JP2004298573A

JP2004298573A - リハビリ装具

Info

Publication number: JP2004298573A
Application number: JP2003098342A
Authority: JP
Inventors: Masatoshi Nakamura; 政俊中村; Takenao Sugi; 剛直杉; Koei Nanri; 光栄南里; Takao Hotokebuchi; 孝夫佛淵; Toyoko Asami; 豊子浅見; Yoshimasa Yamaguchi; 能正山口
Original assignee: SAGAKEN CHIIKI SANGYO SHIEN CT; Saga Prefectural Regional Industry Support Center
Current assignee: SAGAKEN CHIIKI SANGYO SHIEN CT; Saga Prefectural Regional Industry Support Center
Priority date: 2003-04-01
Filing date: 2003-04-01
Publication date: 2004-10-28
Anticipated expiration: 2023-04-01
Also published as: JP4224335B2

Abstract

【課題】各患者の症状に応じた、細かい治療を簡便に行えるリハビリ装具を提供することを目的とする。
【解決手段】拘縮などの原因によって手の指を自由に動かせない病状で、外力によって指を動かして、指が再び動くようにリハビリを行う必要のある患者に対して、形状記憶合金を用いた駆動装置２を有し、自動的に指の曲げ伸ばし動作を行うことができるリハビリ装具によって、指動作の機能を回復させるようにする。
【選択図】図４

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
医療のリハビリテーション分野において、手の拘縮など指に運動機能障害が残る患者に対して、指の動作回復を行うためのリハビリ装具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、装着した手袋の指先にゴムを取り付け、このゴムを手首位置のフックに引っかけることで、指を固定する装具はあったが、１つの状態を維持するのみで、指を動作させることはできず、指の状態を変更するには、頻繁に装具を取り付け直さなければならないという問題点を抱えていた。
【０００３】
他の例として、平面風船上の本体に手袋等によって手を固定し、エアーポンプによって空気注入することで指の開閉動作を行うリハビリ装具（特許文献１参照）はあったが、症状に応じて各指を独立に動作させることはできない、また、エアーポンプの静粛性と重量について問題点を抱えていた。
【０００４】
さらに他の例として、風船体に空気を注入し指の開閉動作を行うリハビリ装具（特許文献２参照）はあったが、症状に応じて各指を独立に動作させることはできないという問題点、風船対への空気注入は人の手による必要があり自動的にはできないという問題点を抱えていた。
【０００５】
【特許文献１】
特開平１０−３３６０４号公報
【０００６】
【特許文献２】
特開２００２−９５７１１号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すように従来例においては、非自動で別の状態にするには装具を装着しなおす必要や、自動式でも動力源に大きな設備を要したり、人手を必要としていた。また、いずれも指全体を一度に同じ動きで補助するものであり細かい対応ができない等の課題があった。
【０００８】
そこで、本発明は、各患者の症状に応じた、細かい治療を簡便に行えるリハビリ装具を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明のリハビリ装具は、拘縮などの原因によって手の指を自由に動かせない病状で、外力によって指を動かして、指が再び動くようにリハビリを行う必要のある患者に対して、形状記憶合金を用いた駆動装置を有し、自動的に指の曲げ伸ばし動作を行うことができるリハビリ装具によって、指動作の機能を回復させるようにすることにより前記課題を解決しようとするものである。
【００１０】
請求項１に記載の発明は、手の拘縮など指に運動機能障害が残る患者の指の動作回復を行うためのリハビリ装具において、患者の手に取り付ける装具部と、前記装具部の各指部と接続され、形状記憶合金を用いた駆動部と前記駆動部を制御する指令信号発生部と、指令内容を入力、確認する入力部、表示部と各部に電力を供給する電源部を持った駆動装置とを有し、形状記憶合金に流す電流により、形状記憶合金を伸縮させることにより、各指の機能回復を補助する作用を有する。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、装具部に手袋状のものを用い、指先にあたる部分と駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続し、各指の機能回復を補助する作用を有する。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、装具部を複数の指輪状のリングで構成し、各リングを患者の指先だけではなく各関節にも装着できるようにし、これらのリングと駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続し、各指および関節毎の機能回復を補助する作用を有する。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、装具部を親指以外の四指を固定する金具で構成し、金具と手の平と手の甲のそれぞれに取り付けられる駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続し、駆動装置が手の甲部分にもあるため、指を反り返る方向にも動かせる利点を有する。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【００１５】
図１は本発明の実施例の概観図である。１は患者の手に取り付ける装具部、２は駆動装置であり、３は装具部の各作用点にワイヤ４で接続された形状記憶合金５を用いた駆動部、６は駆動部に対して駆動信号を出力し、また駆動装置全体を制御する指令信号発生部、７は駆動条件等を入力する入力部、８は駆動装置の状態を表示する表示部、９は制御装置２全体に電力を供給する電源部から構成される。
【００１６】
入力部７および表示部８を使い患者に必要な動作を行う命令を指示信号発生部６に入力すると、指令信号発生部６は必要な信号を電源部９に出力し、電源部９では指令信号発生部６で決定された信号に基づいて、駆動部３内の形状記憶合金５へ印加する電圧を生成し、駆動部３は形状記憶合金を伸縮させ、患者が装着している装具部２を使って、患者の各指を動かす動作を行う。
【００１７】
電源部９への電力供給は、家庭用の１００Ｖコンセントまたは別途用意した乾電池、充電式バッテリー等により行う。
【００１８】
形状記憶合金５に電圧が印加されたときの状態を図２に示す。図２において１１は電圧印加点、１２は電線である。
【００１９】
形状記憶合金５は、通電による発熱によって温度が上昇し、形状が変化する。印加電圧が大きいと、図２（ａ）に示すように発熱量が大きいため縮んで収縮状態となり、印加電圧が小さいと、図２（ｂ）に示すように発熱量が小さいため元ののびた伸張状態になる。したがって、形状記憶合金５に対する印加電圧を調整することによって、駆動装置の動作が制御可能となる。指のリハビリ動作は、曲げ伸ばしを行うことなので、この動作を実現するための指令信号を、形状記憶合金への印加電圧として与える。
【００２０】
指令信号発生部で生成される指令信号の例を図３に示す。２値の異なった電圧Ｖ１、Ｖ２を、一定周期Ｐのもとで交互に与えてやることで、指の曲げ伸ばしを実現する。指の曲げ具合は印加電圧の大きさで、曲げ伸ばしの周期は印加電圧の周期によって容易に調整可能である。電圧は２値だけでなく複数持つことも可能で、周期も細かく変化させることも可能である。また各指に異なった電圧や周期で印加し、各指ごとに適切な機能回復動作をすることも可能である。
【００２１】
【実施例】
実施例１
図４に手に装着し、指を動作させる装具部の例を示す。手袋１３の指先部分にワイヤ４が取り付けられており、ワイヤ４は手首部分に取り付けられた駆動装置２へとつなげられている。ワイヤ４の長さは、使用する患者に応じて調整する。
【００２２】
図５は、図４の装具を横から見た図で、実際に曲げ伸ばし動作を行う様子を示す図である。駆動部３内の形状記憶合金の伸縮によって、手先先端に取り付けられたワイヤ４が指先を引っ張り、図５（ａ）に示す曲げ状態と、図５（ｂ）に示す伸び状態を交互に作り出す。装具は、手袋型であるため、簡単に取り付け可能であるという利点を有する。
【００２３】
実施例２
図６に手に装着し、指を動作させる装具の別の例を示す。指部分にはめるリング１４にワイヤ４が取り付けられており、ワイヤ４は手首部分に取り付けられた駆動装置２へとつながれている。指部分に取り付けるリング１４は、指の各関節ごとに独立して取り付けるため、指の各関節ごとの曲げ状態を任意に調節できる利点を有する。
【００２４】
実施例３
図７（ａ）に手に装着し、指を動作させる装具のさらに別の例を示し、（ｂ）は横方向から見た図である。親指以外の四指は手袋１３に取り付けられた金具１５によって同一の動きができるように固定されている。駆動装置２は手の平と手の甲の両方に取り付けられており、手の甲部分のワイヤ４は支柱１６によって持ち上げられている。親指に対するワイヤ４の取り付け方法は図４に示した装具の例と同一である。
【００２５】
親指以外の四指を独立に動かすことはできないが、駆動装置２が手の甲部分にもあるため、指を反り返る方向にも動かせる利点を有する。親指に対するワイヤ４の取り付け方法は図４に示した装具の例と同一である。
【００２６】
【発明の効果】
形状記憶合金を備えた駆動装置によって自動的に指の動作を行うため、別の作業中にもリハビリを継続することができる。また、駆動装置の動きは指令信号発生部によって細かく制御可能であるため、リハビリの回復具合に応じて容易に動きを調整することができる。
【００２７】
また、駆動部に形状記憶合金を用いているため、モータやコンプレッサのような音がせず、静粛性に優れるため、就寝中も安眠を妨げずに利用可能である。また、軽量であるため、本装具を利用する患者に対して負担を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の、指の曲げ伸ばし動作を行うリハビリ装具の実施形態の概観図。
【図２】本発明において、形状記憶合金に電圧が印加されたときの状態変化図。
【図３】本発明において、指の曲げ伸ばし動作を実現するため、駆動装置に与える指令信号の例を示す図。
【図４】本発明において、指の曲げ伸ばし動作を行うための手袋型の装具を示す図。
【図５】本発明において、手袋型の装具による曲げ伸ばし動作を示す図。
【図６】本発明において、指の曲げ伸ばし動作を行うためのリング型の装具を示す図。
【図７】本発明において、指の曲げ伸ばし動作を行うための金具を用いた装具を示す図。
【符号の説明】
１：装具部２：駆動装置３：駆動部４：ワイヤ５形状記憶合金６：指令信号発生部７：入力部８：表示部９：電源部１１：電圧印加点１２：電線１３：手袋１４：リング１５：金具１６：支柱

Claims

手の指に運動機能障害が残る患者の指の動作回復を行うためのリハビリ装具において、
患者の手に取り付ける装具部と、
前記装具部の各指部と接続され、形状記憶合金を用いた駆動部と前記駆動部を制御する指令信号発生部と、
指令内容を入力、確認する入力部、表示部と各部に電力を供給する電源部を持った駆動装置とを有し、
形状記憶合金に流す電流により、形状記憶合金を伸縮させることにより、各指の機能回復を補助することを特徴とするリハビリ装具。
装具部に手袋状のものを用い、指先にあたる部分と駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続したことを特徴とする請求項１記載のリハビリ装具。
装具部を複数の指輪状のリングで構成し、これらのリングと駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続したことを特徴とする請求項１記載のリハビリ装具。
装具部を親指以外の四指を固定する金具で構成し、金具と手の平と手の甲のそれぞれに取り付けられる駆動部の形状記憶合金をワイヤで接続したことを特徴とする請求項１記載のリハビリ装具。