JP2004297298A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像を閲覧する際の利便性を向上させることができる画像再生装置を提供する。
【解決手段】PC80のモニタ82に、画像70を表示する画像表示領域91と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ92、および各種位置情報93を表示するデータ表示領域94とに分割された閲覧画面90を表示する。地図データ92上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマーク95を表示する。被写体の位置や撮影場所から被写体までの距離を視覚的に捉えることができる。
【選択図】 図9
【解決手段】PC80のモニタ82に、画像70を表示する画像表示領域91と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ92、および各種位置情報93を表示するデータ表示領域94とに分割された閲覧画面90を表示する。地図データ92上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマーク95を表示する。被写体の位置や撮影場所から被写体までの距離を視覚的に捉えることができる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影場所および被写体の位置情報が関連付けて記録された画像を表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなどの撮像素子で撮像した被写体画像をデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に記録するデジタルカメラが普及している。また、最近では、デジタルカメラで撮影した画像を独自に編集してホームページで公開したり、電子アルバムを作成する利用者が増加の傾向にある。特に旅行などで撮影枚数が多くなる場合、枚数ごとに撮影場所が分かるように、コメントや周辺の地図を添えるなどして、撮影場所の雰囲気を伝える工夫を凝らしている。
【0003】
上記のような利用者の要望に応えるために、撮影場所の位置座標と画像データとを関連付けて記録・表示するカメラが提案されている(特許文献1〜4参照)。これらのカメラには、車載用ナビゲーション装置や携帯電話に利用されているGPS(グローバル・ポジショニング・システム)機能が搭載されており、撮影した画像データと位置座標とが関連付けて記録される。なお、特許文献2に記載されるカメラには、移動距離および方向を測定するジャイロが組み込まれており、撮影した方位も合わせて記録される。
【0004】
一方、車載用ナビゲーション装置で取得した位置座標と、デジタルカメラで撮影した画像とを、無線I/Fを介して双方に送受信することで、車載用ナビゲーション装置の地図上に撮影した画像を関連付けて表示する情報処理システムが提案されている(特許文献5参照)。
【0005】
ところで、デジタルカメラには、工事中の建造物を遠景で撮影するなどの業務用途で使用されるものがある。この場合、被写体の位置や撮影方位、撮影場所から被写体までの距離が分かると便利であることが多い。しかしながら、特許文献1〜4に記載されるカメラでは、撮影場所の位置座標や撮影方位は分かるものの、被写体の位置が不明であるため、上記のような業務用途に対応することができない。
【0006】
また、特許文献5に記載されるシステムを用い、車載用ナビゲーション装置を被写体の近傍に配置して撮影を行えば、被写体の位置を検出することができるが、この場合は撮影場所の位置が分からないため、やはり上記業務用途に適した態様とは言い難い。
【0007】
上記のような問題を解決するために、本発明者は、カメラ本体とは別体で設けられ、被写体の位置座標を検出するとともに、この検出結果を外部に送信する被写体位置検出手段と、被写体位置検出手段から送信された検出結果を受信する通信手段と、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離を、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標を元に算出する算出手段と、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離、および撮影した被写体画像を関連付けて記録する記録手段とを備えたデジタルカメラを考案した。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−64169号公報
【特許文献2】
特開平8−129216号公報
【特許文献3】
特開平9−37203号公報
【特許文献4】
特開平11−46346号公報
【特許文献5】
