JP2004303545A - 面状発光デバイス及びその製造方法、このデバイスを備えた光学デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】面状発光デバイスと光学部材とを組み合わせてなる光学デバイスの厚みを従来よりも薄くでき、また、面状発光デバイスと光学部材とを容易に位置合わせして組み合わせることのできる面状発光デバイスを提供する。
【解決手段】透明基板3の光入射面31上に面状発光素子2が設けられ、光入射面31に入射された光を当該面の反対側32から出射する面状発光デバイス1であって、透明基板3は、光入射面31の反対側32における光学部材4が配置される位置に、光学部材配置用の窪み30が設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】透明基板3の光入射面31上に面状発光素子2が設けられ、光入射面31に入射された光を当該面の反対側32から出射する面状発光デバイス1であって、透明基板3は、光入射面31の反対側32における光学部材4が配置される位置に、光学部材配置用の窪み30が設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
有機エレクトロルミネッセンス素子や無機エレクトロルミネッセンス素子などの面状発光素子を備えたボトムエミッション型の面状発光デバイスと、その製造方法、及びこのデバイスを備えた液晶表示装置や照明装置などの光学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明基板の一方の面(光入射面)上に、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)や無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)などの面状発光素子が設けられ、当該素子で発せられて光入射面から透明基板に入射した光を、透明基板における光入射面とは反対側(光出射側)から外部へ取り出すボトムエミッション型の面状発光デバイスが広く知られている。この面状発光デバイスは、光出射面上に、拡散フィルムやプリズムフィルム、液晶表示パネルなどの光学部材が配置された光学デバイスとして使用される。
【0003】
光学部材は、面状発光素子から入射された光(発光光、エレクトロルミネッセンス)の光学特性(出射方向や輝度、色度等に関する特性)を、光学デバイスに求められる光学特性にする。
例えば、光学部材として拡散フィルムが面状発光デバイスの光出射面上に配置された光学デバイス(照明装置)は、光出射面を基準としていずれの出射方向における輝度もほぼ同一にできる(例えば特許文献1を参照。)。
また、光学部材として透過型の液晶表示パネルが面状発光デバイスの光出射面上に配置された光学デバイス(液晶表示装置)は、液晶表示パネルが、画素ごとに、液晶の配向状態を電圧によって変化させて、面状発光デバイスから入射された光を透過する量を調整し、これによってパターン(画像)を表示する(例えば特許文献2を参照。)。
【0004】
以上のような光学デバイスは、その厚みが、少なくとも面状発光デバイスの厚みと光学部材の厚みとを合わせた厚みになる。前記したように、光学デバイスは、面状発光デバイスと光学部材とを組み合わせてなるからである。
【0005】
また、両者を設計通りに位置合わせして組み合わせなければならない。そのため、精密な組み立て技術が要求されたり、面状発光デバイス及び光学部材以外に組み合わせ用のフレームを別途用意したりしなければならない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−323272号公報
【特許文献2】
特開平10−253959号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、面状発光デバイスと光学部材とを組み合わせてなる光学デバイスの厚みを従来よりも薄くできる面状発光デバイスを提供することを第一の目的とする。
本発明の第二の目的は、面状発光デバイスと光学部材とを容易に位置合わせして組み合わせることのできる面状発光デバイスを提供することである。
【0008】
本発明の第三の目的は、上記面状発光デバイスを備えた光学デバイスを提供することである。
本発明の第四の目的は、上記面状発光デバイスの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る面状発光デバイスは、透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を当該面の反対側(光出射側)から出射するボトムエミッション型のデバイスであって、透明基板は、光出射側に光学部材配置用の窪みが設けられたことを特徴とする。
【0010】
また、上記面状発光デバイスにおける光学部材配置用の窪みには複数の凹凸が設けられていてもよい。
【0011】
上記面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子としてもよい。
【0012】
本発明に係る光学デバイスは、上記面状発光デバイスにおける光学部材配置用の窪みに光学部材が配置されたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る、透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられたボトムエミッション型の面状発光デバイスの製造方法は、透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、光入射面の反対側(光出射側)に光学部材配置用の窪みを形成することを特徴とする。
【0014】
また、上記製造方法において、光学部材配置用の窪みの形成にはサンドブラスト法が好ましく採用されうる。
