JP2004305388A - 頚椎固定帯 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、使用しない時は面状で保管、運搬が容易であり、曲げることにより誰にでもフィットすることができ、且つ首を固定する機械的強度が充分ある頸椎固定帯を提供する。
【解決手段】弾性体からなる帯状体に形状保持性材料からなる芯材が積層されてなり、形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされていることを特徴とする頚椎固定帯であり、形状保持性材料は、延伸倍率10〜40倍の延伸オレフィン系樹脂シートであり、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向と帯状体の長さ方向が同一となるように積層されているのが好ましい。
【選択図】 図2
【解決手段】弾性体からなる帯状体に形状保持性材料からなる芯材が積層されてなり、形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされていることを特徴とする頚椎固定帯であり、形状保持性材料は、延伸倍率10〜40倍の延伸オレフィン系樹脂シートであり、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向と帯状体の長さ方向が同一となるように積層されているのが好ましい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、むちうち症等の治療の際に使用される頚椎固定帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、むちうち症の治療の際には、頚椎を固定するために頚椎固定帯が使用されており、頚椎固定帯は弾性を有する帯状体と芯材からなり、患者の首を覆うように円筒状になされており、固定部材で首に固定することにより使用されている。
【0003】
又、頚椎固定帯が首にフィットし、首をより安定的に固定するために、例えば、むちうち症等の治療のために、患者の首を全周にわたって覆うような所定幅を有する帯状に形成されているとともに、その両端部を接続することにより前記患者の首を覆うような円筒状とされる頸椎固定帯であって、前記患者の後頭部に相当する位置の幅寸法が他の部分の幅寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする頸椎固定帯や、首の前半分を覆う第1帯部材と、首の後半分を覆う第2帯部材とを備え、前記第1帯部材の長手方向両端部および前記第2帯部材の長手方向両端部がそれぞれ面状ファスナを介して接続可能であるとともに、前記第2帯部材が長手方向両端部よりも長手方向中央部が大きな幅寸法を有する略山形状であることを特徴とする頸椎固定帯(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−201784号公報
【0005】
しかし、これらの頸椎固定帯は弾性を有する帯状体だけで製造されている場合は、首を固定する力が弱く、固い芯材が入っている場合は、患者毎にその首の大きさに合わせて頸椎固定帯を製造する必要があり面倒であった。又、首の形状に固定してあるので、使用しない場合も風袋が大きく保管が面倒であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、使用しない時は面状で保管、運搬が容易であり、曲げることにより誰にでもフィットすることができ、且つ首を固定する機械的強度が充分ある頸椎固定帯を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の頚椎固定帯は、弾性体からなる帯状体に形状保持性材料からなる芯材が積層されてなり、形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされていることを特徴とする。
【0008】
上記帯状体は、弾性を有していればよく、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ゴム発泡体、軟質ポリウレタンシート、軟質ゴムシート等が挙げられる。
【0009】
上記帯状体は、首に直接当接されるのであるから、肌触りのよい布で被覆されているのが好ましく、特に、通気性がよく汗などの湿気の拡散性の優れた綿、スフ等の織布や不織布で被覆されているのが好ましい。又、布が抗菌処理されているのが好ましい。
【0010】
帯状体に積層されている芯材は、形状保持性材料からなり、この形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされている。
【0011】
上記形状保持性材料としては、曲げることによりその形状を保持しうる材料であれば任意の材料を使用可能であるが、軽量で衛生的な材料が好ましいので、延伸倍率10〜40倍の延伸オレフィン系樹脂シートが好ましく、この延伸オレフィン系樹脂シートはシートの延伸方向と略直角方向に曲げることにより、曲げた状態でその形状が保持される。
【0012】
上記延伸オレフィン系樹脂シートを構成するオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
【0013】
延伸オレフィン系樹脂シートは10〜40倍と高度に延伸され、且つ、引張強度、弾性率等の機械的強度が高いものが好ましいが、高密度ポリエチレン樹脂の密度は小さくなると延伸しても機械的強度が向上しなくなるので、0.94g/cm3 以上が好ましい。
【0014】
又、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量は、小さくなり過ぎると延伸しても機械的強度があまり向上せず、大きくなり過ぎるとフィルム成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましく、メルトインデックス(MI)はフィルム成形性が優れている0.1〜20が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。
