JP2004301387A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】人が存在する被空調室において、細菌の増殖を低コストで確実に抑制することのできる空調システムを提供する。
【解決手段】被空調室12の吸込み口16A、16Bには、細菌測定装置56、56が設けられる。細菌測定装置56は、フィルム58に付着した菌糸を、光学顕微鏡付きのCCDカメラ60で観察し、解析装置62で解析することによって、細菌の成長量と成長速度を求める。制御装置90は、細菌測定装置56の測定値がしきい値を超えた際に、気化装置20を駆動させ、天然抗菌剤を気化させる。気化された天然抗菌剤は給気ダクト18を介して被空調室12に供給される。その際、センサ86が被空調室12内に人の存在を検知していない場合には、気化装置20を駆動させる代わりに紫外線灯88を点灯させ、被空調室12を殺菌処理する。
【選択図】 図1
【解決手段】被空調室12の吸込み口16A、16Bには、細菌測定装置56、56が設けられる。細菌測定装置56は、フィルム58に付着した菌糸を、光学顕微鏡付きのCCDカメラ60で観察し、解析装置62で解析することによって、細菌の成長量と成長速度を求める。制御装置90は、細菌測定装置56の測定値がしきい値を超えた際に、気化装置20を駆動させ、天然抗菌剤を気化させる。気化された天然抗菌剤は給気ダクト18を介して被空調室12に供給される。その際、センサ86が被空調室12内に人の存在を検知していない場合には、気化装置20を駆動させる代わりに紫外線灯88を点灯させ、被空調室12を殺菌処理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調システムに係り、特に食品工場・医薬品工場・病院などの空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品工場や医薬品工場では、人や製品の出入りに伴って細菌が室内に侵入したり、或いは室内の壁面や装置から細菌が発菌したりするおそれがある。これらの細菌が製品に付着して増殖すると、製品の品質が悪化し、特に食品工場の場合には食中毒の原因になるという問題がある。そこで、従来は、室内に紫外線を照射したり、オゾンガスを供給したりすることによって細菌を死滅させている。或いは、酸化チタンを塗布することによって、その塗布面が光触媒作用で活性酸素を生成することを利用し、付着菌類の細胞膜を破壊して死滅させている。
【0003】
しかし、これらの方法は、室内に人が存在した際に浮遊細菌を死滅させることができないという問題がある。例えば、紫外線を照射したり、オゾンガスを供給する方法は人に対して有害であるため、室内に人が存在した際には実行することができない。このため、人が室内に持ち込む細菌を除去することができないという問題がある。一方、酸化チタンを塗布する方法は、空中に浮遊する細菌を除去することができない。
【0004】
特許文献1には、水溶性殺菌(除菌)抗菌料のごとき人体に無害な薬液を高圧充填したカートリッジを家庭用エアコンに取り付けて、抗菌料を噴霧することが記載されている。この特許文献1によれば、被空調室に人が存在した場合にも抗菌料を噴霧することによって、かび、ウイルス、バクテリアなどの細菌を減らすことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−159787号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、抗菌料の種類や噴霧条件等に関して詳細な記述が全くない。抗菌料は、細菌の活性を弱めて増殖を抑制するものであるから、抗菌料の噴霧量が不足すると、細菌が急激に増殖するおそれがあり、抗菌料を適切な噴霧量に制御することは非常に難しい。このため、細菌の増殖を確実に抑制しなければならない食品工場、医薬品工場、病院等では、抗菌料を過剰に噴霧しなければならず、コストが大幅に増加するという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、被空調室に人が存在する場合にも、細菌の増殖を確実、且つ低コストで抑制することのできる空調システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、人に無害な天然抗菌剤を被空調室に供給する供給手段と、前記被空調室内の細菌の成長度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定値に基づいて、前記被空調室に供給される前記天然抗菌剤の供給量を調節する前記供給手段の制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、人に無害な天然抗菌剤を被空調室に供給するようにしたので、人が存在する被空調室においても、細菌の増殖を抑制することができる。また、請求項1に記載の発明によれば、被空調室の細菌の成長度を測定し、この測定値に応じて天然抗菌剤の供給量を調節するようにしたので、天然抗菌剤を過剰に供給することを防止でき、且つ、細菌の増殖を確実に抑制することができる。なお、「細菌の成長度」とは、細菌が成長した際の成長量、及び/または成長速度である。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記天然抗菌剤は、ヒノキチオールであることを特徴としている。