JP2004303558A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の燃料電池におけるスタックのスペース増、加工の手間によるコスト増、歩留まりの悪さの問題を克服した燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池の燃料極及び/又は空気極であって、多孔質材層(13)を有してなり、該多孔質材層内に、厚みの方向から直接ガスを供給しうるガス流路が内在するガス拡散電極を用いた燃料電池。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池のガス供給方法を簡略化し、セパレータ板にサーペンタインあるいは平行流のガス流路溝を刻むことなく、マニホールドからガス拡散層に直接ガスを供給するガス流路を有してなるガス拡散電極とそれを用いた燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池には、固体電解質型、溶融炭酸塩型、固体高分子型、アルカリ型、リン酸型、直接型メタノール燃料電池等のような種類があるが、燃料あるいは空気ガスを電解質板あるいは膜の各々一方側に配置された触媒層に供給することで発電する原理は共通している。また、いずれの場合も単セルと呼ばれる発電ユニットをいくつも積層することによって燃料電池スタックを組み立て、必要な電力を達成している。そして、燃料電池スタックにおいて、これらの単セルはセパレータと呼ばれる材料で各々分割されている。
固体高分子型、アルカリ型、リン酸型、直接型メタノール燃料電池のような低温型燃料電池においては、セパレータはカーボンあるいは金属材料でできた板であり、これらは隣り合う単セルの燃料極ガスと空気とが混合するのを防ぐ役割を果たすと共に、二つのセルを直列につなぐための電子導電体の役割も果たすものである。セパレータと次のセパレータの間に単セルのユニットがあり、単セルは燃料ガス拡散層、燃料極触媒層、電解質、空気極触媒層、空気拡散層からなっている。
【0003】
図2は一般的な従来の燃料電池におけるガス流路及びガス拡散層部分を図示したものである。(A)は燃料電池のセパレータの底面図を、(B)はガス拡散層部分の断面図を、(C)はそのガス拡散層部分の要部の分解図を示す。図2(A)及び(B)に示すように、セパレータ1にはガスが流れるための溝2が刻まれており、図2(B)に示すように供給された燃料ガスあるいは空気がこの溝の中を流れる間にガス拡散層3にしみ出して行き、ガス拡散層3と電解質層5(例えば、高分子電解質)との間に設けた各々の触媒層4に達して反応することで燃料電池反応が起きる。なお、セパレータの溝は(A)では蛇行しているが(C)では簡略化して直線で示した。5は電解質層であり、その反対側にも同様な触媒層、ガス拡散層、溝、セパレータが存在する。このような流路構成においては、セパレータに設けられたガスが供給され流れる溝と、ガスが触媒層に向かって自然拡散していくガス拡散層(カーボンペーパー、カーボンクロスなど)とが隣り合う配置となっており、それぞれが別個に設けられることで燃料電池スタックのスペースがかさみ、エネルギー密度(単位体積あるいは単位重量当たりのkW数)低下の原因にもなっていた。
【0004】
更に、これらセパレータとなる板1の表面にガスの流れる溝2(サーペンタインと呼ばれる蛇行する形の溝や平行流路と呼ばれる一方向に並んだ溝などがある)を加工して刻み入れるために、1枚のセパレータには少なくとも3mm程度の厚みを要する。そのため、燃料電池スタックのスペース増だけでなく、材料のコスト、及び加工に要する歩留まりの悪さによって、燃料電池コスト高の主要な原因ともなっていた。
【0005】
サーペンタイン流路や平行流路をセパレータに刻み込む従来技術では、流路中をガスが入り口から出口まで通過する間に、ガス拡散層に染み込んで行くことで触媒層への補給がなされている。しかし、この場合は例えば空気極において発生した水蒸気がガス拡散層内で凝縮した時に、その部分で酸素ガスの拡散が阻害され、電流が流れない部分ができて燃料電池の出力低下につながっていた。これを改善するため、セパレータに刻み込んだ流路を行き止まりとし強制的にガスを拡散層を通して隣接の流路へ送り出す、Interdigitated flow fieldと呼ばれる新しい流路方式が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
