JP2004298726A - 粒状汚泥の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒状汚泥を容易に製造することができる粒状汚泥の製造装置および製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の粒状汚泥の製造装置2は、生物汚泥を含む被処理液が供給される汚泥処理部4を備え、汚泥処理部4が、被処理液中の液流を遮断することにより被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌する撹拌部を有し、撹拌部が、汚泥処理部4を構成する容器11内に被処理液の液流を妨げる邪魔板15を有する。装置2によれば、生物汚泥を含む被処理液が汚泥処理部4に供給される。そして容器11内において、撹拌部の邪魔板15により、被処理液の液流が遮断され、被処理液中に渦流が生じて被処理液が撹拌される。これにより、粒状汚泥を容易に製造できる。また装置2によれば、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明の粒状汚泥の製造装置2は、生物汚泥を含む被処理液が供給される汚泥処理部4を備え、汚泥処理部4が、被処理液中の液流を遮断することにより被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌する撹拌部を有し、撹拌部が、汚泥処理部4を構成する容器11内に被処理液の液流を妨げる邪魔板15を有する。装置2によれば、生物汚泥を含む被処理液が汚泥処理部4に供給される。そして容器11内において、撹拌部の邪魔板15により、被処理液の液流が遮断され、被処理液中に渦流が生じて被処理液が撹拌される。これにより、粒状汚泥を容易に製造できる。また装置2によれば、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラニュール等の粒状汚泥の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、汚泥を含む被処理液の循環流を形成することにより粒状汚泥を製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。図9は、粒状汚泥を製造する装置の一例を示す断面図である。図9に示すように、この製造装置200は、曝気槽201の槽内液中に仕切板202を浸漬して循環流路を形成し、仕切板202の一方の側では、底部に設けた散気部203からエアを供給して上昇液流を形成し、他方の側には下降液流を形成し、これにより曝気槽201内に循環流を形成して、グラニュール等の粒状汚泥を製造するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−261385号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した公報に記載の粒状汚泥の製造装置200は、以下に示す課題を有していた。
【0005】
即ち上記製造装置200では、粒状汚泥を形成するために、エアリフトによる撹拌強度を表すいわゆるG値の厳密な調整が必要であったり、有機物の分解に寄与する糸状菌を使用する必要があったり、曝気槽201に導入される有機物の負荷の調整も必要であったりしたため、粒状汚泥を製造することが決して容易でなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、粒状汚泥を容易に製造することができる粒状汚泥の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による粒状汚泥の製造装置は、生物汚泥を含む被処理液が供給される汚泥処理部を備えており、汚泥処理部が、被処理液中の液流を遮断し又は液流の向きを変化させることにより被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌する撹拌部を有し、撹拌部が、汚泥処理部を構成する容器内に被処理液の液流を妨げるように設けられる少なくとも1つの邪魔板を有することを特徴とする。
【0008】
この粒状汚泥の製造装置によれば、生物汚泥を含む被処理液が汚泥処理部に供給される。そして、汚泥処理部を構成する容器内において、撹拌部の邪魔板により、被処理液の液流が遮断され又は液流の向きが変化され、被処理液中に渦流が生じて被処理液が撹拌される。これにより、粒状汚泥を容易に製造することができる。また、この製造装置によれば、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【0009】
上記粒状汚泥の製造装置は、汚泥処理部にガスを供給して被処理液を曝気する曝気手段を更に備えることが好ましい。曝気手段により汚泥処理部における被処理液が曝気されると、被処理液の液流が一段と乱され、汚泥の粒状化が一段と促進される。
【0010】
上記邪魔板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有する多孔板であり、撹拌部が多孔板を複数有し、それら複数の多孔板は、該複数の多孔板のうち少なくとも一つの多孔板に形成された前記複数の孔のうち少なくとも一つの第1の孔が、該多孔板に隣接配置された他の多孔板に形成され且つ該第1の孔から最短距離に位置する第2の孔と非同軸状に設けられたものであることが好ましい。
【0011】
こうすれば、互いに隣り合う多孔板にそれぞれ設けられた第1の孔及び第2の孔が、互いの中心(軸)位置が交互に異なるように配列される。通常、多孔板における孔位置及びその近傍は、孔が設けられていない部位に比して流体流動に対して圧力損失が小さいため、多孔板間を流動する被処理液は、互いに非同軸状に形成された第1の孔から第2の孔の位置を通るように蛇行する。これにより、渦流が生じ易くなり、攪拌が一層助長される。
【0012】
より具体的には、複数の多孔板のうち互いに隣接配置された二つの多孔板に形成された複数の孔が、千鳥格子状(千鳥模様状、千鳥足状)に配置されるように設けられたものであると有用である。すなわち、一方の多孔板に形成された複数の上記第1の孔と、それに隣接する他方の多孔板に形成された複数の上記第2の孔とが、すべて非同軸状に配置されたものであると好ましい。例えば、孔の穿設位置が多孔板毎に異なる場合には、多孔板を同軸状に配置すればよく、或いは、孔の穿設位置が多孔板同士で同じ場合には、多孔板を非同軸状に配置すればよい。また、多孔板内又は多孔板間で全ての孔径が同一であってもよいが、それらの一部又は全部が異なっていても構わない。このようにすれば、多孔板の全体にわたって渦流が発生し易くなり、攪拌効率が更に向上される。
【0013】
さらにまた、攪拌部が、前記少なくとも1つの邪魔板、及び、上記の容器のうち少なくともいずれか一方を駆動させる駆動部を有すると好ましい。
【0014】
このようにすれば、被処理液を、多孔板に対して一方向、好ましくは複数方向、特に好ましくは複数方向に交互に繰り返して流動させ得る。よって、渦流の程度(激しさ)が更に高められ、より強力な攪拌効果が得られる。より具体的には、往復駆動(上下動等)する駆動軸(シャフト)等から成る駆動部に多孔板が接続された構成、多孔板が固定され且つ汚泥処理部の容器が駆動又は揺動(上下動等)するような構成、等を例示できる。
【0015】