ヒノキチオールは、樹木抽出成分であり、人に対して無害であるとともに、各種菌類(例えば、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、緑膿菌、霊菌、プロテウス菌、枯草菌、黄コウジカビ、リンゴ腐乱病菌、紫紋羽病菌、灰色ブドウカビ菌、カワラタケ菌等)に対して抗菌効果があることが知られている。したがって、ヒノキチオールを被空調室に供給することによって、被空調室に存在する人に害を与えることなく、各種菌類の増殖を抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は請求項1または2の発明において、前記供給手段は、前記天然抗菌剤を含有する溶液が貯留されるタンクと、該タンク内の溶液に散気を施す散気装置と、を備え、該散気装置で前記溶液に散気を施すことによって前記天然抗菌剤が気化されて前記被空調室に供給されることを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、気化された天然抗菌剤が被空調室に供給されるので、天然抗菌剤が被空調室内で拡散され、被空調室を効率良く抗菌処理することができる。また、請求項3に記載の発明によれば、抗菌天然抗菌剤の溶液の濃度や散気量を調節することによって、被空調室に供給する天然抗菌剤の供給量を簡単に調節することができる。なお、請求項3に記載の供給手段は、被空調室に空調エアを給気する給気ダクトに配設することが好ましく、これによって、気化した天然抗菌剤を給気エアとともに被空調室に供給することができ、天然抗菌剤をより効率よく拡散させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記測定手段は、前記被空調室内の細菌が付着するフィルムと、該フィルムに付着した細菌を観察する観察手段と、該観察手段で観察した画像から前記細菌の成長量及び/又は成長速度を解析する解析手段と、を備えたことを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、被空調室内の細菌をフィルムに付着させて観察し、その画像を解析することにより、被空調室内の細菌の成長度を求めることができる。なお、請求項4に記載の測定手段は、被空調室内と略同じ環境の場所に設置することが好ましく、例えば、被空調室内や被空調室に接続されるダクト等に設置することが好ましい。これにより、測定手段のフィルムに付着した細菌が、被空調室内の細菌と略同じ成長度で成長するので、被空調室内の細菌の成長度を正確に測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る空調システムの好ましい実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明に係る空調システム10の構成を模式的に示す断面図である。
【0015】
同図に示すように、被空調室12の天井面には、吹出口14A、14B、及び吸込み口16A、16Bが設けられている。
【0016】
吹出口14Aには、給気ダクト18が接続されており、この給気ダクト18には、気化装置20、外気用空調機22、及びエアフィルタ24が配設されている。外気用空調機22は、加熱コイル26、冷却コイル28、加湿器30、及び給気ファン32を備え、給気ファン32を駆動することによって外気取り入れ口34から外気が吸引される。吸引されたエアは、エアフィルタ24によって除塵された後、外気用空調機22によって温湿度が調節される。こうして空調された給気エアは、後述する気化装置20で気化した天然抗菌剤が混合された後、吹出口14Aから被空調室12に吹き出される。
【0017】
一方、吸込み口16Aには、排気ダクト36が接続される。排気ダクト36には、エアフィルタ38、ダンパ40、及び排気ファン42が配設されており、この排気ファン42を駆動することによって、被空調室12のエアが排気ダクト36に吸引される。吸引されたエアは、エアフィルタ38で除塵された後、外部に排気される。その際、ダンパ40の開度を調節することによって、排気エアの流量が調節される。
【0018】
吹出口14Bと吸込み口16Bは、環気ダクト46を介して接続されており、この環気ダクト46には環気用空調機48が配設されている。環気用空調機48は、エアフィルタ50、冷却コイル52、及び環気ファン54を備えており、この環気ファン54を駆動することによって、被空調室12内のエアが吸込み口16Bから環気ダクト46内に吸引される。吸引されたエアは、環気用空調機48のエアフィルタ50によって除塵され、冷却コイル52によって冷却された後、吹出口14Bから被空調室12に吹き出される。
【0019】
ところで、吸込み口16A、16Bには、細菌測定装置56、56が設けられている。図2に示すように、細菌測定装置56は主として、フィルム58、光学顕微鏡付きのCCDカメラ(観察手段に相当)60、及び解析装置62で構成される。フィルム58は、透明または半透明の帯状物であり、ロール状に巻回されて供給軸66に装着されるとともに、フィルム58の先端が巻取軸68に巻き掛けられる。巻取軸68は不図示のモータに接続されており、このモータを駆動させることによって巻取軸68が回転し、フィルム58が巻取軸68に巻き取られる。これにより、フィルム58が供給軸66から巻取軸68へ走行するので、CCDカメラ60によるフィルム58の観察位置を変更することができる。したがって、フィルム58に付着した細菌が大きく成長した際には、フィルム58を走行させることにより、新たに付着した細菌を観察することができる。
