JP2004296727A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体線路の欠損が無く、焼成後の層間剥離と導体配線近傍での空隙部を無くした多層セラミック配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体1上に、有機樹脂を主成分とする接着層3および接着層上に所定パターン形状の金属箔2を順次被着させる工程と、接着層および金属箔の上に、接着層3の有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリー4を塗布して、接合界面において接着層3の表面を溶解することによって有機樹脂との相互拡散によりセラミックスラリー4を接着層と接合させる工程と、接着層3を接合界面および金属箔2の表面から支持体1と共に除去して、金属箔2が被着されたセラミックスラリーから成るセラミックグリーンシート6を得る工程と、セラミックグリーンシート6を所定枚数積層したセラミックグリーンシート積層体7を焼成する工程とによる配線基板の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】支持体1上に、有機樹脂を主成分とする接着層3および接着層上に所定パターン形状の金属箔2を順次被着させる工程と、接着層および金属箔の上に、接着層3の有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリー4を塗布して、接合界面において接着層3の表面を溶解することによって有機樹脂との相互拡散によりセラミックスラリー4を接着層と接合させる工程と、接着層3を接合界面および金属箔2の表面から支持体1と共に除去して、金属箔2が被着されたセラミックスラリーから成るセラミックグリーンシート6を得る工程と、セラミックグリーンシート6を所定枚数積層したセラミックグリーンシート積層体7を焼成する工程とによる配線基板の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子収納用パッケージや多層配線基板などに適した、絶縁基板がセラミックスあるいはガラスセラミックスからなる配線基板の製造方法に関するものであり、より詳細には微細な配線回路層が形成された配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報処理装置の主体を占めるLSIやVLSIなどの半導体素子は、集積度の向上とともに発熱量が大きくなり、そのためこれら半導体素子を搭載する基板には耐熱性に優れたセラミックスを用いた多層回路基板がよく用いられる。この多層回路基板上には配線回路が形成され、この配線回路を形成した配線基板に多数の半導体素子をマトリックス状に装着して電子回路が作られる。一方、半導体素子の演算速度を高速化する要求に対して、配線基板の電気的な特性としての信号遅延が問題となり、これを解決するために導体損失の小さい、つまり低抵抗の導体を用いる配線基板が要求されている。
【0003】
このような半導体素子を搭載する配線基板として、その信頼性の点から、アルミナセラミックスを絶縁基板とし、その表面あるいは内部にタングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線回路層を被着形成したセラミック配線基板が多用されている。ところが、従来から多用されている高融点金属からなる配線回路層では、抵抗を高々8mΩ/□程度までしか低くできず、高集積化・演算の高速化のために必要な信号遅延特性を満足させる十分なものが得られなかった。
【0004】
これに対して、近年に至り、低抵抗導体である銅や銀と同時焼成可能な、いわゆるガラスセラミックスを用いた多層配線基板が提案されている。
【0005】
銅を配線導体とするガラスセラミック配線基板は、例えば、ガラスセラミック原料粉末と有機バインダ等を用いて調製した泥漿物をシート状のセラミックグリーンシートに成形した後、得られたセラミックグリーンシートに貫通孔を打ち抜き加工し、その貫通孔に銅を主成分とする導体ペーストを充填すると共に、セラミックグリーンシート上に同様の導体ペーストを用いて所定の配線パターンを形成し、これらの複数シートを位置合わせして加圧積層した後、一般的には、この積層体を水蒸気を含有する窒素雰囲気から成る非酸化性雰囲気の中で加熱して脱バインダおよび焼成を行なうことにより作製されていた。
【0006】
ここで、従来のセラミックグリーンシートの厚さは一般に300μm程度であり、また導体線路の厚さは30〜50μm程度のものが使用されていた。しかし、情報処理装置の小型化と高性能化に伴って多層セラミック配線基板は、さらに薄層化することが必要とされており、そのため単位層を形成するセラミックグリーンシートの厚さは100μm以下にまで薄層化している。一方、配線パターンについてはLSIやVLSIを駆動するための電流容量を確保する必要上からセラミックグリーンシートの薄層化に合わせて薄くすることは困難である。
【0007】
ところが、セラミックグリーンシートが薄くなると、加圧の際にセラミックグリーンシートが変形することによって配線パターンの厚さを吸収し、配線パターンの形状に沿って一体化した積層体を得ることは次第に困難となり、配線パターンの周囲に隙間を生じ、これを焼成して生じた多層セラミック配線基板の配線パターンの周辺にはこの隙間が残り、これが原因で絶縁不良や積層した基板の剥離を生じる問題があった。
【0008】