或いは、攪拌部が、上記の容器に接続されており、その容器内に被処理液を循環流通させ、且つ、被処理液の流通方向を互いに異なる複数の方向に切り替える液循環部を有しても好ましい。こうすれば、被処理液を一定方向へ循環させるだけでなく、所望の頻度(間隔)で、その流動方向を随時切り替えることができる。したがって、多孔板又は容器を駆動させることなく、より強力な攪拌効果が得られる。
【0016】
具体的には、液循環部が、容器に接続された少なくとも一つの循環路(管路、ライン等)と、各循環路に吐出方向が互いに異なるように且つ並列に設けられた少なくとも二台のポンプとを有すると好ましい。この場合、二台のポンプを随時切り替えることにより、循環ラインと容器内を流通する被処理液の流路方向が切り替えられる(例えば、反転される。)。
【0017】
或いは、液循環部が、容器に接続された少なくとも一つの循環ラインと、各循環ラインに設けられた二つの三方弁と、それら二つの三方弁に接続された一台のポンプとを有しても好適である。この場合、一台のポンプを用いても、各三方弁に備わる各弁の開閉を調節・制御することにより、循環ラインと容器内を流通する被処理液の流路方向が切り替えられる(例えば、反転される。)。
【0018】
さらに、上記複数の孔がそれぞれ円柱状であり、その孔の直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔の直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔に詰まる可能性もある。
【0019】
また本発明による粒状汚泥の製造方法は、生物汚泥を含む被処理液中に、少なくとも1つの邪魔板を用いて液流を遮断し又は前記液流の向きを変化させることにより前記被処理液中に渦流を生じせしめて、被処理液を攪拌する撹拌工程を含むことを特徴とする。
【0020】
この製造方法によれば、粒状汚泥を容易に製造することができる。また、この製造方法により、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【0021】
上記撹拌工程においては、被処理液を曝気することが好ましい。汚泥処理部における被処理液が曝気されると、被処理液の液流が一段と乱され、汚泥の粒状化が一段と促進される。
【0022】
上記撹拌工程においては、少なくとも1つの邪魔板を所定方向に往復移動させることが好ましい。このようにすれば、被処理液の渦流の程度(激しさ)が更に高められ、より強力な攪拌効果が得られる。
【0023】
上記邪魔板が複数の孔を有し、複数の孔のそれぞれが円柱状であり、その孔の直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔の直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔に詰まる可能性もある。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明による粒状汚泥の製造装置(以下、「造粒装置」と呼ぶ)の一実施形態を模式的に示す構成図であり、造粒装置を適用した汚泥処理設備を示している。図1に示す汚泥処理設備100は、有機性排水を活性汚泥処理した生物処理液を固液分離する沈殿槽1と、沈殿槽1から排出される被処理液中の汚泥を粒状化して粒状汚泥を製造する造粒装置2と、造粒装置2で得られた粒状汚泥を回収する粒状汚泥回収槽3とを備えている。なお、沈殿槽1は、固形物の重力沈降を利用した固液分離槽であり、生物処理液中の汚泥を重力により沈降させて生物処理液から分離するものであり、沈殿槽1の底部に溜まった汚泥は、重力により濃縮されるようになっている。
【0026】
造粒装置2は、被処理液が供給される汚泥処理部4と、汚泥処理部4に供給するガスを貯留又は発生するガス供給源5とを備えており、汚泥処理部4は、被処理液の移送管路L1を介して沈殿槽1に接続され、管路L2を介してガス供給源5に接続されている。また汚泥処理部4は、粒状汚泥の排出管路L3を介して粒状汚泥回収槽3に接続されている。また管路L1にはポンプP4が設置され、ポンプP4の作動により沈殿槽1から排出される被処理液が汚泥処理部4に供給されるようになっている。
【0027】
この被処理液は、管路L1を通して汚泥処理部4に供給されると共に、ガス供給源5から管路L2を通して空気等が曝気供給される。後述するように、汚泥処理部4では、このように空気等が供給された被処理液の攪拌が行われ、被処理液中の汚泥が粒状化されて粒状汚泥が形成される。この粒状汚泥は、管路L3を経て粒状汚泥回収槽3へ移送される。
【0028】
以下、汚泥処理部4の諸例について説明する。図2は、汚泥処理部4の好適な一例としての反応装置10を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置10では、略筒状を成す容器11内に、多数の多孔板(邪魔板)15n(添字nは、任意位置を示す。)が所定間隔で棒状の支柱13に固定配置された多孔板群15(攪拌部)が略同軸状に設けられている。なお、容器11は、密閉されていてもよいし、密閉されていなくてもよい。容器11の上部及び底部には、循環管路L50の各端部が接続されており、この循環管路L50の途中には、並列に配設されたポンプP1,P2をそれぞれ有する分岐管路L51,L52が設置されている。ポンプP1,P2の吐出方向は、それぞれ図示矢印t1,t2で示すように互いに逆方向とされている。このように循環管路L50,分岐管路L51,L52、及びポンプP1,P2から液循環部が構成されている。また、反応装置10は攪拌部を兼ねるものである。
【0029】
また、容器11の底部には、管路L1が接続され、被処理液Wが容器11の下部に供給されるようになっている。一方、管路L3が容器11の上部壁に接続されており、粒状汚泥が容器11の上部から管路L3を経て粒状汚泥回収槽3へ送られるようになっている。さらに、ガス供給源5に接続された管路L2は、流量調整バルブV21,V22を有し且つそれぞれ容器11の底部及び管路L50の双方に接続された分岐管路L21,L22に分かれている。
【0030】
ここで、図3は、反応装置10の要部を示す斜視図であり、多孔板群15の一部を示す。また、図4は、多孔板群15の一部を示す模式断面図である。両図に示す如く、各多孔板15nには、その厚み方向に貫通する複数の孔Hnが形成されている。また、任意の位置の多孔板15nは、隣接する多孔板15n−1及び15n+1に対し、各多孔板15n−1,n,n+1と重ね合わせたときに、多孔板15nに形成された孔(第1の孔)Hnと各多孔板15n−1,n,n+1に形成された孔(第2の孔)Hn−1,n,n+1の位置が一致しないように配置されている。
【0031】
換言すれば、多孔板群15は、互いに隣接された一方の多孔板15nに形成された複数の孔Hnと他方の多孔板15n−1,n+1に形成された複数の孔Hn−1,n+1とが、平面位置が互いに異なって配置されるように設けられている。すなわち、隣接された多孔板15n毎に、孔Hの中心(軸)位置が交互に異なるように千鳥格子状(千鳥模様状、千鳥足状)に配列されている。さらに言えば、複数の多孔板15nのうち、任意に選択される隣接配置された二つの多孔板15nのうち一方の多孔板15nに形成された孔Hn(第1の孔)と、他方の多孔板15n−1,n+1に形成された孔Hn−1,n+1のうちその第1の孔と最短距離に位置する孔(第2の孔)とが、非同軸状(即ち第1の孔を通る軸線上に、その第1の孔から最短距離に位置する孔がない状態)に設けられている。
【0032】
