JP2004305273A - 血管オクルーダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】血管を導入させる開口部2Aを周面に有した切欠きリング状のフック2と、このフック2内に配置されたバルーン3と、このバルーン3に接続されたバルーン3を膨張させるための流体を供給するチューブ4と、前記フック2を先端に着脱可能に支持するスタイレット5とを具えた血管オクルーダ1であって、フック2内に導入された血管を、バルーン3を膨張させてフック2の内面に圧迫することにより、血管を閉塞するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、心臓の冠動脈バイパス手術などに用いられる血管の閉塞器具に関し、詳しくは、冠動脈に内胸動脈や胃大網動脈などを接合するバイパス術を実施する際に内胸動脈や胃大網動脈などの血流を遮断するために用いられる血管オクルーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、患者の手術後のQOL(Quality of Life:生活の質)を向上するために、小さな傷口で行う低侵襲手術の考え方が重要視され、このような手術用の器具の改良が各種進められている。
【0003】
冠動脈の手術においても例外ではなく、器具の改良とともに、手術の手法も変化しつつある。すなわち、従来、冠動脈の狭窄或いは閉鎖部分を大腿動脈などと置き換えるという手法が広くとられてきた。しかし、この従来の手法では、再狭窄を起こしやすかった。このため、内胸動脈や胃大網動脈などを狭窄部位の末端側へ直接接合する冠動脈バイパス術が行われるようになっている。
【0004】
すなわち、この冠動脈バイパス術とは、心臓の表面にある冠状動脈と呼ばれる細い血管が動脈硬化でつまったり細くなっている患者に、新しい血管を縫いつけて、この縫いつけた血管により前記の狭窄部位を迂回する血流の経路を確保する手術のことである。このような冠動脈バイパス術が、低侵襲性を確保するためと再狭窄を回避するためとの両面から、徐々に主流になりつつある。
【0005】
しかしながら、内胸動脈や胃大網動脈を剥離し冠動脈に接合を完了するまでの間における冠動脈の血流の遮断は、依然として、鋏状の金属鉗子によって血管を圧迫することにより、血液の流路としての血管を閉塞することが多い。
【0006】
他方、別の目的のためではあるが、本出願人は、既にバルーンを膨張させることによって血管を圧迫して閉塞し、血管の血流を遮断する装置を提案している(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特公平03−070977号公報(第2,3頁、図1,6,7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の金属鉗子による血流の遮断では、以下の問題点が生じていた。この金属鉗子は、対象を挟持する力が強いので、注意深く操作しないと、血管を傷つけるおそれがあった。すなわち、金属鉗子は、金属製の剛性の高い部品で構成され、手術を行なう施術者(以降、術者と称する)が把持する力が拡大されて直接的に対象を挟持する力となる傾向にあるので、弾力性を有した動脈の内膜などの部位も傷つける可能性がある。また、術野の狭い低侵襲手術では、切開部から奥まった箇所に血管が位置することが多いので、この血管に鉗子を掛けることが煩雑となる。さらには、金属鉗子は、その重さや大きさによって術野の妨げとなっていた。このため、金属鉗子は、血流の閉塞器具としての取り回しや取り扱いが不便で、しかも術野を狭めることから、術者の作業負担を増大させて、迅速な血管閉塞作業が困難であり、施術に熟練を要するという不都合が生じていた。
【0009】
他方、上記の特許文献1の装置による血流の遮断では、バルーン部を血管周囲に巻き付けて糸で離脱しないように縛るという作業が必要であり、更に平均して2本の動脈を血流バイパス用に接合していることや、左心の機能低下を発症している患者の場合は、4カ所以上の多枝バイパス症例が多くなっていることから、狭い術野での術者への負担と手術時間の増加を招く傾向があった。