特開2001−358978号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が考案したデジタルカメラで撮影した画像を、パーソナルコンピュータなどで編集する際に、単に撮影した画像を表示するだけでは、取得した被写体の位置情報が有効に活用されない。
【0010】
本発明は、画像を閲覧する際の利便性を向上させることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離からなる位置情報が関連付けて記録された画像を表示する画像表示装置であって、前記画像を表示する画像表示領域と、前記被写体を中心とした被写体周辺の地図データ、および前記位置情報を表示するデータ表示領域とに表示領域を分割するとともに、前記地図データ上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマークを表示する表示制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
なお、前記表示制御手段は、前記撮影場所から被写体までの距離に応じて、前記地図データの縮尺を変化させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2において、デジタルカメラ2には、撮像レンズ10が組み込まれたレンズ鏡胴11、光学ファインダを構成するファインダ対物窓12とファインダ接眼窓13、およびストロボ発光部14が設けられている。側面および上面には、グリップ部15、モードダイヤル16、レリーズボタン17、GPSアンテナ18、および無線通信用アンテナ19が設けられ、他方の側面には、メモリカード20が着脱自在に装填されるメモリカードスロット21が設けられている。
【0014】
撮像レンズ10の背後には、図示しないCCDイメージセンサが配置されており、これらとレンズ鏡胴11とで撮像部32(図3参照)を構成している。CCDイメージセンサからの撮像信号は、A/D変換器34(図3参照)によりデジタルの画像データに変換される。この画像データは、デジタルカメラ2の背面に設けられた液晶表示器(LCD)22で、いわゆるスルー画像として表示される。また、このLCD22、あるいは光学ファインダを通して被写体画像のフレーミングが行われる。
【0015】
レリーズボタン17は、2段階押しのスイッチとなっており、LCD22または光学ファインダによるフレーミングの後にレリーズボタン17を軽く押圧すると、露光調整、撮像レンズ10の焦点調整などの各種撮影準備処理が施される。撮影準備処理が施された撮像信号は、レリーズボタン17を離すまでデータロックされる。そして、この状態でレリーズボタン17をもう1度強く押圧すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換された後、後述する各種位置情報と関連付けてメモリカード20に記録される。
【0016】
デジタルカメラ2の背面には、LCD22のほかに、電源のオン/オフ切替えを行う電源ボタン、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、テレ側に変倍するズーム操作ボタン、およびLCD22に表示されるメニュー画面内でカーソルを移動させるカーソル操作キーなどからなる操作部23が設けられている。
【0017】
デジタルカメラ2では、静止画撮影を行う静止画撮影モード、撮影した画像をLCD22に表示する再生モード、および各種設定を行うセットアップモードが選択可能となっている。これらのモードの切り替えは、モードダイヤル16を回動操作させることで行われる。
【0018】
デジタルカメラ2の電気的構成を示す図3において、CPU30は、バス31を介してデジタルカメラ2の各部を制御する。撮像部32は、撮像レンズ10からの光学的な被写体画像をCCDイメージセンサで電気的な撮像信号に変換する。撮像部32からの撮像信号は、信号処理部33により輪郭強調、ガンマ補正、ホワイトバランス調整などの各種信号処理を施され、A/D変換器34でデジタルの画像データに変換される。
【0019】
システムメモリ35は、撮影シーケンスを行うための各種プログラムが記憶されるROMや、プログラムの実行に必要な各種データが一時記憶されるRAMから構成される。CPU30は、バス31を介してシステムメモリ35に記憶されたプログラムやデータを読み出し、これらに基づいてデジタルカメラ2の各部を制御する。
【0020】
不揮発性メモリ36は、EEPROMなどの書き換え可能な記憶媒体からなり、デジタルカメラ2を動作させるために必要な各種設定情報が記録される。この各種設定情報は、新機能を追加する際などに新しい情報に書き換えられる。フレームメモリ37には、画像処理が施された1フレーム分の画像データが書き込まれる。フレームメモリ37に書き込まれた画像データは、次回の撮影を実行するまで保存される。
