JP2004303514A - イオン伝導性材料 - Google Patents
イオン伝導性材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004303514A JP2004303514A JP2003093475A JP2003093475A JP2004303514A JP 2004303514 A JP2004303514 A JP 2004303514A JP 2003093475 A JP2003093475 A JP 2003093475A JP 2003093475 A JP2003093475 A JP 2003093475A JP 2004303514 A JP2004303514 A JP 2004303514A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- group
- conductive material
- compound
- cutting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Silicon Polymers (AREA)
- Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成することにより得られる、イオン交換体がイオン伝導パスを形成しており、該イオン伝導パスの該材料の法線方向への配向度が0.05以上であるイオン伝導性材料。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン伝導性材料に関する。更に詳しくは、本発明は、メタノール又は水素をエネルギー源とする燃料電池用の電解質、水素ガスセンサー用の素子、及び、Liイオンを伝導源とするリチウム−ポリマー二次電池材料に用いられる電解質に好適に用いられるイオン伝導性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素又はメタノールをエネルギー源とする燃料電池に用いられるプロトン伝導膜として、結晶性全フッ素型ポリエチレンを骨格とし、末端にスルホ基を有するフルオロエーテルを側鎖に持つ高分子膜が使用されている。骨格に結合した側鎖は、−SO3 −基と対イオンであるプロトン又はナトリウムイオン及び対イオンに水和する水分子から形成されるイオンクラスター領域を形成すると共に、それらクラスターは、互いに接続された親水チャネルを形成するとされている。その親水チャネルにおいては、側鎖の末端の柔軟性を有するスルホ基が内側を向いて配置し、中心部分は水分子で満たされており、プロトン伝導パスとなっている。
【0003】
結晶性全フッ素型ポリエチレンを骨格とし末端にスルホ基を有するフルオロエーテルを側鎖に持つ高分子膜では、プロトン伝導パスが途中で細く縊れたものである連結管が随所に自然発生するほか、元来プロトン伝導パスがジグザグであるため、内部抵抗が高くなり、燃料電池の効率を低いものとしている。
【0004】
また、メタノールをエネルギー源とする場合、上記問題点に加え、メタノールによって結晶性全フッ素型ポリエチレン骨格が膨潤し、それによりメタノールが膜中を移動する現象(クロスオーバー現象)が生じて、燃料電池の効率低下が引き起こされるという問題がある。
【0005】
このため、内部抵抗が低く、かつメタノールをエネルギー源とする場合にも、材料の膨潤が起こらない、高効率の燃料電池を構築することのできるイオン伝導性材料が求められていた。
【0006】
一方、ガスセンサーは、ガスを検知するデバイスであり、被検ガスをその化学的性質によって識別する。ガスセンサーとして、選択透過を利用する固体電解質センサー、ガス吸着による電気伝導度の変化からガス濃度を測定する半導体ガスセンサーがある。
【0007】
固体電解質センサーとしては、安定化ジルコニアによる酸素センサーが作製されているが、作動温度が500℃以上と高い。半導体ガスセンサーも、ガス濃度の検出温度は300℃台である。
【0008】
このため、より低い温度で作動し得るガスセンサーが求められている。
【0009】
更に、高分子固体電解質には、高極性高分子に、無機塩を溶解させた極性高沸点溶媒を含浸させたもの、ポリエーテル系高分子を無機塩とブレンドしたもの等がある。これらのうち、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子によるものが主に用いられている。これらのイオン伝導機構は、アルカリ金属塩を溶解、解離した高分子マトリックスのセグメント運動及び高分子、イオン間の静電的相互作用に基づくとされている。
【0010】
高分子固体電解質は、リチウム二次電池に適用されているが、漏洩の危険性の低減、保存安定性の向上、加熱下における膨潤や揮発を回避すること、固体化による電池作製時における加工性の向上、及び形状フレキシビリティーの向上が求められている。また、高分子のセグメント運動は、ガラス転移点以上の温度で活発となるものであるが、低温でも高い伝導性を示す材料が求められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高効率の燃料電池を構築するための、内部抵抗が低く、且つメタノールをエネルギー源とする場合にも材料の膨潤が起こらないイオン伝導性材料を提供すること、低温で検知できるガスセンサーを構築するためのセンサー素子材料を提供すること、及び漏洩等の問題の改善された二次電池を構築するためのイオン伝導性材料を提供すること等を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題の解決に向けた研究の結果、無機又は無機−有機マトリックス中において、イオン交換体にイオン伝導パスを形成させるに際し、半流動性の材料(ゾル又はゲル)に剪断応力をかけて成形することにより、マトリックス中のイオン交換体が全く無秩序に種々の方向を向いた状態(無配向状態)から、剪断応力の方向への配向性を生じた状態となり、それによって、イオン伝導性材料として優れた特性を有する材料が得られることを見出し、これに基づき本発明を完成させた。