【0010】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、軽量で取り回しが簡単で、施術の容易化が可能な冠動脈バイパス術に用いる血管オクルーダを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、血管を導入させる開口部を周面に有した切欠きリング状のフックと、このフック内に配置されたバルーンと、このバルーンに接続されたバルーンを膨張させるための流体を供給するチューブと、前記フックを先端に取り外し可能に支持するスタイレットとを具えた血管オクルーダであって、フック内に導入された血管を、バルーンを膨張させてフックの内面に圧迫することにより、血管を閉塞するようにしたことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、バルーンは、フックの内面で開口部の周縁の近傍に設けられている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、開口部の周縁には、開口部から外方に向けて形成された血管の導入をガイドする鍔部が設けられている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、フックは、開口部からフック内面に到達するまでの距離を所定に確保して楕円状に形成されている。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、バルーンが、血管を閉塞するよりも、先にフックの開口部を閉じるように膨張する。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の第1実施形態を図面により説明する。図1は、この第1実施形態の血管オクルーダの全体構成を示し、(A)は、平面図であり、(B)は、同側面図である。図2は、血管を閉塞する途中状態の血管オクルーダを示し、(A)は、平面図であり、(B)は、同側面図である。
【0017】
すなわち、血管オクルーダ1は、図1(A),(B)および図2(A),(B)に示すように、周面に開口部2Aを有した略幅広で切欠きリング状に形成されたフック2と、このフック2の内側に設置されたバルーン3と、このバルーン3に一端が接続され流体を供給してバルーン3を膨張させるチューブ4と、フック2を先端に支持しかつ手元操作でフック2から離脱可能に設けられたスタイレット5とを有している。
【0018】
フック2は、血管Aよりも大きな所定の径が確保された略管状に形成され、周面の一部を切欠いて形成された開口部2Aを有しており、側面視が上方が開放された略C字状となっている。フック2は、直径が血管Aの最大外径よりも充分に大きな径である約12mmの直径が確保され、フック2の管長手方向の幅が約9mmに設定されている。フック2は、ステンレス、チタンなどの金属あるいは、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成樹脂を用いて形成されている。したがって、フック2には、バルーン3により押圧されてくる血管Aを充分に押さえつけられる程度の強度が確保されている。また、開口部2Aは、側面視でフック2の略4分円が切除され、かつ、フック2の管長手方向の幅に渡って切り欠かれて形成され、互いに対抗する開口部2Aの周縁によって、平面視で略長方形状に開口されている。開口部2Aの周縁には、側面視でR部により丸みが付けられている。
【0019】
バルーン3は、図3に示すように、フック2の内面における開口部2Aの近傍箇所に膨張可能に設置されている。すなわち、バルーン3は、バルーン3が膨張していない状態で、バルーン3の一部分を開口部2A側に突出させない開口部2Aの近傍箇所に設置され、この箇所には、連通孔8が設けられている。したがって、このフック2に形成された連通孔8を介して、バルーン3にはバルーン3内部からチューブ4に至る外部から密閉された経路が確保されている。バルーン3は、シリコーンゴム製で、球形とは異なるラグビーボール状に扁平に膨張するようになっている。また、バルーン3が縮小された状態では、フック2の内周壁面に沿った平坦な形状となっている。したがって、このように縮小状態のバルーン3は、フック2の内面の壁面上に密着した形態となり、しかも、開口部2Aから見て裏面となる箇所に配置されているので、フック2内に血管Aが導入される過程で、バルーン3に血管Aが引っ掛かったり、血管Aの視認を妨げたりすることを回避できる。
【0020】
スタイレット5は、フック2と同様な材質を用いて中実棒状に形成され、先端にフック2を支持できる程度の強度が確保されている。スタイレット5には、手術の際の開創部から閉塞対象の血管Aにまでに先端側に支持したフック2が届いて、しかも、このように届いた状態で、体外に残るスタイレット5の基端部が、開創部から充分に離れる程度の長さが確保されている。
【0021】
このスタイレット5を、フック2に取り外し可能に接続するための接続管7がフック2に設けられている。すなわち、この接続管7は、弾性変形可能なシリコーンゴム製で略管状に形成され、フック2の外周で開口部2Aの近傍箇所から、フック2の管長手方向に直交した方向で、フック2の開口部2Aが形成した開口面とスタイレット5の軸方向とがほぼ平行となる方向に延在されて設けられている。したがって、スタイレット5が延在方向に沿った先に、開口部2Aの開口面を位置させているので、この開口面をスタイレット5の一部として、術者が感覚的に把握しやすくなるようにしている。