【0021】
画像圧縮・伸張回路38は、フレームメモリ37に書き込まれた画像データに対して、例えばJPEG形式で圧縮処理を施す。圧縮処理後の画像データは、カードI/F39を介してメモリカード20に記録される。
【0022】
GPSモジュール40は、GPSアンテナ18を介してGPS衛星からの位置座標データ(撮影場所の経緯度)を受信する。GPS衛星からの位置座標データは、例えば1秒周期で送信される。GPSモジュール40で受信した位置座標データは、不揮発性メモリ36に一時記録される。このようにすると、撮影環境によりGPSモジュール40がGPS衛星からの位置座標データを取得することができなかった場合、最後に取得した位置座標データを、その撮影場所の位置座標データとして代用することができる。なお、不揮発性メモリ36ではなく、システムメモリ35のRAMに位置座標データを一時記録してもよい。
【0023】
GPSモジュール40は、デジタルカメラ2の電源投入とともに起動し、位置座標を検出するために必要なGPS衛星を捕捉するまで、無意なデータを出力する。電源投入後、CPU30は、GPSモジュール40で取得した位置座標データが有意なデータであるか否かを判定する。CPU30で位置座標データが有意なデータと判定されるまで、その他の処理は実行されない。
【0024】
無線通信I/F41は、無線通信用アンテナ19を介して、図4および図5に示す被写体位置検出ユニット50に接続要求信号を送信するとともに、被写体位置検出ユニット50で取得した被写体の位置座標を受信する。接続要求信号は、デジタルカメラ2の電源が投入され、CPU30でGPSモジュール40の位置座標データが有意なデータであると判定した後に送信される。なお、無線通信用アンテナ19には、撮影の邪魔にならないように、誘電体アンテナなどの小型アンテナが用いられる。
【0025】
ストロボ装置42は、ストロボ制御回路43により動作制御される。デジタルカメラ2には、上記の他にも、タイマ44、撮影日時を記録するためのカレンダー・時計機能45、操作部23と入出力信号の授受を行うI/Oポート46、各部に電源を供給する電源供給部47、LCD22の駆動制御を行うLCDドライバ48などが設けられている。
【0026】
図4において、被写体位置検出ユニット50は、GPSアンテナ51、無線通信用アンテナ52が取り付けられた箱体53と、この箱体53を支持する4本の脚54とからなる。無線通信用アンテナ52は指向性を有し、箱体53がリフレクタとなるような位置に取り付けられている。この被写体位置検出ユニット50は、無線通信用アンテナ52がデジタルカメラ2の方向に略向かうように、被写体付近に設置される。
【0027】
脚54の長さLは、無線通信用アンテナ52が地面から無線信号の一波長分以上離れるような値となっている。これにより、無線通信用アンテナ52から送信される無線信号の打ち上げ角が低く抑えられ、通信可能な距離を長くすることができる。
【0028】
図5において、被写体位置検出ユニット50のGPSモジュール64は、GPSアンテナ51を介してGPS衛星からの位置座標データ(被写体の経緯度)を受信する。GPSモジュール64で受信した位置座標データは、不揮発性メモリ63に一時記録される。
【0029】
GPSモジュール64は、被写体位置検出ユニット50の電源投入とともに起動し、位置座標を検出するために必要なGPS衛星を捕捉するまで、無意なデータを出力する。無線通信I/F65は、無線通信用アンテナ52を介して、デジタルカメラ2の無線通信I/F41から送信される接続要求信号を受信するとともに、不揮発性メモリ63に一時記録された被写体の位置座標をデジタルカメラ2に送信する。被写体の位置座標は、接続要求信号の受信後、無線通信I/F41に送信される。CPU30は、送信された被写体の位置座標データが有意なデータであるか否かを判定する。CPU30で位置座標データが有意なデータと判定されると、デジタルカメラ2は撮影待機状態となる。
【0030】
撮影待機状態でレリーズボタン17を2度押しして撮影を実行した後、CPU30は、撮影場所の位置座標データを不揮発性メモリ36から読み出す。一方、被写体位置検出ユニット50は、撮影時に不揮発性メモリ63に記録されていた被写体の位置座標データを無線通信I/F41に送信する。
【0031】
CPU30は、不揮発性メモリ36から読み出した撮影場所の位置座標データ、および被写体位置検出ユニット50から送信された被写体の位置座標データを元に、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離を算出する。
【0032】
図6に示すように、CPU30は、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離を、撮影した画像70、サムネイル画像71とともに、画像ファイル72のタグ情報73に添付し、メモリカード20に記録する。