これに対し、金属箔をパターン形成した導体線路を高分子よりなるキャリアフィルム上に貼着した後、このキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布・乾燥させて、導体線路を下部に備えたセラミックグリーンシートを作り、次にこのセラミックグリーンシートに貫通孔を穴開けして導体ペーストを貫通孔に充填した貫通導体を形成し、これらの複数シートを位置合わせして積層した後に、加圧・一体化して焼成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−191047号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法による、金属箔をパターン形成した導体線路を高分子よりなるキャリアフィルム上に貼着し、このキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布した後に乾燥させて、導体線路を下部に備えたセラミックグリーンシートを作る方法では、特に配線パターンが100μm以下の微細配線においてキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させた後に、キャリアフィルムを剥離する際、セラミックグリーンシート側にパターンが転写されずにキャリアフィルム側に残り、導体線路形成が不十分なセラミックグリーンシートが出来上がってしまうという問題点があった。
【0011】
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、微細な導体線路が不足なく形成され、かつ導体線路の周辺に空隙部を無くし、性能と信頼性を向上した多層セラミック回路基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような課題について鋭意検討した結果、セラミックスラリー乾燥後にキャリアフィルム上の接着層が強度劣化し、配線パターンが転写されたセラミックグリーンシートを容易かつ不足なくキャリアフィルムから剥離することが可能となる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の配線基板の製造方法は、支持体上に、有機樹脂を主成分とする接着層およびこの接着層上に所定パターン形状の金属箔を順次被着させる工程と、前記接着層および前記金属箔の上に、前記有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布して、接合界面において前記接着層の表面を溶解することによって前記有機樹脂との相互拡散により前記セラミックスラリーを前記接着層と接合させる工程と、前記接着層を前記接合界面および前記金属箔の表面から前記支持体と共に除去して、前記金属箔が被着された前記セラミックスラリーから成るセラミックグリーンシートを得る工程と、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体を得る工程と、このセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の配線基板の製造方法によれば、支持体上の有機樹脂を主成分とする接着層に、この有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布することから、接着層がセラミックスラリー塗布時に溶解されて、接着層の有機樹脂を主成分とする接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する。このことにより、接着層とセラミックスラリーとの界面は拡散し界面が無い状態で接合される。そして、セラミックスラリーの乾燥後に支持体を剥離する際には、接着層とセラミックグリーンシートとの界面が破壊されることによるのではなく、セラミックグリーンシートよりも強度の弱い接着層の内部で破壊されることとなるので、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持され、その結果セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0015】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記接着層に含有される前記有機樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の配線基板の製造方法によれば、接着層に含有される有機樹脂がアクリル系樹脂であるときには、セラミックグリーンシートの有機樹脂バインダに用いられ、かつ低粘着として使用可能なアクリル系樹脂と同じであることより、接着層に含有される有機樹脂による接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合しやすくなるので、好適な接着層となり、金属箔を容易にセラミックグリーンシートへ転写させることができる。
【0017】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーの溶剤は、SP値が8乃至13であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の配線基板の製造方法によれば、セラミックスラリーの溶剤のSP値が8乃至13であるときには、接着層に用いられるアクリル系樹脂をほぼ完全に溶解でき、ほぼ完全に溶解してセラミックスラリーのバインダと相溶することによって接着層とセラミックスラリーとの十分な混合が可能となる。
