JP2004306013A - 土壌浄化方法及び土壌浄化剤 - Google Patents

土壌浄化方法及び土壌浄化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004306013A
JP2004306013A JP2004024559A JP2004024559A JP2004306013A JP 2004306013 A JP2004306013 A JP 2004306013A JP 2004024559 A JP2004024559 A JP 2004024559A JP 2004024559 A JP2004024559 A JP 2004024559A JP 2004306013 A JP2004306013 A JP 2004306013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
ion
purification method
salt
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004024559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4433812B2 (ja
Inventor
Toshihiko Miura
俊彦 三浦
Yuji Sato
祐司 佐藤
Hiroshi Kubo
博 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2004024559A priority Critical patent/JP4433812B2/ja
Publication of JP2004306013A publication Critical patent/JP2004306013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4433812B2 publication Critical patent/JP4433812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】重金属に汚染された粘性土からなる土壌等を、高効率且つ低コストで、例えば土壌汚染対策法に基づく環境基準等の所定の基準を満たすように浄化する方法を提供する。
【解決手段】重金属に汚染された粘性土からなる土壌を掘削し、採掘した土を洗浄することにより土壌を浄化する土壌浄化方法であって、土を洗浄するための水溶液は、無機化合物の塩を溶解させた水溶液を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、重金属に汚染された粘性土からなる土壌等を浄化する土壌浄化方法、及びこのような土壌浄化方法に用いるための土壌浄化剤に関する。
近年、大量の汚染土壌が最終処分場に搬出される事例が急増している。汚染土壌を処分場に搬出することは高コストであるとともに、処分場の残余容量も急減しているために、汚染土壌を洗浄して埋め戻す方法が提案されてきた。
特に、重金属で汚染された土壌に対しては、掘削した土を水による湿式分級によって、粒径が75μm以上の粗粒分と、粒径が75μm以下の細粒分とに分ける分級洗浄処理が施されてきた。ここで、細粒分は処分場に搬出されるが、粗粒分は健全土として埋め戻される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−254063号公報
しかしながら、上記分級洗浄は、例えば粘性土のように細粒分を20%以上含む土には適用が困難であった。粘性土の場合、水のみでは洗浄効率が十分ではない上に、処分のためのコストが高いために、たとえ粗粒分を埋め戻しても採算が取れない恐れがあった。
一方、重金属が付着した粗粒分からなる汚染土を強酸性又は強塩基性の溶液にて洗浄する方法が検討されている。もし、この方法を粘性土の洗浄に用いるとすれば、土壌として水と共存している場合には溶出し得ない重金属までが溶出する恐れがある。土壌に対する強酸又は強塩基の作用は、例えば土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号)に基づき環境大臣が定める測定方法に従って採取土を処理する作用よりも強い場合がある。よって、強酸又は強塩基処理が施された粘性土は、例えば土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)に基づく環境基準を満たさず埋め戻しもできない恐れがある。また、このような処理が施された粘性土は、環境基準に限らず、土壌の用途等に特化した基準も満たさなくなる恐れがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、重金属に汚染された粘性土からなる土壌等を、高効率且つ低コストで、例えば土壌汚染対策法に基づく環境基準等の所定の基準を満たすように浄化する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、重金属に汚染された土壌を水溶液で洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化方法であって、土壌又は水溶液に無機化合物の塩を供給することを特徴とする。ここで、重金属で汚染された土壌とは、六価クロム(Cr6+)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)、等の重金属のうち、少なくとも一種以上からなる汚染物質によって汚染された土壌をいい、砂、礫質土等からなる土壌であってもよいが、好ましくは粘性土からなる土壌である。また、掘削していない土壌に無機化合物の塩を供給してもよく、掘削した土壌に無機塩を供給してもよい。
