JP2004304246A - 広ダイナミックレンジ撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広ダイナミックレンジ処理を含んだ信号処理において、各画素に配置された主感光部および従感光部から得られる画像信号を一時蓄積させるメモリの容量を削減することができる広ダイナミックレンジ撮像装置を提供。
【解決手段】広ダイナミック撮像装置10は、各画素のそれぞれに対応する主感光部および従感光部を含み、それぞれから得られる主感光部データおよび従感光部データに対して、アナログ・ディジタル変換器28で同一の分解能でアナログ・ディジタル変換を行う。また、信号処理部30において、これらの主感光部データおよび従感光部データを信号処理する際に、それぞれ、画像メモリ50および画像メモリ70に一時蓄積させる。ここで、従感光部の飽和レベルが、主感光部の飽和レベルの1/bであり、主感光部データの各画素のビット数がXiで表わせるとき、従感光部データの各画素のビット数をYi=Xi−log2bで表わして、画像メモリ70に蓄積することによってメモリの使用容量を減少することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】広ダイナミック撮像装置10は、各画素のそれぞれに対応する主感光部および従感光部を含み、それぞれから得られる主感光部データおよび従感光部データに対して、アナログ・ディジタル変換器28で同一の分解能でアナログ・ディジタル変換を行う。また、信号処理部30において、これらの主感光部データおよび従感光部データを信号処理する際に、それぞれ、画像メモリ50および画像メモリ70に一時蓄積させる。ここで、従感光部の飽和レベルが、主感光部の飽和レベルの1/bであり、主感光部データの各画素のビット数がXiで表わせるとき、従感光部データの各画素のビット数をYi=Xi−log2bで表わして、画像メモリ70に蓄積することによってメモリの使用容量を減少することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各画素に主感光部および従感光部を配置して広ダイナミックレンジ処理を可能とする広ダイナミックレンジ撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、広ダイナミックレンジ撮像装置は、入射光に対する感度が異なる主感光部と従感光部とを有する固体撮像素子を用いて広ダイナミックレンジ化を実現している。このとき、主感光部は、入射光に対する感度が高い感光部であり、メリハリのある画像を形成するものである。一方、従感光部は、入射光に対する感度が低い感光部であり、通常の露光条件では白飛びしてしまう画像領域、あるいは主感光部の信号が飽和してしまう画像領域の情報(コントラスト)まで正確に取得するものである。特許文献1に記載の固体撮像装置では、これらの2種類の感光部からの出力信号を処理することによって広ダイナミックレンジを実現している。
【0003】
たとえば、図4において、理想的な撮像をするときの光電変換特性を示し、固体撮像素子の所定の画素において、得られる入射光量と信号電荷の量との関係を示す。このとき、主感光部のみから得られる信号電荷の量は、入射光量がハイライト領域に達すると飽和レベルに達して曲線402のように変化し、ハイライト領域における信号電荷の量を測定することができない。一方、特許文献1に記載の固体撮像装置では、広ダイナミックレンジ処理を施しているため、入射光量がハイライト領域に達しても飽和しない曲線406のように変化し、広ダイナミックレンジで信号電荷の量を測定することができる。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−016835。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1に記載の固体撮像装置は、各画素が主感光部および従感光部を有し、これらの感光部からの画像信号を処理することによって広ダイナミックレンジを実現している。
【0006】
ところで、固体撮像装置の信号処理では、画像信号を一時蓄積するメモリなどが用いられるが、このメモリの使用容量は、画素数に比例して変化するものである。たとえば、通常の信号処理では、各画素が唯一の感光部を有して画像信号を出力し、メモリの容量は、画素数×12〜14ビットあれば実用上十分である。
【0007】
しかし、特許文献1に記載の固体撮像装置では、各画素が主感光部および従感光部からなる2つの感光部を有し、2種類の画像信号を出力するため、信号処理において、通常の2倍のメモリ容量が必要である。また、従感光部では得られる信号電荷の量が少なく、主感光部と同等のメモリを使用するには無駄が多い。
【0008】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、広ダイナミックレンジ処理を含んだ信号処理において、各画素に配置された主感光部および従感光部から得られる画像信号を一時蓄積させるメモリの容量を削減することができる広ダイナミックレンジ撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、行および列方向に配列され、撮像面を形成する各画素に対応する複数の受光部と、この複数の受光部から得られる画像信号を信号処理する信号処理手段とを含み、この複数の受光部は、入射光を光電変換する第1の感光部と、第1の感光部より低い感度を有し、入射光を光電変換する第2の感光部とを含み、この信号処理手段は、第1の感光部から得られる第1のアナログ画像信号、および第2の感光部から得られる第2のアナログ画像信号を信号処理する広ダイナミックレンジ撮像装置において、この信号処理手段は、第1のアナログ画像信号および第2のアナログ画像信号を同一の分解能でディジタル変換して、それぞれ第1のディジタル画像信号および第2のディジタル画像信号を出力する変換手段と、第1のディジタル画像信号を一時蓄積する第1の記憶手段および第2のディジタル画像信号を一時蓄積する第2の記憶手段とを含み、第2のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数を、第1のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、第2の記憶手段に蓄積することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による広ダイナミックレンジ撮像装置の実施例を詳細に説明する。
【0011】
