配列方向両端部に位置する吐出口から吐出されたインク滴がプリント媒体に到達するまでの時間と、このインク滴のプリント媒体に対する位置ずれの大きさとの関係を表す図11から明らかなように、インク滴3の吐出方向が上述した気流の影響によってずれる現象は、この気流の影響を受ける時間にほぼ比例して顕著となる特性も有する。
【0015】
このような現象の下で、べたプリントを複数回のキャリッジの走査移動によって行った場合、この時のプリント媒体に形成されるべたプリントの画像を図12に模式的に示す。キャリッジはプリントヘッドと共に図中、上方から下方に走査移動するが、この際に前回の走査移動によって形成されたべた画像5と次の走査移動によって形成されたべた画像6との間に白筋7が形成されてしまうことが理解されよう。
【0016】
このような不具合は、吐出口の配列間隔を狭く設定し、1回の駆動操作によって10ピコリットル以下の少量のインク滴を高周期で吐出するインクジェットプリンタにおいて特に顕著に現れる。
【0017】
かかる不具合を防止するため、インク滴の慣性質量を増大させることによって、この配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴の吐出軌跡の偏倚を抑制することも可能である。しかしながら、インク滴を大きくすることは、高精細かつ高階調の画像を形成する上での障害になる。さらに、プリント媒体に対するインク滴の浸透が遅れる上、プリント媒体の膨潤に伴ってプリント画像の劣化を招来する可能性が高い。あるいは、吐出エネルギー発生部に対する駆動周波数を低く抑えることによって上述した不具合を緩和することも可能である。しかしながら、吐出エネルギー発生部に対する駆動周波数を低く設定した場合にはプリント速度が遅くなってしまい、高速でプリントアウトするというユーザのニーズに応えることができなくなってしまう。
【0018】
【発明の目的】
本発明の目的は、プリント媒体の搬送方向に対して交差する方向に走査しつつ高周期でインク滴を吐出し得るインクジェットプリンタであっても、その配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴の偏倚を抑制し、べたプリントを形成した場合でも白筋が発生しないように配慮した液体吐出ヘッドを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明による液体吐出ヘッドは、第1の方向に沿って配列する複数の吐出口と、これら吐出口から液体を吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部と、前記吐出口にそれぞれ液路を介して連通し、前記吐出口から吐出される液体が供給される共通液室とを有し、プリント媒体に対して相対移動する液体吐出ヘッドであって、前記共通液室からその配列方向両端部に位置して端部吐出口群を構成する個々の前記吐出口に至る液体の流れ抵抗は、前記共通液室からその配列方向中央部に位置して中央吐出口群を構成する個々の前記吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明においては、共通液室から端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗を、共通液室から中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも大きく設定したことにより、端部吐出口群を構成する吐出口では、これらの吐出口から液滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央部吐出口群におけるそれよりも抑制されることとなる。このため、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められ、液滴がプリント媒体に到達するまでの時間が短縮される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による液体吐出ヘッドにおいて、端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗値を、中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗値の1.8倍以上に設定することが好ましい。上記のように構成することにより、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められ、最終的にプリント媒体に到達する液滴の位置を所期の位置に修正することができ、べたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【0022】
端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路断面積を、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路断面積よりも小さく設定することができる。この場合、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路断面積を、端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路断面積の1.8倍以上に設定することが好ましい。上記のように構成することにより、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められる。より具体的には、端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路幅寸法を、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路幅寸法よりも小さく設定することができる。あるいは、端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路高さ寸法を、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路の最小通路高さ寸法よりも小さく設定することができる。何れの場合も、本発明による効果をより確実に得ることができる。