【0019】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーに可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の配線基板の製造方法によれば、セラミックスラリーの組成に可塑剤が1〜3質量%添加されているときには、セラミックスラリー塗布時に支持体上の接着層がセラミックスラリーの溶剤に溶解し、接着層の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層へ拡散移動し、接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔のセラミックグリーンシートへの転写をより容易とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1(A)〜(E)は、それぞれ本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一例を説明するための断面図である。
【0023】
まず、図1(A)に示すように、厚み25〜100μmのポリエチレンテレフタレート等の支持体1上に、有機樹脂を主成分とする接着層3および接着層3上に所定パターン形状の金属箔2を順次被着形成する。
【0024】
接着層3の有機樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ポリアルキレンカーボネイト系樹脂のポリエチレンカーボネイト・ポリプロピレンカーボネイト等が挙げられる。
【0025】
このとき、所定パターン形状の金属箔2は、予め全面に金属箔2の厚みが3〜20μmとなる銅箔を接着し、所定パターン以外の不要部分をエッチングして加工するサブトラクティブ法や、塗布したレジストをフォトリソグラフィ法によって所定形状に露光した後に所定パターンの部分のレジストを除去し、レジストが除去された部分に銅めっきで所定パターン形状の金属箔2を厚みが3〜20μmとなるように作製するアディティブ法を用いることで作製可能である。
【0026】
次に、図1(B)に示すように、接着層3および金属箔2の上に、接着層3の有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末および溶剤を含有するセラミックスラリー4をドクターブレード法により塗布する。このときに、接着層3とセラミックスラリー4との接合界面において接着層3の表面がセラミックスラリー4に含まれる溶剤によって溶解され、セラミックスラリー4中へ拡散することによりセラミックスラリー4中の有機樹脂バインダと相溶し、セラミックスラリー4と接着層3とが混合して接合を形成する。そして、接着層3の接着成分がセラミックスラリー4組成の有機樹脂バインダと相溶し混合することにより、接着層3とセラミックスラリー4との界面は拡散し界面が無くなる。このことによって、セラミックスラリー4の乾燥後に得られるセラミックグリーンシート6から支持体を剥離する際には、接着層3とセラミックグリーンシート6との界面における界面破壊ではなく、セラミックグリーンシート6よりも強度の弱い接着層3の内部で破壊されることとなり、接着層3上に被着された所定パターン形状の金属箔2は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持されるので、セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0027】
また、接着層3に含有される有機樹脂は、セラミックグリーンシート6の有機樹脂バインダに用いられ、かつ低粘着として使用可能なアクリル系樹脂が良い。また、支持体1上の接着層3がセラミックスラリー4を塗布するときにセラミックスラリー4の溶剤で溶解され、接着層の接着成分である有機樹脂がセラミックスラリー4に含まれる有機樹脂バインダと相溶し混合されるには、熱硬化性樹脂よりも熱可塑性樹脂の方が相溶により拡散混合しやすいので、熱可塑性樹脂であるアクリル系樹脂は適している。
【0028】
また、接着層3の機能としては、配線パターンを形成するための金属箔2を接着層3に貼着して支持体1上に保持する機能と、さらにセラミックスラリー4を塗布し乾燥させた後に支持体1を剥離する際には、金属箔2から容易に分離して支持体1を剥離しやすくする機能とをもつ接着剤が必要となる。このような接着性・剥離性の両機能を持つ接着層3には一般的にTg(ガラス転移温度、以下同じ)が低く、熱可塑性で、かつ共重合体が得られることからTgを容易に変化させることが出来るアクリル系樹脂が好適である。
【0029】
また、セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8乃至13であるほうがよい。セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8乃至13であると、接着層3に用いられる有機樹脂をほぼ完全に溶解できる。接着層3の有機樹脂をほぼ完全に溶解することによって接着層3とセラミックスラリー4との相溶による十分な混合が可能となる。
【0030】
セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8未満の溶剤としては、炭化水素・エーテル・アミンの分子量の小さい溶剤があるが、これらは揮発しやすく危険な点から、使用が難しくセラミックスラリーの溶剤には適さない。またSP値が13を超える溶剤は、接着層3に用いられるアクリル系樹脂・ポリアルキレンカーボネイト系樹脂などが溶けにくく、かつ反応性の高い官能基・ジオール基などをもつ高分子量の溶剤が多く、セラミックスラリー4の溶剤には適さない。
