JP2004297217A - 回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置 - Google Patents
回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】回線品質のよい有線通信回線を選択する。
【解決手段】DSU38は、複数のデジタル回線18のそれぞれに接続するための終端装置である。処理部34は、デジタル回線18に接続するために、信号変換などをおこなう。同期確認部36は、デジタル回線18を介して接続される基地局装置16と交換機の間のタイミング同期を確認する。決定部40は、複数の同期確認部36から所定期間内におけるタイミング同期が外れる回数をそれぞれ受付け、それらの中で回数の少ないデジタル回線18から高い優先度を設定する。優先度テーブル42は、複数のデジタル回線18のそれぞれに対する優先度を記憶する。無線部30は、端末装置に対応した無線通信のための信号処理を実行する。制御部32は、優先度テーブル42をもとに選択したデジタル回線18と無線部30を接続する。
【選択図】 図2
【解決手段】DSU38は、複数のデジタル回線18のそれぞれに接続するための終端装置である。処理部34は、デジタル回線18に接続するために、信号変換などをおこなう。同期確認部36は、デジタル回線18を介して接続される基地局装置16と交換機の間のタイミング同期を確認する。決定部40は、複数の同期確認部36から所定期間内におけるタイミング同期が外れる回数をそれぞれ受付け、それらの中で回数の少ないデジタル回線18から高い優先度を設定する。優先度テーブル42は、複数のデジタル回線18のそれぞれに対する優先度を記憶する。無線部30は、端末装置に対応した無線通信のための信号処理を実行する。制御部32は、優先度テーブル42をもとに選択したデジタル回線18と無線部30を接続する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回線選択技術ならびにそれを利用した回線品質比較技術、通信技術および無線通信技術に関する。特に複数の有線通信回線の中から通信に使用するための有線通信回線を選択する回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本において、電話は常時通じるのが当たり前であり、電話やFAX、データ通信を統合して扱うデジタル通信網のISDN(Integrated Services Digital Network)を使用すれば、家庭でも64kbpsや128kbpsの伝送速度で、通信サービスを受けることができる。近年は、一般的にISDNより高速なADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)も普及しつつある。
【0003】
しかし、中国、東南アジアやロシアなどの北東アジアでは、電話が通じない場合がある。また、インターネットを使用して数メガバイトのデータを伝送する場合にも伝送中にトラブルが生じることもある。さらに、公衆回線や専用回線にもトラブルが生じる場合がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
天達 洋文、”北東アジア経済圏におけるECシステムの必要性”、[online]、2000年4月7日、[2003年3月13日検索]、インターネット<URL: http://homepage1.nifty.com/itoh/asia/paper/chori.htm>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。簡易型携帯電話システムのような無線通信システムは、一般的に、ユーザが使用する端末装置と基地局装置の間を、無線通信回線によって接続し、基地局装置と交換機の間を有線通信回線によって接続する。有線通信回線としてISDNを使用する場合、無線通信回線における端末装置の接続可能数に応じて、基地局装置は複数のISDNを接続する。一般に、ISDNの回線品質は無線通信回線の回線品質よりも良好であるため、基地局装置は、通信を開始する際に複数のISDNのうちどの回線を選択しても、簡易型携帯電話システムの品質は劣化しない。
【0006】
簡易型携帯電話システムでは、例えば32kbpsから128kbpsの伝送速度で通信可能であるが、前述の中国などにおいて簡易型携帯電話システムを導入すると、有線通信回線の回線品質が劣化しているために、伝送速度が32kbpsより遅くなる場合もある。さらには、通話ができない場合もある。
【0007】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的は複数の有線通信回線の中から通信に使用する有線通信回線を選択するための回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置を提供することである。また、複数の有線通信回線から使用する有線通信回線を選択する際に、回線品質のよい有線通信回線を選択するための回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、回線品質比較装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。
【0009】
「有線通信回線」は、有線回線であればよく、通常の電話線に限らず、光ファイバも含むものとする。また、有線通信回線を伝送する信号の形式もデジタル信号、アナログ信号のいずれも含むものとする。
以上の装置により、それぞれの有線通信回線に設定された優先度を参照するのみで、回線品質の優劣を判定可能である。
【0010】
本発明の別の態様は、通信装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。この装置において、通信部は、前記複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0011】
測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
以上の装置により、優先度の高い、すなわち回線品質のよい有線通信回線の使用頻度を向上可能とする。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、無線通信装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送する無線部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。この装置において、通信部は、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
以上の装置により、端末装置との間で通信データを伝送するために、優先度の高い、すなわち回線品質のよい有線通信回線の使用頻度を向上可能とする。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、回線選択方法である。この方法は、接続した複数の有線通信回線に対して、予め回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度をそれぞれ設定し、通信を行う際に、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択する。