また、本発明は、重金属に汚染された粘性土からなる土壌を掘削し、掘削した土を洗浄することにより土壌を浄化する土壌浄化方法であって、土を洗浄するための水溶液は、無機化合物の塩を溶解させた水溶液であることを特徴とする。ここで、無機化合物の塩を溶解させた水溶液は、掘削する前の土壌に直接添加してもよい。また、掘削する前の土譲に無機化合物の塩を添加してから土壌を掘削し、この土に水を加えて攪拌及び溶解させてもよく、あるいは、掘削した後の土に無機化合物の塩を添加し、これに水を加えて攪拌及び溶解してもよい。なお、この際、無機化合物の塩と水を加える順序は、その前後を問わず、同時であってもよい。また、上記方法を複数選択してもよい。
さらに、本発明は、水溶液を土に添加し、無機化合物の塩を構成する陽イオン又は陰イオンと重金属をイオン交換させることにより土を洗浄することを特徴としてもよい。ここで、イオン交換とは、水溶液中で解離した無機化合物の塩を構成する陽イオン又は陰イオンが、荷電性の粒子状土壌の表面に付着していた陽イオン性又は陰イオン性の重金属(イオン)と置換されて粒子状土壌の表面に付着し、それに伴い、重金属(イオン)が粒子状土壌の表面から離脱し水溶液中に溶出する現象をいう。
また、本発明における無機化合物の塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4+)のうちのいずれか一種以上を陽イオンとしてなることを特徴としてもよく、また、硫酸イオン(SO 2−)、硝酸イオン(NO )、塩素イオン(Cl)、酢酸イオン(CHCOO)、リン酸イオン(PO 3−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、リン酸二水素イオン(HPO )、炭酸イオン(CO 2−)、炭酸水素イオン(HCO )のうちのいずれか一種以上を陰イオンとしてなり、好ましくは、硫酸イオン(SO 2−)、リン酸イオン(PO 3−)、炭酸イオン(CO 2−)うちのいずれか一種以上を陰イオンとしてなることを特徴としてもよい。
上記無機化合物の塩のうち、水溶液に溶解して中性を呈する塩としては、例えば、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カリウム(KSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、硝酸ナトリウム(NaNO)、硝酸カリウム(KNO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、リン酸カリウム(KPO)、等がある。
さらに、上記無機化合物の塩のうち、水溶液に溶解して弱酸性を呈する塩としては、例えば、硫酸アンモニウム((NHSO)、塩化アルミニウム(AlCl)、硫酸アルミニウム(Al(SO)、硝酸アルミニウム(Al(NO)、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、等がある。
さらに、上記無機化合物の塩のうち、水溶液に溶解して弱塩基性を呈する塩としては、例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、リン酸一水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸一水素カリウム(KHPO)、酢酸ナトリウム(CHCOONa)、酢酸カリウム(CHCOOK)、等がある。
また、本発明における重金属は、六価クロムであること特徴としてもよい。
さらに、本発明は、上記土壌浄化方法に用いるための土壌浄化剤であってもよい。
本発明における土壌浄化方法及び土壌浄化剤によれば、重金属に汚染された粘性土からなる土壌等を、高効率且つ低コストで、例えば土壌汚染対策法に基づく環境基準等の所定の基準を満たすように浄化できる。また、浄化土及び土壌浄化剤ともに再利用可能である。
以下、本発明における土壌浄化方法の一実施形態について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態では、重金属に汚染された粘性土からなる土壌を掘削し、掘削した土を洗浄することにより土壌を浄化する土壌浄化方法であって、土を洗浄するための水溶液は、無機化合物の塩を溶解させた水溶液を用いる。
図1は、本発明の一実施形態における土壌浄化方法の工程を示すフローチャートであって、まず、六価クロム汚染された土壌をおよそ20m掘削し、後述する六価クロムの水に対する初期溶出量を測定するために、掘削した土の一部を採取する(S100)。
次に、掘削した土に洗浄剤を添加し、例えばミキサ等で攪拌し泥水とする。ミキサ等による攪拌は例えばバッチ式で行い、泥水は例えばアンダータンクに溜める。本実施形態においては、この洗浄剤が、土壌を掘削した土を洗浄するための水溶液に相当する。
なお、本発明は、本実施形態に限られるものではなく、無機化合物の塩、汚染土壌、重金属等の性質及び量等によっては、別途、酸又はアルカリを加えることで、添加前の洗浄剤の水素イオン指数(pH)を調整してもよく、また、洗浄剤を添加した後の泥水の水素イオン指数(pH)を調整してもよい。ここで、水素イオン指数(pH)は、およそ3.0乃至11.0であり、好ましくは、およそ4.0乃至7.0又はおよそ7.0乃至10.0である。
このように、水素イオン指数(pH)を中性、弱酸性、又は弱塩基性となるように調整して汚染土壌を洗浄することにより、例えば、土壌として水と共存している場合には溶出し得ない重金属イオンの溶出を抑制することができる。また、このような中性、弱酸性、又は弱塩基性の水溶液にて洗浄された土は、特に中和等の処理をせずに土壌に埋め戻すことができる。
その後、アンダータンク内に溜めた泥水を、所定の液固比になるように上記洗浄剤を添加し、例えば水中ミキサで攪拌する(S102)。攪拌された泥水に、シリカフュームや高分子物質からなる適宜な凝集剤を添加して凝集させ、沈降濃縮した泥水(スラッジ)とする(S104)。これにより泥水の脱水速度が向上する。このときの上水から適宜な重金属除去装置によって六価クロムを含む重金属を除去し、当該上水をステップS102における洗浄剤として回収する。