【0023】
第1の方向に沿って個々の液路に近接状態で共通液室にそれぞれ配される複数の突起部を有し、端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路に臨む突起部の大きさを、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路に臨む突起部の大きさよりも大きく設定するようにしてもよい。あるいは、第1の方向に沿って個々の液路に近接状態で共通液室にそれぞれ配される複数の突起部を有し、端部吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路に臨む突起部の第1の方向に沿った間隔を、中央吐出口群を構成する吐出口にそれぞれ連通する液路に臨む突起部の第1の方向に沿った間隔よりも狭く設定するようにしてもよい。
【0024】
第1の方向がプリント媒体の搬送方向であり、第1の方向と交差する第2の方向に沿って液体吐出ヘッドが走査移動するものであってよい。
【0025】
複数の吐出エネルギー発生部が、複数の吐出口にそれぞれ対向して配置されているものであってよい。
【0026】
吐出エネルギー発生部は、液体に膜沸騰を生じさせて吐出口から液体を吐出させるための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有するものであってよい。
【0027】
端部吐出口群を構成する吐出口の数が液体吐出ヘッドに形成された全ての吐出口の総数の1/4以下であることが好ましい。これにより、本発明による効果をさらに確実に得ることができる。
【0028】
一方、第1の方向に沿って配列する複数の吐出口と、これら吐出口から液体を吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部と、吐出口にそれぞれ液路を介して連通し、吐出口から吐出される液体が供給される共通液室とを有し、プリント媒体に対して相対移動させつつ吐出口から液体を吐出させる液体吐出方法であって、共通液室からその配列方向両端部に位置して端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗を、共通液室からその配列方向中央部に位置して中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも小さく設定したことを特徴とする液体吐出方法も本発明の他の形態となり得るものである。
【0029】
この液体吐出方法によると、共通液室から端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗を、共通液室から中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも大きく設定したので、各吐出口から液滴を吐出させる際に、これらの吐出エネルギー発生部で発生する圧力が同等であっても、端部吐出口群を構成する吐出口では、これらの吐出口から液滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央部吐出口群におけるそれよりも抑制されることとなる。このため、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められ、液滴がプリント媒体に到達するまでの時間を短縮させることができる。この結果、端部吐出口群を構成する個々の吐出口から吐出される液滴は、各吐出口からの液体の連続的な吐出に伴って発生する気流の影響を受けにくくなり、べたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【0030】
この液体吐出方法において、端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗値を、中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗値の1.8倍以上に設定することが好ましい。上記のように構成することにより、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められ、最終的にプリント媒体に到達する液滴の位置を所期の位置に修正することができ、べたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【0031】
また、本発明による液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクの取り付け部とを具えたことを特徴とするヘッドカートリッジも本発明の別な形態となり得るものである。
【0032】
さらに、本発明による液体吐出ヘッドの吐出口から吐出される液体によってプリント媒体に画像を形成する画像形成装置であって、液体吐出ヘッドまたは上述したヘッドカートリッジの取り付け部と、プリント媒体の搬送手段とを具えたことを特徴とする画像形成装置も本発明のさらに別な形態となり得るものである。
【0033】
この画像形成装置における取り付け部は、プリント媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジを有するものであってよく、液体吐出ヘッドは、着脱手段を介してキャリッジに対して着脱自在に搭載されるものであってよい。この場合、キャリッジの走査移動速度が10から100cm/secの範囲にあることが好ましい。キャリッジの走査移動速度を10cm/sec以上に設定することにより、キャリッジの走査移動に伴う気流の影響がより大きく現れるため、本発明の効果をより顕著に得ることができる。また、キャリッジの走査移動速度を100cm/sec以下に設定することにより、キャリッジの走査移動に伴う気流の影響を相対的に受けにくくなり、端部吐出口群の数が比較的少なくても本発明の効果を充分に得ることができる。
【0034】