【0022】
この接続管7は、外径がスタイレット5の外径よりも大きな外径寸法が確保され、スタイレット5接続用の穴7aが、フック2の切欠き縁部近傍の外周面より、外側に向けて設けられている。すなわち、この穴7aの内径は、スタイレット5の外径と同径か僅かに小さな径寸法である約1mmの内径寸法が確保され、少なくともスタイレット5が穴7aに挿嵌された場合に、両者5,7aの間に押圧力が働いて緩くない径とされている。このため、スタイレット5が穴7aに挿嵌されている場合には、穴7aからスタイレット5が抜けて離脱することが防止される。この結果、前記の場合には、スタイレット5の先端にフック2が安定して保持される。なお、この接続管7の下側には、前記の連通孔8に連通して接続された管状の部材が一体に形成されており、この部材により接続管7とフック2との結合強度を高めるとともに、スタイレット5の支持部として接続管7自体の長手方向の剛性強度を高めるようにしている。
【0023】
スタイレット5の周囲には、シリコーンゴムで、またはフック2やスタイレット5と同一の材質で、またはこれらのいずれかの材質にシリコーンゴムのコーティングを施して作製された離脱操作用の外套管12が外嵌され、この外套管12には、スタイレット5よりも所定に短い長さが設定されている。すなわち、スタイレット5が接続管7の穴7aに接続され、接続管7の端面に外套管12が接した状態で、接続管7側と反対の外套管12の端部から、スタイレット5が突出するような長さが確保されている。したがって、外套管12によってスタイレット5の大部分がカバーされているので、スタイレット5の外表面が滑らかでなくても、周囲の組織に触れた場合の組織の損傷を防止することができる。この術者にとって手元側となる外套管12の端部には、外套管12よりも大径の把持部12aが固着して取り付けられている。この外套管12の手元側となる端部から突出されたスタイレット5の手元側となる端部には、スタイレット5よりも大径の把持部5aが固着して取り付けられている。したがって、これらの把持部12a,5aが、術者にとって手元となる一端側に近接して配置されているので、両把持部12a,5aを用いる前記した離脱操作をしやすくしている。
【0024】
チューブ4は、シリコーンゴム製で、約1mmの直径が確保されており、所定に可撓性を有したチューブとされている。また、バルーン3を膨張させる流体として空気あるいは生理食塩水などが選択されており、管体としてのチューブ4には、この圧力に抗する程度の強度が確保されている。
【0025】
チューブ4の一端部は、フック2に形成された連通孔8に接続され、この連通孔8を介してバルーン3に前記の空気などを供給可能にしている。また、チューブ4は、概略で接続管7が延在された方向つまりスタイレット5の軸方向に延在されている。したがって、チューブ4をスタイレット5の近傍にとりまとめることができるので、血管オクルーダ1としての使い勝手を向上できる。他方、チューブ4の他端部には、一方弁9が取り付けられ、バルーン3からの空気などの逆流を防止している。すなわち、この一方弁9を術者などが開放操作しない限り、一方弁9によって、バルーン3からのチューブ4を介した空気などの漏れが阻止される。このため、バルーン3の膨張による血管閉塞の必要がなくなるまで、バルーン3の膨張状態が維持される。他方、バルーン3から空気などを抜いて血管Aの閉塞を解除する場合には、術者にとって手元となるチューブ4の一端側に一方弁9を設けているので、前記の離脱操作と同様に一方弁9の開放操作をしやすくしている。
【0026】
なお、接続管7とチューブ4とは、それぞれ個別に製作して接着により結合しているが、これに限ることなく、チューブ4を図示しない金型にセットして、接続管7の成型時に一体の部品として製作することも可能である。したがって、この場合には、組み立ての手間が省けて、しかも接着剤などを不要にできるので、コストダウンを図ることができる。
【0027】
次に、上記の構成の血管オクルーダ1の使用例を説明する。すなわち、使用に際しては、まず血管オクルーダ1として、図1(A),(B)に示されるように、スタイレット2の先端を接続管7の穴7aに差し込むことにより、フック2にスタイレット5を取り付けておく。そして、従来の内胸動脈や胃大網動脈などの血管Aを狭窄部位の末端側へ直接接合することによる冠動脈バイパス術と同様な一連の操作によって、バイパス術に適した血管Aを周囲の組織から剥離する。この剥離した血管Aにおいて一連のバイパス術の操作の妨げにならない部位を、フック2内に導入する。この導入に際しては、外套管12、外套管12の把持部12a或いはスタイレット5の把持部5aを持って作業できるので、術者に熟練の必要がなくなる。すなわち、他の器具を用いることなく、予めフック2に接続されたスタイレット5を用いて、フック2を血管Aに導くようにしているので、複数の器具を操作する必要がなく、しかも金属鉗子に比べて軽量で取り回しが容易になり、血管オクルーダ1を用いる作業が簡易化される。このため、血管Aの閉塞作業を迅速化できる。