【0014】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。
【0015】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。この方法において、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0016】
回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
【0017】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。この方法において、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0018】
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。
【0019】
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。このプログラムにおいて、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0020】
回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
【0021】
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。このプログラムにおいて、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0022】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に関する。基地局装置は、無線通信回線によって複数の端末装置を接続可能であるが、その一方、所定の公衆回線やインターネットなどと接続するために、有線通信回線のひとつであるデジタル回線とも接続する。基地局装置は接続可能な端末装置の数に応じて、複数のデジタル回線を接続するが、本実施の形態では、通信を開始する前に予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定し、回線品質の高いデジタル回線が高くなるような優先度をそれぞれのデジタル回線に対して設定する。通信を開始する際には、使用可能なデジタル回線のうち優先度が高く設定されたデジタル回線から順番に使用する。その結果、多くのデジタル回線数が同時に使用される場合を除いて、優先度が低く設定されたデジタル回線の使用確率が減少する。
【0024】
本実施の形態においては、回線品質の測定として、デジタル回線を介して当該基地局装置に接続された交換機等の通信装置と、当該基地局装置間のタイミング同期が所定期間内に外れる回数(以下、「非同期回数」という)を測定する。その結果、タイミング同期が外れると、通信対象の信号に誤り訂正処理が施されていても通信自体が不可能になるため、非同期回数の少ないデジタル回線の回線品質が高いと判定する。
【0025】
図1は、実施の形態1に係る簡易型携帯電話システム100を示す。簡易型携帯電話システム100は、端末装置10、端末用アンテナ12、基地局用アンテナ14、基地局装置16、デジタル回線18と総称される第1デジタル回線18a、第2デジタル回線18b、第3デジタル回線18c、第4デジタル回線18d、交換機20、ネットワーク22を含む。
【0026】
端末装置10は、ユーザが使用する無線装置であり、端末用アンテナ12を有して後述の基地局装置16に接続する。図1においては、ひとつの端末装置10のみを示したが、簡易型携帯電話システム100には複数の端末装置10が含まれていてもよい。
【0027】
基地局装置16は、複数の端末装置10に対して所定の無線チャネルを割当てることによって、それぞれの端末装置10と通信可能な無線装置である。端末装置10と接続するために、基地局用アンテナ14を有する。
【0028】
デジタル回線18は、ISDN(Integrated Services Digital Network)に代表され、基地局装置16と後述の交換機20を接続する。ここでは、基地局装置16と交換機20を4本のデジタル回線18によって接続する。
ネットワーク22は、インターネットや公衆回線などである。
【0029】
図2は、基地局装置16の構成を示す。基地局装置16は、無線部30、制御部32、処理部34と総称される第1処理部34a、第2処理部34b、第3処理部34c、第4処理部34d、同期確認部36と総称される第1同期確認部36a、第2同期確認部36b、第3同期確認部36c、第4同期確認部36d、DSU(Digital Service Unit)38と総称される第1DSU38a、第2DSU38b、第3DSU38c、第4DSU38d、決定部40、優先度テーブル42を含む。
【0030】
DSU38は、複数のデジタル回線18のそれぞれに接続するための終端装置である。DSU38の役割をOSI(Open Systems Interconnection)の7階層に当てはめれば、最も低位の階層であるレイヤ1に相当し、具体的には、レイヤ1での保守機能、モニタリング、タイミング調整、電力転送、レイヤ1の多重化、インターフェイスの終端機能等を実現する。
【0031】
処理部34は、デジタル回線18に接続するために、信号変換、速度変換、発呼や着信の制御などをおこなう。デジタル回線18で通信する信号の処理は主に処理部34でなされる。
【0032】
同期確認部36は、デジタル回線18を介して接続される基地局装置16と交換機20の間のタイミング同期を確認する。デジタル回線18の回線品質が劣化している場合、交換機20から基地局装置16へ伝送される信号の信号強度が減衰するため、基地局装置16での受信電力が小さくなり、それと共に基地局装置16と交換機20の間のタイミング同期が外れる。ここでは、所定期間内におけるタイミング同期が外れる回数あるいは時間を測定する。また、これを受信電力が所定の値より小さくなる基準によって、代用してもよい。
【0033】
決定部40は、複数の同期確認部36から所定期間内における非同期回数をそれぞれ受付け、それらの中で非同期回数の少ないデジタル回線18から高い優先度を設定する。ここでは、最も高い優先度を「優先度1」とするため、最も非同期回数の少ないデジタル回線18を「優先度1」に、最も非同期回数の多いデジタル回線18を「優先度4」にする。なお、非同期回数が同一の場合は、予め定めた規則によって強制的に優先度を設定してもよい。
【0034】
優先度テーブル42は、決定部40によって設定された複数のデジタル回線18のそれぞれに対する優先度を記憶する。図3は、優先度テーブル42におけるデータ構造を示す。「回線No.」は、予め設定されたデジタル回線18の識別番号を示し、それぞれに対応した「優先度」を記憶する。また、優先度テーブル42は、同期確認部36と決定部40によって優先度が更新されるタイミングで、更新されてもよい。
無線部30は、端末装置10に対応した無線通信のための信号処理を実行する。例えば、周波数変換、変調、復調、多重接続処理などである。