個々の吐出口から1回に吐出される液滴の量がそれぞれ0.2から10ピコリ ットルの範囲にあることが好ましい。液滴の量が0.2ピコリットル未満の場合 、液滴体積が小さいために液滴が気流によって配列方向中央側に偏倚し易くなり、端部吐出口群の数を充分多くする必要が生ずるためである。液滴の量が10ピコリットルを越えると、液滴の体積が大きくなって気流による影響を受けにくくなり、本発明の効果を顕著に得ることができなくなる。
【0035】
液体が、インクおよび/またはプリント媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理液であってよい。
【0036】
上述した画像形成装置の構成として、液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を適正にするための回復手段や、予備的な補助手段などを付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対するキャッピング手段や、クリーニング手段,加圧あるいは吸引手段,電気熱変換体やこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、プリント作業とは別に吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
【0037】
この画像形成装置の形態としては、コンピュータなどの情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺染装置の形態を採るものなどであっても良く、プリント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることができる。
【0038】
【実施例】
本発明による液体吐出ヘッドをシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタのヘッドカートリッジに応用した実施例について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この明細書の特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0039】
本実施例におけるインクジェットプリンタの機構部分の外観を図1に示し、そのキャリッジに取り外し可能に搭載されるヘッドカートリッジの外観を図2および図3に示す。すなわち、本実施例におけるインクジェットプリンタのシャシー10は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成され、このインクジェットプリンタの骨格をなす。シャシー10には、図示しないシート状のプリント媒体をインクジェットプリンタの内部へと自動的に給送する媒体給送部11と、この媒体給送部11から1枚ずつ給送されるプリント媒体を所望のプリント位置へ導くと共にこのプリント位置から媒体排出部12へとプリント媒体を導く媒体搬送部13と、プリント位置に搬送されたプリント媒体に所定のプリント動作を行うプリント部と、このプリント部に対する回復処理を行うヘッド回復部14とが組み付けられている。
【0040】
プリント部は、キャリッジ軸15に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ16と、このキャリッジ16にヘッドセットレバー17を介して着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジ18とを具えている。
【0041】
ヘッドカートリッジ18が搭載されるキャリッジ16には、このヘッドカートリッジ18のプリントヘッド19をキャリッジ16上の所定の装着位置に位置決めするためのキャリッジカバー20と、プリントヘッド19のタンクホルダ21と係合してプリントヘッド19を所定の装着位置に位置決めするように押圧する前述のヘッドセットレバー17とが設けられている。本発明の着脱手段としてのヘッドセットレバー17は、キャリッジ16の上部に図示しないヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられ、プリントヘッド19との係合部には、ばね付勢される図示しないヘッドセットプレートが設けられている。このヘッドセットプレートのばね力により、プリントヘッド19を押圧しながらキャリッジ16に装着することができる。
【0042】
プリントヘッド19に対するキャリッジ16の別の係合部には、コンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)22の一端部が連結されている。このコンタクトFPC22の一端部に形成された図示しないコンタクト部と、プリントヘッド19に設けられた外部信号入力端子であるコンタクト部23とが電気的に接触し、プリントのための各種情報の授受やプリントヘッド19への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0043】
コンタクトFPC22のコンタクト部とキャリッジ16との間には、図示しないゴムなどの弾性部材が設けられている。この弾性部材の弾性力とヘッドセットプレートによる押圧力とによって、コンタクトFPC22のコンタクト部とプリントヘッド19のコンタクト部23との確実な接触を可能としている。コンタクトFPC22の他端部は、キャリッジ16の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続されている。
【0044】
本実施例におけるヘッドカートリッジ18は、インクを貯留するインクタンク24と、このインクタンク24から供給されるインクをプリント情報に応じてプリントヘッド19の吐出口25(図4参照)から吐出させる前述のプリントヘッド19とを有する。本実施例のプリントヘッド19は、キャリッジ16に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。
【0045】