【0028】
フック2内への血管Aの導入が確認された後に、図示しないシリンジ(注射器)などを用いて、図3に示すように、一方弁9およびチューブ4内に形成された管路であるエアルーメン4aを介して、バルーン3に例えば空気を所定量供給することにより、バルーン3を膨張させる。この際には、チューブ4の一端に一方弁9を設けているので、チューブ4を閉止する操作や作業をすることなく、バルーン3が膨張した状態に維持される。したがって、このバルーン3の膨張によって、図4に示すように、血管Aはフック2の内面とバルーン3との間に挟まれて潰された状態となる。しかも、バルーン3が平面視でラグビーボール状に扁平に膨張するので、この状態がフック2内に位置する部分の血管Aの長手方向に連続することになる。このため、血管Aの横断面における管体としての開口面積が縮小され、しかも縮小された状態が血管Aの長手方向に所定に連続するので、血液が通過不能となる程度に血管Aが閉塞される。この結果、血管Aの血流を遮断できる。
【0029】
なお、バルーン3は、従来のバルーンカテーテルなどに用いられるバルーンのように、外周面の全域が均一の膜厚のものでもよいが、わざと偏肉させて作成したものを用いてもよい。すなわち、例えばバルーン3を、フック2内に設置された状態で、開口部2Aを閉じる方向の膜厚を、他の膜厚よりも薄くして形成してもよい。したがって、この構成の場合には、図2(A),(B)に示されるように、バルーン3が、まずフック2の開口部2Aをある程度閉じるような方向に膨張することを先行させて、徐々にフック2内の全体に膨張させることができる。このため、この構成によれば、バルーン3を膨張させる過程で、バルーン3により血管Aが押し出されて、フック2から外れることを防止できる。この結果、血管オクルーダ1による血管Aの閉塞動作が確実化され、動作の信頼性を向上できる。
【0030】
この血流の遮断を確認した後に、血流を遮断しているフック2から、スタイレット5および外套管12が取り外される。すなわち、外套管12の把持部12aを持ちながら、スタイレット5の把持部5aを引き抜くように操作すると、接続管7は外套管12によって引き抜き方向の移動が阻止されているので、スタイレット5のみが穴7aから抜き出される。つまり、接続管7の端面と外套管12の端面とが接して、接続管7の穴7aにスタイレット5が挿入された状態から、接続管7の穴7aからスタイレット5が引き抜かれる一方、外套管12内にスタイレット5が引き込まれる状態を経て、接続管7および外套管12の端面同士のみが接している状態となる。したがって、フック2とスタイレット5との結合が解除され、スタイレット5および外套管12が、血管オクルーダ1から取り外される。このように術者にとって手元側の操作のみで、フック2からスタイレット5を離脱させることができる。このように、フック2を他の器具で保持することなく、しかも、血管Aをフック2内に導入するために、スタイレット5の把持部12aまたは外套管12の把持部12aを術者が把持した状態から、ほとんど同じ把持状態で前記した取り外し操作を行なえる。このため、血管Aを導入する操作から取り外し操作までの一連の操作をスムーズかつ容易に行なうことができる。この結果、迅速化が図れる。
【0031】
この場合に、残留するフック2と接続管7は小さなものであり、しかもチューブ4は細く可撓性を有しているので、閉塞される血管Aが1本の場合は勿論のこと、閉塞される血管Aが複数であっても、前記の残留したものが、血管閉塞後のバイパス術を継続する際の術野の妨げになることがない。このため、例えば4カ所以上の多枝バイパス症例の場合でも、術者の負担を軽減でき、バイパス施術を容易化できる。また、バルーン3膨張の圧迫に依った閉塞であるので、この閉塞による血管内膜などの血管Aの損傷も軽減することができる。
【0032】
以上のように、第1実施形態の血管オクルーダ1によれば、低侵襲で内胸動脈や胃大網動脈などを狭窄部位の末端側へ直接接合する冠動脈バイパス術において、内胸動脈や胃大網動脈などの閉塞に際して、閉塞する血管の損傷を防止でき、しかも閉塞した後に後続する一連の手術の操作においても、術野の妨げを回避できる血管閉塞器具としての血管オクルーダを提供できる。他方、血管オクルーダ1は、閉塞対象の血管Aと同程度の大きさのフック2と、スタイレット5とが主要な構成部品なので、金属鉗子に比べて、大幅に軽量小型化できる。このため、血管閉塞器具としての取り回し性や取り扱い性を向上できる。この結果、術者の作業負担が軽減され、血管閉塞作業を迅速かつ容易に行なうことができる。
【0033】