【0035】
制御部32は、優先度テーブル42をもとに選択したデジタル回線18と無線部30を接続し、端末装置10から送信されたデータを基地局装置16、デジタル回線18、交換機20を経由してネットワーク22に送る。あるいはその逆の動作を実行する。なお、デジタル回線18の選択においては、優先度テーブル42の中で使用されていないデジタル回線18のうち、最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。また、通信が終了すれば、使用していたデジタル回線18を開放する。
【0036】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0037】
図4は、優先順位を決定する手順を示すフローチャートである。当該手順は、すべての通信が開始される前に実行される。同期確認部36は、デジタル回線18における非同期回数を測定する。決定部40は、非同期回数の測定結果をそれぞれ入力する(S10)。優先度iを1に設定し(S12)、選択されていないデジタル回線18の中で最も品質の高い、すなわち非同期回数の少ないデジタル回線18に優先度iを付与する(S14)。優先度iが4でなければ(S16のN)、優先度iに1を加算する(S18)。一方、優先度iが4になれば(S16のY)、処理を終了し、結果を優先度テーブル42に記憶する。
【0038】
図5は、有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートである。制御部32は、優先度iを1に設定し(S20)、優先度テーブル42で優先度iに対応したデジタル回線18を検索し、当該デジタル回線18で通信可能であれば(S24のY)、通信処理を実行する(S28)。一方、優先度iに対応したデジタル回線18で通信可能でなければ(S24のN)、iに1を加算して(S26)、処理を続行する。なお、優先度iが4より大きくなれば(S22のY)、すべてのデジタル回線18が使用中のため、通信失敗処理を実行する(S30)。
【0039】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の同期確認部36は対応したデジタル回線18における非同期回数を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0040】
実施の形態1によれば、複数の有線通信回線のうち、所定期間において同期が外れる回数の少ない有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、同期が外れる回数の多い有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、同期が外れる回数の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に接続された複数のデジタル回線を選択する技術に関する。実施の形態2における基地局装置は、実施の形態1と同様に通信を開始する前に、デジタル回線の優先度の設定を目的として、予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定するが、実施の形態1とは回線品質の測定方法が異なる。当該基地局装置は、デジタル回線における信号のクロック周波数の変動すなわち安定度を測定する。安定度が低ければ信号のクロック周波数がより変動するため、クロック周波数の変動を原因としてタイミング同期が外れる可能性が増大する。すなわち、クロック周波数の安定度の測定によって、タイミング同期が外れる可能性の高いデジタル回線を未然に判定する。
【0042】
実施の形態2に係る簡易型携帯電話システム100の構成としては、図1に示されるものが有効であるため、簡易型携帯電話システム100の構成の説明は省略する。
【0043】
図6は、実施の形態1に係る基地局装置16の構成を示す。基地局装置16は、図2の基地局装置16における同期確認部36の代わりに、クロック精度測定部44と総称される第1クロック精度測定部44a、第2クロック精度測定部44b、第3クロック精度測定部44c、第4クロック精度測定部44dを含む。
【0044】
クロック精度測定部44は、デジタル回線18における信号のクロック周波数の変動値、すなわち処理部34やDSU38のそれぞれと、それに対応した交換機20の間のクロック周波数の変動値を測定する。さらに、測定結果を決定部40に出力する。
【0045】
実施の形態2に係る優先順位を決定する手順を示すフローチャートとしては、図4に示されるものが有効である。ここでは、ステップ10において、クロック精度測定部44で測定したデジタル回線18におけるクロック周波数の変動値を入力する。また、ステップ14では、入力したクロック周波数の変動値をもとにして、変動値の小さいデジタル回線18を品質のよいデジタル回線18として処理する。
実施の形態2に係る有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートとしては、図5に示されるものが有効であるため説明を省略する。
【0046】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の同期確認部36は対応したデジタル回線18におけるクロック周波数の変動値を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0047】
実施の形態2によれば、複数の有線通信回線のうち、クロック周波数の変動の小さい有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、クロック周波数の変動の大きい有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、クロック周波数の変動の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3は、これまでの実施の形態と同様に簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に接続された複数のデジタル回線を選択する技術に関する。実施の形態3における基地局装置も、通信を開始する前に予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定するが、これまでの実施の形態とは回線品質の測定方法が異なる。当該基地局装置は、デジタル回線における信号のエラー回数を測定する。すなわち、実際に通信の対象となる信号のエラー回数の測定によって、回線品質が信号に与える影響を直接監視できる。
【0049】
実施の形態3に係る簡易型携帯電話システム100の構成としては、図1に示されるものが有効であるため、簡易型携帯電話システム100の構成の説明は省略する。
【0050】
実施の形態3に係る基地局装置16の構成としては、図2または図6に示されるものが有効である。ここでは、処理部34が所定期間におけるレイヤ2の単位フレームあたりのCRC(Cyclic Redundancy Check)エラー回数を測定する。さらに、決定部40がそれぞれのデジタル回線18に対応したCRCエラー回数をもとにして、デジタル回線18の優先度を設定する。