ここで、多孔板15nに形成された複数の孔Hnのそれぞれが円柱状であり、その孔Hnの直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔Hnの直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔Hnに詰まる可能性もある。
【0033】
次に、上記のように構成された反応装置10を汚泥処理部4として備える造粒装置2を運転し、粒状汚泥を製造する方法の一例について説明する。
【0034】
まず、管路L1を通して、被処理液Wを容器11の内側且つ下側の位置に導入する。被処理液の供給と共に或いは一定の液量となった後、ガス供給源5から管路L21を通して容器11の下部に空気等を曝気供給する。また、ポンプP1を運転すると共に、管路L22を通して管路L50の他端側に空気等を曝気供給する。
【0035】
そして、被処理液の供給流量を調整し、例えば、管路L50の一端が接続された上部の排出口よりも液面がやや高くなるような液量に維持しながら、空気等を供給した状態で被処理液を容器11内で強制循環させる。この時、被処理液は、多孔板群15を下向きに流通する。そして、一定時間ポンプP1の運転を行った後、ポンプP1を停止すると共に、ポンプP2を運転する。こうして、容器11内の循環流を逆向きとし、被処理液を上向きに流通させる。
【0036】
ここで、ポンプP2を運転している場合を例にとると、空気等の気泡を含む気液固相の混相流は、多孔板15nの孔Hnを通るように上向きに流動するが、その流れは上方に位置する多孔板15n−1によって遮断又は遮へいされ、一部が下方に向きを変えられる。よって、その部位では、上昇流と下降流が複雑に混合し撹乱されて渦流等を含む乱流状態が絶え間なく生起される(図4参照)。このような状態は、各多孔板15nの各孔Hn近傍の部位で引き起こされ、全体として被処理液の攪拌が十分に行われる。逆に、ポンプP1を運転している状態においても、多孔板群15によって多孔板15n間に渦流が生起され、十分な攪拌が行われる(撹拌工程)。
【0037】
この結果、被処理液中の汚泥が容易に粒状化して、粒状汚泥を容易に得ることができる。しかも、この造粒装置2によれば、ピンセット等で採取した時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。なお、汚泥の粒状化と、被処理液の撹拌との因果関係は明らかではないが、被処理液中に生じる渦流により汚泥同士が頻繁に衝突し合い、これにより汚泥同士の凝集、又は汚泥フロックの圧密が促進されて、汚泥の粒状化が促進されるのではないかと考えられる。さらに、多孔板15nへの水流の衝突により渦流が形成されることも、汚泥粒状化の促進に寄与しているのではないかと考えられる。
【0038】
また、ポンプP1,P2の運転を切り替えて、容器11内の被処理液と空気等との混相流の流れの向きを逐次反転するので、多孔板15n間に不可避的に生じ得る滞留を解消できる。よって、空気等による被処理液の攪拌を更に促進することができる。したがって、汚泥の粒状化を一段と促進することができる。しかも、多孔板群15を駆動することなく、液流方向の交互切り替えによる攪拌を行うので、可動部を少なくして装置の信頼性及び保守性を向上できると共に、動力使用量の増大を防止できる。
【0039】
さらに、多孔板群15における各多孔板15nに形成された孔Hnが千鳥格子状に配置されることにより、渦流の発生効果が高められるので、多数の孔を同軸状に同一位置に配置した場合に比して、汚泥の粒状化を一層促進することができる。
【0040】
加えて、容器11内壁によって多孔板群15の周囲が覆われているので、混相流が各多孔板15nの径方向(外周へ向かう方向)へ拡散又は放散することが妨げられる。よって、混相流の流圧の低下が抑止され、或いは流圧が高められ、被処理液が一層強力に攪拌される。よって、生物汚泥の粒状化を更に一層促進できる。
【0041】
図5は、汚泥処理部4の好適な他の例としての反応装置20を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置20は、ポンプP1,P2が設けられた管路L51,L52の代わりに、図示矢印t3で示す方向に吐出するポンプP3に接続された管路L53,L54が循環管路L50に接続されたこと以外は、図2に示す反応装置10と同様に構成されたものである。管路L53は三方弁V33を有する分岐管路であり、管路L50における管路L53が接続された部位間には三方弁V34が設けられている。
【0042】
管路L54は、管路L50,L53間をバイパスするように、それらの三方弁V33,V34に接続されている。すなわち、管路L50に三方弁V33,V34を介して1台のポンプP3が接続されている。このように循環管路L50,分岐管路L53,L54、三方弁V33,V34、及びポンプP3から液循環部が構成されている。また、反応装置20は攪拌部を兼ねるものである。
【0043】
このように構成された反応装置20を備える造粒装置2によれば、ポンプP3を運転した状態で、三方弁V33,V34の各弁の開閉操作により、被処理液の循環流の方向を切り替えることが可能である。具体的には、容器11内の上昇流を生起させるには、管路L50において被処理液を図示矢印X方向に流通させる。一方、容器11内の下降流を生起させるには、管路L50において被処理液を図示矢印Y方向に流通させる。これにより、一台のポンプP3のみで、被処理液の流路を随時切り替えることができ、汚泥の粒状化が促進され、粒状汚泥を容易に得ることができる。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0044】
図6は、汚泥処理部4の好適な更に他の例としての反応装置30を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置30は、支柱13の代わりに駆動部35に上端部が接続されたシャフト33に多孔板群15が結合されており、且つ、管路L50,L51,L52等及びポンプP1,P2を有しないこと以外は、反応装置10と同様に構成されたものである。シャフト33の下端部は、図示しない軸受けにより支持され、駆動部35の運転により、図示矢印A方向(すなわち、鉛直方向)に一定周期及びストロークで上下移動される。このように、反応装置30は攪拌部を兼ねるものである。
【0045】
これにより、多孔板群15と被処理液との相対的な流動が生じ、その流動方向が多孔板群15の駆動周期で頻繁に切り替わり、上述したような被処理液と空気等との混相流の渦流が生起され、強力な攪拌が行われる。その結果、被処理液中の汚泥の粒状化が促進される。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0046】
図7は、汚泥処理部4の好適な更に別の他の例としての反応装置40を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置40は、シャフト33の代わりに外部の支持体に端部が固定された支柱43に多孔板群15が設置されており、且つ、容器11が駆動部45に結合されたこと以外は、反応装置30と同様に構成されたものである。容器11の上壁及び底壁における支柱43の貫通部は、摺動可能に密封されている。このような反応装置40においては、多孔板群15を駆動する代わりに、駆動部45の運転によって容器11全体を図示矢印B方向(すなわち、鉛直方向)に一定周期及びストロークで上下移動される。このように、反応装置40は攪拌部を兼ねるものである。