本実施例では写真調の高画質のカラープリントを可能とするため、例えば黒色,淡シアン色,淡マゼンタ色,シアン色,マゼンタ色および黄色の各色インクが独立した6個のインクタンク24を使用可能としている。各インクタンク24には、ヘッドカードリッジ18に対して係止し得る弾性変形可能な取り外し用レバー26が設けられている。この取り外し用レバー26を操作することにより、図3に示すように、プリントヘッド19に対してインクタンク24がそれぞれ取り外し可能となっている。従って、取り外し用レバー26は、本発明の着脱手段の一部として機能する。
【0046】
プリントヘッド19は、後述するプリント素子基板27,電気配線基板28,前述のタンクホルダ21などから構成されている。本実施例におけるプリントヘッド19のプリント素子基板27の外観を図4に破断状態で示し、その断面構造を図5に示し、このプリントヘッド19の吐出口25および電気熱変換体の配列状態を図6に破断状態で示す。本実施例におけるプリント素子基板27は、厚さが0.5mm〜1mmのシリコン基板の上に成膜技術を用いて吐出エネルギー発生部,共通インク室29,インク路30,発泡室31,吐出口25などを形成したものである。すなわち、プリント素子基板27には、これを貫通する長孔状のインク供給口32が形成されている。このインク供給口32の両側には、プリント媒体の搬送方向、つまりインク供給口32の長手方向に沿って所定間隔で2列に並ぶ複数(本実施例では片側128個)の電気熱変換体33が相互に半ピッチずらした状態で形成され、それぞれ吐出エネルギー発生部を構成している。プリント素子基板27には、これら電気熱変換体33の他、電気熱変換体33とプリンタ本体側との電気的接続を行うための電極端子34およびアルミニウムなどで形成される図示しない電気配線などが成膜技術によって形成されている。
【0047】
プリント素子基板27に形成された電極端子34に対して連結される電気配線基板28は、プリント素子基板27にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、プリント素子基板27に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、プリンタ本体からの電気信号を受け取るための前述のコンタクト部23とを有しており、このコンタクト部23はタンクホルダ21の背面側に位置決め固定されている。この電気配線基板28を介して図示しない駆動ICから電気熱変換体33に対する駆動信号が与えられ、同時に駆動電力がこの電気熱変換体33に供給される。
【0048】
なお、インクタンク24を着脱可能に保持するタンクホルダ21には、インクタンク24からプリント素子基板27のインク供給口32に亙るインク流路が形成されている。
【0049】
プリント素子基板27上には、インク供給口32に連通する共通インク室29を介して電気熱変換体33とそれぞれ正対する複数の吐出口25を有する上板部材35が形成される。すなわち、この上板部材35とプリント素子基板27との間には、個々の吐出口25と電気熱変換体33との間に介在する発泡室31と、この発泡室31と共通インク室29とを接続するインク路30とが形成され、隣接するインク路30の間には仕切り壁36が形成される。これら共通インク室29,インク路30,発泡室31および仕切り壁36などは、吐出口25と同様にフォトリソグラフィ技術により上板部材35と共に形成される。
【0050】
インク供給口32から各インク路30内に供給されるインクは、対応するインク路30に臨む電気熱変換体33に駆動信号が与えられることにより、電気熱変換体33の発熱に伴って沸騰し、これにより発生する気泡の圧力によって吐出口25から吐出される。この場合、発泡室31内で発生する気泡は、その成長に伴って吐出口25から大気連通状態となる。
【0051】
上述したように、本実施例では128個からなる一方の列の吐出口25、つまり電気熱変換体33の間隔が42.3μm(600dpiに相当)に設定されており、他方の列は、一方の列に対してこれらの吐出口25の配列間隔の1/2だけ、その配列方向に沿ってずらして配置されており、従って2列合わせた合計256個の吐出口25の配列密度は1200dpiとなる。個々の吐出口25はすべて同一寸法形状を有し、それぞれ直径が11μmに設定されている。また、電気熱変換体33もすべて同一寸法を有し、短辺が12.5μmで長辺が25μmのものを各発泡室31毎に2つずつ近接状態で並列に配置し、ほぼ正方形となるように組み合わされている。
【0052】
本実施例では、各列の吐出口25の配列方向両端から数えてそれぞれ16個目までの吐出口25eが端部吐出口群を構成し、それ以外の配列方向中央側に位置する合計192個の吐出口25cが中央吐出口群を構成している。そして、共通インク室29から端部吐出口群を構成する個々の吐出口25eに至るインクの流れ抵抗が、共通インク室29から中央吐出口群を構成する個々の吐出口25cに至るインクの流れ抵抗よりも大きくなるように、端部吐出口群の吐出口25eにそれぞれ連通するインク路30eの幅寸法Wを、中央吐出口群の吐出口25cにそれぞれ連通するインク路30cの幅寸法Wよりも狭く設定している。より具体的には、図6に示すように、中央吐出口群の吐出口25cに連通するインク路30cの幅寸法Wをそれぞれ32μmに設定し、端部吐出口群の吐出口25eに連通するインク路30eの幅寸法Wをそれぞれ12μmに設定している。
【0053】
このように、端部吐出口群を構成する個々の吐出口25eに連通するインク路30e内のインクの流れ抵抗を、中央吐出口群を構成する個々の吐出口25cに連通するインク路30cのそれよりも大きくしたことにより、吐出エネルギー発生部である電気熱変換体33に対する通電に伴って発泡室31e,31c内で発生する圧力がすべての発泡室31e,31cで同じであっても、端部吐出口群の吐出口25eに連通する発泡室31eでは、これらの吐出口25eからインク滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央吐出口群の吐出口25cに連通する発泡室31cよりも抑制されることとなる。この結果、端部吐出口群を構成する吐出口25eから吐出されるインク滴の飛翔速度が、中央吐出口群を構成する吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度よりも約30%上昇し、例えば中央吐出口群の吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度が15m/sとなるように、その電気熱変換体33に対する駆動パルスを設定した場合、端部吐出口群の吐出口e25から吐出されるインク滴の飛翔速度を20m/sにすることができる。
