JP2004305636A - 磁性流体検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を実現する。
【解決手段】磁性流体検出装置は、プローブ近傍の空間を介して被検体内部のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を励磁する励磁磁石21と、励磁した磁性流体による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)を検出するMRセンサ22(MR1,MR2センサ)と、このMRセンサ22からの出力を増幅するためのプリアンプ25とをセンサユニット20に設けたプローブを有して構成される。センサユニット20は、プリアンプ25からの出力に応じて抵抗値が変化(可変)する抵抗器として可変抵抗器VR44を4端子ブリッジ41に設けることで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットするオフセット可変手段を構成している。
【選択図】図3
【解決手段】磁性流体検出装置は、プローブ近傍の空間を介して被検体内部のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を励磁する励磁磁石21と、励磁した磁性流体による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)を検出するMRセンサ22(MR1,MR2センサ)と、このMRセンサ22からの出力を増幅するためのプリアンプ25とをセンサユニット20に設けたプローブを有して構成される。センサユニット20は、プリアンプ25からの出力に応じて抵抗値が変化(可変)する抵抗器として可変抵抗器VR44を4端子ブリッジ41に設けることで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットするオフセット可変手段を構成している。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍の原発巣からリンパ管に入った腫瘍細胞が最初に到達するリンパ節であるセンチネルリンパ節(Sentinel Lymph Node)を同定する根拠として、腫瘍近傍に注入した磁性を有する磁性流体が所定時間後にどのように分布しているかを測定するための磁性流体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、早期癌の切除手術は、発見率が向上し、頻繁に行われている。一般に、早期癌の手術は、根治を目的とし、病変部に加え、病変部の周囲に存在する転移が疑われる複数個のリンパ節を切除することが多い。また、早期癌の手術は、術後に切除したリンパ節の病理検査を行い、リンパ節への転移の有無を確認して術後の治療方針などを決定している。
【0003】
手術段階において、リンパ節への転移の有無は、不明である。このため、早期癌の手術は、病変部近傍に存在する複数個のリンパ節を切除するため、患者の負担が大きい。また、例えば早期乳癌において、リンパ節への転移比率は、20%程度である。このため、早期癌の手術は、実際に転移していない80%の患者にとって、無用なリンパ節切除が行われたことになる。
【0004】
近年、患者のQOL(Quality of Life)及び癌切除手術における根治性の両立は、求められている。そのための手法のひとつとして、無用なリンパ節切除を防ぐ、センチネルノードナビゲーションサージェリ( Sentinel Node Navigation Surgery )は、注目されている。以下、簡単にセンチネルノードナビゲーションサージェリについて説明する。
【0005】
癌は、リンパ節に転移する場合、ランダムに転移を生じることなく、一定のパターンに従って、病変部からリンパ管を経て、リンパ節に転移することが、最近の研究により解明されている。癌は、リンパ節に転移している場合、必ずセンチネルリンパ節に転移があると考えられる。ここで、センチネルリンパ節( Sentinel Lymph Node )とは、癌の原発巣からリンパ管に入った癌細胞が最初に到達するリンパ節のことである。
【0006】
このため、早期癌の手術は、癌切除術中に、センチネルリンパ節を見つけ、生検し、迅速病理検査を行うことにより、リンパ節への転移の有無を判定することができる。センチネルリンパ節に癌が転移していない場合、早期癌の手術は、残りのリンパ節の切除が不用となる。一方、センチネルリンパ節に癌が転移している場合、早期癌の手術は、転移状況に応じて、病変部近傍の複数個のリンパ節を切除する。
【0007】
このセンチネルノードナビゲーションサージェリを行なうことで、早期癌の手術は、リンパ節に癌が転移していない患者において、無用なリンパ節切除が行われることがなく、患者に対して負担が少なくなる。また、センチネルノードナビゲーションサージェリは、乳癌に限らず、消化器などの開腹手術や或いは腹腔鏡を用いた手術などにも適用される。
このセンチネルノードナビゲーションサージェリは、センチネルリンパ節を容易にかつ精度良く検出できる検出装置が強く求められている。
【0008】
そこで、上記検出装置は、例えば、特開2001−299676号公報に記載されているように近赤外励起光を用いるものが提案されている。
上記近赤外励起光を用いる検出方法は、トレーサーとして赤外蛍光色素であるインドシアニングリーン( Indocyanine green )を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、上記検出装置は、開腹手術を行って、被観察部に近赤外励起光を照射する。すると、センチネルリンパ節は、インドシアニングリーンを蓄積しているため、近赤外蛍光を発する。その近赤外蛍光を可視光に変換して可視化像として観察することで、上記検出装置は、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
【0009】
しかしながら、上記特開2001−299676号公報に記載の検出装置は、センチネルリンパ節の位置を同定できるのが表面から数mmの深さに過ぎない。従って、上記特開2001−299676号公報に記載の検出装置は、脂肪が厚い場合や、肺の様に炭などが沈着している場合、センチネルリンパ節を確認することが困難である。
【0010】
一方、これに対して上記検出装置は、例えば、特開平9−189770号公報や特開平10−96782号公報に記載されているように放射線を用いたものが提案されている。
【0011】
上記放射線を用いる検出方法は、トレーサーとして放射性同位元素を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、上記検出装置は、センチネルリンパ節に滞留している放射性同位元素からの放射線を検出することで、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
しかしながら、上記特開平9−189770号公報や特開平10−96782号公報に記載の検出装置は、放射線を用いているので、人体が被爆する。
【0012】
一方、これに対して、例えば、米国特許US6,205,352号公報には、アイソトープを用いることなく、センチネルリンパ節を検出するものが提案されている。上記米国特許US6,205,352号公報は、MRI( Magnetic Resonance Imaging ) や超音波を用いることにより、センチネルリンパ節を検出するものが記載されている。
しかしながら、上記米国特許US6,205,352号公報は、磁性流体の検出についても記載されているが、検出方法、装置についての具体的な説明の記載がない。
【0013】
また、近年、超伝導量子干渉素子( Superconducting QUantum Interference Device :以下、SQUIDと略す)を用いたSQUID磁束計は、様々な分野で応用されている。上記SQUIDは、地磁気の10億分の1程度の磁束を高感度で検出することが可能である。
【0014】
近年、上記SQUIDは、液体窒素温度(77.3K:−196℃)での冷却で利用可能な高温超伝導SQUIDが実用化されている。
これを利用して、検出装置は、例えば、日本生体磁気学界誌 特別号( Vol.15 No.1 2002 第17回)日本生体磁気学界論文集に記載されているように高温超伝導SQUIDを用いたものが提案されている。
【0015】
上記高温超伝導SQUIDを用いた検出方法は、トレーサーとして磁性を有する磁性流体を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、磁性流体は、センチネルリンパ節に滞留する。上記検出装置は、磁力の大きい電磁石で磁性流体を磁化し、電磁石をオフにしたとき、この磁性流体に残る微弱な残留磁界をSQUIDで検出することで、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
ここで、磁性流体は、粒子径が数百nmと小さいので、保磁力が弱く、残留磁界が非常に小さくなる。このため、SQUIDのような高感度の磁気センサを必要とする。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−299676号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平9−189770号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平10−96782号公報
【0019】
【特許文献4】
米国特許US6,205,352号公報
【0020】
【非特許文献1】
日本生体磁気学界誌 特別号Vol.15 No.1;日本生体磁気学界論文集、2002年 第17回、p.31−32
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記高温超伝導SQUIDで形成した磁気センサ(以下、SQUID磁気センサ)は、−190℃くらいの低温で動作させるため、液体窒素を用いてセンサを冷やさなければならない。このため、装置が大型化し、操作性が悪くなる。また、液体窒素も数時間毎に交換する必要があり、ランニングコストがかかる。更に、液体窒素の交換時に危険が伴う等の問題がある。また、磁性流体の残留磁界が非常に小さいため、電機機器からの磁気ノイズの影響が大きく、磁気シールドする必要があり、更に大型化、コストアップになる。