【0020】
CCDカメラ60は、ガイドローラ64、64の間のフィルム58の上方に配置される。このCCDカメラ60によって観察されたフィルム58の観察信号は、解析装置62に送信され、解析装置62によって画像処理される。そして、解析装置62によって、フィルム58に付着した菌糸の形状が解析され、この菌糸の先端形状が認識される。解析装置62は、一定時間毎(例えば一時間毎)に菌糸の形状を解析し、その解析結果から菌糸の成長量(成長長さ)と成長速度を求める。
【0021】
解析装置62は、図1の制御装置90に接続されている。制御装置90は、解析装置92で求めた菌糸の成長量と成長速度に基づいて、後述する気化装置20や紫外線灯88を駆動させる。具体的には、菌糸の成長量の積算値や成長速度(以下、まとめて成長度という)がしきい値(例えば、積算値5μm、成長速度5μm/h)を超えた際に、気化装置20と紫外線灯88の一方を選択して駆動させる。なお、成長量の積算値とは、測定された成長量を積算した値であり、しきい値を超えた際にリセットされ、再度積算される。
【0022】
気化装置20と紫外線灯88の選択は、被空調室12の天井面に配したセンサ86の検出結果に基づいて行われる。センサ86は被空調室12に人が存在するか否かを検出する装置であり、このセンサ86が被空調室12内に人の存在を感知した際には気化装置20が選択され、人の存在を感知しなかった際には紫外線灯88が選択される。
【0023】
紫外線灯88は、被空調室12の天井面に取り付けられ、この紫外線灯88を点灯することによって被空調室12の内部全体に紫外線が照射される。これにより、被空調室12に浮遊する浮遊細菌、及び被空調室12の壁面等に付着した付着細菌が、紫外線による殺菌効果を受けて死滅する。したがって、被空調室12内の細菌を減少させることができる。なお、紫外線灯88の点灯時間は、予め所定の時間(例えば1時間)に設定するか、或いは、細菌測定装置56の測定値に応じて決定するとよい。または、被空調室12に人が入室したことをセンサ86によって検知するまで紫外線灯88を点灯させるようにしてもよい。
【0024】
一方、気化装置20は、図3に示すように、給気ダクト18に連通された容器70を備え、この容器70には天然抗菌剤溶液が貯留されている。天然抗菌剤溶液は、水に天然抗菌剤を所定濃度で混合したものであり、天然抗菌剤としては人に無害なもの、例えばヒノキチオールが使用される。なお、天然抗菌剤はヒノキチオールに限定するものではなく、自然から抽出された抗菌作用を有するものであって、且つ、人に無害なものであればよい。
【0025】
容器70の底部には散気装置72が設けられる。散気装置72は、前述した制御装置90(図1参照)によって駆動制御され、この散気装置72から散気を行うことによって天然抗菌剤が気化される。気化された天然抗菌剤は、容器70の上端から給気ダクト18に導入される。これにより、給気ダクト18を流れる給気エアに天然抗菌剤が混合され、天然抗菌剤が給気エアとともに被空調室12に供給される。なお、散気装置72において散気に使用するエアは、給気ダクト18を流れる給気エアの一部を分岐させて容器70に供給するとよい。
【0026】
容器70には、天然抗菌剤の補充ライン74と、給水ライン76が接続される。補充ライン74、給水ライン76にはそれぞれ弁78、80が配設され、各弁78、80は濃度制御装置84によって開閉制御される。濃度制御装置84は、容器70内に設けた天然抗菌剤の濃度計82に接続され、この濃度計82の測定値に基づいて弁78、80が開閉制御される。これにより、所定量の天然抗菌剤や水が容器70に供給され、容器70内の天然抗菌剤容器が所定の濃度に調整される。なお、濃度制御装置84は、図1の制御装置90に接続されており、制御装置90は、細菌測定装置56で求めた成長量の積算値や成長速度に応じて、濃度の値を決定し、濃度制御装置84を制御している。
【0027】
図4は天然抗菌剤溶液の濃度の制御例を示している。
【0028】
図4に示す制御例では、細菌の成長速度が5μm/hのときに天然抗菌剤溶液の濃度が0.1%になるように調整する。そして、細菌の成長速度が5μm/hよりも大きくなった際には、その成長速度に比例して、天然抗菌剤の濃度が大きくなるように調整する。天然抗菌剤の濃度を大きくすると、天然抗菌剤の気化量が増加し、被空調室12に供給される天然抗菌剤の供給量が増加する。したがって、細菌の増殖を抑制する効果が大きくなるので、細菌の成長速度を大幅に低下させることができる。
【0029】
このように、細菌の成長速度に比例して濃度を調整することによって、ヒノキチオールを過不足なく被空調室12に供給することができ、細菌の増殖を低コストで確実に抑制することができる。
【0030】
なお、図4に二点鎖線で示すように、ある程度の幅を持たせて濃度を調節するようにしてもよい。
【0031】
また、図4は成長速度に応じて濃度を調整する制御例であるが、成長量の積算値に関しても同様に濃度を調整するとよい。すなわち、成長量の積算値が5μmになった際に濃度を0.1%に調整するとともに、成長量の積算値が5μmを超えた際に、その積算値に比例して濃度が大きくなるように調整とするよい。