【0013】
すなわち本発明は、
(1)イオン交換体とこれを含有する無機又は無機−有機マトリックスとを含んでなるイオン伝導性材料であって、該マトリックス中において該イオン交換体がイオン伝導パスを形成しており、該イオン伝導パスの該材料の法線方向への配向度が0.05以上であるイオン伝導性材料、
(2)イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成することにより得られるものであることを特徴とする、上記(1)に記載のイオン伝導性材料、
(3)該イオン交換基が酸性基の塩の形をとっており、該切り出し又は切削の前又は後に該硬化物を酸処理することを特徴する、上記(2)に記載のイオン伝導性材料、
(4)イオン交換体のイオン交換基が、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシル基又はこれらの塩であることを特徴とする、上記(1)ないし(3)の何れかに記載のイオン伝導性材料、
(5)該ゲル又はゾルが、式:RmSi(OR’)4−m(R,R’は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、mは0〜2の整数を表す。)で示されるシラン化号物Aに水を加えることにより、該シラン化号物Aの加水分解及び重縮合反応を進行させるステップと、該反応の途中において、反応混合物に式:XnSi(OR”)4−n(式中、Xはフェニル基を、R”は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、nは1又は2を表す。)で示されるシラン化号物Bを加えて混合することにより、該シラン化号物Bの加水分解及び重縮合反応をも同時に行わせつつ、反応混合物に更に、水、及び、イオン交換体としてフェニル基を有する有機ポリマー(但し、該フェニル基のうち45モル%以上に−SO3M基が結合しており、ここにMは、H、Na、Li、K又はNH4を表す。)を加えて混合することにより、該シラン化号物A及び該シラン化号物Bのその後の加水分解及び重縮合反応を該フェニル基を有する有機ポリマーの存在下において更に進行させるステップとを含む方法によって得られる、上記(2)又は(3)に記載のイオン伝導性材料、
(6)該シラン化号物Aの10重量部に対して、該シラン化号物Bを2〜10重量部、該有機ポリマーを1〜6重量部用いるものである、上記(5)に記載のイオン伝導性材料、
(7)イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成する工程を含むことを特徴とする、イオン伝導性材料の製造方法、
(8)該イオン交換基が酸性基の塩の形をとっており、該切り出し又は切削の前又は後に該硬化物を酸処理することを特徴する、上記(7)に記載の製造方法、
(9)イオン交換体によって形成されるイオン伝導パスの該材料の法線方向への配向度を0.05以上とすることを特徴とする、上記(7)又は(8)に記載の製造方法、
(10)イオン交換体のイオン交換基が、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシル基又はこれらの塩であることを特徴とする、請求項7ないし9の何れかに記載の製造方法、
(11)該ゲル又はゾルが、式:RmSi(OR’)4−m(R,R’は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、mは0〜2の整数を表す。)で示されるシラン化号物Aに水を加えることにより、該シラン化号物Aの加水分解及び重縮合反応を進行させるステップと、該反応の途中において、反応混合物に式:XnSi(OR”)4−n(式中、Xはフェニル基を、R”は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、nは1又は2を表す。)で示されるシラン化号物Bを加えて混合することにより、該シラン化号物Bの加水分解及び重縮合反応をも同時に行わせつつ、反応混合物に更に、水、及び、イオン交換体としてフェニル基を有する有機ポリマー(但し、該フェニル基のうち45モル%以上に−SO3M基が結合しており、ここにMは、H、Na、Li、K又はNH4を表す。)を加えて混合することにより、該シラン化号物A及び該シラン化号物Bのその後の加水分解及び重縮合反応を該フェニル基を有する有機ポリマーの存在下において更に進行させるステップとを含む方法によって製造されるものであることを特徴とする、上記(7)ないし(10)の何れかに記載の製造方法、
(12)該シラン化号物Aの10重量部に対して、該シラン化号物Bを2〜10重量部、該有機ポリマーを1〜6重量部用いるものである、上記(11)に記載のイオン伝導性材料、
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「イオン交換基」とは、陽イオン交換に与るイオン性基であって、遊離酸の形態又は塩の形態の何れのものもいう。またそのようなイオン交換基を有する分子又は高分子、好ましくは有機の分子又は高分子、特に好ましくは線状のものを、本明細書において「イオン交換体」という。