【0051】
実施の形態2に係る優先順位を決定する手順を示すフローチャートとしては、図4に示されるものが有効である。ここでは、ステップ10において、処理部34で測定したデジタル回線18におけるCRCエラー回数を入力する。また、ステップ14では、入力したCRCエラー回数をもとにして、CRCエラー回数の小さいデジタル回線18を品質のよいデジタル回線18として処理する。
実施の形態2に係る有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートとしては、図5に示されるものが有効であるため説明を省略する。
【0052】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の処理部34は対応したデジタル回線18におけるCRCエラー回数を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0053】
実施の形態3によれば、複数の有線通信回線のうち、レイヤ2のCRCエラー回数の少ない有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、CRCエラー回数の多い有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、CRCエラー回数の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0054】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0055】
実施の形態1から3において、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34は回線品質として、それぞれ非同期回数、クロック周波数の変動値、CRCエラー回数を通信処理の開始前に予め測定している。しかし、これらに限らず例えば、通信処理中においても逐次、非同期回数、クロック周波数の変動値、CRCエラー回数を測定し、測定結果をもとにデジタル回線18の優先度を更新してもよい。本変形例によれば、優先度の信頼性が向上し、回線品質の劣化を原因とした回線トラブルの発生を低減できる。つまり、その時点の回線品質に応じた優先度が設定されればよい。
【0056】
実施の形態1において、同期確認部36は所定期間における非同期回数を測定し、また実施の形態3において、処理部34は所定期間におけるCRCエラー回数を測定している。しかし、これらに限らず例えば、タイミング同期が外れる確率やCRCエラーが発生する確率としてもよい。本変形例によれば、所定期間に至らなくても回線品質のおよその程度を確認できる。つまり、複数のデジタル回線18間の回線品質が比較できればよい。
【0057】
実施の形態1から3において、制御部32は通信終了後にそれまで使用していたデジタル回線18を開放している。しかし、これに限らず、さらに制御部32はその時点で使用されているデジタル回線18のうち、開放したデジタル回線18よりも優先度の低いデジタル回線18があれば、当該デジタル回線18を開放したデジタル回線18に変更してもよい。本変形例によれば、より回線品質の高いデジタル回線18が使用される。つまり、可能な限り回線品質の高いデジタル回線18が使用されればよい。
【0058】
実施の形態1から3において、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34はそれぞれ別の方法で回線品質を測定している。しかし、これに限らず例えば、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34がそれぞれ測定した回線品質を合成して、新たな回線品質を導出してもよい。本変形例によれば、回線品質をより詳細に測定できる。つまり、より適した回線品質が測定できればよい。
【0059】
実施の形態1から3において、決定部40は回線品質に応じて優先度を設定している。しかし、これに限らず例えば、所定のしきい値より高い回線品質を有するデジタル回線18に、最も高い優先度を均一に設定してもよい。本変形例によれば、優先度を設定するための処理量を削減できる。つまり、回線品質の劣化を原因とした回線トラブルの発生が低減すればよい。
【0060】
実施の形態1から3において、デジタル回線18として、ISDNを対象としたが、これに限らずたとえば、Ethernet(登録商標)でもよい。つまり、データが伝送できればよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の有線通信回線から使用する有線通信回線を選択できる。また、複数の有線通信回線の中から通信に使用する有線通信回線を選択する際に、回線品質のよい有線通信回線を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る簡易型携帯電話システムを示す構成図である。
【図2】図1の基地局装置の構成を示す図である。
【図3】図2の優先度テーブルにおけるデータ構造を示す図である。
【図4】図1の優先順位を決定する手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る基地局装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 端末装置、 12 端末用アンテナ、 14 基地局用アンテナ、 16 基地局装置、 18 デジタル回線、 20 交換機、 22 ネットワーク、 30 無線部、 32 制御部、 34 処理部、 36 同期確認部、38 DSU、 40 決定部、 42 優先度テーブル、 44 クロック精度測定部、 100 簡易型携帯電話システム。
【発明の属する技術分野】
本発明は回線選択技術ならびにそれを利用した回線品質比較技術、通信技術および無線通信技術に関する。特に複数の有線通信回線の中から通信に使用するための有線通信回線を選択する回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本において、電話は常時通じるのが当たり前であり、電話やFAX、データ通信を統合して扱うデジタル通信網のISDN(Integrated Services Digital Network)を使用すれば、家庭でも64kbpsや128kbpsの伝送速度で、通信サービスを受けることができる。近年は、一般的にISDNより高速なADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)も普及しつつある。
【0003】
しかし、中国、東南アジアやロシアなどの北東アジアでは、電話が通じない場合がある。また、インターネットを使用して数メガバイトのデータを伝送する場合にも伝送中にトラブルが生じることもある。さらに、公衆回線や専用回線にもトラブルが生じる場合がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