実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置10は、図1に示すように、被写界からの入射光を光学系12において取り込み、操作部14を操作することによりシステム制御部16、タイミング発生器18、光学系駆動部20および撮像駆動部22で各部を制御して、この被写界像を固体撮像素子14で撮像するもので、撮像した画像を前処理部16、アナログ・ディジタル(A/D)変換器18および信号処理部20で信号処理して、表示部22で表示し、また記録部24で記録する装置である。なお、本発明の理解に直接関係のない部分は、図示を省略し、冗長な説明を避ける。
【0012】
光学系12には、具体的な構成を図示しないが、レンズ、絞り調整機構、シャッタ機構、ズーム機構および自動焦点調節機構などが含まれて、所望の被写界像を取り込んで固体撮像素子24の撮像面に入射する光入射機構である。この光学系12は、光学系駆動部20から供給される駆動信号120により制御される。なお、以下の説明において、各信号はその現れる接続線の参照番号で特定する。
【0013】
操作部14は、操作者の指示を入力する手操作装置であり、操作者の手操作状態に応じて操作信号104を生成し、システム制御部16に供給する機能を有する。たとえば、レリーズボタン(図示せず)のストローク操作に応じて、操作信号104をシステム制御部16に供給する。
【0014】
システム制御部16は、操作部14から供給される操作信号104に応動して、本装置全体の動作を制御、統括する制御機能部である。たとえば、本実施例におけるシステム制御部16は、操作信号104に応じて、制御信号106、108、110および112を生成し、それぞれタイミング発生器18、光学系駆動部20、信号処理部30および記録部34に供給して制御する。本実施例において、システム制御部16は、図2に示すように、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)80および中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)82を有している。
【0015】
タイミング発生器18は、撮像装置10を動作させる基本クロック(システムクロック)を発生する発信機を有して、たとえば、この基本クロック106をシステム制御部16に供給する。また、図1に示していないが、タイミング発生器18は、基本クロックをほとんど全てのブロックに供給すると共に、この基本クロックを分周して様々なタイミング信号も生成する。本実施例では特に、タイミング発生器18は、システム制御部16から供給される制御信号106に基づいてタイミング信号を生成し、タイミング信号114、116および118を生成して、それぞれ撮像駆動部22、前処理部26およびA/D変換器28に供給する。
【0016】
光学系駆動部20は、光学系12の駆動を制御する駆動信号120を発生する機能を有し、本実施例では、システム制御部16からの制御信号108に応じて駆動信号120を生成する。
【0017】
撮像駆動部22は、固体撮像素子24の駆動を制御する駆動信号122を発生する機能を有し、本実施例では、タイミング発生器18からのタイミング信号114に応じて駆動信号122を生成する。
【0018】
固体撮像素子24は、具体的な構成は図示しないが、撮影画像の1画面を形成する撮像面および水平転送路を含み、撮像面は、複数の各画素に対応する受光部、および垂直転送路を備えている。固体撮像素子24は、その撮像面に結像される被写界像を電気信号124に光電変換する機能を有し、本実施例では、たとえば、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)や金属酸化膜型半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)等のいずれのイメージセンサでもよい。
【0019】
この撮像面において、複数の受光部は、行方向および列方向に1つおきに位置をずらして配列する、ハニカム配列を用いるとよく、また、行方向および列方向に1つおきに位置をずらして配列してもよい。本実施例では特に、これらの受光部のそれぞれが、高感度の受光素子である主感光部、および低感度の受光素子である従感光部を備えている。主感光部および従感光部は、入射光を受光した際に、光を受光光量に応じた電気信号に光電変換する光センサであり、たとえば、フォトダイオードが用いられる。従感光部の感度は、主感光部よりも低く設計されて、強い入射光に対しても飽和しない。
【0020】
本実施例の固体撮像素子24は、駆動信号122に制御されて、各感光部で光電変換によって得た信号電荷を垂直転送路に読み出し、この信号電荷を垂直方向にシフトして水平転送路に供給する。さらに、水平転送路における信号電荷を、図示しない出力回路において、アナログ電気信号124に変換して前処理部26に出力する。
【0021】
前処理部26は、タイミング信号116に制御されて、画像を示すアナログ電気信号124に対して、アナログ信号処理を施す機能を有する。たとえば、前処理部26は、相関二重サンプリング回路(Correlated Double Sampling:CDS)やゲインコントロールアンプ(Gain Control Amp:GCA)を含み、これらの回路等によって処理されたアナログ画像信号126をA/D変換器28に供給する。
【0022】
A/D変換器28は、タイミング発生器18からのタイミング信号118に応じて、前処理部26から供給されるアナログ画像信号126の信号レベルを所定の量子化レベルにより量子化してディジタル画像信号128に変換する。たとえば、アナログ画像信号126を所望する画像の階調を満たす分解能に対応するビット数のディジタル画像信号128に変換する。本実施例では、アナログ画像信号126には主感光部データおよび従感光部データが含まれるが、両データを同一の精度でA/D変換してよい。
【0023】
信号処理部30は、A/D変換器28から供給されるディジタル画像信号128に対してディジタル信号処理を施す機能を有する。本実施例では、ディジタル画像信号128に含まれる主感光部データおよび従感光部データを信号処理する。また、このディジタル信号処理を施したディジタル画像信号130および132を、それぞれ表示部32および記録部34に供給する。
【0024】
