JP2004302340A - 表示画面 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、2色択一表示のドットを用いて、視認性が良好で、特に高い濃度で多色表示が可能な表示画面を提供することにある。
【解決手段】2色択一表示ドットを組み合わせてなる表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、有彩色/有彩色の補色、および前記有彩色/ホワイトの2色択一表示ドットを含むものである表示画面。有彩色は、少なくとも3種である上記表示画面。さらに、ホワイト/ブラックの2色択一表示ドットを含む上記表示画面。
【選択図】なし
【解決手段】2色択一表示ドットを組み合わせてなる表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、有彩色/有彩色の補色、および前記有彩色/ホワイトの2色択一表示ドットを含むものである表示画面。有彩色は、少なくとも3種である上記表示画面。さらに、ホワイト/ブラックの2色択一表示ドットを含む上記表示画面。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型デジタル表示画面に関する。さらに、詳しくは、電気泳動表示・磁気泳動表示・ツイストボール表示などに代表される、2色を択一表示できるドットの集合体で多色を表現する画面に関する。
【0002】
【従来の技術】
多色表示のできるデジタル表示デバイスとしては、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスなどに代表される自己発光型のデバイスが多かった。また、液晶ディスプレイは自己発光こそしないものの、反射型表示デバイスとして考えると偏光フィルターやカラーフィルターを使うために原理的に入射光の一部しか反射できず結果として暗くてコントラスト比が低くなり、細かな文字や画像を表示するには不足する光量を補う目的でバックライトを使用することが一般的である。これらのデジタル表示デバイスは発光するためにエネルギーを必要とし、更にある時点での表示内容を表示し続けるためにもエネルギーが必要である。ところが近年の携帯電話やPDA、ノート型パソコンをはじめとする携帯型情報端末の急激な普及により、バッテリー駆動時間を延ばすためエネルギー消費量が少なく、かつ薄型な表示デバイスが強く望まれている。この要望を満たすデバイスの一例として電気泳動表示デバイス(特許文献1参照)がある。電気泳動表示デバイスは自己発光しない反射型表示デバイスの一種であり、2色択一表示の素子よりなるドットが重なることなく独立して並置されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許3612758号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自己発光しない反射型のフルカラー表示方法としてはオフセットなどの印刷が一般的であり、減法混色の3色と黒を加えた4色、つまりシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を印刷では基本的な色の組合わせとして用いている。実際には白色であることが多い被印刷体の地色と、上記4色との掛け合わせでフルカラーを表現している。一方、ブラウン管ディスプレイのような発光型のフルカラー表示方法では、加法混色の3色、つまりレッド、グリーン、ブルーを用いる。実際には加法混色の3色を全てOFFにした実質的な黒色と、上記3色との掛け合わせでフルカラーを表現している。
【0005】
2色択一表示のドットを用いて多色を表現しようとすると、複数種類の2色択一表示ドットが必要で、通常は反射型デバイスという観点から、印刷と同じ色の組合わせを用いる事が多かった。つまり、シアンと紙の地色に相当する白色、同様にマゼンタと白色、イエローと白色、ブラックと白色の4種類の2色択一表示ドットを用いる事が多い。
【0006】
この場合、4種類のドットを1個ずつ集めた物がカラー表示の最小単位、つまりピクセルとなる。1ピクセルでの表示を考えた場合、例えばマゼンタを表示するには、4種類のドットのうち1種はマゼンタを、他の3個は白色を表示することになる。このことは、彩度が低く白っぽいマゼンタ表示しか得られないことを意味している。シアン、イエロー、ブラックの場合も同様である。また、一番暗い色を表示する場合は、1ピクセルの各ドットはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを表示することになるが、印刷のようにブラックインキのみで表現するのと比べて明るい黒になってしまう。
【0007】
以上のことから判るように、2色択一表示のドットを用いて多色を表現する場合に印刷と同じ色の組合わせを用いると、黒表現は明るく、色表現は白っぽくなるという問題があった。つまりコントラスト比が低い表示画面しか得られない。表示媒体から人間が情報を得るには、文字からと画像からとに大別されるが、画像を人間が認識する場合、色彩表現が重要な位置を占めている。
【0008】
ところが既に述べたように従来一般的であった減法混色の色の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイト4種の2色択一表示ドットによる表示では、白っぽく淡い色しか表現できなかった。例えるならば、このことは湯気で曇った眼鏡を通して見ているような画像しか表示できないことを意味しており、人間には見づらい画像となる。
【0009】
本発明の目的は、2色択一表示のドットを用いて、各色の濃度値が高い多色表示が可能な表示画面を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2色択一表示ドットを組み合わせてなる表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、有彩色/有彩色の補色、および前記有彩色/ホワイトの2色択一表示ドットを含むものである表示画面に関する。