【0022】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、を具備し、前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴としている。
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の磁性流体検出装置において、前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴としている。
この構成により、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を実現する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図、図2は制御装置の回路構成を示す回路ブロック図、図3は本実施の形態のセンサユニットの回路構成を示す回路ブロック図、図4はセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体をセンサユニットが検出している際を示す概略模式図、図5はP.C.の制御を示すフローチャート、図6は地磁気中でプローブの向きを変えた際の概略模式図、図7は回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図、図8は図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフ、図9はセンサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図、図10はセンサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図である。
【0025】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置1は、体腔内に挿入可能で、後述の励磁磁石及び磁気センサを先端側に内蔵したプローブ2と、このプローブ2に接続ケーブル3で接続され、該プローブ2を制御するための制御装置4とで主に構成されている。
【0026】
制御装置4は、RS232Cケーブル5を介してパーソナルコンピュータ(以下、P.C.)6に接続され、このP.C.6で操作制御されるようになっている。また、制御装置4には、フットスイッチ7が接続されており、このフットスイッチ7をオンすることで、制御装置4は、電源電力をプローブ2に供給するようになっている。
【0027】
尚、符号4aは、制御装置4のフロントパネルに設けられた電源スイッチである。また、フットスイッチ7の代わりに、図示しないハンドスイッチを制御装置4に接続して構成しても良い。このハンドスイッチは、防水性であっても良く、また、ディスポーサブルであっても良い。また、ハンドスイッチは、プローブ2に装着可能であっても良く、独立に使用可能であっても良い。
【0028】
プローブ2は、防水グロメット11を介して接続ケーブル3が延出しており、防水性の外装部材12を有して水密に構成されている。この外装部材12は、先端側外装部材12aと後端側外装部材12bとの2つで形成されており、これら接続部分はOリング13が設けられている。尚、先端側外装部材12aは、非磁性材料で形成されており、先端側に内蔵している励磁磁石及び磁気センサに対して磁気的な影響を防止するようになっている。
【0029】
プローブ2は、このプローブ近傍の空間を介して被検体内部のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を励磁する励磁磁石21と、励磁した磁性流体による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)を検出する磁気センサとしてMRセンサ(磁気抵抗センサ)22をセンサユニット20に設けて構成されている。
尚、本実施の形態では、MRセンサ22を2つMR1,MR2センサ用いて後述するように4端子ブリッジを構成している。
【0030】
センサユニット20は、プローブ基端側に設けたアクチュエータ23により長手軸方向に微小振動するようになっている。尚、アクチュエータ23は、制御装置4の後述するアクチュエータコントローラによりオンオフ制御されるようになっている。
【0031】
このことにより、磁性流体検出装置1は、励磁磁石21で励磁した磁性流体による局所磁界に偏調を施し、その局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)をMRセンサ22(MR1,MR2センサ)で検出して、これら2つのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力の差分を取り、更に復調することで、偏調周波数以外の地磁気や他の電気機器からの磁気ノイズを除去できるようになっている。尚、センサユニット20とアクチュエータ23との連結は、非磁性のジョイント24により連結されている。また、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)は、磁界による抵抗変化を測定するものである。
【0032】
このため、本実施の形態では、センサユニット20は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力を増幅するためのプリアンプ25も設けており、同時に長手軸方向に微小振動するようになっている。このことにより、磁性流体検出装置1は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25との間のリード線が延び縮みすることによる抵抗の変化によってMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が正確に磁界変化を測定できなくなることを防止している。
また、プローブ2は、センサユニット20から制御装置4へ出力される信号を増幅するアンプやノイズ除去を行うためのフィルタ等を搭載した回路基板26を基端側に設けている。
【0033】
先ず、制御装置4の内部構成を説明する。
図2に示すように制御装置4は、フォトカプラ31を介してフットスイッチ7から出力されるオンオフ信号に基づき、プローブ2のアクチュエータ23をオンオフするための例えば、リレー等で構成されるアクチュエータコントローラ32を有している。尚、フォトカプラ31は、フットスイッチ7からのオンオフ信号を電気的に絶縁するためのものである。
【0034】
また、制御装置4は、プローブ2のセンサユニット20からの信号を増幅するアンプ33と、このアンプ33で増幅された信号をA/D変換するA/Dコンバータ34と、このA/Dコンバータ34で変換されたデジタル信号を信号処理するCPU( Central Processing Unit )35と有している。
【0035】
尚、CPU35は、A/Dコンバータ34からパラレルで出力されるデジタル信号をシリアルの出力信号に変換するためのUART ( Universal Asynchronous Receiver Transmitter )コントローラ35aを備えている。
また、制御装置4は、RS232Cケーブル5を介してCPU35とP.C.6との通信を行うためのRS232Cドライバ36を有し、このRS232Cドライバ36とCPU35との信号の送受信をフォトカプラ37で電気的に絶縁するようになっている。
【0036】
そして、制御装置4は、術者により操作されるP.C.6の制御に従い、このP.C.6と通信を行って被検体内部に滞留している磁性流体を検出するようになっている。尚、P.C.6は、後述するフローチャートに基づき、検出した磁性流体の有無を術者に告知するようになっている。
【0037】
次に、図3を用いて本実施の形態のセンサユニット20の回路構成を説明する。
図3に示すように本実施の形態のセンサユニット20は、2つのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)を用い、固定抵抗器R3,R4と組み合わせて4端子ブリッジ41を構成している。そして、この4端子ブリッジ41からの出力Vin(V1,V2)を差動増幅器42で差動増幅してVoutとして出力するようにプリアンプ25を構成している。
【0038】
本実施の形態では、オフセットを除去するためにプリアンプ25からの出力Voutをフィードバック(負帰還)するように負帰還回路43を設けている。また、コンデンサCを設けているため、出力Voutが0のときは、負帰還回路43の出力は、保持される。
【0039】
そして、センサユニット20は、負帰還回路43からの出力に応じて抵抗値が変化(可変)する抵抗器として可変抵抗器VR44を4端子ブリッジ41のR4側に設けることで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットするオフセット可変手段を構成している。
【0040】
尚、ここで、差動増幅器42の出力Voutは、入力(4端子ブリッジ41からの出力)Vinに対して式(1)に示すように表される。
【式1】
但し、G:プリアンプ25のゲイン,Vs:基準電圧値,VR:可変抵抗値,
MR1:MR1センサの抵抗値,MR2:MR2センサの抵抗値
この式(1)より、出力Voutが0になるためには、
MR1(R4+VR)=MR2R3
を満たす必要がある。
【0041】
従って、可変抵抗器VR44の可変抵抗値が、
VR=MR2R3/(MR1)−R4 …(2)
となるように可変すれば、出力Voutが0になる。
即ち、プリアンプ25からの出力に応じて式(2)に示すように可変抵抗器VR44の可変抵抗値を可変することで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能となる。
【0042】
尚、ここで、オフセットは、コンデンサCと抵抗Rの時定数で決まる時間がかかるので、磁性流体による信号変化は除去されない。
また、可変抵抗器VR44としては、図示しないモータで抵抗値を可変するようなものを用いても良い。
【0043】
このように構成される磁性流体検出装置1は、被検体内のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を検出して、センチネルリンパ節を同定するのに用いられる。