本実施例では、信号処理部30は、図2に示すように構成されて、システム制御部16から供給される制御信号110に応じてディジタル信号処理を行う。信号処理部30は、画像メモリ50および70を有して、主感光部データおよび従感光部データをそれぞれ主画像信号および従画像信号として一時蓄積する機能を有する。また、主画像信号を処理するホワイトバランス(WB)ゲイン部52およびガンマ(γ)変換部54、ならびに従画像信号を処理するWBゲイン部72およびγ変換部74を有する。さらに、主画像信号と従画像信号とを合成する画像加算部56を有し、また、同時化処理部58、各種補正部60、圧縮/伸張部62および拡大/縮小部64において、合成後の主画像信号を処理する。
【0025】
この画像メモリ50では、主感光部データを主画像信号として蓄積し、また、画像メモリ70では、従感光部データを従画像信号として蓄積する。特に、本実施例では、信号処理部30において、従画像信号の1画素のデータのビット数を、主画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、画像メモリ70に蓄積する。また、画像メモリ70の全容量は、画像メモリ50の全容量より小さくしてよい。
【0026】
WBゲイン部52および72は、それぞれ主画像信号および従画像信号のホワイトバランスを調節する機能を有し、たとえばこれらの画像信号にホワイトバランスゲインを乗じて、ホワイトバランスのとれた画像信号を出力する。
【0027】
γ変換部54および74では、それぞれ主画像信号および従画像信号を、たとえば撮像部24の階調特性に応じて補正する機能を有して、補正した画像信号を出力する。
【0028】
画像加算部56は、画像メモリ50に蓄積された主画像信号、および画像メモリ70に蓄積された従画像信号を合成する機能を有し、合成後の主画像信号を出力して画像メモリ50に蓄積させる。
【0029】
同時化処理部58は、合成後の主画像信号を同時化処理する機能を有し、各種補正部60は、この主画像信号を、たとえばシェーディング補正,白黒補正などの処理をする機能を有する。
【0030】
圧縮/伸張部62は、主画像信号に対して、たとえば直交変換を用いたJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格での圧縮を施す回路と、この圧縮した画像を再び元のデータに伸張する回路とを有する。圧縮/伸張部62は、システム制御部16の制御信号110により画像記録を制御されて、圧縮した画像データ132をカードI/F90を介して情報記録媒体92に記録する。
【0031】
拡大/縮小部64は、主画像信号に対して、拡大または縮小処理を施す機能を有し、表示部32に画像信号130を出力する。
【0032】
表示部32は、信号処理部30から供給されるディジタル画像信号130に基づいて画像表示する機能を有し、たとえば、液晶表示(Liquid Crystal Display: LCD)パネルなどが用いられる。また、本実施例では、図2に示すように、拡大/縮小部64からディジタル画像信号130が供給される。
【0033】
記録部34は、信号処理部30からディジタル画像信号132を読み込んで記録する機能を有する。本実施例では、図2に示すように、カードインターフェース(I/F)90および情報記録媒体92を有し、圧縮/伸張部62から供給されるディジタル画像信号132をカードI/F90を介して情報記録媒体92に書き込む。情報記録媒体92は、半導体メモリが搭載されたメモリカードや光磁気ディスク等の回転記録体を収容したパッケージなどを用い、着脱可能でもよい。
【0034】
次に、この実施例における広ダイナミックレンジ撮像装置10の動作を説明する。広ダイナミックレンジ撮像装置10では、光学レンズ系12を介して被写界像が固体撮像素子24に結像される。このとき、操作者が操作部14を操作して、撮影を指示する操作信号104がシステム制御部16に入力する。
【0035】
システム制御部16では、操作信号104に応じた制御信号106がタイミング発生器20に出力される。また、タイミング発生器20では、制御信号106に応じたタイミング信号114が撮像駆動部22に出力される。
【0036】
次に、撮像駆動部22において、タイミング信号114に応じた駆動信号122が固体撮像素子24に供給され、この固体撮像素子24において、上記の被写界像が光電変換されてアナログ画像信号である電気信号124が生成される。
【0037】
この電気信号124は、前処理部26に供給されてアナログ信号処理が施され、アナログ画像信号126がアナログ・ディジタル変換器28に供給される。
【0038】
アナログ画像信号126は、アナログ・ディジタル変換器28において、アナログ・ディジタル変換が施され、ディジタル画像信号128が信号処理部30に出力される。本実施例では、このアナログ画像信号126には、主感光部データおよび従感光部データが含まれるが、これらのデータは、同一の精度で、たとえば1画素当たり12ビットのディジタル画像信号に変換される。
【0039】
ディジタル画像信号128は、信号処理部30において、主感光部データが主画像信号として画像メモリ50に、また、従感光部データが従画像信号として画像メモリ70に蓄積される。このとき、図3に示すように、従感光部データの信号電荷量の最大値は、主感光部データよりも少ないため、従画像信号は、1画素のデータのビット数を主画像信号よりも少なくしても、十分に表すことができる。このように、従画像信号におけるビット数を減少することによって、画像メモリ70で蓄積するメモリ容量を画像メモリ50よりも小さくすることができる。
【0040】
たとえば、本装置10において、最大のダイナミックレンジで撮影するとき、主感光部および従感光部では、それぞれの飽和レベルを超える信号電荷を得ることはできない。図3に示すように、所望の画素iにおける主感光部および従感光部は、それぞれ、最大で飽和レベルHiおよびHi/bに応じた信号電荷を得ることができる。ただし、bは1より大きい。このとき、主画像信号は、各画素のデータをXiビットで表わすと、従画像信号は、各画素のデータをYi=Xi−log2b’ビットで表わすことができる。このb’は、b以上で2のべき乗の最小の値でよい。たとえば、Xi=12ビットで、かつb=4であるとき、Yi=12−log24=10ビットで表わすことができる。
【0041】
また、本実施例では、従画像信号のビット数の減少は、信号処理部30で行われるが、A/D変換器26や前処理部28で行われてもよい。
【0042】
信号処理部30では、上記のように画像メモリ50および画像メモリ70にそれぞれ蓄積された主画像信号および従画像信号が、広ダイナミックレンジ信号処理を施される。まず、主画像信号は、WBゲイン部52およびγ変換部54で処理され、従画像信号は、WBゲイン部72およびγ変換部74で処理される。このとき、従画像信号は、主画像信号よりビット数を少なくして処理されてもよい。次に、主画像信号は、画像加算部56において、従画像信号と合成され、合成後の主画像信号は、画像メモリ50に蓄積される。
