JP2004305366A - 超音波処置装置 - Google Patents

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JP2004305366A
JP2004305366A JP2003101645A JP2003101645A JP2004305366A JP 2004305366 A JP2004305366 A JP 2004305366A JP 2003101645 A JP2003101645 A JP 2003101645A JP 2003101645 A JP2003101645 A JP 2003101645A JP 2004305366 A JP2004305366 A JP 2004305366A
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洋 岡部
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Abstract

【課題】電線が摩損しても継続的に駆動可能な耐性に優れた超音波処置装置を提供する。
【解決手段】超音波処置装置10は、超音波振動を生じる圧電素子23と、圧電素子23の各端面に配設される電極24と、超音波振動を生体組織に向けて伝達するホーン部20とを有する超音波振動子16と、この超音波振動子16の外周を覆うケーシング15と、各電極23にそれぞれ電気的に接続され、ケーシング15と超音波振動子16との間を通してケーシング15の外側に導かれた複数の電線32−34と、電線32−34を通して電極24に電気エネルギを供給する電源12とを備えている。電線33,34は、マイナス電極24a,24c,24e,24gに接続され、これらマイナス電極24a,24c,24e,24gに接続された電線33,34がケーシング15の外側まで別配線で導かれている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば超音波手術等に用いられる超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波処置装置は、電源装置から電気エネルギが供給されると超音波振動を発生するハンドピースを備えている。このハンドピースには、ランジュバン型ボルト締め超音波振動子が配設され、略円錐状のホーン部に超音波振動を伝達する。そして、このハンドピース(ホーン部)の先端部には、ハンドピースで発生させた超音波振動を伝達し、伝達された超音波振動で生体組織を処置する金属材製のプローブが配設されている。
【0003】
このような超音波処置装置に関する技術として、例えば特許文献1ないし特許文献3がある。特許文献1は、超音波処置装置のハンドピース内の配線が工夫されたものである。これは、電極および圧電素子で形成されるブロック形状のランジュバン型ボルト締め超音波振動子の一部に電線埋め込み用の溝が形成されている。そして、これらの溝に電線(リード線)を埋め込むことで電線が配設される空間を縮小してハンドピースの小型化を実現している。
【0004】
次に、特許文献2は、ランジュバン型ボルト締め超音波振動子を有するハンドピース内の一般的な配線が示されている。これは、電線(リード線)をそれぞれ電極に結線して電線をケーシングの末端まで導く構造である。
【0005】
さらに、特許文献3は、超音波処置装置のハンドピース内の配線が工夫されたものである。これは、超音波振動子の電線(リード線)とケーシングとの間に絶縁性部材を介在させている。これにより、超音波振動子の電線とケーシングとの間に絶縁のためのスペースを空けることなく電気的な安全性を実現し、ハンドピースの小型化を実現している。
【0006】
【特許文献1】
実開平5−76572号公報
【0007】
【特許文献2】
国際公開第95/09445号パンフレット
【0008】
【特許文献3】
特開平5−95957号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、上述したように、超音波振動子のブロック形状の一部に溝を掘ってこれらの溝に電線を埋め込むことでハンドピースの小型化を実現している。しかし、ブロック形状が部分的に異型形状になるので振動工学的に安定駆動(安定振動)させることが難しく、かつ、例えば溝の縁などで発熱するおそれもある。また、ハンドピースを連続駆動(超音波振動)させることにより、超音波振動しているブロック形状に電線が絶えずこすり付けられる状態で保持されるので、電線が摩損するおそれもある。
【0010】
特許文献2では、それぞれの電線をケーシングの末端まで導くので、超音波振動子のブロック形状の周辺の配線は難雑になる。このため、超音波振動をしているブロック形状に電線が絶えずこすり付けられる状態で保持されるので、電線が摩損するおそれがある。
【0011】
特許文献3では、上述したように、超音波振動子の電線とケーシングの間に絶縁部材を配置して内部構造を密にすることによってハンドピースの小型化を実現している。しかし、この場合も超音波振動しているブロック形状に電線が絶えずこすり付けられる状態で保持されるので、電線が摩損するおそれは残ったままである。
【0012】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、一部の電線が摩損しても継続的に駆動可能で耐久性に優れた超音波処置装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、この発明の超音波処置装置は、超音波振動を生じる少なくとも1つの圧電素子と、前記圧電素子の各端面に配設される電極と、前記圧電素子で発生させた超音波振動を増幅するホーン部と、前記圧電素子と電極とを貫通するボルトによって前記ホーン部とともに一体化された超音波振動ブロックが形成されるランジュバン型超音波振動子と、この超音波振動子を覆うケーシングとを備えている。そして、前記超音波振動子に電気エネルギを供給する電線の少なくとも2つがマイナス電極に接続され、これらマイナス電極に接続された電線がそれぞれ別配線で構成されていることを第1の特徴とする。