天達 洋文、”北東アジア経済圏におけるECシステムの必要性”、[online]、2000年4月7日、[2003年3月13日検索]、インターネット<URL: http://homepage1.nifty.com/itoh/asia/paper/chori.htm>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。簡易型携帯電話システムのような無線通信システムは、一般的に、ユーザが使用する端末装置と基地局装置の間を、無線通信回線によって接続し、基地局装置と交換機の間を有線通信回線によって接続する。有線通信回線としてISDNを使用する場合、無線通信回線における端末装置の接続可能数に応じて、基地局装置は複数のISDNを接続する。一般に、ISDNの回線品質は無線通信回線の回線品質よりも良好であるため、基地局装置は、通信を開始する際に複数のISDNのうちどの回線を選択しても、簡易型携帯電話システムの品質は劣化しない。
【0006】
簡易型携帯電話システムでは、例えば32kbpsから128kbpsの伝送速度で通信可能であるが、前述の中国などにおいて簡易型携帯電話システムを導入すると、有線通信回線の回線品質が劣化しているために、伝送速度が32kbpsより遅くなる場合もある。さらには、通話ができない場合もある。
【0007】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的は複数の有線通信回線の中から通信に使用する有線通信回線を選択するための回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置を提供することである。また、複数の有線通信回線から使用する有線通信回線を選択する際に、回線品質のよい有線通信回線を選択するための回線選択方法ならびにそれを利用した回線品質比較装置、通信装置および無線通信装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、回線品質比較装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。
【0009】
「有線通信回線」は、有線回線であればよく、通常の電話線に限らず、光ファイバも含むものとする。また、有線通信回線を伝送する信号の形式もデジタル信号、アナログ信号のいずれも含むものとする。
以上の装置により、それぞれの有線通信回線に設定された優先度を参照するのみで、回線品質の優劣を判定可能である。
【0010】
本発明の別の態様は、通信装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。この装置において、通信部は、前記複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0011】
測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、測定部は、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
以上の装置により、優先度の高い、すなわち回線品質のよい有線通信回線の使用頻度を向上可能とする。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、無線通信装置である。この装置は、複数の有線通信回線を接続する通信部と、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送する無線部と、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含む。この装置において、通信部は、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
以上の装置により、端末装置との間で通信データを伝送するために、優先度の高い、すなわち回線品質のよい有線通信回線の使用頻度を向上可能とする。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、回線選択方法である。この方法は、接続した複数の有線通信回線に対して、予め回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度をそれぞれ設定し、通信を行う際に、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択する。
【0014】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。
【0015】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。この方法において、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0016】
回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
【0017】
本発明のさらに別の態様も、回線選択方法である。この方法は、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。この方法において、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0018】
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。
【0019】
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。このプログラムにおいて、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0020】
回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定してもよい。また、回線品質をそれぞれ測定するステップは、所定期間における複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定してもよい。
【0021】
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、複数の有線通信回線を接続するステップと、複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送するステップと、複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップとを含む。このプログラムにおいて、複数の有線通信回線を接続するステップは、複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送してもよい。
【0022】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に関する。基地局装置は、無線通信回線によって複数の端末装置を接続可能であるが、その一方、所定の公衆回線やインターネットなどと接続するために、有線通信回線のひとつであるデジタル回線とも接続する。基地局装置は接続可能な端末装置の数に応じて、複数のデジタル回線を接続するが、本実施の形態では、通信を開始する前に予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定し、回線品質の高いデジタル回線が高くなるような優先度をそれぞれのデジタル回線に対して設定する。通信を開始する際には、使用可能なデジタル回線のうち優先度が高く設定されたデジタル回線から順番に使用する。その結果、多くのデジタル回線数が同時に使用される場合を除いて、優先度が低く設定されたデジタル回線の使用確率が減少する。