【0032】
さらに、本実施の形態では、成長量の積算値と成長速度の両方に基づいて制御を行うが、いずれか一方のみに基づいて制御を行ってもよい。
【0033】
次に上記の如く構成された空調システム10の作用について説明する。
【0034】
空調システム10では、細菌測定装置56によって、フィルム58に付着した細菌の成長度を測定している。細菌測定装置56は、吸込み口16A、16Bに配置されているため、被空調室12と完全に同じ環境である。したがって、フィルム58に付着した細菌は、被空調室12内の細菌と同じ成長度で成長する。このため、フィルム58上の細菌の成長度を求めることによって、被空調室12内の細菌の成長度を正確に求めることができる。また、細菌測定装置56は、フィルム58に付着した細菌をCCDカメラ60で観察し、その画像を解析装置62で解析するので、細菌の成長度をリアルタイムで測定することができる。
【0035】
上記の如く測定された細菌の成長度がしきい値を超えた際、気化装置20、紫外線灯88の一方が選択されて駆動される。気化装置20と紫外線灯88の選択は、前述したように、センサ86による検出結果、すなわち、被空調室12に人が存在するか否かに基づいて行われる。
【0036】
例えば、被空調室12に人が存在しない場合には、紫外線灯88が点灯される。これにより、被空調室12内に紫外線が照射されるので、被空調室12を浮遊する浮遊細菌や、被空調室12の壁面等に付着した付着細菌は、紫外線による殺菌効果を受けて死滅する。したがって、被空調室12内の細菌を減少させることができる。
【0037】
一方、被空調室12に人が存在した場合には、気化装置20を駆動する。これにより、気化装置20で気化された天然抗菌剤が給気ダクト18を介して被空調室12に供給される。その際、気化装置20は、細菌測定装置56で求めた細菌の成長度に応じて、天然抗菌剤溶液の濃度が調整されるので、天然抗菌剤は過不足なく被空調室12に供給される。したがって、人が存在する被空調室12において、細菌の増殖を低コストで確実に抑制することができる。
【0038】
このように本実施の形態の空調システム10によれば、人に無害な天然抗菌剤を被空調室12に供給するようにしたので、被空調室12に人が存在する場合であっても、細菌の増殖を抑制することができる。
【0039】
また、空調システム10によれば、細菌測定装置56で求めた細菌の成長度に応じて、天然抗菌剤の供給を開始し、且つその供給量を調節するようにしたので、細菌の増殖を抑制するのに十分な天然抗菌剤を過不足なく供給することができ、低コストで且つ確実に細菌の増殖を抑制することができる。
【0040】
さらに、空調システム10によれば、被空調室12に人が存在しない場合は、紫外線灯88によって殺菌を行うので、被空調室12内の細菌そのものを減少させることができる。したがって、被空調室12に人が入室した後も、細菌の成長度を低下させることができる。
【0041】
なお、上述した実施の形態において、天然抗菌剤を供給する時間は、予め所定の時間(例えば3時間)に設定しておくとよい。或いは、細菌測定装置56で測定した細菌の成長度がしきい値よりも下がるまで、天然抗菌剤を供給し続けるようにしてもよい。
【0042】
また、上述した実施の形態は、被空調室12への天然抗菌剤の供給量を調節するため、天然抗菌剤溶液の濃度を調整したが、これに限定するものではなく、例えば散気装置72の散気量や散気時間を調整してもよい。
【0043】
また、気化装置20の構成は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば散気装置72の代わりに、天然抗菌剤溶液をスプレーするノズルを容器70の上部に設け、天然抗菌剤溶液をスプレーすることによって天然抗菌剤を気化させてもよい。
【0044】
さらに、上述した実施の形態は、被空調室12に人が存在しない場合の殺菌手段として紫外線灯88を用いたが、これに限定するものではなく、例えば被空調室12にオゾンガスを供給することにより、殺菌を行うようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る空調システムによれば、被空調室の細菌の成長度に応じて、人に無害な天然抗菌剤を過不足なく被空調室に供給するようにしたので、被空調室に人が存在した場合であっても、低コストで確実に被空調室の細菌の増殖を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空調システムの構成を模式的に示す断面図
【図2】細菌測定装置の構成を示す側面図
【図3】気化装置の構成を示す側面図
【図4】制御の一例を示す図
【符号の説明】
10…空調システム、12…被空調室、14A、14B…吹出口、16A、16B…吸込み口、18…給気ダクト、20…気化装置、22…外気用空調機、24…エアフィルタ、26…加熱コイル、28…冷却コイル、30…加湿器、32…給気ファン、34…外気取り入れ口、36…排気ダクト、38…エアフィルタ、40…ダンパ、42…排気ファン、46…環気ダクト、48…環気用空調機、50…エアフィルタ、52…冷却コイル、54…環気ファン、56…細菌測定装置、58…フィルム、60…CCDカメラ、62…解析装置、64…ガイドローラ、66…供給軸、68…巻取軸、70…容器、72…散気装置、74…天然抗菌剤溶液の補充ライン、76…給水ライン、78、80…弁、82…濃度計、84…濃度制御装置、86…センサ、88…紫外線灯、90…制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は空調システムに係り、特に食品工場・医薬品工場・病院などの空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