【0014】
このような構成を有するので、マイナス側の電線の1つが摩損しても継続的に超音波処置装置を駆動させることができる。
【0015】
また、好ましくは、前記少なくとも2つのマイナス電極は、前記ホーン部と電気的に導通した同一電位状態にあることを第2の特徴とする。
【0016】
このような構成を有するので、電線の1つが摩損したときに振動可能な圧電素子間にかかる電圧を摩損する前に比べて略同一に保つことができ、かつ、ホーン部をマイナス側電線と同一電位状態にすることができる。
【0017】
また、好ましくは、前記少なくとも2つのマイナス電極は、アース状態にあることを第3の特徴とする。
【0018】
このような構成を有するので、感電を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。超音波処置装置は、大きくは超音波凝固切開装置と超音波吸引装置とに大別される。本実施の形態の超音波処置装置は、その両方に利用可能であるが、ここでは特に、超音波凝固切開装置に適用した例について実施の形態を説明する。
【0020】
まず、第1の実施の形態について図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係わる超音波処置装置10は、術者が把持するハンドピース11と、このハンドピース11に電気エネルギを供給する電源装置(出力装置)12とを備えている。この電源装置12には、電源装置12から出力される電気エネルギを選択的に制御するフットスイッチ13が接続されている。
【0021】
図2は、ハンドピース11の内部構成を示すものである。図2に示すように、ハンドピース11は、略円筒状に形成されたケーシング15と、このケーシング15の内部に内挿されたランジュバン型ボルト締め超音波振動子16とを備えている。ケーシング15の先端側は開口し、基端側は略閉塞されている。このケーシング15は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材など、非導電性を備えた硬質樹脂材で形成されている。また他に、ケーシング15の芯材が金属材(導電性部材)によって形成され、この芯材の内周面および外周面に非導電性部材(例えばPTFE材)が被覆される構成にしても良い。
【0022】
ランジュバン型ボルト締め超音波振動子16は、略テーパ状に先細に形成された金属材製のホーン部20と、このホーン部20に超音波振動を伝達する超音波振動ブロック21とを備えている。ホーン部20の基端側には、テーパ状に先細となる円錐状の円錐状部20aが設けられている。この円錐状部20aの先端側には、円柱状の円柱状部20bの基端部が段差なく一体的に形成されている。ホーン部20(円錐状部20a)の基端部には、軸中心から外方側に突出したフランジ部20cが形成されている。ホーン部20の基端面の軸心部には、円柱状部20bと同一軸上にねじ孔20dが形成され、このねじ孔20dには、後述するボルト28が螺着されるようになっている。一方、ホーン部20(円柱状部20b)の先端部には、後述するプローブ42の基端部が連結される。
【0023】
超音波振動ブロック21は、例えばセラミックス材で略ドーナツ状に形成された複数(この実施の形態では6つ)の圧電素子(圧電セラミックス)23a−23f(以下、代表して主に符号23を付す)と、中心に貫通孔が形成された略円盤状の複数(この実施の形態では7つ)の電極24a−24g(以下、代表して主に符号24を付す)とを備えている。なお、電極24は、チタンやアルミニウム、銅、黄銅などの電気を通しやすい薄い金属材で形成されていることが好適である。
【0024】
そして、各電極24間には、貫通孔(中心軸)を揃えた状態で圧電素子23が配設されている。すなわち、6つの圧電素子23と、7つの電極24とが交互に積層される状態で並設されている。この積層体の圧電素子23および電極24の貫通孔には、ボルト28が貫通されている。さらに、ボルト28の先端部は、ホーン部20の上述したねじ孔20dに強くねじ込まれている。このように、ボルト28がホーン部20に対して強くねじ込まれることによって、各圧電素子23および各電極24がボルト28とホーン部20とによって例えば万力で固定するように強固に挟み込まれている。このため、各圧電素子23の両端面には、それぞれ電極24が強固に密着された状態にある。このように、ホーン部20には、超音波振動ブロック21が強固に固定されている。なお、ボルト28の軸部外周面と各圧電素子23および各電極24の貫通孔の内周面との間には、絶縁材からなるスペーサ29が配設されている。このため、隣接する電極24同士がボルト28を介して電気的に導通しないようになっている。
【0025】
ケーシング15の先端部側の内周には、フランジ受部30が内方側に突設されている。また、フランジ受部30の前方側の内周面には、めねじ部30aが形成されている。そして、このフランジ受部30には、上述したホーン部20のフランジ部20cが前方側から当接されている。なお、ホーン部20のフランジ部20cとケーシング15のフランジ受部30との間に例えばゴム材からなるOリング(図示せず)が配設されている。この状態で、ケーシング15のめねじ部30aに螺着するおねじ部(図示せず)を備えた固定リング30bが嵌められている。このため、ケーシング15の内部に水や血液等の液体が浸入することが防止される。
【0026】
すなわち、ケーシング15のフランジ受部30に当接するようにホーン部20のフランジ部20cが配設されている。さらにホーン部20のフランジ部20cの前方側から固定リング30bが螺挿されてホーン部20がケーシング15に固定されている。このように、ランジュバン型ボルト締め超音波振動子16がケーシング15に固定されている。このため、ケーシング15は、術者が支持する支持部となり、かつ、水密を確保する土台となってランジュバン型ボルト締め超音波振動子16を保護することができる。