【0024】
本実施の形態においては、回線品質の測定として、デジタル回線を介して当該基地局装置に接続された交換機等の通信装置と、当該基地局装置間のタイミング同期が所定期間内に外れる回数(以下、「非同期回数」という)を測定する。その結果、タイミング同期が外れると、通信対象の信号に誤り訂正処理が施されていても通信自体が不可能になるため、非同期回数の少ないデジタル回線の回線品質が高いと判定する。
【0025】
図1は、実施の形態1に係る簡易型携帯電話システム100を示す。簡易型携帯電話システム100は、端末装置10、端末用アンテナ12、基地局用アンテナ14、基地局装置16、デジタル回線18と総称される第1デジタル回線18a、第2デジタル回線18b、第3デジタル回線18c、第4デジタル回線18d、交換機20、ネットワーク22を含む。
【0026】
端末装置10は、ユーザが使用する無線装置であり、端末用アンテナ12を有して後述の基地局装置16に接続する。図1においては、ひとつの端末装置10のみを示したが、簡易型携帯電話システム100には複数の端末装置10が含まれていてもよい。
【0027】
基地局装置16は、複数の端末装置10に対して所定の無線チャネルを割当てることによって、それぞれの端末装置10と通信可能な無線装置である。端末装置10と接続するために、基地局用アンテナ14を有する。
【0028】
デジタル回線18は、ISDN(Integrated Services Digital Network)に代表され、基地局装置16と後述の交換機20を接続する。ここでは、基地局装置16と交換機20を4本のデジタル回線18によって接続する。
ネットワーク22は、インターネットや公衆回線などである。
【0029】
図2は、基地局装置16の構成を示す。基地局装置16は、無線部30、制御部32、処理部34と総称される第1処理部34a、第2処理部34b、第3処理部34c、第4処理部34d、同期確認部36と総称される第1同期確認部36a、第2同期確認部36b、第3同期確認部36c、第4同期確認部36d、DSU(Digital Service Unit)38と総称される第1DSU38a、第2DSU38b、第3DSU38c、第4DSU38d、決定部40、優先度テーブル42を含む。
【0030】
DSU38は、複数のデジタル回線18のそれぞれに接続するための終端装置である。DSU38の役割をOSI(Open Systems Interconnection)の7階層に当てはめれば、最も低位の階層であるレイヤ1に相当し、具体的には、レイヤ1での保守機能、モニタリング、タイミング調整、電力転送、レイヤ1の多重化、インターフェイスの終端機能等を実現する。
【0031】
処理部34は、デジタル回線18に接続するために、信号変換、速度変換、発呼や着信の制御などをおこなう。デジタル回線18で通信する信号の処理は主に処理部34でなされる。
【0032】
同期確認部36は、デジタル回線18を介して接続される基地局装置16と交換機20の間のタイミング同期を確認する。デジタル回線18の回線品質が劣化している場合、交換機20から基地局装置16へ伝送される信号の信号強度が減衰するため、基地局装置16での受信電力が小さくなり、それと共に基地局装置16と交換機20の間のタイミング同期が外れる。ここでは、所定期間内におけるタイミング同期が外れる回数あるいは時間を測定する。また、これを受信電力が所定の値より小さくなる基準によって、代用してもよい。
【0033】
決定部40は、複数の同期確認部36から所定期間内における非同期回数をそれぞれ受付け、それらの中で非同期回数の少ないデジタル回線18から高い優先度を設定する。ここでは、最も高い優先度を「優先度1」とするため、最も非同期回数の少ないデジタル回線18を「優先度1」に、最も非同期回数の多いデジタル回線18を「優先度4」にする。なお、非同期回数が同一の場合は、予め定めた規則によって強制的に優先度を設定してもよい。
【0034】
優先度テーブル42は、決定部40によって設定された複数のデジタル回線18のそれぞれに対する優先度を記憶する。図3は、優先度テーブル42におけるデータ構造を示す。「回線No.」は、予め設定されたデジタル回線18の識別番号を示し、それぞれに対応した「優先度」を記憶する。また、優先度テーブル42は、同期確認部36と決定部40によって優先度が更新されるタイミングで、更新されてもよい。
無線部30は、端末装置10に対応した無線通信のための信号処理を実行する。例えば、周波数変換、変調、復調、多重接続処理などである。
【0035】
制御部32は、優先度テーブル42をもとに選択したデジタル回線18と無線部30を接続し、端末装置10から送信されたデータを基地局装置16、デジタル回線18、交換機20を経由してネットワーク22に送る。あるいはその逆の動作を実行する。なお、デジタル回線18の選択においては、優先度テーブル42の中で使用されていないデジタル回線18のうち、最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。また、通信が終了すれば、使用していたデジタル回線18を開放する。
【0036】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0037】
図4は、優先順位を決定する手順を示すフローチャートである。当該手順は、すべての通信が開始される前に実行される。同期確認部36は、デジタル回線18における非同期回数を測定する。決定部40は、非同期回数の測定結果をそれぞれ入力する(S10)。優先度iを1に設定し(S12)、選択されていないデジタル回線18の中で最も品質の高い、すなわち非同期回数の少ないデジタル回線18に優先度iを付与する(S14)。優先度iが4でなければ(S16のN)、優先度iに1を加算する(S18)。一方、優先度iが4になれば(S16のY)、処理を終了し、結果を優先度テーブル42に記憶する。
【0038】
図5は、有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートである。制御部32は、優先度iを1に設定し(S20)、優先度テーブル42で優先度iに対応したデジタル回線18を検索し、当該デジタル回線18で通信可能であれば(S24のY)、通信処理を実行する(S28)。一方、優先度iに対応したデジタル回線18で通信可能でなければ(S24のN)、iに1を加算して(S26)、処理を続行する。なお、優先度iが4より大きくなれば(S22のY)、すべてのデジタル回線18が使用中のため、通信失敗処理を実行する(S30)。
【0039】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の同期確認部36は対応したデジタル回線18における非同期回数を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0040】