【0043】
本実施例において、画像加算部56は、主画像信号および従画像信号を単純加算するものではない。たとえば、図4に示すように、所定の画素において、入射光量に対して、主感光部のみから得られる信号電荷の量は、曲線402のように表される。このとき、入射光量cで飽和レベルに達しているため、従感光部から得られる信号電荷量との単純加算を用いると、飽和レベルを超えた信号電荷量を得てしまう。したがって、本実施例の画像加算部56では、主感光部および従感光部から得られる信号電荷の量が、たとえば、曲線406で表されるような広ダイナミックレンジ処理が施される。
【0044】
この広ダイナミックレンジ処理では、たとえば、主画像信号および従画像信号をそれぞれテーブルAiおよびBiで表す(i:1〜画素数)とき、合成後の主画像信号を表すテーブルAi’は、Ai’=(255/255+64)×{(Ai×αi)+(Bi×βi)}で決められる。この演算は、AiとBiとを単純加算したものに、新たな輝度依存のγを掛けるようなイメージのテーブルαiおよびβiを用いる。このβiは、αiよりレンジの狭いものでよい。
【0045】
次に、信号処理部30では、合成後の主画像信号は、同時化処理部58および各種補正部60において処理される。このように処理された主画像信号は、記録部34で記録される際には、圧縮/伸張部62で処理され、カードインターフェース(I/F)90を介して情報記録媒体92に記録される。また、拡大/縮小部64で処理されて、表示部32で表示されてもよい。
【0046】
また、他の実施例として、本装置10において、信号処理部30において、所望のダイナミックレンジで信号電荷が得られるように、従感光部データの各画素のビット数を少なくして、従画像信号として画像メモリ70に蓄積してもよい。たとえば、図3に示すように、所望の画素iにおける従感光部が、主感光部に対して、1/aの感度を有し、またd倍の撮像能力すなわち、ダイナミックレンジを得ようとすると、被写体の明るさがc×dの際に最大の信号電荷量Hi/(a/d)を得ることができる。ただし、aおよびdは1より大きく、aはdより大きいことが望ましい。このとき、主画像信号の1画素のデータを12ビットで表わすと、従画像信号の1画素のデータは、12−log2d’ビットで表わすことができる。このd’は、(a/d)以上で2のべき乗の最小の値でよい。このとき、a=16およびd=4であるならば、従画像信号の1画素のデータは、10ビットで表わすことができる。また、このdを設定可能とすることで、所望のダイナミックレンジで撮影することができる。
【0047】
【発明の効果】
このように本発明によれば、広ダイナミックレンジ撮像装置は、信号処理の際に、従画像信号のビット数を少なくして蓄積することによって、メモリの使用容量を減少することができる。
【0048】
また、通常の信号処理では、たとえば、従感光部データに対して、画像メモリへの蓄積、オフセット処理して画像メモリへ蓄積、WB処理して画像メモリへ蓄積、およびγ変換して画像メモリへ蓄積などの処理が、繰り返し行われる。本発明では、従画像信号のビット数を少なくして、たとえば12ビットから10ビットにして画像メモリに蓄積するために、その後の処理速度を向上させることができ、広ダイナミックレンジ撮影の連写を有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る広ダイナミックレンジ撮像装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置が有する信号処理部30について詳細に示すブロック図である。
【図3】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置において、被写界の明るさと、主感光部および従感光部における信号電荷量との関係を示す図である。
【図4】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置において、広ダイナミックレンジ処理を行う場合、および行わない場合の光電変換効率を示した図である。
【符号の説明】
10 広ダイナミックレンジ撮像装置
12 光学系
14 操作部
16 システム制御部
18 タイミング発生器
20 光学系駆動部
22 撮像駆動部
24 撮像部
26 前処理部
28 アナログ・ディジタル変換器
30 信号処理部
32 表示部
34 記録部
【発明の属する技術分野】
本発明は、各画素に主感光部および従感光部を配置して広ダイナミックレンジ処理を可能とする広ダイナミックレンジ撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、広ダイナミックレンジ撮像装置は、入射光に対する感度が異なる主感光部と従感光部とを有する固体撮像素子を用いて広ダイナミックレンジ化を実現している。このとき、主感光部は、入射光に対する感度が高い感光部であり、メリハリのある画像を形成するものである。一方、従感光部は、入射光に対する感度が低い感光部であり、通常の露光条件では白飛びしてしまう画像領域、あるいは主感光部の信号が飽和してしまう画像領域の情報(コントラスト)まで正確に取得するものである。特許文献1に記載の固体撮像装置では、これらの2種類の感光部からの出力信号を処理することによって広ダイナミックレンジを実現している。
【0003】
たとえば、図4において、理想的な撮像をするときの光電変換特性を示し、固体撮像素子の所定の画素において、得られる入射光量と信号電荷の量との関係を示す。このとき、主感光部のみから得られる信号電荷の量は、入射光量がハイライト領域に達すると飽和レベルに達して曲線402のように変化し、ハイライト領域における信号電荷の量を測定することができない。一方、特許文献1に記載の固体撮像装置では、広ダイナミックレンジ処理を施しているため、入射光量がハイライト領域に達しても飽和しない曲線406のように変化し、広ダイナミックレンジで信号電荷の量を測定することができる。
【0004】
【特許文献1】
特願2002−016835。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1に記載の固体撮像装置は、各画素が主感光部および従感光部を有し、これらの感光部からの画像信号を処理することによって広ダイナミックレンジを実現している。
【0006】