食品工場や医薬品工場では、人や製品の出入りに伴って細菌が室内に侵入したり、或いは室内の壁面や装置から細菌が発菌したりするおそれがある。これらの細菌が製品に付着して増殖すると、製品の品質が悪化し、特に食品工場の場合には食中毒の原因になるという問題がある。そこで、従来は、室内に紫外線を照射したり、オゾンガスを供給したりすることによって細菌を死滅させている。或いは、酸化チタンを塗布することによって、その塗布面が光触媒作用で活性酸素を生成することを利用し、付着菌類の細胞膜を破壊して死滅させている。
【0003】
しかし、これらの方法は、室内に人が存在した際に浮遊細菌を死滅させることができないという問題がある。例えば、紫外線を照射したり、オゾンガスを供給する方法は人に対して有害であるため、室内に人が存在した際には実行することができない。このため、人が室内に持ち込む細菌を除去することができないという問題がある。一方、酸化チタンを塗布する方法は、空中に浮遊する細菌を除去することができない。
【0004】
特許文献1には、水溶性殺菌(除菌)抗菌料のごとき人体に無害な薬液を高圧充填したカートリッジを家庭用エアコンに取り付けて、抗菌料を噴霧することが記載されている。この特許文献1によれば、被空調室に人が存在した場合にも抗菌料を噴霧することによって、かび、ウイルス、バクテリアなどの細菌を減らすことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−159787号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、抗菌料の種類や噴霧条件等に関して詳細な記述が全くない。抗菌料は、細菌の活性を弱めて増殖を抑制するものであるから、抗菌料の噴霧量が不足すると、細菌が急激に増殖するおそれがあり、抗菌料を適切な噴霧量に制御することは非常に難しい。このため、細菌の増殖を確実に抑制しなければならない食品工場、医薬品工場、病院等では、抗菌料を過剰に噴霧しなければならず、コストが大幅に増加するという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、被空調室に人が存在する場合にも、細菌の増殖を確実、且つ低コストで抑制することのできる空調システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、人に無害な天然抗菌剤を被空調室に供給する供給手段と、前記被空調室内の細菌の成長度を測定する測定手段と、前記測定手段の測定値に基づいて、前記被空調室に供給される前記天然抗菌剤の供給量を調節する前記供給手段の制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、人に無害な天然抗菌剤を被空調室に供給するようにしたので、人が存在する被空調室においても、細菌の増殖を抑制することができる。また、請求項1に記載の発明によれば、被空調室の細菌の成長度を測定し、この測定値に応じて天然抗菌剤の供給量を調節するようにしたので、天然抗菌剤を過剰に供給することを防止でき、且つ、細菌の増殖を確実に抑制することができる。なお、「細菌の成長度」とは、細菌が成長した際の成長量、及び/または成長速度である。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記天然抗菌剤は、ヒノキチオールであることを特徴としている。ヒノキチオールは、樹木抽出成分であり、人に対して無害であるとともに、各種菌類(例えば、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、緑膿菌、霊菌、プロテウス菌、枯草菌、黄コウジカビ、リンゴ腐乱病菌、紫紋羽病菌、灰色ブドウカビ菌、カワラタケ菌等)に対して抗菌効果があることが知られている。したがって、ヒノキチオールを被空調室に供給することによって、被空調室に存在する人に害を与えることなく、各種菌類の増殖を抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は請求項1または2の発明において、前記供給手段は、前記天然抗菌剤を含有する溶液が貯留されるタンクと、該タンク内の溶液に散気を施す散気装置と、を備え、該散気装置で前記溶液に散気を施すことによって前記天然抗菌剤が気化されて前記被空調室に供給されることを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、気化された天然抗菌剤が被空調室に供給されるので、天然抗菌剤が被空調室内で拡散され、被空調室を効率良く抗菌処理することができる。また、請求項3に記載の発明によれば、抗菌天然抗菌剤の溶液の濃度や散気量を調節することによって、被空調室に供給する天然抗菌剤の供給量を簡単に調節することができる。