実施の形態1によれば、複数の有線通信回線のうち、所定期間において同期が外れる回数の少ない有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、同期が外れる回数の多い有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、同期が外れる回数の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に接続された複数のデジタル回線を選択する技術に関する。実施の形態2における基地局装置は、実施の形態1と同様に通信を開始する前に、デジタル回線の優先度の設定を目的として、予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定するが、実施の形態1とは回線品質の測定方法が異なる。当該基地局装置は、デジタル回線における信号のクロック周波数の変動すなわち安定度を測定する。安定度が低ければ信号のクロック周波数がより変動するため、クロック周波数の変動を原因としてタイミング同期が外れる可能性が増大する。すなわち、クロック周波数の安定度の測定によって、タイミング同期が外れる可能性の高いデジタル回線を未然に判定する。
【0042】
実施の形態2に係る簡易型携帯電話システム100の構成としては、図1に示されるものが有効であるため、簡易型携帯電話システム100の構成の説明は省略する。
【0043】
図6は、実施の形態1に係る基地局装置16の構成を示す。基地局装置16は、図2の基地局装置16における同期確認部36の代わりに、クロック精度測定部44と総称される第1クロック精度測定部44a、第2クロック精度測定部44b、第3クロック精度測定部44c、第4クロック精度測定部44dを含む。
【0044】
クロック精度測定部44は、デジタル回線18における信号のクロック周波数の変動値、すなわち処理部34やDSU38のそれぞれと、それに対応した交換機20の間のクロック周波数の変動値を測定する。さらに、測定結果を決定部40に出力する。
【0045】
実施の形態2に係る優先順位を決定する手順を示すフローチャートとしては、図4に示されるものが有効である。ここでは、ステップ10において、クロック精度測定部44で測定したデジタル回線18におけるクロック周波数の変動値を入力する。また、ステップ14では、入力したクロック周波数の変動値をもとにして、変動値の小さいデジタル回線18を品質のよいデジタル回線18として処理する。
実施の形態2に係る有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートとしては、図5に示されるものが有効であるため説明を省略する。
【0046】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の同期確認部36は対応したデジタル回線18におけるクロック周波数の変動値を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0047】
実施の形態2によれば、複数の有線通信回線のうち、クロック周波数の変動の小さい有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、クロック周波数の変動の大きい有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、クロック周波数の変動の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3は、これまでの実施の形態と同様に簡易型携帯電話システムにおける基地局装置に接続された複数のデジタル回線を選択する技術に関する。実施の形態3における基地局装置も、通信を開始する前に予め複数のデジタル回線の回線品質をそれぞれ測定するが、これまでの実施の形態とは回線品質の測定方法が異なる。当該基地局装置は、デジタル回線における信号のエラー回数を測定する。すなわち、実際に通信の対象となる信号のエラー回数の測定によって、回線品質が信号に与える影響を直接監視できる。
【0049】
実施の形態3に係る簡易型携帯電話システム100の構成としては、図1に示されるものが有効であるため、簡易型携帯電話システム100の構成の説明は省略する。
【0050】
実施の形態3に係る基地局装置16の構成としては、図2または図6に示されるものが有効である。ここでは、処理部34が所定期間におけるレイヤ2の単位フレームあたりのCRC(Cyclic Redundancy Check)エラー回数を測定する。さらに、決定部40がそれぞれのデジタル回線18に対応したCRCエラー回数をもとにして、デジタル回線18の優先度を設定する。
【0051】
実施の形態2に係る優先順位を決定する手順を示すフローチャートとしては、図4に示されるものが有効である。ここでは、ステップ10において、処理部34で測定したデジタル回線18におけるCRCエラー回数を入力する。また、ステップ14では、入力したCRCエラー回数をもとにして、CRCエラー回数の小さいデジタル回線18を品質のよいデジタル回線18として処理する。
実施の形態2に係る有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートとしては、図5に示されるものが有効であるため説明を省略する。
【0052】
以上の構成による基地局装置16の動作を説明する。端末装置10との通信に先立って、複数の処理部34は対応したデジタル回線18におけるCRCエラー回数を測定し、測定結果をもとに決定部40がデジタル回線18の優先度を決定する。端末装置10との通信を開始する際、無線部30で受信した通信開始の要求信号をもとにして、制御部32がデジタル回線18を選択する。具体的には、優先度テーブル42に記憶された優先度をもとに使用されていないデジタル回線18のうち最も優先度の高いデジタル回線18を選択する。ここでは、最も優先度が高く設定されたデジタル回線18が使用中であるとするため、次に優先度が高く設定されたデジタル回線18を選択する。その結果、前述の端末装置10からの通信開始の要求信号が、選択されたデジタル回線18を伝送し、交換機20に到達する。その後、端末装置10は基地局装置16を経由してネットワーク22にある所定の通信装置と通信可能になる。
【0053】
実施の形態3によれば、複数の有線通信回線のうち、レイヤ2のCRCエラー回数の少ない有線通信回線がより高い頻度で使用され、その結果、CRCエラー回数の多い有線通信回線の使用頻度が減少するために、より安定した通信を提供できる。さらに、CRCエラー回数の測定を適宜実行すれば、デジタル回線18の断線などによる通信トラブルを事前に回避できる。
【0054】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0055】
実施の形態1から3において、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34は回線品質として、それぞれ非同期回数、クロック周波数の変動値、CRCエラー回数を通信処理の開始前に予め測定している。しかし、これらに限らず例えば、通信処理中においても逐次、非同期回数、クロック周波数の変動値、CRCエラー回数を測定し、測定結果をもとにデジタル回線18の優先度を更新してもよい。本変形例によれば、優先度の信頼性が向上し、回線品質の劣化を原因とした回線トラブルの発生を低減できる。つまり、その時点の回線品質に応じた優先度が設定されればよい。