ところで、固体撮像装置の信号処理では、画像信号を一時蓄積するメモリなどが用いられるが、このメモリの使用容量は、画素数に比例して変化するものである。たとえば、通常の信号処理では、各画素が唯一の感光部を有して画像信号を出力し、メモリの容量は、画素数×12〜14ビットあれば実用上十分である。
【0007】
しかし、特許文献1に記載の固体撮像装置では、各画素が主感光部および従感光部からなる2つの感光部を有し、2種類の画像信号を出力するため、信号処理において、通常の2倍のメモリ容量が必要である。また、従感光部では得られる信号電荷の量が少なく、主感光部と同等のメモリを使用するには無駄が多い。
【0008】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、広ダイナミックレンジ処理を含んだ信号処理において、各画素に配置された主感光部および従感光部から得られる画像信号を一時蓄積させるメモリの容量を削減することができる広ダイナミックレンジ撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、行および列方向に配列され、撮像面を形成する各画素に対応する複数の受光部と、この複数の受光部から得られる画像信号を信号処理する信号処理手段とを含み、この複数の受光部は、入射光を光電変換する第1の感光部と、第1の感光部より低い感度を有し、入射光を光電変換する第2の感光部とを含み、この信号処理手段は、第1の感光部から得られる第1のアナログ画像信号、および第2の感光部から得られる第2のアナログ画像信号を信号処理する広ダイナミックレンジ撮像装置において、この信号処理手段は、第1のアナログ画像信号および第2のアナログ画像信号を同一の分解能でディジタル変換して、それぞれ第1のディジタル画像信号および第2のディジタル画像信号を出力する変換手段と、第1のディジタル画像信号を一時蓄積する第1の記憶手段および第2のディジタル画像信号を一時蓄積する第2の記憶手段とを含み、第2のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数を、第1のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、第2の記憶手段に蓄積することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による広ダイナミックレンジ撮像装置の実施例を詳細に説明する。
【0011】
実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置10は、図1に示すように、被写界からの入射光を光学系12において取り込み、操作部14を操作することによりシステム制御部16、タイミング発生器18、光学系駆動部20および撮像駆動部22で各部を制御して、この被写界像を固体撮像素子14で撮像するもので、撮像した画像を前処理部16、アナログ・ディジタル(A/D)変換器18および信号処理部20で信号処理して、表示部22で表示し、また記録部24で記録する装置である。なお、本発明の理解に直接関係のない部分は、図示を省略し、冗長な説明を避ける。
【0012】
光学系12には、具体的な構成を図示しないが、レンズ、絞り調整機構、シャッタ機構、ズーム機構および自動焦点調節機構などが含まれて、所望の被写界像を取り込んで固体撮像素子24の撮像面に入射する光入射機構である。この光学系12は、光学系駆動部20から供給される駆動信号120により制御される。なお、以下の説明において、各信号はその現れる接続線の参照番号で特定する。
【0013】
操作部14は、操作者の指示を入力する手操作装置であり、操作者の手操作状態に応じて操作信号104を生成し、システム制御部16に供給する機能を有する。たとえば、レリーズボタン(図示せず)のストローク操作に応じて、操作信号104をシステム制御部16に供給する。
【0014】
システム制御部16は、操作部14から供給される操作信号104に応動して、本装置全体の動作を制御、統括する制御機能部である。たとえば、本実施例におけるシステム制御部16は、操作信号104に応じて、制御信号106、108、110および112を生成し、それぞれタイミング発生器18、光学系駆動部20、信号処理部30および記録部34に供給して制御する。本実施例において、システム制御部16は、図2に示すように、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)80および中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)82を有している。
【0015】
タイミング発生器18は、撮像装置10を動作させる基本クロック(システムクロック)を発生する発信機を有して、たとえば、この基本クロック106をシステム制御部16に供給する。また、図1に示していないが、タイミング発生器18は、基本クロックをほとんど全てのブロックに供給すると共に、この基本クロックを分周して様々なタイミング信号も生成する。本実施例では特に、タイミング発生器18は、システム制御部16から供給される制御信号106に基づいてタイミング信号を生成し、タイミング信号114、116および118を生成して、それぞれ撮像駆動部22、前処理部26およびA/D変換器28に供給する。
【0016】
光学系駆動部20は、光学系12の駆動を制御する駆動信号120を発生する機能を有し、本実施例では、システム制御部16からの制御信号108に応じて駆動信号120を生成する。
【0017】
撮像駆動部22は、固体撮像素子24の駆動を制御する駆動信号122を発生する機能を有し、本実施例では、タイミング発生器18からのタイミング信号114に応じて駆動信号122を生成する。
【0018】
固体撮像素子24は、具体的な構成は図示しないが、撮影画像の1画面を形成する撮像面および水平転送路を含み、撮像面は、複数の各画素に対応する受光部、および垂直転送路を備えている。固体撮像素子24は、その撮像面に結像される被写界像を電気信号124に光電変換する機能を有し、本実施例では、たとえば、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)や金属酸化膜型半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)等のいずれのイメージセンサでもよい。
【0019】
この撮像面において、複数の受光部は、行方向および列方向に1つおきに位置をずらして配列する、ハニカム配列を用いるとよく、また、行方向および列方向に1つおきに位置をずらして配列してもよい。本実施例では特に、これらの受光部のそれぞれが、高感度の受光素子である主感光部、および低感度の受光素子である従感光部を備えている。主感光部および従感光部は、入射光を受光した際に、光を受光光量に応じた電気信号に光電変換する光センサであり、たとえば、フォトダイオードが用いられる。従感光部の感度は、主感光部よりも低く設計されて、強い入射光に対しても飽和しない。
【0020】
本実施例の固体撮像素子24は、駆動信号122に制御されて、各感光部で光電変換によって得た信号電荷を垂直転送路に読み出し、この信号電荷を垂直方向にシフトして水平転送路に供給する。さらに、水平転送路における信号電荷を、図示しない出力回路において、アナログ電気信号124に変換して前処理部26に出力する。
【0021】
前処理部26は、タイミング信号116に制御されて、画像を示すアナログ電気信号124に対して、アナログ信号処理を施す機能を有する。たとえば、前処理部26は、相関二重サンプリング回路(Correlated Double Sampling:CDS)やゲインコントロールアンプ(Gain Control Amp:GCA)を含み、これらの回路等によって処理されたアナログ画像信号126をA/D変換器28に供給する。
【0022】
A/D変換器28は、タイミング発生器18からのタイミング信号118に応じて、前処理部26から供給されるアナログ画像信号126の信号レベルを所定の量子化レベルにより量子化してディジタル画像信号128に変換する。たとえば、アナログ画像信号126を所望する画像の階調を満たす分解能に対応するビット数のディジタル画像信号128に変換する。本実施例では、アナログ画像信号126には主感光部データおよび従感光部データが含まれるが、両データを同一の精度でA/D変換してよい。
【0023】
信号処理部30は、A/D変換器28から供給されるディジタル画像信号128に対してディジタル信号処理を施す機能を有する。本実施例では、ディジタル画像信号128に含まれる主感光部データおよび従感光部データを信号処理する。また、このディジタル信号処理を施したディジタル画像信号130および132を、それぞれ表示部32および記録部34に供給する。
【0024】
本実施例では、信号処理部30は、図2に示すように構成されて、システム制御部16から供給される制御信号110に応じてディジタル信号処理を行う。信号処理部30は、画像メモリ50および70を有して、主感光部データおよび従感光部データをそれぞれ主画像信号および従画像信号として一時蓄積する機能を有する。また、主画像信号を処理するホワイトバランス(WB)ゲイン部52およびガンマ(γ)変換部54、ならびに従画像信号を処理するWBゲイン部72およびγ変換部74を有する。さらに、主画像信号と従画像信号とを合成する画像加算部56を有し、また、同時化処理部58、各種補正部60、圧縮/伸張部62および拡大/縮小部64において、合成後の主画像信号を処理する。
【0025】
この画像メモリ50では、主感光部データを主画像信号として蓄積し、また、画像メモリ70では、従感光部データを従画像信号として蓄積する。特に、本実施例では、信号処理部30において、従画像信号の1画素のデータのビット数を、主画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、画像メモリ70に蓄積する。また、画像メモリ70の全容量は、画像メモリ50の全容量より小さくしてよい。
【0026】
WBゲイン部52および72は、それぞれ主画像信号および従画像信号のホワイトバランスを調節する機能を有し、たとえばこれらの画像信号にホワイトバランスゲインを乗じて、ホワイトバランスのとれた画像信号を出力する。
【0027】
γ変換部54および74では、それぞれ主画像信号および従画像信号を、たとえば撮像部24の階調特性に応じて補正する機能を有して、補正した画像信号を出力する。
【0028】
画像加算部56は、画像メモリ50に蓄積された主画像信号、および画像メモリ70に蓄積された従画像信号を合成する機能を有し、合成後の主画像信号を出力して画像メモリ50に蓄積させる。
【0029】
同時化処理部58は、合成後の主画像信号を同時化処理する機能を有し、各種補正部60は、この主画像信号を、たとえばシェーディング補正,白黒補正などの処理をする機能を有する。
【0030】
圧縮/伸張部62は、主画像信号に対して、たとえば直交変換を用いたJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格での圧縮を施す回路と、この圧縮した画像を再び元のデータに伸張する回路とを有する。圧縮/伸張部62は、システム制御部16の制御信号110により画像記録を制御されて、圧縮した画像データ132をカードI/F90を介して情報記録媒体92に記録する。
【0031】
拡大/縮小部64は、主画像信号に対して、拡大または縮小処理を施す機能を有し、表示部32に画像信号130を出力する。
【0032】
表示部32は、信号処理部30から供給されるディジタル画像信号130に基づいて画像表示する機能を有し、たとえば、液晶表示(Liquid Crystal Display: LCD)パネルなどが用いられる。また、本実施例では、図2に示すように、拡大/縮小部64からディジタル画像信号130が供給される。
【0033】
記録部34は、信号処理部30からディジタル画像信号132を読み込んで記録する機能を有する。本実施例では、図2に示すように、カードインターフェース(I/F)90および情報記録媒体92を有し、圧縮/伸張部62から供給されるディジタル画像信号132をカードI/F90を介して情報記録媒体92に書き込む。情報記録媒体92は、半導体メモリが搭載されたメモリカードや光磁気ディスク等の回転記録体を収容したパッケージなどを用い、着脱可能でもよい。
【0034】
次に、この実施例における広ダイナミックレンジ撮像装置10の動作を説明する。広ダイナミックレンジ撮像装置10では、光学レンズ系12を介して被写界像が固体撮像素子24に結像される。このとき、操作者が操作部14を操作して、撮影を指示する操作信号104がシステム制御部16に入力する。
【0035】
システム制御部16では、操作信号104に応じた制御信号106がタイミング発生器20に出力される。また、タイミング発生器20では、制御信号106に応じたタイミング信号114が撮像駆動部22に出力される。
【0036】
次に、撮像駆動部22において、タイミング信号114に応じた駆動信号122が固体撮像素子24に供給され、この固体撮像素子24において、上記の被写界像が光電変換されてアナログ画像信号である電気信号124が生成される。