【0011】
また、本発明は、有彩色は、少なくとも3種である上記表示画面に関する。
【0012】
また、本発明は、有彩色が、シアン、マゼンタ、イエローの3種、または、レッド、グリーン、ブルーの3種である上記表示画面に関する。
【0013】
また、本発明は、さらに、ホワイト/ブラックの2色択一表示ドットを含む上記表示画面に関する。
【0014】
また、本発明は、7種8個の2色択一表示ドットを1ピクセルとする表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個であるか、
あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個である表示画面に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる2色択一表示ドットは、公知の電気泳動表示・磁気泳動表示・ツイストボールなど表示で用いられる表示ドットをそのまま用いることができる。
【0016】
本発明は、濃度値の高い表示画面を与えるために、1ピクセル中に有彩色/ホワイトの組合わせの2色択一表示ドットと、前記有彩色/前記有彩色の補色の組み合わせの組合わせの2色択一表示ドットとを含むことを特徴とする。有彩色の組合わせとしては減法混色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローや、加法混色の3原色であるレッド、グリーン、ブルーが代表的であるが、これらに限定されるものではない。ただし、本発明において、特定有彩色の数を数えるにあたって、その有彩色の補色は、有彩色に数えない。
本発明では2色択一表示ドットの好ましい組合わせとして、6種の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドットである場合が挙げられる。
【0017】
また、7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個の組み合わせ、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個の組合わせである場合が挙げられる。本発明によって濃度を上げ、表現できる色の範囲を格段に向上させることができ、視認性が向上する。
【0018】
これらは表示できる色で区別されるものであって、素子自体の大きさや形状が異なってもよい。また、大きさや形状の変化に伴って色目が本発明の効果を損なわない範囲で変化していてもよい。また、素子の数も、種類によって数の多少が生じていても構わない。また、表示ドットの配列には、いかなる配列でもよい。
【0019】
本発明の効果を評価するため、比較例1として一般的な減法混色の色の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイト4種の2色択一表示ドット各1個で構成されるピクセルによる表示と、実施例1から実施例4まで本発明の色の組合わせによる表示の実験を行った。実施例1は1ピクセルを構成する6種各1個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、およびイエロー/ブルーである。実施例2は1ピクセルを構成する6種各1個の2色択一表示ドットが、レッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、およびイエロー/ブルーである。実施例3は1ピクセルを構成する7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーおよびホワイト/ブラック2個である。実施例4は1ピクセルを構成する7種8個の2色択一表示ドットが、レッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーおよびホワイト/ブラック2個である。
【0020】
当該実験では、オフセット印刷の校正に使用される市販の校正機(コニカグラフィックイメージング社 デジタルコンセンサスプロ)を用いて画面表示をシミュレートした。本発明は、画像表示手段によらないため、このシミュレーションにおいても、本発明の効果を確認することができる。
【0021】
校正機で画面表示をシミュレートできるように、校正機の複数ピクセルで表示画面の1ドットに対応するような画像を作成した。使用した校正機の出力解像度は2400dpiであり、約42μm四方のドットを再現できた。比較例1では4種類の2色択一表示ドットが各1個ずつで1ピクセルを構成し、その配列は1辺が2ドットの正方配列とした。本発明においては、6種類の2色択一表示ドットが各1個ずつで1ピクセルを構成し、その配列は2ドット×3ドットの配列とした。また7種類8個の2色択一表示ドットが1セットで1ピクセルを構成し、その配列は2ドット×4ドットの配列とした。
各実験において、1ピクセルで表示可能な16色、64色あるいは256色を表示し、それらを濃度計で測定して、得られた値から、比較例1の濃度値を1とした本発明の濃度の比率を計算し、これを濃度倍率とした。
【0022】
実験結果を表1に示す。
実施例1においては、最高の濃度倍率がシアンとイエローの2.5で、最低がブラックが1、平均では1.9の濃度倍率が得られた。実施例2では、最高の濃度倍率がイエローの3.5で、最低がブラックと青の1.3で、平均では2.2の濃度倍率が得られた。更に実施例3においては、最高がイエローの1.9で、最低が青の1.1で、平均では1.4の濃度倍率が得られた。実施例4では、最高の濃度倍率がシアンとイエローの2.3で、最低が青が1、平均では1.6の濃度倍率が得られた。以上全ての実施例において比較例よりも高い濃度倍率が得られた。