【0033】
次に、上記のように構成されたデジタルカメラ2の作用について、図7のフローチャートを参照して説明する。まず、デジタルカメラ2、被写体位置検出ユニット50の電源を投入し、GPSモジュール40、64を起動させた後、被写体位置検出ユニット50を被写体の近傍に設置する。デジタルカメラ2では、不揮発性メモリ36から位置座標データが読み出され、CPU30によりGPSモジュール40で取得した位置座標データが有意なデータであるか否かが判定される。
【0034】
GPSモジュール40で有意な位置座標データを取得すると、デジタルカメラ2の無線通信I/F41から被写体位置検出ユニット50の無線通信I/F65に接続要求信号が送信され、デジタルカメラ2と被写体位置検出ユニット50とが無線接続される。
【0035】
無線接続後、被写体位置検出ユニット50からデジタルカメラ2に被写体の位置座標データが送信される。デジタルカメラ2では、CPU30により、送信された被写体の位置座標データが有意なデータであるか否かが判別される。
【0036】
被写体位置検出ユニット50から有意な位置座標データが送信され、撮影待機状態でレリーズボタン17が2度押しされると、被写体撮影が実行される。撮影後、撮影場所の位置座標データが不揮発性メモリ36から読み出され、被写体の位置座標データが被写体位置検出ユニット50から送信される。
【0037】
位置座標データの取得後、撮影場所の位置座標データ、および被写体の位置座標データを元に、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離がCPU30により算出される。撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離は、撮影した画像70、サムネイル画像71とともに、画像ファイル72のタグ情報73に添付され、メモリカード20に記録される。画像記録後、デジタルカメラ2は再び撮影待機状態に戻る。
【0038】
図8に示すように、撮影後のデジタルカメラ2は、撮影した画像を閲覧・編集するために、パーソナルコンピュータ(PC)80に接続される。PC80は、CPU81、モニタ82、キーボードやマウスなどからなる操作部83、およびメモリ84から構成される。CPU81は、PC80全体の動作を統括制御する。メモリ84には、図6に示す画像ファイル72が格納され、この画像ファイルを読み出して、モニタ82に表示する画像閲覧ソフトがインストールされている。
【0039】
モニタ82には、画像閲覧ソフトの起動とともに、図9に示すような閲覧画面90が表示される。閲覧画面90は、画像70を表示する画像表示領域91と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ92、および各種位置情報93を表示するデータ表示領域94とに分割されている。
【0040】
地図データ92上には、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマーク95が表示される。このようにすると、被写体の位置や撮影場所から被写体までの距離を視覚的に捉えることができる。なお、地図データ92の縮尺は、撮影場所から被写体までの距離に応じて、適正な値に変化する。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像表示装置によれば、画像を表示する画像表示領域と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ、および位置情報を表示するデータ表示領域とに表示領域を分割するとともに、地図データ上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマークを表示する表示制御手段を設けたので、画像を閲覧する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの正面概観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの背面概観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】被写体位置検出ユニットを示す概観斜視図である。
【図5】被写体位置検出ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】画像ファイルの構成を示す模式図である。
【図7】デジタルカメラの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用したパーソナルコンピュータの構成を示す概略図である。
【図9】モニタに表示される閲覧画面を示す図である。
【符号の説明】
2 デジタルカメラ
18、51 GPSアンテナ
19、52 無線通信用アンテナ
20 メモリカード
22 液晶表示器(LCD)