すなわち、膨張するバルーン3によって血管Aを圧迫する際には、バルーン3自体が柔軟性を有し、しかも圧縮性を有した空気によりバルーン3を膨らませているので、血管Aの損傷を未然に防止できる。バルーン3の血管Aへの接触部分以外の部分が膨張したり、空気自体が圧縮されたりすることによって、血管Aに過大な外力が、局部的に急激に加わることを回避できる。他方、このようなバルーン3の膨張によって、血管Aを側方から押圧し扁平状にして血流を阻止しているので、バルーン3自体も血管Aの外形状に応じて変形しながら、最終的に血管Aをフック2の内形状に沿った扁平状させることになる。このため、両者3,Aの接触は面状の接触となり、しかも、血管Aを閉塞するまでのバルーン3の膨張過程で接触面積を徐々に増大させることができる。すなわち、血管A自体の変形がバルーン3が最初に接した部分的なものから、徐々にフック内の血管Aの側面全域に渡って広がるものとなる。したがって、このように血管Aの変形が進んで血管Aが閉塞されるので、この閉塞による血管Aが損傷される機会を最小限にできる。この結果、術後の患者のQOLの向上を図ることができる。
【0034】
次に、この発明の第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態の血管オクルーダを示す先端部の拡大断面図である。すなわち、この第2実施形態の血管オクルーダは、血管のフックへの挿入をしやすくするガイド部を設けた構成とされている。なお、上記の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を簡略化することにする。
【0035】
第2実施形態の血管オクルーダ20は、上記の第1の実施形態の構成に加えて、図5に示すように、フック2の開口部2Aの接続管7が付いていない側に、血管Aを開口部2A側に誘導するガイド部としての鍔部21が一体に形成されており、これによってフック2の横断面における見かけ上の開口部の幅を増大させることにより、フック2内への血管Aの導入をしやすくしている。
【0036】
すなわち、鍔部21は、接続管7が付いていない側の開口部2Aの周縁から、開口部2Aの開口面に対して外側に離れて傾斜した方向に突出されて、フック2に一体に設けられている。この鍔部21は、前記の周縁の全域に渡って形成されている。
【0037】
以上のように、第2実施形態の血管オクルーダ20によれば、開口部2Aを通過させてフック2内へ血管Aを導入することを容易化できるので、術者の負担を軽減でき、簡易に迅速な施術を行なうことが可能となる。すなわち、フック2の横断面において、鍔部21の先端と、この先端に対向する開口部2Aの周縁とによって形成される開口部の幅が、開口部2Aの対向する周縁同士によって形成される開口部の幅よりも、広くなる。このように見かけ上の開口部が広がっているので、血管Aを開口部2に通過させるために、見かけ上の開口部に対して血管Aを相対的に位置決めすることが容易となる。
【0038】
次に、この発明の第3実施形態を説明する。図6は、第3実施形態の血管オクルーダを示す先端部の拡大断面図である。この第3実施形態の血管オクルーダは、バルーン膨張によって血管を圧迫する際に、血管がフックから押し出されて外れにくくするようにしている。なお、上記の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を簡略化することにする。
【0039】
この第3実施形態の血管オクルーダ30は、図6に示すように、前記した第1,第2実施形態に比べて、フック31が、開口部2Aから見て奥行きが深くなるように形成されている。すなわち、血管オクルーダ30は、第2実施形態の構成に加えて、フック31が、図6に示される側面視において、フック31の下方に位置する半円弧状の部分と、これ以外の部分とを垂直壁部を介在させて接続しており、上下方向に延在された楕円形状の一種である長円形状に形成されている。このため、図6中の上下方向に相当する血管Aの導入方向において、開口部2Aから、フック内面である底面に到達するまでの距離を、所定に確保するようにしている。すなわち、フック31内に導入された血管Aは、同図中のフック31内での底面となる位置に自然に安置され、縮小状態のバルーン3からの距離が、開口部2Aよりも血管Aの方が大きくなる。
【0040】
したがって、バルーン3が均一の膜厚を有して、横断面上でほぼ円形形状を維持したまま膨張するバルーンを使用した場合であっても、バルーン膨張の際に、バルーン3によって押され血管Aが逃げるようにして、フック31から外れる機会を減少できる。すなわち、縮小状態のバルーン3からの距離が、開口部2Aよりも血管Aの方が大きく確保されているので、バルーン3が血管Aを圧迫するように膨張するよりも先に、フック31の開口部2Aを閉じるように膨張することになる。
【0041】