【0031】
ここで、SP値とは溶解度パラメータ(Solubility Parameter)とも呼ばれ、物質が溶剤にどれだけ溶けやすいかということを数値化した値である。SP値は物質の溶解力を示す指標として用いられる。本発明においては講談社出版「溶剤ハンドブック」浅原照三ほか編、1976年初版によるSP値のデータを使用した。
【0032】
また、セラミックスラリー4には可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されているほうがよい。セラミックスラリー4の組成に可塑剤が1〜3%添加されていることにより、セラミックスラリー塗布時に支持体1上の接着層3がセラミックスラリー4の溶剤に溶解し、接着層3の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層3へ拡散移動し接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層3の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔2のセラミックグリーンシート6への転写をより容易に可能とすることができる。
【0033】
可塑剤が1%未満ではセラミックスラリー4に含まれた可塑剤が接着層3に十分に分散しないために接着層の可塑性を増す効果が十分に得られず、3%より多いとセラミックグリーンシート自体の強度が低下し、支持体から引き剥がす際にセラミックグリーンシートが破れる傾向がある。
【0034】
次に、図1(C)に示すように、セラミックスラリー4を乾燥・固化させた後に、金属箔2が被着されたセラミックスラリー4から成るセラミックグリーンシート6の必要な位置をレーザやマイクロドリル・パンチングにより貫通孔を形成し穴開けして後、スクリーン印刷法により銅ペーストを充填して貫通導体5を形成する。なおレーザ・マイクロドリル・パンチング等で貫通孔を形成する場合、必ずしもセラミックグリーンシート6のみに貫通孔を形成する必要はなく、セラミックグリーンシート6とともに所定パターン形状の金属箔2まで貫通孔を形成し、所定パターン形状の金属箔2と貫通導体5との電気的接続を取るようにしてもよい。
【0035】
次に、図1(D)に示すように、接着層3を接合界面および金属箔2の表面から支持体1と共に除去して、金属箔2が被着されたセラミックスラリー4から成り、その厚みが25〜100μmのセラミックグリーンシート6を得る。
【0036】
次に、図1(E)に示すように、セラミックグリーンシート6を所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体7を得る。
【0037】
次に、このセラミックグリーンシート積層体7を例えば100℃〜1000℃の温度で加熱処理して、接着層3・貫通導体5・セラミックグリーンシート6中の有機成分を分解除去した後、焼成することにより所定パターン形状の金属箔2および貫通導体5を保持したセラミックグリーンシート6を多層に積層してなる配線基板を作製することができる。
【0038】
セラミックスラリー4は、ガラス粉末・フィラー粉末・有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤・有機溶剤を加えることによって得られる。
【0039】
ガラス成分としては、例えばSiO2−B2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同一または異なってCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は前記と同じである)・SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi・NaまたはKを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じである)・Pb系ガラス・Bi系ガラス等が挙げられる。
【0040】
また、フィラーとしては、例えばAl2O3・SiO2・ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル・ムライト・コージェライト)等が挙げられる。
【0041】
これらガラスとフィラーとの混合割合は質量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
【0042】
セラミックグリーンシート6に配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸・メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体・メタクリル酸エステル共重合体・アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)・ポリビニルブチラール系・ポリビニルアルコール系・アクリル−スチレン系・ポリプロピレンカーボネート系・セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。特にアクリル系有機樹脂バインダは、上述のとおり好適である。
【0043】