30 CPU
40、64 GPSモジュール
41、65 無線通信I/F
70 画像
72 画像ファイル
80 パーソナルコンピュータ(PC)
81 CPU
82 モニタ
91 画像表示領域
92 地図データ
94 データ表示領域
95 マーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影場所および被写体の位置情報が関連付けて記録された画像を表示する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなどの撮像素子で撮像した被写体画像をデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に記録するデジタルカメラが普及している。また、最近では、デジタルカメラで撮影した画像を独自に編集してホームページで公開したり、電子アルバムを作成する利用者が増加の傾向にある。特に旅行などで撮影枚数が多くなる場合、枚数ごとに撮影場所が分かるように、コメントや周辺の地図を添えるなどして、撮影場所の雰囲気を伝える工夫を凝らしている。
【0003】
上記のような利用者の要望に応えるために、撮影場所の位置座標と画像データとを関連付けて記録・表示するカメラが提案されている(特許文献1〜4参照)。これらのカメラには、車載用ナビゲーション装置や携帯電話に利用されているGPS(グローバル・ポジショニング・システム)機能が搭載されており、撮影した画像データと位置座標とが関連付けて記録される。なお、特許文献2に記載されるカメラには、移動距離および方向を測定するジャイロが組み込まれており、撮影した方位も合わせて記録される。
【0004】
一方、車載用ナビゲーション装置で取得した位置座標と、デジタルカメラで撮影した画像とを、無線I/Fを介して双方に送受信することで、車載用ナビゲーション装置の地図上に撮影した画像を関連付けて表示する情報処理システムが提案されている(特許文献5参照)。
【0005】
ところで、デジタルカメラには、工事中の建造物を遠景で撮影するなどの業務用途で使用されるものがある。この場合、被写体の位置や撮影方位、撮影場所から被写体までの距離が分かると便利であることが多い。しかしながら、特許文献1〜4に記載されるカメラでは、撮影場所の位置座標や撮影方位は分かるものの、被写体の位置が不明であるため、上記のような業務用途に対応することができない。
【0006】
また、特許文献5に記載されるシステムを用い、車載用ナビゲーション装置を被写体の近傍に配置して撮影を行えば、被写体の位置を検出することができるが、この場合は撮影場所の位置が分からないため、やはり上記業務用途に適した態様とは言い難い。
【0007】
上記のような問題を解決するために、本発明者は、カメラ本体とは別体で設けられ、被写体の位置座標を検出するとともに、この検出結果を外部に送信する被写体位置検出手段と、被写体位置検出手段から送信された検出結果を受信する通信手段と、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離を、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標を元に算出する算出手段と、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離、および撮影した被写体画像を関連付けて記録する記録手段とを備えたデジタルカメラを考案した。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−64169号公報
【特許文献2】
特開平8−129216号公報
【特許文献3】
特開平9−37203号公報
【特許文献4】
特開平11−46346号公報
【特許文献5】
特開2001−358978号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者が考案したデジタルカメラで撮影した画像を、パーソナルコンピュータなどで編集する際に、単に撮影した画像を表示するだけでは、取得した被写体の位置情報が有効に活用されない。
【0010】
本発明は、画像を閲覧する際の利便性を向上させることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離からなる位置情報が関連付けて記録された画像を表示する画像表示装置であって、前記画像を表示する画像表示領域と、前記被写体を中心とした被写体周辺の地図データ、および前記位置情報を表示するデータ表示領域とに表示領域を分割するとともに、前記地図データ上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマークを表示する表示制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