【0015】
延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は小さいと機械的強度が向上せず、大きくなると横裂けしやすくなるので10〜40倍が好ましく、より好ましくは12〜35倍である。
【0016】
オレフィン系樹脂シートの延伸方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、10〜40倍と高度に延伸するのであるから、オレフィン系樹脂シートを圧延した後、延伸又は延伸を複数回繰り返す多段延伸する方法が好ましい。
【0017】
上記圧延は、オレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法であり、圧延されたシートは延伸シートとは異なり、オレフィン系樹脂が配向されることなく緻密になっているので、高度に延伸しやすくなっている。
【0018】
圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。
【0019】
尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
【0020】
又、圧延倍率は小さいと後の延伸に負担がかかり、大きくするのは圧延が困難になるので4〜10倍が好ましい。尚、本発明において、圧延倍率及び延伸倍率は、圧延又は延伸前のシートの断面積を圧延又は延伸後のシートの断面積で徐した値である。
【0021】
上記延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
【0022】
延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
【0023】
又、延伸倍率は、全体の延伸倍率が10〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、全体の延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、延伸が少ないと形状保持性が低下するので、1.2倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上である。尚、全体の延伸倍率は圧延倍率と延伸倍率を乗じた数値である。
【0024】
上記延伸オレフィン系樹脂シートは帯状体に積層されているが、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向と帯状体の長さ方向が略同一となるように積層されているのが好ましい。又、帯状体の間に1枚ないし複数枚積層されてもよいし、帯状体の両面に積層されてもよい。
【0025】
上記形状保持性材料は、薄くなると形状保持性能が低下し、厚くなると、曲げにくくなるため、その厚みは一般に0.05〜3mmであり、好ましくは0.5〜1.5mmである。
【0026】
上記形状保持性材料を帯状体に積層する方法としては、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、延伸オレフィン系樹脂シートと帯状体を重ね合わせ布で包む方法、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコン系等の接着剤や粘着剤で接着する方法、エチレンー酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリエチレン樹脂等のホットメルト型接着剤で接着する方法、ミシン等で縫合する方法等が挙げられる。
【0027】
ホットメルト型接着剤で接着する際には、ホットメルト接着剤を溶融し、塗布しながら接着してもよいし、ホットメルト型接着剤シートを積層し、加熱加圧しながら接着してもよいが、加熱温度が高くなると、延伸オレフィン系樹脂シートが収縮するようになるので、延伸オレフィン系樹脂シートが実質的に熱収縮しない温度、即ち、延伸熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂の「融点−10℃」以下で接着されるのが好ましい。
【0028】
本発明の頚椎固定帯においては、頚椎固定帯を首に安定的に固定できるように、帯状体の両端部付近に接合部材が付着されているのが好ましい。
【0029】
上記接合部材としては、頚椎固定帯を首に安定的に固定しうる接合部材であれば任意のものが使用可能であり、例えば、面状ファスナ、ベルト、ボタン、ホック、スナップ、紐等が挙げられ、作業性のよい面状ファスナが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明を図面を参照して説明する。図1は本発明の頚椎固定帯の1例を示す正面図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。
【0031】
図中1は、綿布よりなり、帯状に形成された袋であり、内面に延伸ポリエチレン樹脂シート2とその両面に積層された発泡倍率30倍のポリエチレン発泡体よりなる帯状体3、3が内臓されている。又、袋1の両端部付近には面状ファスナ4、4が付着されている。尚、延伸ポリエチレン樹脂シートの製造方法及び積層方法は以下の通りである。
【0032】
重量平均分子量(Mw)3.3×105 、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製)を、同方向二軸混練押出機(プラスチック工学研究所製)に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅25cm、厚さ9.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
【0033】