【0027】
また、図1に示すように、ハンドピース11の先端部には、細長い金属材製のプローブ42が配設されている。このプローブ42の基端部には、ホーン部20の円柱状部20b(ハンドピース11)の先端部に接続されている。そして、超音波振動ブロック21で発生させた超音波振動をホーン部20を介してプローブ42に伝達するようになっている。ケーシング15には、ホーン部20の先端部からプローブ42の先端部までを覆うように、シース43が配設されている。シース43は、振動するプローブ42に術者が接触しないように保護するものである。また、このシース43の先端部には、プローブ42の先端部と対向する位置に、ジョー43aの基端部が回動可能に枢支されている。シース43の基端側の操作部43bには、ジョー43aを開閉操作するハンドル43cが設けられている。このハンドル43cの操作時には、シース43内に配設された例えば操作ロッド(図示せず)を牽引操作してジョー43aを開閉させる。この操作によりジョー43aは、プローブ42に対して開閉操作される。そして、ジョー43aとプローブ42との間に生体組織の処置位置を挟み込むなどして、プローブ42の振動を処置位置に効率良く伝達する。
【0028】
一方、ケーシング15(ハンドピース11)の後端部には、ケーブル18の一端が配設されている。ケーシング15の後端部には、このケーブル18の一端の屈曲を防止する折れ止め19が配設されている。このケーブル18の他端は、超音波振動子16に電気エネルギを供給する電源装置12(図1参照)に接続されている。図1に示すように、このケーブル18の他端には、コネクタ31が設けられている。このコネクタ31は上述した電源装置12のコネクタ受部(図示せず)に着脱自在である。すなわち、ハンドピース11と電源装置12とは、着脱自在である。
【0029】
電源装置12には、超音波出力レベルを設定する制御回路(図示せず)が設けられている。そして、少なくとも2段階以上に超音波出力レベルを設定可能な出力レベル設定ボタン38が設けられている。このため、電源装置12は、出力レベル設定ボタン38によって、ハンドピース11に対する出力を調整することができる。また、電源装置12には、さらに電源装置12自体の電源をON/OFFに切り換える電源スイッチ(メインスイッチ)39が設けられている。
【0030】
そして、この電源装置12には、ケーブル40によってフットスイッチ13が接続されている。フットスイッチ13には、超音波設定出力ペダル13aと、超音波最大出力ペダル13bとが設けられている。超音波設定出力ペダル13aが足踏み操作されると、電源装置12から出力レベル設定ボタン38で設定した値の電気エネルギ(電力)が出力される。超音波最大出力ペダル13bが足踏み操作されると、電源装置12の出力レベル設定ボタン38で設定した値に関わらず、ハンドピース11が許容する最大の電気エネルギ(電力)が電源装置12から出力される。
【0031】
また、図2に示すように、上述したケーブル18には、例えば3本の芯線32,33,34(第1の芯線32、第2の芯線33および第3の芯線34)が内挿されている。そして、第1の芯線32がプラス側芯線、第2の芯線33がマイナス側芯線、第3の芯線34がアース側芯線となっている。第2および第3の芯線33,34は、ケーブル18の後方側(上述したコネクタ31(図1参照)近傍)または、電源装置12内で電気的に接続されている。すなわち、第2および第3の芯線33,34は、同一電位状態である。また、この実施の形態でマイナス側とは、アース状態である。つまり、第2および第3の芯線33,34は、アースされた状態にある。
【0032】
そして、第1の芯線32には、第1の芯線32を例えば3本に分岐したリード線(電線)32a,32b,32cを介して電極24b,24d,24fがそれぞれ電気的に接続されている。また、第2の芯線33には、第2の芯線33を例えば3本に分岐したリード線(電線)33a,33b,33cを介して電極24c,24e,24gがそれぞれ電気的に接続されている。さらに、第3の芯線34には、第3の芯線34のリード線(電線)34aを介して電極24aが電気的に接続されている。そうすると、電極24は、ボルト28の基端部側から先端部に向けて、マイナス(アース)、プラス、マイナス(アース)、…、マイナス(アース)のように交互に配設されている。このため、ホーン部20と接触する位置の電極24aにはマイナス(アース)が接続されている。
【0033】
次に、このような構成を有する第1の実施の形態に係わる超音波処置装置10の作用について説明する。
図1に示す電源装置12の電源スイッチ39をONにする。そして、電源装置12の超音波出力レベル設定ボタン38を操作して電源装置12のハンドピース11への電気エネルギ出力を設定しておく。その後、フットスイッチ13の超音波設定出力ペダル13aを足踏み操作して電源装置12の出力をONに切り換える。すると、電源装置12からハンドピース11に所定の電気エネルギが供給される。
【0034】
続いて、電源装置12からハンドピース11への電気エネルギの流れについて説明する。
電源装置12から出力される電気エネルギは、プラス側の芯線32からプラス側のリード線32a−32cを通してそれぞれ電極24b,24d,24fに流れる。その後、圧電素子23を介し、電極24c,24e,24g,24aからマイナスのリード線33a−33c,34aを経てマイナス側の芯線33,34を通して電源装置12に流れる。
【0035】
このとき、各圧電素子23は、両極の電位差による圧電効果によって振動する。したがって、振動ブロック21全体から超音波振動が生じる。そして、振動ブロック21に密着したホーン部20に超音波振動が伝達される。このとき伝達される超音波振動は、ホーン部20の先端(円柱状部20b)に向けて振幅拡大されて伝達される。さらに、ホーン部20(円柱状部20b)の先端からプローブ42に超音波振動が伝達される。
【0036】
