JP2004301754A - 金属管腐食診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】管理対象埋設金属管の腐食状況を精度良く診断できるようにする。
【解決手段】管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管Bの管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法であって、観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材11を、予め、観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておき、記肉厚データの測定時に金属材の表面の腐食深さを測定し、肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する。
【選択図】 図3
【解決手段】管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管Bの管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法であって、観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材11を、予め、観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておき、記肉厚データの測定時に金属材の表面の腐食深さを測定し、肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、前記観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記金属管腐食診断方法は、例えば構造物の基礎杭として埋設されている金属管のように、腐食状況を観察しにくい埋設金属管を管理対象埋設金属管として、その管理対象埋設金属管の腐食状況を診断して管理するために、腐食状況を観察し易い金属管を観察用埋設金属管として、管理対象埋設金属管と同等の腐食環境になるように埋設しておき、その観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、観察用埋設金属管について測定した肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するのである。
従来の金属管腐食診断方法では、探傷装置として超音波探傷装置を用いる場合は、その探傷部を管内面に密着させて正確な肉厚データを測定できるように、管内面の錆を除去してから測定している( 例えば、特許文献1参照) 。
また、探傷装置として離隔渦流探傷装置を用いる場合でも、その探傷部を管内面に沿って円滑に移動させることができるように、管内面の錆を除去してから測定している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−289824号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、観察用埋設金属管の肉厚データを、定期的に、或いは、必要に応じて繰り返し測定するに伴って、管理対象埋設金属管の腐食状況を過大に診断するおそれがある。
つまり、基礎杭として埋設されているような管理対象埋設金属管は、管内に土砂や地下水などの電解質が入り込んでいると管内面の腐食が進行するものの、管内の電解質の入れ替わりがなくて、電解質中の溶存酸素量が減少するにつれて、その腐食の進行が遅くなる、或いは、停止する。
一方、観察用埋設金属管は、探傷装置の探傷部を管内で管軸方向に移動させて肉厚データを測定する都度、管内が外部に開放されて管内の電解質中の溶存酸素量が増大するだけでなく、その管内面の錆を除去することによって管内面( 管界面) も活性化されるので、管内面の腐食が肉厚データを測定する前よりも促進される。
その結果、肉厚データの前回の測定時から今回の測定時までの期間において生じた観察用埋設金属管の管内面の腐食分が、管理対象埋設金属管の管内面の腐食分に比べて多くなり、管理対象埋設金属管の腐食状況診断用のデータとして、管理対象埋設金属管に比べて腐食量の多い観察用埋設金属管の肉厚データを測定することになるからである。
また、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合は、観察用埋設金属管にはコンクリートを充填できないので、観察用埋設金属管の管内面の腐食がコンクリート充填時に比べて相対的に進行するため、この点においても、管理対象埋設金属管の腐食状況診断用のデータとして、管理対象埋設金属管に比べて腐食量の多い観察用埋設金属管の肉厚データを測定することになるからである。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、管理対象埋設金属管の腐食状況を精度良く診断できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、前記観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法であって、前記観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材を、予め、前記観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておき、前記肉厚データの測定時に前記金属材の表面の腐食深さを測定し、前記肉厚データと前記腐食深さとを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分を測定できるように、また、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合は、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を測定できるように、観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材を、予め、観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておく。