【0056】
実施の形態1において、同期確認部36は所定期間における非同期回数を測定し、また実施の形態3において、処理部34は所定期間におけるCRCエラー回数を測定している。しかし、これらに限らず例えば、タイミング同期が外れる確率やCRCエラーが発生する確率としてもよい。本変形例によれば、所定期間に至らなくても回線品質のおよその程度を確認できる。つまり、複数のデジタル回線18間の回線品質が比較できればよい。
【0057】
実施の形態1から3において、制御部32は通信終了後にそれまで使用していたデジタル回線18を開放している。しかし、これに限らず、さらに制御部32はその時点で使用されているデジタル回線18のうち、開放したデジタル回線18よりも優先度の低いデジタル回線18があれば、当該デジタル回線18を開放したデジタル回線18に変更してもよい。本変形例によれば、より回線品質の高いデジタル回線18が使用される。つまり、可能な限り回線品質の高いデジタル回線18が使用されればよい。
【0058】
実施の形態1から3において、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34はそれぞれ別の方法で回線品質を測定している。しかし、これに限らず例えば、同期確認部36、クロック精度測定部44、処理部34がそれぞれ測定した回線品質を合成して、新たな回線品質を導出してもよい。本変形例によれば、回線品質をより詳細に測定できる。つまり、より適した回線品質が測定できればよい。
【0059】
実施の形態1から3において、決定部40は回線品質に応じて優先度を設定している。しかし、これに限らず例えば、所定のしきい値より高い回線品質を有するデジタル回線18に、最も高い優先度を均一に設定してもよい。本変形例によれば、優先度を設定するための処理量を削減できる。つまり、回線品質の劣化を原因とした回線トラブルの発生が低減すればよい。
【0060】
実施の形態1から3において、デジタル回線18として、ISDNを対象としたが、これに限らずたとえば、Ethernet(登録商標)でもよい。つまり、データが伝送できればよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の有線通信回線から使用する有線通信回線を選択できる。また、複数の有線通信回線の中から通信に使用する有線通信回線を選択する際に、回線品質のよい有線通信回線を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る簡易型携帯電話システムを示す構成図である。
【図2】図1の基地局装置の構成を示す図である。
【図3】図2の優先度テーブルにおけるデータ構造を示す図である。
【図4】図1の優先順位を決定する手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の有線通信回線を選択する手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る基地局装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 端末装置、 12 端末用アンテナ、 14 基地局用アンテナ、 16 基地局装置、 18 デジタル回線、 20 交換機、 22 ネットワーク、 30 無線部、 32 制御部、 34 処理部、 36 同期確認部、38 DSU、 40 決定部、 42 優先度テーブル、 44 クロック精度測定部、 100 簡易型携帯電話システム。
Claims (8)
- 複数の有線通信回線を接続する通信部と、
前記複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、
前記測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を前記複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部と、
を含むことを特徴とする回線品質比較装置。 - 複数の有線通信回線を接続する通信部と、
前記複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、
前記測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を前記複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含み、
前記通信部は、前記複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送することを特徴とする通信装置。 - 前記測定部は、所定期間における前記複数の有線通信回線で伝送される信号の同期が外れる回数をそれぞれ測定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 前記測定部は、所定期間における前記複数の有線通信回線で伝送される信号の周波数の変動をそれぞれ測定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 前記測定部は、所定期間における前記複数の有線通信回線で伝送される信号のエラー回数をそれぞれ測定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 複数の有線通信回線を接続する通信部と、
前記複数の有線通信回線のいずれかで伝送される信号をさらに無線端末装置に伝送する無線部と、
前記複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定する測定部と、
前記測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を前記複数の有線通信回線にそれぞれ設定する優先度設定部とを含み、
前記通信部は、前記複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択して信号を伝送することを特徴とする無線通信装置。 - 接続した複数の有線通信回線に対して、予め回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度をそれぞれ設定し、通信を行う際に、前記複数の有線通信回線の中で使用可能な有線通信回線のうち、高い優先度が設定された有線通信回線を選択することを特徴とする回線選択方法。
- 複数の有線通信回線を接続するステップと、
前記複数の有線通信回線の回線品質をそれぞれ測定するステップと、
前記測定した回線品質をもとに、回線品質のよい有線通信回線が高くなるような優先度を前記複数の有線通信回線にそれぞれ設定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2006270572A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 無線基地局システム並びにその通信制御装置及び通信方法 |
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