なお、前記表示制御手段は、前記撮影場所から被写体までの距離に応じて、前記地図データの縮尺を変化させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2において、デジタルカメラ2には、撮像レンズ10が組み込まれたレンズ鏡胴11、光学ファインダを構成するファインダ対物窓12とファインダ接眼窓13、およびストロボ発光部14が設けられている。側面および上面には、グリップ部15、モードダイヤル16、レリーズボタン17、GPSアンテナ18、および無線通信用アンテナ19が設けられ、他方の側面には、メモリカード20が着脱自在に装填されるメモリカードスロット21が設けられている。
【0014】
撮像レンズ10の背後には、図示しないCCDイメージセンサが配置されており、これらとレンズ鏡胴11とで撮像部32(図3参照)を構成している。CCDイメージセンサからの撮像信号は、A/D変換器34(図3参照)によりデジタルの画像データに変換される。この画像データは、デジタルカメラ2の背面に設けられた液晶表示器(LCD)22で、いわゆるスルー画像として表示される。また、このLCD22、あるいは光学ファインダを通して被写体画像のフレーミングが行われる。
【0015】
レリーズボタン17は、2段階押しのスイッチとなっており、LCD22または光学ファインダによるフレーミングの後にレリーズボタン17を軽く押圧すると、露光調整、撮像レンズ10の焦点調整などの各種撮影準備処理が施される。撮影準備処理が施された撮像信号は、レリーズボタン17を離すまでデータロックされる。そして、この状態でレリーズボタン17をもう1度強く押圧すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換された後、後述する各種位置情報と関連付けてメモリカード20に記録される。
【0016】
デジタルカメラ2の背面には、LCD22のほかに、電源のオン/オフ切替えを行う電源ボタン、撮像レンズ10のズームレンズをワイド側、テレ側に変倍するズーム操作ボタン、およびLCD22に表示されるメニュー画面内でカーソルを移動させるカーソル操作キーなどからなる操作部23が設けられている。
【0017】
デジタルカメラ2では、静止画撮影を行う静止画撮影モード、撮影した画像をLCD22に表示する再生モード、および各種設定を行うセットアップモードが選択可能となっている。これらのモードの切り替えは、モードダイヤル16を回動操作させることで行われる。
【0018】
デジタルカメラ2の電気的構成を示す図3において、CPU30は、バス31を介してデジタルカメラ2の各部を制御する。撮像部32は、撮像レンズ10からの光学的な被写体画像をCCDイメージセンサで電気的な撮像信号に変換する。撮像部32からの撮像信号は、信号処理部33により輪郭強調、ガンマ補正、ホワイトバランス調整などの各種信号処理を施され、A/D変換器34でデジタルの画像データに変換される。
【0019】
システムメモリ35は、撮影シーケンスを行うための各種プログラムが記憶されるROMや、プログラムの実行に必要な各種データが一時記憶されるRAMから構成される。CPU30は、バス31を介してシステムメモリ35に記憶されたプログラムやデータを読み出し、これらに基づいてデジタルカメラ2の各部を制御する。
【0020】
不揮発性メモリ36は、EEPROMなどの書き換え可能な記憶媒体からなり、デジタルカメラ2を動作させるために必要な各種設定情報が記録される。この各種設定情報は、新機能を追加する際などに新しい情報に書き換えられる。フレームメモリ37には、画像処理が施された1フレーム分の画像データが書き込まれる。フレームメモリ37に書き込まれた画像データは、次回の撮影を実行するまで保存される。
【0021】
画像圧縮・伸張回路38は、フレームメモリ37に書き込まれた画像データに対して、例えばJPEG形式で圧縮処理を施す。圧縮処理後の画像データは、カードI/F39を介してメモリカード20に記録される。
【0022】
GPSモジュール40は、GPSアンテナ18を介してGPS衛星からの位置座標データ(撮影場所の経緯度)を受信する。GPS衛星からの位置座標データは、例えば1秒周期で送信される。GPSモジュール40で受信した位置座標データは、不揮発性メモリ36に一時記録される。このようにすると、撮影環境によりGPSモジュール40がGPS衛星からの位置座標データを取得することができなかった場合、最後に取得した位置座標データを、その撮影場所の位置座標データとして代用することができる。なお、不揮発性メモリ36ではなく、システムメモリ35のRAMに位置座標データを一時記録してもよい。
【0023】
GPSモジュール40は、デジタルカメラ2の電源投入とともに起動し、位置座標を検出するために必要なGPS衛星を捕捉するまで、無意なデータを出力する。電源投入後、CPU30は、GPSモジュール40で取得した位置座標データが有意なデータであるか否かを判定する。CPU30で位置座標データが有意なデータと判定されるまで、その他の処理は実行されない。