【0015】
本明細書において「イオン伝導パス」とは、イオンの流れる経路をいう。本発明においては、イオン交換体のイオン交換基に沿ってイオンが流れるから、「イオン伝導パス」は、イオン交換体分子を経由する形で形成される。
【0016】
また、本明細書において、「材料の法線方向」とは、イオン伝導性材料を通してイオンを流そうとする方向をいい、通常、材料の両側に位置する1対の面(例えば、シートの両面、直方体の対向面、円柱の上下の底面等)を結ぶ方向が法線方向となる。
【0017】
本発明のイオン伝導性材料は、マトリックスを無機又は無機−有機マトリックスとし、マトリックス中でイオン交換体がイオン伝導パスを形成しており、該イオン伝導パスの材料の法線方向への配向性を有している。これにより、(1)内部抵抗を小さくし且つマトリックス中でメタノールのクロスオーバー現象が起こるのを防止することによる燃料電池の効率向上、(2)電解質を全固体型とすることにより電解質や溶媒が漏洩しない二次電池の作製、及び(3)ガス検知の温度依存性が小さく低温でガス検知ができるガスセンサーの作製が、それぞれ可能となる。
【0018】
本発明のイオン伝導性材料は、無機又は無機−有機マトリックスが水酸基を有するものであることが好ましい。これは一つには、水酸基が存在すると、それ自身がイオン伝導パスの一部となるからである。また、水酸基はイオン伝導の担い手である水を保持するため、膜の温度上昇時の電池効率の低下を防止するのに有効だからでもある。
【0019】
本発明のイオン伝導性材料は、そのイオン伝導パスに材料の法線方向への配向性を賦与してあるため、イオン伝導パスのジグザグ性が減少している。、そのため、これを燃料電池等の電池として用いると、内部抵抗の小さなものを得ることができる。この目的のためには、イオン交換体の法線方向への配向度は0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましい。但し、特に高性能とするには、配向度は0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることが更に好ましい。
【0020】
本明細書において、「配向度」とは、イオン交換体分子の個々の方向を示すベクトルと材料の法線方向を示すベクトルとのなす角をθiとしたとき、下記の計算式で定義されるSの値をいう。(法線方向に全ての分子が完全に配向しているときはS=1、無配向のときは、S=0、直角方向に全ての分子が完全に配向しているときはS=−0.5となる。)
【0021】
【数1】
【0022】
ここに、「< >」は相加平均を表す。
【0023】
配向度の評価方法としては、NMR法、レーザーラマン法、赤外吸収二色法等を用いることができるが、測定が比較的容易であることから、赤外吸収二色法による評価法が望ましい。
【0024】
例えば、イオン交換体がフェニル基を側鎖として有する有機ポリマーであるときは、フェニル基が作る面は主鎖の方向に対して垂直に配向することが知られている。従って、フェニル基のC−H面外変角振動の方向が有機ポリマーの主鎖に対して平行な関係となるから、このIR吸収を赤外吸収二色法で測定することによって、イオン交換体分子の配向度を容易に評価することができる。すなわち、材料の法線方向に平行な偏光面について測定した赤外光の吸収をAx、材料の法線方向に対し垂直な偏光面について測定した赤外光の吸収をAyとしたとき、下記の式により法線方向の配向度Sが求められる。
【0025】
D=Ax/Ay
S=(D−1)/(D+2)
【0026】
本発明のイオン伝導性材料の無機又は無機−有機マトリックスは、非多孔体でも多孔体でもよい。
【0027】
本発明の無機又は無機−有機マトリックスに基づくイオン伝導性材料は、イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾル等の半流動物に剪断応力をかけた後、硬化させ、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成することによって製造することができる。無機又は無機−有機マトリックスを構成するゾルの調製方法には特に制限はないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン、リン酸トリメチル、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、テトライソプロポキシチタン等のアルコキシドを加水分解、縮重合させることによって調製することができる。
【0028】
マトリックス材料中に分散又は溶解させる、イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体に特に制限はないが、例えば、スチレンスルホン酸のホモポリマー、スチレンスルホン酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、メチルビニルエーテル又はメチルプロペニルエーテル等の共重合成分との共重合ポリマー等を挙げることができる。スチレンスルホン酸とスチレンとの共重合体を用いるときは、共重合体のフェニル基の45モル%以上がスルホン酸基を有していればイオン伝導性には十分である。
【0029】