そして、観察用埋設金属管の肉厚データの測定時に金属材の表面の腐食深さを測定し、それらの肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する。
従って、前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分、或いは、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合における、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を、金属材の表面の腐食深さを使用して考慮した状態で、観察用埋設金属管の肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定することができ、管理対象埋設金属管の腐食状況を精度良く診断できる。
【0007】
請求項2記載の発明の特徴構成は、前記金属材の複数を電気的に直列に接続した状態で一連に連結して、前記観察用埋設金属管の管内に管軸方向に沿って収容し、前記金属材の収容位置ごとに対応する前記肉厚データと、前記金属材ごとの前記腐食深さとを測定する点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分、或いは、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合における、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を、観察用埋設金属管の長手方向に沿った所定間隔ごとに測定できるように、金属材の複数を電気的に直列に接続した状態で一連に連結して、観察用埋設金属管の管内に管軸方向に沿って収容し、金属材の収容位置ごとに対応する観察用埋設金属管の肉厚データと、金属材ごとの腐食深さとを測定するので、それらの肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を金属材の収容位置ごとに対応させて推定することができ、管理対象埋設金属管の腐食状況を、その長手方向に沿った所定間隔ごとに診断できる。
【0009】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記金属材ごとに接続した被覆導線の端子を収容してある端子ボックスを管外に設けて、前記被覆導線の端子どうしを接続して前記金属材の複数を電気的に直列に接続する接続状態と、前記被覆導線の端子どうしの接続を解除して前記金属材の複数を電気的に絶縁する絶縁状態とに切換可能に設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
管理対象埋設金属管の腐食状況を診断しないときは、被覆導線の端子どうしを接続して金属材の複数を電気的に直列に接続する接続状態に切り換えておくことにより、それらの金属材を観察用埋設金属管の管内面と略同じ腐食環境に維持でき、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するときには、被覆導線の端子どうしの接続を解除して金属材の複数を電気的に絶縁する絶縁状態に切り換えて、腐食状況を電気化学的に測定可能な測定装置を金属材毎に対応する端子に接続することにより、金属材を管外に取り出すことなく、金属材ごとの腐食深さを測定して、金属材の収容位置ごとに対応する管理対象埋設金属管の腐食減肉量や腐食速度を推定することができる。
【0011】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記腐食深さを、前記金属材の重量変化に基づいて測定する点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
金属材の表面の平均腐食深さを、金属材の重量変化に基づいて簡便に測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、構造物Cの基礎杭として上下方向に埋設してある複数の鋼管Aと、それらの鋼管Aを管理対象埋設金属管として、管理対象埋設金属管Aと同等の腐食環境になるように、管理対象埋設金属管Aに対する観察用埋設金属管Bとして構造物Cの近くに上下方向に埋設してある、管理対象埋設金属管Aと同じ又は同等の鋼管Bとを示し、観察用埋設金属管Bは腐食状況を観察し易い場所に埋設してその上部を地上に設置したコンクリート製プロテクタDの内側に開口させ、コンクリート製蓋板Eで略気密に塞いである。
【0014】
図2は、非破壊検査手法に基づく探傷装置として、観察用埋設金属管Bの肉厚を離隔渦流探傷法で測定可能な離隔渦流探傷装置1と、観察用埋設金属管Bの肉厚を超音波探傷法で測定可能な超音波探傷装置2とを用いて、観察用埋設金属管Bの肉厚データを測定する肉厚測定装置3を示し、探傷ユニット4と、探傷ユニット4を観察用埋設金属管Bの管内で管軸方向に往復移動させる昇降装置5と、探傷ユニット4の探傷データを解析して表示するモニタ6などを備えた解析装置7とを設けてある。