【0024】
無線通信I/F41は、無線通信用アンテナ19を介して、図4および図5に示す被写体位置検出ユニット50に接続要求信号を送信するとともに、被写体位置検出ユニット50で取得した被写体の位置座標を受信する。接続要求信号は、デジタルカメラ2の電源が投入され、CPU30でGPSモジュール40の位置座標データが有意なデータであると判定した後に送信される。なお、無線通信用アンテナ19には、撮影の邪魔にならないように、誘電体アンテナなどの小型アンテナが用いられる。
【0025】
ストロボ装置42は、ストロボ制御回路43により動作制御される。デジタルカメラ2には、上記の他にも、タイマ44、撮影日時を記録するためのカレンダー・時計機能45、操作部23と入出力信号の授受を行うI/Oポート46、各部に電源を供給する電源供給部47、LCD22の駆動制御を行うLCDドライバ48などが設けられている。
【0026】
図4において、被写体位置検出ユニット50は、GPSアンテナ51、無線通信用アンテナ52が取り付けられた箱体53と、この箱体53を支持する4本の脚54とからなる。無線通信用アンテナ52は指向性を有し、箱体53がリフレクタとなるような位置に取り付けられている。この被写体位置検出ユニット50は、無線通信用アンテナ52がデジタルカメラ2の方向に略向かうように、被写体付近に設置される。
【0027】
脚54の長さLは、無線通信用アンテナ52が地面から無線信号の一波長分以上離れるような値となっている。これにより、無線通信用アンテナ52から送信される無線信号の打ち上げ角が低く抑えられ、通信可能な距離を長くすることができる。
【0028】
図5において、被写体位置検出ユニット50のGPSモジュール64は、GPSアンテナ51を介してGPS衛星からの位置座標データ(被写体の経緯度)を受信する。GPSモジュール64で受信した位置座標データは、不揮発性メモリ63に一時記録される。
【0029】
GPSモジュール64は、被写体位置検出ユニット50の電源投入とともに起動し、位置座標を検出するために必要なGPS衛星を捕捉するまで、無意なデータを出力する。無線通信I/F65は、無線通信用アンテナ52を介して、デジタルカメラ2の無線通信I/F41から送信される接続要求信号を受信するとともに、不揮発性メモリ63に一時記録された被写体の位置座標をデジタルカメラ2に送信する。被写体の位置座標は、接続要求信号の受信後、無線通信I/F41に送信される。CPU30は、送信された被写体の位置座標データが有意なデータであるか否かを判定する。CPU30で位置座標データが有意なデータと判定されると、デジタルカメラ2は撮影待機状態となる。
【0030】
撮影待機状態でレリーズボタン17を2度押しして撮影を実行した後、CPU30は、撮影場所の位置座標データを不揮発性メモリ36から読み出す。一方、被写体位置検出ユニット50は、撮影時に不揮発性メモリ63に記録されていた被写体の位置座標データを無線通信I/F41に送信する。
【0031】
CPU30は、不揮発性メモリ36から読み出した撮影場所の位置座標データ、および被写体位置検出ユニット50から送信された被写体の位置座標データを元に、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離を算出する。
【0032】
図6に示すように、CPU30は、撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離を、撮影した画像70、サムネイル画像71とともに、画像ファイル72のタグ情報73に添付し、メモリカード20に記録する。
【0033】
次に、上記のように構成されたデジタルカメラ2の作用について、図7のフローチャートを参照して説明する。まず、デジタルカメラ2、被写体位置検出ユニット50の電源を投入し、GPSモジュール40、64を起動させた後、被写体位置検出ユニット50を被写体の近傍に設置する。デジタルカメラ2では、不揮発性メモリ36から位置座標データが読み出され、CPU30によりGPSモジュール40で取得した位置座標データが有意なデータであるか否かが判定される。
【0034】
GPSモジュール40で有意な位置座標データを取得すると、デジタルカメラ2の無線通信I/F41から被写体位置検出ユニット50の無線通信I/F65に接続要求信号が送信され、デジタルカメラ2と被写体位置検出ユニット50とが無線接続される。
【0035】
無線接続後、被写体位置検出ユニット50からデジタルカメラ2に被写体の位置座標データが送信される。デジタルカメラ2では、CPU30により、送信された被写体の位置座標データが有意なデータであるか否かが判別される。
【0036】