上記イオン交換体を分散又は溶解したゾル又はゲルに剪断応力をかける方法に特に制限はない。例えば、微細な孔が多数開いたノズルから、また例えば、微細な間隙を有するダイから押出し又は引出した後、収束して一体化し、熱処理等により硬化させ、剪断応力をかけた方向(押出し方向又は引出し方向)に直角に切り出し又は切削する等して形成することにより、目的とするイオン伝導性材料が得られる。硬化前の材料に剪断応力をかけることにより、それまで全体として均質に分布し方向性の無かったイオン交換体分子に、剪断応力の方向への配向性が生じる。例えば、ノズル又はダイから押出し又は引出された材料は、ノズル又はダイの内壁面に接する部分と内壁面から離れた部分との間で、内壁面との距離に応じて押出し又は引出し方向の流動速度に勾配を生じることから、材料にかかる剪断応力は押出し又は引出し方向に一致する。材料の流動速度にこのような一定方向の分布を生じさせるような他の任意の処理を、材料に剪断応力をかけるための方法として適宜採用することができる。また、ノズルやダイから離れた部位における材料の一軸延伸によっても延伸方向に剪断応力が働くから、これを本発明のイオン伝導性材料の製造に利用することができる。
【0030】
なお、イオン交換基を塩の形で側鎖に有する線状高分子をイオン交換体の塩として分散又は溶解させたマトリックス構成材料を用いる場合は、該材料よりなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削する工程に加えて、酸処理の工程を更に設けることができる。酸処理の工程は、切り出し又は切削の前又は後の何れに設けてもよいが、切り出し又は切削によって目的とするイオン伝導材料の形状を得た後で酸処理を行うという順序による方が塩を形成しているカチオンがプロトンに置換される速度が速くなるため、好ましい。塩を形成するカチオンの種類に制限はないが、Na+、Li+、K+等のアルカリ金属イオン等が挙げられる。遊離酸でなく塩の形とすることで、マトリックス構成材料のゲル化速度を調整し易くなる。酸処理の方法に特に制限はないが、イオン交換基よりpKaが小さい酸が用いられ、例えば、塩酸、硝酸、過塩素酸、硫酸等の強酸及びその水溶液又は有機溶媒溶液にゲルを浸漬し、水又は有機溶媒で洗浄する等の方法によることができる。
【0031】
イオン交換基を塩の形で側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体の塩は、特に制限はないが、例えば、前記したスチレンスルホン酸のホモポリマー又は共重合体の塩を挙げることができる。塩を形成するカチオンの例としては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、及びアンモニウムイオンが挙げられる。
【0032】
本発明において、イオン交換体中のイオン交換基は、酸性度の観点から、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシル基であることが好ましい。イオン交換基をスルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシル基とした場合、プロトンを解離し易くなり、プロトン伝導性が高いイオン伝導性材料が得られる。
【0033】
硬化は熱処理により行うことが好ましく、100℃以上の熱処理により行うことがより好ましい。酸処理を行う場合、硬化は、酸処理の前後何れに行うこともできる。
【0034】
【実施例】
以下、典型的な実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明が該実施例に限定されることは意図しない。
【0035】
〔実施例1〕
テトラエトキシシラン、0.04mol/L濃度の硝酸のメタノール溶液、及び水を、モル比でメタノール:テトラエトキシシラン:水:硝酸=8.5:1:1:0.01となるように混合し、室温にて1時間撹拌しテトラエトキシシランを加水分解することにより、均質なオリゴマー溶液を得た。次いで、この溶液にフェニルトリエトキシシラン及びメタノールを、モル比でフェニルトリエトキシシラン:メタノール:テトラエトキシシラン=0.37:8.5:1になるように添加後、30分間撹拌し、均質な溶液を得た(テトラエトキシシランとフェニルトリエトキシシランの重量比=10:4.3)。次いで、スチレンスルホン酸ナトリウムと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合ポリマー〔東ソー(株):スチレンスルホン酸ナトリウム45モル%、平均分子量14,000〕を、共重合ポリマー成分が全重量(固形物重量)の20%、及び水を、モル比でテトラエトキシシラン:水=1:10となるように添加し、1時間撹拌することにより均質なゾルを得た。次いでこれを40℃の乾燥機中で8時間反応させることにより、高粘度のゾルを調製した
【0036】
上記で得られたゾルを、小型の手動式押出成形機のシリンダー内に注入後、プランジャーを押してゲルを口径5mmのノズルから押し出すことにより、直径約4mmのロッド状の成形物を得、これを更に100℃で8時間加熱することにより、実施例1のイオン伝導性材料を得た。
【0037】
〔比較例1〕
実施例1における押出前の材料の一部を100℃にて8時間熱処理することにより、比較例1のイオン伝導性材料を得た。
【0038】
〔比較例2〕
実施例1における押出前の材料の一部を酸処理(3N硝酸、室温、72時間浸漬)してイオン交換し蒸留水に24時間浸漬し、洗浄した後、100℃にて8時間熱処理することにより、比較例2のイオン伝導性材料とした。
【0039】
配向度の評価:
実施例1のイオン伝導性材料におけるイオン交換体の配向度をフーリエ変換顕微赤外分光計(FT−IR)の赤外全反射吸収スペクトル(ATR)装置を用いて評価した。ロッド状の試料の側面をミクロトームにより表面から約20μm切削して平面を作成し、この面について試料の押出方向に対し電場ベクトルが平行な偏光について測定し、次いでこの偏光の電場ベクトルに対し垂直な方向に試料を回転させて測定しスペクトルを得た。また、スチレンスルホン酸ナトリウムと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合ポリマーを添加しないほかは実施例1と同様にして作成したロッド状試料についても、上記と同様にしてスペクトルを得、これをブランクとして用いた。実施例1の試料について得られた試料の方向を90°変えた2つの偏光スペクトルから、ブランクについて得られた試料の方向を90°変えた対応する2つの偏光スペクトルをそれぞれ差し引いて得られるスペクトルより、848cm−1に位置する、共重合ポリマーの側鎖を形成するスルホン酸ナトリウム基を有するフェニル基のC−H面外変角振動吸収に基づく吸光度を、平行偏光及び垂直偏光につき求め、それぞれAx、Ayとした。これらの値を用いて、次式より二色比D及び配向度Sを求めた。
D=Ax/Ay
S=(D−1)/(D+2)
【0040】
比較例1及び2の試料については、剪断応力をかける操作を行っていないため、それらの試料中でイオン交換体分子は無配向状態(S=0)に近い状態であると見なし、配向度の測定は行わなかった。
【0041】
なお簡便方法として、ブランクスペクトルを用いずに、実施例1の試料についての平行偏光及び垂直偏光のスペクトルにおいて、848cm−1に位置する、共重合ポリマーの側鎖のスルホン酸ナトリウム基を有するフェニル基のC−H面外変角振動吸収に基づく吸光度を、平行偏光及び垂直偏光につき求め、それぞれA’x、A’yとした。これらの値を用いて上記式よりD及びSを求めた。結果を表1に示す。
【0042】
電気伝導度の評価:
実施例1並びに比較例1及び2のイオン伝導性材料につき、電気伝導度をインピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製、4294A、接続ケーブル16047E)により測定した。実施例1のイオン伝導性材料は、押出方向が厚み方向となるようにミクロトームで厚さ約3mmに切削し、40℃、相対湿度95%に1時間保持したものを測定に用いた。比較例1及び2のイオン伝導性材料についても同様に切り出して、40℃、相対湿度95%に1時間保持したものを測定に用いた。装置の周波数範囲を40Hz〜5MHzとし、この範囲で周波数を変化させつつインピーダンスを測定し、複素インピーダンスプロットを行い、グラフ上でバルクインピーダンスに相当する半円と実軸の交点から抵抗Rを求め、これを次式に代入して電気伝導度(σ)を求めた。結果を表1に示す。
σ=d/πr2R
ここに、d:測定試料の厚み[cm]、r:測定用電極の半径[cm]
【0043】
【表1】
【0044】
表に示されているように、実施例1の試料について、ブランク試料を用いて評価したとき、配向度0.123が得られた。配向度は0より有意に大きく、実施例1の試料中においてイオン交換体分子が法線方向に配向性を有していることが判明した。実施例1の試料は、40℃という比較的低い温度にもかかわらず、高い電気伝導度を示し、またその値は比較例1及び2の試料に比して、大幅に高かった。なお、ブランク不使用の簡便方法で求めた配向度は0.070と、ブランクを使用した場合の値に比べて低かったが、これは、ブランク不使用ではバックグラウンドの吸収が両偏光スペクトルの目的ピークに混入し、二色比Dが低めに算出されたことによるものと思われる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のイオン伝導性材料は、無機又は無機−有機マトリックス中において、イオン交換体がイオン伝導パスを形成しており、該イオン伝導パスが材料の法線方向に配向性を有するため、燃料電池に用いた場合電池の効率を向上させることができる。また、メタノールによる膨潤がないためそのクロスオーバーのおそれがなく、この点でも電池の効率を向上させることができる。またリチウム電池に用いたときは、漏洩の危険性を低減させ、保存安定性を向上し、且つ、加熱下においても膨潤や揮発を回避することができる。また、40℃等の低温でも高い電気伝導度を有するため、低温でガス検知が可能なガスセンサーの作製に利用することができる。
Claims (12)
- イオン交換体とこれを含有する無機又は無機−有機マトリックスとを含んでなるイオン伝導性材料であって、該マトリックス中において該イオン交換体がイオン伝導パスを形成しており、該イオン伝導パスの該材料の法線方向への配向度が0.05以上であるイオン伝導性材料。
- イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成することにより得られるものであることを特徴とする、請求項1に記載のイオン伝導性材料。
- 該イオン交換基が酸性基の塩の形をとっており、該切り出し又は切削の前又は後に該硬化物を酸処理することを特徴する、請求項2に記載のイオン伝導性材料。
- イオン交換体のイオン交換基が、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基若しくはカルボキシル基又はこれらの塩であることを特徴とする、請求項1ないし3の何れかに記載のイオン伝導性材料。