なお、請求項3に記載の供給手段は、被空調室に空調エアを給気する給気ダクトに配設することが好ましく、これによって、気化した天然抗菌剤を給気エアとともに被空調室に供給することができ、天然抗菌剤をより効率よく拡散させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記測定手段は、前記被空調室内の細菌が付着するフィルムと、該フィルムに付着した細菌を観察する観察手段と、該観察手段で観察した画像から前記細菌の成長量及び/又は成長速度を解析する解析手段と、を備えたことを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、被空調室内の細菌をフィルムに付着させて観察し、その画像を解析することにより、被空調室内の細菌の成長度を求めることができる。なお、請求項4に記載の測定手段は、被空調室内と略同じ環境の場所に設置することが好ましく、例えば、被空調室内や被空調室に接続されるダクト等に設置することが好ましい。これにより、測定手段のフィルムに付着した細菌が、被空調室内の細菌と略同じ成長度で成長するので、被空調室内の細菌の成長度を正確に測定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る空調システムの好ましい実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明に係る空調システム10の構成を模式的に示す断面図である。
【0015】
同図に示すように、被空調室12の天井面には、吹出口14A、14B、及び吸込み口16A、16Bが設けられている。
【0016】
吹出口14Aには、給気ダクト18が接続されており、この給気ダクト18には、気化装置20、外気用空調機22、及びエアフィルタ24が配設されている。外気用空調機22は、加熱コイル26、冷却コイル28、加湿器30、及び給気ファン32を備え、給気ファン32を駆動することによって外気取り入れ口34から外気が吸引される。吸引されたエアは、エアフィルタ24によって除塵された後、外気用空調機22によって温湿度が調節される。こうして空調された給気エアは、後述する気化装置20で気化した天然抗菌剤が混合された後、吹出口14Aから被空調室12に吹き出される。
【0017】
一方、吸込み口16Aには、排気ダクト36が接続される。排気ダクト36には、エアフィルタ38、ダンパ40、及び排気ファン42が配設されており、この排気ファン42を駆動することによって、被空調室12のエアが排気ダクト36に吸引される。吸引されたエアは、エアフィルタ38で除塵された後、外部に排気される。その際、ダンパ40の開度を調節することによって、排気エアの流量が調節される。
【0018】
吹出口14Bと吸込み口16Bは、環気ダクト46を介して接続されており、この環気ダクト46には環気用空調機48が配設されている。環気用空調機48は、エアフィルタ50、冷却コイル52、及び環気ファン54を備えており、この環気ファン54を駆動することによって、被空調室12内のエアが吸込み口16Bから環気ダクト46内に吸引される。吸引されたエアは、環気用空調機48のエアフィルタ50によって除塵され、冷却コイル52によって冷却された後、吹出口14Bから被空調室12に吹き出される。
【0019】
ところで、吸込み口16A、16Bには、細菌測定装置56、56が設けられている。図2に示すように、細菌測定装置56は主として、フィルム58、光学顕微鏡付きのCCDカメラ(観察手段に相当)60、及び解析装置62で構成される。フィルム58は、透明または半透明の帯状物であり、ロール状に巻回されて供給軸66に装着されるとともに、フィルム58の先端が巻取軸68に巻き掛けられる。巻取軸68は不図示のモータに接続されており、このモータを駆動させることによって巻取軸68が回転し、フィルム58が巻取軸68に巻き取られる。これにより、フィルム58が供給軸66から巻取軸68へ走行するので、CCDカメラ60によるフィルム58の観察位置を変更することができる。したがって、フィルム58に付着した細菌が大きく成長した際には、フィルム58を走行させることにより、新たに付着した細菌を観察することができる。
【0020】
CCDカメラ60は、ガイドローラ64、64の間のフィルム58の上方に配置される。このCCDカメラ60によって観察されたフィルム58の観察信号は、解析装置62に送信され、解析装置62によって画像処理される。そして、解析装置62によって、フィルム58に付着した菌糸の形状が解析され、この菌糸の先端形状が認識される。解析装置62は、一定時間毎(例えば一時間毎)に菌糸の形状を解析し、その解析結果から菌糸の成長量(成長長さ)と成長速度を求める。
【0021】
解析装置62は、図1の制御装置90に接続されている。制御装置90は、解析装置92で求めた菌糸の成長量と成長速度に基づいて、後述する気化装置20や紫外線灯88を駆動させる。具体的には、菌糸の成長量の積算値や成長速度(以下、まとめて成長度という)がしきい値(例えば、積算値5μm、成長速度5μm/h)を超えた際に、気化装置20と紫外線灯88の一方を選択して駆動させる。なお、成長量の積算値とは、測定された成長量を積算した値であり、しきい値を超えた際にリセットされ、再度積算される。
【0022】
気化装置20と紫外線灯88の選択は、被空調室12の天井面に配したセンサ86の検出結果に基づいて行われる。センサ86は被空調室12に人が存在するか否かを検出する装置であり、このセンサ86が被空調室12内に人の存在を感知した際には気化装置20が選択され、人の存在を感知しなかった際には紫外線灯88が選択される。