【0023】
このことから従来一般的な比較例1の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイトと比べ、本発明は濃度において、良好な結果が得られた。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、一般的な減法混色の色の組合わせである、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイトによる表示よりも、本発明の色の組合わせである6種の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーである組み合わせ、
または、7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー各1個およびホワイト/ブラック2個、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー各1個およびホワイト/ブラック2個である色の組合わせを採用することにより、各色の濃度を上げることができ、視認性の良好な多色表示ができる表示画面を構成することが可能となった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型デジタル表示画面に関する。さらに、詳しくは、電気泳動表示・磁気泳動表示・ツイストボール表示などに代表される、2色を択一表示できるドットの集合体で多色を表現する画面に関する。
【0002】
【従来の技術】
多色表示のできるデジタル表示デバイスとしては、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスなどに代表される自己発光型のデバイスが多かった。また、液晶ディスプレイは自己発光こそしないものの、反射型表示デバイスとして考えると偏光フィルターやカラーフィルターを使うために原理的に入射光の一部しか反射できず結果として暗くてコントラスト比が低くなり、細かな文字や画像を表示するには不足する光量を補う目的でバックライトを使用することが一般的である。これらのデジタル表示デバイスは発光するためにエネルギーを必要とし、更にある時点での表示内容を表示し続けるためにもエネルギーが必要である。ところが近年の携帯電話やPDA、ノート型パソコンをはじめとする携帯型情報端末の急激な普及により、バッテリー駆動時間を延ばすためエネルギー消費量が少なく、かつ薄型な表示デバイスが強く望まれている。この要望を満たすデバイスの一例として電気泳動表示デバイス(特許文献1参照)がある。電気泳動表示デバイスは自己発光しない反射型表示デバイスの一種であり、2色択一表示の素子よりなるドットが重なることなく独立して並置されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許3612758号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自己発光しない反射型のフルカラー表示方法としてはオフセットなどの印刷が一般的であり、減法混色の3色と黒を加えた4色、つまりシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を印刷では基本的な色の組合わせとして用いている。実際には白色であることが多い被印刷体の地色と、上記4色との掛け合わせでフルカラーを表現している。一方、ブラウン管ディスプレイのような発光型のフルカラー表示方法では、加法混色の3色、つまりレッド、グリーン、ブルーを用いる。実際には加法混色の3色を全てOFFにした実質的な黒色と、上記3色との掛け合わせでフルカラーを表現している。
【0005】
2色択一表示のドットを用いて多色を表現しようとすると、複数種類の2色択一表示ドットが必要で、通常は反射型デバイスという観点から、印刷と同じ色の組合わせを用いる事が多かった。つまり、シアンと紙の地色に相当する白色、同様にマゼンタと白色、イエローと白色、ブラックと白色の4種類の2色択一表示ドットを用いる事が多い。
【0006】
この場合、4種類のドットを1個ずつ集めた物がカラー表示の最小単位、つまりピクセルとなる。1ピクセルでの表示を考えた場合、例えばマゼンタを表示するには、4種類のドットのうち1種はマゼンタを、他の3個は白色を表示することになる。このことは、彩度が低く白っぽいマゼンタ表示しか得られないことを意味している。シアン、イエロー、ブラックの場合も同様である。また、一番暗い色を表示する場合は、1ピクセルの各ドットはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを表示することになるが、印刷のようにブラックインキのみで表現するのと比べて明るい黒になってしまう。
【0007】
以上のことから判るように、2色択一表示のドットを用いて多色を表現する場合に印刷と同じ色の組合わせを用いると、黒表現は明るく、色表現は白っぽくなるという問題があった。つまりコントラスト比が低い表示画面しか得られない。表示媒体から人間が情報を得るには、文字からと画像からとに大別されるが、画像を人間が認識する場合、色彩表現が重要な位置を占めている。
【0008】
ところが既に述べたように従来一般的であった減法混色の色の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイト4種の2色択一表示ドットによる表示では、白っぽく淡い色しか表現できなかった。例えるならば、このことは湯気で曇った眼鏡を通して見ているような画像しか表示できないことを意味しており、人間には見づらい画像となる。
【0009】