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率8.8倍に圧延し、幅24.5cm、厚み1.1mmの圧延シートを得た。
【0034】
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて1.7倍の多段延伸を行い、総延伸倍率15倍、幅20cm、厚さ300μmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0035】
フィルム融着装置(甲南設計工業製)を用いて得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの両面に、融点120℃、幅20cm、厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂シート(積水フィルム社製)を160℃の加熱ロールにて熱融着(シート温度125℃)して厚さ330μmの積層シートを得た。
【0036】
得られた積層シートを長さ50cm、幅10cmに切断し、ポリエチレン発泡体の間に挿入し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向とポリエチレン発泡体長さ方向が同一となるように合わせ、プレス機にて120℃、5.0kg/cm2 の条件で熱融着した。
【0037】
図1に示した本発明の頚椎固定帯は、延伸ポリエチレン樹脂シート2を首に合わせて曲げると、首の形状で保持され、首を固定保護することができる。又、面状ファスナで固定することができ、首の大きさに係らず固定保護することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の頚椎固定帯の構成は上述の通りであり、形状保持性材料を曲げることにより誰にでもフィットすることができ、且つ首を固定する機械的強度が充分あるので首を安全に固定保護できる。又、使用しない時は面状で保管、運搬が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の頚椎固定帯の1例を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
1 袋
2 延伸ポリエチレン樹脂シート
3 帯状体
4 面状ファスナ
【発明の属する技術分野】
本発明は、むちうち症等の治療の際に使用される頚椎固定帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、むちうち症の治療の際には、頚椎を固定するために頚椎固定帯が使用されており、頚椎固定帯は弾性を有する帯状体と芯材からなり、患者の首を覆うように円筒状になされており、固定部材で首に固定することにより使用されている。
【0003】
又、頚椎固定帯が首にフィットし、首をより安定的に固定するために、例えば、むちうち症等の治療のために、患者の首を全周にわたって覆うような所定幅を有する帯状に形成されているとともに、その両端部を接続することにより前記患者の首を覆うような円筒状とされる頸椎固定帯であって、前記患者の後頭部に相当する位置の幅寸法が他の部分の幅寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする頸椎固定帯や、首の前半分を覆う第1帯部材と、首の後半分を覆う第2帯部材とを備え、前記第1帯部材の長手方向両端部および前記第2帯部材の長手方向両端部がそれぞれ面状ファスナを介して接続可能であるとともに、前記第2帯部材が長手方向両端部よりも長手方向中央部が大きな幅寸法を有する略山形状であることを特徴とする頸椎固定帯(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−201784号公報
【0005】
しかし、これらの頸椎固定帯は弾性を有する帯状体だけで製造されている場合は、首を固定する力が弱く、固い芯材が入っている場合は、患者毎にその首の大きさに合わせて頸椎固定帯を製造する必要があり面倒であった。又、首の形状に固定してあるので、使用しない場合も風袋が大きく保管が面倒であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、使用しない時は面状で保管、運搬が容易であり、曲げることにより誰にでもフィットすることができ、且つ首を固定する機械的強度が充分ある頸椎固定帯を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の頚椎固定帯は、弾性体からなる帯状体に形状保持性材料からなる芯材が積層されてなり、形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされていることを特徴とする。
【0008】
上記帯状体は、弾性を有していればよく、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ゴム発泡体、軟質ポリウレタンシート、軟質ゴムシート等が挙げられる。
【0009】
上記帯状体は、首に直接当接されるのであるから、肌触りのよい布で被覆されているのが好ましく、特に、通気性がよく汗などの湿気の拡散性の優れた綿、スフ等の織布や不織布で被覆されているのが好ましい。又、布が抗菌処理されているのが好ましい。
【0010】
帯状体に積層されている芯材は、形状保持性材料からなり、この形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされている。
【0011】
上記形状保持性材料としては、曲げることによりその形状を保持しうる材料であれば任意の材料を使用可能であるが、軽量で衛生的な材料が好ましいので、延伸倍率10〜40倍の延伸オレフィン系樹脂シートが好ましく、この延伸オレフィン系樹脂シートはシートの延伸方向と略直角方向に曲げることにより、曲げた状態でその形状が保持される。
【0012】
上記延伸オレフィン系樹脂シートを構成するオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