先ず、術者は、被検体の病変部の下層に図示しない穿刺針を差し込み、病変部近傍に磁性流体を局注する。すると、病変部に局注された磁性流体は、注入部位よりリンパ管に移行し、5分から15分後にセンチネルリンパ節に達してこのセンチネルリンパ節に滞留する。
【0044】
そして、術者は、磁性流体検出装置1のプローブ2を図示しないトラカールを介して外科的に体腔内に挿入して用いる。そして、術者は、プローブ2の先端を患者の病変部近傍に対して、動かしながらセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を検出する。
【0045】
このとき、術者は、患者の病変部近傍において、磁性流体を検出(測定)するときのみフットスイッチ7を踏み込みオンし続ける。
すると、制御装置4は、フットスイッチ7からのオン信号がアクチュエータコントローラ32に伝達され、アクチュエータコントローラ32からアクチュエータ23に電源電力が供給されてアクチュエータ23を駆動させ、所定の発振周波数で微小振動させる。
【0046】
すると、プローブ2は、センサユニット20が所定の発振周波数で微小振動されて励磁磁石21及びMRセンサ22が2つのMRセンサを含む直線に垂直で磁石を含む軸方向に微小振動する。
そして、プローブ2は、図4に示すように励磁磁石21がプローブ近傍の空間を励磁し、MRセンサ22で磁界分布の空間勾配(磁束密度)を測定する。
【0047】
ここで、被検体として患者の病変部近傍にセンチネルリンパ節45が存在していると、このセンチネルリンパ節45に磁性流体46が滞留しているので、励磁磁石21による印加磁界は、磁性流体46付近で吸い込まれて磁界分布に局所的な歪みが生じ、これにより、磁界分布の空間勾配(磁束密度)に変化が生じる。
【0048】
そして、プローブ2は、所定の発振周波数で励磁磁石21及びMRセンサ22が長手軸方向に微小振動しているので、励磁磁石21で励磁した磁性流体46による局所磁界に偏調が施される。
そして、偏調が施された磁性流体46による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)で検出される。
【0049】
MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力は、差動増幅器42で出力の差分を取られて増幅され、回路基板26のアンプで増幅されフィルタでフィルタ処理されて制御装置4へ出力される。
そして、制御装置4は、プローブ2のセンサユニット20からの信号をアンプ33で増幅し、A/Dコンバータ34でA/D変換してCPU35のUARTコントローラ35aでシリアルの出力信号に変換してRS232Cドライバ36に伝達し、RS232Cケーブル5を介してP.C.6へ出力する。
【0050】
ここで、P.C.6は、図5に示すフローチャートに基づき、術者に告知する制御を行う。
図5に示すようにP.C.6は、制御装置4からの信号をデータとして入力される(ステップS1)。そして、P.C.6は、入力されたデータに対して公知のフーリエ変換を行う(ステップS2)。
【0051】
次に、P.C.6は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)を振動させている周波数(発振周波数)成分の強度を取り出し復調する(ステップS3)。
そして、P.C.6は、復調したデータを磁束密度の変化として数値やグラフに変換してモニタ画面に表示させたり(ステップS4)、付属のスピーカで測定値の大きさに応じて音を出力させて告知する(ステップS5)。
【0052】
そして、術者がフットスイッチ7から足を外してプローブ2による測定を終了するまで、P.C.6は、上記ステップS1〜S5を繰り返す。
ここで、磁性流体検出装置1は、測定中、磁性流体46による磁界の空間歪みがそれほど大きくないので、プリアンプ25のゲインを大きくして感度を上げる必要がある。このとき、術者は、例えば、図6に示すように地磁気中でプローブ2の向きを変えたりする場合がある。
【0053】
ここで、例えば、センサユニットは、図7に示すような4端子ブリッジ51からの出力Vin(V1,V2)を差動増幅器42で差動増幅してVoutとして出力するようにプリアンプ50を構成していると仮定すると、地磁気等の影響によりMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Voutが可変してプリアンプ50の出力が図8に示すように飽和して(電源電圧Vccを超えて)しまう。
尚、図7は回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図であり、図8は図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフである。
そして、この場合、磁性流体46の検出が困難となり、センチネルリンパ節45の正確な位置を同定することができなくなってしまう虞れが生じる。
【0054】
尚、図7に示す差動増幅器42の出力Voutは、入力(4端子ブリッジ41からの出力)Vinに対して式(3)に示すように表される。
【式3】
但し、G:プリアンプ25のゲイン,Vs:基準電圧値,
MR1:MR1センサの抵抗値,MR2:MR2センサの抵抗値
【0055】
本実施の形態では、上述したようにプリアンプ25からの出力に応じて可変抵抗器VR44の可変抵抗値を式(2)に基づき、可変するように構成しているので、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能である。
【0056】
従って、本実施の形態の磁性流体検出装置1は、プリアンプ25の出力が飽和する(電源電圧Vccを超える)ことがないので、プリアンプ25の飽和を解消できて磁性流体46を検出できる。これにより、本実施の形態の磁性流体検出装置1は、センチネルリンパ節45の正確な位置を同定可能である。
【0057】
尚、センサユニットは、図9に示すようにCdSフォトカプラを設けて構成しても良い。
図9は、センサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図である。
図9に示すようにセンサユニット20Bは、CdSフォトカプラ61を設けたプリアンプ25Bを有して構成されている。
【0058】
CdSフォトカプラ61は、光の強さ(禁制帯幅よりも大きなエネルギ)で抵抗(導電率)が変化する光導電効果( photo−conductive effect )を有する素子であるCdS61aと、LED( Light Emitting Diode )61bとを組み合わせたフォトカプラである。そして、CdSフォトカプラ61は、LED61bが発光してこの発光をCdS61aが受光して抵抗値が可変することで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能である。
【0059】
これにより、センサユニット20Bは、CdSフォトカプラ61を設けることで、可変抵抗器VR44を用いることなく、また、通常のトランジスタやFETで構成される通常のフォトカプラを用いることによる非線形性を解除できる。
【0060】
また、偏調周波数が高い場合には、センサユニットは、図10に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングして構成しても良い。
図10は、センサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図である。
図10に示すようにセンサユニット20Cは、可変抵抗器を用いることなく、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)に対して直流成分をカットするコンデンサC62を用いてMRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングしたプリアンプ25Cを有して構成されている。
【0061】
これにより、センサユニット20Cは、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングすることで、可変抵抗器VR44を用いることなく、簡易に構成できる。
【0062】
(第2の実施の形態)
図11及び図12は本発明の第2の実施の形態に係り、図11は本発明の第2の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図、図12は図11の制御装置の回路構成を示す回路ブロック図である。
本第2の実施の形態は、P.C.を用いることなく、プローブと制御装置のみで構成する。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0063】
即ち、図11に示すように本第2の実施の形態の磁性流体検出装置1Bは、P.C.6を用いることなく、上記第1の実施の形態で説明したのと同様なプローブ2と、制御装置4Bのみで構成される。
制御装置4Bは、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)が検出した磁束密度の変化を表示するためのLED等で形成された表示部71と、磁束密度の変化を音で告知するためのスピーカ72とをフロントパネルに設けている。
【0064】
尚、本実施の形態では、図11中において、表示部71は、LED等で形成されたインジケータを用いて構成しているが、表示部71としてLCD( Liquid Crystal Display)等を用いて画像表示するように構成しても良い。
【0065】
次に、図12を用いて制御装置4Bの内部構成を説明する。
図12は、制御装置4の回路構成を示す回路ブロック図である。
図12に示すように制御装置4Bは、アンプ33からの信号をアナログ信号で復調する復調回路73と、この復調回路73で復調されたアナログ信号をA/D変換するA/Dコンバータ74と、このA/Dコンバータ74で変換されたデジタル信号に基づいて表示部71のLEDやスピーカ72を駆動してP.C.6と同様な告知処理を行うCPU75とを有して構成されている。尚、復調回路73とA/Dコンバータ74とは、電気的に絶縁するためにアナログフォトカプラ76を介して接続している。
【0066】