このようにしてプローブ42の先端側に超音波振動を伝達させる。このとき、シース43のジョー43aとプローブ42とで生体の処置したい部位を挟み込んだ状態でハンドピース11に超音波振動を生じさせることにより、処置したい部位に対して容易に切開などの処置を行うことができる。
【0037】
そして、超音波処置装置10(ハンドピース11)を使用し(振動させ)続けると、ケーシング15の内周面にリード線32a−32c,33a−33c,34aが接触して摩損することがある。一般に、振動ブロック21は、ケーシング15のフランジ受部30では殆ど振動せず、振動量はボルト28の基端部側に近づくほど大きくなる。すなわち、複数のリード線32a−32c,33a−33c,34aのうち、最も断線する可能性が高いのは、ボルト28の最も基端部側に設けられた電極24gに結線されたリード線33cである。このため、この実施の形態では、最もボルト28の基端部に近い電極24gに接続されたリード線33cが断線した場合、すなわち芯線33が断線した場合の作用について説明する。
【0038】
リード線33cが断線すると、圧電素子23b−23fを振動させることができなくなる。このとき、最もホーン部20に近接する側に配設された圧電素子23aには、マイナス側(アース側)のリード線34aが結線された電極24aが配設されている。このため、圧電素子23aの両極である電極24a,24bによって、電位差を生じさせることができる。そうすると、ハンドピース11は、圧電効果により圧電素子23aを超音波振動させ続けることができ、圧電素子23aの超音波振動がホーン部20を介してプローブ42に伝達される。したがって、リード線33cが断線しても、マイナス側(アース側)の別配線を介して電気エネルギが流れる通電状態を保持することができ、生体組織に対して超音波処置を行える。
【0039】
なお、このとき、上述したフットスイッチ13の超音波最大出力ペダル13bを踏むと、圧電素子23aに上述した出力レベル設定ボタン38で設定した出力よりも大きな出力を与えることができる。このため、圧電素子23aの超音波振動の出力を大きくすることができる。なお、出力レベル設定ボタン38を設定し直して出力レベルを大きくするように設定した後、超音波設定出力ペダル13aを踏んでも良い。このように、圧電素子23aの超音波振動の出力を大きくすることができるので、超音波振動の出力をあまり落とすことなく生体組織に超音波処置のための振動を伝達することができる。
【0040】
また、リード線34a、電極24aおよびホーン部20はアース状態で互いに電気的に接続されているので、術者が感電することは防止される。
【0041】
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
ホーン部20が常にアース状態にあるので、術者が感電する危険性を低く抑えることができる。また、リード線33cが断線したとしても圧電素子23aを超音波駆動させ続けることができるので、生体組織に対して処置を続けることができる。したがって、ハンドピース11の耐性を向上させることができる。すなわち、一部の電線(リード線)が摩損など、断線しても継続的に駆動可能で耐性に優れた超音波処置装置10を提供することができる。
【0042】
また、振動ブロック21が段差なく円筒状に形成されているので、局部的な発熱のおそれを低くすることができる。このため、ハンドピース11を連続的に超音波振動させても、ハンドピース11の故障を防止することができる。
【0043】
また、高周波処置具等を近くで使用しても、ケーシング15が非導電性部材で覆われているので、術者が感電することを防止することができる。
【0044】
次に、第2の実施の形態について図3を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態のハンドピース11の変形例である。
【0045】
図3に示すように、この実施の形態では、図2に示すホーン部20に当接した電極24aの代わりに、ケーシング15のフランジ受部30と、導電性のホーン部20のフランジ部20cとの間に金属材製(導電性)のワッシャー25aが配設されている。そして、このワッシャー25aには、電極24aと同様にリード線34aが結線されている。したがって、リード線34a、ワッシャー25aおよびホーン部20は、電気的に接続されている。なお、ゴム材製のOリング(図示せず)がケーシング15のフランジ受部30と、ホーン部20のフランジ部20cとの間に嵌められている。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0046】
なお、この実施の形態に係わる超音波処置装置10の作用および効果は第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0047】
次に、第3の実施の形態について図4(A)ないし図4(C)を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0048】
図4(A)に示す筒状のケーシング48は、導電体で形成されている。図4(A)に示すように、第1の実施の形態と同様に、複数の圧電素子23が配設されている。プラス側の電極49は、図4(B)および図4(C)に示すように、3つの電極が一体的に形成されている。電極49は、L字状に形成され、各端部には、中央に貫通孔を有する円盤状の電極が設けられている。そして、電極49は、図4(B)に示すL字状の状態から図4(C)に示す矢印a,bに示すように折り曲げられて3つの電極の貫通孔が1つの軸上に配設されるように形成されている。つまり、図4(B)中の中央の電極に対して上側の電極が奥側に、左側の電極が手前側に折り返されている。
【0049】
マイナス側の電極50は、図示しないが、4つの電極50がプラス側の電極49と同様に一体的に形成されている。例えば、電極50は、コ字状に形成され、各端部には、中央に貫通孔を有する円盤状の電極が設けられている。そして、電極50は、図4(C)に示すプラス側の電極49と同様に折り返されて4つの電極の貫通孔が1つの軸上に配設されるように形成されている。