【0015】
前記探傷ユニット4は、超音波探傷装置2の探傷部である超音波探触子8と、離隔渦流探傷装置1の探傷部9である励磁コイル9aと複数の受信コイル9bとを備え、管内面に沿って転動させて昇降姿勢を安定させるガイド輪10を設けてある。
【0016】
前記肉厚測定装置3による肉厚データの測定方法を説明すると、蓋板Eを外して上部開口を開放し、超音波探触子8を管内面に密着させて正確な肉厚データを測定できるように、また、探傷ユニット4を管内面に沿って円滑に移動させることができるように、管内面の錆を除去してから、探傷ユニット4を観察用埋設金属管B内に装着し、昇降装置5で管軸方向に移動させる。
【0017】
そして、各受信コイル9bの受信データを解析装置7で解析して渦流探傷肉厚データを求めると共に、超音波探触子8の受信データを解析装置7で解析して超音波探傷肉厚データを求め、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正することにより、観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを精度良く連続的に測定する。
【0018】
尚、前記渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正して観察用埋設金属管Bの肉厚データを測定する方法については、例えば、特開2001−289824号公報において詳しく開示されているので、その詳細な説明は省略する。
【0019】
上記肉厚測定装置3により測定した肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する本発明による金属管腐食診断方法を説明する。
前記管理対象埋設金属管Aと観察用埋設金属管Bとを埋設してから所定期間( 例えば、一年間) が経過すると、又は、必要に応じて、一回目の管理対象埋設金属管Aの腐食状況の診断を実施する。
【0020】
この一回目の腐食状況の診断では、前述のように、管内面の錆を除去してから、観察用埋設金属管B内に装着した探傷ユニット4を管軸方向に移動させて、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正した観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを連続的に測定し、その肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管Aの腐食減肉量を推定して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
【0021】
そして、この一回目の腐食状況の診断時に、図3に示すように、観察用埋設金属管Bと同材料で、かつ、同じ表面処理を施してある肉厚データ補正用金属材11を、予め、観察用埋設金属管Bの管内に、金属材表面がその観察用埋設金属管Bの管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておく。
尚、補正用金属材11は、観察用埋設金属管Bの埋設時に、その観察用埋設金属管Bの管内に収容しておいても良い。
【0022】
前記補正用金属材11は、観察用埋設金属管Bと略同じ長さの鋼棒で、予め、収容当初の重量や形状を計測して記録してあり、観察用埋設金属管Bの上部開口近くに吊り下げ支持して、蓋板Eで塞いでおく。
【0023】
二回目以降の管理対象埋設金属管Aの腐食状況の診断は、所定期間が経過する毎に、又は、必要に応じて実施する。
二回目以降の腐食状況の診断時には、補正用金属材11を観察用埋設金属管Bの管内から取り出し、その表面の錆を除去して重量を計測して、収容当初の補正用金属材11の重量との重量差と補正用金属材11の表面積とから、補正用金属材11の平均腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定する。
【0024】
また、一回目の腐食状況の診断時と同様に、管内面の錆を除去してから、観察用埋設金属管B内に装着した探傷ユニット4を管軸方向に移動させて、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正した観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを連続的に測定する。
【0025】
そして、図4に示すように、埋設深度に応じた肉厚データを使用して埋設当初からの金属管腐食減肉量Gを求め、その金属管腐食減肉量Gから平均腐食深さFを減算することにより、肉厚データと補正用金属材11の平均腐食深さFとを使用して、観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた管理用腐食減肉量Hを求め、その管理用腐食減肉量Hによって管理対象埋設金属管Aの埋設深度に応じた腐食減肉量や腐食速度( 一定期間、例えば、一年間当たりの腐食深さ) を推定して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
【0026】
前記腐食速度を推定するにあたっては、上記のように求めた管理用腐食減肉量Hは、管理対象埋設金属管Aの埋設時から今回の診断時までの間における値であるため、前回診断時から今回診断時までの間に進行した腐食深さを求めた上で、一定期間( 一年間) 当たりの腐食深さに換算して推定する必要がある。
【0027】