このように構成される磁性流体検出装置1Bは、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に被検体内のセンチネルリンパ節45に滞留している磁性流体46を検出して、センチネルリンパ節45を同定するのに用いられる。
【0067】
そして、制御装置4Bは、プローブ2のセンサユニット20からの信号をアンプ33で増幅した後、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)を振動させている周波数(発振周波数)成分の強度を取り出し復調し、この復調したデータを磁束密度の変化として表示部71のLEDを発光させたり、スピーカ72で音を発生させて告知する。
尚、それ以外の動作は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、説明を省略する。
【0068】
この結果、本第2の実施の形態の磁性流体検出装置1Bは、上記第1の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、P.C.6を用いないので、より簡単に構成できる。
【0069】
(第3の実施の形態)
図13ないし図16は本発明の第3の実施の形態に係り、図13は本発明の第3の実施の形態の磁性流体検出装置を構成するプローブを示す説明図、図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の概略模式図、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ、図15は図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフ、図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の概略模式図、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0070】
上記第1,第2の実施の形態は、センサユニットを2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動させるように構成しているが、本第3の実施の形態は、センサユニットを2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動させるように構成する。それ以外の構成は、上記第1,第2の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0071】
即ち、図13に示すように本第3の実施の形態の磁性流体検出装置は、センサユニット20を2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動させるようにしたプローブ2Cを設けて構成される。
【0072】
更に具体的に説明すると、プローブ2Cは、例えば、非磁性のジョイント24Cとカム81とを用いてアクチュエータ23の駆動によりセンサユニット20を長手軸方向に対して垂直方向に微小振動させるように構成されている。尚、符号82は、アクチュエータ23を駆動するドライバである。
【0073】
このように構成することで、図14(a)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が磁性流体46に対して非対称の位置になることにより、図14(b)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が一番大きく出力されるようになる。尚、図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の様子を示す概略模式図であり、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0074】
そして、プローブ2CのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号を復調してフーリエ変換すると、図15に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号はセンサユニット20の振動周波数に対して2倍の位置に現れることになる。尚、図15は、図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフである。
【0075】
ここで、センサユニット20を2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動させると、図16(a)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が磁性流体46に対して対称の位置になることにより、図16(b)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が振動周波数に依存してしまう。尚、図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の様子を示す概略模式図であり、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0076】
すると、振動周波数付近に現れるセンサユニット20内の配線等の接触抵抗などによるノイズで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)から出力される信号がかき消されてしまい、信号を検出することが困難となる。
【0077】
従って、プローブ2Cは、センサユニット20の振動周波数に対して2倍の位置にMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が現れることにより、振動周波数付近に現れるノイズの影響を受けることなく、明瞭に検出可能となる。
【0078】
この結果、本第3の実施の形態の磁性流体検出装置は、上記第1,第2の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更により正確に磁性流体46を検出できて、効率良くセンチネルリンパ節45を同定できる。
【0079】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0080】
[付記]
(付記項1) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、
前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴とする磁性流体検出装置。
【0081】
(付記項2) 前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴とする付記項1に記載の磁性流体検出装置。
【0082】
(付記項3) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、
前記複数の磁気センサと前記プリアンプとをACカップリングしたことを特徴とする磁性流体検出装置。
【0083】
(付記項4) 前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記プリアンプとを複数の磁気センサを含む直線又は平面と平行方向に振動することを特徴とする付記項1〜3に記載の磁性流体検出装置。
【0084】
(付記項5) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを複数の磁気センサを含む直線又は平面と平行方向に振動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出することを特徴とする磁性流体検出装置。
【0085】
(付記項6) 前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴とする付記項5に記載の磁性流体検出装置。
【0086】
(付記項7) 前記複数の磁気センサと前記プリアンプとをACカップリングしたことを特徴とする付記項5に記載の磁性流体検出装置。
【0087】
(付記項8) 前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴とする付記項6に記載の磁性流体検出装置。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図
【図2】制御装置の回路構成を示す回路ブロック図
【図3】本実施の形態のセンサユニットの回路構成を示す回路ブロック図
【図4】センチネルリンパ節に滞留している磁性流体をセンサユニットが検出している際を示す概略模式図
【図5】P.C.の制御を示すフローチャート
【図6】地磁気中でプローブの向きを変えた際の概略模式図
【図7】回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図
【図8】図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフ
【図9】センサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図
【図10】センサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図
【図11】本発明の第2の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成
【図12】図11の制御装置の回路構成を示す回路ブロック図
【図13】本発明の第3の実施の形態の磁性流体検出装置を構成するプローブを示す説明図
【図14】図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の概略模式図、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ
【図15】図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフ
【図16】図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の概略模式図、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ
【符号の説明】
1…磁性流体検出装置
2…プローブ
4…制御装置
6…P.C.