【0023】
紫外線灯88は、被空調室12の天井面に取り付けられ、この紫外線灯88を点灯することによって被空調室12の内部全体に紫外線が照射される。これにより、被空調室12に浮遊する浮遊細菌、及び被空調室12の壁面等に付着した付着細菌が、紫外線による殺菌効果を受けて死滅する。したがって、被空調室12内の細菌を減少させることができる。なお、紫外線灯88の点灯時間は、予め所定の時間(例えば1時間)に設定するか、或いは、細菌測定装置56の測定値に応じて決定するとよい。または、被空調室12に人が入室したことをセンサ86によって検知するまで紫外線灯88を点灯させるようにしてもよい。
【0024】
一方、気化装置20は、図3に示すように、給気ダクト18に連通された容器70を備え、この容器70には天然抗菌剤溶液が貯留されている。天然抗菌剤溶液は、水に天然抗菌剤を所定濃度で混合したものであり、天然抗菌剤としては人に無害なもの、例えばヒノキチオールが使用される。なお、天然抗菌剤はヒノキチオールに限定するものではなく、自然から抽出された抗菌作用を有するものであって、且つ、人に無害なものであればよい。
【0025】
容器70の底部には散気装置72が設けられる。散気装置72は、前述した制御装置90(図1参照)によって駆動制御され、この散気装置72から散気を行うことによって天然抗菌剤が気化される。気化された天然抗菌剤は、容器70の上端から給気ダクト18に導入される。これにより、給気ダクト18を流れる給気エアに天然抗菌剤が混合され、天然抗菌剤が給気エアとともに被空調室12に供給される。なお、散気装置72において散気に使用するエアは、給気ダクト18を流れる給気エアの一部を分岐させて容器70に供給するとよい。
【0026】
容器70には、天然抗菌剤の補充ライン74と、給水ライン76が接続される。補充ライン74、給水ライン76にはそれぞれ弁78、80が配設され、各弁78、80は濃度制御装置84によって開閉制御される。濃度制御装置84は、容器70内に設けた天然抗菌剤の濃度計82に接続され、この濃度計82の測定値に基づいて弁78、80が開閉制御される。これにより、所定量の天然抗菌剤や水が容器70に供給され、容器70内の天然抗菌剤容器が所定の濃度に調整される。なお、濃度制御装置84は、図1の制御装置90に接続されており、制御装置90は、細菌測定装置56で求めた成長量の積算値や成長速度に応じて、濃度の値を決定し、濃度制御装置84を制御している。
【0027】
図4は天然抗菌剤溶液の濃度の制御例を示している。
【0028】
図4に示す制御例では、細菌の成長速度が5μm/hのときに天然抗菌剤溶液の濃度が0.1%になるように調整する。そして、細菌の成長速度が5μm/hよりも大きくなった際には、その成長速度に比例して、天然抗菌剤の濃度が大きくなるように調整する。天然抗菌剤の濃度を大きくすると、天然抗菌剤の気化量が増加し、被空調室12に供給される天然抗菌剤の供給量が増加する。したがって、細菌の増殖を抑制する効果が大きくなるので、細菌の成長速度を大幅に低下させることができる。
【0029】
このように、細菌の成長速度に比例して濃度を調整することによって、ヒノキチオールを過不足なく被空調室12に供給することができ、細菌の増殖を低コストで確実に抑制することができる。
【0030】
なお、図4に二点鎖線で示すように、ある程度の幅を持たせて濃度を調節するようにしてもよい。
【0031】
また、図4は成長速度に応じて濃度を調整する制御例であるが、成長量の積算値に関しても同様に濃度を調整するとよい。すなわち、成長量の積算値が5μmになった際に濃度を0.1%に調整するとともに、成長量の積算値が5μmを超えた際に、その積算値に比例して濃度が大きくなるように調整とするよい。
【0032】
さらに、本実施の形態では、成長量の積算値と成長速度の両方に基づいて制御を行うが、いずれか一方のみに基づいて制御を行ってもよい。
【0033】
次に上記の如く構成された空調システム10の作用について説明する。
【0034】
空調システム10では、細菌測定装置56によって、フィルム58に付着した細菌の成長度を測定している。細菌測定装置56は、吸込み口16A、16Bに配置されているため、被空調室12と完全に同じ環境である。したがって、フィルム58に付着した細菌は、被空調室12内の細菌と同じ成長度で成長する。このため、フィルム58上の細菌の成長度を求めることによって、被空調室12内の細菌の成長度を正確に求めることができる。また、細菌測定装置56は、フィルム58に付着した細菌をCCDカメラ60で観察し、その画像を解析装置62で解析するので、細菌の成長度をリアルタイムで測定することができる。
【0035】
上記の如く測定された細菌の成長度がしきい値を超えた際、気化装置20、紫外線灯88の一方が選択されて駆動される。気化装置20と紫外線灯88の選択は、前述したように、センサ86による検出結果、すなわち、被空調室12に人が存在するか否かに基づいて行われる。
【0036】
例えば、被空調室12に人が存在しない場合には、紫外線灯88が点灯される。これにより、被空調室12内に紫外線が照射されるので、被空調室12を浮遊する浮遊細菌や、被空調室12の壁面等に付着した付着細菌は、紫外線による殺菌効果を受けて死滅する。したがって、被空調室12内の細菌を減少させることができる。