- 該ゲル又はゾルが、式:RmSi(OR’)4−m(R,R’は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、mは0〜2の整数を表す。)で示されるシラン化号物Aに水を加えることにより、該シラン化号物Aの加水分解及び重縮合反応を進行させるステップと、該反応の途中において、反応混合物に式:XnSi(OR”)4−n(式中、Xはフェニル基を、R”は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、nは1又は2を表す。)で示されるシラン化号物Bを加えて混合することにより、該シラン化号物Bの加水分解及び重縮合反応をも同時に行わせつつ、反応混合物に更に、水、及び、イオン交換体としてフェニル基を有する有機ポリマー(但し、該フェニル基のうち45モル%以上に−SO3M基が結合しており、ここにMは、H、Na、Li、K又はNH4を表す。)を加えて混合することにより、該シラン化号物A及び該シラン化号物Bのその後の加水分解及び重縮合反応を該フェニル基を有する有機ポリマーの存在下において更に進行させるステップとを含む方法によって得られる、請求項2又は3の何れかに記載のイオン伝導性材料。
- 該シラン化号物Aの10重量部に対して、該シラン化号物Bを2〜10重量部、該有機ポリマーを1〜6重量部用いるものである、請求項5に記載のイオン伝導性材料。
- イオン交換基を側鎖に有する線状高分子からなるイオン交換体を分散又は溶解させたマトリックス構成材料を含んでなるゲル又はゾルに剪断応力をかけた後、硬化させ、得られた硬化物を、剪断応力をかけた方向に直角に切り出し又は切削して形成する工程を含むことを特徴とする、イオン伝導性材料の製造方法。
- 該イオン交換基が酸性基の塩の形をとっており、該切り出し又は切削の前又は後に該硬化物を酸処理することを特徴する、請求項7に記載の製造方法。
- イオン交換体によって形成されるイオン伝導パスの該材料の法線方向への配向度を0.05以上とすることを特徴とする、請求項7又は8に記載の製造方法。
- イオン交換体のイオン交換基が、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基若しくはカルボキシル基又はこれらの塩であることを特徴とする、請求項7ないし9の何れかに記載の製造方法。
- 該ゲル又はゾルが、式:RmSi(OR’)4−m(R,R’は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、mは0〜2の整数を表す。)で示されるシラン化号物Aに水を加えることにより、該シラン化号物Aの加水分解及び重縮合反応を進行させるステップと、該反応の途中において、反応混合物に式:XnSi(OR”)4−n(式中、Xはフェニル基を、R”は炭素数1〜3のアルキル基を、及び、nは1又は2を表す。)で示されるシラン化号物Bを加えて混合することにより、該シラン化号物Bの加水分解及び重縮合反応をも同時に行わせつつ、反応混合物に更に、水、及び、イオン交換体としてフェニル基を有する有機ポリマー(但し、該フェニル基のうち45モル%以上に−SO3M基が結合しており、ここにMは、H、Na、Li、K又はNH4を表す。)を加えて混合することにより、該シラン化号物A及び該シラン化号物Bのその後の加水分解及び重縮合反応を該フェニル基を有する有機ポリマーの存在下において更に進行させるステップとを含む方法によって製造されるものであることを特徴とする、請求項7ないし9の何れかに記載の製造方法。
- 該シラン化号物Aの10重量部に対して、該シラン化号物Bを2〜10重量部、該有機ポリマーを1〜6重量部用いるものである、請求項11に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093475A JP4163032B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | イオン伝導性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093475A JP4163032B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | イオン伝導性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004303514A true JP2004303514A (ja) | 2004-10-28 |
JP4163032B2 JP4163032B2 (ja) | 2008-10-08 |
Family
ID=33406264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003093475A Expired - Lifetime JP4163032B2 (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | イオン伝導性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4163032B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012518248A (ja) * | 2009-02-13 | 2012-08-09 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク | イオン導電ゲルに基づく高エネルギー非水電池、その製造方法及びその用途 |
JP2014143196A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-08-07 | Nitto Denko Corp | 燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法および燃料電池 |