被写体位置検出ユニット50から有意な位置座標データが送信され、撮影待機状態でレリーズボタン17が2度押しされると、被写体撮影が実行される。撮影後、撮影場所の位置座標データが不揮発性メモリ36から読み出され、被写体の位置座標データが被写体位置検出ユニット50から送信される。
【0037】
位置座標データの取得後、撮影場所の位置座標データ、および被写体の位置座標データを元に、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離がCPU30により算出される。撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、撮影場所から被写体までの距離は、撮影した画像70、サムネイル画像71とともに、画像ファイル72のタグ情報73に添付され、メモリカード20に記録される。画像記録後、デジタルカメラ2は再び撮影待機状態に戻る。
【0038】
図8に示すように、撮影後のデジタルカメラ2は、撮影した画像を閲覧・編集するために、パーソナルコンピュータ(PC)80に接続される。PC80は、CPU81、モニタ82、キーボードやマウスなどからなる操作部83、およびメモリ84から構成される。CPU81は、PC80全体の動作を統括制御する。メモリ84には、図6に示す画像ファイル72が格納され、この画像ファイルを読み出して、モニタ82に表示する画像閲覧ソフトがインストールされている。
【0039】
モニタ82には、画像閲覧ソフトの起動とともに、図9に示すような閲覧画面90が表示される。閲覧画面90は、画像70を表示する画像表示領域91と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ92、および各種位置情報93を表示するデータ表示領域94とに分割されている。
【0040】
地図データ92上には、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマーク95が表示される。このようにすると、被写体の位置や撮影場所から被写体までの距離を視覚的に捉えることができる。なお、地図データ92の縮尺は、撮影場所から被写体までの距離に応じて、適正な値に変化する。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像表示装置によれば、画像を表示する画像表示領域と、被写体を中心とした被写体周辺の地図データ、および位置情報を表示するデータ表示領域とに表示領域を分割するとともに、地図データ上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマークを表示する表示制御手段を設けたので、画像を閲覧する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの正面概観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの背面概観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】被写体位置検出ユニットを示す概観斜視図である。
【図5】被写体位置検出ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】画像ファイルの構成を示す模式図である。
【図7】デジタルカメラの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用したパーソナルコンピュータの構成を示す概略図である。
【図9】モニタに表示される閲覧画面を示す図である。
【符号の説明】
2 デジタルカメラ
18、51 GPSアンテナ
19、52 無線通信用アンテナ
20 メモリカード
22 液晶表示器(LCD)
30 CPU
40、64 GPSモジュール
41、65 無線通信I/F
70 画像
72 画像ファイル
80 パーソナルコンピュータ(PC)
81 CPU
82 モニタ
91 画像表示領域
92 地図データ
94 データ表示領域
95 マーク
Claims (2)
- 撮影場所の位置座標、被写体の位置座標、撮影方位、および撮影場所から被写体までの距離からなる位置情報が関連付けて記録された画像を表示する画像表示装置であって、
前記画像を表示する画像表示領域と、前記被写体を中心とした被写体周辺の地図データ、および前記位置情報を表示するデータ表示領域とに表示領域を分割するとともに、
前記地図データ上に、撮影場所の位置座標を起点として被写体の位置座標を終点とするマークを表示する表示制御手段を設けたことを特徴とする画像表示装置。 - 前記表示制御手段は、前記撮影場所から被写体までの距離に応じて、前記地図データの縮尺を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
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