【0054】
このようなインクジェット方式のプリントヘッド19をキャリッジと共にプリント媒体に沿って高速で走査移動させつつすべての吐出口25からインク滴を連続的に吐出させ、いわゆるべたプリントをプリント媒体に対して行った場合、すべての電気熱変換体33に対する駆動パルスの波形を等しく設定した従来のプリントヘッドでは、図12に示すような白筋の間隔が40μm程度発生するが、これに対し、本実施例ではそれらの配列方向両端部にそれぞれ位置する合計64個の吐出口25eから吐出されるインク滴の飛翔速度が中央側の吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度よりも高速化されているため、これらの直進性が向上して上述のような白筋の間隔が19μmとなり、これを全く目立たなくすることができる。
【0055】
上述した実施例では、インク路30e,30cの幅寸法W,Wを変えることによって、共通インク室29から端部吐出口群を構成する吐出口25eに至るインクの流れ抵抗を、共通インク室29から中央吐出口群を構成する吐出口25cに至るインクの流れ抵抗よりも大きく設定したが、インク路30の高さ寸法を変えることによっても上述した実施例と同様な効果を得ることができる。
【0056】
このような本発明による液体吐出ヘッドを上述したシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタのヘッドカートリッジに応用した他の実施例について、図5中の矢視VII部を抽出拡大した図7を参照して以下に説明するが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例では端部吐出口群を構成する吐出口25eに続くインク路30eの高さ寸法Hを中央吐出口群を構成する吐出口25c(図6参照)に続くインク路30c(図6参照)の高さ寸法Hよりも小さく(好ましくはインク路30eの高さ寸法Hの1/2以下)設定し、端部吐出口群を構成する個々の吐出口25eに連通するインク路30e内のインクの流れ抵抗を、中央吐出口群を構成する個々の吐出口25cに連通するインク路30cのそれよりも大きくしている。
【0057】
本実施例においても、先の実施例と同様に、吐出エネルギー発生部である電気熱変換体33に対する通電に伴って発泡室31e,31c(図6参照)内で発生する圧力がすべての発泡室31e,31cで同じであっても、端部吐出口群を構成する吐出口25eに連通する発泡室31eでは、吐出口25eからインク滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央吐出口群を構成する吐出口25cに連通する発泡室31cよりも抑制されることとなる。このため、端部吐出口群を構成する吐出口25eから吐出されるインク滴の飛翔速度を、中央吐出口群を構成する吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度よりも上昇させることができ、先の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0058】
上述した2つの実施例では、インク路30e,30cの通路断面積を変えることによって、共通インク室29から端部吐出口群を構成する吐出口25eに至るインクの流れ抵抗を、共通インク室29から中央吐出口群を構成する吐出口25cに至るインクの流れ抵抗よりも大きく設定したが、各インク路30にそれぞれ近接する突起部を共通インク室29に設け、これらの突起部によってインクの流れ抵抗値を調整することも可能である。
【0059】
このような本発明による液体吐出ヘッドを上述したシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタのヘッドカートリッジに応用した別の実施例における吐出口25e,25cおよび電気熱変換体33の配列形態を図8に示す。本実施例において、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例では個々のインク路30e,30cに近接するそれぞれ複数(図示例では2つ)の突起部37e,37cが共通インク室29に臨むように上板部材35と一体に形成され、これら突起部37e,37cの高さ寸法は、仕切り壁36の高さ寸法と同一であり、塵埃などの異物がインク供給口32側からインク路30e,30c側に流れ込むのを阻止するためのストレーナとしても機能するようになっている。
【0060】
端部吐出口群を構成する吐出口25eに接続する幅寸法32μmのインク路30eと対向する一対の突起部37eは、それぞれ15μmの直径を有すると共に6μmの隙間を隔てて相互に平行に、また、インク路30eのインク供給口側の端部から13μm離れた位置に配されている。また、中央吐出口群を構成する吐出口25cに接続する幅寸法32μmのインク路30cと対向する一対の突起部37cは、それぞれ10μmの直径を有すると共に11μmの間隔を隔てて相互に平行に、また、インク路30eのインク供給口側の端部から、インク供給口側に13μm離れた位置に配されている。従って、 吐出口25e,25cからのインク滴の吐出に伴い、共通インク室29からインク路30e,30cへとインクが流動する際に突起部37e,37cが抵抗となるが、端部吐出口群の吐出口25eに連通するインク路30eへのインクの流れ抵抗が、中央吐出口群の吐出口25cに連通するインク路30cへのそれよりも大きくなっているため、吐出エネルギー発生部である電気熱変換体33に対する通電に伴って発泡室31e,31c内で発生する圧力がすべての発泡室31e,31cで同じであっても、端部吐出口群を構成する吐出口25eに連通する発泡室31eでは、吐出口25eからインク滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央吐出口群を構成する吐出口25cに連通する発泡室31cよりも抑制されることとなる。