このため、今回診断時の腐食深さから前回診断時の腐食深さを減算して、前回診断時から今回診断時までの間に進行した腐食深さを求め、この求めた腐食深さと、前回診断時から今回診断時までの期間( 日数) とから、一定期間( 一年間) 当たりの腐食深さに換算して推定する。
【0028】
また、重量を計測した後の錆を除去した補正用金属材11は、再度、観察用埋設金属管Bの管内に、金属材表面がその観察用埋設金属管Bの管内表面と略同じ腐食環境になるように、次回の腐食状況の診断時まで収容しておく。
【0029】
〔第2実施形態〕
図5は、補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定する方法の別実施形態を示し、補正用金属材11の複数を図6に示すように絶縁材12で一連に連結するとともに、各補正用金属材11ごとに一対の被覆導線13a,13bを接続して、それらの被覆導線13a,13bの端子を収容してある端子ボックス14を地上側の管外、つまり、プロテクタD内に設け、この端子ボックス14は、各補正用金属材11の被覆導線13a,13bの端子どうしを接続して、補正用金属材11の複数を連結順に電気的に直列に接続する接続状態と、各補正用金属材11の被覆導線13a,13bの端子どうしの接続を解除して、補正用金属材11の複数を電気的に絶縁する絶縁状態とに切換可能に設けてある。
【0030】
そして、腐食状況を診断しないときは、端子ボックス14を接続状態に切り換えて、観察用埋設金属管Bの管内に管軸方向に沿って収容しておき、二回目以降の腐食状況の診断時に補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定するときは、各補正用金属材11を観察用埋設金属管Bから取り出して、その表面の錆を除去して重量を計測し、収容当初の各補正用金属材11の重量との重量差と補正用金属材11の表面積とから各補正用金属材11毎の平均腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定する。
【0031】
次に、図7に示すように、埋設深度に応じて測定した観察用埋設金属管Bの肉厚データを使用して埋設当初からの埋設深度に応じた金属管腐食減肉量Gを求め、その金属管腐食減肉量Gから埋設深度に対応する収容位置の補正用金属材11毎の平均腐食深さFを減算することにより、埋設深度に応じた観察用埋設金属管Bの管理用腐食減肉量Hを求めて、その管理用腐食減肉量Hによって管理対象埋設金属管Aの埋設深度に応じた腐食減肉量を推定し、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0032】
〔第3実施形態〕
図示しないが、二回目以降の腐食状況の診断時に補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定するときは、第2実施形態で示した端子ボックス14を絶縁状態に切り換えて、各補正用金属材11に対応する一対の被覆導線13a,13bの端子毎に、腐食状況を電気化学的に測定可能な測定装置を接続して、補正用金属材11ごとの収容当初からの腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定しても良い。
【0033】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による金属管腐食診断方法は、管理対象埋設金属管が鋳鉄管や鋼以外の各種金属管であっても良い。
2.本発明による金属管腐食診断方法は、管理対象埋設金属管が横向きに埋設されていても良い。
3.本発明による金属管腐食診断方法は、離隔渦流探傷装置や超音波探傷装置を使用して、金属材の腐食深さを観察用埋設金属管の長手方向に沿って連続的に測定しても良い。
4.本発明による金属管腐食診断方法は、離隔渦流探傷装置や超音波探傷装置を使用して、肉厚データの測定と金属材の腐食深さの測定とを同時に行っても良い。
5.本発明による金属管腐食診断方法は、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するために使用しても良い。
この場合は、観察用埋設金属管の埋設当初から、補正用金属材をその観察用埋設金属管の管内に収容しておいて、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する都度、補正用金属材の表面の腐食深さを測定すれば良い。
6.本発明による金属管腐食診断方法は、非破壊検査手法に基づく探傷装置として、例えば、マイクロウェーブを使用して観察用埋設金属管の肉厚データを測定する探傷装置を使用しても良い。
7.本発明による金属管腐食診断方法は、基礎杭などの埋設金属管が複数設けられている場合は、それらの埋設金属管の全部を管理対象埋設金属管とせずに、それらの埋設金属管の一部を観察用埋設金属管として使用し、残りの埋設金属管を管理対象埋設金属管として、それらの管理対象埋設金属管の腐食状況を診断しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属管腐食診断方法の説明図
【図2】肉厚測定装置の説明図
【図3】金属管腐食診断方法の説明図
【図4】金属管腐食診断方法の説明図
【図5】金属管腐食診断方法の第2実施形態の説明図
【図6】要部の断面図
【図7】金属管腐食診断方法の第2実施形態の説明図
【符号の説明】
1 離隔渦流探傷装置
2 超音波探傷装置
8 探傷部
9 探傷部
11 金属材
13a 被覆導線
13b 被覆導線
14 端子ボックス
A 管理対象埋設金属管
B 観察用埋設金属管