さらに、スラッジにすすぎ水を加えて水中ミキサで攪拌する(S106)。すすぎ水と攪拌されて再び泥水となった液に、シリカフュームや高分子物質からなる適宜な凝集剤を添加して凝集させ再びスラッジとする(S108)。このときの上水から適宜な重金属除去装置によって六価クロムを含む重金属を除去し、当該上水をステップS106におけるすすぎ水として回収する。
次に、スラッジを例えばフィルタープレスして脱水し固液分離する。この固液分離水の一部を、後述する六価クロムの濃度測定のために採取する(S110)。このときの固液分離水から適宜な重金属除去装置によって六価クロムを含む重金属を除去し、当該固液分離水をステップS106におけるすすぎ水として回収する。
上記脱水により生じた脱水ケーキは、例えばプレコンパックにて密封保管する。この脱水ケーキの一部を、後述する六価クロムの水に対する溶出量測定のために採取する。もし、例えば当該六価クロムの溶出量の測定結果が後述する環境基準値(所定の値)よりも低ければ、この脱水ケーキを浄化土として埋め戻し材に有効利用する(S112)。ステップS112において採取した土から水への六価クロム溶出量が環境基準値よりも高い場合には、ステップS106に戻り土の再すすぎを行う。
なお、本実施形態においては、土壌を汚染する金属元素を六価クロムとしたが、これに限定されるものではない。例えば、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)等の金属元素に汚染された土壌を、洗浄剤によって洗浄してもよい。
以下、本発明の実施例を示す。
本実施例では、六価クロム(Cr6+)を100乃至200mg/kg含有する関東ロームの土壌であって、土壌における粒度分布は、およそ15.2%が粒径75μm乃至2mm(砂)、およそ51.4%が粒径5μm乃至75μm(シルト)、およそ33.4%が粒径5μm以下(粘土)である土壌を浄化対象とした。
また、無機化合物の塩である硫酸ナトリウム(NaSO)を溶解させた水溶液、又は無機化合物の塩である炭酸ナトリウム(NaCO)を溶解させ当該炭酸ナトリウムの加水分解により高くなった水素イオン指数(pH)を希硫酸(HSO)にて低下させた水溶液を洗浄剤として用いた。
ここで、硫酸ナトリウムの濃度は、およそ0.05mol/Lであり、洗浄剤のpHは、およそ6.0乃至7.0である(弱酸性)。尚、硫酸ナトリウムの濃度は、およそ0.01乃至0.1mol/Lが好ましく、およそ0.05乃至0.1mol/Lがより好ましい。さらに、炭酸ナトリウムの濃度は、およそ0.01mol/Lであるが、硫酸の添加によって、洗浄剤のpHは、およそ8.0乃至9.0(弱塩基性)となっている。
また、ステップS100及びS112で採取した土を用いて、土壌中の六価クロムが水に溶出する場合の六価クロム溶出量を測定し、ステップS110で採取した固液分離水中の六価クロムの濃度、即ち本実施例における洗浄剤の六価クロム除去力を測定した。
なお、六価クロム溶出量とは、土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令29号)の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準で指定された検液作成法及び分析法(ジフェニルカルバジド吸光光度法)により測定された、当該検液中の六価クロムの濃度である。
表1に、本実施例における洗浄剤の六価クロム除去力と、上記検液作成法及び分析方法によって分析して得た六価クロム溶出量とを示す。
Figure 2004306013
ここで、表1の「固液分離水」における六価クロムの濃度が、洗浄剤の六価クロム除去力に相当し、表1の「浄化土の溶出液」における六価クロムの濃度が、土壌から水への六価クロムの溶出量に相当する。また、表1においては、本実施例における土壌を、水で洗浄したときの六価クロムのデータも比較のために挙げている。
表1に示されるように、2つの塩(NaSO及びNaCO+HSO)がそれぞれ溶解した洗浄剤中の六価クロムの濃度である0.20mg/L及び0.35mg/Lは、水洗浄による当該水中の六価クロムの濃度0.14mg/Lに比べて高い。
よって、本実施例における2つの塩の洗浄剤がそれぞれ有する六価クロム除去力は、水の有する六価クロム除去力に比べて大きいと言える。
また、表1に示されるように、上記検液作成法によって、2つの塩(NaSO及びNaCO+HSO)がそれぞれ溶解した洗浄剤によって洗浄した土から水に溶出した六価クロムの濃度は、0.03mg/L及び0.01mg/L未満である。
ここで、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)の規定に基づく土壌の六価クロム汚染に係る環境基準値は、0.05mg/Lであるから、本実施例における洗浄剤を用いて洗浄した土は、当該環境基準を満足すると言える。
さらに、表1によれば、このような環境基準を満足するには、土壌の水洗浄だけでは不十分であるとも言える(水洗浄による六価クロム溶出量は0.07mg/L)。
ところで、本実施例における2つの塩(NaSO及びNaCO+HSO)がそれぞれ溶解した洗浄剤が、水のみを洗浄剤とする場合に比べ、六価クロム除去力及び六価クロム溶出量の両方で優れている理由としては、SO 2−イオンと六価クロム汚染物質としての陰イオンCrO 2−との交換作用が起こり易いことが挙げられる。また、このような交換作用は、当該交換される陰イオン(SO 2−及びCrO 2−)どうしの原子構造の類似性によって誘起されると考えることもできる。
上記洗浄剤を用いて土壌を浄化すれば、六価クロムを高効率で除去し、しかも浄化された土壌から水への六価クロム溶出量を環境基準値よりも低くすることが容易となる。よって、関東ロームのような粘性土に対しても、低コスト且つ低負荷型の土壌浄化が可能となる。
また、本実施例においては、強酸又は強塩基性の洗浄剤を使用しないために、浄化後の土壌を、特に中和処理等を行なわずに再利用できる。さらに、洗浄剤に溶解している塩(NaSO及びNaCO+HSO)は、例えば還元性の鉄粉に対して活性ではないため、当該鉄粉によって六価クロムを還元処理し、洗浄剤を再利用できる。
次に、本実施例では、六価クロム(Cr6+)に汚染された粘性土からなる関東ロームの土壌(溶出量0.2mg/L、含有量100mg/kg)を浄化対象とした。
この汚染土譲を、各洗浄剤を用いて7分間の攪拌洗浄を行った後、高分子凝集剤にて凝集させ、さらに加圧脱水にて固液分離してから、固体として得られた浄化土中の六価クロムが水に溶出する場合の溶出量を測定した。また、固液分離水中の六価クロムの濃度、即ち本実施の形態における洗浄剤の有する六価クロム除去力を測定した(環境省告示13号)。
表2に、本実施例における洗浄剤の六価クロム除去力(「固液分離水」における六価クロムの濃度)と、上記検液作成法及び分析法(ジフェニルカルバジド吸光光度法)によって分析して得た六価クロム溶出量(「浄化土の溶出液」における六価クロムの濃度)とを示す。なお、水、アルカリ(NaOH)で洗浄した場合のデータも比較のために挙げている。
Figure 2004306013
表2に示されるように、水を洗浄剤として用いた場合には、固液分離水中の六価クロム濃度は、0.10mg/Lと低い値を示し、六価クロム除去量は少ない。また、洗浄前の六価クロム溶出量(0.2mg/L)と比較しても、高い値を示していないため、十分な洗浄効果はみられなかった。
他方、アルカリを洗浄剤として用いた場合には、固液分離水中の六価クロム濃度は0.20mg/Lと高い値を示し、六価クロムの除去は可能であったが、浄化土(処理土)の溶出液の六価クロム溶出量も0.18mg/Lと高い値を示し、環境基準値(0.05mg/L)を超えてしまうため、洗浄剤としては不適合であった。
これに対し、硫酸塩(NaSO)、炭酸塩(NaCO)を洗浄剤として用いた場合には、固液分離水中の六価クロム濃度は、ともに、0.23mg/Lと高い値を示し、六価クロムの除去は可能であった。しかも、浄化土の溶出液(処理土)の六価クロム溶出量は、ともに、0.04mg/Lと低い値を示し、いずれも環境基準値(0.05mg/L)を超えなかった。
このことから、上記無機化合物の塩(無機塩)を洗浄剤として用いた場合には、土壌中に含まれる六価クロムのうち、主として溶出し易い状態にあるものが選択的に除去されるにすぎず、この際、溶出し難い状態にある六価クロムまで、あえて溶出し易い状態となって、溶出除去されるものではないことがわかる。
したがって、硫酸塩(NaSO)、炭酸塩(NaCO)は、洗浄剤として有効であるといえる。
本発明の一実施形態における土壌浄化方法の工程を示すフローチャートである。

Claims (9)

  1. 重金属に汚染された土壌を水溶液で洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化方法であって、
    前記土壌又は前記水溶液に、無機化合物の塩を供給することを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 重金属に汚染された粘性土からなる土壌を掘削し、掘削した土を洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化方法であって、
    前記土を洗浄するための水溶液は、無機化合物の塩を溶解させた水溶液であることを特徴とする土壌浄化方法。
  3. 前記水溶液を前記土に添加し、前記無機化合物の塩を構成する陽イオン又は陰イオンと前記重金属をイオン交換させることにより前記土を洗浄することを特徴とする請求項2に記載の土壌浄化方法。
  4. 前記無機化合物の塩は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4+)のうちのいずれか一種以上を陽イオンとしてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  5. 前記無機化合物の塩は、硫酸イオン(SO 2−)、硝酸イオン(NO )、塩素イオン(Cl)、酢酸イオン(CHCOO)、リン酸イオン(PO 3−)、リン酸一水素イオン(HPO 2−)、リン酸二水素イオン(HPO )、炭酸イオン(CO 2−)、炭酸水素イオン(HCO )のうちのいずれか一種以上を陰イオンとしてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  6. 前記無機化合物の塩は、硫酸イオン(SO 2−)、リン酸イオン(PO 3−)、炭酸イオン(CO 2−)、のうちのいずれか一種以上を陰イオンとしてなることを特徴とする請求項5に記載の土壌浄化方法。
  7. 前記無機化合物の塩は、水溶液に溶解して中性、弱酸性、弱塩基性のうちのいずれか1つを呈する塩であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  8. 前記重金属は、六価クロムであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の土壌浄化方法に用いるための土壌浄化剤。

JP2004024559A 2003-03-26 2004-01-30 土壌浄化方法及び土壌浄化剤 Expired - Fee Related JP4433812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004024559A JP4433812B2 (ja) 2003-03-26 2004-01-30 土壌浄化方法及び土壌浄化剤

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003085749 2003-03-26