以上のように、第3実施形態の血管オクルーダ30によれば、均一な膜厚のバルーン3を用いても、バルーン膨張の過程で血管Aが押し出されてフック31から外れることを回避できるので、バルーン3が簡素化され、コストダウンを図ることができる。他方、このようにフック31が開口部2Aを一方の円弧に有した長円形状に形成されているので、開口部2Aを介して、フック31内に導入された血管Aの所在を術者が目視で確認することが維持され、導入作業の確実化を図ることができる。他方、少なくとも、膨張されたバルーン3が縮小して、血管Aが通過できる程度の通路が開口部2Aに開放されない限り、フック2内から血管Aが離脱することはない。
【0042】
なお、上述した各実施形態は、それぞれこの発明の好ましい例を示したに過ぎず、フック2をはじめとする各部のサイズは、閉塞対象の血管Aの太さや種類、血管Aが配置された体内の部位などに応じて、適宜変更してよい。また、バルーン3やチューブ4も、その材質はシリコーンゴムに限定されるものではなく、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニールなどの医療用に適した材料から適宜選択が可能である。さらに、フック2の内外面にシリコーンゴムなどの柔軟性物質によるコーティングを施してもよく、これによって、閉塞対象の血管Aの損傷だけではなく、周囲の組織に対してもフック2が触れた際の組織の損傷を防止することができる。
【0043】
また、側面視におけるフック2,31の概略外形状が、円形状または長円を含んだ楕円形状に形成した例を説明したが、これに限られることなく、この形状の一部分を適宜変更してよい。すなわち、例えば、図5中のフック2において、下方の左側部分を外側に膨出させて、フック2として下あご部分を、ややせり出させた形状としてもよい。したがって、この構成の場合には、せり出させた部分のフック2内面に血管Aを位置させれば、側面視におけるフック2の概略中心を挟んで、縮小状態のバルーン3に血管Aを対峙させることができる。このため、側面視で円形状に相似して膨張するバルーン3であれば、このバルーン3の膨張率が一番高い線上の箇所に血管Aを位置させていることになる。すなわち、前記のバルーン3による最大つまり最も効率的な押圧方向の線上に、血管Aが位置する。この結果、このようなバルーン3の膨張によって効率的に血管Aを圧迫できる。他方、血管Aがバルーン3の押圧方向線上に位置するので、さらに安定させて血管Aを閉塞できる。
【0044】
さらに、フック2の開口部2Aが形成した開口面の方向についても、上記の第1ないし第3の実施形態では、開口部2Aの開口面とスタイレット5の軸方向とがほぼ平行となるように構成しているが、これに限られることなく、スタイレット5に対して開口部2Aの開口面が任意の角度となるように構成してよい。すなわち、図7中に角度Bで示すように、血管オクルーダ40を、前記の開口面とスタイレット5の軸方向とが、約90°つまりほぼ直角となるように構成したり、図8中に角度Cで示されるように、血管オクルーダ50を、開口面とスタイレット5の軸方向とが、約45°となるように構成したりするなどのように適宜任意の角度としてよい。したがって、これらの構成によれば、第1ないし第3実施形態と同様に、何ら問題を生じることなく血管Aを閉塞できることに加えて、開口部2Aが術者側に向けられて、術者が開口部2Aを直接目視可能となるので、フック2内への血管Aの導入作業をさらに容易化できる。すなわち、この導入作業中に、術者が開口部2Aと血管Aとの相互の位置関係を目視で把握しながら、導入作業を行なえる。なお、これらの構成でも、当然、第2,第3実施形態と同様に開口部2Aの周縁に鍔部を設けてもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、血管オクルーダが、バルーンの膨張によりフック内の血管を圧迫して血管を閉塞していることから、この血管閉塞による血管への損傷が軽減され、しかもスタイレットがフックから取り外し可能となっているので、スタイレットを取り外して、血管閉塞後の手術中の術野に残るのは、フックおよびバルーン膨張用のフレキシブルなチューブのみとさせることができ、術野の妨げとなることを生じさせずに済む。
【0046】
この結果、このような血管オクルーダによれば、特に低侵襲で内胸動脈や胃大網動脈などを狭窄部位の末端側へ直接接合する冠動脈バイパス術において、内胸動脈や胃大網動脈などの閉塞に際して、閉塞する血管の損傷を防ぎ、しかも閉塞した後に後続する一連の手術の操作においても、術野の妨げとなることがない血管閉塞器具とすることができる。
【0047】