F 腐食深さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、前記観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記金属管腐食診断方法は、例えば構造物の基礎杭として埋設されている金属管のように、腐食状況を観察しにくい埋設金属管を管理対象埋設金属管として、その管理対象埋設金属管の腐食状況を診断して管理するために、腐食状況を観察し易い金属管を観察用埋設金属管として、管理対象埋設金属管と同等の腐食環境になるように埋設しておき、その観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、観察用埋設金属管について測定した肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するのである。
従来の金属管腐食診断方法では、探傷装置として超音波探傷装置を用いる場合は、その探傷部を管内面に密着させて正確な肉厚データを測定できるように、管内面の錆を除去してから測定している( 例えば、特許文献1参照) 。
また、探傷装置として離隔渦流探傷装置を用いる場合でも、その探傷部を管内面に沿って円滑に移動させることができるように、管内面の錆を除去してから測定している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−289824号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、観察用埋設金属管の肉厚データを、定期的に、或いは、必要に応じて繰り返し測定するに伴って、管理対象埋設金属管の腐食状況を過大に診断するおそれがある。
つまり、基礎杭として埋設されているような管理対象埋設金属管は、管内に土砂や地下水などの電解質が入り込んでいると管内面の腐食が進行するものの、管内の電解質の入れ替わりがなくて、電解質中の溶存酸素量が減少するにつれて、その腐食の進行が遅くなる、或いは、停止する。
一方、観察用埋設金属管は、探傷装置の探傷部を管内で管軸方向に移動させて肉厚データを測定する都度、管内が外部に開放されて管内の電解質中の溶存酸素量が増大するだけでなく、その管内面の錆を除去することによって管内面( 管界面) も活性化されるので、管内面の腐食が肉厚データを測定する前よりも促進される。
その結果、肉厚データの前回の測定時から今回の測定時までの期間において生じた観察用埋設金属管の管内面の腐食分が、管理対象埋設金属管の管内面の腐食分に比べて多くなり、管理対象埋設金属管の腐食状況診断用のデータとして、管理対象埋設金属管に比べて腐食量の多い観察用埋設金属管の肉厚データを測定することになるからである。
また、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合は、観察用埋設金属管にはコンクリートを充填できないので、観察用埋設金属管の管内面の腐食がコンクリート充填時に比べて相対的に進行するため、この点においても、管理対象埋設金属管の腐食状況診断用のデータとして、管理対象埋設金属管に比べて腐食量の多い観察用埋設金属管の肉厚データを測定することになるからである。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、管理対象埋設金属管の腐食状況を精度良く診断できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、前記観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、その肉厚データを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法であって、前記観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材を、予め、前記観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておき、前記肉厚データの測定時に前記金属材の表面の腐食深さを測定し、前記肉厚データと前記腐食深さとを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分を測定できるように、また、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合は、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を測定できるように、観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材を、予め、観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておく。
そして、観察用埋設金属管の肉厚データの測定時に金属材の表面の腐食深さを測定し、それらの肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する。
従って、前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分、或いは、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合における、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を、金属材の表面の腐食深さを使用して考慮した状態で、観察用埋設金属管の肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定することができ、管理対象埋設金属管の腐食状況を精度良く診断できる。