JP2014189732A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Ngk Insulators Ltd | 有機無機複合体、構造体及び有機無機複合体の製造方法 |
JP2015089901A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | 日本碍子株式会社 | 有機無機複合体及び構造体 |
WO2019172251A1 (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | シャープ株式会社 | 化学センサ素子、化学センサ素子の製造方法、および化学センサ |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093475A patent/JP4163032B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012518248A (ja) * | 2009-02-13 | 2012-08-09 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク | イオン導電ゲルに基づく高エネルギー非水電池、その製造方法及びその用途 |
JP2014143196A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-08-07 | Nitto Denko Corp | 燃料電池用膜−電極接合体とその製造方法および燃料電池 |
JP2014189732A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Ngk Insulators Ltd | 有機無機複合体、構造体及び有機無機複合体の製造方法 |
JP2015089901A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | 日本碍子株式会社 | 有機無機複合体及び構造体 |
WO2019172251A1 (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | シャープ株式会社 | 化学センサ素子、化学センサ素子の製造方法、および化学センサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4163032B2 (ja) | 2008-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Tripathi et al. | Organic-inorganic hybrid alkaline membranes by epoxide ring opening for direct methanol fuel cell applications | |
Li et al. | Effects of the porous structure on conductivity of nanocomposite polymer electrolyte for lithium ion batteries | |
Liu et al. | A small-angle X-ray scattering study of the development of morphology in films formed from the 3M perfluorinated sulfonic acid ionomer | |
Müller et al. | Measuring the proton conductivity of ion-exchange membranes using electrochemical impedance spectroscopy and through-plane cell | |
Giffin et al. | Interplay between structure and relaxations in perfluorosulfonic acid proton conducting membranes | |
Echelmeyer et al. | Novel ternary composite electrolytes: Li ion conducting ionic liquids in silica glass | |
Wu et al. | Novel silica/poly (2, 6-dimethyl-1, 4-phenylene oxide) hybrid anion-exchange membranes for alkaline fuel cells: Effect of heat treatment | |
Li et al. | PVDF-based composite microporous gel polymer electrolytes containing a novelsingle ionic conductor SiO2 (Li+) | |
Singh et al. | A green method for the preparation of highly stable organic-inorganic hybrid anion-exchange membranes in aqueous media for electrochemical processes | |