【0047】
これにより、多孔板群15と被処理液との相対的な流動が生じ、その流動方向が容器11の駆動周期で頻繁に切り替わり、上述したような被処理液と空気等との混相流の渦流が生起され、強力な攪拌が行われる。その結果、汚泥の粒状化が促進される。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0048】
図8は、汚泥処理部4の好適な更に他の例としての反応装置50を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置50は、三方弁V33,V34の代わりに、それぞれ2台の二方弁V33a,V33b、及びV34a,V34bを備えること以外は、図5に示す反応装置20と同様に構成されたものである。これらの二方弁V33a,V33b,V34a,V34bの切り替えにより、三方弁V33,V34による反応装置20におけるとの同等の循環流を形成させることができる。また、例えばスケジュール100A程度の配管を用いる場合には、経済性の観点から有利である。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、各反応装置10〜40における容器11内には、多孔板群15の代わりに、被処理液の流動方向を一部遮断又は遮へいし得る他の部材、例えば、駆動可能な又は駆動しないフィン部材、プロペラ部材、他の板状体、櫛状体、網状体等、或いはそれらを組み合わせたもの等を設置してもよい。また、各多孔板15nに形成された孔Hnの形状は図示のものに限定されない。さらに、反応装置30,40の容器11に、反応装置10,20を構成するポンプP1,P2又はポンプP3を有する管路L50を設置し、多孔板群15又は容器11の駆動と、ポンプにより被処理液の強制循環を組み合わせて実施してもよい。また上記実施形態では、被処理液を空気等で曝気しているが、被処理液を空気等で曝気することは必ずしも必要なものではない。被処理液を空気等で曝気しなくても、被処理液中に渦流が生じるように被処理液が撹拌されていれば、粒状汚泥を容易に製造することができ、その粒状汚泥は、採取時にピンセット等で破壊されない程度の強度を持ち得る。
【0050】
また、上記実施形態では、沈殿槽1から排出された汚泥を造粒装置2により粒状化しているが、粒状化の対象となる汚泥は、沈殿槽1から排出されるものに限定されるものではなく、例えば活性汚泥槽で生成される余剰汚泥であってもよい。
【0051】
さらに、造粒装置2で製造された粒状汚泥は、管路L3を経て粒状汚泥回収槽3に回収しているが、管路L3、粒状汚泥回収槽3は、必ずしも必要なものではない。例えば造粒装置2の容器11の底部に取出口が形成されている場合には、粒状汚泥を取出口より直接的に回収してもよい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
〈実施例1〉
図6に示す反応装置30を汚泥処理部4として備える造粒装置2と同等の構成を有する装置を準備した。この反応装置30は、有効容積20L(リットル;以下同様)の筒状容器11に、多孔板15n(直径13cmφ、孔径は8mmφ)が6cm間隔で16枚設けられた多孔板群15が内設されたものである。そして、この反応装置30内に、フロック状の汚泥を含む被処理液を、10L/hの流量で供給した。
【0054】
そして、多孔板群15を30rpmの駆動周期で上下動させつつ、容器11内に空気を1L/minの流量で供給し、汚泥の粒状化処理を実施した。なお、処理に際し、容器11内の被処理液の温度を常温(25℃前後)に保持した。
【0055】
汚泥の粒状化処理の結果、反応装置30から排出される被処理液を回収して観察したところ、直径0.5〜3mm程度の粒状汚泥が生成されていた。このように、生物汚泥を含む被処理液を造粒装置2に供給し、多孔板群を鉛直方向に上下動させるだけで、撹拌強度を表すいわゆるG値の調整や、有機物負荷の調整、糸状菌の投入といった面倒な作業をしなくても、粒状汚泥を容易に生成できることが分かった。
【0056】
更にこの粒状汚泥をピンセットで被処理液から採取したところ、いずれの粒状汚泥も破壊されなかった。
【0057】
以上のことから、本発明の粒状汚泥の製造装置により、粒状汚泥を容易に製造できることが分かった。また、本発明の粒状汚泥の製造装置により、高強度の粒状汚泥が得られることも分かった。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の粒状汚泥の製造装置及び製造方法によれば、生物汚泥を含む被処理液中の液流を遮断し又は液流の向きを変化させ、被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌することにより、粒状汚泥を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粒状汚泥の製造装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】汚泥処理部の好適な一例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図3】図2の反応装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図3の多孔板群の一部を示す模式断面図である。
【図5】汚泥処理部の好適な他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図6】汚泥処理部の好適な更に他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図7】汚泥処理部の好適な更に別の他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図8】汚泥処理部4の好適な更に別の他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図9】従来の粒状汚泥の製造装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2…粒状汚泥の製造装置、4…汚泥処理部、5…ガス供給源(曝気手段)、10,20,30,40…反応装置(汚泥処理部,攪拌部)、11…容器、15…多孔板群、15n…多孔板、35,45…駆動部、Hn…孔、P1,P2,P3…ポンプ、V33,V34…三方弁、V33a,V33b,V34a,V34b…二方弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラニュール等の粒状汚泥の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、汚泥を含む被処理液の循環流を形成することにより粒状汚泥を製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。図9は、粒状汚泥を製造する装置の一例を示す断面図である。図9に示すように、この製造装置200は、曝気槽201の槽内液中に仕切板202を浸漬して循環流路を形成し、仕切板202の一方の側では、底部に設けた散気部203からエアを供給して上昇液流を形成し、他方の側には下降液流を形成し、これにより曝気槽201内に循環流を形成して、グラニュール等の粒状汚泥を製造するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−261385号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した公報に記載の粒状汚泥の製造装置200は、以下に示す課題を有していた。
【0005】
即ち上記製造装置200では、粒状汚泥を形成するために、エアリフトによる撹拌強度を表すいわゆるG値の厳密な調整が必要であったり、有機物の分解に寄与する糸状菌を使用する必要があったり、曝気槽201に導入される有機物の負荷の調整も必要であったりしたため、粒状汚泥を製造することが決して容易でなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、粒状汚泥を容易に製造することができる粒状汚泥の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による粒状汚泥の製造装置は、生物汚泥を含む被処理液が供給される汚泥処理部を備えており、汚泥処理部が、被処理液中の液流を遮断し又は液流の向きを変化させることにより被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌する撹拌部を有し、撹拌部が、汚泥処理部を構成する容器内に被処理液の液流を妨げるように設けられる少なくとも1つの邪魔板を有することを特徴とする。
【0008】
この粒状汚泥の製造装置によれば、生物汚泥を含む被処理液が汚泥処理部に供給される。そして、汚泥処理部を構成する容器内において、撹拌部の邪魔板により、被処理液の液流が遮断され又は液流の向きが変化され、被処理液中に渦流が生じて被処理液が撹拌される。これにより、粒状汚泥を容易に製造することができる。また、この製造装置によれば、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【0009】
上記粒状汚泥の製造装置は、汚泥処理部にガスを供給して被処理液を曝気する曝気手段を更に備えることが好ましい。曝気手段により汚泥処理部における被処理液が曝気されると、被処理液の液流が一段と乱され、汚泥の粒状化が一段と促進される。
【0010】
上記邪魔板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有する多孔板であり、撹拌部が多孔板を複数有し、それら複数の多孔板は、該複数の多孔板のうち少なくとも一つの多孔板に形成された前記複数の孔のうち少なくとも一つの第1の孔が、該多孔板に隣接配置された他の多孔板に形成され且つ該第1の孔から最短距離に位置する第2の孔と非同軸状に設けられたものであることが好ましい。
【0011】
こうすれば、互いに隣り合う多孔板にそれぞれ設けられた第1の孔及び第2の孔が、互いの中心(軸)位置が交互に異なるように配列される。通常、多孔板における孔位置及びその近傍は、孔が設けられていない部位に比して流体流動に対して圧力損失が小さいため、多孔板間を流動する被処理液は、互いに非同軸状に形成された第1の孔から第2の孔の位置を通るように蛇行する。これにより、渦流が生じ易くなり、攪拌が一層助長される。
【0012】
より具体的には、複数の多孔板のうち互いに隣接配置された二つの多孔板に形成された複数の孔が、千鳥格子状(千鳥模様状、千鳥足状)に配置されるように設けられたものであると有用である。すなわち、一方の多孔板に形成された複数の上記第1の孔と、それに隣接する他方の多孔板に形成された複数の上記第2の孔とが、すべて非同軸状に配置されたものであると好ましい。例えば、孔の穿設位置が多孔板毎に異なる場合には、多孔板を同軸状に配置すればよく、或いは、孔の穿設位置が多孔板同士で同じ場合には、多孔板を非同軸状に配置すればよい。また、多孔板内又は多孔板間で全ての孔径が同一であってもよいが、それらの一部又は全部が異なっていても構わない。このようにすれば、多孔板の全体にわたって渦流が発生し易くなり、攪拌効率が更に向上される。
【0013】
さらにまた、攪拌部が、前記少なくとも1つの邪魔板、及び、上記の容器のうち少なくともいずれか一方を駆動させる駆動部を有すると好ましい。
【0014】
このようにすれば、被処理液を、多孔板に対して一方向、好ましくは複数方向、特に好ましくは複数方向に交互に繰り返して流動させ得る。よって、渦流の程度(激しさ)が更に高められ、より強力な攪拌効果が得られる。より具体的には、往復駆動(上下動等)する駆動軸(シャフト)等から成る駆動部に多孔板が接続された構成、多孔板が固定され且つ汚泥処理部の容器が駆動又は揺動(上下動等)するような構成、等を例示できる。
【0015】
或いは、攪拌部が、上記の容器に接続されており、その容器内に被処理液を循環流通させ、且つ、被処理液の流通方向を互いに異なる複数の方向に切り替える液循環部を有しても好ましい。こうすれば、被処理液を一定方向へ循環させるだけでなく、所望の頻度(間隔)で、その流動方向を随時切り替えることができる。したがって、多孔板又は容器を駆動させることなく、より強力な攪拌効果が得られる。
【0016】
具体的には、液循環部が、容器に接続された少なくとも一つの循環路(管路、ライン等)と、各循環路に吐出方向が互いに異なるように且つ並列に設けられた少なくとも二台のポンプとを有すると好ましい。この場合、二台のポンプを随時切り替えることにより、循環ラインと容器内を流通する被処理液の流路方向が切り替えられる(例えば、反転される。)。
【0017】
或いは、液循環部が、容器に接続された少なくとも一つの循環ラインと、各循環ラインに設けられた二つの三方弁と、それら二つの三方弁に接続された一台のポンプとを有しても好適である。この場合、一台のポンプを用いても、各三方弁に備わる各弁の開閉を調節・制御することにより、循環ラインと容器内を流通する被処理液の流路方向が切り替えられる(例えば、反転される。)。
【0018】
さらに、上記複数の孔がそれぞれ円柱状であり、その孔の直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔の直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔に詰まる可能性もある。
【0019】
また本発明による粒状汚泥の製造方法は、生物汚泥を含む被処理液中に、少なくとも1つの邪魔板を用いて液流を遮断し又は前記液流の向きを変化させることにより前記被処理液中に渦流を生じせしめて、被処理液を攪拌する撹拌工程を含むことを特徴とする。
【0020】
この製造方法によれば、粒状汚泥を容易に製造することができる。また、この製造方法により、採取時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。
【0021】
上記撹拌工程においては、被処理液を曝気することが好ましい。汚泥処理部における被処理液が曝気されると、被処理液の液流が一段と乱され、汚泥の粒状化が一段と促進される。
【0022】
上記撹拌工程においては、少なくとも1つの邪魔板を所定方向に往復移動させることが好ましい。このようにすれば、被処理液の渦流の程度(激しさ)が更に高められ、より強力な攪拌効果が得られる。
【0023】
上記邪魔板が複数の孔を有し、複数の孔のそれぞれが円柱状であり、その孔の直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔の直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔に詰まる可能性もある。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明による粒状汚泥の製造装置(以下、「造粒装置」と呼ぶ)の一実施形態を模式的に示す構成図であり、造粒装置を適用した汚泥処理設備を示している。図1に示す汚泥処理設備100は、有機性排水を活性汚泥処理した生物処理液を固液分離する沈殿槽1と、沈殿槽1から排出される被処理液中の汚泥を粒状化して粒状汚泥を製造する造粒装置2と、造粒装置2で得られた粒状汚泥を回収する粒状汚泥回収槽3とを備えている。なお、沈殿槽1は、固形物の重力沈降を利用した固液分離槽であり、生物処理液中の汚泥を重力により沈降させて生物処理液から分離するものであり、沈殿槽1の底部に溜まった汚泥は、重力により濃縮されるようになっている。
【0026】
造粒装置2は、被処理液が供給される汚泥処理部4と、汚泥処理部4に供給するガスを貯留又は発生するガス供給源5とを備えており、汚泥処理部4は、被処理液の移送管路L1を介して沈殿槽1に接続され、管路L2を介してガス供給源5に接続されている。また汚泥処理部4は、粒状汚泥の排出管路L3を介して粒状汚泥回収槽3に接続されている。また管路L1にはポンプP4が設置され、ポンプP4の作動により沈殿槽1から排出される被処理液が汚泥処理部4に供給されるようになっている。
【0027】
この被処理液は、管路L1を通して汚泥処理部4に供給されると共に、ガス供給源5から管路L2を通して空気等が曝気供給される。後述するように、汚泥処理部4では、このように空気等が供給された被処理液の攪拌が行われ、被処理液中の汚泥が粒状化されて粒状汚泥が形成される。この粒状汚泥は、管路L3を経て粒状汚泥回収槽3へ移送される。
【0028】
以下、汚泥処理部4の諸例について説明する。図2は、汚泥処理部4の好適な一例としての反応装置10を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置10では、略筒状を成す容器11内に、多数の多孔板(邪魔板)15n(添字nは、任意位置を示す。)が所定間隔で棒状の支柱13に固定配置された多孔板群15(攪拌部)が略同軸状に設けられている。なお、容器11は、密閉されていてもよいし、密閉されていなくてもよい。容器11の上部及び底部には、循環管路L50の各端部が接続されており、この循環管路L50の途中には、並列に配設されたポンプP1,P2をそれぞれ有する分岐管路L51,L52が設置されている。ポンプP1,P2の吐出方向は、それぞれ図示矢印t1,t2で示すように互いに逆方向とされている。このように循環管路L50,分岐管路L51,L52、及びポンプP1,P2から液循環部が構成されている。また、反応装置10は攪拌部を兼ねるものである。
【0029】
また、容器11の底部には、管路L1が接続され、被処理液Wが容器11の下部に供給されるようになっている。一方、管路L3が容器11の上部壁に接続されており、粒状汚泥が容器11の上部から管路L3を経て粒状汚泥回収槽3へ送られるようになっている。さらに、ガス供給源5に接続された管路L2は、流量調整バルブV21,V22を有し且つそれぞれ容器11の底部及び管路L50の双方に接続された分岐管路L21,L22に分かれている。
【0030】
ここで、図3は、反応装置10の要部を示す斜視図であり、多孔板群15の一部を示す。また、図4は、多孔板群15の一部を示す模式断面図である。両図に示す如く、各多孔板15nには、その厚み方向に貫通する複数の孔Hnが形成されている。また、任意の位置の多孔板15nは、隣接する多孔板15n−1及び15n+1に対し、各多孔板15n−1,n,n+1と重ね合わせたときに、多孔板15nに形成された孔(第1の孔)Hnと各多孔板15n−1,n,n+1に形成された孔(第2の孔)Hn−1,n,n+1の位置が一致しないように配置されている。
【0031】
換言すれば、多孔板群15は、互いに隣接された一方の多孔板15nに形成された複数の孔Hnと他方の多孔板15n−1,n+1に形成された複数の孔Hn−1,n+1とが、平面位置が互いに異なって配置されるように設けられている。すなわち、隣接された多孔板15n毎に、孔Hの中心(軸)位置が交互に異なるように千鳥格子状(千鳥模様状、千鳥足状)に配列されている。さらに言えば、複数の多孔板15nのうち、任意に選択される隣接配置された二つの多孔板15nのうち一方の多孔板15nに形成された孔Hn(第1の孔)と、他方の多孔板15n−1,n+1に形成された孔Hn−1,n+1のうちその第1の孔と最短距離に位置する孔(第2の孔)とが、非同軸状(即ち第1の孔を通る軸線上に、その第1の孔から最短距離に位置する孔がない状態)に設けられている。
【0032】
ここで、多孔板15nに形成された複数の孔Hnのそれぞれが円柱状であり、その孔Hnの直径が5〜20mmであることが好ましい。この場合、汚泥の粒状化がより促進される。孔Hnの直径が上記範囲を外れると、粒状汚泥が形成されないか、或いは汚泥の粒状化の進行が遅くなる傾向がある。また生成された粒状汚泥が孔Hnに詰まる可能性もある。
【0033】
次に、上記のように構成された反応装置10を汚泥処理部4として備える造粒装置2を運転し、粒状汚泥を製造する方法の一例について説明する。
【0034】
まず、管路L1を通して、被処理液Wを容器11の内側且つ下側の位置に導入する。被処理液の供給と共に或いは一定の液量となった後、ガス供給源5から管路L21を通して容器11の下部に空気等を曝気供給する。また、ポンプP1を運転すると共に、管路L22を通して管路L50の他端側に空気等を曝気供給する。
【0035】
そして、被処理液の供給流量を調整し、例えば、管路L50の一端が接続された上部の排出口よりも液面がやや高くなるような液量に維持しながら、空気等を供給した状態で被処理液を容器11内で強制循環させる。この時、被処理液は、多孔板群15を下向きに流通する。そして、一定時間ポンプP1の運転を行った後、ポンプP1を停止すると共に、ポンプP2を運転する。こうして、容器11内の循環流を逆向きとし、被処理液を上向きに流通させる。
【0036】
ここで、ポンプP2を運転している場合を例にとると、空気等の気泡を含む気液固相の混相流は、多孔板15nの孔Hnを通るように上向きに流動するが、その流れは上方に位置する多孔板15n−1によって遮断又は遮へいされ、一部が下方に向きを変えられる。よって、その部位では、上昇流と下降流が複雑に混合し撹乱されて渦流等を含む乱流状態が絶え間なく生起される(図4参照)。このような状態は、各多孔板15nの各孔Hn近傍の部位で引き起こされ、全体として被処理液の攪拌が十分に行われる。逆に、ポンプP1を運転している状態においても、多孔板群15によって多孔板15n間に渦流が生起され、十分な攪拌が行われる(撹拌工程)。
【0037】
この結果、被処理液中の汚泥が容易に粒状化して、粒状汚泥を容易に得ることができる。しかも、この造粒装置2によれば、ピンセット等で採取した時に破壊されない程度の強度を持つ粒状汚泥を得ることが可能となる。なお、汚泥の粒状化と、被処理液の撹拌との因果関係は明らかではないが、被処理液中に生じる渦流により汚泥同士が頻繁に衝突し合い、これにより汚泥同士の凝集、又は汚泥フロックの圧密が促進されて、汚泥の粒状化が促進されるのではないかと考えられる。さらに、多孔板15nへの水流の衝突により渦流が形成されることも、汚泥粒状化の促進に寄与しているのではないかと考えられる。
【0038】
また、ポンプP1,P2の運転を切り替えて、容器11内の被処理液と空気等との混相流の流れの向きを逐次反転するので、多孔板15n間に不可避的に生じ得る滞留を解消できる。よって、空気等による被処理液の攪拌を更に促進することができる。したがって、汚泥の粒状化を一段と促進することができる。しかも、多孔板群15を駆動することなく、液流方向の交互切り替えによる攪拌を行うので、可動部を少なくして装置の信頼性及び保守性を向上できると共に、動力使用量の増大を防止できる。
【0039】
さらに、多孔板群15における各多孔板15nに形成された孔Hnが千鳥格子状に配置されることにより、渦流の発生効果が高められるので、多数の孔を同軸状に同一位置に配置した場合に比して、汚泥の粒状化を一層促進することができる。
【0040】
加えて、容器11内壁によって多孔板群15の周囲が覆われているので、混相流が各多孔板15nの径方向(外周へ向かう方向)へ拡散又は放散することが妨げられる。よって、混相流の流圧の低下が抑止され、或いは流圧が高められ、被処理液が一層強力に攪拌される。よって、生物汚泥の粒状化を更に一層促進できる。
【0041】
図5は、汚泥処理部4の好適な他の例としての反応装置20を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置20は、ポンプP1,P2が設けられた管路L51,L52の代わりに、図示矢印t3で示す方向に吐出するポンプP3に接続された管路L53,L54が循環管路L50に接続されたこと以外は、図2に示す反応装置10と同様に構成されたものである。管路L53は三方弁V33を有する分岐管路であり、管路L50における管路L53が接続された部位間には三方弁V34が設けられている。
【0042】
管路L54は、管路L50,L53間をバイパスするように、それらの三方弁V33,V34に接続されている。すなわち、管路L50に三方弁V33,V34を介して1台のポンプP3が接続されている。このように循環管路L50,分岐管路L53,L54、三方弁V33,V34、及びポンプP3から液循環部が構成されている。また、反応装置20は攪拌部を兼ねるものである。
【0043】
このように構成された反応装置20を備える造粒装置2によれば、ポンプP3を運転した状態で、三方弁V33,V34の各弁の開閉操作により、被処理液の循環流の方向を切り替えることが可能である。具体的には、容器11内の上昇流を生起させるには、管路L50において被処理液を図示矢印X方向に流通させる。一方、容器11内の下降流を生起させるには、管路L50において被処理液を図示矢印Y方向に流通させる。これにより、一台のポンプP3のみで、被処理液の流路を随時切り替えることができ、汚泥の粒状化が促進され、粒状汚泥を容易に得ることができる。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0044】
図6は、汚泥処理部4の好適な更に他の例としての反応装置30を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置30は、支柱13の代わりに駆動部35に上端部が接続されたシャフト33に多孔板群15が結合されており、且つ、管路L50,L51,L52等及びポンプP1,P2を有しないこと以外は、反応装置10と同様に構成されたものである。シャフト33の下端部は、図示しない軸受けにより支持され、駆動部35の運転により、図示矢印A方向(すなわち、鉛直方向)に一定周期及びストロークで上下移動される。このように、反応装置30は攪拌部を兼ねるものである。
【0045】
これにより、多孔板群15と被処理液との相対的な流動が生じ、その流動方向が多孔板群15の駆動周期で頻繁に切り替わり、上述したような被処理液と空気等との混相流の渦流が生起され、強力な攪拌が行われる。その結果、被処理液中の汚泥の粒状化が促進される。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0046】
図7は、汚泥処理部4の好適な更に別の他の例としての反応装置40を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置40は、シャフト33の代わりに外部の支持体に端部が固定された支柱43に多孔板群15が設置されており、且つ、容器11が駆動部45に結合されたこと以外は、反応装置30と同様に構成されたものである。容器11の上壁及び底壁における支柱43の貫通部は、摺動可能に密封されている。このような反応装置40においては、多孔板群15を駆動する代わりに、駆動部45の運転によって容器11全体を図示矢印B方向(すなわち、鉛直方向)に一定周期及びストロークで上下移動される。このように、反応装置40は攪拌部を兼ねるものである。
【0047】
これにより、多孔板群15と被処理液との相対的な流動が生じ、その流動方向が容器11の駆動周期で頻繁に切り替わり、上述したような被処理液と空気等との混相流の渦流が生起され、強力な攪拌が行われる。その結果、汚泥の粒状化が促進される。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0048】
図8は、汚泥処理部4の好適な更に他の例としての反応装置50を備えた造粒装置2を示す模式断面図(一部構成図)である。反応装置50は、三方弁V33,V34の代わりに、それぞれ2台の二方弁V33a,V33b、及びV34a,V34bを備えること以外は、図5に示す反応装置20と同様に構成されたものである。これらの二方弁V33a,V33b,V34a,V34bの切り替えにより、三方弁V33,V34による反応装置20におけるとの同等の循環流を形成させることができる。また、例えばスケジュール100A程度の配管を用いる場合には、経済性の観点から有利である。なお、汚泥の粒状化に関する他の作用効果については、図2に示す反応装置10と実質的に同等であり、重複説明を避けるため、ここでの詳述は省略する。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、各反応装置10〜40における容器11内には、多孔板群15の代わりに、被処理液の流動方向を一部遮断又は遮へいし得る他の部材、例えば、駆動可能な又は駆動しないフィン部材、プロペラ部材、他の板状体、櫛状体、網状体等、或いはそれらを組み合わせたもの等を設置してもよい。また、各多孔板15nに形成された孔Hnの形状は図示のものに限定されない。さらに、反応装置30,40の容器11に、反応装置10,20を構成するポンプP1,P2又はポンプP3を有する管路L50を設置し、多孔板群15又は容器11の駆動と、ポンプにより被処理液の強制循環を組み合わせて実施してもよい。また上記実施形態では、被処理液を空気等で曝気しているが、被処理液を空気等で曝気することは必ずしも必要なものではない。被処理液を空気等で曝気しなくても、被処理液中に渦流が生じるように被処理液が撹拌されていれば、粒状汚泥を容易に製造することができ、その粒状汚泥は、採取時にピンセット等で破壊されない程度の強度を持ち得る。
【0050】
また、上記実施形態では、沈殿槽1から排出された汚泥を造粒装置2により粒状化しているが、粒状化の対象となる汚泥は、沈殿槽1から排出されるものに限定されるものではなく、例えば活性汚泥槽で生成される余剰汚泥であってもよい。
【0051】
さらに、造粒装置2で製造された粒状汚泥は、管路L3を経て粒状汚泥回収槽3に回収しているが、管路L3、粒状汚泥回収槽3は、必ずしも必要なものではない。例えば造粒装置2の容器11の底部に取出口が形成されている場合には、粒状汚泥を取出口より直接的に回収してもよい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
〈実施例1〉
図6に示す反応装置30を汚泥処理部4として備える造粒装置2と同等の構成を有する装置を準備した。この反応装置30は、有効容積20L(リットル;以下同様)の筒状容器11に、多孔板15n(直径13cmφ、孔径は8mmφ)が6cm間隔で16枚設けられた多孔板群15が内設されたものである。そして、この反応装置30内に、フロック状の汚泥を含む被処理液を、10L/hの流量で供給した。
【0054】
そして、多孔板群15を30rpmの駆動周期で上下動させつつ、容器11内に空気を1L/minの流量で供給し、汚泥の粒状化処理を実施した。なお、処理に際し、容器11内の被処理液の温度を常温(25℃前後)に保持した。
【0055】
汚泥の粒状化処理の結果、反応装置30から排出される被処理液を回収して観察したところ、直径0.5〜3mm程度の粒状汚泥が生成されていた。このように、生物汚泥を含む被処理液を造粒装置2に供給し、多孔板群を鉛直方向に上下動させるだけで、撹拌強度を表すいわゆるG値の調整や、有機物負荷の調整、糸状菌の投入といった面倒な作業をしなくても、粒状汚泥を容易に生成できることが分かった。
【0056】
更にこの粒状汚泥をピンセットで被処理液から採取したところ、いずれの粒状汚泥も破壊されなかった。
【0057】
以上のことから、本発明の粒状汚泥の製造装置により、粒状汚泥を容易に製造できることが分かった。また、本発明の粒状汚泥の製造装置により、高強度の粒状汚泥が得られることも分かった。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の粒状汚泥の製造装置及び製造方法によれば、生物汚泥を含む被処理液中の液流を遮断し又は液流の向きを変化させ、被処理液中に渦流を生じせしめて被処理液を攪拌することにより、粒状汚泥を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粒状汚泥の製造装置の一実施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】汚泥処理部の好適な一例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図3】図2の反応装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図3の多孔板群の一部を示す模式断面図である。
【図5】汚泥処理部の好適な他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図6】汚泥処理部の好適な更に他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図7】汚泥処理部の好適な更に別の他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図8】汚泥処理部4の好適な更に別の他の例としての反応装置を備えた粒状汚泥の製造装置を示す模式断面図(一部構成図)である。
【図9】従来の粒状汚泥の製造装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2…粒状汚泥の製造装置、4…汚泥処理部、5…ガス供給源(曝気手段)、10,20,30,40…反応装置(汚泥処理部,攪拌部)、11…容器、15…多孔板群、15n…多孔板、35,45…駆動部、Hn…孔、P1,P2,P3…ポンプ、V33,V34…三方弁、V33a,V33b,V34a,V34b…二方弁。
Claims (11)
- 生物汚泥を含む被処理液が供給される汚泥処理部を備えており、
前記汚泥処理部が、前記被処理液中の液流を遮断し又は前記液流の向きを変化させることにより前記被処理液中に渦流を生じせしめて前記被処理液を攪拌する撹拌部を有し、
前記撹拌部が、前記汚泥処理部を構成する容器内に前記被処理液の液流を妨げるように設けられる少なくとも1つの邪魔板を有する、
ことを特徴とする粒状汚泥の製造装置。 - 前記汚泥処理部にガスを供給して前記被処理液を曝気する曝気手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の粒状汚泥の製造装置。
- 前記邪魔板が、厚み方向に貫通する複数の孔を有する多孔板であり、前記撹拌部が前記多孔板を複数有し、
それら複数の多孔板は、該複数の多孔板のうち少なくとも一つの多孔板に形成された前記複数の孔のうち少なくとも一つの第1の孔が、該多孔板に隣接配置された他の多孔板に形成され且つ該第1の孔から最短距離に位置する第2の孔と非同軸状に設けられたものである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状汚泥の製造装置。 - 前記複数の多孔板は、該複数の多孔板のうち互いに隣接配置された二つの多孔板に形成された前記複数の孔が、千鳥格子状に配置されるように設けられたものである、ことを特徴とする請求項3に記載の粒状汚泥の製造装置。
- 前記攪拌部は、前記少なくとも1つの邪魔板、及び、前記容器のうち少なくともいずれか一方を駆動させる駆動部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒状汚泥の製造装置。
- 前記攪拌部は、前記容器に接続されており、該容器内に前記被処理液を循環流通させ、且つ、該被処理液の流通方向を互いに異なる複数の方向に切り替える液循環部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒状汚泥の製造装置。
- 前記複数の孔がそれぞれ円柱状であり、その孔の直径が5〜20mmであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の粒状汚泥の製造装置。
- 生物汚泥を含む被処理液中に、少なくとも1つの邪魔板を用いて液流を遮断し又は前記液流の向きを変化させることにより前記被処理液中に渦流を生じせしめて、前記被処理液を攪拌する撹拌工程を含むことを特徴とする粒状汚泥の製造方法。
- 前記撹拌工程においては、前記被処理液を曝気することを特徴とする請求項8に記載の粒状汚泥の製造方法。
- 前記撹拌工程においては、前記少なくとも1つの邪魔板を所定方向に往復移動させることを特徴とする請求項8又は9に記載の粒状汚泥の製造方法。
- 前記邪魔板が複数の孔を有し、前記複数の孔のそれぞれが円柱状であってその孔の直径が5〜20mmであることを特徴とする請求項10に記載の粒状汚泥の製造方法。
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JP2008284427A (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd | 排水処理装置及び排水処理方法 |
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- 2003-03-31 JP JP2003094029A patent/JP2004298726A/ja active Pending
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