【0007】
請求項2記載の発明の特徴構成は、前記金属材の複数を電気的に直列に接続した状態で一連に連結して、前記観察用埋設金属管の管内に管軸方向に沿って収容し、前記金属材の収容位置ごとに対応する前記肉厚データと、前記金属材ごとの前記腐食深さとを測定する点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
前回の肉厚データの測定時の、管内の電解質中の溶存酸素量の増大や、その管内面の錆を除去することによる管内面の活性化に起因する、前回の測定時から今回の測定時までの期間における観察用埋設金属管の管内面の腐食分、或いは、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の場合における、観察用埋設金属管の埋設当初からの管内面の腐食分を、観察用埋設金属管の長手方向に沿った所定間隔ごとに測定できるように、金属材の複数を電気的に直列に接続した状態で一連に連結して、観察用埋設金属管の管内に管軸方向に沿って収容し、金属材の収容位置ごとに対応する観察用埋設金属管の肉厚データと、金属材ごとの腐食深さとを測定するので、それらの肉厚データと腐食深さとを使用して、管理対象埋設金属管の腐食減肉量を金属材の収容位置ごとに対応させて推定することができ、管理対象埋設金属管の腐食状況を、その長手方向に沿った所定間隔ごとに診断できる。
【0009】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記金属材ごとに接続した被覆導線の端子を収容してある端子ボックスを管外に設けて、前記被覆導線の端子どうしを接続して前記金属材の複数を電気的に直列に接続する接続状態と、前記被覆導線の端子どうしの接続を解除して前記金属材の複数を電気的に絶縁する絶縁状態とに切換可能に設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
管理対象埋設金属管の腐食状況を診断しないときは、被覆導線の端子どうしを接続して金属材の複数を電気的に直列に接続する接続状態に切り換えておくことにより、それらの金属材を観察用埋設金属管の管内面と略同じ腐食環境に維持でき、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するときには、被覆導線の端子どうしの接続を解除して金属材の複数を電気的に絶縁する絶縁状態に切り換えて、腐食状況を電気化学的に測定可能な測定装置を金属材毎に対応する端子に接続することにより、金属材を管外に取り出すことなく、金属材ごとの腐食深さを測定して、金属材の収容位置ごとに対応する管理対象埋設金属管の腐食減肉量や腐食速度を推定することができる。
【0011】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記腐食深さを、前記金属材の重量変化に基づいて測定する点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
金属材の表面の平均腐食深さを、金属材の重量変化に基づいて簡便に測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、構造物Cの基礎杭として上下方向に埋設してある複数の鋼管Aと、それらの鋼管Aを管理対象埋設金属管として、管理対象埋設金属管Aと同等の腐食環境になるように、管理対象埋設金属管Aに対する観察用埋設金属管Bとして構造物Cの近くに上下方向に埋設してある、管理対象埋設金属管Aと同じ又は同等の鋼管Bとを示し、観察用埋設金属管Bは腐食状況を観察し易い場所に埋設してその上部を地上に設置したコンクリート製プロテクタDの内側に開口させ、コンクリート製蓋板Eで略気密に塞いである。
【0014】
図2は、非破壊検査手法に基づく探傷装置として、観察用埋設金属管Bの肉厚を離隔渦流探傷法で測定可能な離隔渦流探傷装置1と、観察用埋設金属管Bの肉厚を超音波探傷法で測定可能な超音波探傷装置2とを用いて、観察用埋設金属管Bの肉厚データを測定する肉厚測定装置3を示し、探傷ユニット4と、探傷ユニット4を観察用埋設金属管Bの管内で管軸方向に往復移動させる昇降装置5と、探傷ユニット4の探傷データを解析して表示するモニタ6などを備えた解析装置7とを設けてある。
【0015】
前記探傷ユニット4は、超音波探傷装置2の探傷部である超音波探触子8と、離隔渦流探傷装置1の探傷部9である励磁コイル9aと複数の受信コイル9bとを備え、管内面に沿って転動させて昇降姿勢を安定させるガイド輪10を設けてある。
【0016】
前記肉厚測定装置3による肉厚データの測定方法を説明すると、蓋板Eを外して上部開口を開放し、超音波探触子8を管内面に密着させて正確な肉厚データを測定できるように、また、探傷ユニット4を管内面に沿って円滑に移動させることができるように、管内面の錆を除去してから、探傷ユニット4を観察用埋設金属管B内に装着し、昇降装置5で管軸方向に移動させる。
【0017】
そして、各受信コイル9bの受信データを解析装置7で解析して渦流探傷肉厚データを求めると共に、超音波探触子8の受信データを解析装置7で解析して超音波探傷肉厚データを求め、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正することにより、観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを精度良く連続的に測定する。
【0018】