W. He, J. S. Yi, and T. V. Nguyen, AIChE
Journal, 46, No. 10, 2053−2064 (2000)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の燃料電池のスタックのスペース増、加工の手間によるコスト増、歩留まりの悪さの問題を克服することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような燃料電池の構成法を根本的に変更しようとするものである。即ち、ガスの供給方法を、セパレータ1に刻まれたガス流路2を介して行うのでなく、ガス拡散層に横方向(厚み方向)から直接供給するものである。そのため、セパレータを最小の厚さに止めることで燃料電池スペースを小さく、よりコンパクトにすることができる。その上、加工コストを削減し燃料電池のコストを大幅に低減するというメリットも有する。更に重要な効果として、ガス拡散性の改善が期待できる。本発明では、ガスは最初からガス拡散層中へ供給されるため、上記の水蒸気凝縮によるガス滞留を防止する上で大きな効果を有する。
【0009】
本発明者らは、燃料電池のガス流路構成法につき様々な可能性を検討した結果、ガス拡散層に直接ガスを供給する構造を設けそれぞれ燃料極および空気極としたとき、電池のコンパクト化が実現できることを見出した。ここでガス拡散層にガスを供給するため、相似形となる図形を平面上にいくつも組み合わせたガス拡散層とする。このようにガス拡散層を分割し、分割されたガス拡散層各々に厚み方向の(側面からの)ガス供給口とガス排出口を設けることで燃料電池の燃料極及び空気極反応層を平面的に分割するものである。このように分割された図形は相似形である故、大きさを段階的に幾らでも細かく設計することができる(以下、本発明による流路をフラクタル流路と呼ぶことがある)。また、本発明者らは、図形が大きいと電流密度などに不均一性が生じる恐れがあるが、細かくすることで均一性を実現することが可能となることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされるに至ったものである。
【0010】
即ち、本発明は、
(1)燃料電池の燃料極及び/又は空気極であって、多孔質材層を有してなり、該多孔質材層内に、厚みの方向から直接ガスを供給しうるガス流路が内在するガス拡散電極を用いたことを特徴とする燃料電池、
(2)前記燃料極及び/又は空気極に用いられるガス流路が、平面を分割する相似形の形に分割されたことを特徴とする(1)項に記載の燃料電池、
(3)前記相似形の形が、三角形もしくは四角形、または六角形から派生した正三角形、菱形、もしくは台形であることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の燃料電池、
(4)上記燃料電池が、固体高分子型燃料電池であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の燃料電池、
(5)多孔質材層がカーボン材又は金属フェルトであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の燃料電池、
(6)燃料ガスの代わりに液燃料(例えばメタノール)を供給することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の燃料電池、
(7)燃料電池の燃料極及び/又は空気極であって、多孔質材層を有してなり、該多孔質材層内に、厚みの方向から直接ガスを供給しうるガス流路が内在することを特徴とするガス拡散電極、
(8)前記燃料極及び/又は空気極に用いられるガス流路が、平面を分割する相似形の形に分割されたことを特徴とする(7)項に記載のガス拡散電極、および(9)前記相似形の形が、三角形もしくは四角形、または六角形から派生した正三角形、菱形、もしくは台形であることを特徴とする(7)又は(8)項に記載のガス拡散電極
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施形態について、燃料電池ガス流路の具体的な構成を図面にしたがって説明する。
図1は本発明を採用した燃料電池におけるガス流路(フラクタル流路)を図示したものであり、相似形が二等辺直角三角形である場合の構成例である。
図1において11はセパレータであり、相接する単セルのガス(燃料ガス及び空気)を単に分離すれば十分なので、1mm厚さ以下のカーボン、金属、あるいは導電性材料のシートで構成することが可能である。13はガス拡散層となる多孔質状のカーボン材(カーボンペーパーやカーボンクロスなど)又は金属フェルトであり、この部分に横方向の流入口inlet部13aよりガスが流入し、また流出口outlet13bから流出する。またこの部分は、平面を分割する相似形の図形(この場合は三角形13c、13d)を、空隙16を設けて次々に組み合わせることで燃料電池単セル全体の電極面を構成することができる。14は触媒層、15は電解質(板あるいは膜)であり、この反対側は同様に触媒層、ガス拡散層、セパレータから構成される。ガス拡散層13へのガス供給は、側面に設けたガス流路17(図1(B)参照)から行われる。
【0012】
ここで13のガス拡散層は、電解質の一方と反対側で重なった形となる必要はない。単セル電極面での電流密度が均一となるように、相似形の図形をずらして構成することも望ましい場合がある。又、相似形の大きさは電流密度が均一になるように、図3に示す如く次々と細かく取っていくことも望ましい。その場合、ガスの供給口及び排出口はこれらの相似形それぞれに配置する必要があるが、これは燃料電池スタックを貫くガス供給口及び排出口をそれぞれの相似形毎に設け、スタックのユニットである単セルの燃料ガス拡散層及び空気拡散層に別々に接続することで解決できる。図3において、(A)、(B)はガス拡散層を8分割した例であり、(C)、(D)は32分割した例である。(A)、(C)は燃料ガス拡散層を、(B)、(D)は空気拡散層をそれぞれ上から見たものである。実際は立体的に重なった面であるが、説明の都合上並べて描いてある。(A)〜(D)において、白丸21はガス流入口、黒丸22はガス流出口を示す。23は分割部に設けた空隙であり、ガス流出溝を形成する。図中、矢印はガスの流入を示す。黒線部24は各々の相似形を分離する境目である。
【0013】
図4は同様なガス流路において、相似形が四角形である場合の構成例を図示したものである。三角形の場合よりも電流密度の均一性が向上すると期待される。図4の(A)〜(D)はフラクタル流路を四角形に分割した例を示し、(A)、(B)が2分割、(C)、(D)が4分割である。同図において、31からガスがガス拡散層に流入され、32からガスが流出する。33は仕切りを示す。
図5はさらに異なる分割の態様を有するガス拡散層の説明図である。この図に示すように相似形を六角形から派生した、正三角形(図5(A))、菱形(図5(B))、台形(図5(C))とすることも可能である。
相似形の図形の大きさとしては、1辺が0.5cm〜10cmのものが好ましいが、作成を容易にしかつ電流密度の均一性を保つためには、1cm〜3cmのもので構成することがより好ましい。
【0014】
またガス拡散層の材料として用いる、多孔質材の具体例としてはカーボンペーパーあるいはカーボンクロスのようなカーボン材が挙げられ、好ましくは空隙率が50%〜95%、厚さが50μm〜1mmのもの、より好ましくは空隙率が70%〜90%、厚さが90μm〜500μmのものが用いられるが、本発明の目的を満たすものであれば同様な空隙率及び厚さを有する多孔質の金属フェルトを用いることもできる。
【0015】
ガス供給部あるいは排出部に接続する、燃料電池スタックを貫くガス供給口及び排出口の大きさは適宜選ぶことができるが、使われない電極面積をできるだけ小さくする一方で、ガスの圧損を最小限に抑えるために、好ましくは1mm〜15mmのもの、より好ましくは2mm〜5mmに設計される。
セパレータ材料としては、ガス透過性がない一方で電気伝導性を有する、好ましくは厚さ0.05mm〜5mm、より好ましくは0.2mm〜1mmのカーボンシート、あるいは金属箔や板を用いることができる。
燃料ガスおよび空気を流す方向は、温度分布、反応物質及び生成物質分布、電流密度分布を見ながら適宜決定するのが好ましい。
【0016】
分割された相似形をそれぞれ分離するための境目は、ガスを遮断できるポリマー材料、ゴム、カーボンあるいは金属材料で枠を設けた後、枠の間にカーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどでできた相似形を埋め込んでいくことで1層のガス拡散層を構成することができる。あるいは、最初にカーボンペーパーあるいはカーボンクロスなどで1層のガス拡散層を作った後、相似形の部分は残す一方で境目となる部分に接着剤あるいは熱硬化性樹脂を埋め込んで行き、最後に固化させることで目的のガス拡散層を形成することができる。