【0013】
延伸オレフィン系樹脂シートは10〜40倍と高度に延伸され、且つ、引張強度、弾性率等の機械的強度が高いものが好ましいが、高密度ポリエチレン樹脂の密度は小さくなると延伸しても機械的強度が向上しなくなるので、0.94g/cm3 以上が好ましい。
【0014】
又、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量は、小さくなり過ぎると延伸しても機械的強度があまり向上せず、大きくなり過ぎるとフィルム成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましく、メルトインデックス(MI)はフィルム成形性が優れている0.1〜20が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。
【0015】
延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は小さいと機械的強度が向上せず、大きくなると横裂けしやすくなるので10〜40倍が好ましく、より好ましくは12〜35倍である。
【0016】
オレフィン系樹脂シートの延伸方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、10〜40倍と高度に延伸するのであるから、オレフィン系樹脂シートを圧延した後、延伸又は延伸を複数回繰り返す多段延伸する方法が好ましい。
【0017】
上記圧延は、オレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法であり、圧延されたシートは延伸シートとは異なり、オレフィン系樹脂が配向されることなく緻密になっているので、高度に延伸しやすくなっている。
【0018】
圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。
【0019】
尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
【0020】
又、圧延倍率は小さいと後の延伸に負担がかかり、大きくするのは圧延が困難になるので4〜10倍が好ましい。尚、本発明において、圧延倍率及び延伸倍率は、圧延又は延伸前のシートの断面積を圧延又は延伸後のシートの断面積で徐した値である。
【0021】
上記延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
【0022】
延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
【0023】
又、延伸倍率は、全体の延伸倍率が10〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、全体の延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、延伸が少ないと形状保持性が低下するので、1.2倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上である。尚、全体の延伸倍率は圧延倍率と延伸倍率を乗じた数値である。
【0024】
上記延伸オレフィン系樹脂シートは帯状体に積層されているが、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向と帯状体の長さ方向が略同一となるように積層されているのが好ましい。又、帯状体の間に1枚ないし複数枚積層されてもよいし、帯状体の両面に積層されてもよい。
【0025】
上記形状保持性材料は、薄くなると形状保持性能が低下し、厚くなると、曲げにくくなるため、その厚みは一般に0.05〜3mmであり、好ましくは0.5〜1.5mmである。
【0026】
上記形状保持性材料を帯状体に積層する方法としては、従来公知の任意の積層方法が採用されてよく、例えば、延伸オレフィン系樹脂シートと帯状体を重ね合わせ布で包む方法、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコン系等の接着剤や粘着剤で接着する方法、エチレンー酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリエチレン樹脂等のホットメルト型接着剤で接着する方法、ミシン等で縫合する方法等が挙げられる。
【0027】
ホットメルト型接着剤で接着する際には、ホットメルト接着剤を溶融し、塗布しながら接着してもよいし、ホットメルト型接着剤シートを積層し、加熱加圧しながら接着してもよいが、加熱温度が高くなると、延伸オレフィン系樹脂シートが収縮するようになるので、延伸オレフィン系樹脂シートが実質的に熱収縮しない温度、即ち、延伸熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂の「融点−10℃」以下で接着されるのが好ましい。
【0028】
本発明の頚椎固定帯においては、頚椎固定帯を首に安定的に固定できるように、帯状体の両端部付近に接合部材が付着されているのが好ましい。
【0029】
上記接合部材としては、頚椎固定帯を首に安定的に固定しうる接合部材であれば任意のものが使用可能であり、例えば、面状ファスナ、ベルト、ボタン、ホック、スナップ、紐等が挙げられ、作業性のよい面状ファスナが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明を図面を参照して説明する。図1は本発明の頚椎固定帯の1例を示す正面図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。
【0031】
図中1は、綿布よりなり、帯状に形成された袋であり、内面に延伸ポリエチレン樹脂シート2とその両面に積層された発泡倍率30倍のポリエチレン発泡体よりなる帯状体3、3が内臓されている。又、袋1の両端部付近には面状ファスナ4、4が付着されている。尚、延伸ポリエチレン樹脂シートの製造方法及び積層方法は以下の通りである。