【0037】
一方、被空調室12に人が存在した場合には、気化装置20を駆動する。これにより、気化装置20で気化された天然抗菌剤が給気ダクト18を介して被空調室12に供給される。その際、気化装置20は、細菌測定装置56で求めた細菌の成長度に応じて、天然抗菌剤溶液の濃度が調整されるので、天然抗菌剤は過不足なく被空調室12に供給される。したがって、人が存在する被空調室12において、細菌の増殖を低コストで確実に抑制することができる。
【0038】
このように本実施の形態の空調システム10によれば、人に無害な天然抗菌剤を被空調室12に供給するようにしたので、被空調室12に人が存在する場合であっても、細菌の増殖を抑制することができる。
【0039】
また、空調システム10によれば、細菌測定装置56で求めた細菌の成長度に応じて、天然抗菌剤の供給を開始し、且つその供給量を調節するようにしたので、細菌の増殖を抑制するのに十分な天然抗菌剤を過不足なく供給することができ、低コストで且つ確実に細菌の増殖を抑制することができる。
【0040】
さらに、空調システム10によれば、被空調室12に人が存在しない場合は、紫外線灯88によって殺菌を行うので、被空調室12内の細菌そのものを減少させることができる。したがって、被空調室12に人が入室した後も、細菌の成長度を低下させることができる。
【0041】
なお、上述した実施の形態において、天然抗菌剤を供給する時間は、予め所定の時間(例えば3時間)に設定しておくとよい。或いは、細菌測定装置56で測定した細菌の成長度がしきい値よりも下がるまで、天然抗菌剤を供給し続けるようにしてもよい。
【0042】
また、上述した実施の形態は、被空調室12への天然抗菌剤の供給量を調節するため、天然抗菌剤溶液の濃度を調整したが、これに限定するものではなく、例えば散気装置72の散気量や散気時間を調整してもよい。
【0043】
また、気化装置20の構成は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば散気装置72の代わりに、天然抗菌剤溶液をスプレーするノズルを容器70の上部に設け、天然抗菌剤溶液をスプレーすることによって天然抗菌剤を気化させてもよい。
【0044】
さらに、上述した実施の形態は、被空調室12に人が存在しない場合の殺菌手段として紫外線灯88を用いたが、これに限定するものではなく、例えば被空調室12にオゾンガスを供給することにより、殺菌を行うようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る空調システムによれば、被空調室の細菌の成長度に応じて、人に無害な天然抗菌剤を過不足なく被空調室に供給するようにしたので、被空調室に人が存在した場合であっても、低コストで確実に被空調室の細菌の増殖を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空調システムの構成を模式的に示す断面図
【図2】細菌測定装置の構成を示す側面図
【図3】気化装置の構成を示す側面図
【図4】制御の一例を示す図
【符号の説明】
10…空調システム、12…被空調室、14A、14B…吹出口、16A、16B…吸込み口、18…給気ダクト、20…気化装置、22…外気用空調機、24…エアフィルタ、26…加熱コイル、28…冷却コイル、30…加湿器、32…給気ファン、34…外気取り入れ口、36…排気ダクト、38…エアフィルタ、40…ダンパ、42…排気ファン、46…環気ダクト、48…環気用空調機、50…エアフィルタ、52…冷却コイル、54…環気ファン、56…細菌測定装置、58…フィルム、60…CCDカメラ、62…解析装置、64…ガイドローラ、66…供給軸、68…巻取軸、70…容器、72…散気装置、74…天然抗菌剤溶液の補充ライン、76…給水ライン、78、80…弁、82…濃度計、84…濃度制御装置、86…センサ、88…紫外線灯、90…制御装置
Claims (4)
- 人に無害な天然抗菌剤を被空調室に供給する供給手段と、
前記被空調室内の細菌の成長度を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定値に基づいて、前記被空調室に供給される前記天然抗菌剤の供給量を調節する前記供給手段の制御手段と、
を備えたことを特徴とする空調システム - 前記天然抗菌剤は、ヒノキチオールであることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
- 前記供給手段は、前記天然抗菌剤を含有する溶液が貯留されるタンクと、該タンク内の溶液に散気を施す散気装置と、を備え、該散気装置で前記溶液に散気を施すことによって前記天然抗菌剤が気化されて前記被空調室に供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
- 前記測定手段は、前記被空調室内の細菌が付着するフィルムと、該フィルムに付着した細菌を観察する観察手段と、該観察手段で観察した画像から前記細菌の成長量及び/又は成長速度を解析する解析手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の空調システム。
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