本発明の目的は、2色択一表示のドットを用いて、各色の濃度値が高い多色表示が可能な表示画面を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2色択一表示ドットを組み合わせてなる表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、有彩色/有彩色の補色、および前記有彩色/ホワイトの2色択一表示ドットを含むものである表示画面に関する。
【0011】
また、本発明は、有彩色は、少なくとも3種である上記表示画面に関する。
【0012】
また、本発明は、有彩色が、シアン、マゼンタ、イエローの3種、または、レッド、グリーン、ブルーの3種である上記表示画面に関する。
【0013】
また、本発明は、さらに、ホワイト/ブラックの2色択一表示ドットを含む上記表示画面に関する。
【0014】
また、本発明は、7種8個の2色択一表示ドットを1ピクセルとする表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個であるか、
あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個である表示画面に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる2色択一表示ドットは、公知の電気泳動表示・磁気泳動表示・ツイストボールなど表示で用いられる表示ドットをそのまま用いることができる。
【0016】
本発明は、濃度値の高い表示画面を与えるために、1ピクセル中に有彩色/ホワイトの組合わせの2色択一表示ドットと、前記有彩色/前記有彩色の補色の組み合わせの組合わせの2色択一表示ドットとを含むことを特徴とする。有彩色の組合わせとしては減法混色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローや、加法混色の3原色であるレッド、グリーン、ブルーが代表的であるが、これらに限定されるものではない。ただし、本発明において、特定有彩色の数を数えるにあたって、その有彩色の補色は、有彩色に数えない。
本発明では2色択一表示ドットの好ましい組合わせとして、6種の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドットである場合が挙げられる。
【0017】
また、7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個の組み合わせ、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個の組合わせである場合が挙げられる。本発明によって濃度を上げ、表現できる色の範囲を格段に向上させることができ、視認性が向上する。
【0018】
これらは表示できる色で区別されるものであって、素子自体の大きさや形状が異なってもよい。また、大きさや形状の変化に伴って色目が本発明の効果を損なわない範囲で変化していてもよい。また、素子の数も、種類によって数の多少が生じていても構わない。また、表示ドットの配列には、いかなる配列でもよい。
【0019】
本発明の効果を評価するため、比較例1として一般的な減法混色の色の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイト4種の2色択一表示ドット各1個で構成されるピクセルによる表示と、実施例1から実施例4まで本発明の色の組合わせによる表示の実験を行った。実施例1は1ピクセルを構成する6種各1個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、およびイエロー/ブルーである。実施例2は1ピクセルを構成する6種各1個の2色択一表示ドットが、レッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、およびイエロー/ブルーである。実施例3は1ピクセルを構成する7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーおよびホワイト/ブラック2個である。実施例4は1ピクセルを構成する7種8個の2色択一表示ドットが、レッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーおよびホワイト/ブラック2個である。
【0020】
当該実験では、オフセット印刷の校正に使用される市販の校正機(コニカグラフィックイメージング社 デジタルコンセンサスプロ)を用いて画面表示をシミュレートした。本発明は、画像表示手段によらないため、このシミュレーションにおいても、本発明の効果を確認することができる。
【0021】
校正機で画面表示をシミュレートできるように、校正機の複数ピクセルで表示画面の1ドットに対応するような画像を作成した。使用した校正機の出力解像度は2400dpiであり、約42μm四方のドットを再現できた。比較例1では4種類の2色択一表示ドットが各1個ずつで1ピクセルを構成し、その配列は1辺が2ドットの正方配列とした。本発明においては、6種類の2色択一表示ドットが各1個ずつで1ピクセルを構成し、その配列は2ドット×3ドットの配列とした。また7種類8個の2色択一表示ドットが1セットで1ピクセルを構成し、その配列は2ドット×4ドットの配列とした。
各実験において、1ピクセルで表示可能な16色、64色あるいは256色を表示し、それらを濃度計で測定して、得られた値から、比較例1の濃度値を1とした本発明の濃度の比率を計算し、これを濃度倍率とした。
【0022】
実験結果を表1に示す。
実施例1においては、最高の濃度倍率がシアンとイエローの2.5で、最低がブラックが1、平均では1.9の濃度倍率が得られた。実施例2では、最高の濃度倍率がイエローの3.5で、最低がブラックと青の1.3で、平均では2.2の濃度倍率が得られた。更に実施例3においては、最高がイエローの1.9で、最低が青の1.1で、平均では1.4の濃度倍率が得られた。実施例4では、最高の濃度倍率がシアンとイエローの2.3で、最低が青が1、平均では1.6の濃度倍率が得られた。以上全ての実施例において比較例よりも高い濃度倍率が得られた。