7…フットスイッチ
20…センサユニット
21…励磁磁石
22…MRセンサ(磁気センサ)
23…アクチュエータ
24…ジョイント
25…プリアンプ
26…回路基板
41…4端子ブリッジ
42…差動増幅器
43…負帰還回路
44…可変抵抗器
45…センチネルリンパ節
46…磁性流体
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍の原発巣からリンパ管に入った腫瘍細胞が最初に到達するリンパ節であるセンチネルリンパ節(Sentinel Lymph Node)を同定する根拠として、腫瘍近傍に注入した磁性を有する磁性流体が所定時間後にどのように分布しているかを測定するための磁性流体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、早期癌の切除手術は、発見率が向上し、頻繁に行われている。一般に、早期癌の手術は、根治を目的とし、病変部に加え、病変部の周囲に存在する転移が疑われる複数個のリンパ節を切除することが多い。また、早期癌の手術は、術後に切除したリンパ節の病理検査を行い、リンパ節への転移の有無を確認して術後の治療方針などを決定している。
【0003】
手術段階において、リンパ節への転移の有無は、不明である。このため、早期癌の手術は、病変部近傍に存在する複数個のリンパ節を切除するため、患者の負担が大きい。また、例えば早期乳癌において、リンパ節への転移比率は、20%程度である。このため、早期癌の手術は、実際に転移していない80%の患者にとって、無用なリンパ節切除が行われたことになる。
【0004】
近年、患者のQOL(Quality of Life)及び癌切除手術における根治性の両立は、求められている。そのための手法のひとつとして、無用なリンパ節切除を防ぐ、センチネルノードナビゲーションサージェリ( Sentinel Node Navigation Surgery )は、注目されている。以下、簡単にセンチネルノードナビゲーションサージェリについて説明する。
【0005】
癌は、リンパ節に転移する場合、ランダムに転移を生じることなく、一定のパターンに従って、病変部からリンパ管を経て、リンパ節に転移することが、最近の研究により解明されている。癌は、リンパ節に転移している場合、必ずセンチネルリンパ節に転移があると考えられる。ここで、センチネルリンパ節( Sentinel Lymph Node )とは、癌の原発巣からリンパ管に入った癌細胞が最初に到達するリンパ節のことである。
【0006】
このため、早期癌の手術は、癌切除術中に、センチネルリンパ節を見つけ、生検し、迅速病理検査を行うことにより、リンパ節への転移の有無を判定することができる。センチネルリンパ節に癌が転移していない場合、早期癌の手術は、残りのリンパ節の切除が不用となる。一方、センチネルリンパ節に癌が転移している場合、早期癌の手術は、転移状況に応じて、病変部近傍の複数個のリンパ節を切除する。
【0007】
このセンチネルノードナビゲーションサージェリを行なうことで、早期癌の手術は、リンパ節に癌が転移していない患者において、無用なリンパ節切除が行われることがなく、患者に対して負担が少なくなる。また、センチネルノードナビゲーションサージェリは、乳癌に限らず、消化器などの開腹手術や或いは腹腔鏡を用いた手術などにも適用される。
このセンチネルノードナビゲーションサージェリは、センチネルリンパ節を容易にかつ精度良く検出できる検出装置が強く求められている。
【0008】
そこで、上記検出装置は、例えば、特開2001−299676号公報に記載されているように近赤外励起光を用いるものが提案されている。
上記近赤外励起光を用いる検出方法は、トレーサーとして赤外蛍光色素であるインドシアニングリーン( Indocyanine green )を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、上記検出装置は、開腹手術を行って、被観察部に近赤外励起光を照射する。すると、センチネルリンパ節は、インドシアニングリーンを蓄積しているため、近赤外蛍光を発する。その近赤外蛍光を可視光に変換して可視化像として観察することで、上記検出装置は、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
【0009】
しかしながら、上記特開2001−299676号公報に記載の検出装置は、センチネルリンパ節の位置を同定できるのが表面から数mmの深さに過ぎない。従って、上記特開2001−299676号公報に記載の検出装置は、脂肪が厚い場合や、肺の様に炭などが沈着している場合、センチネルリンパ節を確認することが困難である。
【0010】
一方、これに対して上記検出装置は、例えば、特開平9−189770号公報や特開平10−96782号公報に記載されているように放射線を用いたものが提案されている。
【0011】
上記放射線を用いる検出方法は、トレーサーとして放射性同位元素を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、上記検出装置は、センチネルリンパ節に滞留している放射性同位元素からの放射線を検出することで、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
しかしながら、上記特開平9−189770号公報や特開平10−96782号公報に記載の検出装置は、放射線を用いているので、人体が被爆する。
【0012】
一方、これに対して、例えば、米国特許US6,205,352号公報には、アイソトープを用いることなく、センチネルリンパ節を検出するものが提案されている。上記米国特許US6,205,352号公報は、MRI( Magnetic Resonance Imaging ) や超音波を用いることにより、センチネルリンパ節を検出するものが記載されている。
しかしながら、上記米国特許US6,205,352号公報は、磁性流体の検出についても記載されているが、検出方法、装置についての具体的な説明の記載がない。
【0013】
また、近年、超伝導量子干渉素子( Superconducting QUantum Interference Device :以下、SQUIDと略す)を用いたSQUID磁束計は、様々な分野で応用されている。上記SQUIDは、地磁気の10億分の1程度の磁束を高感度で検出することが可能である。
【0014】
近年、上記SQUIDは、液体窒素温度(77.3K:−196℃)での冷却で利用可能な高温超伝導SQUIDが実用化されている。
これを利用して、検出装置は、例えば、日本生体磁気学界誌 特別号( Vol.15 No.1 2002 第17回)日本生体磁気学界論文集に記載されているように高温超伝導SQUIDを用いたものが提案されている。
【0015】
上記高温超伝導SQUIDを用いた検出方法は、トレーサーとして磁性を有する磁性流体を腫瘍周囲に局注する。そして、所定時間後、磁性流体は、センチネルリンパ節に滞留する。上記検出装置は、磁力の大きい電磁石で磁性流体を磁化し、電磁石をオフにしたとき、この磁性流体に残る微弱な残留磁界をSQUIDで検出することで、センチネルリンパ節を検出することが可能である。
ここで、磁性流体は、粒子径が数百nmと小さいので、保磁力が弱く、残留磁界が非常に小さくなる。このため、SQUIDのような高感度の磁気センサを必要とする。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−299676号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平9−189770号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平10−96782号公報
【0019】
【特許文献4】
米国特許US6,205,352号公報
【0020】
【非特許文献1】
日本生体磁気学界誌 特別号Vol.15 No.1;日本生体磁気学界論文集、2002年 第17回、p.31−32
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記高温超伝導SQUIDで形成した磁気センサ(以下、SQUID磁気センサ)は、−190℃くらいの低温で動作させるため、液体窒素を用いてセンサを冷やさなければならない。このため、装置が大型化し、操作性が悪くなる。また、液体窒素も数時間毎に交換する必要があり、ランニングコストがかかる。更に、液体窒素の交換時に危険が伴う等の問題がある。また、磁性流体の残留磁界が非常に小さいため、電機機器からの磁気ノイズの影響が大きく、磁気シールドする必要があり、更に大型化、コストアップになる。
【0022】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、を具備し、前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴としている。
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の磁性流体検出装置において、前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴としている。
この構成により、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を実現する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図、図2は制御装置の回路構成を示す回路ブロック図、図3は本実施の形態のセンサユニットの回路構成を示す回路ブロック図、図4はセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体をセンサユニットが検出している際を示す概略模式図、図5はP.C.の制御を示すフローチャート、図6は地磁気中でプローブの向きを変えた際の概略模式図、図7は回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図、図8は図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフ、図9はセンサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図、図10はセンサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図である。