請求項2の発明によれば、バルーンがフックの内面で開口部の周縁の近傍に設けられているので、開口部を介して血管が導入された場合には、血管が同時にバルーンを設けた箇所を通過して、フック内に位置することになる。このため、バルーンの膨張によって、血管を開口部側からフック内面側へと、つまり開口部から離れる方向かつ一定方向に圧迫することができる。特に、開口部が上方となるようにフックの姿勢を操作して血管を導入すれば、この血管は、自然に開口部から離れたフックの底部となる内面に安置され、しかも上方からバルーン膨張によって、そのままの位置で内面側に押圧されて圧迫される。この結果、血管を安定してバルーンにより圧迫し、血管を閉塞することができる。
【0048】
請求項3の発明によれば、開口部の周縁には、開口部から外方に向けて形成された血管の導入をガイドする鍔部を設けているので、見かけ上の開口部が広くなり、フック内へ血管を導入しやすくなる。このため、術者の負担が軽減され、施術の容易化や迅速化を図れる。
【0049】
請求項4の発明によれば、フックは、開口部からフック内面に到達するまでの距離を所定に確保して楕円状に形成しているので、フック内に導入した血管がフックから抜けて離脱しにくくなる。この結果、血管閉塞の確実性を高めることができる。他方、導入した血管がフック内で占位可能な範囲を拡大できる。このため、フック内の血管とフック自体との相対的な位置関係に余裕を持たせることができる。この結果、血管閉塞の作業性を向上できる。
【0050】
請求項5の発明によれば、バルーンを膨張させる際には、バルーンの血管を圧迫する方向への膨張に比べて、開口部を閉じる方向への膨張を先行させているので、バルーンから逃げるように血管がリングの外へ押し出されて抜けることが生じにくくなる。他方、バルーン膨張による血管の圧迫よりも先に、バルーン膨張により開口部を、血管が離脱しない程度に閉じることができる。この結果、血管オクルーダによる血管を閉塞する動作の確実化が図れ、閉塞動作の信頼性を充分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示し、(A)は、血管オクルーダの全体構成を示す平面図であり、(B)は、同血管オクルーダの側面図である。
【図2】第1実施形態の血管オクルーダを示し、(A)は、膨張途中状態のバルーンを示す血管オクルーダの平面図であり、(B)は、同状態の血管オクルーダの側面図である。
【図3】第1実施形態の血管オクルーダを示し、バルーンを膨張させない状態を示す血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【図4】第1実施形態の血管オクルーダを示し、血管オクルーダが血管を閉塞した状態を示す血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態を示し、血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【図6】この発明の第3実施形態を示し、血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態を示し、血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【図8】この発明の他の実施形態を示し、血管オクルーダの要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,20,30,40,50 血管オクルーダ 2,31 フック
2A 開口部 3 バルーン
4 チューブ 5 スタイレット
5a スタイレットの把持部 7 接続管
7a スタイレット接続用穴 8 バルーン膨張用の連通孔
9 一方弁 12 外套管
12a 外套管の把持部 21 鍔部
A 閉塞対象の血管
Claims (5)
- 血管を導入させる開口部を周面に有した切欠きリング状のフックと、このフック内に配置されたバルーンと、このバルーンに接続されたバルーンを膨張させるための流体を供給するチューブと、前記フックを先端に取り外し可能に支持するスタイレットとを具えた血管オクルーダであって、
フック内に導入された血管を、バルーンを膨張させてフックの内面に圧迫することにより、血管を閉塞するようにしたことを特徴とする血管オクルーダ。 - バルーンは、フックの内面で開口部の周縁の近傍に設けられている請求項1記載の血管オクルーダ。
- 開口部の周縁には、開口部から外方に向けて形成された血管の導入をガイドする鍔部が設けられている請求項1または2に記載の血管オクルーダ。
- フックは、開口部からフック内面に到達するまでの距離を所定に確保して楕円状に形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の血管オクルーダ。
- バルーンが、血管を閉塞するよりも、先にフックの開口部を閉じるように膨張する請求項1ないし4のいずれかに記載の血管オクルーダ。
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