この結果、端部吐出口群を構成する吐出口25eから吐出されるインク滴の飛翔速度が、中央吐出口群を構成する吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度よりも上昇する。例えば、中央吐出口群を構成する吐出口25cから吐出されるインク滴の飛翔速度が15m/sとなるように、その電気熱変換体33に対する駆動パルスを設定した場合、端部吐出口群を構成する吐出口25eから吐出されるインク滴の飛翔速度を20m/sにすることができ、端部吐出口群を構成する吐出口25eから吐出されるインク滴の直進性が向上し、べたプリントを行った場合の白筋の間隔が19μmとなり、これを全く目立たなくすることができた。また、本実施例では、中央吐出口群を構成する吐出口25cに接続するインク路30cに対応する位置にも、突起部37cを設ける構成としたが、中央吐出口群は、突起部37cを設けない構成であっても良い。
【0061】
図8に示した実施例では、突起部37e,37cの径を変えることによって、端部吐出口群の吐出口25eに連通するインク路30eへのインクの流れ抵抗を、中央吐出口群の吐出口25cに連通するインク路30cへのそれよりも大きくなるようにしたが、本発明のさらに別な実施例に対応する図9に示すように、突起部37e,37cをすべて直径10μmに設定し、端部吐出口群の吐出口25eに連通するインク路30e内のインク供給口側の端部から、吐出口側に4μm内側の位置に、直径10μmの第2の突起部38を設けることでも先の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0062】
本発明は、液体の吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、電気熱変換体やレーザ光など)を具え、この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させるインクジェット方式の液体吐出ヘッドにおいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、プリントの高密度化および高精細化が達成できるからである。
【0063】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書や、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持されているシートや流路に対応して配置される電気熱変換体に、プリント情報に対応した核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することにより熱エネルギーを発生させ、液体吐出ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により、吐出口を介して液体を吐出させ、少なくとも1つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書や、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うことができる。
【0064】
また、液体吐出ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口と液路と電気熱変換体との組合せ構成(電気熱変換体が液路に沿って配置された直線状液流路または電気熱変換体が液路を挟んで吐出口と正対する直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書や、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示した特開昭59−138461号公報に基いた構成としても、本発明の効果は有効である。すなわち、液体吐出ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればプリントを確実に効率良く行うことができるようになるからである。
【0065】
画像形成装置がプリントできるプリント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。このような液体吐出ヘッドとしては、複数の液体吐出ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の液体吐出ヘッドとしての構成の何れでもよい。
【0066】
さらに、上述した実施例のようなシリアルタイプのものでも、走査移動するキャリッジに対して一体的に固定された液体吐出ヘッド、あるいはキャリッジに対して交換可能に装着されることでキャリッジとの電気的な接続や装置本体からの液体の供給が可能となる交換自在のチップインタイプの液体吐出ヘッド、あるいは液体吐出ヘッド自体に一体的に液体を貯えるタンクが設けられたヘッドカートリッジを用いた場合にも、本発明は有効である。
【0067】
また、搭載される液体吐出ヘッドの種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度(明度)を異にする複数種のインクに対応して複数個設けられるものであってもよい。すなわち、例えば画像形成装置のプリントモードとしては黒色などの主流色のみのプリントモードだけではなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成するか、複数個の組み合わせによるか何れでもよいが、異なる色の複色カラーまたは混色によるフルカラーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。この場合、プリント媒体の種類やプリントモードに応じてインクのプリント性を調整するための処理液(プリント性向上液)を専用あるいは共通の液体吐出ヘッドからプリント媒体に吐出することも有効である。
【0068】