JP2004024559A JP4433812B2 (ja) 2003-03-26 2004-01-30 土壌浄化方法及び土壌浄化剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004306013A true JP2004306013A (ja) 2004-11-04
JP4433812B2 JP4433812B2 (ja) 2010-03-17

Family

ID=33478312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004024559A Expired - Fee Related JP4433812B2 (ja) 2003-03-26 2004-01-30 土壌浄化方法及び土壌浄化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4433812B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305442A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Ohbayashi Corp 鉄粉の添加回収による汚染土壌又は汚染水の浄化方法
JP2010201385A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Taiheiyo Cement Corp 重金属含有畑地土壌の浄化方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305442A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Ohbayashi Corp 鉄粉の添加回収による汚染土壌又は汚染水の浄化方法
JP2010201385A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Taiheiyo Cement Corp 重金属含有畑地土壌の浄化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4433812B2 (ja) 2010-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zou et al. The study of operating variables in soil washing with EDTA
Wang et al. Stabilization of an elevated heavy metal contaminated site
Bastin et al. Phosphorus removal by a synthetic iron oxide–gypsum compound
Kim et al. Recycling of lead-contaminated EDTA wastewater
Makino et al. A practical soil washing method for use in a Cd-contaminated paddy field, with simple on-site wastewater treatment
JP4235688B2 (ja) 汚染土の浄化工法
CA2492817C (en) Method for treating metal-contaminated water and soil
JP5647371B1 (ja) 汚染土壌の無害化処理方法
US20140126965A1 (en) Washing of contaminated soils
JP2001509720A (ja) 鉛を含む廃棄物の安定化
JP5950562B2 (ja) 粉末処理剤を用いたセシウム含有土壌の減容化方法およびセシウム含有土壌の減容化処理システム
WO2012020449A1 (ja) カドミウム含有水田土壌の浄化方法
EP0971014B1 (en) Method of treating soil for controlling dust and for effecting soil stabilization through the application of waste water
JP6327782B2 (ja) 放射性セシウムを含有する排水から放射性セシウムを除去する方法
JP6125824B2 (ja) 重金属類汚染土壌用洗浄液組成物及び重金属類汚染土壌の洗浄方法
JP2009072657A (ja) 土壌、土壌スラリー中の重金属類の処理方法
Ren et al. Physical, chemical, and surface charge properties of bauxite residue derived from a combined process
JP4443290B2 (ja) 重金属汚染土壌の浄化方法
WO2013094284A1 (ja) 特定元素除去方法
JP2004306013A (ja) 土壌浄化方法及び土壌浄化剤
Liu et al. Precipitation flotation of phosphate from water
JP6719758B2 (ja) 焼却灰の処理剤及び焼却灰の処理方法
Shih et al. Assessment of ex-situ chemical washing of heavy metals from estuarine sediments around an industrial harbor in Southern Taiwan
JP2004306017A (ja) 汚染土壌の浄化システム
JP2007216069A (ja) 汚染土壌の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4433812

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees