JP2004304568A - 受信回路およびこれを用いた移動無線受信機 - Google Patents

受信回路およびこれを用いた移動無線受信機 Download PDF

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Abstract

【課題】IC内部に時定数を決定する素子を容易に入れることができ、比較的簡易な構成で、受信回路内が飽和したか、否かの情報をAGC回路に出力できるとともに、妨害波による回路の飽和の影響を少なくして、希望波の受信の利得を上昇できる受信回路および移動無線受信機を提供する。
【解決手段】本発明は、ディジタルAGC回路8による利得の制御の際に、回路が飽和したかどうかを判断するコンパレータ7からの情報を制御信号に反映して利得制御する受信回路および移動無線受信機である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、妨害波による回路の飽和を抑制して、受信レベルを制御する受信回路、およびそれを用いた移動無線受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動利得制御(AGC)回路は、受信機などで信号を再生する際、信号振幅を所望の値に保つため、入力信号振幅が小さいときには可変電圧増幅器の利得をあげ、逆に入力信号振幅が大きいときには可変電圧増幅器の利得を下げるという動作を自動的に行う。しかし、希望波より妨害波のほうが大きい場合に、受信機内部が飽和してしまう。このような場合に、受信機内に飽和検知器を設けて、希望波信号の受信を良好に行うことが、試みられている。
【0003】
このように飽和検出器をAGC回路に連結して、自動利得制御を行うAGC回路には、アナログ回路を用いて利得の制御を行うアナログ制御系のものと、ディジタル回路を用いて利得の制御を行うディジタル制御系のものとが知られている。
【0004】
図2は、アナログ回路を用いて利得の制御を行う受信回路を有する受信機の構成を示すブロック図である。この受信回路の第1の主要部は、第1の可変利得増幅手段1、周波数変換回路2、フィルタ3、第2の可変利得増幅手段4、復調回路6から構成されている。また、この受信回路の第2の主要部は、飽和検出回路7及びAGC回路8から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
第1の可変利得増幅手段1は、アンテナ(図示せず)により受信した信号を増幅あるいは減衰する機能を有し、その出力は、周波数変換回路2に入力される。この周波数変換回路2は希望波信号の周波数を取り出し、所定の周波数に変換させる。周波数変換後の信号はフィルタ3に与えられる。信号は、フィルタ3にて帯域制限される。フィルタ3で、帯域制限された信号は、第2の可変利得制限手段により増幅され、復調回路5で、復調される。
【0006】
復調回路5から出力された信号は、図示されていない後段回路に出力されると共に、AGC回路8に出力される。また、周波数変換回路2からの出力を飽和検出回路9に入力し、受信機内部が飽和したかどうかを検出し、その結果を、AGC回路8に出力する。飽和検出回路9が、受信機内部が飽和したことを検知すると、AGC回路7は、前段の可変利得増幅手段(第1の可変利得増幅手段1)から順に利得を減衰するようにする。一方、飽和検出回路9が、受信機内部が飽和していない状態にあることを検知すると、AGC回路8は、前段の可変利得増幅手段(第1の可変利得増幅手段1)から順に利得を増加するようにする。
【0007】
しかし、アナログAGC回路では、制御の時定数が大きいと、時定数を決定するコンデンサや抵抗器を大きくしなければならない。受信機でAGC回路を含むアナログフロントエンド部をIC化するに際して、これらの時定数を決定する素子をIC内部に入れられない。このため、外付け部品が増えるなどの問題を生ずる。特に、移動無線受信機に用いる場合に、部品数が増加することで、受信機が大きくなり、実用性に沿わない。また、飽和検出器も、検波回路出力を低周波化するために時定数を決定するコンデンサや抵抗器を大きくしなければならない。
【0008】
さらに、ディジタルAGC回路を用いる場合には、検波回路をディジタル化する必要があり、飽和検出回路の入力をディジタル化しなければならない。すなわち、高速で、広いダイナミックレンジのA/D変換器が必要であり、これは高価である。
【0009】
一方、AGC回路を、ディジタル放送受信機あるいはディジタル無線通信受信機に適用する場合は、AGC回路がディジタル回路であるほうが好ましい。ディジタルAGC回路においては、時定数は、ディジタル値として保存できるので、コンデンサや抵抗器が不要となり、部品数を少なくすることができる。また、A/D変換後の処理がDSP(Digital Signal Processor)で行われるのであれば、そのプログラミング機能を用いて、信号としてのディジタルデータを利用して、受信場所、移動速度などの使用環境に柔軟に対応させて利得を制御できるので、受信機の機能を高めることができる。
【0010】
このようなディジタル回路を用いて利得の制御を行うものとしては、レベル計算機によりA/D変換器の出力レベルを検出し、これと予め演算器内に設定されている基準レベルとから求めた利得制御量と、A/D変換前の増幅器の出力から回路の飽和の有無を判断した結果とを用いて、増幅器の利得を制御したものが知られている(例えば、特許文献2)。この文献に記載の自動利得増幅回路では、コンパレータを飽和検出器として用い、回路が飽和していることを検知すると、積分器中で、所定のゲインを選択し、増幅器の利得を減じるように構成されている。
【0011】
しかし、この従来技術においては、たとえば瞬時的に強力な妨害波を受信し、回路が飽和した場合にも、上記したように所定のゲインが選択される。このため、この妨害波が受信されなくなった後にも、選択されたゲインの影響を受けるため、利得の制御が柔軟に行えないという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
実開平3−46881号公報(要約、第1図)
【特許文献2】
特開2002−314356号公報(請求項2、段落0016〜0024、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、IC内部に時定数を決定する素子を容易に入れることができる、受信回路を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、ディジタルAGC回路を用いる場合に、比較的簡易な構成で、受信回路内が飽和したか、否かの情報をAGC回路に提供できる、受信回路を提供することにある。
さらに、本発明のさらに別の目的は、妨害波による回路の飽和の影響を少なくして、希望波の受信の利得を上昇できるAGC回路を有する受信回路および移動無線受信機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の受信回路では、ディジタルAGC回路による利得の制御の際に、回路が飽和したかどうかを判断するコンパレータからの情報を制御信号に反映させる構成とした。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0015】
本発明の受信回路は、受信信号のレベルを調整する第1の可変利得増幅手段と、前記第1の可変利得増幅手段からの出力信号の周波数を変換する周波数変換回路と、前記変換された信号を帯域制限するフィルタと、前記フィルタの通過信号を増幅または減衰する第2の可変利得増幅手段と、前記第2の可変利得増幅手段で増幅または減衰された信号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力された信号を復調する復調回路とを有する受信回路であって、前記周波数変換器からの出力信号の電圧と所定の電圧とを比較し、比較結果を所定の信号にして出力するコンパレータと、前記比較結果に基づく出力信号と復調回路からの出力信号とから、前記第1の可変利得増幅手段の利得を制御する第1の制御信号と前記第2の可変利得増幅手段の利得を制御する第2の制御信号とを出力する自動利得増幅回路とを、備える。
【0016】
上記コンパレータは、第1の可変利得増幅手段からの出力信号の電圧と、所定の電圧とを比較するものであってもよい。
【0017】
この構成によれば、ディジタルAGC回路を用いるので、時定数は、ディジタル値として保存でき、コンデンサや抵抗器が不要となり、部品数を少なくすることができる。
【0018】
また、コンパレータにより、受信回路が飽和したか否かを判断するので、比較的簡易な構成で、受信回路内が飽和したか、否かの情報をAGC回路に提供できる。
【0019】
本発明の受信回路において、自動利得増幅回路は、上記比較結果を平滑化するループフィルタと、上記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路により得られた値と、第1の基準値と上記復調回路からの出力信号との差をとる差分手段と、差分結果を平滑化するループフィルタと、前記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路により得られた値とを比較して、前記第1の可変利得増幅手段の利得をより下げる方の値を選択する比較手段と、選択された信号をアナログ信号に変換するD/A変換器とを有する第1の制御信号手段と、第1の基準値と前記復調回路からの出力信号との差をとる差分手段と、差分結果を平滑化するループフィルタと、上記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路と、積分された信号をアナログ信号に変換するD/A変換器とを有する第2の制御信号手段と、上記各差分手段に所定の係数を与え、上記各平滑化手段に平滑化係数を与えるコントロール回路とを備える。
【0020】
本発明の受信回路を、移動無線受信機に用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に関わる受信回路について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の受信回路を有する移動無線受信機を示すブロック図である。
【0022】
図1において、1は第1の可変利得増幅手段、2は周波数変換回路、3はフィルタ、4は第2の可変利得増幅手段、5はA/D変換器、6は復調回路、7はコンパレータ、8は自動利得増幅(AGC)回路をそれぞれ表す。
【0023】
図1において、図示しないアンテナから出力された信号は、第1の可変利得増幅手段1で、増幅または減衰される。増幅または減衰された信号には、数チャンネルの周波数の信号が含まれている。周波数変換回路2では、数チャンネルある周波数の信号の中から、希望波信号の周波数を取り出し、中間周波数またはベースバンド周波数に変換する。周波数変換回路2から出力される信号には、希望波信号、妨害波信号、および周波数変換時に生じるイメージ信号が含まれている。このため、周波数変換回路2から出力される信号をフィルタ3に通し、希望波信号のみを取り出す。フィルタ3から出力された希望波信号は、第2の可変利得増幅手段4で増幅される。増幅された希望波信号は、A/D変換器5によりディジタル信号に変換され、復調回路6でディジタル復調処理して、データ系列にし、出力端子から出力される。なお、上記周波数変換回路2で、中間周波数に変換された場合には、復調回路6で、ベースバンド周波数に変換される。復調回路6は、復調信号のエラー訂正を行うとともに、データのエラー率を算出する。また、復調回路6では、第2の可変利得増幅手段4の出力強度を計算し、これを希望波信号の強度とする。なお、本明細書中では、強度は0以上の非負の値を取るものとする。また、強度が0なら、希望波信号は受信されていないことを意味する。
【0024】
周波数変換器2からの出力信号の一部は、コンパレータ7に入力される。コンパレータ7は、この出力信号の電圧と、所定の電圧とを比較する。ここで、所定の電圧とは、周波数変換器2の出力電圧で、第1の可変利得増幅手段1、周波数変換器2、およびフィルタ3のいずれか一つでも飽和するおそれのある電圧をいう。この電圧は、例えば、第1の可変利得増幅手段1、周波数変換器2、およびフィルタ3のそれぞれが、どの程度の出力電圧でし始めるか(出力換算飽和電圧)を、回路シミュレータで調べる、あるいは実際に各部を単体で試作して実測するなどにより求められる。これと同時に、それぞれの利得あるいは減衰量も、シミュレータや実測により求める。それぞれの利得あるいは減衰量から、各部の出力電圧に対する周波数変換器2の出力の関係を求める。この関係を用いて、上記各部それぞれの出力換算飽和電圧について、周波数変換器2の出力電圧に換算し、各部の電圧のうち、最も低い電圧を、所定の電圧とする。コンパレータ7では、周波数変換器2の出力電圧が、所定の電圧を超えていれば、0を、超えていなければ、1を、AGC回路8に出力する。
【0025】
AGC回路8では、希望波信号の強度と、データのエラー率と、コンパレータからの出力信号とから、第1の可変利得増幅手段1および第2の可変利得増幅手段4の利得を決定する。
【0026】
次に、本発明にかかる自動利得方法の一例を説明する。図3は、自動利得回路の一例を示すブロック図である。この図の例では、制御信号が大きいほど、可変利得増幅手段の利得を上げて、制御信号が小さいほど、可変利得増幅手段の利得を下げて、減衰させるものとする。
【0027】
第1の制御信号は、以下のようにして得られる。復調回路6から出力された希望波信号は、差分手段11で、コントロール回路10から出力された基準信号との差分をとり、差分信号を、ループフィルタ21に出力する。ループフィルタ21は、コントロール回路10から出力されたフィルタ係数に基づいて差分信号を平滑化し、積分回路31に出力する。平滑化された差分信号は、積分回路31で、積分される。一方、コンパレータ7から出力された信号は、ループフィルタ20に入力され、コントロール回路10から出力されたフィルタ係数に基づいて差分信号を平滑化し、積分回路30で積分される。積分回路30、31から出力されたこれらの2つの信号は、比較回路40に出力され、小さいほうの値が第1の制御信号として選択される。第1の制御信号は、D/A変換器51に出力され、アナログ信号に変換される。この信号強度に基づいて、第1の可変利得増幅手段1の利得が制御される。
【0028】
第2の制御信号は、以下のように得られる。復調回路6から出力された希望波信号は、差分回路12で、コントロール回路10から出力された基準信号との差分をとり、差分信号を、ループフィルタ12に出力する。ループフィルタ12は、コントロール回路10から出力されたフィルタ係数に基づいて差分信号を平滑化し、積分回路32に出力する。平滑化された差分信号は、積分回路32で、積分される。第2の制御信号は、D/A変換器52に出力され、アナログ信号に変換される。この信号に基づいて、第2の可変利得増幅手段4の利得が制御される。
【0029】
上記各積分回路30、31、32には、積分値が一定の範囲を超えないように、上限、下限を定めるリミッタ機能が設けられている。また、積分値が上限リミッタ、または下限リミッタにかかった場合は、その情報がコントロール回路10に送られ、第1の基準値および第2の基準値の決定に利用される。
【0030】
コントロール回路10は、データのエラー率から求められる最適と思われる希望波信号強度の最適値、第1および第2の基準値、ループフィルタ20、21、22のフィルタ係数などを決定する。
【0031】
次に、本発明の受信回路にかかる第1の可変利得増幅手段1および第2の可変利得増幅手段4の利得制御方法を説明する。まず、受信機内部が飽和していない場合の利得制御方法を説明する。この場合には、コンパレータ7は1を出力するので、第1の制御信号としては、基準値と希望波信号強度の差分から求められる信号が選択される。この信号に基づいて、第1の可変利得増幅手段1の利得が制御される。
【0032】
第1の可変利得増幅手段1の基準値として希望波信号強度の最適値が、第2の可変利得増幅手段4の基準値として0が、各積分回路出力として第1および第2の制御信号の取りうる最小値が、それぞれの初期値として設定されている。このような初期値にすることで、希望波信号強度が受信開始時から大きい場合であっても、受信機内部が飽和することを回避できる。
【0033】
すなわち、実際の希望波信号強度が第1の可変利得増幅手段1の基準値より大きい場合には、ループフィルタ21は第1の可変利得増幅手段1の利得を下げるような、信号が出力される。そして、ループフィルタ22入力は必ず負の値であるから、ループフィルタ22も、第2の可変利得増幅手段4の利得を下げるような信号を出力する。しかし、各積分回路出力は、すでに第1および第2の制御信号の取りうる最小値に設定され、第1の可変利得増幅手段1および第2の可変利得増幅手段の利得はそれぞれ最低となっている。このため、受信機内部は、この状態で、安定する。
【0034】
実際の希望波信号強度が、第1の可変利得増幅手段1の基準値より小さい場合には、第1の可変利得増幅手段1の基準値と希望波信号強度との差分から得られる制御信号により、第1の可変利得増幅手段1の利得を上昇させるように、第1の制御信号が大きくなる。一方で、ループフィルタ22への入力は必ず負の値となり、ループフィルタ22は、第2の可変利得増幅手段4の利得を下げるような信号を出力する。しかし、積分回路32はすでに第2の制御信号の取りうる最小値に設定されているので、第2の可変利得増幅手段4の利得は最低となったままである。
【0035】
第1の制御信号が、積分器31の上限リミッタにかかる前に、希望波信号強度が第1の可変利得増幅手段1の基準値と一致すると、その差分が小さくなる。この結果、第1の可変利得増幅手段1の利得を変動させる必要がなくなるので、第1の制御信号は、この状態で安定する。
【0036】
回路が飽和していない状態で、第1の制御信号が上昇し、積分器の上限リミッタ31に到達する場合には、第1の可変利得増幅手段1の利得を最大にしても、希望波信号強度の最適値に達していないことを意味する。この場合には、第1の可変利得増幅手段1の基準値を希望波信号強度が取りうる最大値とし、第2の可変利得増幅手段4の基準値を希望波信号強度の最適値とする。すなわち、第1の可変利得増幅手段1の利得を最大にしたままで、第2の可変利得増幅手段4の利得を上昇させるように、第2の制御信号を大きくする。
【0037】
第2の制御信号が、積分器32の上限リミッタにかかる前に、希望波信号強度が第2の可変利得増幅手段4の基準値と一致すると、その差分が小さくなる。この結果、利得を変動させる必要がなくなるので、第2の制御信号が安定する。
【0038】
第2の制御信号が上昇し、積分器32の上限リミッタに到達する場合には、第2の可変利得増幅手段4の利得を最大にしても、希望波信号強度の最適値に達していないことを意味する。この場合には、第1の可変利得増幅手段1および第2の可変利得増幅手段4は、いずれも設定しうる最大利得になっている。すなわち、受信信号強度が非常に小さいことを意味する。
【0039】
受信信号強度が非常に小さい状態から、受信信号強度が大きくなっていくと、第2の可変利得増幅手段4の基準値と希望波信号強度との差分が小さくなる。すなわち、第2の制御信号が小さくなり、第2の可変利得増幅手段4の利得を下げて、希望波信号強度の最適値に近づけようとする。
【0040】
さらに、希望波信号強度が、第2の可変利得増幅手段4の基準値より高い状態が続き、積分器32の下限リミッタに到達する場合には、第2の可変利得増幅手段4の利得を最小にしても、希望波信号強度が大きいことを意味する。この場合には、第1の可変利得増幅手段1の基準値を希望波信号強度の最適値とし、第2の可変利得増幅手段4の基準値を0として、第1の可変利得増幅手段1の利得を下げる。
【0041】
この第1および第2の可変利得増幅手段の基準値は、初期状態の基準値と同じである。すなわち、回路内部が飽和していない場合には、本発明にかかるAGC回路は、受信信号の強度の変動に対して上記動作を行うことで、希望波信号強度を最適値にするように、働く。
【0042】
次に、受信信号中に含まれる妨害波が大きく、受信機内部が飽和する可能性がある場合の動作を説明する。
【0043】
この場合には、コンパレータ7からの出力が、第1の可変利得増幅手段1の利得を制御する場合に反映される点が、受信機内部が飽和しない場合と異なる。すなわち、周波数変換器2からの出力電圧の瞬時値が、受信機内部が飽和した値を超えた場合には、コンパレータ7が0を出力する。具体的には、上記したように、周波数変換器2からの出力電圧の瞬時値が、第1の可変利得増幅手段1、周波数変換器2、およびフィルタ3のいずれか一つでも飽和するおそれのある電圧を超えた場合である。
【0044】
この値をループフィルタ20で、平滑化し、積分回路30で積分した値は、線形に低下していく。そして、コンパレータ7からの出力信号から得られる値が、基準値と希望波信号強度との差分から得られる値より小さくなると、コンパレータ7からの出力信号が、第1の制御信号として選択され、第1の可変利得増幅手段1の利得を低下させる。この結果、希望波信号強度は低下する。
【0045】
この状態にあるとき、希望波信号強度は、第1の基準値および第2の基準値より小さい値となる。したがって、自動利得増幅回路8は、希望波信号強度を増加させるために、基準値と希望波信号強度との差分から得られる第1の制御信号および第2の制御信号を大きくする。ただし、第1の可変利得制御手段1は、コンパレータ7に基づく制御信号に支配されているので、利得は低下したままである。この結果、フィルタ3に入力する妨害波の信号強度が低下したままであるので、妨害波の影響を小さくすることができる。
【0046】
第1の可変利得制御手段1の利得を低下させ、妨害波の信号強度を低下させることにより、コンパレータ7が回路内部の飽和を検知する頻度が減少する。この結果、コンパレータが0を出力する頻度が低下するので、第1の可変利得制御手段1の利得は安定する。
【0047】
一方、第2の可変利得増幅手段4は、その利得を増加させるために、基準値を希望波信号強度の最適値とする。この結果、第2の制御信号が大きくなり、希望波信号強度は大きくなる。ただし、第1の可変利得増幅手段1が、コンパレータからの出力に基づく信号に支配されているため、希望波信号強度が最適値に至らない場合がある。
【0048】
妨害波がなくなるなどにより、受信回路内が飽和しなくなった場合には、コンパレータ7は1を出力する。この値をループフィルタ20で、平滑化し、積分回路30で積分した値は、線形に増加していく。そして、コンパレータ7からの出力信号から得られる値が、基準値と希望波信号強度との差分から得られる値より大きくなると、基準値と希望波信号強度との差分から得られる信号が、第1の制御信号として選択される。
【0049】
本発明の構成によると、パルス的な非常に短時間の強力な妨害波を受信した場合に、極めて有効である。すなわち、コンパレータが、回路内部の飽和を検知し、0を出力するのは、極めて短時間である。したがって、コンパレータからの出力信号から得られる値が、基準値と希望波信号強度との差分から得られる値より小さくなる前に、コンパレータは0を出力しなくなる。この結果、第1の可変利得増幅手段は、基準値と希望波信号強度との差分から得られる値に基づく制御信号に支配されたままであるので、妨害波による第1の可変利得増幅手段の利得制御に対する影響を少なくすることができる。すなわち、一瞬に入力した妨害波により、第1の可変利得増幅手段の利得がしばらく低下したままであると、希望波信号対雑音比が低下する期間が長くなる。このため、復調信号のエラー率が多い状態が続くことから、エラー訂正機能が十分働かなくなり、受信品質が低下する。一方、本発明の構成によれば、一瞬に入力した妨害波により復調信号データが壊れるおそれはある。しかし、この場合には、エラー訂正で修復できる可能性が高いので、受信品質の劣化を防止できる。
【0050】
信号強度が大きい希望波を受信する際に、非常に大きい妨害波が連続的に入信された場合には、復調回路で、希望波信号とみなされた信号が、飽和による歪成分である場合がある。この場合には、データのエラー率やコンパレータからの出力信号から得られる値から、すばやく第1の可変利得増幅手段の利得を低下させるために、コントロール回路はループフィルタのフィルタ係数を変更できる。
【0051】
(実施の形態2)
上記実施の形態1は、周波数変換回路からコンパレータに出力した出力信号を所定の電圧と比較する。一方、本実施の形態は、第1の可変利得増幅手段からコンパレータに出力した出力信号を所定の電圧と比較する点で、実施の形態1と異なる。つまり、第1の可変利得増幅手段が扱う周波数がそれほど高くなく、コンパレータが十分動作可能な周波数であれば、コンパレータ入力は第1の可変利得増幅手段の出力を用いても問題ない。なお、コンパレータに用いる所定の電圧は、各部が飽和するおそれのある電圧を第1の可変利得増幅手段の出力に換算した値である。これら以外の点においては、実施の形態1と同様である。
【0052】
本特許を実施した受信回路を移動無線受信機に用いれば、ディジタルAGC回路を用いるので、時定数は、ディジタル値として保存でき、コンデンサや抵抗器が不要となり、部品数を少なくすることができるので、この受信機は小型化、携帯化が可能になる。しかも、移動受信中に妨害波の強度が希望波の強度より大きくなった場合でも、快適に受信することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、ディジタルAGC回路を用いるとともに、アナログ飽和検波回路を用いずに、コンパレータにより回路の飽和を判断するので、IC内部に時定数を決定する素子を容易に入れることができる受信回路が得られる。
また、本発明は、ディジタルAGC回路を用いる場合に、コンパレータという比較的簡易な構成で、受信回路内が飽和したか、否かの情報をAGC回路に出力できる受信回路が得られる。
さらに、本発明は、回路が飽和した場合に、コンパレータからの飽和信号により、可変利得増幅手段の利得を制御できるので、妨害波による回路の飽和の影響を少なくして、希望波の受信の利得を上昇できるAGC回路を有する受信回路および移動無線受信機がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の受信回路を有する移動無線受信機を示すブロック図である。