さらに、以上説明した本発明の実施例においては、室温やそれ以下で固化し、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では液体自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行って液体の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用プリント信号付与時に液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギーによる昇温を、固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用させることで積極的に防止するため、または液体の蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するものを用いてもよい。何れにしても熱エネルギーのプリント信号に応じた付与によって液化し、液体が吐出されるものや、プリント媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のものを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合の液体は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各液体に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0069】
【発明の効果】
本発明の液体吐出ヘッドによると、共通液室から端部吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗を、共通液室から中央吐出口群を構成する個々の吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも大きく設定したので、各吐出口から液滴を吐出させる際に、これらの吐出エネルギー発生部で発生する圧力が同等であっても、端部吐出口群を構成する吐出口では、これらの吐出口から液滴が吐出する方向以外の方向への圧力損失が中央部吐出口群におけるそれよりも抑制されることとなる。このため、端部吐出口群を構成する吐出口から吐出される液滴は、より大きな圧力を受けてその飛翔速度および直進性が中央吐出口群におけるそれよりも高められ、液滴がプリント媒体に到達するまでの時間を短縮させることができる。この結果、端部吐出口群を構成する個々の吐出口から吐出される液滴は、各吐出口からの液体の連続的な吐出に伴って発生する気流の影響を受けにくくなり、べたプリントを行った場合でも白筋が発生しない高精細かつ高階調の高品位プリント画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出ヘッドの一実施例としてのヘッドカートリッジが搭載されるインクジェットプリンタの機構部分の概略構造を表す投影図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタに搭載される本実施例におけるヘッドカートリッジの外観を表す投影図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジの外観を逆方向から見た投影図であり、インクタンクを取り外した状態を示している。
【図4】図2に示したヘッドカートリッジに組み込まれたインクジェットヘッドの主要部の外観を抽出拡大した破断投影図である。
【図5】図4に示したインクジェットヘッドの縦断面図である。
【図6】図4に示したインクジェットヘッドにおける吐出口および電気熱変換体の配列状態を表す破断平面図である。
【図7】図5中の矢視VII部の抽出拡大断面図である。
【図8】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに応用した他の実施例における図6と同様な断面図である。
【図9】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに応用した別な実施例における図6と同様な断面図である。
【図10】従来のインクジェットプリンタによるインクの吐出状態を模式的に表す概念図である。
【図11】吐出口の配列方向両端部に位置する吐出口から吐出されたインク滴がプリント媒体に到達するまでの時間と、このインク滴のプリント媒体に対する位置ずれの大きさとの関係を表すグラフである。
【図12】図10に示されたインクの吐出形態によってプリント媒体に形成されるべた画像を模式的に表す概念図である。
【符号の説明】
10 シャシー
11 媒体給送部
12 媒体排出部
13 媒体搬送部
14 ヘッド回復部
15 キャリッジ軸
16 キャリッジ
17 ヘッドセットレバー
18 ヘッドカートリッジ
19 プリントヘッド
20 キャリッジカバー
21 タンクホルダ
22 コンタクトフレキシブルプリントケーブル(コンタクトFPC)
23 コンタクト部
24 インクタンク
25,25c,25e 吐出口
26 取り外し用レバー
27 プリント素子基板
28 電気配線基板
29 共通インク室
30,30c,30e インク路
31,31c,31e 発泡室
32 インク供給口
33 電気熱変換体
34 電極端子
35 上板部材
36 仕切り壁
37c,37e,38 突起部
,W インク路の幅寸法
,H インク路の高さ寸法

Claims (1)

  1. 第1の方向に沿って配列する複数の吐出口と、これら吐出口から液体を吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部と、前記吐出口にそれぞれ液路を介して連通し、前記吐出口から吐出される液体が供給される共通液室とを有し、プリント媒体に対して相対移動する液体吐出ヘッドであって、
    前記共通液室からその配列方向両端部に位置して端部吐出口群を構成する個々の前記吐出口に至る液体の流れ抵抗は、前記共通液室からその配列方向中央部に位置して中央吐出口群を構成する個々の前記吐出口に至る液体の流れ抵抗よりも大きく設定されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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