【0017】
次に、燃料電池スタックを製造する際に燃料ガスあるいは空気を各々の単セルに導くためのマニホールドの構成について説明する。例えば図6に拡大図で示すように積層された単セル電極面に対し垂直な方向にスタックを貫通し、燃料極あるいは空気極の位置でガス拡散層の平面方向に分配するようなガス供給方法を適宜採用することができる。その際、分割された相似形のそれぞれにガス供給口及び排出口を設けるのが望ましいが、相接する部分では共通させることもできる。図6はこの燃料電池の実施態様を模式的に示しており、41はセパレータ、42は燃料極ガス拡散層、43は電解質、44は空気極ガス拡散層、45は燃料極触媒層、46は空気極触媒層である。燃料電池は組み合わせ単位が所定数積層されている。47は、燃料ガス48の流通管であり、側部に設けた透孔(図示せず)より、燃料ガス48aを燃料極ガス拡散層中に流入させる。一方、49は空気極ガス50の流通管であり、側部に設けた透孔(図示せず)より、空気50aを空気極ガス拡散層中に供給する。なお、図6ではガスの流れの説明上、燃料極ガス拡散層42及び空気極ガス拡散層44は存在するが一点鎖線で示したのみである。
【0018】
図6に示す燃料電池スタックにおいて上記マニホールドは、最初に各々の単セルにおけるセパレータ、ガス拡散層、膜電極接合体(電解質膜と燃料極及び空気極触媒層が一体となったもの)のそれぞれに作製した後、孔の位置が合うように1つ1つ積み上げてスタックを積層する方法で完成することができる。
あるいは、始めから孔を設けることはしないで、各々の単セルにおけるセパレータ、ガス拡散層、膜電極接合体を積層しスタックとした後、電極面に垂直に孔を貫き加工する形でマニホールドを形成することができる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明の実施例を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
実施例1
図3に示した設計に従って、一辺33mmの正方形の白色多孔体(ミリポアメンブレンフィルター)を、二等辺直角三角形をした相似形で2分割、4分割、8分割したとき、構成する二等辺直角三角形ユニットの一つの頂点から反対側の底辺に向かって着色液体を浸透させ、液体が底辺に達するときの時間を計測した。その際、45°の角度の頂点から浸透させる場合と、90°の角度の頂点から浸透させる場合との2種類が存在するので、それぞれ45°モード、90°モードと呼ぶことにする。
【0020】
白色多孔体と着色液による可視化によって得られた、ガスなどの流体の流入方向と分割数による流体拡散に要した時間を図7に示す。浸透は均一に進み、拡散がいずれかの場所に偏るということはなかった。また、45°モードついても90°モードについても分割数が増加するにつれて、拡散に要する時間は当然減少するが、分割数の逆数と拡散に要する時間にはほぼ比例の関係がある。すなわち、面積が2倍になると、拡散に要する時間もまた2倍になる。一方で、流入モードによる拡散時間について見てみると、90°モードの方が45°モードよりも拡散に要する時間が短いことも分かる。
【0021】
実施例2
図8に示した装置を用いて、一辺25mmの二等辺直角三角形に切り出されたカーボンペーパー81(東レインターナショナル社製)から構成されるユニットの45°の頂点から反対側の底辺に向かって酸素ガス82を一定流速で通過させ、その際のガス入り口と出口の間で発生する圧力損失を、差圧計を用いて測定した。図中、(A)は正面図、(B)は(A)に対応する酸素ガス拡散層のガスの流れを説明する図である。図8(B)中、81aはガス流入口、81bはガス流出口であり、図8(A)に示されるように酸素ガス拡散層81の側部からガス流入を行う。
【0022】
厚さ0.35mm、嵩密度0.49g/cm、空隙率76%の東レ製カーボンペーパーTPG−H−120(商品名)において、二等辺直角三角形の一辺の長さを種々に変えた時に測定された圧力損失−ガス流量の関係を図9に示す。一辺の長さが12.5mmの時を2分割の単セルとすると、一辺の長さが6.25mmの場合は8分割に相当する。同じ電流を取り出すときに2分割の場合に比べ8分割では1つのユニット当たりの酸素ガス流量は1/4であるが、同じ面積に積算すれば結局ガス流量は同じとなる。
【0023】
実施例3