US9790339B2 (en) | Crosslinked speek cation exchange membrane having improved chemical stability by radiation and method of preparing the same | |
Wu et al. | A sol-gel solid electrolyte with high lithium ion conductivity | |
Truffier-Boutry et al. | Structural study of zirconium Phosphate− Nafion hybrid membranes for high-temperature proton exchange membrane fuel cell applications | |
Golubenko et al. | Influence of the water state on the ionic conductivity of ion-exchange membranes based on polyethylene and sulfonated grafted polystyrene | |
Lee et al. | Ion-conductive poly (vinyl alcohol)-based IPMCs | |
Świerczyński et al. | Composite polymeric electrolytes from the PEODME− LiClO4− SiO2 System | |
Safronova et al. | The transformation and degradation of Nafion® solutions under ultrasonic treatment. The effect on transport and mechanical properties of the resultant membranes | |
Wu et al. | Synthesis and characterizations of new negatively charged organic–inorganic hybrid materials: Part II. Membrane preparation and characterizations | |
Shen et al. | A nanocomposite proton exchange membrane based on PVDF, poly (2-acrylamido-2-methyl propylene sulfonic acid), and nano-Al2O3 for direct methanol fuel cells | |
Baek et al. | Preparation and Characterisation of Non‐aqueous Proton‐Conducting Membranes with the Low Content of Ionic Liquids | |
Dos Santos et al. | Electrospinning a versatile tool for designing hybrid proton conductive membrane | |
Lawler et al. | Effect of the side-chain length in perfluorinated sulfonic and phosphoric acid-based membranes on nanophase segregation and transport: a molecular dynamics simulation approach | |
Mosa et al. | Epoxy-polystyrene-silica sol–gel membranes with high proton conductivity by combination of sulfonation and tungstophosphoric acid doping | |
JP4163032B2 (ja) | イオン伝導性材料 | |
Yang et al. | Proton transport in hierarchical-structured Nafion membranes: a NMR study | |
Smith et al. | Preparation and proton conductivity of sulfonated polymer-modified sintered and self-assembled silica colloidal crystals |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080311 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080512 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080708 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080723 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4163032 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |