JP2004297364A - 無線送信装置及び無線送信方法 - Google Patents
無線送信装置及び無線送信方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004297364A JP2004297364A JP2003085850A JP2003085850A JP2004297364A JP 2004297364 A JP2004297364 A JP 2004297364A JP 2003085850 A JP2003085850 A JP 2003085850A JP 2003085850 A JP2003085850 A JP 2003085850A JP 2004297364 A JP2004297364 A JP 2004297364A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power
- packet
- packets
- unit
- channel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02D—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
- Y02D30/00—Reducing energy consumption in communication networks
- Y02D30/70—Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks
Landscapes
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
Abstract
【課題】少ない時間で効率的にパワーリソースを割り当てること。
【解決手段】グループ作成部150は、バッファ152に保持されたパケット、すなわち所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出し、この通信レートの大きさ別にパケットをグループ分けする。スケジューラ部151は、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択する。通信レートの高いグループは、多くのパワーを必要とするので、選択するパケットの数を少なくする。また、通信レートの低いグループは少ないパワーしか必要としないので、選択するパケットの数を多くする。
【選択図】 図1
【解決手段】グループ作成部150は、バッファ152に保持されたパケット、すなわち所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出し、この通信レートの大きさ別にパケットをグループ分けする。スケジューラ部151は、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択する。通信レートの高いグループは、多くのパワーを必要とするので、選択するパケットの数を少なくする。また、通信レートの低いグループは少ないパワーしか必要としないので、選択するパケットの数を多くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信装置及び無線送信方法に関し、特に、高速パケット伝送を行う無線通信システムに用いられる無線送信装置及び無線送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信の分野では、無線送信装置からパケットの送信先である通信装置に高速パケット伝送を行う方式、特に、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置が共有し、基地局装置から通信端末装置にパケットを伝送する下り高速パケット伝送方式が開発されている。下り高速パケット伝送方式では、伝送効率を高めるために、スケジューリング技術及び適応変調技術が用いられている。
【0003】
スケジューリング技術とは、基地局装置がタイムスロット毎に下り高速パケットの送信先となる通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を設定し、送信先装置に送信するパケットを割り当てる技術である。また、適応変調技術とは、パケット送信する通信端末装置の伝搬路の状態に応じて適応的に変調方式あるいは符号化率(MCS: Modulation and Coding Scheme)を決定する技術である。
【0004】
また、高速パケット伝送を行う無線通信システムでは、データの受信性能の向上を図るためにARQ(Automatic Repeat Request)、特に、H−ARQ(Hybrid−Automatic Repeat Request)が用いられている。ARQとは、受信側装置で誤りが検出されたデータ単位を送信側装置が再送信する処理を自動的に行う技術であり、H−ARQは、送信側装置が再送時に特定のビットのみを選択して受信側装置に送信し、受信側装置において再送信号と既受信信号とを合成して復号する技術である。
【0005】
以下、高速パケット伝送を行う無線通信システムの基地局装置及び通信端末装置の動作について概説する。
【0006】
基地局装置は、各通信端末装置から送信された下り回線状態の報告値に基づいて回線品質を予測し、最も回線品質が良い通信端末装置を送信先装置として、各タイムスロットにその送信先装置へのパケットを割り当てる。基地局装置は、下り回線状態の報告値から決定する方式でパケットを誤り訂正符号化及び変調して送信先装置に送信する。
【0007】
各通信端末装置は、受信したスケジューリング結果を示す情報に基づいて、自局宛のパケットが割り当てられたタイムスロットにおいて復調を行い、CRC検出等を行って、パケットデータを正しく復調できた場合にはこれを示すACK信号を、パケットデータを正しく復調できなかった場合にはこれを示すNACK信号を基地局装置に送信する。
【0008】
基地局装置は、ACK信号を受信すると新規データを送信し、NACK信号を受信すると同一データを再送信する。
【0009】
このように、下り高速パケット伝送方式は、セクタ内に存在する全ての通信端末装置で1つのチャネルを共有して効率的にパケットを伝送するので、リソースを有効活用することができる。
【0010】
この下り高速パケット伝送方式の一つであるHSDPA(High speed downlink Packet Access)は、同一のタイムスロットで複数の通信端末装置にコード多重してパケットデータを送信する方法である。この方法では、複数の通信端末装置に送信するパワーの合計が基地局装置の送信電力の能力に収まるように各通信端末装置への送信電力を決定する。以下、HSDPAを用いて通信を行う例について説明する。
【0011】
図10は、従来の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。図10において、Queue10は、通信端末装置宛に送信する一つまたは複数のパケットをサービスやデータ量毎に振り分け、保持する。優先度計算部11は、Queue毎の優先度を計算する。以降、優先度の高いパケット(UE)から順にパワー算出の処理を行う。
【0012】
A−DPCHパワー算出部13は、Associated DPCH(Dedicated Physical Channel)の全パワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部15に出力する。共通チャネルパワー算出部14は、通信端末装置共通の制御チャネル(共通チャネルと呼ぶ)のパワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部15に出力する。ここで、共通チャネルとは、CPICH(Common Pilot Channel)やCCPCH(Common Control Physical Channel)やSCH(Synchronisation Channel)やPICH(Page Indicator Channel)やAICH(Acquisition Indicator Channel)等を指す。
【0013】
HSチャネルパワーリソース算出部15は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部13で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部14で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSDPAチャネルに利用できるパワーリソース(HSチャネルパワーリソースと呼ぶ)を算出し、パワー算出処理制御部25に出力する。
【0014】
HS−SCCHパワー算出部12は、1回目のパワー算出処理の場合、優先度が最も高いパケットのHS−SCCH(Shared Control Channel for HS−DSCH)のパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0015】
パワー算出処理制御部25は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部15で算出したHSチャネルパワーリソースを、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0016】
HS−SCCHパワー判定部16は、HS−SCCHパワー算出部12で算出した優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、HS−SCCHパワー判定部16は、HS−SCCHのパワーを残りパワー算出部18及びUE多重決定部19に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をHS−PDSCHパワー算出部17、UE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0017】
HS−SCCHパワー判定部16からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部15で算出したHSチャネルパワーリソースからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部18に出力する。
【0018】
残りパワー算出部18は、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソースから優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを減算し、残りのパワーAをパワー算出処理制御部25に出力する。
【0019】
HS−SCCHパワー算出部12で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソースを越えていた場合、HS−SCCHパワー判定部16は、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を、UE多重決定部19に出力する。
【0020】
HS−SCCHパワー判定部16からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)のパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部17に出力する。また、パワー算出処理制御部25は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーAを、HS−PDSCHパワー算出部17に出力する。
【0021】
HS−PDSCHパワー算出部17は、優先度が最も高いパケットに対応したCQI(Channel Quality Indicator)信号と、パワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーA等から、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、HS−PDSCHのパワーを残りパワー算出部18及びUE多重決定部19に出力し、HS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部19に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をUE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0022】
HS−PDSCHパワー算出部17からHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーAからHS−PDSCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部18に出力する。
【0023】
残りパワー算出部18は、パワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーAから優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを減算し、残りのパワーBをUE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0024】
優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOut of Range(OOR)になる、すなわちHS−PDSCHのパワーがパワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーAを超える場合、HS−PDSCHパワー算出部17は、優先度が最も高いパケットのOOR情報をUE多重決定部19に出力する。
【0025】
HS−SCCHパワー判定部16から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合や、HS−SCCHパワー判定部16から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を受けた場合や、HS−PDSCHパワー算出部17から優先度が最も高いパケットのOOR情報を受けた場合、UE多重決定部19は、優先度が2番目に高いパケットの処理を開始する指示を、HS−SCCHパワー算出部12とパワー算出処理制御部25に出力する。
【0026】
HS−SCCHパワー算出部12は、UE多重決定部19から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、優先度が2番目に高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0027】
パワー算出処理制御部25は、UE多重決定部19から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーBを、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0028】
UE多重決定部19は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーがなくなるまで、優先度の高いパケットから順に上記処理を繰り返す。UE多重決定部19は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーがなくなったとき、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部12とパワー算出処理制御部25に出力する。
【0029】
HS−SCCHパワー算出部12は、UE多重決定部19からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、HS−SCCHのパワーの算出処理を中止する。
【0030】
パワー算出処理制御部25は、UE多重決定部19からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、パワーの算出処理を中止する。
【0031】
パワー算出処理が終了した場合、UE多重決定部19は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットを送信フレーム作成部20に出力する。また、UE多重決定部19は、多重するパケットの変調方式と符号化率を送信フレーム作成部20と変調部22に出力する。また、UE多重決定部19は、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを送信無線部21に送信する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0032】
送信フレーム作成部20は、UE多重決定部19の出力に従って、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケット毎に送信フレームを作成する。変調部22は、UE多重決定部19の出力に従って、多重するパケット毎に送信フレーム作成部20から出力された送信フレームを変調する。拡散部23は、変調部22から出力された送信フレームを拡散する。
【0033】
送信無線部21は、UE多重決定部19の出力に従って、多重するパケット毎に送信電力を決定し、同一タイムスロットで複数のパケットを多重し、所定の無線処理を施してアンテナ24から出力する。
【0034】
【特許文献1】
特開2003−8504号公報
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置では、パワーがなくなるまで、パケット送信に必要となるパワーの算出処理を優先度の高い順に逐次行うため、多くのパワーを必要とするパケットが優先度の高い順に連続した場合、優先度の高いパケットのパワーの算出処理を行った後、残りのパワーがほとんどなくても、次の優先度の高いパケットのパワーの算出処理をさらに行うので、多重が完了するまでに要する処理量が増大する問題がある。
【0036】
また、パワーの算出回数や同一タイムスロットで多重するパケットの数に上限を設けた場合、処理量を抑えることはできるが、パワーが残っていてもパケットのパワーの算出処理を終了することになり、パワーリソースを効率的に使用することができない問題もある。
【0037】
また、データ量に関係なく優先度の高いパケットから順にパワーを算出するので、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが少なくなり、所定の時間内にパケットデータを送ることができずタイムアウトが多く発生する問題もある。
【0038】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、少ない処理量で効率的にパワーリソースを使用することができる無線送信装置及び無線送信方法を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線送信装置は、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信装置であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化手段と、パケットの優先度を計算する優先度計算手段と、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出手段と、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定手段と、前記多重決定手段によって決定されたパケットを多重して送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0040】
この構成によれば、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0041】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを算出する個別チャネルパワー算出手段と、前記通信装置共通の制御チャネルのパワーを算出する共通制御チャネルパワー算出手段と、全体のパワーリソースから前記個別チャネルのパワーと前記共通の制御チャネルのパワーを減算し、共有チャネルで利用できるパワーリソースを算出する共有チャネルパワーリソース算出手段と、を具備する構成を採る。
【0042】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、優先度の高いパケットから順にパケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを逐次算出する共有チャネルパワー算出手段を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーを優先度の高いパケットから順に加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソースを越えた場合に前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示する判定手段と、前記パワーの総計が前記全体のパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0043】
これらの構成によれば、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0044】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記共有チャネルのパワーリソースに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0045】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワーを加算して割り当てられたパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記割り当てられたパワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0046】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーリソースを算出するパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットについて、前記共有チャネルのパワーを加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0047】
これらの構成によれば、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信するため、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【0048】
本発明の無線送信装置は、前記グループ化手段は、所定の時間内においてパケットの送信先である通信装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出するレート算出手段と、前記通信レートを所定の通信レートの範囲別で区分して前記パケットをグループ分けするグループ分け手段と、を具備する構成を採る。
【0049】
本発明の無線送信装置は、前記選択手段は、通信レートの低いグループで選択するパケットの数を通信レートの高いグループが選択するパケットの数より多くする構成を採る。
【0050】
これらの構成によれば、通信レートの高いグループは多くのパワーを必要とするので選択するパケットの数を少なくし、通信レートの低いグループは少しのパワーしか必要としないので選択するパケットの数を多くするため、通信レートに応じて選択するパケットの数を最適化することができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0051】
本発明の無線送信装置は、前記送信手段は、パワー算出の過程で全体のパワーリソースを越えた場合、または前記選択手段によって選択されたパケットのパワーを全て算出した場合に、前記多重決定手段によって決定されたパケットに残るパワーを上乗せして送信する構成を採る。
【0052】
本発明の無線送信装置は、前記送信手段は、前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーが前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワー以内である場合、前記割り当てられたパワー全てを使ってパケットを送信する構成を採る。
【0053】
これらの構成によれば、残るパワーを全て使って送信するため、パケットの送信先である通信装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0054】
本発明の無線送信装置は、前記判定手段は、前記パワー加算手段によって加算されたパワーの総計が前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーリソースと等しくなった場合または所定の値以上になった場合に、前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示する構成を採る。
【0055】
この構成によれば、パケットのパワーを算出しても共有チャネルのパワーリソースを超えてしまうほど残りのパワーが少なくなった時点でパワーの算出処理を中止するため、余分なパワーの算出処理を省くことができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0056】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを予め定めた値とする構成を採る。
【0057】
本発明の無線送信装置は、前記共通制御チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である通信装置共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値とする構成を採る。
【0058】
これらの構成によれば、個別チャネルのパワーと共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値にするため、個別チャネルのパワーと共通の制御チャネルのパワーを算出する必要がなく、処理量をより少なくすることができる。
【0059】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルの数が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくする構成を採る。
【0060】
この構成によれば、個別チャネルの数が多いときはパワーを多く必要とするため、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0061】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置から無線送信装置への送信電力を上げる要求が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくする構成を採る。
【0062】
この構成によれば、送信電力を上げる要求が多いときは通信装置の受信品質が悪いのでパワーを多く必要とするため、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0063】
本発明の基地局装置は、上記いずれかに記載の無線送信装置を有する構成を採る。
【0064】
この構成によれば、上記と同様の作用効果を有する基地局装置を提供することができる。
【0065】
本発明の通信端末装置は、上記いずれかに記載の無線送信装置を有する構成を採る。
【0066】
この構成によれば、上記と同様の作用効果を有する通信端末装置を提供することができる。
【0067】
本発明の無線送信方法は、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信方法であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出し、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、決定されたパケットを多重して送信するようにした。
【0068】
この方法によれば、同一タイムスロット複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する通信方法において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0069】
本発明の無線送信プログラムは、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信プログラムであって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化ステップと、パケットの優先度を計算する優先度計算ステップと、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出ステップと、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定ステップと、前記多重決定ステップによって決定されたパケットを多重して送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させる構成を採る。
【0070】
このプログラムによれば、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信するプログラムにおいて、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うことにより、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくし、かつ効率的にパワーリソースを使用することである。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることを多くし、タイムアウトの発生を少なくすることである。
【0072】
また、本発明の骨子は、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信することにより、残りのパワーを算出する必要をなくし、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることである。さらに、パワー算出を並列処理で行うことである。
【0073】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、無線送信装置を基地局装置、パケットの送信先である通信装置を通信端末装置とする。また、高速パケット伝送方式の例として、同一タイムスロットで複数のパケットをコード多重して、基地局装置から通信端末装置へ高速パケット伝送するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)を用いることとする。HSDPAでは、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)、HS−SCCH(Shared Control Channel for HS−DSCH)、Associated DPCH(Dedicated Physical Channel)等の複数のチャネルが用いられる。
【0074】
HS−PDSCHは、パケットの伝送に使用される下り方向の共有チャネルでる。HS−SCCHは、下り方向の共有制御チャネルであり、リソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)、H−ARQ制御に関する情報等が伝送される。
【0075】
Associated DPCHは、上り方向及び下り方向の個別付随チャネルであり、そのチャネル構成やハンドオーバ制御等はDPCHと変わらない。Associated DPCHでは、パイロット信号、TPCコマンド等が伝送され、上り方向では、これらに加えてACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)信号が伝達される。なお、CQI信号は、通信端末装置において復調可能なパケットデータの変調方式及び符号化率を示す信号であり、下り回線状態を報告する報告値の役割を果たす。
【0076】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。以下、図1の基地局装置100の各構成部分の作用について説明する。
【0077】
図1において、基地局装置100は、アンテナ101と、共用器(Dup)102と、受信RF部103と、復調部104と、分離部105と、SIR測定部106と、TPCコマンド生成部107と、グループ作成部150と、スケジューラ部151と、バッファ152と、変調部153と、送信電力制御部154と、増幅部155と、多重部(MUX)156と、変調部157と、送信電力制御部158と、増幅部159と、送信電力制御部160と、増幅部161と、変調部162と、送信電力制御部163と、増幅部164と、多重部(MUX)165と、送信RF部166と、変調部167から主に構成される。
【0078】
基地局装置100は、パケットの送信先の通信端末装置の数のバッファ152、変調部153、送信電力制御部154、増幅部155、多重部156、変調部157、送信電力制御部158、増幅部159、送信電力制御部160、増幅部161、及び変調部167を備える。
【0079】
共用器102は、アンテナ101に受信された信号を受信RF部103に出力する。また、共用器102は、送信RF部166から出力された信号をアンテナ101から無線送信する。
【0080】
受信RF部103は、共用器102から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、復調部104に出力する。
【0081】
復調部104は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信ベースバンド信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部105に出力する。
【0082】
分離部105は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調部104の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部105にて分離された制御信号には、DL(Down Link)用TPC(Transmit Power Control)コマンド、CQI信号、ACK/NACK信号等が含まれる。CQI信号及びACK/NACK信号はスケジューラ部151に出力され、DL用TPCコマンドは送信電力制御部158に出力される。
【0083】
SIR測定部106は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部107に出力する。
【0084】
TPCコマンド生成部107は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、上り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係により、上り回線の送信電力の増減を指示するUL(Up Link)用TPCコマンドを生成する。
【0085】
バッファ(Queue)152は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、通信端末装置宛に送信する一つまたは複数のパケットをサービスやデータ量毎に振り分け、保持する。
【0086】
本願発明の特徴部分であるグループ作成部150は、バッファ152に保持されたパケット、すなわち所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出し、この通信レートの大きさ別にバッファ152に保持されたパケットをグループ分けする。
【0087】
スケジューラ部151は、全ての通信端末装置におけるバッファ152に保持されたパケット全てに対して、各通信端末装置からのCQI信号、ACK/NACK信号、スループット、または許容遅延時間等に基づいて優先度計算を行う。行い、優先度が最も高いパケットの送信先である通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を決定する。スケジューラ部151は、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する。選択方法の詳細については後述する。
【0088】
スケジューラ部151は、選択されたパケットに対して、パケット送信に必要となるパワーを算出し、全体のパワーリソース以内であるパケットを一または複数決定し、パケットデータを示す情報をバッファ152に出力する。パワーの算出方法の詳細については後述する。また、スケジューラ部151は、パケットの送信先である通信端末装置(以下、「送信先装置」という)のCQI信号等に基づいてMCS(変調方式及び符号化率)を決定し、変調部153に指示する。また、スケジューラ部151は、送信先装置からのCQI信号等に基づいてHS−PDSCHの送信電力を決定し、送信電力を示す信号を送信電力制御部154に出力する。また、スケジューラ部151は、HS−SCCHによって送信先装置に送信する信号(以下、「HS−SCCH用信号」という)を変調部167に出力する。HS−SCCH用信号には、パケットデータを送信するタイミング、パケットデータの符号化率及び変調方式等を示す情報(TFRI)が含まれる。また、スケジューラ部151は、DPCHの送信電力値とオフセット等に基づいてHS−SCCHの送信電力を決定し、送信電力を示す信号を送信電力制御部160に出力する。なお、スケジューラ部151の内部構成については後述する。
【0089】
バッファ152は、スケジューラ部151に指示されたパケットデータを変調部153に出力する。
【0090】
変調部153は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、スケジューラ部151の指示に従ってパケットデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部155に出力する。
【0091】
送信電力制御部154は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、増幅部155の増幅量を制御することにより、変調部153の出力信号の送信電力をスケジューラ部151で決定された値となるように制御する。増幅部155の出力信号は、HS−PDSCHで送信される信号であって、同一タイムスロットで複数の送信先装置にパケットをコード多重化される。増幅部155の出力信号は、多重部165に出力される。
【0092】
多重部156は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、各通信端末装置に送信する個別データ(制御信号も含む)にパイロット信号及びUL用TPCコマンドを多重して変調部157に出力する。
【0093】
変調部157は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、多重部156の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部159に出力する。
【0094】
送信電力制御部158は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、DL用TPCコマンドに従って増幅部159の増幅量を制御することにより、変調部157の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部158は、送信電力値を示す信号をスケジューラ部151に出力する。増幅部159にて増幅された信号は、DPCH(Associated DPCHを含む)で送信される信号であって、多重部165に出力される。
【0095】
変調部167は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、スケジューラ部151から出力されたHS−SCCH用信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部161に出力する。
【0096】
送信電力制御部160は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、増幅部161の増幅量を制御することにより、変調部167から出力されたHS−SCCH用信号の送信電力をスケジューラ部151で決定された値となるように制御する。増幅部161にて増幅された信号は、HS−SCCHで送信される信号であって、多重部165に出力される。
【0097】
変調部162は、通信端末装置共通の制御チャネル(共通チャネルと呼ぶ)データに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部164に出力する。送信電力制御部163は、増幅部164の増幅量を制御することにより、変調部162の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部163は、送信電力値を示す信号をスケジューラ部151に出力する。増幅部164の出力信号は、CPICH(Common Pilot Channel)やCCPCH(Common Control Physical Channel)やSCH(Synchronisation Channel)やPICH(Page Indicator Channel)やAICH(Acquisition Indicator Channel)等の共通チャネルであって、多重部165に出力される。
【0098】
多重部165は、増幅部155、増幅部159、増幅部161及び増幅部164の各出力信号を多重し、送信RF部166に出力する。
【0099】
送信RF部166は、多重部165から出力されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換して共用器102に出力する。
【0100】
上記構成により、本発明の基地局装置100は、パケットを各通信端末装置に送信する。次に、グループ作成部150の詳細について説明する。図2は、本実施の形態の基地局装置のグループ作成部の構成を示す図である。図2において、グループ作成部150は、レート算出部201と、グループ分け部202とから主に構成される。
【0101】
レート算出部201は、所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からバッファに保持されたパケットの通信レートを算出してグループ分け部202に出力する。
【0102】
グループ分け部202は、レート算出部201で算出された通信レートを所定の通信レートの範囲別で区分してバッファに保持されたパケットをグループ分けする。
【0103】
このようにグループ作成部でグループ分けした結果を用いて、スケジューラ部151は、HS−PDSCH及びHS−SCCHで占有するパワーを算出するパケットを選択する。以下、基地局装置100のスケジューラ部151の内部構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。
【0104】
図1のスケジューラ部151は、優先度計算部401と、選択UE決定部402と、A−DPCHパワー算出部403と、共通チャネルパワー算出部404と、HSチャネルパワーリソース算出部405と、HS−SCCHパワー算出部406と、HS−SCCHパワー判定部407と、HS−PDSCHパワー算出部408と、残りパワー算出部409と、パワー算出処理制御部410と、UE多重決定部411とから主に構成される。
【0105】
優先度計算部401は、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度を計算して選択UE決定部402に出力する。
【0106】
選択UE決定部402は、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットが属するグループを決定する。選択UE決定部402は、優先度が最も高いパケットが属するグループから優先度の高い順に所定の数のパケット(UE)を選択する。選択するパケットの数はグループにより異なる。すなわち、通信レートの高いグループは、多くのパワーを必要とするので、選択するパケットの数を少なくする。また、通信レートの低いグループは少ないパワーしか必要としないので、選択するパケットの数を多くする。これにより、通信レートに応じて選択するパケットの数を最適化することができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0107】
選択UE決定部402は、グループ別に所定の数のパケットを選択する。例えば、通信レートの高い順にグループを3個に分けるとして、優先度が最も高いパケットが、通信レートが最も高いグループ1に属する場合、優先度の高い順にグループ1に属するパケットを1個、すなわち優先度が最も高いパケットのみを選択する。また、優先度が最も高いパケットが、通信レートが最も低いグループ3に属する場合、優先度の高い順にグループ3に属するパケットを4個選択する。
【0108】
なお、選択UE決定部402が選択するパケットは、複数のグループにまたがってもよい。例えば、優先度が最も高いパケットがグループ3に属する場合、優先度の高い順にグループ3に属するパケットを2つ、他のグループであるグループ2から優先度の高い順にパケットを1個選択してもよい。
【0109】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度計算の結果から優先度の高いパケットが選択されるように、グループ別に所定の数を設定してもよい。例えば、優先度が最も高いパケットがグループ2に属する場合、優先度が2番目に高いパケットがグループ2に属するときは優先度の高い順にグループ2に属するパケットを2つ、優先度が2番目に高いパケットがグループ3に属するときは優先度の高い順にグループ2に属するパケットを1個と優先度の高い順にグループ3に属するパケットを2つ選択する。
【0110】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度が最も高いパケット以外は、通信レートが最も低いグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択してもよい。
【0111】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度が最も高いパケットを必ずしも選択せず、通信レートが低いグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択してもよい。
【0112】
また、選択UE決定部402において、パワー算出処理を行うパケットの数を選択する際、予めHSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを算出して、そのパワーリソースに基づいて、グループから選択するパケットの数を決定してもよい。
【0113】
例えば、選択UE決定部402で通信レートが最も低いグループ3に属するパケットが4個選択されたとする。HSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを算出した結果、そのパワーリソースがグループ3に属するパケットの3個分しかなかった場合は、グループ3に属するパケットを4個選択しても、4番目のパケットのパワーを算出できずに余分なパワーの算出処理になってしまう可能性が高いので、グループ3に属するパケットを3個しか選択しない。また、パワーリソースがグループ3に属するパケットの5個分あった場合は、グループ3に属するパケットを4個選択すると、グループ3に属するパケット1個分のパワーリソースが余ってしまうので、グループ3に属するパケットを5個選択、あるいはグループ3に属するパケットを3個及び通信レートが2番目に高いグループ2に属するパケットを1個選択する。
【0114】
これにより、実際にパワーを算出したときに、HSDPAチャネルに利用できるパワーリソース以内にする、またはパワーリソースを多く残さないために、グループ化の結果だけで選択するパケットを決定するのではなく、HSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを考慮して、グループから選択するパケットの数を最適化するので、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0115】
また、選択UE決定部402において、パワー算出処理を行うパケットの数を選択する際、多重が完了するまでに要する処理量に基づいて、グループから選択するパケットの数を決定してもよい。
【0116】
例えば、多重が完了するまでに要する処理量を考慮してパワーの算出処理を行うパケットの数を3に制限するとする。優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が4番目に高いパケットは通信レートが2番目に高いグループ2に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットについては、パケット送信に必要となるパワーがあるが、通信レートが低いためパワーリソースに残りが生じる。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目に高いパケットを選択してパワーの算出処理を行うと、全てのパケットについてパケット送信に必要となるパワーがあり、かつパワーリソースに残りが生じない。
【0117】
これにより、多重が完了するまでに要する処理量によって多重するパケットの数を制限し、制限内でグループから選択するパケットの数を最適化するため、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0118】
選択UE決定部402は、選択したパケットと選択したパケットのCQI信号等をHS−SCCHパワー算出部406に出力する。
【0119】
A−DPCHパワー算出部403は、送信電力制御部158からの送信電力値を示す信号に基づいて、Associated DPCHの全パワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部405に出力する。共通チャネルパワー算出部404は、送信電力制御部163からの送信電力値を示す信号に基づいて、共通チャネルのパワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部405に出力する。ここで、共通チャネルとは、CPICHやCCPCHやSCHやPICHやAICH等を指す。
【0120】
HSチャネルパワーリソース算出部405は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部403で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部404で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSDPAチャネルに利用できるパワーリソース(HSチャネルパワーリソースと呼ぶ)を算出し、パワー算出処理制御部410に出力する。
【0121】
HS−SCCHパワー算出部406は、1回目のパワー算出処理の場合、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0122】
パワー算出処理制御部410は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースを、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0123】
HS−SCCHパワー判定部407は、HS−SCCHパワー算出部406で算出した優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、HS−SCCHパワー判定部407は、HS−SCCHのパワーを残りパワー算出部409及びUE多重決定部411に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をHS−PDSCHパワー算出部408、UE多重決定部411及びパワー算出処理制御部410に出力する。
【0124】
HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部409に出力する。
【0125】
残りパワー算出部409は、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソースから優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを減算し、残りのパワーAをパワー算出処理制御部410に出力する。
【0126】
HS−SCCHパワー算出部406で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソースを越えていた場合、HS−SCCHパワー判定部407は、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を、UE多重決定部411に出力する。
【0127】
HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、HS−PDSCHのパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部408に出力する。また、パワー算出処理制御部410は、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAを、HS−PDSCHパワー算出部408に出力する。
【0128】
HS−PDSCHパワー算出部408は、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットに対応したCQI信号と、パワー算出処理制御部410から出力された残りのパワーA等から、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、HS−PDSCHのパワーを残りパワー算出部409及びUE多重決定部411に出力し、HS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部411に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をUE多重決定部411及びパワー算出処理制御部410に出力する。
【0129】
HS−PDSCHパワー算出部408からHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAからHS−PDSCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部409に出力する。
【0130】
残りパワー算出部409は、パワー算出処理制御部410から出力された残りのパワーAから優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを減算し、残りのパワーBをパワー算出処理制御部410に出力する。
【0131】
優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOut of Range(OOR)になる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAを超える場合、HS−PDSCHパワー算出部408は、優先度が最も高いパケットのOOR情報をUE多重決定部411に出力する。
【0132】
HS−SCCHパワー判定部407から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、UE多重決定部411は、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が2番目に高いパケットの処理を開始する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。
【0133】
HS−SCCHパワー算出部406は、UE多重決定部411から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が2番目に高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0134】
パワー算出処理制御部410は、UE多重決定部411から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーBを、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0135】
UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択UE決定部402で選択したパケットの数に達するまで、優先度の高いパケットから順に上記処理を繰り返す。UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択UE決定部402で選択したパケットの数に達したとき、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。また、HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を受けた場合や、HS−PDSCHパワー算出部408からOOR情報を受けた場合は、UE多重決定部411は、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。
【0136】
HS−SCCHパワー算出部406は、UE多重決定部411からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、HS−SCCHのパワー算出処理を中止する。
【0137】
パワー算出処理制御部410は、UE多重決定部411からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、パワーの算出処理を中止する。
【0138】
パワー算出処理が終了した場合、UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0139】
上記説明の構成により、本発明の基地局装置は、送信先の通信端末装置を決定する。次に、上記基地局装置100の動作について説明する。図4及び図5は、本実施の形態の基地局装置100の動作の一例を示すフロー図である。
【0140】
ST501では、グループ作成部150において、伝送レート(通信レート)別にバッファ152に保持されたパケットがグループ分けされる。
【0141】
ST502では、優先度計算部401において、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度が計算される。
【0142】
ST503では、選択UE決定部402において、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットを含むグループが決定される。
【0143】
ST504では、選択UE決定部402において、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度が高い順に所定の数のパケット(UE)が選択される。
【0144】
ST505では、HS−SCCHパワー算出部406において、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0145】
ST501からST505までの処理と平行してST506からST508までの処理が行われる。ST506では、A−DPCHパワー算出部403において、Associated DPCHの全パワーが算出される。ST507では、共通チャネルパワー算出部404において、共通チャネルのパワーが算出される。
【0146】
ST508では、HSチャネルパワーリソース算出部405において、利用可能なパワーリソースからST506で算出したAssociated DPCHの全パワーとST507で算出した共通チャネルのパワーとが減算され、HSチャネルパワーリソースが算出される。
【0147】
ST509では、HS−SCCHパワー判定部407において、ST505で算出したHS−SCCHのパワーがST508で算出したHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定される。このパワーがHSチャネルパワーリソースを越える場合、ST510に進み、このパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、ST511に進む。
【0148】
ST510では、処理の対象となっている通信端末装置にパケットを送信せず、次の送信タイミングの処理に移る。
【0149】
ST511では、残りパワー算出部409において、ST508で算出したHSチャネルパワーリソースからST505で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーAが算出される。
【0150】
ST512では、HS−PDSCHパワー算出部408において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーAを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST510に進み、CQIがOORでない場合、ST513に進む。
【0151】
ST513では、残りパワー算出部409において、ST511で算出した残りのパワーAからST512で算出した優先度が最も高いパケットに対して、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーが減算され、残りのパワーBが算出される。
【0152】
ST514では、UE多重決定部411において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーがHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が、ST504で選択したパケットの所定の数に達したか否か判定する。パケットの数が所定の数に達している場合、ST515に進み、パケットの数が所定の数に達していない場合、ST516に進む。
【0153】
ST515では、UE多重決定部411において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーがHSチャネルパワーリソース以内であるパケットを多重化して送信する指示が出力される。
【0154】
ST516では、HS−SCCHパワー算出部406において、次に優先度が高いパケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0155】
ST517では、HS−SCCHパワー判定部407において、ST516で算出したHS−SCCHのパワーがST513で算出した残りのパワーB以内であるか否か判定される。このパワーが残りのパワーを越える場合、ST515に進み、このパワーが残りのパワー以内である場合、ST518に進む。
【0156】
ST518では、残りパワー算出部409において、ST513で算出した残りのパワーBからST516で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーCが算出される。
【0157】
ST519では、HS−PDSCHパワー算出部408において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーCを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST515に進み、CQIがOORでない場合、ST520に進む。
【0158】
ST520では、残りパワー算出部409において、ST518で算出した残りのパワーCからST519で算出した次に優先度が高いパケットに対して、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーが減算され、残りのパワーDが算出され、ST514に処理を戻す。
【0159】
このように、本実施の形態の基地局装置によれば、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0160】
例えば、優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が3番目に高いパケットは通信レートが最も高いグループ1に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目及び2番目に高いパケットについては、通信レートが低いため全てのデータを送信することができるが、優先度が3番目に高いパケットについては、通信レートが高いため全てのデータを送信するためのパワーが足りず、いくらかデータを残して送信した時点でパワーがなくなり、優先度が4番目及び5番目に高いパケットについては、データを送信することができない。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットを選択してパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットについて、全てのデータを送信することができる。これにより、一回の送信でデータを全て送るパケットの数が多くなり、タイムアウトになるパケットデータを少なくすることができる。
【0161】
なお、パワー算出の過程でパワーリソースを超えた場合、または選択されたパケットのパワーを全て算出した場合に、パワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットに残るパワーを上乗せして送信してもよい。例えば、優先度が最も高いパケットのパワー(例えば、HS−PDSCHのパワー)に対して、余っているパワーを全て上乗せして送信する。または、パワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重する全てのパケットに均等にパワーを上乗せして送信する。または、優先度の高い順にパワーを傾斜配分して上乗せして送信する。または、通信レートの高いパケットに多くのパワーを上乗せして送信する。または、要求する伝送レート(CQI等)によってパワーを傾斜配分して上乗せして送信する。
【0162】
これにより、残るパワーをパワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットに配分して送信するため、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0163】
また、優先度の高いパケットから順に所定の数のパワーを算出した後に、通信レートの低いパケットから順にパワーを算出してもよい。
【0164】
また、優先度の高い順にパワーを算出するのではなく、通信レートの低いパケットから順にパワーを算出してもよい。
【0165】
これらにより、通信レートの低いパケットから優先してパワーの算出処理を行うため、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることができる。
【0166】
また、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択したパケットの数に達したとき、パワー算出処理を中止するが、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択したパケットの数に達する前に残りのパワーが「0」あるいは、所定の値以下になったとき、パワー算出処理を中止してもよい。
【0167】
これにより、パケットのパワーを算出しても共有チャネルのパワーリソースを超えてしまうほど残りのが少なくなった時点でパワーの算出処理を中止するため、余分なパワーの算出処理を省くことができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0168】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0169】
図1のスケジューラ部151は、HS−SCCHパワー算出部706と、HS−SCCHパワー判定部707と、HS−PDSCHパワー算出部708と、残りパワー算出部709と、パワー算出処理制御部710と、UE多重決定部711と、パワー割り当て部712を具備し、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、選択されたパケットのHS−SCCHとHS−PDSCHのパワーを算出し、パワーが割り当てられたパワー以内であるパケットを送信する点が図3のスケジューラ部と異なる。
【0170】
選択UE決定部402は、選択したパケットと選択したパケットのCQI信号等をHS−SCCHパワー算出部706とパワー割り当て部712に出力する。
【0171】
HSチャネルパワーリソース算出部405は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部403で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部404で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSチャネルパワーリソースを算出し、パワー割り当て部712に出力する。
【0172】
パワー割り当て部712は、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、選択UE決定部402で選択したパケット全てを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、パケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力する。
【0173】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが10、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4のとき、パケット毎にパワーを4、3、2、1に割り当てる。
【0174】
HS−SCCHパワー算出部706は、選択UE決定部402で選択したパケットに対して、パワー割り当て部712から出力されたパワー算出処理を行うパケットのみHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部707に出力する。
【0175】
パワー算出処理制御部710は、パケット毎に割り当てられたパワーをHS−SCCHパワー判定部707に出力する。
【0176】
HS−SCCHパワー判定部707は、HS−SCCHパワー算出部706でHS−SCCHのパワーを算出した全てのパケットに対して、HS−SCCHパワー算出部706で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部710から指示された割り当てられたパワー以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内であるパケット全てに対して、HS−SCCHパワー判定部707は、パケット毎のHS−SCCHのパワーを残りパワー算出部709及びUE多重決定部711に出力し、HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内であるパケットの情報をHS−PDSCHパワー算出部708、UE多重決定部711及びパワー算出処理制御部710に出力する。
【0177】
HS−SCCHパワー判定部707からHS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内である情報を受けたパケット全てに対して、パワー算出処理制御部710は、割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部709に出力する。
【0178】
残りパワー算出部709は、パワー算出処理制御部710から出力された割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算し、パケット毎の残りのパワーをパワー算出処理制御部710に出力する。
【0179】
HS−SCCHのパワーがパワー算出処理制御部710から出力された割り当てられたパワーを越えていたパケット全てに対して、HS−SCCHパワー判定部707は、割り当てられたパワーを越えたパケットの情報を、UE多重決定部711に出力する。
【0180】
HS−SCCHパワー判定部707からHS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内である情報を受けた全てのパケットに対して、パワー算出処理制御部710は、HS−PDSCHのパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部708に出力する。また、パワー算出処理制御部710は、残りパワー算出部709から出力されたパケット毎の残りのパワーを、HS−PDSCHパワー算出部708に出力する。
【0181】
HS−PDSCHパワー算出部708は、パケット毎に対応したCQI信号と、パワー算出処理制御部710から出力されたパケット毎の残りのパワー等から、パケット毎のHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、パケット毎のHS−PDSCHのパワーをUE多重決定部711に出力し、パケット毎のHS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部711に出力し、HS−PDSCHが割り当てられたパワー以内であるパケットの情報をUE多重決定部711に出力する。
【0182】
HS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーを超える全てのパケットに対して、HS−PDSCHパワー算出部708は、OORであるパケットの情報をUE多重決定部711に出力する。
【0183】
UE多重決定部711は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方が割り当てられたパワー以内である多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワーを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0184】
なお、パワー割り当て部712は、グループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決めておき、選択したパケットに対して必要なパワーを加算して、加算したパワーの総計がHSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、そのパワーを決定されたパケット毎に割り当て、決定されたパケットを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、決定されたパケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力してもよい。
【0185】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが8、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4、パケット毎に予め決められた必要なパワーを優先度の高い順に4、3、2、1とすると、優先度の高い順に必要なパワーを加算するとき、優先度1番と優先度2番のパケットを、パワー算出処理を行うパケットとする。または、優先度に関わらず必要なパワーを加算するとき、例えば、優先度1番と優先度2番の優先度4番のパケットを、パワー算出処理を行うパケットとする。
【0186】
また、パワー割り当て部712は、グループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決めておき、そのパワーをパケット毎に割り当て、選択UE決定部402で選択したパケット全てを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、パケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力してもよい。
【0187】
この場合、パワー算出処理制御部710は、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースをUE多重決定部711に出力し、UE多重決定部711は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方が割り当てられたパワー以内である多重するパケットに対して、パケット毎のHS−SCCHのパワーとパケット毎のHS−PDSCHのパワーを加算して、加算したパワーの総計がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、決定された多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。
【0188】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが5、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4、パケット毎に予め決められた必要なパワーを優先度の高い順に4、3、2、1として、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方を割り当てたパケットが優先度1番と優先度3番と優先度4番、そのパケットのパワーを4、2、1とすると、優先度の高い順にパワーを加算するとき、優先度1番のパケットを、多重するパケットとする。または、優先度に関わらずパワーを加算するとき、例えば、優先度1番と優先度4番のパケットを、多重するパケットとする。
【0189】
なお、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、送信先のパケット数で均等にパワーを割り当てる。
【0190】
これにより、均等にパワーを割り当てるため、簡単な処理でパケット毎に利用可能なパワーを算出することができる。
【0191】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、通信レートの低いパケットより通信レートの高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0192】
これにより、多くのパワーを必要とする通信レートの高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0193】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、要求する伝送レート(CQI等)の低いパケットより要求する伝送レートの高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0194】
これにより、要求する伝送レートの高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、要求する伝送レートの高いパケットについて、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0195】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、要求する伝送レート(CQI等)の高いパケットより要求する伝送レートの低いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0196】
これにより、要求する伝送レートの低い、すなわち受信品質が悪く多くのパワーを必要とするパケットに多くのパワーを割り当てるため、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、より効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0197】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、優先度の低いパケットより優先度の高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0198】
これにより、優先度の高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、優先度の高いパケットについて、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0199】
上記説明の構成により、本発明の基地局装置は、送信先の通信端末装置を決定する。次に、上記基地局装置100の動作について説明する。
【0200】
図7及び図8は、本実施の形態の基地局装置100の動作の一例を示すフロー図である。
【0201】
ST801では、グループ作成部150において、伝送レート(通信レート)別にバッファ152に保持されたパケットがグループ分けされる。
【0202】
ST802では、優先度計算部401において、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度が計算される。
【0203】
ST803では、選択UE決定部402において、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットを含むグループが決定される。
【0204】
ST804では、選択UE決定部402において、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度が高い順に所定の数のパケットが選択される。
【0205】
ST801からST804までの処理と平行してST805からST807までの処理が行われる。ST805では、A−DPCHパワー算出部403において、Associated DPCHの全パワーが算出される。ST806では、共通チャネルパワー算出部404において、共通チャネルのパワーが算出される。
【0206】
ST807では、HSチャネルパワーリソース算出部405において、利用可能なパワーリソースからST805で算出したAssociated DPCHの全パワーとST806で算出した共通チャネルのパワーとが減算され、HSチャネルパワーリソースが算出される。
【0207】
ST808では、パワー割り当て部712において、HSチャネルパワーリソースが選択したパケット毎に割り当てられる。
【0208】
ST809からST815までの処理は、全パケットを対象としてパケット毎に並列的に実行される。ST810では、HS−SCCHパワー算出部706において、パケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0209】
ST811では、HS−SCCHパワー判定部707において、ST810で算出したHS−SCCHのパワーがST808で割り当てられたパワー以内であるか否か判定される。このパワーが割り当てられたパワーを越える場合、ST812に進み、このパワーが割り当てられたパワー以内である場合、ST813に進む。
【0210】
ST812では、処理の対象となっている通信端末装置にパケットを送信しないことがUE多重決定部711に通知され、ST815に進む。
【0211】
ST813では、残りパワー算出部709において、割り当てられたパワーからST810で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーが算出される。
【0212】
ST814では、HS−PDSCHパワー算出部708において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST812に進み、CQIがOORでない場合、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーを算出し、ST815に進む。
【0213】
ST815では、全てのパケットについてST810からST814までの処理が終了している場合、ST816に進み、終了していない場合、ST809に戻る。
【0214】
ST816では、UE多重決定部711において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーが割り当てられたパワー以内であるパケットを多重化して送信する指示が出力される。
【0215】
このように、本実施の形態の基地局装置によれば、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信するため、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【0216】
なお、多重するパケットの数は、HS−SCCHが送信可能な数に制限されるため、グループ分けしないで優先度の高い順にパケット毎にパワーを割り当てると、パワーリソースに残りが生じることがある。
【0217】
例えば、多重するパケットの数が3に制限されたとする。優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が4番目に高いパケットは通信レートが2番目に高いグループ2に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパケット毎にパワーを割り当てると、優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットにパワーを割り当てても、通信レートが低いためパワーリソースに残りが生じる。または、パワーを全て割り当てても、各パケットに必要なパワー以上のパワーを割り当てることになる。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目に高いパケットを選択してパケット毎にパワーを割り当てると、パワーリソースに残りが生じず、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0218】
なお、パケット送信のパワーが予め割り当てられたパワー以内である場合、パケットを送信するパワーは、割り当てられたパワー全てを使って送信してもよい。
【0219】
また、パケット送信のパワーが予め割り当てられたパワーを超えてパケット送信に使われなかった場合、パケットを送信するパワーに使われなかった残りのパワーを上乗せして送信してもよい。
【0220】
これらにより、パケット送信のパワーを割り当てられたパワー全てを使って送信するため、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0221】
また、割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算して残りのパワーを算出し、残りのパワーを用いてHS−PDSCHのパワーを算出しているが、残りのパワーを算出しないで独立にHS−PDSCHのパワーを算出してもよい。
【0222】
(実施の形態3)
図9は、図1に示した基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図である。図9の通信端末装置900は、基地局装置100から個別データ、共通チャネルデータ、パケットデータ、HS−SCCH用信号を受信する。以下、図9の通信端末装置900の各構成部分の作用について説明する。
【0223】
共用器902は、アンテナ901に受信された信号を受信RF部903に出力する。また、共用器902は、送信RF部958から出力された信号をアンテナ901から無線送信する。
【0224】
受信RF部903は、共用器902から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、HS−PDSCHの信号をバッファ904に出力し、HS−SCCH用信号を復調部905に出力し、DPCHの信号を復調部908に出力し、共通チャネルの信号をCIR(Carrier to Interference Ratio)測定部912にする。
【0225】
バッファ904は、HS−PDSCHの信号を一時的に保存して復調部906に出力する。
【0226】
復調部905は、HS−SCCH用信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、自局宛パケットデータの到来タイミング、当該パケットデータの符号化率及び変調方式等、パケットデータの復調に必要な情報を取得して復調部906に出力する。
【0227】
復調部906は、復調部905にて取得された情報に基づいてバッファに保存されているHS−PDSCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、復調処理によって得られたパケットデータを誤り検出部907に出力する。
【0228】
誤り検出部907は、復調部906から出力されたパケットデータに対して誤り検出を行い、誤りが検出されなかった場合にはACK信号を、誤りが検出されなかった場合にはNACK信号を多重部951に出力する。
【0229】
復調部908は、DPCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部909に出力する。
【0230】
分離部909は、復調部908の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部909にて分離された制御信号には、UL用TPCコマンド等が含まれる。UL用TPCコマンドは送信電力制御部957に出力される。
【0231】
SIR測定部910は、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって下り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部911に出力する。
【0232】
TPCコマンド生成部911は、下り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係によりDL用TPCコマンドを生成し、多重部954に出力する。
【0233】
CIR測定部912は、基地局装置からの共通チャネルの信号を用いてCIRを測定し、測定結果をCQI生成部913に出力する。CQI生成部913は、基地局装置から送信された信号のCIRに基づくCQI信号を生成して多重部951に出力する。
【0234】
多重部951は、CQI信号及びACK/NACK信号を多重して変調部952に出力する。変調部952は、多重部951の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0235】
変調部953は、基地局装置100に送信するデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0236】
多重部954は、DL用TPCコマンド、パイロット信号を多重して変調部955に出力する。変調部955は、多重部954の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0237】
多重部956は、変調部952、変調部953及び変調部955の各出力信号を多重し、送信RF部958に出力する。
【0238】
送信電力制御部957は、UL用TPCコマンドに従って送信RF部958の増幅量を制御することにより、多重部956の出力信号の送信電力を制御する。なお、複数の基地局装置と接続している場合、送信電力制御部957は、全てのUL用TPCコマンドが送信電力の上昇を指示する場合のみ送信電力を上昇させる制御を行う。
【0239】
送信RF部958は、多重部956から出力されたベースバンドのディジタル信号を増幅し、無線周波数の信号に変換して共用器902に出力する。
【0240】
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、Associated DPCH及び共通チャネルのパワーを計算して求めているが、これに限らず、Associated DPCH及び共通チャネルのパワーを予め定めた値に決めてもよい。
【0241】
これにより、Associated DPCHのパワーと共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値にするため、Associated DPCHのパワーと共通の制御チャネルのパワーを算出する必要がなく、処理量をより少なくすることができる。
【0242】
また、例えば、Associated DPCHの予め定めた値は、Associated DPCHの数が多い場合は大きく、Associated DPCHの数が少ない場合は小さくする。
【0243】
これにより、Associated DPCHの数が多いときはパワーを多く必要とするため、Associated DPCHのパワーの所定の値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0244】
また、例えば、Associated DPCHの予め定めた値は、通信端末装置から基地局装置へのTPCビットの分布から電力を上げる要求が多い場合は大きく、電力を下げる要求が多い場合は小さくする。
【0245】
これにより、送信電力を上げる要求が多いときは通信端末装置の受信品質が悪いのでパワーを多く必要とするため、Associated DPCHのパワーの所定の値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0246】
また、上記説明では、HS−SCCHのパワーをDPCHのパワーとオフセット等に基づいて算出しているが、これに限らずHS−SCCHのパワーを算出できる方法であればよい。例えば、HS−SCCHのパワーを固定したパワーとして算出してもよい。
【0247】
また、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせてもよい。例えば、優先度が最も高いパケットは実施の形態1でパワー算出し、優先度が2番目以降のパケットは実施の形態2でパワーを算出してもよい。
【0248】
また、上記説明では、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットをコード多重するHSDPAを用いてパケットを伝送する例について説明しているが、これに限らず、複数の通信端末装置宛にパケットを多重化してスケジューリングを行う通信であれば、いずれにも適用できる。
【0249】
例えば、複数の通信端末装置にパケットをコード多重、または時間多重、あるいは周波数多重してスケジューリングを行う通信であれば、いずれにも適用できる。時間多重の場合、あるフレーム単位の中の複数のタイムスロットでスケジューリングを行う。周波数多重の場合、同一タイムスロットで各周波数毎にスケジューリングを行う。
【0250】
なお、上記説明では、無線送信装置を基地局装置、送信先装置を通信端末装置として、基地局装置で決定したスケジュールを基地局装置から通信端末装置にパケットを送信する下り伝送に用いている例について説明しているが、これに限らず、通信端末装置から基地局装置にパケットを送信する上り伝送に用いてもよい。
【0251】
例えば、基地局装置において、上記説明のスケジューリングを行い、決定したスケジュールを通信端末装置に送信し、通信端末装置がこのスケジュールに基づいてパケットを基地局装置に送信することができる。
【0252】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、基地局装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この送信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
【0253】
例えば、上記送信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしてもよい。
【0254】
また、上記送信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしてもよい。
【0255】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、同一タイムスロット複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うことにより、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0256】
また、本発明によれば、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信することにより、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】上記の形態の基地局装置のグループ作成部の構成を示す図
【図3】上記実施の形態の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【図4】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図5】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態2に係る基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【図7】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図8】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図9】図1に示した基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
151 スケジューラ部
152 バッファ
153 変調部
154 送信電力制御部
401 優先度計算部
402 選択UE決定部
403 A−DPCHパワー算出部
404 共通チャネルパワー算出部
405 HSチャネルパワーリソース算出部
406 HS−SCCHパワー算出部
407 HS−SCCHパワー判定部
408 HS−PDSCHパワー算出部
409 残りパワー算出部
410 パワー算出処理制御部
411 UE多重決定部
706 HS−SCCHパワー算出部
707 HS−SCCHパワー判定部
708 HS−PDSCHパワー算出部
709 残りパワー算出部
710 パワー算出処理制御部
711 UE多重決定部
712 パワー割り当て部
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信装置及び無線送信方法に関し、特に、高速パケット伝送を行う無線通信システムに用いられる無線送信装置及び無線送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信の分野では、無線送信装置からパケットの送信先である通信装置に高速パケット伝送を行う方式、特に、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置が共有し、基地局装置から通信端末装置にパケットを伝送する下り高速パケット伝送方式が開発されている。下り高速パケット伝送方式では、伝送効率を高めるために、スケジューリング技術及び適応変調技術が用いられている。
【0003】
スケジューリング技術とは、基地局装置がタイムスロット毎に下り高速パケットの送信先となる通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を設定し、送信先装置に送信するパケットを割り当てる技術である。また、適応変調技術とは、パケット送信する通信端末装置の伝搬路の状態に応じて適応的に変調方式あるいは符号化率(MCS: Modulation and Coding Scheme)を決定する技術である。
【0004】
また、高速パケット伝送を行う無線通信システムでは、データの受信性能の向上を図るためにARQ(Automatic Repeat Request)、特に、H−ARQ(Hybrid−Automatic Repeat Request)が用いられている。ARQとは、受信側装置で誤りが検出されたデータ単位を送信側装置が再送信する処理を自動的に行う技術であり、H−ARQは、送信側装置が再送時に特定のビットのみを選択して受信側装置に送信し、受信側装置において再送信号と既受信信号とを合成して復号する技術である。
【0005】
以下、高速パケット伝送を行う無線通信システムの基地局装置及び通信端末装置の動作について概説する。
【0006】
基地局装置は、各通信端末装置から送信された下り回線状態の報告値に基づいて回線品質を予測し、最も回線品質が良い通信端末装置を送信先装置として、各タイムスロットにその送信先装置へのパケットを割り当てる。基地局装置は、下り回線状態の報告値から決定する方式でパケットを誤り訂正符号化及び変調して送信先装置に送信する。
【0007】
各通信端末装置は、受信したスケジューリング結果を示す情報に基づいて、自局宛のパケットが割り当てられたタイムスロットにおいて復調を行い、CRC検出等を行って、パケットデータを正しく復調できた場合にはこれを示すACK信号を、パケットデータを正しく復調できなかった場合にはこれを示すNACK信号を基地局装置に送信する。
【0008】
基地局装置は、ACK信号を受信すると新規データを送信し、NACK信号を受信すると同一データを再送信する。
【0009】
このように、下り高速パケット伝送方式は、セクタ内に存在する全ての通信端末装置で1つのチャネルを共有して効率的にパケットを伝送するので、リソースを有効活用することができる。
【0010】
この下り高速パケット伝送方式の一つであるHSDPA(High speed downlink Packet Access)は、同一のタイムスロットで複数の通信端末装置にコード多重してパケットデータを送信する方法である。この方法では、複数の通信端末装置に送信するパワーの合計が基地局装置の送信電力の能力に収まるように各通信端末装置への送信電力を決定する。以下、HSDPAを用いて通信を行う例について説明する。
【0011】
図10は、従来の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。図10において、Queue10は、通信端末装置宛に送信する一つまたは複数のパケットをサービスやデータ量毎に振り分け、保持する。優先度計算部11は、Queue毎の優先度を計算する。以降、優先度の高いパケット(UE)から順にパワー算出の処理を行う。
【0012】
A−DPCHパワー算出部13は、Associated DPCH(Dedicated Physical Channel)の全パワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部15に出力する。共通チャネルパワー算出部14は、通信端末装置共通の制御チャネル(共通チャネルと呼ぶ)のパワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部15に出力する。ここで、共通チャネルとは、CPICH(Common Pilot Channel)やCCPCH(Common Control Physical Channel)やSCH(Synchronisation Channel)やPICH(Page Indicator Channel)やAICH(Acquisition Indicator Channel)等を指す。
【0013】
HSチャネルパワーリソース算出部15は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部13で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部14で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSDPAチャネルに利用できるパワーリソース(HSチャネルパワーリソースと呼ぶ)を算出し、パワー算出処理制御部25に出力する。
【0014】
HS−SCCHパワー算出部12は、1回目のパワー算出処理の場合、優先度が最も高いパケットのHS−SCCH(Shared Control Channel for HS−DSCH)のパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0015】
パワー算出処理制御部25は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部15で算出したHSチャネルパワーリソースを、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0016】
HS−SCCHパワー判定部16は、HS−SCCHパワー算出部12で算出した優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、HS−SCCHパワー判定部16は、HS−SCCHのパワーを残りパワー算出部18及びUE多重決定部19に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をHS−PDSCHパワー算出部17、UE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0017】
HS−SCCHパワー判定部16からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部15で算出したHSチャネルパワーリソースからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部18に出力する。
【0018】
残りパワー算出部18は、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソースから優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを減算し、残りのパワーAをパワー算出処理制御部25に出力する。
【0019】
HS−SCCHパワー算出部12で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部25から出力されたHSチャネルパワーリソースを越えていた場合、HS−SCCHパワー判定部16は、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を、UE多重決定部19に出力する。
【0020】
HS−SCCHパワー判定部16からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)のパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部17に出力する。また、パワー算出処理制御部25は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーAを、HS−PDSCHパワー算出部17に出力する。
【0021】
HS−PDSCHパワー算出部17は、優先度が最も高いパケットに対応したCQI(Channel Quality Indicator)信号と、パワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーA等から、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、HS−PDSCHのパワーを残りパワー算出部18及びUE多重決定部19に出力し、HS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部19に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をUE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0022】
HS−PDSCHパワー算出部17からHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部25は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーAからHS−PDSCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部18に出力する。
【0023】
残りパワー算出部18は、パワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーAから優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを減算し、残りのパワーBをUE多重決定部19及びパワー算出処理制御部25に出力する。
【0024】
優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOut of Range(OOR)になる、すなわちHS−PDSCHのパワーがパワー算出処理制御部25から出力された残りのパワーAを超える場合、HS−PDSCHパワー算出部17は、優先度が最も高いパケットのOOR情報をUE多重決定部19に出力する。
【0025】
HS−SCCHパワー判定部16から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合や、HS−SCCHパワー判定部16から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を受けた場合や、HS−PDSCHパワー算出部17から優先度が最も高いパケットのOOR情報を受けた場合、UE多重決定部19は、優先度が2番目に高いパケットの処理を開始する指示を、HS−SCCHパワー算出部12とパワー算出処理制御部25に出力する。
【0026】
HS−SCCHパワー算出部12は、UE多重決定部19から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、優先度が2番目に高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0027】
パワー算出処理制御部25は、UE多重決定部19から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーBを、HS−SCCHパワー判定部16に出力する。
【0028】
UE多重決定部19は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーがなくなるまで、優先度の高いパケットから順に上記処理を繰り返す。UE多重決定部19は、残りパワー算出部18から出力された残りのパワーがなくなったとき、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部12とパワー算出処理制御部25に出力する。
【0029】
HS−SCCHパワー算出部12は、UE多重決定部19からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、HS−SCCHのパワーの算出処理を中止する。
【0030】
パワー算出処理制御部25は、UE多重決定部19からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、パワーの算出処理を中止する。
【0031】
パワー算出処理が終了した場合、UE多重決定部19は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットを送信フレーム作成部20に出力する。また、UE多重決定部19は、多重するパケットの変調方式と符号化率を送信フレーム作成部20と変調部22に出力する。また、UE多重決定部19は、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを送信無線部21に送信する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0032】
送信フレーム作成部20は、UE多重決定部19の出力に従って、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケット毎に送信フレームを作成する。変調部22は、UE多重決定部19の出力に従って、多重するパケット毎に送信フレーム作成部20から出力された送信フレームを変調する。拡散部23は、変調部22から出力された送信フレームを拡散する。
【0033】
送信無線部21は、UE多重決定部19の出力に従って、多重するパケット毎に送信電力を決定し、同一タイムスロットで複数のパケットを多重し、所定の無線処理を施してアンテナ24から出力する。
【0034】
【特許文献1】
特開2003−8504号公報
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置では、パワーがなくなるまで、パケット送信に必要となるパワーの算出処理を優先度の高い順に逐次行うため、多くのパワーを必要とするパケットが優先度の高い順に連続した場合、優先度の高いパケットのパワーの算出処理を行った後、残りのパワーがほとんどなくても、次の優先度の高いパケットのパワーの算出処理をさらに行うので、多重が完了するまでに要する処理量が増大する問題がある。
【0036】
また、パワーの算出回数や同一タイムスロットで多重するパケットの数に上限を設けた場合、処理量を抑えることはできるが、パワーが残っていてもパケットのパワーの算出処理を終了することになり、パワーリソースを効率的に使用することができない問題もある。
【0037】
また、データ量に関係なく優先度の高いパケットから順にパワーを算出するので、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが少なくなり、所定の時間内にパケットデータを送ることができずタイムアウトが多く発生する問題もある。
【0038】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、少ない処理量で効率的にパワーリソースを使用することができる無線送信装置及び無線送信方法を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線送信装置は、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信装置であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化手段と、パケットの優先度を計算する優先度計算手段と、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出手段と、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定手段と、前記多重決定手段によって決定されたパケットを多重して送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0040】
この構成によれば、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0041】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを算出する個別チャネルパワー算出手段と、前記通信装置共通の制御チャネルのパワーを算出する共通制御チャネルパワー算出手段と、全体のパワーリソースから前記個別チャネルのパワーと前記共通の制御チャネルのパワーを減算し、共有チャネルで利用できるパワーリソースを算出する共有チャネルパワーリソース算出手段と、を具備する構成を採る。
【0042】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、優先度の高いパケットから順にパケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを逐次算出する共有チャネルパワー算出手段を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーを優先度の高いパケットから順に加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソースを越えた場合に前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示する判定手段と、前記パワーの総計が前記全体のパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0043】
これらの構成によれば、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0044】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記共有チャネルのパワーリソースに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0045】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワーを加算して割り当てられたパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記割り当てられたパワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0046】
本発明の無線送信装置は、前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーリソースを算出するパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットについて、前記共有チャネルのパワーを加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備する構成を採る。
【0047】
これらの構成によれば、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信するため、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【0048】
本発明の無線送信装置は、前記グループ化手段は、所定の時間内においてパケットの送信先である通信装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出するレート算出手段と、前記通信レートを所定の通信レートの範囲別で区分して前記パケットをグループ分けするグループ分け手段と、を具備する構成を採る。
【0049】
本発明の無線送信装置は、前記選択手段は、通信レートの低いグループで選択するパケットの数を通信レートの高いグループが選択するパケットの数より多くする構成を採る。
【0050】
これらの構成によれば、通信レートの高いグループは多くのパワーを必要とするので選択するパケットの数を少なくし、通信レートの低いグループは少しのパワーしか必要としないので選択するパケットの数を多くするため、通信レートに応じて選択するパケットの数を最適化することができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0051】
本発明の無線送信装置は、前記送信手段は、パワー算出の過程で全体のパワーリソースを越えた場合、または前記選択手段によって選択されたパケットのパワーを全て算出した場合に、前記多重決定手段によって決定されたパケットに残るパワーを上乗せして送信する構成を採る。
【0052】
本発明の無線送信装置は、前記送信手段は、前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーが前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワー以内である場合、前記割り当てられたパワー全てを使ってパケットを送信する構成を採る。
【0053】
これらの構成によれば、残るパワーを全て使って送信するため、パケットの送信先である通信装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0054】
本発明の無線送信装置は、前記判定手段は、前記パワー加算手段によって加算されたパワーの総計が前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーリソースと等しくなった場合または所定の値以上になった場合に、前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示する構成を採る。
【0055】
この構成によれば、パケットのパワーを算出しても共有チャネルのパワーリソースを超えてしまうほど残りのパワーが少なくなった時点でパワーの算出処理を中止するため、余分なパワーの算出処理を省くことができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0056】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを予め定めた値とする構成を採る。
【0057】
本発明の無線送信装置は、前記共通制御チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である通信装置共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値とする構成を採る。
【0058】
これらの構成によれば、個別チャネルのパワーと共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値にするため、個別チャネルのパワーと共通の制御チャネルのパワーを算出する必要がなく、処理量をより少なくすることができる。
【0059】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルの数が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくする構成を採る。
【0060】
この構成によれば、個別チャネルの数が多いときはパワーを多く必要とするため、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0061】
本発明の無線送信装置は、前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置から無線送信装置への送信電力を上げる要求が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくする構成を採る。
【0062】
この構成によれば、送信電力を上げる要求が多いときは通信装置の受信品質が悪いのでパワーを多く必要とするため、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0063】
本発明の基地局装置は、上記いずれかに記載の無線送信装置を有する構成を採る。
【0064】
この構成によれば、上記と同様の作用効果を有する基地局装置を提供することができる。
【0065】
本発明の通信端末装置は、上記いずれかに記載の無線送信装置を有する構成を採る。
【0066】
この構成によれば、上記と同様の作用効果を有する通信端末装置を提供することができる。
【0067】
本発明の無線送信方法は、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信方法であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出し、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、決定されたパケットを多重して送信するようにした。
【0068】
この方法によれば、同一タイムスロット複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する通信方法において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0069】
本発明の無線送信プログラムは、所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信プログラムであって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化ステップと、パケットの優先度を計算する優先度計算ステップと、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出ステップと、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定ステップと、前記多重決定ステップによって決定されたパケットを多重して送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させる構成を採る。
【0070】
このプログラムによれば、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信するプログラムにおいて、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うことにより、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくし、かつ効率的にパワーリソースを使用することである。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることを多くし、タイムアウトの発生を少なくすることである。
【0072】
また、本発明の骨子は、同一タイムスロットで複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信することにより、残りのパワーを算出する必要をなくし、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることである。さらに、パワー算出を並列処理で行うことである。
【0073】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、無線送信装置を基地局装置、パケットの送信先である通信装置を通信端末装置とする。また、高速パケット伝送方式の例として、同一タイムスロットで複数のパケットをコード多重して、基地局装置から通信端末装置へ高速パケット伝送するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)を用いることとする。HSDPAでは、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)、HS−SCCH(Shared Control Channel for HS−DSCH)、Associated DPCH(Dedicated Physical Channel)等の複数のチャネルが用いられる。
【0074】
HS−PDSCHは、パケットの伝送に使用される下り方向の共有チャネルでる。HS−SCCHは、下り方向の共有制御チャネルであり、リソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)、H−ARQ制御に関する情報等が伝送される。
【0075】
Associated DPCHは、上り方向及び下り方向の個別付随チャネルであり、そのチャネル構成やハンドオーバ制御等はDPCHと変わらない。Associated DPCHでは、パイロット信号、TPCコマンド等が伝送され、上り方向では、これらに加えてACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)信号が伝達される。なお、CQI信号は、通信端末装置において復調可能なパケットデータの変調方式及び符号化率を示す信号であり、下り回線状態を報告する報告値の役割を果たす。
【0076】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。以下、図1の基地局装置100の各構成部分の作用について説明する。
【0077】
図1において、基地局装置100は、アンテナ101と、共用器(Dup)102と、受信RF部103と、復調部104と、分離部105と、SIR測定部106と、TPCコマンド生成部107と、グループ作成部150と、スケジューラ部151と、バッファ152と、変調部153と、送信電力制御部154と、増幅部155と、多重部(MUX)156と、変調部157と、送信電力制御部158と、増幅部159と、送信電力制御部160と、増幅部161と、変調部162と、送信電力制御部163と、増幅部164と、多重部(MUX)165と、送信RF部166と、変調部167から主に構成される。
【0078】
基地局装置100は、パケットの送信先の通信端末装置の数のバッファ152、変調部153、送信電力制御部154、増幅部155、多重部156、変調部157、送信電力制御部158、増幅部159、送信電力制御部160、増幅部161、及び変調部167を備える。
【0079】
共用器102は、アンテナ101に受信された信号を受信RF部103に出力する。また、共用器102は、送信RF部166から出力された信号をアンテナ101から無線送信する。
【0080】
受信RF部103は、共用器102から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、復調部104に出力する。
【0081】
復調部104は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信ベースバンド信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部105に出力する。
【0082】
分離部105は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調部104の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部105にて分離された制御信号には、DL(Down Link)用TPC(Transmit Power Control)コマンド、CQI信号、ACK/NACK信号等が含まれる。CQI信号及びACK/NACK信号はスケジューラ部151に出力され、DL用TPCコマンドは送信電力制御部158に出力される。
【0083】
SIR測定部106は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部107に出力する。
【0084】
TPCコマンド生成部107は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、上り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係により、上り回線の送信電力の増減を指示するUL(Up Link)用TPCコマンドを生成する。
【0085】
バッファ(Queue)152は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、通信端末装置宛に送信する一つまたは複数のパケットをサービスやデータ量毎に振り分け、保持する。
【0086】
本願発明の特徴部分であるグループ作成部150は、バッファ152に保持されたパケット、すなわち所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出し、この通信レートの大きさ別にバッファ152に保持されたパケットをグループ分けする。
【0087】
スケジューラ部151は、全ての通信端末装置におけるバッファ152に保持されたパケット全てに対して、各通信端末装置からのCQI信号、ACK/NACK信号、スループット、または許容遅延時間等に基づいて優先度計算を行う。行い、優先度が最も高いパケットの送信先である通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を決定する。スケジューラ部151は、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する。選択方法の詳細については後述する。
【0088】
スケジューラ部151は、選択されたパケットに対して、パケット送信に必要となるパワーを算出し、全体のパワーリソース以内であるパケットを一または複数決定し、パケットデータを示す情報をバッファ152に出力する。パワーの算出方法の詳細については後述する。また、スケジューラ部151は、パケットの送信先である通信端末装置(以下、「送信先装置」という)のCQI信号等に基づいてMCS(変調方式及び符号化率)を決定し、変調部153に指示する。また、スケジューラ部151は、送信先装置からのCQI信号等に基づいてHS−PDSCHの送信電力を決定し、送信電力を示す信号を送信電力制御部154に出力する。また、スケジューラ部151は、HS−SCCHによって送信先装置に送信する信号(以下、「HS−SCCH用信号」という)を変調部167に出力する。HS−SCCH用信号には、パケットデータを送信するタイミング、パケットデータの符号化率及び変調方式等を示す情報(TFRI)が含まれる。また、スケジューラ部151は、DPCHの送信電力値とオフセット等に基づいてHS−SCCHの送信電力を決定し、送信電力を示す信号を送信電力制御部160に出力する。なお、スケジューラ部151の内部構成については後述する。
【0089】
バッファ152は、スケジューラ部151に指示されたパケットデータを変調部153に出力する。
【0090】
変調部153は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、スケジューラ部151の指示に従ってパケットデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部155に出力する。
【0091】
送信電力制御部154は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、増幅部155の増幅量を制御することにより、変調部153の出力信号の送信電力をスケジューラ部151で決定された値となるように制御する。増幅部155の出力信号は、HS−PDSCHで送信される信号であって、同一タイムスロットで複数の送信先装置にパケットをコード多重化される。増幅部155の出力信号は、多重部165に出力される。
【0092】
多重部156は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、各通信端末装置に送信する個別データ(制御信号も含む)にパイロット信号及びUL用TPCコマンドを多重して変調部157に出力する。
【0093】
変調部157は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、多重部156の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部159に出力する。
【0094】
送信電力制御部158は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、DL用TPCコマンドに従って増幅部159の増幅量を制御することにより、変調部157の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部158は、送信電力値を示す信号をスケジューラ部151に出力する。増幅部159にて増幅された信号は、DPCH(Associated DPCHを含む)で送信される信号であって、多重部165に出力される。
【0095】
変調部167は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、スケジューラ部151から出力されたHS−SCCH用信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部161に出力する。
【0096】
送信電力制御部160は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、増幅部161の増幅量を制御することにより、変調部167から出力されたHS−SCCH用信号の送信電力をスケジューラ部151で決定された値となるように制御する。増幅部161にて増幅された信号は、HS−SCCHで送信される信号であって、多重部165に出力される。
【0097】
変調部162は、通信端末装置共通の制御チャネル(共通チャネルと呼ぶ)データに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部164に出力する。送信電力制御部163は、増幅部164の増幅量を制御することにより、変調部162の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部163は、送信電力値を示す信号をスケジューラ部151に出力する。増幅部164の出力信号は、CPICH(Common Pilot Channel)やCCPCH(Common Control Physical Channel)やSCH(Synchronisation Channel)やPICH(Page Indicator Channel)やAICH(Acquisition Indicator Channel)等の共通チャネルであって、多重部165に出力される。
【0098】
多重部165は、増幅部155、増幅部159、増幅部161及び増幅部164の各出力信号を多重し、送信RF部166に出力する。
【0099】
送信RF部166は、多重部165から出力されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換して共用器102に出力する。
【0100】
上記構成により、本発明の基地局装置100は、パケットを各通信端末装置に送信する。次に、グループ作成部150の詳細について説明する。図2は、本実施の形態の基地局装置のグループ作成部の構成を示す図である。図2において、グループ作成部150は、レート算出部201と、グループ分け部202とから主に構成される。
【0101】
レート算出部201は、所定の時間内において通信端末装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からバッファに保持されたパケットの通信レートを算出してグループ分け部202に出力する。
【0102】
グループ分け部202は、レート算出部201で算出された通信レートを所定の通信レートの範囲別で区分してバッファに保持されたパケットをグループ分けする。
【0103】
このようにグループ作成部でグループ分けした結果を用いて、スケジューラ部151は、HS−PDSCH及びHS−SCCHで占有するパワーを算出するパケットを選択する。以下、基地局装置100のスケジューラ部151の内部構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。
【0104】
図1のスケジューラ部151は、優先度計算部401と、選択UE決定部402と、A−DPCHパワー算出部403と、共通チャネルパワー算出部404と、HSチャネルパワーリソース算出部405と、HS−SCCHパワー算出部406と、HS−SCCHパワー判定部407と、HS−PDSCHパワー算出部408と、残りパワー算出部409と、パワー算出処理制御部410と、UE多重決定部411とから主に構成される。
【0105】
優先度計算部401は、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度を計算して選択UE決定部402に出力する。
【0106】
選択UE決定部402は、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットが属するグループを決定する。選択UE決定部402は、優先度が最も高いパケットが属するグループから優先度の高い順に所定の数のパケット(UE)を選択する。選択するパケットの数はグループにより異なる。すなわち、通信レートの高いグループは、多くのパワーを必要とするので、選択するパケットの数を少なくする。また、通信レートの低いグループは少ないパワーしか必要としないので、選択するパケットの数を多くする。これにより、通信レートに応じて選択するパケットの数を最適化することができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0107】
選択UE決定部402は、グループ別に所定の数のパケットを選択する。例えば、通信レートの高い順にグループを3個に分けるとして、優先度が最も高いパケットが、通信レートが最も高いグループ1に属する場合、優先度の高い順にグループ1に属するパケットを1個、すなわち優先度が最も高いパケットのみを選択する。また、優先度が最も高いパケットが、通信レートが最も低いグループ3に属する場合、優先度の高い順にグループ3に属するパケットを4個選択する。
【0108】
なお、選択UE決定部402が選択するパケットは、複数のグループにまたがってもよい。例えば、優先度が最も高いパケットがグループ3に属する場合、優先度の高い順にグループ3に属するパケットを2つ、他のグループであるグループ2から優先度の高い順にパケットを1個選択してもよい。
【0109】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度計算の結果から優先度の高いパケットが選択されるように、グループ別に所定の数を設定してもよい。例えば、優先度が最も高いパケットがグループ2に属する場合、優先度が2番目に高いパケットがグループ2に属するときは優先度の高い順にグループ2に属するパケットを2つ、優先度が2番目に高いパケットがグループ3に属するときは優先度の高い順にグループ2に属するパケットを1個と優先度の高い順にグループ3に属するパケットを2つ選択する。
【0110】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度が最も高いパケット以外は、通信レートが最も低いグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択してもよい。
【0111】
また、選択UE決定部402が選択するパケットは、優先度が最も高いパケットを必ずしも選択せず、通信レートが低いグループから優先度の高い順に所定の数のパケットを選択してもよい。
【0112】
また、選択UE決定部402において、パワー算出処理を行うパケットの数を選択する際、予めHSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを算出して、そのパワーリソースに基づいて、グループから選択するパケットの数を決定してもよい。
【0113】
例えば、選択UE決定部402で通信レートが最も低いグループ3に属するパケットが4個選択されたとする。HSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを算出した結果、そのパワーリソースがグループ3に属するパケットの3個分しかなかった場合は、グループ3に属するパケットを4個選択しても、4番目のパケットのパワーを算出できずに余分なパワーの算出処理になってしまう可能性が高いので、グループ3に属するパケットを3個しか選択しない。また、パワーリソースがグループ3に属するパケットの5個分あった場合は、グループ3に属するパケットを4個選択すると、グループ3に属するパケット1個分のパワーリソースが余ってしまうので、グループ3に属するパケットを5個選択、あるいはグループ3に属するパケットを3個及び通信レートが2番目に高いグループ2に属するパケットを1個選択する。
【0114】
これにより、実際にパワーを算出したときに、HSDPAチャネルに利用できるパワーリソース以内にする、またはパワーリソースを多く残さないために、グループ化の結果だけで選択するパケットを決定するのではなく、HSDPAチャネルに利用できるパワーリソースを考慮して、グループから選択するパケットの数を最適化するので、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0115】
また、選択UE決定部402において、パワー算出処理を行うパケットの数を選択する際、多重が完了するまでに要する処理量に基づいて、グループから選択するパケットの数を決定してもよい。
【0116】
例えば、多重が完了するまでに要する処理量を考慮してパワーの算出処理を行うパケットの数を3に制限するとする。優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が4番目に高いパケットは通信レートが2番目に高いグループ2に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットについては、パケット送信に必要となるパワーがあるが、通信レートが低いためパワーリソースに残りが生じる。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目に高いパケットを選択してパワーの算出処理を行うと、全てのパケットについてパケット送信に必要となるパワーがあり、かつパワーリソースに残りが生じない。
【0117】
これにより、多重が完了するまでに要する処理量によって多重するパケットの数を制限し、制限内でグループから選択するパケットの数を最適化するため、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0118】
選択UE決定部402は、選択したパケットと選択したパケットのCQI信号等をHS−SCCHパワー算出部406に出力する。
【0119】
A−DPCHパワー算出部403は、送信電力制御部158からの送信電力値を示す信号に基づいて、Associated DPCHの全パワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部405に出力する。共通チャネルパワー算出部404は、送信電力制御部163からの送信電力値を示す信号に基づいて、共通チャネルのパワーを算出してHSチャネルパワーリソース算出部405に出力する。ここで、共通チャネルとは、CPICHやCCPCHやSCHやPICHやAICH等を指す。
【0120】
HSチャネルパワーリソース算出部405は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部403で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部404で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSDPAチャネルに利用できるパワーリソース(HSチャネルパワーリソースと呼ぶ)を算出し、パワー算出処理制御部410に出力する。
【0121】
HS−SCCHパワー算出部406は、1回目のパワー算出処理の場合、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0122】
パワー算出処理制御部410は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースを、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0123】
HS−SCCHパワー判定部407は、HS−SCCHパワー算出部406で算出した優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、HS−SCCHパワー判定部407は、HS−SCCHのパワーを残りパワー算出部409及びUE多重決定部411に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をHS−PDSCHパワー算出部408、UE多重決定部411及びパワー算出処理制御部410に出力する。
【0124】
HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、1回目のパワー算出処理の場合、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部409に出力する。
【0125】
残りパワー算出部409は、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソースから優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーを減算し、残りのパワーAをパワー算出処理制御部410に出力する。
【0126】
HS−SCCHパワー算出部406で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部410から出力されたHSチャネルパワーリソースを越えていた場合、HS−SCCHパワー判定部407は、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を、UE多重決定部411に出力する。
【0127】
HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、HS−PDSCHのパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部408に出力する。また、パワー算出処理制御部410は、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAを、HS−PDSCHパワー算出部408に出力する。
【0128】
HS−PDSCHパワー算出部408は、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットに対応したCQI信号と、パワー算出処理制御部410から出力された残りのパワーA等から、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、HS−PDSCHのパワーを残りパワー算出部409及びUE多重決定部411に出力し、HS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部411に出力し、優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報をUE多重決定部411及びパワー算出処理制御部410に出力する。
【0129】
HS−PDSCHパワー算出部408からHS−PDSCHのパワーがHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、パワー算出処理制御部410は、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAからHS−PDSCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部409に出力する。
【0130】
残りパワー算出部409は、パワー算出処理制御部410から出力された残りのパワーAから優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーを減算し、残りのパワーBをパワー算出処理制御部410に出力する。
【0131】
優先度が最も高いパケットのHS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOut of Range(OOR)になる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りパワー算出部409から出力された残りのパワーAを超える場合、HS−PDSCHパワー算出部408は、優先度が最も高いパケットのOOR情報をUE多重決定部411に出力する。
【0132】
HS−SCCHパワー判定部407から優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である情報を受けた場合、UE多重決定部411は、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が2番目に高いパケットの処理を開始する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。
【0133】
HS−SCCHパワー算出部406は、UE多重決定部411から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、選択UE決定部402で選択したパケットの中で優先度が2番目に高いパケットのHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0134】
パワー算出処理制御部410は、UE多重決定部411から優先度が2番目に高いパケットのパワー算出処理を開始する指示を受けた場合、残りパワー算出部409から出力された残りのパワーBを、HS−SCCHパワー判定部407に出力する。
【0135】
UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択UE決定部402で選択したパケットの数に達するまで、優先度の高いパケットから順に上記処理を繰り返す。UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択UE決定部402で選択したパケットの数に達したとき、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。また、HS−SCCHパワー判定部407からHS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えた情報を受けた場合や、HS−PDSCHパワー算出部408からOOR情報を受けた場合は、UE多重決定部411は、パワー算出処理を中止する指示を、HS−SCCHパワー算出部406とパワー算出処理制御部410に出力する。
【0136】
HS−SCCHパワー算出部406は、UE多重決定部411からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、HS−SCCHのパワー算出処理を中止する。
【0137】
パワー算出処理制御部410は、UE多重決定部411からパワー算出処理を中止する指示を受けた場合、パワーの算出処理を中止する。
【0138】
パワー算出処理が終了した場合、UE多重決定部411は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。HS−SCCHのパワーがHSチャネルパワーリソースを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0139】
上記説明の構成により、本発明の基地局装置は、送信先の通信端末装置を決定する。次に、上記基地局装置100の動作について説明する。図4及び図5は、本実施の形態の基地局装置100の動作の一例を示すフロー図である。
【0140】
ST501では、グループ作成部150において、伝送レート(通信レート)別にバッファ152に保持されたパケットがグループ分けされる。
【0141】
ST502では、優先度計算部401において、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度が計算される。
【0142】
ST503では、選択UE決定部402において、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットを含むグループが決定される。
【0143】
ST504では、選択UE決定部402において、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度が高い順に所定の数のパケット(UE)が選択される。
【0144】
ST505では、HS−SCCHパワー算出部406において、優先度が最も高いパケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0145】
ST501からST505までの処理と平行してST506からST508までの処理が行われる。ST506では、A−DPCHパワー算出部403において、Associated DPCHの全パワーが算出される。ST507では、共通チャネルパワー算出部404において、共通チャネルのパワーが算出される。
【0146】
ST508では、HSチャネルパワーリソース算出部405において、利用可能なパワーリソースからST506で算出したAssociated DPCHの全パワーとST507で算出した共通チャネルのパワーとが減算され、HSチャネルパワーリソースが算出される。
【0147】
ST509では、HS−SCCHパワー判定部407において、ST505で算出したHS−SCCHのパワーがST508で算出したHSチャネルパワーリソース以内であるか否か判定される。このパワーがHSチャネルパワーリソースを越える場合、ST510に進み、このパワーがHSチャネルパワーリソース以内である場合、ST511に進む。
【0148】
ST510では、処理の対象となっている通信端末装置にパケットを送信せず、次の送信タイミングの処理に移る。
【0149】
ST511では、残りパワー算出部409において、ST508で算出したHSチャネルパワーリソースからST505で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーAが算出される。
【0150】
ST512では、HS−PDSCHパワー算出部408において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーAを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST510に進み、CQIがOORでない場合、ST513に進む。
【0151】
ST513では、残りパワー算出部409において、ST511で算出した残りのパワーAからST512で算出した優先度が最も高いパケットに対して、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーが減算され、残りのパワーBが算出される。
【0152】
ST514では、UE多重決定部411において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーがHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が、ST504で選択したパケットの所定の数に達したか否か判定する。パケットの数が所定の数に達している場合、ST515に進み、パケットの数が所定の数に達していない場合、ST516に進む。
【0153】
ST515では、UE多重決定部411において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーがHSチャネルパワーリソース以内であるパケットを多重化して送信する指示が出力される。
【0154】
ST516では、HS−SCCHパワー算出部406において、次に優先度が高いパケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0155】
ST517では、HS−SCCHパワー判定部407において、ST516で算出したHS−SCCHのパワーがST513で算出した残りのパワーB以内であるか否か判定される。このパワーが残りのパワーを越える場合、ST515に進み、このパワーが残りのパワー以内である場合、ST518に進む。
【0156】
ST518では、残りパワー算出部409において、ST513で算出した残りのパワーBからST516で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーCが算出される。
【0157】
ST519では、HS−PDSCHパワー算出部408において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーCを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST515に進み、CQIがOORでない場合、ST520に進む。
【0158】
ST520では、残りパワー算出部409において、ST518で算出した残りのパワーCからST519で算出した次に優先度が高いパケットに対して、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーが減算され、残りのパワーDが算出され、ST514に処理を戻す。
【0159】
このように、本実施の形態の基地局装置によれば、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うため、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0160】
例えば、優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が3番目に高いパケットは通信レートが最も高いグループ1に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目及び2番目に高いパケットについては、通信レートが低いため全てのデータを送信することができるが、優先度が3番目に高いパケットについては、通信レートが高いため全てのデータを送信するためのパワーが足りず、いくらかデータを残して送信した時点でパワーがなくなり、優先度が4番目及び5番目に高いパケットについては、データを送信することができない。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットを選択してパワーの算出処理を行うと、優先度が1番目、2番目、4番目、5番目に高いパケットについて、全てのデータを送信することができる。これにより、一回の送信でデータを全て送るパケットの数が多くなり、タイムアウトになるパケットデータを少なくすることができる。
【0161】
なお、パワー算出の過程でパワーリソースを超えた場合、または選択されたパケットのパワーを全て算出した場合に、パワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットに残るパワーを上乗せして送信してもよい。例えば、優先度が最も高いパケットのパワー(例えば、HS−PDSCHのパワー)に対して、余っているパワーを全て上乗せして送信する。または、パワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重する全てのパケットに均等にパワーを上乗せして送信する。または、優先度の高い順にパワーを傾斜配分して上乗せして送信する。または、通信レートの高いパケットに多くのパワーを上乗せして送信する。または、要求する伝送レート(CQI等)によってパワーを傾斜配分して上乗せして送信する。
【0162】
これにより、残るパワーをパワーがHSチャネルパワーリソース以内である多重するパケットに配分して送信するため、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0163】
また、優先度の高いパケットから順に所定の数のパワーを算出した後に、通信レートの低いパケットから順にパワーを算出してもよい。
【0164】
また、優先度の高い順にパワーを算出するのではなく、通信レートの低いパケットから順にパワーを算出してもよい。
【0165】
これらにより、通信レートの低いパケットから優先してパワーの算出処理を行うため、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることができる。
【0166】
また、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択したパケットの数に達したとき、パワー算出処理を中止するが、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの数が選択したパケットの数に達する前に残りのパワーが「0」あるいは、所定の値以下になったとき、パワー算出処理を中止してもよい。
【0167】
これにより、パケットのパワーを算出しても共有チャネルのパワーリソースを超えてしまうほど残りのが少なくなった時点でパワーの算出処理を中止するため、余分なパワーの算出処理を省くことができ、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができる。
【0168】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図である。但し、図3と同一の構成となるものについては、図3と同一番号を付し、詳しい説明を省略する。
【0169】
図1のスケジューラ部151は、HS−SCCHパワー算出部706と、HS−SCCHパワー判定部707と、HS−PDSCHパワー算出部708と、残りパワー算出部709と、パワー算出処理制御部710と、UE多重決定部711と、パワー割り当て部712を具備し、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、選択されたパケットのHS−SCCHとHS−PDSCHのパワーを算出し、パワーが割り当てられたパワー以内であるパケットを送信する点が図3のスケジューラ部と異なる。
【0170】
選択UE決定部402は、選択したパケットと選択したパケットのCQI信号等をHS−SCCHパワー算出部706とパワー割り当て部712に出力する。
【0171】
HSチャネルパワーリソース算出部405は、利用可能なパワーリソースからA−DPCHパワー算出部403で算出したAssociated DPCHの全パワーと共通チャネルパワー算出部404で算出した共通チャネルのパワーとを減算してHSチャネルパワーリソースを算出し、パワー割り当て部712に出力する。
【0172】
パワー割り当て部712は、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、選択UE決定部402で選択したパケット全てを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、パケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力する。
【0173】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが10、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4のとき、パケット毎にパワーを4、3、2、1に割り当てる。
【0174】
HS−SCCHパワー算出部706は、選択UE決定部402で選択したパケットに対して、パワー割り当て部712から出力されたパワー算出処理を行うパケットのみHS−SCCHのパワーを算出し、HS−SCCHパワー判定部707に出力する。
【0175】
パワー算出処理制御部710は、パケット毎に割り当てられたパワーをHS−SCCHパワー判定部707に出力する。
【0176】
HS−SCCHパワー判定部707は、HS−SCCHパワー算出部706でHS−SCCHのパワーを算出した全てのパケットに対して、HS−SCCHパワー算出部706で算出したHS−SCCHのパワーが、パワー算出処理制御部710から指示された割り当てられたパワー以内であるか否か判定する。HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内であるパケット全てに対して、HS−SCCHパワー判定部707は、パケット毎のHS−SCCHのパワーを残りパワー算出部709及びUE多重決定部711に出力し、HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内であるパケットの情報をHS−PDSCHパワー算出部708、UE多重決定部711及びパワー算出処理制御部710に出力する。
【0177】
HS−SCCHパワー判定部707からHS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内である情報を受けたパケット全てに対して、パワー算出処理制御部710は、割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算する指示を、残りパワー算出部709に出力する。
【0178】
残りパワー算出部709は、パワー算出処理制御部710から出力された割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算し、パケット毎の残りのパワーをパワー算出処理制御部710に出力する。
【0179】
HS−SCCHのパワーがパワー算出処理制御部710から出力された割り当てられたパワーを越えていたパケット全てに対して、HS−SCCHパワー判定部707は、割り当てられたパワーを越えたパケットの情報を、UE多重決定部711に出力する。
【0180】
HS−SCCHパワー判定部707からHS−SCCHのパワーが割り当てられたパワー以内である情報を受けた全てのパケットに対して、パワー算出処理制御部710は、HS−PDSCHのパワーを算出する指示を、HS−PDSCHパワー算出部708に出力する。また、パワー算出処理制御部710は、残りパワー算出部709から出力されたパケット毎の残りのパワーを、HS−PDSCHパワー算出部708に出力する。
【0181】
HS−PDSCHパワー算出部708は、パケット毎に対応したCQI信号と、パワー算出処理制御部710から出力されたパケット毎の残りのパワー等から、パケット毎のHS−PDSCHのパワーを算出及び変調方式と符号化率を決定し、パケット毎のHS−PDSCHのパワーをUE多重決定部711に出力し、パケット毎のHS−PDSCHの変調方式と符号化率をUE多重決定部711に出力し、HS−PDSCHが割り当てられたパワー以内であるパケットの情報をUE多重決定部711に出力する。
【0182】
HS−PDSCHのパワーの算出の際、CQI信号がOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーを超える全てのパケットに対して、HS−PDSCHパワー算出部708は、OORであるパケットの情報をUE多重決定部711に出力する。
【0183】
UE多重決定部711は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方が割り当てられたパワー以内である多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。HS−SCCHのパワーが割り当てられたパワーを超えたパケットや、OOR情報を受けたパケットに対しては、何も出力しない。
【0184】
なお、パワー割り当て部712は、グループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決めておき、選択したパケットに対して必要なパワーを加算して、加算したパワーの総計がHSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、そのパワーを決定されたパケット毎に割り当て、決定されたパケットを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、決定されたパケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力してもよい。
【0185】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが8、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4、パケット毎に予め決められた必要なパワーを優先度の高い順に4、3、2、1とすると、優先度の高い順に必要なパワーを加算するとき、優先度1番と優先度2番のパケットを、パワー算出処理を行うパケットとする。または、優先度に関わらず必要なパワーを加算するとき、例えば、優先度1番と優先度2番の優先度4番のパケットを、パワー算出処理を行うパケットとする。
【0186】
また、パワー割り当て部712は、グループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決めておき、そのパワーをパケット毎に割り当て、選択UE決定部402で選択したパケット全てを、パワー算出処理を行うパケットとしてHS−SCCHパワー算出部706に出力し、パケット毎に割り当てられたパワーをパワー算出処理制御部710に出力してもよい。
【0187】
この場合、パワー算出処理制御部710は、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースをUE多重決定部711に出力し、UE多重決定部711は、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方が割り当てられたパワー以内である多重するパケットに対して、パケット毎のHS−SCCHのパワーとパケット毎のHS−PDSCHのパワーを加算して、加算したパワーの総計がHSチャネルパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、決定された多重するパケットや、多重するパケットの変調方式と符号化率や、多重するパケットのHS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーを出力する。
【0188】
例えば、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースが5、選択UE決定部402で選択したパケットの数が4、パケット毎に予め決められた必要なパワーを優先度の高い順に4、3、2、1として、HS−SCCHのパワーとHS−PDSCHのパワーの両方を割り当てたパケットが優先度1番と優先度3番と優先度4番、そのパケットのパワーを4、2、1とすると、優先度の高い順にパワーを加算するとき、優先度1番のパケットを、多重するパケットとする。または、優先度に関わらずパワーを加算するとき、例えば、優先度1番と優先度4番のパケットを、多重するパケットとする。
【0189】
なお、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、送信先のパケット数で均等にパワーを割り当てる。
【0190】
これにより、均等にパワーを割り当てるため、簡単な処理でパケット毎に利用可能なパワーを算出することができる。
【0191】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、通信レートの低いパケットより通信レートの高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0192】
これにより、多くのパワーを必要とする通信レートの高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0193】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、要求する伝送レート(CQI等)の低いパケットより要求する伝送レートの高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0194】
これにより、要求する伝送レートの高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、要求する伝送レートの高いパケットについて、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0195】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、要求する伝送レート(CQI等)の高いパケットより要求する伝送レートの低いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0196】
これにより、要求する伝送レートの低い、すなわち受信品質が悪く多くのパワーを必要とするパケットに多くのパワーを割り当てるため、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、より効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0197】
また、HSチャネルパワーリソース算出部405で算出したHSチャネルパワーリソースに基づいて、選択UE決定部402で選択したパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てる、またはグループすなわち通信レートに基づいて、パケット毎に必要なパワーを予め決める際、パワー算出処理制御部710は、例えば、優先度の低いパケットより優先度の高いパケットにパワーを多く割り当ててもよい。
【0198】
これにより、優先度の高いパケットに多くのパワーを割り当てるため、優先度の高いパケットについて、算出された共有チャネルのパワーが割り当てられたパワー以内になる確率が高くなり、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0199】
上記説明の構成により、本発明の基地局装置は、送信先の通信端末装置を決定する。次に、上記基地局装置100の動作について説明する。
【0200】
図7及び図8は、本実施の形態の基地局装置100の動作の一例を示すフロー図である。
【0201】
ST801では、グループ作成部150において、伝送レート(通信レート)別にバッファ152に保持されたパケットがグループ分けされる。
【0202】
ST802では、優先度計算部401において、各通信端末装置からのCQI、ACK/NACK、スループット、または許容遅延時間等から通信の優先度が計算される。
【0203】
ST803では、選択UE決定部402において、優先度計算部401における優先度計算の結果及びグループ作成部150におけるグループ分け情報より、優先度が最も高いパケットを含むグループが決定される。
【0204】
ST804では、選択UE決定部402において、優先度が最も高いパケットが属するグループ及び他のグループから優先度が高い順に所定の数のパケットが選択される。
【0205】
ST801からST804までの処理と平行してST805からST807までの処理が行われる。ST805では、A−DPCHパワー算出部403において、Associated DPCHの全パワーが算出される。ST806では、共通チャネルパワー算出部404において、共通チャネルのパワーが算出される。
【0206】
ST807では、HSチャネルパワーリソース算出部405において、利用可能なパワーリソースからST805で算出したAssociated DPCHの全パワーとST806で算出した共通チャネルのパワーとが減算され、HSチャネルパワーリソースが算出される。
【0207】
ST808では、パワー割り当て部712において、HSチャネルパワーリソースが選択したパケット毎に割り当てられる。
【0208】
ST809からST815までの処理は、全パケットを対象としてパケット毎に並列的に実行される。ST810では、HS−SCCHパワー算出部706において、パケットのHS−SCCHのパワーが算出される。
【0209】
ST811では、HS−SCCHパワー判定部707において、ST810で算出したHS−SCCHのパワーがST808で割り当てられたパワー以内であるか否か判定される。このパワーが割り当てられたパワーを越える場合、ST812に進み、このパワーが割り当てられたパワー以内である場合、ST813に進む。
【0210】
ST812では、処理の対象となっている通信端末装置にパケットを送信しないことがUE多重決定部711に通知され、ST815に進む。
【0211】
ST813では、残りパワー算出部709において、割り当てられたパワーからST810で算出したHS−SCCHのパワーが減算され、残りのパワーが算出される。
【0212】
ST814では、HS−PDSCHパワー算出部708において、HS−PDSCHのパワーを算出する際、CQIがOORになる、すなわちHS−PDSCHのパワーが残りのパワーを超えるか否か判定される。CQIがOORである場合、ST812に進み、CQIがOORでない場合、パケット伝送で使用するHS−PDSCHのパワーを算出し、ST815に進む。
【0213】
ST815では、全てのパケットについてST810からST814までの処理が終了している場合、ST816に進み、終了していない場合、ST809に戻る。
【0214】
ST816では、UE多重決定部711において、HS−SCCHとHS−PDSCHの両方のパワーが割り当てられたパワー以内であるパケットを多重化して送信する指示が出力される。
【0215】
このように、本実施の形態の基地局装置によれば、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、グループ分けして所定の数のパケットを選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信するため、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【0216】
なお、多重するパケットの数は、HS−SCCHが送信可能な数に制限されるため、グループ分けしないで優先度の高い順にパケット毎にパワーを割り当てると、パワーリソースに残りが生じることがある。
【0217】
例えば、多重するパケットの数が3に制限されたとする。優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットは通信レートが最も低いグループ3、優先度が4番目に高いパケットは通信レートが2番目に高いグループ2に属する場合、グループ分けしないで優先度の高い順にパケット毎にパワーを割り当てると、優先度が1番目、2番目、3番目に高いパケットにパワーを割り当てても、通信レートが低いためパワーリソースに残りが生じる。または、パワーを全て割り当てても、各パケットに必要なパワー以上のパワーを割り当てることになる。一方、グループ分けして優先度が1番目、2番目、4番目に高いパケットを選択してパケット毎にパワーを割り当てると、パワーリソースに残りが生じず、効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0218】
なお、パケット送信のパワーが予め割り当てられたパワー以内である場合、パケットを送信するパワーは、割り当てられたパワー全てを使って送信してもよい。
【0219】
また、パケット送信のパワーが予め割り当てられたパワーを超えてパケット送信に使われなかった場合、パケットを送信するパワーに使われなかった残りのパワーを上乗せして送信してもよい。
【0220】
これらにより、パケット送信のパワーを割り当てられたパワー全てを使って送信するため、通信端末装置においてより良い受信品質を得ることができ、再送を削減することができ、システム全体の効率を上げることができる。
【0221】
また、割り当てられたパワーからHS−SCCHのパワーを減算して残りのパワーを算出し、残りのパワーを用いてHS−PDSCHのパワーを算出しているが、残りのパワーを算出しないで独立にHS−PDSCHのパワーを算出してもよい。
【0222】
(実施の形態3)
図9は、図1に示した基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図である。図9の通信端末装置900は、基地局装置100から個別データ、共通チャネルデータ、パケットデータ、HS−SCCH用信号を受信する。以下、図9の通信端末装置900の各構成部分の作用について説明する。
【0223】
共用器902は、アンテナ901に受信された信号を受信RF部903に出力する。また、共用器902は、送信RF部958から出力された信号をアンテナ901から無線送信する。
【0224】
受信RF部903は、共用器902から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、HS−PDSCHの信号をバッファ904に出力し、HS−SCCH用信号を復調部905に出力し、DPCHの信号を復調部908に出力し、共通チャネルの信号をCIR(Carrier to Interference Ratio)測定部912にする。
【0225】
バッファ904は、HS−PDSCHの信号を一時的に保存して復調部906に出力する。
【0226】
復調部905は、HS−SCCH用信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、自局宛パケットデータの到来タイミング、当該パケットデータの符号化率及び変調方式等、パケットデータの復調に必要な情報を取得して復調部906に出力する。
【0227】
復調部906は、復調部905にて取得された情報に基づいてバッファに保存されているHS−PDSCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、復調処理によって得られたパケットデータを誤り検出部907に出力する。
【0228】
誤り検出部907は、復調部906から出力されたパケットデータに対して誤り検出を行い、誤りが検出されなかった場合にはACK信号を、誤りが検出されなかった場合にはNACK信号を多重部951に出力する。
【0229】
復調部908は、DPCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部909に出力する。
【0230】
分離部909は、復調部908の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部909にて分離された制御信号には、UL用TPCコマンド等が含まれる。UL用TPCコマンドは送信電力制御部957に出力される。
【0231】
SIR測定部910は、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって下り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部911に出力する。
【0232】
TPCコマンド生成部911は、下り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係によりDL用TPCコマンドを生成し、多重部954に出力する。
【0233】
CIR測定部912は、基地局装置からの共通チャネルの信号を用いてCIRを測定し、測定結果をCQI生成部913に出力する。CQI生成部913は、基地局装置から送信された信号のCIRに基づくCQI信号を生成して多重部951に出力する。
【0234】
多重部951は、CQI信号及びACK/NACK信号を多重して変調部952に出力する。変調部952は、多重部951の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0235】
変調部953は、基地局装置100に送信するデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0236】
多重部954は、DL用TPCコマンド、パイロット信号を多重して変調部955に出力する。変調部955は、多重部954の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部956に出力する。
【0237】
多重部956は、変調部952、変調部953及び変調部955の各出力信号を多重し、送信RF部958に出力する。
【0238】
送信電力制御部957は、UL用TPCコマンドに従って送信RF部958の増幅量を制御することにより、多重部956の出力信号の送信電力を制御する。なお、複数の基地局装置と接続している場合、送信電力制御部957は、全てのUL用TPCコマンドが送信電力の上昇を指示する場合のみ送信電力を上昇させる制御を行う。
【0239】
送信RF部958は、多重部956から出力されたベースバンドのディジタル信号を増幅し、無線周波数の信号に変換して共用器902に出力する。
【0240】
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、Associated DPCH及び共通チャネルのパワーを計算して求めているが、これに限らず、Associated DPCH及び共通チャネルのパワーを予め定めた値に決めてもよい。
【0241】
これにより、Associated DPCHのパワーと共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値にするため、Associated DPCHのパワーと共通の制御チャネルのパワーを算出する必要がなく、処理量をより少なくすることができる。
【0242】
また、例えば、Associated DPCHの予め定めた値は、Associated DPCHの数が多い場合は大きく、Associated DPCHの数が少ない場合は小さくする。
【0243】
これにより、Associated DPCHの数が多いときはパワーを多く必要とするため、Associated DPCHのパワーの所定の値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0244】
また、例えば、Associated DPCHの予め定めた値は、通信端末装置から基地局装置へのTPCビットの分布から電力を上げる要求が多い場合は大きく、電力を下げる要求が多い場合は小さくする。
【0245】
これにより、送信電力を上げる要求が多いときは通信端末装置の受信品質が悪いのでパワーを多く必要とするため、Associated DPCHのパワーの所定の値を大きくすることで処理量をより少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。
【0246】
また、上記説明では、HS−SCCHのパワーをDPCHのパワーとオフセット等に基づいて算出しているが、これに限らずHS−SCCHのパワーを算出できる方法であればよい。例えば、HS−SCCHのパワーを固定したパワーとして算出してもよい。
【0247】
また、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせてもよい。例えば、優先度が最も高いパケットは実施の形態1でパワー算出し、優先度が2番目以降のパケットは実施の形態2でパワーを算出してもよい。
【0248】
また、上記説明では、同一タイムスロットで複数の通信端末装置にパケットをコード多重するHSDPAを用いてパケットを伝送する例について説明しているが、これに限らず、複数の通信端末装置宛にパケットを多重化してスケジューリングを行う通信であれば、いずれにも適用できる。
【0249】
例えば、複数の通信端末装置にパケットをコード多重、または時間多重、あるいは周波数多重してスケジューリングを行う通信であれば、いずれにも適用できる。時間多重の場合、あるフレーム単位の中の複数のタイムスロットでスケジューリングを行う。周波数多重の場合、同一タイムスロットで各周波数毎にスケジューリングを行う。
【0250】
なお、上記説明では、無線送信装置を基地局装置、送信先装置を通信端末装置として、基地局装置で決定したスケジュールを基地局装置から通信端末装置にパケットを送信する下り伝送に用いている例について説明しているが、これに限らず、通信端末装置から基地局装置にパケットを送信する上り伝送に用いてもよい。
【0251】
例えば、基地局装置において、上記説明のスケジューリングを行い、決定したスケジュールを通信端末装置に送信し、通信端末装置がこのスケジュールに基づいてパケットを基地局装置に送信することができる。
【0252】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、基地局装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この送信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
【0253】
例えば、上記送信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしてもよい。
【0254】
また、上記送信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしてもよい。
【0255】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、同一タイムスロット複数の通信装置にパケットを多重して無線で送信する装置において、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットのみパワーの算出処理を逐次行うことにより、余分なパワーの算出処理を省き、多重が完了するまでに要する処理量を少なくすることができ、かつ効率的にパワーリソースを使用することができる。さらに、一回の送信でパケットデータを完全に送り切ることが多くなり、タイムアウトの発生を少なくすることもできる。
【0256】
また、本発明によれば、パケットを通信レートでグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択したパケットに絞ってパワーの算出処理を行うだけでなく、パケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当て、共有チャネルのパワーが、割り当てられたパワー以内であるパケットを送信することにより、残りのパワーを算出する必要がなくなり、多重が完了するまでに要する処理量をさらに少なくすることができる。さらに、パワー算出を並列処理で行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】上記の形態の基地局装置のグループ作成部の構成を示す図
【図3】上記実施の形態の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【図4】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図5】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態2に係る基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【図7】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図8】上記実施の形態の基地局装置の動作の一例を示すフロー図
【図9】図1に示した基地局装置と無線通信を行う通信端末装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の基地局装置のスケジューラ部の構成を示すブロック図
【符号の説明】
151 スケジューラ部
152 バッファ
153 変調部
154 送信電力制御部
401 優先度計算部
402 選択UE決定部
403 A−DPCHパワー算出部
404 共通チャネルパワー算出部
405 HSチャネルパワーリソース算出部
406 HS−SCCHパワー算出部
407 HS−SCCHパワー判定部
408 HS−PDSCHパワー算出部
409 残りパワー算出部
410 パワー算出処理制御部
411 UE多重決定部
706 HS−SCCHパワー算出部
707 HS−SCCHパワー判定部
708 HS−PDSCHパワー算出部
709 残りパワー算出部
710 パワー算出処理制御部
711 UE多重決定部
712 パワー割り当て部
Claims (19)
- 所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信装置であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化手段と、パケットの優先度を計算する優先度計算手段と、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出手段と、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定手段と、前記多重決定手段によって決定されたパケットを多重して送信する送信手段と、を具備することを特徴とする無線送信装置。
- 前記パワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを算出する個別チャネルパワー算出手段と、前記通信装置共通の制御チャネルのパワーを算出する共通制御チャネルパワー算出手段と、全体のパワーリソースから前記個別チャネルのパワーと前記共通の制御チャネルのパワーを減算し、共有チャネルで利用できるパワーリソースを算出する共有チャネルパワーリソース算出手段と、を具備することを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
- 前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、優先度の高いパケットから順にパケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを逐次算出する共有チャネルパワー算出手段を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーを優先度の高いパケットから順に加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソースを越えた場合に前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示する判定手段と、前記パワーの総計が前記全体のパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備することを特徴とする請求項2に記載の無線送信装置。
- 前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記共有チャネルのパワーリソースに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段を具備することを特徴とする請求項2に記載の無線送信装置。
- 前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーを予め算出し割り当てるパワー割り当て手段と、前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワーを加算して割り当てられたパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記割り当てられたパワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段を具備することを特徴とする請求項2に記載の無線送信装置。
- 前記パワー算出手段は、前記選択手段によって選択されたパケットについて、前記グループに基づいてパケット毎に利用可能なパワーリソースを算出するパワー割り当て手段と、前記選択手段によって選択されたパケットについて、パケット送信に必要となる共有チャネルのパワーを算出する共有チャネルパワー算出手段と、を具備し、前記多重決定手段は、前記共有チャネルのパワーが前記割り当てられたパワー以内であるパケットについて、前記共有チャネルのパワーを加算して共有チャネルのパワーの総計を算出するパワー加算手段と、前記パワーの総計が前記共有チャネルのパワーリソース以内であるパケットのみを前記送信手段に出力する出力手段と、を具備することを特徴とする請求項2に記載の無線送信装置。
- 前記グループ化手段は、所定の時間内においてパケットの送信先である通信装置に送信するデータの蓄積量、またはデータ伝送サービスの種類のいずれか一つまたは複数からパケットの通信レートを算出するレート算出手段と、前記通信レートを所定の通信レートの範囲別で区分して前記パケットをグループ分けするグループ分け手段と、を具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記選択手段は、通信レートの低いグループで選択するパケットの数を通信レートの高いグループが選択するパケットの数より多くすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記送信手段は、パワー算出の過程で全体のパワーリソースを越えた場合、または前記選択手段によって選択されたパケットのパワーを全て算出した場合に、前記多重決定手段によって決定されたパケットに残るパワーを上乗せして送信することを特徴とする請求項3または請求項6に記載の無線送信装置。
- 前記送信手段は、前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーが前記パワー割り当て手段によって割り当てられたパワー以内である場合、前記割り当てられたパワー全てを使ってパケットを送信することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線送信装置。
- 前記判定手段は、前記パワー加算手段によって加算されたパワーの総計が前記共有チャネルパワー算出手段によって算出された共有チャネルのパワーリソースと等しくなった場合または所定の値以上になった場合に、前記共有チャネルパワー算出手段のパワー算出の中止を指示することを特徴とする請求項3に記載の無線送信装置。
- 前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルのパワーを予め定めた値とすることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記共通制御チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である通信装置共通の制御チャネルのパワーを予め定めた値とすることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の無線送信装置。
- 前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置との個別の通信に用いられる個別チャネルの数が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることを特徴とする請求項12に記載の無線送信装置。
- 前記個別チャネルパワー算出手段は、パケットの送信先である各通信装置から無線送信装置への送信電力を上げる要求が少ない場合より多い場合に、個別チャネルのパワーの予め定めた値を大きくすることを特徴とする請求項12に記載の無線送信装置。
- 請求項1から請求項15のいずれかに記載の無線送信装置を有することを特徴とする基地局装置。
- 請求項1から請求項15のいずれかに記載の無線送信装置を有することを特徴とする通信端末装置。
- 所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信方法であって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けし、パケットの優先度を計算し、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択し、選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出し、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定し、決定されたパケットを多重して送信することを特徴とする無線送信方法。
- 所定の時間内に一または複数のパケットを多重して送信する無線送信プログラムであって、パケットを所定の通信レートの範囲別でグループ分けするグループ化ステップと、パケットの優先度を計算する優先度計算ステップと、各グループから所定の数のパケットを優先度の高い順に選択する選択ステップと、前記選択ステップによって選択されたパケットについて送信に必要となるパワーを算出するパワー算出ステップと、選択されたパケットについて送信に必要なパワーの合計がパワーリソース以内であるパケットの組み合わせを決定する多重決定ステップと、前記多重決定ステップによって決定されたパケットを多重して送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする無線送信プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003085850A JP2004297364A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 無線送信装置及び無線送信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003085850A JP2004297364A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 無線送信装置及び無線送信方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004297364A true JP2004297364A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33400655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003085850A Pending JP2004297364A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 無線送信装置及び無線送信方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004297364A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006211676A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Lucent Technol Inc | パケット・データ・リソースを管理する方法および装置 |
JP2008270898A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光加入者線端局装置 |
JP2012532532A (ja) * | 2009-07-06 | 2012-12-13 | ロックスター ビーアイディーシーオー,エルピー | 優先度及びシグナリング電力に基づくリソース割り当て |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085850A patent/JP2004297364A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006211676A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Lucent Technol Inc | パケット・データ・リソースを管理する方法および装置 |
JP2008270898A (ja) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光加入者線端局装置 |
JP2012532532A (ja) * | 2009-07-06 | 2012-12-13 | ロックスター ビーアイディーシーオー,エルピー | 優先度及びシグナリング電力に基づくリソース割り当て |
KR101770841B1 (ko) * | 2009-07-06 | 2017-08-23 | 애플 인크. | 우선순위와 시그널링 전력에 기초한 리소스 할당 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7660282B2 (en) | Congestion control in a wireless data network | |
JP5174865B2 (ja) | 逆方向パケットデータサービスを支援する移動通信システムにおける順方向制御情報の送受信方法及び装置 | |
RU2384944C2 (ru) | Мультиплексирование информации обратной связи в обратной линии связи для множества частот прямой линии связи | |
US7155236B2 (en) | Scheduled and autonomous transmission and acknowledgement | |
US7813754B2 (en) | Transfer rate control method, transmission power control method, transmission power ratio control method, mobile communication system, mobile station, and radio base station | |
KR100986737B1 (ko) | 이동 통신 시스템에서 상향링크 전용채널의 제어 장치 및방법 | |
JP3679089B2 (ja) | 基地局装置および再送パケットの送信電力制御方法 | |
RU2368106C2 (ru) | Планируемая и автономная передача и подтверждение приема | |
RU2335863C2 (ru) | Способ управления скоростью передачи, мобильная станция и базовая радиостанция | |
CN101611643B (zh) | 无线通信系统中基于热增量的用户调度 | |
KR101683597B1 (ko) | 무선 통신 시스템에서 복수의 주파수를 사용하는 단말의 전력 증감 요청 방법 및 장치 | |
JP2004297284A (ja) | 通信端末装置及び無線通信方法 | |
JP2009105918A (ja) | 移動通信システムにおける上りリンクパケットデータを送信する装置及び方法 | |
JP2004112597A (ja) | 基地局装置及びパケット品質推定方法 | |
JP2004173019A (ja) | 基地局装置及び送信割り当て制御方法 | |
KR20060080836A (ko) | 상향링크 패킷 데이터 서비스 시스템을 위한 이득인자설정 방법 | |
JP2008199157A (ja) | 無線端末の通信制御方法及び無線端末 | |
JP2006217190A (ja) | 移動通信システム、無線基地局、移動局 | |
JP2004040314A (ja) | 無線通信装置及び送信割り当て制御方法 | |
US9185723B2 (en) | Method and apparatus for transmitting and receiving downlink control information in a mobile communication system supporting uplink packet data service | |
JP2004166123A (ja) | 基地局装置及びmcs選択方法 | |
JP2008245017A (ja) | 無線基地局装置、リソース割当て方法、リソース割当てプログラム | |
KR20100104307A (ko) | 이동통신시스템에서 하향링크 제어정보의 송수신 방법 및 장치 | |
JP2004297364A (ja) | 無線送信装置及び無線送信方法 | |
KR20050119619A (ko) | 이동통신 시스템에서 향상된 상향링크 전용 채널의효율적인 스케쥴링 방법 및 장치 |