【図2】図2は、アナログ回路を用いて利得の制御を行う受信回路を有する受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、自動利得回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 第1の可変利得増幅手段
2 周波数変換回路
3 フィルタ
4 第2の可変利得増幅手段
5 A/D変換器
6 復調回路
7 コンパレータ
8 自動利得増幅回路
9 飽和検出回路
10 コントロール回路
11、12 差分手段
20、21、22 ループフィルタ
30、31、32 積分回路
40 比較回路
51、52 D/A変換器

Claims (4)

  1. 受信信号のレベルを調整する第1の可変利得増幅手段と、前記第1の可変利得増幅手段からの出力信号の周波数を変換する周波数変換回路と、前記変換された信号を帯域制限するフィルタと、前記フィルタの通過信号を増幅または減衰する第2の可変利得増幅手段と、前記第2の可変利得増幅手段で増幅または減衰された信号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力された信号を復調する復調回路とを有する受信回路であって、
    前記周波数変換回路からの出力信号の電圧と所定の電圧とを比較し、比較結果を所定の信号にして出力するコンパレータと、
    前記比較結果に基づく出力信号と復調回路からの出力信号とから、前記第1の可変利得増幅手段の利得を制御する第1の制御信号と前記第2の可変利得増幅手段の利得を制御する第2の制御信号とを出力する自動利得増幅回路とを、備えることを特徴とする受信回路。
  2. 受信信号のレベルを調整する第1の可変利得増幅手段と、前記第1の可変利得増幅手段からの出力信号の周波数を変換する周波数変換回路と、前記変換された信号を帯域制限するフィルタと、前記フィルタの通過信号を増幅または減衰する第2の可変利得増幅手段と、前記第2の可変利得増幅手段で増幅または減衰された信号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力された信号を復調する復調回路とを有する受信回路であって、
    前記第1の可変利得増幅手段からの出力信号の電圧と所定の電圧とを比較し、比較結果を所定の信号にして出力するコンパレータと、
    前記比較結果に基づく出力信号と復調回路からの出力信号とから、前記第1の可変利得増幅手段の利得を制御する第1の制御信号と前記第2の可変利得増幅手段の利得を制御する第2の制御信号とを出力する自動利得増幅回路とを、備えることを特徴とする受信回路。
  3. 前記自動利得増幅回路は、
    前記比較結果を平滑化するループフィルタと、前記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路により得られた値と、第1の基準値と前記復調回路からの出力信号との差をとる差分手段と、差分結果を平滑化するループフィルタと、前記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路により得られた値とを比較して、前記第1の可変利得増幅手段の利得を下げる方の値を選択する比較手段と、前記選択された信号をアナログ信号に変換するD/A変換器とを有する第1の制御信号手段と、
    第1の基準値と前記復調回路からの出力信号との差をとる差分手段と、差分結果を平滑化するループフィルタと、前記ループフィルタで平滑化された信号を積分する積分回路と、積分された信号をアナログ信号に変換するD/A変換器とを有する第2の制御信号手段と、
    前記各差分手段に第1の基準値と第2の基準値とを与え、前記各ループフィルタにフィルタ係数を与えるコントロール回路とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信回路。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の受信回路を備えることを特徴とする移動無線受信機。
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