【0037】
この電気信号124は、前処理部26に供給されてアナログ信号処理が施され、アナログ画像信号126がアナログ・ディジタル変換器28に供給される。
【0038】
アナログ画像信号126は、アナログ・ディジタル変換器28において、アナログ・ディジタル変換が施され、ディジタル画像信号128が信号処理部30に出力される。本実施例では、このアナログ画像信号126には、主感光部データおよび従感光部データが含まれるが、これらのデータは、同一の精度で、たとえば1画素当たり12ビットのディジタル画像信号に変換される。
【0039】
ディジタル画像信号128は、信号処理部30において、主感光部データが主画像信号として画像メモリ50に、また、従感光部データが従画像信号として画像メモリ70に蓄積される。このとき、図3に示すように、従感光部データの信号電荷量の最大値は、主感光部データよりも少ないため、従画像信号は、1画素のデータのビット数を主画像信号よりも少なくしても、十分に表すことができる。このように、従画像信号におけるビット数を減少することによって、画像メモリ70で蓄積するメモリ容量を画像メモリ50よりも小さくすることができる。
【0040】
たとえば、本装置10において、最大のダイナミックレンジで撮影するとき、主感光部および従感光部では、それぞれの飽和レベルを超える信号電荷を得ることはできない。図3に示すように、所望の画素iにおける主感光部および従感光部は、それぞれ、最大で飽和レベルHiおよびHi/bに応じた信号電荷を得ることができる。ただし、bは1より大きい。このとき、主画像信号は、各画素のデータをXiビットで表わすと、従画像信号は、各画素のデータをYi=Xi−log2b’ビットで表わすことができる。このb’は、b以上で2のべき乗の最小の値でよい。たとえば、Xi=12ビットで、かつb=4であるとき、Yi=12−log24=10ビットで表わすことができる。
【0041】
また、本実施例では、従画像信号のビット数の減少は、信号処理部30で行われるが、A/D変換器26や前処理部28で行われてもよい。
【0042】
信号処理部30では、上記のように画像メモリ50および画像メモリ70にそれぞれ蓄積された主画像信号および従画像信号が、広ダイナミックレンジ信号処理を施される。まず、主画像信号は、WBゲイン部52およびγ変換部54で処理され、従画像信号は、WBゲイン部72およびγ変換部74で処理される。このとき、従画像信号は、主画像信号よりビット数を少なくして処理されてもよい。次に、主画像信号は、画像加算部56において、従画像信号と合成され、合成後の主画像信号は、画像メモリ50に蓄積される。
【0043】
本実施例において、画像加算部56は、主画像信号および従画像信号を単純加算するものではない。たとえば、図4に示すように、所定の画素において、入射光量に対して、主感光部のみから得られる信号電荷の量は、曲線402のように表される。このとき、入射光量cで飽和レベルに達しているため、従感光部から得られる信号電荷量との単純加算を用いると、飽和レベルを超えた信号電荷量を得てしまう。したがって、本実施例の画像加算部56では、主感光部および従感光部から得られる信号電荷の量が、たとえば、曲線406で表されるような広ダイナミックレンジ処理が施される。
【0044】
この広ダイナミックレンジ処理では、たとえば、主画像信号および従画像信号をそれぞれテーブルAiおよびBiで表す(i:1〜画素数)とき、合成後の主画像信号を表すテーブルAi’は、Ai’=(255/255+64)×{(Ai×αi)+(Bi×βi)}で決められる。この演算は、AiとBiとを単純加算したものに、新たな輝度依存のγを掛けるようなイメージのテーブルαiおよびβiを用いる。このβiは、αiよりレンジの狭いものでよい。
【0045】
次に、信号処理部30では、合成後の主画像信号は、同時化処理部58および各種補正部60において処理される。このように処理された主画像信号は、記録部34で記録される際には、圧縮/伸張部62で処理され、カードインターフェース(I/F)90を介して情報記録媒体92に記録される。また、拡大/縮小部64で処理されて、表示部32で表示されてもよい。
【0046】
また、他の実施例として、本装置10において、信号処理部30において、所望のダイナミックレンジで信号電荷が得られるように、従感光部データの各画素のビット数を少なくして、従画像信号として画像メモリ70に蓄積してもよい。たとえば、図3に示すように、所望の画素iにおける従感光部が、主感光部に対して、1/aの感度を有し、またd倍の撮像能力すなわち、ダイナミックレンジを得ようとすると、被写体の明るさがc×dの際に最大の信号電荷量Hi/(a/d)を得ることができる。ただし、aおよびdは1より大きく、aはdより大きいことが望ましい。このとき、主画像信号の1画素のデータを12ビットで表わすと、従画像信号の1画素のデータは、12−log2d’ビットで表わすことができる。このd’は、(a/d)以上で2のべき乗の最小の値でよい。このとき、a=16およびd=4であるならば、従画像信号の1画素のデータは、10ビットで表わすことができる。また、このdを設定可能とすることで、所望のダイナミックレンジで撮影することができる。
【0047】
【発明の効果】
このように本発明によれば、広ダイナミックレンジ撮像装置は、信号処理の際に、従画像信号のビット数を少なくして蓄積することによって、メモリの使用容量を減少することができる。
【0048】
また、通常の信号処理では、たとえば、従感光部データに対して、画像メモリへの蓄積、オフセット処理して画像メモリへ蓄積、WB処理して画像メモリへ蓄積、およびγ変換して画像メモリへ蓄積などの処理が、繰り返し行われる。本発明では、従画像信号のビット数を少なくして、たとえば12ビットから10ビットにして画像メモリに蓄積するために、その後の処理速度を向上させることができ、広ダイナミックレンジ撮影の連写を有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る広ダイナミックレンジ撮像装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置が有する信号処理部30について詳細に示すブロック図である。
【図3】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置において、被写界の明るさと、主感光部および従感光部における信号電荷量との関係を示す図である。