さらに好適には、透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、光入射面の反対側における光学部材が配置される位置以外にマスクをし、次いで光出射面側からサンドブラスト法により透明基板を削り、光学部材配置用の窪みを形成するとよい。
【0015】
なお、本明細書における「透明」とは、発光層で発生した光(エレクトロルミネッセンス)を透過する性質を有することを意味する。換言すると、本明細書における「透明な層」や「透明な部材」は、エレクトロルミネッセンスに対して透明又は半透明であることをいう。このような層や部材は、好ましくは外部に取り出す光の透過率が50%以上になるように設計される。
外部に取り出す光は、自由に設定可能であるが、一般には可視光(380nm〜800nm程度の波長の光)とされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る光学デバイスとしての液晶表示装置を、図を参照しながら詳細に説明し、あわせて、本発明の実施の形態に係る面状発光デバイスとしての有機ELデバイスとその製造方法についても説明する。図1〜図11において同一の符号で表す構成要素は、同一物又は類似物を表示するものとする。
まず、液晶表示装置の構成について説明する。
【0017】
(構成)
図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を説明するための斜視図である。図2は、図1に示す液晶表示装置の横断面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る液晶表示装置は、面状発光デバイスとしての有機ELデバイス1と、光学部材としての液晶表示パネル4とで構成されている。液晶表示パネル4は、有機ELデバイス1の透明基板3に設けられた光源配置用の窪み30に配置されている。
【0019】
有機ELデバイス1は、透明基板3と有機EL素子2とで構成される。
【0020】
透明基板3は、有機EL素子2を支える部材であり、光入射面31を有する。
光入射面31上には有機EL素子2が設けられている。
光入射面31の反対側(光出射側)32には、液晶表示パネル4の配置用の窪み30が設けられている。
【0021】
光学部材配置用の窪み30は、光出射側32における液晶表示パネル4を配置する位置に設けられている。つまり、図2に示すように、透明基板3は、液晶表示パネル4を配置する部分の厚みAが、他の部分の厚みB、B’よりも薄くなっている。
【0022】
透明基板3は、有機EL素子2を支持/形成可能であり、透明であればどのような材料で形成されていてもよく、一般には、ガラス基板や石英基板、プラスチック基板などが選択される。また、同種又は異種の基板を複数組み合わせた複合シートからなる基板を用いることもできる。
【0023】
有機EL素子2は、電流を流されることで発光する有機発光材料を含有する発光層が陽極と陰極とに挟まれた構造をとり、公知の有機EL素子形成用の材料を用い公知の有機EL素子形成法によって、透明基板3の光入射面31上に作製される。
【0024】
液晶表示パネル4は、公知の透過型の液晶表示パネルや半透過型の液晶表示パネルが採用され、非表示面41が有機ELデバイス1(光出射側32)と向かい合うように、液晶表示パネル4配置用の窪み30内に配置される。つまり、液晶表示パネル4は、液晶表示装置外部からは表示面40が視認されるように配置される。
【0025】
本実施の形態に係る液晶表示装置は、以上の構成を採用するために、例えば以下のような効果を得ることができる。
【0026】
(効果)
(i)液晶表示パネル4を、透明基板3(有機ELデバイス1)の光出射側32における所定の位置(設計位置)に、容易に組み込むことができる。
つまり、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4との組み合わせる際の位置合わせが極めて容易である。
これは、透明基板3の光出射側32において、液晶表示パネル4を配置する部分が、他の部分に比べて光入射面31に近くなっている(凹んでいる)ため、窪み30内に液晶表示パネル4を前記したように入れれば、液晶表示パネル4が設計位置に配置されたことになるからである。
これにより、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせるためにフレームを用意する必要は特になくなり、また、両者の組み合わせのための(位置合わせのための)特別な技術は必要でなくなるため、光学デバイスとしての液晶表示装置の製造を極めて容易にかつ正確にできる。
【0027】
また、液晶表示パネル4は、透明基板3内に(窪み30内に)埋め込まれているため、透明基板3の光出射面31とは反対側32における設計位置から経時的にずれる可能性が極めて低い。
【0028】
(ii)図3(b)に示す、液晶表示パネル400配置用の窪みが透明基板300に設けられていない従来の液晶表示装置と比べて、図3(a)に示す本実施の形態に係る液晶表示装置は厚みを薄くできる。
図3(a)に示す液晶表示装置は、光学部材である液晶表示パネル4の一部(又は全部)を、透明基板3内に配置する(埋設する)からである。
【0029】
また、図3(a)に示す液晶表示装置及び有機ELデバイスは、(b)に示す液晶表示装置及び有機ELデバイスと比べて、それぞれ、透明基板における液晶表示パネル4配置用の窪み30の分、軽量化することも可能になる。
さらに、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせるために特別なフレームを設けなくてもすむため、フレームの分、従来よりも薄くできたり、軽量化できたりする。
【0030】
(iii)透明基板3における液晶表示パネル4が配置されていない部分は、液晶表示パネル4が配置される部分の厚みAに比べて厚みBが厚いため、透明基板3としての(有機ELデバイス1としての/液晶表示装置としての)強度が、厚さAの透明基板を用いた場合と比べて大きくなる。