【0025】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置1は、体腔内に挿入可能で、後述の励磁磁石及び磁気センサを先端側に内蔵したプローブ2と、このプローブ2に接続ケーブル3で接続され、該プローブ2を制御するための制御装置4とで主に構成されている。
【0026】
制御装置4は、RS232Cケーブル5を介してパーソナルコンピュータ(以下、P.C.)6に接続され、このP.C.6で操作制御されるようになっている。また、制御装置4には、フットスイッチ7が接続されており、このフットスイッチ7をオンすることで、制御装置4は、電源電力をプローブ2に供給するようになっている。
【0027】
尚、符号4aは、制御装置4のフロントパネルに設けられた電源スイッチである。また、フットスイッチ7の代わりに、図示しないハンドスイッチを制御装置4に接続して構成しても良い。このハンドスイッチは、防水性であっても良く、また、ディスポーサブルであっても良い。また、ハンドスイッチは、プローブ2に装着可能であっても良く、独立に使用可能であっても良い。
【0028】
プローブ2は、防水グロメット11を介して接続ケーブル3が延出しており、防水性の外装部材12を有して水密に構成されている。この外装部材12は、先端側外装部材12aと後端側外装部材12bとの2つで形成されており、これら接続部分はOリング13が設けられている。尚、先端側外装部材12aは、非磁性材料で形成されており、先端側に内蔵している励磁磁石及び磁気センサに対して磁気的な影響を防止するようになっている。
【0029】
プローブ2は、このプローブ近傍の空間を介して被検体内部のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を励磁する励磁磁石21と、励磁した磁性流体による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)を検出する磁気センサとしてMRセンサ(磁気抵抗センサ)22をセンサユニット20に設けて構成されている。
尚、本実施の形態では、MRセンサ22を2つMR1,MR2センサ用いて後述するように4端子ブリッジを構成している。
【0030】
センサユニット20は、プローブ基端側に設けたアクチュエータ23により長手軸方向に微小振動するようになっている。尚、アクチュエータ23は、制御装置4の後述するアクチュエータコントローラによりオンオフ制御されるようになっている。
【0031】
このことにより、磁性流体検出装置1は、励磁磁石21で励磁した磁性流体による局所磁界に偏調を施し、その局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)をMRセンサ22(MR1,MR2センサ)で検出して、これら2つのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力の差分を取り、更に復調することで、偏調周波数以外の地磁気や他の電気機器からの磁気ノイズを除去できるようになっている。尚、センサユニット20とアクチュエータ23との連結は、非磁性のジョイント24により連結されている。また、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)は、磁界による抵抗変化を測定するものである。
【0032】
このため、本実施の形態では、センサユニット20は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力を増幅するためのプリアンプ25も設けており、同時に長手軸方向に微小振動するようになっている。このことにより、磁性流体検出装置1は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25との間のリード線が延び縮みすることによる抵抗の変化によってMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が正確に磁界変化を測定できなくなることを防止している。
また、プローブ2は、センサユニット20から制御装置4へ出力される信号を増幅するアンプやノイズ除去を行うためのフィルタ等を搭載した回路基板26を基端側に設けている。
【0033】
先ず、制御装置4の内部構成を説明する。
図2に示すように制御装置4は、フォトカプラ31を介してフットスイッチ7から出力されるオンオフ信号に基づき、プローブ2のアクチュエータ23をオンオフするための例えば、リレー等で構成されるアクチュエータコントローラ32を有している。尚、フォトカプラ31は、フットスイッチ7からのオンオフ信号を電気的に絶縁するためのものである。
【0034】
また、制御装置4は、プローブ2のセンサユニット20からの信号を増幅するアンプ33と、このアンプ33で増幅された信号をA/D変換するA/Dコンバータ34と、このA/Dコンバータ34で変換されたデジタル信号を信号処理するCPU( Central Processing Unit )35と有している。
【0035】
尚、CPU35は、A/Dコンバータ34からパラレルで出力されるデジタル信号をシリアルの出力信号に変換するためのUART ( Universal Asynchronous Receiver Transmitter )コントローラ35aを備えている。
また、制御装置4は、RS232Cケーブル5を介してCPU35とP.C.6との通信を行うためのRS232Cドライバ36を有し、このRS232Cドライバ36とCPU35との信号の送受信をフォトカプラ37で電気的に絶縁するようになっている。
【0036】
そして、制御装置4は、術者により操作されるP.C.6の制御に従い、このP.C.6と通信を行って被検体内部に滞留している磁性流体を検出するようになっている。尚、P.C.6は、後述するフローチャートに基づき、検出した磁性流体の有無を術者に告知するようになっている。
【0037】
次に、図3を用いて本実施の形態のセンサユニット20の回路構成を説明する。
図3に示すように本実施の形態のセンサユニット20は、2つのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)を用い、固定抵抗器R3,R4と組み合わせて4端子ブリッジ41を構成している。そして、この4端子ブリッジ41からの出力Vin(V1,V2)を差動増幅器42で差動増幅してVoutとして出力するようにプリアンプ25を構成している。
【0038】
本実施の形態では、オフセットを除去するためにプリアンプ25からの出力Voutをフィードバック(負帰還)するように負帰還回路43を設けている。また、コンデンサCを設けているため、出力Voutが0のときは、負帰還回路43の出力は、保持される。
【0039】
そして、センサユニット20は、負帰還回路43からの出力に応じて抵抗値が変化(可変)する抵抗器として可変抵抗器VR44を4端子ブリッジ41のR4側に設けることで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットするオフセット可変手段を構成している。
【0040】
尚、ここで、差動増幅器42の出力Voutは、入力(4端子ブリッジ41からの出力)Vinに対して式(1)に示すように表される。
【式1】
但し、G:プリアンプ25のゲイン,Vs:基準電圧値,VR:可変抵抗値,
MR1:MR1センサの抵抗値,MR2:MR2センサの抵抗値
この式(1)より、出力Voutが0になるためには、
MR1(R4+VR)=MR2R3
を満たす必要がある。
【0041】
従って、可変抵抗器VR44の可変抵抗値が、
VR=MR2R3/(MR1)−R4 …(2)
となるように可変すれば、出力Voutが0になる。
即ち、プリアンプ25からの出力に応じて式(2)に示すように可変抵抗器VR44の可変抵抗値を可変することで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能となる。
【0042】
尚、ここで、オフセットは、コンデンサCと抵抗Rの時定数で決まる時間がかかるので、磁性流体による信号変化は除去されない。
また、可変抵抗器VR44としては、図示しないモータで抵抗値を可変するようなものを用いても良い。
【0043】
このように構成される磁性流体検出装置1は、被検体内のセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を検出して、センチネルリンパ節を同定するのに用いられる。
先ず、術者は、被検体の病変部の下層に図示しない穿刺針を差し込み、病変部近傍に磁性流体を局注する。すると、病変部に局注された磁性流体は、注入部位よりリンパ管に移行し、5分から15分後にセンチネルリンパ節に達してこのセンチネルリンパ節に滞留する。
【0044】
そして、術者は、磁性流体検出装置1のプローブ2を図示しないトラカールを介して外科的に体腔内に挿入して用いる。そして、術者は、プローブ2の先端を患者の病変部近傍に対して、動かしながらセンチネルリンパ節に滞留している磁性流体を検出する。
【0045】
このとき、術者は、患者の病変部近傍において、磁性流体を検出(測定)するときのみフットスイッチ7を踏み込みオンし続ける。
すると、制御装置4は、フットスイッチ7からのオン信号がアクチュエータコントローラ32に伝達され、アクチュエータコントローラ32からアクチュエータ23に電源電力が供給されてアクチュエータ23を駆動させ、所定の発振周波数で微小振動させる。
【0046】
すると、プローブ2は、センサユニット20が所定の発振周波数で微小振動されて励磁磁石21及びMRセンサ22が2つのMRセンサを含む直線に垂直で磁石を含む軸方向に微小振動する。
そして、プローブ2は、図4に示すように励磁磁石21がプローブ近傍の空間を励磁し、MRセンサ22で磁界分布の空間勾配(磁束密度)を測定する。
【0047】
ここで、被検体として患者の病変部近傍にセンチネルリンパ節45が存在していると、このセンチネルリンパ節45に磁性流体46が滞留しているので、励磁磁石21による印加磁界は、磁性流体46付近で吸い込まれて磁界分布に局所的な歪みが生じ、これにより、磁界分布の空間勾配(磁束密度)に変化が生じる。