【0050】
また、この実施の形態において、ケーブル18内に内挿される芯線32,52は2本である。一方の芯線32は、リード線32dを介してプラス側の電極49に結線されている。他方の芯線52は、リード線52aを介して筒状のケーシング48に結線されている。すなわち、このケーシング48には、ホーン部20を通してマイナス側の電極50が接続されている。
【0051】
このため、ホーン部20にマイナス側の電極50が電気的に接続された状態にあり、電気的に接続されたケーシング48およびホーン部20がマイナス側の電極として作用する。なお、ケーシング48(リード線52aおよび芯線52)はアースされた状態にある。このため、各圧電素子23の端面間に電位差を生じさせると各圧電素子23は、圧電効果を発揮する。
【0052】
次に、このような超音波処置装置10の作用について説明する。第1の実施の形態と同様に、図1に示す電源装置12から電気エネルギを供給したときのハンドピース11の電気エネルギの流れについて説明する。
電源装置12から出力される電気エネルギは、プラス側の芯線32からプラス側のリード線32dを通して電極49に流れる。その後、圧電素子23を介して電極50からホーン部20、ケーシング48、リード線52aを経てマイナス側の芯線52を通して電源装置12に流れる。このため、振動ブロック21全体に超音波振動が生じ、ホーン部20からプローブ42に超音波振動が伝達される。
【0053】
なお、超音波処置装置10(ハンドピース11)を使用し(振動させ)続けると、例えばリード線32d,52aの金属疲労による断線や、ケーシング48の内周にリード線32d,52aが接触して摩損することがある。すなわち、リード線32d,52aが断線することがある。
【0054】
ここでは、リード線32d,52aのいずれかが断線した場合、すなわち、いずれかの芯線32,52が断線した場合の作用について説明する。
例えば、圧電素子23を駆動させた状態で芯線32に断線が生じると、電気回路が遮断される。このため、超音波振動が停止する。このように、芯線32断線が生じると、超音波振動が自動的に停止する。また、他の芯線52が断線した場合も同様である。
【0055】
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
マイナス側のリード線52aを電極50に直接接続する必要がないので、圧電素子23からの振動が直接リード線52aに伝わらない。このため、リード線52aが破損することを防止でき、ハンドピース11の耐性を向上させることができる。また、リード線52aが破損したとしても、電気回路が遮断されるので、超音波振動が停止する。このため、術者および患者に対して安全に(危険なく)手術を停止することができる。
【0056】
マイナス側の芯線52は、電極50(振動ブロック21)に直接結線される構造ではないので、従来よりも芯線52(リード線52a)の耐性を大きく向上させることができる。また、第1の実施の形態で説明したように、多くのリード線32a−32c,33a−33c(図1参照)をケーシング48と振動ブロック21との間に配設する必要がないので、ケーシング48と振動ブロック21との間のクリアランスを小さく形成することができる。また、煩雑な配線を必要としないので、リード線32d,52aが他のリード線と絡み合ったり、摩損しにくい構造となっている。したがって、ハンドピース11の耐性を大きく向上させることができ、かつ、ケーシング48を小型化することができる。すなわち、ハンドピース11の耐性を向上させ、かつ、小型化することができる。
【0057】
なお、この実施の形態では、ケーシング48を金属材としたが、このケーシング48の少なくとも外周面に非導電性部材が被覆されていることが好適である。そうすると、例えば、高周波処置時の漏れ電流などがハンドピース11に流れることがなくなるので、さらに安全性を高めることができる。
【0058】
また、この実施の形態で説明した図4(B)および図4(C)に示すプラス側の電極49を第1の実施の形態で説明した図2に示す電極24b,24d,24fの代わりに用いても良い。同様に、第1の実施の形態で説明した図2に示すマイナス側の電極24c,24e,24gの代わりに電極49を用いても良い。そうすると、図2に示すケーシング15と超音波振動ブロック21との間に配設されるリード線の数を少なく抑えることができ、ケーシング15と振動ブロック21との間の距離を小さくすることができる。したがって、ケーシング15の小型化を図ることができる。延いては、ハンドピース11の小型化を図ることができる。
【0059】
次に、第4の実施の形態について図5を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。このため、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0060】
図5に示すように、ホーン部20の基端部には、圧電素子23aが直接密着されている。すなわち、第1の実施の形態に対して電極24a(図2参照)が除去された構造である。また、ケーブル18の内部には、3本の芯線32,55,56が内挿されている。芯線55は、ボルト28に接触するマイナス側の電極24gに結線されるリード線55aを備えている。また、他の芯線56は、他のマイナス側の電極24c,24eに結線されるリード線56a,56bを備えている。
【0061】
ケーブル18の基端部には、外観が円柱状のコネクタ31(図1参照)が設けられている。図5に示すように、コネクタ31は、非導電性のケーシング58を備えている。このケーシング58の平面状の一側は、開口されている。この開口された一側には、ケーシング58の内周で嵌合され、開口された一側から外方に突出した嵌合部材59が配設されている。この嵌合部材59は、ケーブル18の端部を覆うように縮径されている。また、この嵌合部材59には、ケーブル18の折れ止め60が装着されている。このため、ケーブル18に内挿された芯線32,55,56は、ケーシング58の開口からケーシング58の内部に向かって延びている。