【0023】
このことから従来一般的な比較例1の組合わせであるシアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイトと比べ、本発明は濃度において、良好な結果が得られた。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、一般的な減法混色の色の組合わせである、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、ブラック/ホワイトによる表示よりも、本発明の色の組合わせである6種の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーである組み合わせ、
または、7種8個の2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー各1個およびホワイト/ブラック2個、あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルー各1個およびホワイト/ブラック2個である色の組合わせを採用することにより、各色の濃度を上げることができ、視認性の良好な多色表示ができる表示画面を構成することが可能となった。
Claims (5)
- 2色択一表示ドットを組み合わせてなる表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、有彩色/有彩色の補色、および前記有彩色/ホワイトの2色択一表示ドットを含むものである表示画面。
- 有彩色は、少なくとも3種である請求項1記載の表示画面。
- 有彩色が、シアン、マゼンタ、イエローの3種、または、レッド、グリーン、ブルーの3種である請求項2記載の表示画面。
- さらに、ホワイト/ブラックの2色択一表示ドットを含む請求項1〜3いずれか記載の表示画面。
- 7種8個の2色択一表示ドットを1ピクセルとする表示画面であって、前記2色択一表示ドットが、シアン/ホワイト、マゼンタ/ホワイト、イエロー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個であるか、
あるいはレッド/ホワイト、グリーン/ホワイト、ブルー/ホワイト、シアン/レッド、マゼンタ/グリーン、イエロー/ブルーの2色択一表示ドット各1個およびホワイト/ブラックの2色択一表示ドット2個である表示画面。
Priority Applications (1)
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JP2003097740A JP2004302340A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 表示画面 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004302340A true JP2004302340A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33409448
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003097740A Pending JP2004302340A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 表示画面 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004302340A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1647690A1 (en) | 2004-10-15 | 2006-04-19 | Nissan Motor Co., Ltd. | Combustion control system and method for direct-injection spark-ignition internal combustion engine |
JP2009509455A (ja) * | 2005-09-22 | 2009-03-05 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | 無線通信システムのためのアクセスプローブランダム化 |
-
2003
- 2003-04-01 JP JP2003097740A patent/JP2004302340A/ja active Pending
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JP2009509455A (ja) * | 2005-09-22 | 2009-03-05 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | 無線通信システムのためのアクセスプローブランダム化 |
JP4741005B2 (ja) * | 2005-09-22 | 2011-08-03 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | 無線通信システムのためのアクセスプローブランダム化 |
US8379606B2 (en) | 2005-09-22 | 2013-02-19 | Lg Electronics Inc. | Access probe randomization for wireless communication system |
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