図4(b)に示す厚みAの透明基板301を用いた液晶表示装置と図4(a)に示す本実施の形態に係る液晶表示装置とは互いに厚みが同じ(厚みB)になるが、後者は透明基板3において厚みBの部分を有するため、有機ELデバイス1及び液晶表示装置としての強度は後者の方が強くできる。
【0031】
(iv)液晶表示パネル4の端部42、42’を保護できる。
本実施の形態に係る液晶表示装置では、図2に示すように、液晶表示パネル4の端部42、42’が透明基板3によって覆われている(端部42、42’が装置外部に露出していない)ため、図3(b)や図4(b)に示す従来の液晶表示装置と比べて液晶表示パネル4(端部42、42’)を外部の種々の要因(例えば外部からの衝撃や浸食等)から保護できる。そのため、液晶表示パネル4を保護するための部材を別個設けなくともよくなる。
次に、上記実施の形態に係る液晶表示装置の好適な製造例を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
(製造方法)
まず、厚さBの透明基板3の一方の面上に、前記したように有機EL素子2を形成する(ステップS1)。透明基板3において、有機EL素子2が設けられた面(有機EL素子2と接する面)が光入射面31となる。
有機EL素子2を設けた後、透明基板3における光入射面31とは反対側(光出射側)32において、液晶表示パネル4が配置されない部分にマスクをする(ステップS2)。
次いで、光出射側32においてサンドブラスト法によって透明基板3を一部削る(ステップS3)。これにより、液晶表示パネル4配置用の窪み30が透明基板3に形成される。
そして、透明基板3からマスクを取り除く(ステップS4)ことで、有機EL素子1が形成される。
【0033】
有機EL素子1形成後、液晶表示パネル4配置用の窪み30に液晶表示パネル4を前記したように配置する(ステップS5)ことで、前記した液晶表示装置を作製できる。
【0034】
以上のようにして製造した液晶表示装置は、前記した効果に加えて、さらに以下の効果も得ることができる。
【0035】
(v)透明基板3上に有機EL素子2を形成する際に、透明基板3に十分な強度・厚みが得られる。
図2に示す液晶表示装置を作製する際、ステップS1の段階において、透明基板はいずれの場所も厚みBがあるからである。
【0036】
一般に、有機EL素子2等の面状発光素子は、輝度均一性を得たり、電極同士がショートすることを防止したりするために、当該素子を構成する各層の膜厚を均一にする必要がある。そのため、十分な強度(厚み)を備えた透明基板上に形成することが好ましい。
つまり、図4(b)に示すようなはじめから薄い透明基板301は有機EL素子201形成時にたわむ場合があるため(平面平滑性を備えていない場合があるため)、このような透明基板301上に面状発光素子201を形成しても、輝度均一性等の面状発光デバイスに要求される性能が得られない可能性がある。
【0037】
これに対し、本実施の形態に係る製造方法では、前記したように面状発光素子を形成する際に、液晶表示パネル4配置用の窪み30を設けていないため、透明基板3は面状発光素子を形成するのに十分な強度(厚み)を備える。したがって、上記した性能を有する面状発光デバイスが得られる可能性が極めて高くなり、その結果、歩留まりも極めて高くすることも可能になる。
【0038】
(vi)透明基板3の光出射側32におけるいずれの出射方向(角度)においても輝度を略同一にできる(輝度均一性)。
サンドブラスト法により窪み30を形成するため、窪み30に、算術平均高さRa0.01〜10μm程度の微小凹凸が多数形成される(粗面とされる)が、この微小凹凸が光入射面31から入射されて光出射側32へ出射する光を拡散するため、輝度均一性が得られる。
したがって、光学部材としての拡散シートを用いなくてもよくなる場合があり、この場合には光学デバイスの厚みをさらに薄くすることもでき、また、拡散シートの重さ分、光学デバイスを軽量化することも可能になる。
【0039】
(vii)従来の透明基板の光出射面からは取り出されなかった光の一部又は全部を、光出射側32から外部へ取り出すことができる(光取出効率向上)。
従来のように平面の透明基板では、光出射面に臨界角より大きな角度で入射する光は透明基板内へ全反射してしまうが、本実施の形態に係る窪み30は粗面にされ、様々な角度の接線を備えるために、従来は光出射側へ取り出されなかった光の一部又は全部を取り出すことができる。
【0040】
(viii)透明基板3の光出射側32におけるいずれの出射方向(角度)においても色度を略同一にできる(色度均一性)。
前記したように窪み30に微小凹凸が形成されるため、各波長の光についてもそれぞれ様々な方向へ拡散できる。したがって、光出射側32における出射方向おいて各波長の光の輝度の角度依存性がなくなる。つまり、光出射側32における出射方向において色度が均一になる。
【0041】
(別例)
なお、上記実施の形態は以下のように変形することもできる。また、各変形例を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0042】
(a)有機EL素子の代わりに、無機EL素子等の公知の面状発光素子を採用できる。
【0043】
(b)光学部材として、液晶表示パネルの代わりに、プリズムシートや拡散シート等の公知の光学部材を採用できる。
例えば、図6に示すように、上記実施の形態における面状発光デバイスである有機ELデバイス1とプリズムシート5とを組み合わせた照明装置とすることもできる。
なお、光学部材とは、前記したように、面状発光デバイスから入射された光の性質や量を変化させて外部へ出射させる部材のことである。
【0044】
(c)同種又は異種の複数の光学部材を組み合わせて用いることもできる。
例えば、図7に示すように、光源配置用の窪み30上にプリズムシート5及び液晶表示パネル4を順次積層した液晶表示装置にしてもよい。
【0045】
(d)窪み30の深さを光学部材の厚みと同一にしなくてもよい。
例えば図8(a)に示すように、窪み30の深さを液晶表示パネル4の厚みよりも浅くし、窪み30に液晶表示パネル4の一部が埋設されるようにしてもよい。
また、図8(b)に示すように、窪み30の深さを液晶表示パネル4の厚みよりも厚くし、窪み30に液晶表示パネル4の全部が埋設されるようにしてもよい。
【0046】
(e)透明基板3の光出射側32において、液晶表示パネル4(光学部材)が設けられない場所の一部も窪ませてもよい。
例えば図9(a)に示すように矩形の液晶表示パネル4が配置される位置32aを基準として、その一辺側32bを窪ませたり、図9(b)に示すように、二辺側32b、32cを窪ませたり、図9(c)に示すように三辺側32b、32c、32dを窪ませたりすることもできる。このように、液晶表示パネル4が設けられない場所の一部を窪ませても、液晶表示パネル4を、光出射側32における窪んでいない場所を基準として透明基板3上に配置すればよいので、従来よりも液晶表示装置の製造(位置合わせ)が容易になる。また、上記(ii)〜(iv)等の効果も当然得られる。
【0047】
(f)サンドブラスト法以外の公知の基板薄型化法を用いてもよい。
例えば、公知のドライエッチング法やウェットエッチング法によって透明基板3に窪み30を設けてもよい。なお、このような基板薄型化法を用いる場合には、公知の削剥量・削剥形状制御法を用いて、窪み30に前記したような微小凹凸を複数設ければ、前記製造方法と同等の効果が得られる。
【0048】
(g)透明基板3に有機EL素子1を形成する前に窪み30を形成してもよい。
つまり、図10に示すように、前記同様に透明基板3に窪み30を形成し(ステップS11)、透明基板3における窪み30が形成されていない面に有機EL素子2を形成し(ステップS12)て有機ELデバイス1を作製し、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせ(ステップS13)て液晶表示装置を作製してもよい。
このように有機EL素子1を透明基板3に形成する前に窪み30を形成する場合には、窪み30が形成された透明基板3が、ステップS12において有機EL素子1を形成できる強度を有するように、窪み30の深さや透明基板3の材質を設計するとよい。
【0049】
(h)光出射側32において、光学部材が設けられていない場所からは光が出射しないようにしてもよい。
例えば、図11に示すように、透明基板3における液晶表示パネル4と接していない場所に、金属等で形成された光反射板6を設ければ、光出射側32において、光学部材が設けられていない場所から出射しようとする光を液晶表示装置内部に戻し、内部における屈折率の差による反射等によって液晶表示パネル4の表示面40から出射させることも可能になる。
また、上記製造例において、マスクを除去しなくてもよい。
当然、光学デバイスにおける光を取り出す部位(本例では表示面40)以外の他の位置又はすべてを反射部材等で覆ってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明による面状発光デバイスは、光学部材と組み合わせる際、両者の位置合わせが容易であり、また、特別なフレームなどの部材を設けなくてもすむ。また、光学部材と組み合わせた構造体(光学デバイス)の厚みを従来よりも薄くできる。
【0051】
また、本発明による面状発光デバイスの製造方法によれば、以上のような面状発光デバイスを製造することができる。
【0052】
本発明による光学デバイスは、上記面状発光デバイスを用いているため、従来の面状発光デバイスよりも厚みを薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を説明するための斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る液晶表示装置の断面構成、及び、有機ELデバイスの断面構成を説明するための要部断面図である。
【図3】本実施の形態に係る液晶表示装置の厚みが従来の液晶表示装置よりも薄いことを説明するための要部断面図である。
【図4】本実施の形態に係る液晶表示装置が、従来の液晶表示装置よりも強度を有することを説明するための要部断面図である。
【図5】本実施の形態に係る液晶表示装置の好適な製造例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る他の光学デバイスの構成例を示す要部断面図である。
【図7】複数の光学部材により構成された液晶表示装置を示す要部断面図である。
【図8】本実施の形態における、窪み30の深さと液晶表示パネル4の厚みとの関係を説明するための要部断面図である。
【図9】透明基板3に設ける窪みの形状を説明するための斜視図である。
【図10】本実施の形態に係る液晶表示装置の他の製造例を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る液晶表示装置の他の構成例を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 有機ELデバイス
2、200、201 有機EL素子
3、300、301 基板
30 液晶表示パネル4配置用の窪み
31 光入射面
32 光出射側(光入射面と対向する面)
4 液晶表示パネル
5 プリズムシート
【発明の属する技術分野】
有機エレクトロルミネッセンス素子や無機エレクトロルミネッセンス素子などの面状発光素子を備えたボトムエミッション型の面状発光デバイスと、その製造方法、及びこのデバイスを備えた液晶表示装置や照明装置などの光学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明基板の一方の面(光入射面)上に、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)や無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)などの面状発光素子が設けられ、当該素子で発せられて光入射面から透明基板に入射した光を、透明基板における光入射面とは反対側(光出射側)から外部へ取り出すボトムエミッション型の面状発光デバイスが広く知られている。この面状発光デバイスは、光出射面上に、拡散フィルムやプリズムフィルム、液晶表示パネルなどの光学部材が配置された光学デバイスとして使用される。
【0003】
光学部材は、面状発光素子から入射された光(発光光、エレクトロルミネッセンス)の光学特性(出射方向や輝度、色度等に関する特性)を、光学デバイスに求められる光学特性にする。
例えば、光学部材として拡散フィルムが面状発光デバイスの光出射面上に配置された光学デバイス(照明装置)は、光出射面を基準としていずれの出射方向における輝度もほぼ同一にできる(例えば特許文献1を参照。)。
また、光学部材として透過型の液晶表示パネルが面状発光デバイスの光出射面上に配置された光学デバイス(液晶表示装置)は、液晶表示パネルが、画素ごとに、液晶の配向状態を電圧によって変化させて、面状発光デバイスから入射された光を透過する量を調整し、これによってパターン(画像)を表示する(例えば特許文献2を参照。)。
【0004】
以上のような光学デバイスは、その厚みが、少なくとも面状発光デバイスの厚みと光学部材の厚みとを合わせた厚みになる。前記したように、光学デバイスは、面状発光デバイスと光学部材とを組み合わせてなるからである。
【0005】
また、両者を設計通りに位置合わせして組み合わせなければならない。そのため、精密な組み立て技術が要求されたり、面状発光デバイス及び光学部材以外に組み合わせ用のフレームを別途用意したりしなければならない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−323272号公報
【特許文献2】
特開平10−253959号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、面状発光デバイスと光学部材とを組み合わせてなる光学デバイスの厚みを従来よりも薄くできる面状発光デバイスを提供することを第一の目的とする。
本発明の第二の目的は、面状発光デバイスと光学部材とを容易に位置合わせして組み合わせることのできる面状発光デバイスを提供することである。
【0008】
本発明の第三の目的は、上記面状発光デバイスを備えた光学デバイスを提供することである。
本発明の第四の目的は、上記面状発光デバイスの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る面状発光デバイスは、透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を当該面の反対側(光出射側)から出射するボトムエミッション型のデバイスであって、透明基板は、光出射側に光学部材配置用の窪みが設けられたことを特徴とする。
【0010】
また、上記面状発光デバイスにおける光学部材配置用の窪みには複数の凹凸が設けられていてもよい。
【0011】
上記面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子としてもよい。
【0012】
本発明に係る光学デバイスは、上記面状発光デバイスにおける光学部材配置用の窪みに光学部材が配置されたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る、透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられたボトムエミッション型の面状発光デバイスの製造方法は、透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、光入射面の反対側(光出射側)に光学部材配置用の窪みを形成することを特徴とする。
【0014】
また、上記製造方法において、光学部材配置用の窪みの形成にはサンドブラスト法が好ましく採用されうる。
さらに好適には、透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、光入射面の反対側における光学部材が配置される位置以外にマスクをし、次いで光出射面側からサンドブラスト法により透明基板を削り、光学部材配置用の窪みを形成するとよい。
【0015】
なお、本明細書における「透明」とは、発光層で発生した光(エレクトロルミネッセンス)を透過する性質を有することを意味する。換言すると、本明細書における「透明な層」や「透明な部材」は、エレクトロルミネッセンスに対して透明又は半透明であることをいう。このような層や部材は、好ましくは外部に取り出す光の透過率が50%以上になるように設計される。
外部に取り出す光は、自由に設定可能であるが、一般には可視光(380nm〜800nm程度の波長の光)とされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る光学デバイスとしての液晶表示装置を、図を参照しながら詳細に説明し、あわせて、本発明の実施の形態に係る面状発光デバイスとしての有機ELデバイスとその製造方法についても説明する。図1〜図11において同一の符号で表す構成要素は、同一物又は類似物を表示するものとする。
まず、液晶表示装置の構成について説明する。
【0017】
(構成)
図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を説明するための斜視図である。図2は、図1に示す液晶表示装置の横断面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る液晶表示装置は、面状発光デバイスとしての有機ELデバイス1と、光学部材としての液晶表示パネル4とで構成されている。液晶表示パネル4は、有機ELデバイス1の透明基板3に設けられた光源配置用の窪み30に配置されている。
【0019】
有機ELデバイス1は、透明基板3と有機EL素子2とで構成される。
【0020】
透明基板3は、有機EL素子2を支える部材であり、光入射面31を有する。
光入射面31上には有機EL素子2が設けられている。
光入射面31の反対側(光出射側)32には、液晶表示パネル4の配置用の窪み30が設けられている。
【0021】
光学部材配置用の窪み30は、光出射側32における液晶表示パネル4を配置する位置に設けられている。つまり、図2に示すように、透明基板3は、液晶表示パネル4を配置する部分の厚みAが、他の部分の厚みB、B’よりも薄くなっている。
【0022】
透明基板3は、有機EL素子2を支持/形成可能であり、透明であればどのような材料で形成されていてもよく、一般には、ガラス基板や石英基板、プラスチック基板などが選択される。また、同種又は異種の基板を複数組み合わせた複合シートからなる基板を用いることもできる。
【0023】
有機EL素子2は、電流を流されることで発光する有機発光材料を含有する発光層が陽極と陰極とに挟まれた構造をとり、公知の有機EL素子形成用の材料を用い公知の有機EL素子形成法によって、透明基板3の光入射面31上に作製される。
【0024】
液晶表示パネル4は、公知の透過型の液晶表示パネルや半透過型の液晶表示パネルが採用され、非表示面41が有機ELデバイス1(光出射側32)と向かい合うように、液晶表示パネル4配置用の窪み30内に配置される。つまり、液晶表示パネル4は、液晶表示装置外部からは表示面40が視認されるように配置される。
【0025】
本実施の形態に係る液晶表示装置は、以上の構成を採用するために、例えば以下のような効果を得ることができる。
【0026】
(効果)
(i)液晶表示パネル4を、透明基板3(有機ELデバイス1)の光出射側32における所定の位置(設計位置)に、容易に組み込むことができる。
つまり、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4との組み合わせる際の位置合わせが極めて容易である。
これは、透明基板3の光出射側32において、液晶表示パネル4を配置する部分が、他の部分に比べて光入射面31に近くなっている(凹んでいる)ため、窪み30内に液晶表示パネル4を前記したように入れれば、液晶表示パネル4が設計位置に配置されたことになるからである。
これにより、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせるためにフレームを用意する必要は特になくなり、また、両者の組み合わせのための(位置合わせのための)特別な技術は必要でなくなるため、光学デバイスとしての液晶表示装置の製造を極めて容易にかつ正確にできる。
【0027】
また、液晶表示パネル4は、透明基板3内に(窪み30内に)埋め込まれているため、透明基板3の光出射面31とは反対側32における設計位置から経時的にずれる可能性が極めて低い。
【0028】
(ii)図3(b)に示す、液晶表示パネル400配置用の窪みが透明基板300に設けられていない従来の液晶表示装置と比べて、図3(a)に示す本実施の形態に係る液晶表示装置は厚みを薄くできる。
図3(a)に示す液晶表示装置は、光学部材である液晶表示パネル4の一部(又は全部)を、透明基板3内に配置する(埋設する)からである。
【0029】
また、図3(a)に示す液晶表示装置及び有機ELデバイスは、(b)に示す液晶表示装置及び有機ELデバイスと比べて、それぞれ、透明基板における液晶表示パネル4配置用の窪み30の分、軽量化することも可能になる。
さらに、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせるために特別なフレームを設けなくてもすむため、フレームの分、従来よりも薄くできたり、軽量化できたりする。
【0030】
(iii)透明基板3における液晶表示パネル4が配置されていない部分は、液晶表示パネル4が配置される部分の厚みAに比べて厚みBが厚いため、透明基板3としての(有機ELデバイス1としての/液晶表示装置としての)強度が、厚さAの透明基板を用いた場合と比べて大きくなる。
図4(b)に示す厚みAの透明基板301を用いた液晶表示装置と図4(a)に示す本実施の形態に係る液晶表示装置とは互いに厚みが同じ(厚みB)になるが、後者は透明基板3において厚みBの部分を有するため、有機ELデバイス1及び液晶表示装置としての強度は後者の方が強くできる。
【0031】
(iv)液晶表示パネル4の端部42、42’を保護できる。
本実施の形態に係る液晶表示装置では、図2に示すように、液晶表示パネル4の端部42、42’が透明基板3によって覆われている(端部42、42’が装置外部に露出していない)ため、図3(b)や図4(b)に示す従来の液晶表示装置と比べて液晶表示パネル4(端部42、42’)を外部の種々の要因(例えば外部からの衝撃や浸食等)から保護できる。そのため、液晶表示パネル4を保護するための部材を別個設けなくともよくなる。
次に、上記実施の形態に係る液晶表示装置の好適な製造例を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
(製造方法)
まず、厚さBの透明基板3の一方の面上に、前記したように有機EL素子2を形成する(ステップS1)。透明基板3において、有機EL素子2が設けられた面(有機EL素子2と接する面)が光入射面31となる。
有機EL素子2を設けた後、透明基板3における光入射面31とは反対側(光出射側)32において、液晶表示パネル4が配置されない部分にマスクをする(ステップS2)。
次いで、光出射側32においてサンドブラスト法によって透明基板3を一部削る(ステップS3)。これにより、液晶表示パネル4配置用の窪み30が透明基板3に形成される。
そして、透明基板3からマスクを取り除く(ステップS4)ことで、有機EL素子1が形成される。
【0033】
有機EL素子1形成後、液晶表示パネル4配置用の窪み30に液晶表示パネル4を前記したように配置する(ステップS5)ことで、前記した液晶表示装置を作製できる。
【0034】
以上のようにして製造した液晶表示装置は、前記した効果に加えて、さらに以下の効果も得ることができる。
【0035】
(v)透明基板3上に有機EL素子2を形成する際に、透明基板3に十分な強度・厚みが得られる。
図2に示す液晶表示装置を作製する際、ステップS1の段階において、透明基板はいずれの場所も厚みBがあるからである。
【0036】
一般に、有機EL素子2等の面状発光素子は、輝度均一性を得たり、電極同士がショートすることを防止したりするために、当該素子を構成する各層の膜厚を均一にする必要がある。そのため、十分な強度(厚み)を備えた透明基板上に形成することが好ましい。
つまり、図4(b)に示すようなはじめから薄い透明基板301は有機EL素子201形成時にたわむ場合があるため(平面平滑性を備えていない場合があるため)、このような透明基板301上に面状発光素子201を形成しても、輝度均一性等の面状発光デバイスに要求される性能が得られない可能性がある。
【0037】
これに対し、本実施の形態に係る製造方法では、前記したように面状発光素子を形成する際に、液晶表示パネル4配置用の窪み30を設けていないため、透明基板3は面状発光素子を形成するのに十分な強度(厚み)を備える。したがって、上記した性能を有する面状発光デバイスが得られる可能性が極めて高くなり、その結果、歩留まりも極めて高くすることも可能になる。
【0038】
(vi)透明基板3の光出射側32におけるいずれの出射方向(角度)においても輝度を略同一にできる(輝度均一性)。
サンドブラスト法により窪み30を形成するため、窪み30に、算術平均高さRa0.01〜10μm程度の微小凹凸が多数形成される(粗面とされる)が、この微小凹凸が光入射面31から入射されて光出射側32へ出射する光を拡散するため、輝度均一性が得られる。
したがって、光学部材としての拡散シートを用いなくてもよくなる場合があり、この場合には光学デバイスの厚みをさらに薄くすることもでき、また、拡散シートの重さ分、光学デバイスを軽量化することも可能になる。
【0039】
(vii)従来の透明基板の光出射面からは取り出されなかった光の一部又は全部を、光出射側32から外部へ取り出すことができる(光取出効率向上)。
従来のように平面の透明基板では、光出射面に臨界角より大きな角度で入射する光は透明基板内へ全反射してしまうが、本実施の形態に係る窪み30は粗面にされ、様々な角度の接線を備えるために、従来は光出射側へ取り出されなかった光の一部又は全部を取り出すことができる。
【0040】
(viii)透明基板3の光出射側32におけるいずれの出射方向(角度)においても色度を略同一にできる(色度均一性)。
前記したように窪み30に微小凹凸が形成されるため、各波長の光についてもそれぞれ様々な方向へ拡散できる。したがって、光出射側32における出射方向おいて各波長の光の輝度の角度依存性がなくなる。つまり、光出射側32における出射方向において色度が均一になる。
【0041】
(別例)
なお、上記実施の形態は以下のように変形することもできる。また、各変形例を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0042】
(a)有機EL素子の代わりに、無機EL素子等の公知の面状発光素子を採用できる。
【0043】
(b)光学部材として、液晶表示パネルの代わりに、プリズムシートや拡散シート等の公知の光学部材を採用できる。
例えば、図6に示すように、上記実施の形態における面状発光デバイスである有機ELデバイス1とプリズムシート5とを組み合わせた照明装置とすることもできる。
なお、光学部材とは、前記したように、面状発光デバイスから入射された光の性質や量を変化させて外部へ出射させる部材のことである。
【0044】
(c)同種又は異種の複数の光学部材を組み合わせて用いることもできる。
例えば、図7に示すように、光源配置用の窪み30上にプリズムシート5及び液晶表示パネル4を順次積層した液晶表示装置にしてもよい。
【0045】
(d)窪み30の深さを光学部材の厚みと同一にしなくてもよい。
例えば図8(a)に示すように、窪み30の深さを液晶表示パネル4の厚みよりも浅くし、窪み30に液晶表示パネル4の一部が埋設されるようにしてもよい。
また、図8(b)に示すように、窪み30の深さを液晶表示パネル4の厚みよりも厚くし、窪み30に液晶表示パネル4の全部が埋設されるようにしてもよい。
【0046】
(e)透明基板3の光出射側32において、液晶表示パネル4(光学部材)が設けられない場所の一部も窪ませてもよい。
例えば図9(a)に示すように矩形の液晶表示パネル4が配置される位置32aを基準として、その一辺側32bを窪ませたり、図9(b)に示すように、二辺側32b、32cを窪ませたり、図9(c)に示すように三辺側32b、32c、32dを窪ませたりすることもできる。このように、液晶表示パネル4が設けられない場所の一部を窪ませても、液晶表示パネル4を、光出射側32における窪んでいない場所を基準として透明基板3上に配置すればよいので、従来よりも液晶表示装置の製造(位置合わせ)が容易になる。また、上記(ii)〜(iv)等の効果も当然得られる。
【0047】
(f)サンドブラスト法以外の公知の基板薄型化法を用いてもよい。
例えば、公知のドライエッチング法やウェットエッチング法によって透明基板3に窪み30を設けてもよい。なお、このような基板薄型化法を用いる場合には、公知の削剥量・削剥形状制御法を用いて、窪み30に前記したような微小凹凸を複数設ければ、前記製造方法と同等の効果が得られる。
【0048】
(g)透明基板3に有機EL素子1を形成する前に窪み30を形成してもよい。
つまり、図10に示すように、前記同様に透明基板3に窪み30を形成し(ステップS11)、透明基板3における窪み30が形成されていない面に有機EL素子2を形成し(ステップS12)て有機ELデバイス1を作製し、有機ELデバイス1と液晶表示パネル4とを組み合わせ(ステップS13)て液晶表示装置を作製してもよい。
このように有機EL素子1を透明基板3に形成する前に窪み30を形成する場合には、窪み30が形成された透明基板3が、ステップS12において有機EL素子1を形成できる強度を有するように、窪み30の深さや透明基板3の材質を設計するとよい。
【0049】
(h)光出射側32において、光学部材が設けられていない場所からは光が出射しないようにしてもよい。
例えば、図11に示すように、透明基板3における液晶表示パネル4と接していない場所に、金属等で形成された光反射板6を設ければ、光出射側32において、光学部材が設けられていない場所から出射しようとする光を液晶表示装置内部に戻し、内部における屈折率の差による反射等によって液晶表示パネル4の表示面40から出射させることも可能になる。
また、上記製造例において、マスクを除去しなくてもよい。
当然、光学デバイスにおける光を取り出す部位(本例では表示面40)以外の他の位置又はすべてを反射部材等で覆ってもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明による面状発光デバイスは、光学部材と組み合わせる際、両者の位置合わせが容易であり、また、特別なフレームなどの部材を設けなくてもすむ。また、光学部材と組み合わせた構造体(光学デバイス)の厚みを従来よりも薄くできる。
【0051】
また、本発明による面状発光デバイスの製造方法によれば、以上のような面状発光デバイスを製造することができる。
【0052】
本発明による光学デバイスは、上記面状発光デバイスを用いているため、従来の面状発光デバイスよりも厚みを薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を説明するための斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る液晶表示装置の断面構成、及び、有機ELデバイスの断面構成を説明するための要部断面図である。
【図3】本実施の形態に係る液晶表示装置の厚みが従来の液晶表示装置よりも薄いことを説明するための要部断面図である。
【図4】本実施の形態に係る液晶表示装置が、従来の液晶表示装置よりも強度を有することを説明するための要部断面図である。
【図5】本実施の形態に係る液晶表示装置の好適な製造例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る他の光学デバイスの構成例を示す要部断面図である。
【図7】複数の光学部材により構成された液晶表示装置を示す要部断面図である。
【図8】本実施の形態における、窪み30の深さと液晶表示パネル4の厚みとの関係を説明するための要部断面図である。
【図9】透明基板3に設ける窪みの形状を説明するための斜視図である。
【図10】本実施の形態に係る液晶表示装置の他の製造例を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る液晶表示装置の他の構成例を説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
1 有機ELデバイス
2、200、201 有機EL素子
3、300、301 基板
30 液晶表示パネル4配置用の窪み
31 光入射面
32 光出射側(光入射面と対向する面)
4 液晶表示パネル
5 プリズムシート
Claims (7)
- 透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を、透明基板における前記面の反対側から外部へ出射する面状発光デバイスであって、
前記透明基板は、前記光入射面の反対側における光学部材が配置される位置に、光学部材配置用の窪みが設けられたことを特徴とする面状発光デバイス。 - 請求項1記載の面状発光デバイスにおいて、前記光学部材配置用の窪みは粗面とされたことを特徴とする面状発光デバイス。
- 請求項1又は2項に記載の面状発光デバイスであって、
前記面状発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする面状発光デバイス。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の面状発光デバイスにおける光学部材配置用の窪みに光学部材が配置されたことを特徴とする光学デバイス。
- 透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を、透明基板における前記面の反対側から外部へ出射する面状発光デバイスの製造方法であって、
前記透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、前記光入射面の反対側における光学部材が配置される位置に光学部材配置用の窪みを形成することを特徴とする面状発光デバイスの製造方法。 - 透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を、透明基板における前記面の反対側から外部へ出射する面状発光デバイスの製造方法であって、
前記透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、前記光入射面の反対側における光学部材が配置される位置に、光学部材配置用の窪みを、サンドブラスト法を用いて形成することを特徴とする面状発光デバイスの製造方法。 - 透明基板の光入射面上に面状発光素子が設けられ、光入射面に入射された光を、透明基板における前記面の反対側から外部へ出射する面状発光デバイスの製造方法であって、
前記透明基板の光入射面上に面状発光素子を形成した後、前記光入射面の反対側における光学部材が配置される位置以外にマスクをし、次いで光出射面側からサンドブラスト法により透明基板を削り、光学部材配置用の窪みを形成することを特徴とする面状発光デバイスの製造方法。
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