【0048】
そして、プローブ2は、所定の発振周波数で励磁磁石21及びMRセンサ22が長手軸方向に微小振動しているので、励磁磁石21で励磁した磁性流体46による局所磁界に偏調が施される。
そして、偏調が施された磁性流体46による局所磁界分布の歪み(磁束密度の変化)は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)で検出される。
【0049】
MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力は、差動増幅器42で出力の差分を取られて増幅され、回路基板26のアンプで増幅されフィルタでフィルタ処理されて制御装置4へ出力される。
そして、制御装置4は、プローブ2のセンサユニット20からの信号をアンプ33で増幅し、A/Dコンバータ34でA/D変換してCPU35のUARTコントローラ35aでシリアルの出力信号に変換してRS232Cドライバ36に伝達し、RS232Cケーブル5を介してP.C.6へ出力する。
【0050】
ここで、P.C.6は、図5に示すフローチャートに基づき、術者に告知する制御を行う。
図5に示すようにP.C.6は、制御装置4からの信号をデータとして入力される(ステップS1)。そして、P.C.6は、入力されたデータに対して公知のフーリエ変換を行う(ステップS2)。
【0051】
次に、P.C.6は、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)を振動させている周波数(発振周波数)成分の強度を取り出し復調する(ステップS3)。
そして、P.C.6は、復調したデータを磁束密度の変化として数値やグラフに変換してモニタ画面に表示させたり(ステップS4)、付属のスピーカで測定値の大きさに応じて音を出力させて告知する(ステップS5)。
【0052】
そして、術者がフットスイッチ7から足を外してプローブ2による測定を終了するまで、P.C.6は、上記ステップS1〜S5を繰り返す。
ここで、磁性流体検出装置1は、測定中、磁性流体46による磁界の空間歪みがそれほど大きくないので、プリアンプ25のゲインを大きくして感度を上げる必要がある。このとき、術者は、例えば、図6に示すように地磁気中でプローブ2の向きを変えたりする場合がある。
【0053】
ここで、例えば、センサユニットは、図7に示すような4端子ブリッジ51からの出力Vin(V1,V2)を差動増幅器42で差動増幅してVoutとして出力するようにプリアンプ50を構成していると仮定すると、地磁気等の影響によりMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Voutが可変してプリアンプ50の出力が図8に示すように飽和して(電源電圧Vccを超えて)しまう。
尚、図7は回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図であり、図8は図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフである。
そして、この場合、磁性流体46の検出が困難となり、センチネルリンパ節45の正確な位置を同定することができなくなってしまう虞れが生じる。
【0054】
尚、図7に示す差動増幅器42の出力Voutは、入力(4端子ブリッジ41からの出力)Vinに対して式(3)に示すように表される。
【式3】
但し、G:プリアンプ25のゲイン,Vs:基準電圧値,
MR1:MR1センサの抵抗値,MR2:MR2センサの抵抗値
【0055】
本実施の形態では、上述したようにプリアンプ25からの出力に応じて可変抵抗器VR44の可変抵抗値を式(2)に基づき、可変するように構成しているので、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能である。
【0056】
従って、本実施の形態の磁性流体検出装置1は、プリアンプ25の出力が飽和する(電源電圧Vccを超える)ことがないので、プリアンプ25の飽和を解消できて磁性流体46を検出できる。これにより、本実施の形態の磁性流体検出装置1は、センチネルリンパ節45の正確な位置を同定可能である。
【0057】
尚、センサユニットは、図9に示すようにCdSフォトカプラを設けて構成しても良い。
図9は、センサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図である。
図9に示すようにセンサユニット20Bは、CdSフォトカプラ61を設けたプリアンプ25Bを有して構成されている。
【0058】
CdSフォトカプラ61は、光の強さ(禁制帯幅よりも大きなエネルギ)で抵抗(導電率)が変化する光導電効果( photo−conductive effect )を有する素子であるCdS61aと、LED( Light Emitting Diode )61bとを組み合わせたフォトカプラである。そして、CdSフォトカプラ61は、LED61bが発光してこの発光をCdS61aが受光して抵抗値が可変することで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)の差分をオフセットすることが可能である。
【0059】
これにより、センサユニット20Bは、CdSフォトカプラ61を設けることで、可変抵抗器VR44を用いることなく、また、通常のトランジスタやFETで構成される通常のフォトカプラを用いることによる非線形性を解除できる。
【0060】
また、偏調周波数が高い場合には、センサユニットは、図10に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングして構成しても良い。
図10は、センサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図である。
図10に示すようにセンサユニット20Cは、可変抵抗器を用いることなく、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの出力Vin(V1,V2)に対して直流成分をカットするコンデンサC62を用いてMRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングしたプリアンプ25Cを有して構成されている。
【0061】
これにより、センサユニット20Cは、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)とプリアンプ25とをACカップリングすることで、可変抵抗器VR44を用いることなく、簡易に構成できる。
【0062】
(第2の実施の形態)
図11及び図12は本発明の第2の実施の形態に係り、図11は本発明の第2の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図、図12は図11の制御装置の回路構成を示す回路ブロック図である。
本第2の実施の形態は、P.C.を用いることなく、プローブと制御装置のみで構成する。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0063】
即ち、図11に示すように本第2の実施の形態の磁性流体検出装置1Bは、P.C.6を用いることなく、上記第1の実施の形態で説明したのと同様なプローブ2と、制御装置4Bのみで構成される。
制御装置4Bは、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)が検出した磁束密度の変化を表示するためのLED等で形成された表示部71と、磁束密度の変化を音で告知するためのスピーカ72とをフロントパネルに設けている。
【0064】
尚、本実施の形態では、図11中において、表示部71は、LED等で形成されたインジケータを用いて構成しているが、表示部71としてLCD( Liquid Crystal Display)等を用いて画像表示するように構成しても良い。
【0065】
次に、図12を用いて制御装置4Bの内部構成を説明する。
図12は、制御装置4の回路構成を示す回路ブロック図である。
図12に示すように制御装置4Bは、アンプ33からの信号をアナログ信号で復調する復調回路73と、この復調回路73で復調されたアナログ信号をA/D変換するA/Dコンバータ74と、このA/Dコンバータ74で変換されたデジタル信号に基づいて表示部71のLEDやスピーカ72を駆動してP.C.6と同様な告知処理を行うCPU75とを有して構成されている。尚、復調回路73とA/Dコンバータ74とは、電気的に絶縁するためにアナログフォトカプラ76を介して接続している。
【0066】
このように構成される磁性流体検出装置1Bは、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に被検体内のセンチネルリンパ節45に滞留している磁性流体46を検出して、センチネルリンパ節45を同定するのに用いられる。
【0067】
そして、制御装置4Bは、プローブ2のセンサユニット20からの信号をアンプ33で増幅した後、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)を振動させている周波数(発振周波数)成分の強度を取り出し復調し、この復調したデータを磁束密度の変化として表示部71のLEDを発光させたり、スピーカ72で音を発生させて告知する。
尚、それ以外の動作は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、説明を省略する。
【0068】
この結果、本第2の実施の形態の磁性流体検出装置1Bは、上記第1の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、P.C.6を用いないので、より簡単に構成できる。
【0069】
(第3の実施の形態)