実施例2と同様に、図8に示した装置を用いて、幅40mm、ガス通過距離50mm、30mm、10mmの長方形に切り出されたカーボンペーパー(東レインターナショナル社製、TPG−H−120(商品名))から構成されるユニットの片側から反対側の底辺に向かって酸素ガスを一定流速で通過させ、その際のガス入り口と出口の間で発生する圧力損失を差圧系を用いて測定した。
結果を圧力損失−ガス流量の関係として図10に示す。長方形ではガスの通過距離に対してほぼ比例する圧力損失の関係が得られた。実施例2の45°モード三角形と比較すると、ガスの通過距離による圧力損失の違いがよりはっきり出ていることが分かる。その様子をガスの通過距離−圧力損失の関係として図11に示す。
【0024】
実施例4
図8に示した装置を用いて、一辺50mmの二等辺直角三角形に切り出されたカーボンペーパー(東レインターナショナル社製、厚さ0.37mm)から構成されるユニットに対し、45°モード、90°モードで三角形の頂点から反対側の底辺に向かって酸素ガスを一定流速で通過させ、その際のガス入り口と出口の間で発生する圧力損失を差圧系を用いて測定した。
その際、カーボンペーパーの嵩密度及び空隙率が0.45g/cm及び78%のものと、0.32g/cm及び84%のものにおいて測定された圧力損失−ガス流量の関係を図12の(A)と(B)に示す。これにより45°モードは90°モードの約2倍の圧力損失が発生していることが分かった。これは三角形のカーボンペーパーの場合、ガス拡散層への導入部分での抵抗が一番大きいが、その部分の断面積が45°モードでは90°モードの半分となっているため、その部分で極端に損失が大きくなったと考えられる。
【0025】
実施例5
ナフィオン115膜(厚さ約130μm)の両面に図1で示したような90°モードの二等辺直角三角形2つからなるフラクタル流路を構成するように、厚さ0.38mmのカーボンペーパーを用いて25mm角の膜・電極接合体を構成した。この際、燃料極側及び空気極側の触媒層には、20wt%Pt/C Vulcan XC−72(ElectroChem社製、商品名)触媒を、それぞれ白金量1mg/cmとなるように担持した。この膜・電極接合体を用い、50℃で単セル発電試験を行い、電流・電圧と出力密度を測定した。なお、燃料ガスには70℃で加湿した水素ガス、空気極ガスには70℃で加湿した酸素ガスを用い、各々20cm/minで供給した。
フラクタル流路において得られた電極面積当たりの出力密度0.067W/cmを、セパレータ厚さ0.2mmとして単セルの体積当たりに換算すると、0.067W/cm÷0.11cm=0.61W/cmが得られた。
【0026】
一方、比較のために、ナフィオン115膜(厚さ約130μm)の両面に図2で示したような通常のガス流路(サーペンタイン流路)を構成するように厚さ0.19mmのカーボンペーパーを用いて23mm角の膜・電極接合体を構成した。この際、燃料極側及び空気極側の触媒層には、20wt%Pt/C Vulcan XC−72触媒を、それぞれ白金量1mg/cmとなるように担持した。この膜・電極接合体を用い、上記と同様な条件で行った単セル発電試験を行い、電流・電圧及び出力密度を試験した。
サーペンタイン流路において得られた電極面積当たりの出力密度0.1W/cmを、セパレータ厚さ3mmとして単セルの体積当たりに換算すると、0.1W/cm÷0.35cm=0.29W/cmが得られた。このように、フラクタル流路を用いた本発明の実施例5と比較し、通常の流路では燃料電池単セル当たりの出力密度が半分以下と低く、従ってフラクタル流路は燃料電池の材料コストのみならずエネルギー密度でも優位性を持つことが示された。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は燃料電池の構成法を根本的に変更しようとするものであり、ガスの供給方法として、従来のようにセパレータに刻まれたガス流路を介して行うのでなく、ガス拡散層に横方向(厚み方向)から直接供給するものである。
すなわち、本発明の燃料電池は、コンパクトに設計することができ、かつ加工コストを削減し燃料電池のコストを大幅に低減するという優れた効果を奏する。更に、本発明の燃料電池は、ガスが強制的にガス拡散層へ供給されるため、空気極で起きる水蒸気凝縮によるガス滞留を防止し、出力を向上させることができるという優れた効果を有する。