【0062】
一方、ケーシング58の他側には、金属材製(導電性)の3つの接続ピン62a,62b,62cがケーシング58を貫通した状態で装着されている。このうち、接続ピン62aには、プラス側の芯線32のリード線32eが電気的に接続されている。また、接続ピン62bには、マイナス側の芯線55のリード線55bおよび電気回路63を介してリード線55cが電気的に接続されている。電気回路63には、コイル64と、ダイオード65とが並列に接続されている。また、接続ピン62cには、マイナス側の芯線56のリード線56cが開閉スイッチ66を介して電気的に接続されている。そして、電気回路63(コイル64およびダイオード65)と、開閉スイッチ66とで開閉スイッチ66のON/OFFの切り換えを行うリレー回路67が形成されている。
【0063】
なお、上述したように、芯線32はプラス側であるので、接続ピン62aはプラス側である。一方、芯線55,56はマイナス側であるので、接続ピン62b,62cはマイナス側である。
【0064】
次に、この実施の形態に係わる超音波処置装置10の作用について説明する。まず、電源装置12からハンドピース11への電気エネルギの流れについて説明する。
【0065】
電源装置12から出力される電気エネルギは、プラス側の接続ピン62a、プラス側の芯線32からプラス側のリード線32a−32cを通してそれぞれ電極24b,24d,24fに流れる。その後、圧電素子23fを介し、電極24gからマイナス側のリード線55aを通してマイナス側の芯線55からリード線55cに電気エネルギが流れる。リード線55cに電気エネルギが流れると、さらに並列状態のコイル64およびダイオード65と、リード線55bとを通して接続ピン62bを経て電源装置12に電気エネルギが流れる。すると、リレー回路67により、開閉スイッチ66が閉じる。
【0066】
そうすると、電源装置12から出力される電気エネルギは、圧電素子23b−23eの両極に電位差を生じさせるので、上述した圧電素子23fとともに圧電効果により圧電素子23が振動する。そして、振動ブロック21全体から超音波振動が生じ、振動ブロック21に密着したホーン部20を介してプローブ42の先端に超音波振動が伝達される。
【0067】
次に、リード線55aが断線した場合の作用について説明する。
リード線55bに電流が流れている間は、リレー回路67により、開閉スイッチ66が閉じた状態(閉ループ状態)にある。しかし、例えばリード線55aが断線すると、開閉スイッチ66が開いてリード線56cに電気エネルギが流れなくなり、圧電素子23b−23eの超音波振動が停止する。
【0068】
このように、リード線55aに断線が生じると他のリード線56a,56bが接続された開閉スイッチ66が開いて速やかに回路が遮断される。したがって、安全にハンドピース11の振動を停止することができる。
【0069】
したがって、例えば連続駆動することによりリード線55aが摩損したとすると、リレー回路67で電気エネルギの流れを常に監視しているので、安全に超音波処置装置10を停止することができる。
【0070】
次に、第5の実施の形態について図6を用いて説明する。この実施の形態は、上述した図4および図5を用いて説明した第3および第4の実施の形態の変形例である。このため、上述した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0071】
この実施の形態に係わるハンドピース11のケーシング48は、導電体で形成されている。
図6に示すように、ケーブル18には、3本の芯線69,70,52が内挿されている。このうち、符号69,70で示す2本の芯線はプラス側芯線である。また、プラス側の電極は、図4(B),(C)を用いて説明した電極49を変形させた符号49bで示すように形成されている。この変形例では、電極49bは一体的に形成され、圧電素子23c,23d間と、圧電素子23e,23f間とに配設されている。
【0072】
上述した芯線69からのリード線69aは、開閉スイッチ66を介してリード線69bに接続され、さらにこのリード線69bの先端が電極24bに結線されている。また、芯線70からのリード線70aは、並列に接続された電気回路63を介してリード線70bに接続され、このリード線70bの先端が電極49bに結線されている。
【0073】
この実施の形態に係わる超音波処置装置10の作用について説明する。図1に示す電源装置12から電気エネルギを供給したときのハンドピース11の電気エネルギの流れについて説明する。
電源装置12から出力される電気エネルギは、プラス側の芯線70からプラス側のリード線70a、電気回路63、リード線70bを通して電極49bに流れる。その後、圧電素子23c−23fを介し、電極50からホーン部20およびケーシング48を通してリード線52aから芯線52を経て電源装置12に電気エネルギが流れる。
【0074】
リード線70aから電気回路63を通してリード線70bに電気エネルギが流れると、リレー回路67の作用により、開閉スイッチ66が閉じる。そうすると、各圧電素子23a,23bの両極間に圧電効果が生じる。各圧電素子23の圧電効果により、振動ブロック21全体から超音波振動が生じる。そして、振動ブロック21に密着したホーン部20に超音波振動が伝達される。
【0075】
次に、リード線69aが断線した場合の作用について説明する。
リード線70a,70bに電流が流れている間は、リレー回路67により、開閉スイッチ66が閉じた状態(閉ループ状態)にある。しかし、例えばリード線70aが断線すると、リード線69bに電気エネルギが流れなくなり、コイル64によって開閉スイッチ66を閉じた状態とすることができなくなる。このため、開閉スイッチ66が開いてリード線69a,69bに電気エネルギが流れなくなる。
【0076】