図13ないし図16は本発明の第3の実施の形態に係り、図13は本発明の第3の実施の形態の磁性流体検出装置を構成するプローブを示す説明図、図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の概略模式図、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ、図15は図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフ、図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の概略模式図、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0070】
上記第1,第2の実施の形態は、センサユニットを2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動させるように構成しているが、本第3の実施の形態は、センサユニットを2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動させるように構成する。それ以外の構成は、上記第1,第2の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0071】
即ち、図13に示すように本第3の実施の形態の磁性流体検出装置は、センサユニット20を2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動させるようにしたプローブ2Cを設けて構成される。
【0072】
更に具体的に説明すると、プローブ2Cは、例えば、非磁性のジョイント24Cとカム81とを用いてアクチュエータ23の駆動によりセンサユニット20を長手軸方向に対して垂直方向に微小振動させるように構成されている。尚、符号82は、アクチュエータ23を駆動するドライバである。
【0073】
このように構成することで、図14(a)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が磁性流体46に対して非対称の位置になることにより、図14(b)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が一番大きく出力されるようになる。尚、図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の様子を示す概略模式図であり、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0074】
そして、プローブ2CのMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号を復調してフーリエ変換すると、図15に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号はセンサユニット20の振動周波数に対して2倍の位置に現れることになる。尚、図15は、図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフである。
【0075】
ここで、センサユニット20を2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動させると、図16(a)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)が磁性流体46に対して対称の位置になることにより、図16(b)に示すようにMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が振動周波数に依存してしまう。尚、図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の様子を示す概略模式図であり、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフである。
【0076】
すると、振動周波数付近に現れるセンサユニット20内の配線等の接触抵抗などによるノイズで、MRセンサ22(MR1,MR2センサ)から出力される信号がかき消されてしまい、信号を検出することが困難となる。
【0077】
従って、プローブ2Cは、センサユニット20の振動周波数に対して2倍の位置にMRセンサ22(MR1,MR2センサ)からの信号が現れることにより、振動周波数付近に現れるノイズの影響を受けることなく、明瞭に検出可能となる。
【0078】
この結果、本第3の実施の形態の磁性流体検出装置は、上記第1,第2の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更により正確に磁性流体46を検出できて、効率良くセンチネルリンパ節45を同定できる。
【0079】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0080】
[付記]
(付記項1) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、
前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴とする磁性流体検出装置。
【0081】
(付記項2) 前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴とする付記項1に記載の磁性流体検出装置。
【0082】
(付記項3) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、
前記複数の磁気センサと前記プリアンプとをACカップリングしたことを特徴とする磁性流体検出装置。
【0083】
(付記項4) 前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記プリアンプとを複数の磁気センサを含む直線又は平面と平行方向に振動することを特徴とする付記項1〜3に記載の磁性流体検出装置。
【0084】
(付記項5) 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを複数の磁気センサを含む直線又は平面と平行方向に振動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出することを特徴とする磁性流体検出装置。
【0085】
(付記項6) 前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴とする付記項5に記載の磁性流体検出装置。
【0086】
(付記項7) 前記複数の磁気センサと前記プリアンプとをACカップリングしたことを特徴とする付記項5に記載の磁性流体検出装置。
【0087】
(付記項8) 前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴とする付記項6に記載の磁性流体検出装置。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、センチネルリンパ節の正確な位置を同定することができ、操作性良く、安価な磁性流体検出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成図
【図2】制御装置の回路構成を示す回路ブロック図
【図3】本実施の形態のセンサユニットの回路構成を示す回路ブロック図
【図4】センチネルリンパ節に滞留している磁性流体をセンサユニットが検出している際を示す概略模式図
【図5】P.C.の制御を示すフローチャート
【図6】地磁気中でプローブの向きを変えた際の概略模式図
【図7】回路構成を仮定した際のセンサユニットの回路ブロック図
【図8】図7のセンサユニットにおける出力Voutを示すグラフ
【図9】センサユニットの第1の変形例を示す回路ブロック図
【図10】センサユニットの第2の変形例を示す回路ブロック図
【図11】本発明の第2の実施の形態の磁性流体検出装置を示す全体構成
【図12】図11の制御装置の回路構成を示す回路ブロック図
【図13】本発明の第3の実施の形態の磁性流体検出装置を構成するプローブを示す説明図
【図14】図14(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と平行方向に微小振動している際の概略模式図、図14(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ
【図15】図14のセンサユニットで得られた信号をフーリエ変換した際のグラフ
【図16】図16(a)はセンサユニットが2つのMRセンサを含む直線と垂直で磁石を含む軸方向に微小振動している際の概略模式図、図16(b)は同図(a)のセンサユニットにおけるMRセンサからの信号を示すグラフ
【符号の説明】
1…磁性流体検出装置
2…プローブ
4…制御装置
6…P.C.
7…フットスイッチ
20…センサユニット
21…励磁磁石
22…MRセンサ(磁気センサ)
23…アクチュエータ
24…ジョイント
25…プリアンプ
26…回路基板
41…4端子ブリッジ
42…差動増幅器
43…負帰還回路
44…可変抵抗器
45…センチネルリンパ節
46…磁性流体
Claims (2)
- 被検体内部に滞留している磁性流体を励磁するための1個又は、複数の磁石と、前記磁石で励磁した前記磁性流体による局所磁界分布の歪みを検出するための複数の磁気センサと、
を具備し、
前記磁石のみ、前記磁石及び前記複数の磁気センサ、又は前記磁石及び前記複数の磁気センサと前記複数の磁気センサからの出力を増幅するためのプリアンプとを振動又は回動し、前記複数の磁気センサからの出力の差分を取り、更に復調することで前記磁性流体を検出する磁性流体検出装置であって、
前記複数の磁気センサからの出力の差分をオフセットするオフセット可変手段を設け、このオフセット可変手段は前記プリアンプからの出力に基づきオフセット量を可変することを特徴とする磁性流体検出装置。 - 前記オフセット可変手段は、CdSフォトカプラであることを特徴とする請求項1に記載の磁性流体検出装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013226407A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | K-Engineering Co Ltd | 磁性流体検知装置 |
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