尚、前記渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正して観察用埋設金属管Bの肉厚データを測定する方法については、例えば、特開2001−289824号公報において詳しく開示されているので、その詳細な説明は省略する。
【0019】
上記肉厚測定装置3により測定した肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する本発明による金属管腐食診断方法を説明する。
前記管理対象埋設金属管Aと観察用埋設金属管Bとを埋設してから所定期間( 例えば、一年間) が経過すると、又は、必要に応じて、一回目の管理対象埋設金属管Aの腐食状況の診断を実施する。
【0020】
この一回目の腐食状況の診断では、前述のように、管内面の錆を除去してから、観察用埋設金属管B内に装着した探傷ユニット4を管軸方向に移動させて、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正した観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを連続的に測定し、その肉厚データを使用して、管理対象埋設金属管Aの腐食減肉量を推定して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
【0021】
そして、この一回目の腐食状況の診断時に、図3に示すように、観察用埋設金属管Bと同材料で、かつ、同じ表面処理を施してある肉厚データ補正用金属材11を、予め、観察用埋設金属管Bの管内に、金属材表面がその観察用埋設金属管Bの管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておく。
尚、補正用金属材11は、観察用埋設金属管Bの埋設時に、その観察用埋設金属管Bの管内に収容しておいても良い。
【0022】
前記補正用金属材11は、観察用埋設金属管Bと略同じ長さの鋼棒で、予め、収容当初の重量や形状を計測して記録してあり、観察用埋設金属管Bの上部開口近くに吊り下げ支持して、蓋板Eで塞いでおく。
【0023】
二回目以降の管理対象埋設金属管Aの腐食状況の診断は、所定期間が経過する毎に、又は、必要に応じて実施する。
二回目以降の腐食状況の診断時には、補正用金属材11を観察用埋設金属管Bの管内から取り出し、その表面の錆を除去して重量を計測して、収容当初の補正用金属材11の重量との重量差と補正用金属材11の表面積とから、補正用金属材11の平均腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定する。
【0024】
また、一回目の腐食状況の診断時と同様に、管内面の錆を除去してから、観察用埋設金属管B内に装着した探傷ユニット4を管軸方向に移動させて、渦流探傷肉厚データを超音波探傷肉厚データで補正した観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた肉厚データを連続的に測定する。
【0025】
そして、図4に示すように、埋設深度に応じた肉厚データを使用して埋設当初からの金属管腐食減肉量Gを求め、その金属管腐食減肉量Gから平均腐食深さFを減算することにより、肉厚データと補正用金属材11の平均腐食深さFとを使用して、観察用埋設金属管Bの埋設深度に応じた管理用腐食減肉量Hを求め、その管理用腐食減肉量Hによって管理対象埋設金属管Aの埋設深度に応じた腐食減肉量や腐食速度( 一定期間、例えば、一年間当たりの腐食深さ) を推定して、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
【0026】
前記腐食速度を推定するにあたっては、上記のように求めた管理用腐食減肉量Hは、管理対象埋設金属管Aの埋設時から今回の診断時までの間における値であるため、前回診断時から今回診断時までの間に進行した腐食深さを求めた上で、一定期間( 一年間) 当たりの腐食深さに換算して推定する必要がある。
【0027】
このため、今回診断時の腐食深さから前回診断時の腐食深さを減算して、前回診断時から今回診断時までの間に進行した腐食深さを求め、この求めた腐食深さと、前回診断時から今回診断時までの期間( 日数) とから、一定期間( 一年間) 当たりの腐食深さに換算して推定する。
【0028】
また、重量を計測した後の錆を除去した補正用金属材11は、再度、観察用埋設金属管Bの管内に、金属材表面がその観察用埋設金属管Bの管内表面と略同じ腐食環境になるように、次回の腐食状況の診断時まで収容しておく。
【0029】
〔第2実施形態〕
図5は、補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定する方法の別実施形態を示し、補正用金属材11の複数を図6に示すように絶縁材12で一連に連結するとともに、各補正用金属材11ごとに一対の被覆導線13a,13bを接続して、それらの被覆導線13a,13bの端子を収容してある端子ボックス14を地上側の管外、つまり、プロテクタD内に設け、この端子ボックス14は、各補正用金属材11の被覆導線13a,13bの端子どうしを接続して、補正用金属材11の複数を連結順に電気的に直列に接続する接続状態と、各補正用金属材11の被覆導線13a,13bの端子どうしの接続を解除して、補正用金属材11の複数を電気的に絶縁する絶縁状態とに切換可能に設けてある。
【0030】
そして、腐食状況を診断しないときは、端子ボックス14を接続状態に切り換えて、観察用埋設金属管Bの管内に管軸方向に沿って収容しておき、二回目以降の腐食状況の診断時に補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定するときは、各補正用金属材11を観察用埋設金属管Bから取り出して、その表面の錆を除去して重量を計測し、収容当初の各補正用金属材11の重量との重量差と補正用金属材11の表面積とから各補正用金属材11毎の平均腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定する。