【図4】図1に示す実施例の広ダイナミックレンジ撮像装置において、広ダイナミックレンジ処理を行う場合、および行わない場合の光電変換効率を示した図である。
【符号の説明】
10 広ダイナミックレンジ撮像装置
12 光学系
14 操作部
16 システム制御部
18 タイミング発生器
20 光学系駆動部
22 撮像駆動部
24 撮像部
26 前処理部
28 アナログ・ディジタル変換器
30 信号処理部
32 表示部
34 記録部
Claims (9)
- 行および列方向に配列され、撮像面を形成する各画素に対応する複数の受光部と、
該複数の受光部から得られる画像信号を信号処理する信号処理手段とを含み、
前記複数の受光部は、入射光を光電変換する第1の感光部と、第1の感光部より低い感度を有し、入射光を光電変換する第2の感光部とを含み、
前記信号処理手段は、第1の感光部から得られる第1のアナログ画像信号、および第2の感光部から得られる第2のアナログ画像信号を信号処理する広ダイナミックレンジ撮像装置において、
前記信号処理手段は、第1のアナログ画像信号および第2のアナログ画像信号を同一の分解能でディジタル変換して、それぞれ第1のディジタル画像信号および第2のディジタル画像信号を出力する変換手段と、
第1のディジタル画像信号を一時蓄積する第1の記憶手段および第2のディジタル画像信号を一時蓄積する第2の記憶手段とを含み、
第2のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数を、第1のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、第2の記憶手段に蓄積することを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。 - 請求項1に記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、前記信号処理手段は、第1のディジタル画像信号と第2のディジタル画像信号とを広ダイナミックレンジ処理により合成する合成処理手段を含むことを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。
- 請求項1または2に記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、前期信号処理手段は、第2のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数を、第1のディジタル画像信号の1画素のデータのビット数より少なくして、信号処理を行うことを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、第2の記憶手段は、その全記憶容量が、第1の記憶手段における全記憶容量より小さいことを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、最大のダイナミックレンジで撮影するとき、所定の画素iにおける第1の感光部および第2の感光部は、それぞれ、飽和レベルHiおよびHi/bを有し、ただし、bは1より大きく、
前記信号処理手段は、b以上で2のべき乗の最小の値であるb’と、第1のディジタル画像信号の各画素のビット数Xiとを用いて、第2のディジタル画像信号の各画素のビット数Yiを、Yi=Xi−log2b’の関係から得ることを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。 - 請求項5に記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、第2の感光部の飽和レベルは、第1の感光部に対して1/4であり、
前記信号処理手段は、第1のディジタル画像信号の各画素のデータを12ビットで表わし、第2のディジタル画像信号の各画素のデータを10ビットで表わすことを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、d倍のダイナミックレンジで撮影するとき、ただし、dは1より大きく、所定の画素iにおける第1の感光部および第2の感光部は、第1の感光部に対して第2の感光部の感度が1/aであり、それぞれ、飽和レベルHiおよびHi/(a/d)を有し、ただし、aおよびdは1より大きく、かつaはdより大きく、
前記信号処理手段は、(a/d)以上で2のべき乗の最小の値であるd’と、第1のディジタル画像信号の各画素のビット数Xiとを用いて、第2のディジタル画像信号の各画素のビット数Yiを、Yi=Xi−log2d’の関係から得ることを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。 - 請求項7に記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、4倍のダイナミックレンジで撮影するとき、第2の感光部の感度は、第1の感光部に対して1/16であり、
前記信号処理手段は、第1のディジタル画像信号の各画素のデータを12ビットで表わし、第2のディジタル画像信号の各画素のデータを10ビットで表わすことを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。 - 請求項7に記載の広ダイナミックレンジ撮像装置において、該装置は、前記ダイナミックレンジdを設定することを特徴とする広ダイナミックレンジ撮像装置。
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-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091392A patent/JP2004304246A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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JP4732395B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2011-07-27 | 富士フイルム株式会社 | 撮像装置、画像処理方法 |
JP2008263395A (ja) * | 2007-04-12 | 2008-10-30 | Sony Corp | 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、固体撮像装置の信号処理方法および撮像装置 |
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