【0032】
重量平均分子量(Mw)3.3×105 、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製)を、同方向二軸混練押出機(プラスチック工学研究所製)に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅25cm、厚さ9.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
【0033】
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率8.8倍に圧延し、幅24.5cm、厚み1.1mmの圧延シートを得た。
【0034】
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて1.7倍の多段延伸を行い、総延伸倍率15倍、幅20cm、厚さ300μmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0035】
フィルム融着装置(甲南設計工業製)を用いて得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの両面に、融点120℃、幅20cm、厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂シート(積水フィルム社製)を160℃の加熱ロールにて熱融着(シート温度125℃)して厚さ330μmの積層シートを得た。
【0036】
得られた積層シートを長さ50cm、幅10cmに切断し、ポリエチレン発泡体の間に挿入し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向とポリエチレン発泡体長さ方向が同一となるように合わせ、プレス機にて120℃、5.0kg/cm2 の条件で熱融着した。
【0037】
図1に示した本発明の頚椎固定帯は、延伸ポリエチレン樹脂シート2を首に合わせて曲げると、首の形状で保持され、首を固定保護することができる。又、面状ファスナで固定することができ、首の大きさに係らず固定保護することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の頚椎固定帯の構成は上述の通りであり、形状保持性材料を曲げることにより誰にでもフィットすることができ、且つ首を固定する機械的強度が充分あるので首を安全に固定保護できる。又、使用しない時は面状で保管、運搬が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の頚椎固定帯の1例を示す正面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
1 袋
2 延伸ポリエチレン樹脂シート
3 帯状体
4 面状ファスナ
Claims (3)
- 弾性体からなる帯状体に形状保持性材料からなる芯材が積層されてなり、形状保持性材料を曲げた状態でその形状が保持されるようになされていることを特徴とする頚椎固定帯。
- 帯状体の両端部付近に接合部材が付着されていることを特徴とする請求項1記載の頚椎固定帯。
- 形状保持性材料が、延伸倍率10〜40倍の延伸オレフィン系樹脂シートであり、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向と帯状体の長さ方向が同一なるように積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の頚椎固定帯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003101940A JP2004305388A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 頚椎固定帯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003101940A JP2004305388A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 頚椎固定帯 |
Publications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155755A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Sekisui Seikei Ltd | ポリオレフィン系樹脂織成シート |
JP2009233904A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Sekisui Seikei Ltd | 形状保持性成形体の製造方法 |
US8142380B2 (en) | 2006-07-07 | 2012-03-27 | Hasegawa Corporation | Folding cervical vertebra protective band |
JP2012077434A (ja) * | 2011-12-14 | 2012-04-19 | Sekisui Seikei Ltd | ポリオレフィン系樹脂織成シート |
JP2013215246A (ja) * | 2012-04-05 | 2013-10-24 | Eiji Hanaoka | 脊椎変形矯正装具 |
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2003
- 2003-04-04 JP JP2003101940A patent/JP2004305388A/ja active Pending
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