【0031】
次に、図7に示すように、埋設深度に応じて測定した観察用埋設金属管Bの肉厚データを使用して埋設当初からの埋設深度に応じた金属管腐食減肉量Gを求め、その金属管腐食減肉量Gから埋設深度に対応する収容位置の補正用金属材11毎の平均腐食深さFを減算することにより、埋設深度に応じた観察用埋設金属管Bの管理用腐食減肉量Hを求めて、その管理用腐食減肉量Hによって管理対象埋設金属管Aの埋設深度に応じた腐食減肉量を推定し、管理対象埋設金属管Aの腐食状況を診断する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0032】
〔第3実施形態〕
図示しないが、二回目以降の腐食状況の診断時に補正用金属材11の表面の腐食深さFを測定するときは、第2実施形態で示した端子ボックス14を絶縁状態に切り換えて、各補正用金属材11に対応する一対の被覆導線13a,13bの端子毎に、腐食状況を電気化学的に測定可能な測定装置を接続して、補正用金属材11ごとの収容当初からの腐食深さ( 平均減肉量) Fを測定しても良い。
【0033】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による金属管腐食診断方法は、管理対象埋設金属管が鋳鉄管や鋼以外の各種金属管であっても良い。
2.本発明による金属管腐食診断方法は、管理対象埋設金属管が横向きに埋設されていても良い。
3.本発明による金属管腐食診断方法は、離隔渦流探傷装置や超音波探傷装置を使用して、金属材の腐食深さを観察用埋設金属管の長手方向に沿って連続的に測定しても良い。
4.本発明による金属管腐食診断方法は、離隔渦流探傷装置や超音波探傷装置を使用して、肉厚データの測定と金属材の腐食深さの測定とを同時に行っても良い。
5.本発明による金属管腐食診断方法は、内側にコンクリートを充填してあるような管内面の腐食が殆ど進行しない管理対象埋設金属管の腐食状況を診断するために使用しても良い。
この場合は、観察用埋設金属管の埋設当初から、補正用金属材をその観察用埋設金属管の管内に収容しておいて、管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する都度、補正用金属材の表面の腐食深さを測定すれば良い。
6.本発明による金属管腐食診断方法は、非破壊検査手法に基づく探傷装置として、例えば、マイクロウェーブを使用して観察用埋設金属管の肉厚データを測定する探傷装置を使用しても良い。
7.本発明による金属管腐食診断方法は、基礎杭などの埋設金属管が複数設けられている場合は、それらの埋設金属管の全部を管理対象埋設金属管とせずに、それらの埋設金属管の一部を観察用埋設金属管として使用し、残りの埋設金属管を管理対象埋設金属管として、それらの管理対象埋設金属管の腐食状況を診断しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属管腐食診断方法の説明図
【図2】肉厚測定装置の説明図
【図3】金属管腐食診断方法の説明図
【図4】金属管腐食診断方法の説明図
【図5】金属管腐食診断方法の第2実施形態の説明図
【図6】要部の断面図
【図7】金属管腐食診断方法の第2実施形態の説明図
【符号の説明】
1 離隔渦流探傷装置
2 超音波探傷装置
8 探傷部
9 探傷部
11 金属材
13a 被覆導線
13b 被覆導線
14 端子ボックス
A 管理対象埋設金属管
B 観察用埋設金属管
F 腐食深さ
Claims (4)
- 管理対象埋設金属管に対する観察用埋設金属管の管内で探傷装置の探傷部を管軸方向に移動させて、前記観察用埋設金属管の肉厚データを測定し、
その肉厚データを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食状況を診断する金属管腐食診断方法であって、
前記観察用埋設金属管と同材料で形成してある金属材を、予め、前記観察用埋設金属管の管内にその観察用埋設金属管の管内表面と略同じ腐食環境になるように収容しておき、
前記肉厚データの測定時に前記金属材の表面の腐食深さを測定し、
前記肉厚データと前記腐食深さとを使用して、前記管理対象埋設金属管の腐食減肉量を推定する金属管腐食診断方法。 - 前記金属材の複数を電気的に直列に接続した状態で一連に連結して、前記観察用埋設金属管の管内に管軸方向に沿って収容し、
前記金属材の収容位置ごとに対応する前記肉厚データと、前記金属材ごとの前記腐食深さとを測定する請求項1記載の金属管腐食診断方法。 - 前記金属材ごとに接続した被覆導線の端子を収容してある端子ボックスを管外に設けて、前記被覆導線の端子どうしを接続して前記金属材の複数を電気的に直列に接続する接続状態と、前記被覆導線の端子どうしの接続を解除して前記金属材の複数を電気的に絶縁する絶縁状態とに切換可能に設けてある請求項2記載の金属管腐食診断方法。
- 前記腐食深さを、前記金属材の重量変化に基づいて測定する請求項1又は2記載の金属管腐食診断方法。
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- 2003-03-31 JP JP2003096825A patent/JP2004301754A/ja active Pending
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