このように、リード線70aに断線が生じると他のリード線69a,69bが接続された開閉スイッチ66が開いて速やかに回路が遮断される。そして、安全にハンドピース11の振動を停止することができる。
【0077】
したがって、例えば連続駆動することによりリード線70aが摩損したとすると、リレー回路67により電気エネルギの流れを常に監視しているので、安全に超音波処置装置10を停止することができる。
【0078】
また、ケーシング48と振動ブロック21との間に配設されるリード線の数を減らすことができるので、ケーシング48を小型化することができる。すなわち、ハンドピース11を小型化することができる。
【0079】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0080】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0081】
[付記]
(付記項1) 円盤状に形成されて2つの平行端面間に電位差が与えられると超音波振動を生じる少なくとも1つの圧電素子と、前記圧電素子の各端面に配設される電極と、前記圧電素子で発生させた超音波振動を生体組織に向けて伝達するホーン部と、前記圧電素子と電極とを貫通して超音波振動ブロックを形成するとともにこの超音波振動ブロックの前記電極の1つを前記ホーン部に接触させた状態で維持するボルトとを備えたランジュバン型超音波振動子と、
この超音波振動子を覆うケーシングと、
各電極にそれぞれ電気的に接続され、前記ケーシングと超音波振動子との間を通して前記ケーシングの外側に導かれたプラス側およびマイナス側の電線と、
前記電線を通して前記電極に電気エネルギを供給する電源と
を備えた超音波処置装置において、
前記電線は、少なくとも3つ設けられ、そのうちの少なくとも2つがマイナス側として前記電極に接続され、
これらマイナス側の電線が前記ケーシングの外側まで別配線で導かれていることを特徴とする超音波処置装置。
【0082】
(付記項2) 前記少なくとも2つのマイナス側の電線は、前記ホーン部と電気的に導通した状態にあることを特徴とする付記項1に記載の超音波処置装置。
【0083】
(付記項3) 前記少なくとも2つのマイナス側の電線は、互いに同一電位状態にあることを特徴とする付記項1もしくは付記項2に記載の超音波処置装置。
【0084】
(付記項4) 前記少なくとも2つのマイナス側の電線は、アース状態にあることを特徴とする付記項1ないし付記項3のいずれか1に記載の超音波処置装置。
【0085】
(付記項5) 前記少なくとも2つのマイナス側の電線は、前記ケーシングに電気的に接続されていることを特徴とする付記項1ないし付記項4のいずれか1に記載の超音波処置装置。
【0086】
(付記項6) 前記ケーシングは、非導電性部材からなることを特徴とする付記項5に記載の超音波処置装置。
【0087】
(付記項7)前記少なくとも2つのマイナス側の電線は、前記ケーシングの外側で結線されていることを特徴とする付記項1ないし付記項6のいずれか1に記載の超音波処置装置。
【0088】
(付記項8) 超音波処置用ハンドピース内に内蔵される超音波振動を生じさせる少なくとも1つ以上の圧電素子と、
その振動を拡大させて伝達するホーン部と、
その圧電素子を両側から挟み込む複数の電極と、
前記圧電素子と電極とを貫通したボルトと
からなり、前記ホーン部と前記圧電素子と前記電極とが一体のブロック構造をなしているランジュバン型ボルト締め超音波振動子において、
外観金属部に電気的に導通しているマイナスの電極に、少なくとも2本以上の電線が結線され、かつその2本以上のマイナスの電線がそれぞれハンドピース外観まで別配線で構成されていることを特徴とする超音波処置装置。
【0089】
(付記項9) 付記項8において、それぞれ別配線されているマイナスの電線のうち少なくとも2つは、前記ホーン部に電気的に導通していることを特徴とする超音波処置装置。
【0090】
(付記項10) 超音波処置用ハンドピース内に内蔵される超音波振動を生じさせる少なくとも1つ以上の圧電素子と、
その振動を拡大させて伝達するホーン部と、
その圧電素子を両側から挟み込む複数の電極と、
前記圧電素子と電極とを貫通してボルトと
からなり、前記ホーン部と前記圧電素子と前記電極とが一体のブロック構造をなしているランジュバン型ボルト絞め超音波振動子において、
前記複数の電極に接続されるプラス側の電気的導通経路と、導電性のケーシングを経由しているマイナスの電気的導通経路とを持つことを特徴とする超音波処置装置。
【0091】
(付記項10の解決しようとする課題)
従来の超音波処置装置において、連続駆動すると電線が例えば摩損などにより破損する可能性があった。
【0092】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、耐久性に優れた超音波処置装置を提供することを目的としている。
【0093】
(付記項11) 超音波ハンドピース内に内蔵され、超音波振動を生じさせる少なくとも1つの圧電素子と、
この圧電素子によって生じた振動を拡大させて伝達するホーン部と、
前記圧電素子を両側から挟み込むように配設された複数の電極と、
前記圧電素子と電極とを貫通するボルトと
を備え、前記ホーン部と圧電素子と電極とが一体のブロック構造をなしているランジュバン型ボルト締め超音波振動子において、
外観金属部に電気的に導通しているプラスもしくはマイナス電極のいずれか一方に少なくとも2本以上の電線が結線され、かつ、前記電線がそれぞれのハンドピース外の断線検出部に接続されていることを特徴とする超音波処置装置。
【0094】
(付記項11の解決しようとする課題)
従来の超音波処置装置において、電線が例えば摩損などにより破損すると、超音波振動子に供給される高電圧が浮遊金属に飛ぶ可能性がある。
【0095】
このような課題を解決するために、連続駆動することにより電線が破損しても、安全に停止する構造の超音波処置装置を提供することを目的としている。