また、本発明のガス拡散電極は、相似形となる図形を平面上にいくつも組み合わせた構造に分割されており、分割された形の各々に直接ガスが供給されることで均一性を実現でき、燃料電池の出力を向上させることができる。また、相似形に分割されているため、大きさを段階的に幾らでも細かく設計することができコンパクトな燃料電池を設計することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の構成単位に関し、(A)がガス拡散層の平面図、(B)が燃料電池の構成単位の要部の正面図、(C)が燃料電池の構成単位の要部の分解図である。
【図2】従来の燃料電池の構成単位に関し、(A)がセパレータの平面図、(B)が燃料電池の構成単位の要部の正面図、(C)が燃料電池の構成単位の要部の分解図である。
【図3】フラクタル流路分割を示す説明図であり、(A)、(B)が8分割の例、(C)、(D)が32分割の例である。
【図4】四角形フラクタル流路分割を示す説明図であり、(A)、(B)が2分割の例、(C)、(D)が4分割の例である。
【図5】六角形から派生したフラクタル流路の構成を示し、(A)が正三角形、(B)が菱形、(C)が台形からなる例である。
【図6】燃料電池スタックと燃料ガスあるいは空気の流れを示す斜視図である。
【図7】フラクタル流路の分割数と白色多孔体中への着色流体の拡散速度との関係を示すグラフである。
【図8】圧力損失測定装置の概略図であり、(A)は正面図、(B)はこの装置におけるガス拡散層のガス拡散の状態を示す説明図である。
【図9】TGP−H−120 45°モードでの圧力損失とカーボンペーパーの一辺の長さとの関係を示すグラフである。
【図10】TGP−H−120長方形型の圧力損失とガス流量の関係を示すグラフである。
【図11】ガスの通過距離と圧力損失(TGP−H−120、150sccm)との関係を示すグラフである。
【図12】圧力損失−ガス流量における45°モードと90°モードとの比較試験の結果を示し、(A)TGP−H−120(空隙率78%)、ペーパー面積12.5cm、(B)TGP−H−120気体透過度改善品(空隙率84%)、ペーパー面積12.5cmである。
【符号の説明】
11 セパレータ
13 ガス拡散層(多孔質カーボン材)
13a 流入口(inlet)
13b 流出口(outlet)
14 触媒層
15 電解質(板あるいは膜)
16、23 空隙
17 ガス流路
21、31 ガス流入口
22、32 ガス流出口
24、33 境目
41 セパレータ
42 燃料極ガス拡散層
43 電解質
44 空気極ガス拡散層
45 燃料極触媒層
46 空気極触媒層
47 燃料ガスの流通管
48 燃料ガス
49 空気極ガスの流通管
50 空気極ガス

Claims (9)

  1. 燃料電池の燃料極及び/又は空気極であって、多孔質材層を有してなり、該多孔質材層内に、厚みの方向から直接ガスを供給しうるガス流路が内在するガス拡散電極を用いたことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料極及び/又は空気極に用いられるガス流路が、平面を分割する相似形の形に分割されたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記相似形の形が、三角形もしくは四角形、または六角形から派生した正三角形、菱形、もしくは台形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 上記燃料電池が、固体高分子型燃料電池であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 多孔質材層がカーボン材又は金属フェルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 燃料ガスの代わりに液燃料を供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
  7. 燃料電池の燃料極及び/又は空気極であって、多孔質材層を有してなり、該多孔質材層内に、厚みの方向から直接ガスを供給しうるガス流路が内在することを特徴とするガス拡散電極。
  8. 前記燃料極及び/又は空気極に用いられるガス流路が、平面を分割する相似形の形に分割されたことを特徴とする請求項7記載のガス拡散電極。
  9. 前記相似形の形が、三角形もしくは四角形、または六角形から派生した正三角形、菱形、もしくは台形であることを特徴とする請求項7又は8に記載のガス拡散電極。
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