【0096】
(付記項12) 円盤状に形成されて2つの端面間に電位差が与えられると超音波振動を生じる少なくとも1つの圧電素子と、この圧電素子の各端面に配設される電極と、前記圧電素子で発生させた超音波振動を伝達するホーン部と、前記圧電素子と電極とを貫通してブロック形状を形成し、電極の1つにホーン部を接触させた状態で維持するボルトとを備えたランジュバン型超音波振動子と、
この超音波振動子を覆うケーシングと、
前記ケーシングと超音波振動子との間に配設されて前記電極に電気的に接続された電線と
前記電線に接続された電源と
を備えた超音波処置装置において、
前記電線は、少なくとも3つ設けられ、そのうちの少なくとも2つの一端部がプラスもしくはマイナス側の電極のいずれか一方に結線され、
前記電線の他端部には、電線の断線を検出する断線検出部を設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0097】
(付記項13) 前記断線検出部は、リレー回路であることを特徴とする付記項12に記載の超音波処置装置。
【0098】
(付記項14) 付記項12において、それぞれ別配線されているマイナスの電線のうち少なくとも2つは、前記ホーン部に電気的に導通していることを特徴とする超音波処置装置。
【0099】
(付記項15) 超音波ハンドピース内に内蔵される超音波振動を生じさせる少なくとも1つの圧電素子と、
その振動を拡大させて伝達するホーン部と、
その圧電素子を両側から挟み込む複数の電極と、
前記圧電素子と電極とを貫通したボルトと
からなり、前記ホーン部と前記圧電素子と前記電極とが一体のブロック構造をなしているランジュバン型ボルト締め超音波振動子において、
前記複数の電極のいずれかが電気的導通路としてのケーシングに接続されていることを特徴とする超音波処置装置。
【0100】
(付記項16) 電源と、この電源に接続された複数の電線と、各電線にそれぞれ接続されるとともに並設された電極と、各電極間に配設され、隣接する電極間に電位差を与えると超音波振動を生じる少なくとも1つの圧電素子と、前記圧電素子に生じさせた超音波振動を拡大させて被検部に伝達するホーン部とを備えた超音波処置装置において、
前記電源は、第1の電位状態と、この第1の電位よりも低い第2の電位状態と、これら第1および第2の電位状態と異なる第3の電位状態とに前記電線および各電線に接続された電極に電位差を与える電力供給手段を備え、かつ、前記電線のうちの少なくとも1つが前記第3の電位状態で前記電極に接続されていることを特徴とする超音波処置装置。
【0101】
(付記項17) 前記第3の電位状態は、アース状態にあることを特徴とする付記項16に記載の超音波処置装置。
【0102】
(付記項18) 前記第3の電位状態を有する電線に接続された電極は、前記ホーン部に電気的に接続されていることを特徴とする付記項17に記載の超音波処置装置。
【0103】
(付記項19) 前記電線は、前記電源に接続される側でそれぞれ第1の電位状態の電線と、第2の電位状態の電線と、第3の電位状態の電線とにそれぞれ束ねられて電線束が形成されていることを特徴とする付記項16ないし付記項18のいずれか1に記載の超音波処置装置。
【0104】
(付記項20) 前記第1の電位状態の電線と、第2の電位状態の電線と、第3の電位状態の電線とは、前記電極に接続される側でそれぞれ分岐されていることを特徴とする付記項16ないし付記項18のいずれか1に記載の超音波処置装置。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電線が摩損しても継続的に駆動可能で耐性に優れた超音波処置装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わる超音波処置装置の概略図。
【図2】第1の実施の形態の超音波処置装置におけるハンドピースの概略的な部分断面図。
【図3】第2の実施の形態に係わる超音波処置装置におけるハンドピースの要部構成を示す縦断面図。
【図4】(A)は第3の実施の形態に係わる超音波処置装置におけるハンドピースの要部構成を示す縦断面図、(B)は電極の展開図、(C)は(B)に示す電極を折り曲げて圧電素子間に配設するときの形状を示す斜視図。
【図5】第4の実施の形態に係わる超音波処置装置におけるハンドピースの要部構成を示す縦断面図。
【図6】第5の実施の形態に係わる超音波処置装置におけるハンドピースの要部構成を示す縦断面図。
【符号の説明】10…超音波処置装置、11…ハンドピース、12…電源装置、15…ケーシング、16…超音波振動子、18…ケーブル、20…ホーン部、21…超音波振動ブロック、23…圧電素子、24…電極、32…第1の芯線、32a−32c…リード線、33…第2の芯線、33a−33c…リード線、34…第3の芯線、34a…リード線

Claims (3)

  1. 超音波振動を生じる少なくとも1つの圧電素子と、前記圧電素子の各端面に配設される電極と、前記圧電素子で発生させた超音波振動を増幅するホーン部と、前記圧電素子と電極とを貫通するボルトによって前記ホーン部とともに一体化された超音波振動ブロックが形成されるランジュバン型超音波振動子と、
    この超音波振動子を覆うケーシングと
    を備えた超音波処置装置において、
    前記超音波振動子に電気エネルギを供給する電線の少なくとも2つがマイナス電極に接続され、これらマイナス電極に接続された電線がそれぞれ別配線で構成されていることを特徴とする超音波処置装置。
  2. 前記少なくとも2つのマイナス電極は、前記ホーン部と電気的に導通した同一電位状態にあることを特徴とする請求項1に記載の超音波処置装置。
  3. 前記少なくとも2つのマイナス電極は、アース状態にあることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の超音波処置装置。
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