有機成分の除去は、100〜1000℃の温度範囲でこの積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解・揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約700〜1000℃の範囲内である。焼成は通常、大気中で行なうが、導体材料に銅を使用する場合には100℃〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行なった後、窒素雰囲気中で焼成を行なう。
【0044】
焼成後、得られた絶縁基体表面の銅の配線導体に用途に応じてメッキ処理を施し、下地にニッケルあるいは銅を被覆し、その上に金を被覆して銅の配線導体を有する多層セラミック配線基板が得られる。
【0045】
この配線基板を切断して調べた結果、所定パターン形状の金属箔2および貫通導体5の周囲には空隙等全く見られず、また配線基板には層間剥離などの兆候は全く認められなかった。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
まず、初めに支持体1とする厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートのキャリアフィルムの上に、アクリル酸エチル樹脂の接着剤を塗布して接着層3を5μm形成した。その上に厚み9μmの銅箔を貼り、レジストを塗布、露光、現像の後に、不要な銅箔をエッチングで除去し、レジストを剥離することにより、φ30、50、100μmの金属箔2となるランドパターンをキャリアフィルム上に形成した。
【0048】
一方、SiO2が44質量%、Al2O3が28質量%、MgOが11質量%、ZnOが8質量%、B2O3が9質量%の組成を有する結晶性ガラス粉末61質量%と、ジルコン酸カルシウム粉末21質量%、チタン酸ストロンチウム粉末16質量%、Al2O3粉末2質量%から成るガラスセラミック原料粉末100質量部に対して、有機バインダ、可塑剤としてフタル酸ジブチルをそれぞれ、表1に表す割合で添加し、表1に示す溶媒を加えてボールミルにより40時間混合し、セラミックスラリー4を調整した。
【0049】
次に、得られたセラミックスラリー4をドクターブレード法により、前記の配線パターン付きのキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して厚さが100μmのセラミックグリーンシート6を形成した。
【0050】
乾燥後、セラミックグリーンシート6を吸引して固定し、キャリアフィルムを引き剥がして、その転写率(パターン欠損率)を調べた。その結果も表1に示す。
【0051】
また、それを3層重ねて積層した積層体を作製し、この積層体中の有機バインダ等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×103Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に750℃の温度で1時間保持する熱処理を行なった後、900℃の温度で1時間保持してガラスセラミック配線基板を作製した。
【0052】
作製したガラスセラミック配線基板を切断して調べた結果、導体線路であるランドパターンはガラスセラミックスに密着しており、また層間剥離などの兆候は全く認められなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
表1における評価結果のパターン欠損率については、キャリアフィルム上に形成された直径100・50・30μmのランドパターンがセラミックグリーンシートに転写された結果におけるパッド数の欠損率を示す。
【0055】
表1の結果から明らかなように、接着層のアクリル酸エチル樹脂と相溶しないポリエーテルを使ったスラリーNo.9においては、φ100μmのパッド径においてもパターン欠損を生じた。(表中の総合判定の欄に×で示す)。
【0056】
ポリエーテル以外の、接着層のアクリル酸エチル樹脂と相溶するアクリル樹脂・ポリアセタール樹脂に、SP値が8.9のトルエン・9.3のメチルエチルケトン・12.9のメタノールのセラミックスラリー溶媒を使用し、可塑剤の調合量を1〜3%としたセラミックスラリーNo.2・3・6・7・10・12・13において、φ30μmのパッド径においてもパターン欠損が無く良好な結果であった。(表中の総合判定の欄に○で示す)。アクリル系樹脂を使用した試料No.1〜4・10〜13においても良好な結果であった。
【0057】
これに対して、可塑剤の調合量が1%未満または3%を超えるセラミックスラリーNo.1・4・5・8・11においては、φ100μmパッドは欠損なく転写できるものの、φ50、30μmパッドにおいては欠損を生じる場合があった。(表中の総合判定の欄に△で示す)。
【0058】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の例ではサーマルビア用の貫通孔の形成方法としてレーザやマイクロドリル・パンチングにより形成するとしたが、フォトリソグラフィ(写真現像)工法等を用いても何ら支障無い。
【0059】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、支持体上に、有機樹脂を主成分とする接着層およびこの接着層上に所定パターン形状の金属箔を順次被着させる工程と、接着層および金属箔の上に、有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布して、接合界面において接着層の表面を溶解することによって有機樹脂との相互拡散によりセラミックスラリーを接着層と接合させる工程と、接着層を接合界面および金属箔の表面から支持体と共に除去して、金属箔が被着されたセラミックスラリーから成るセラミックグリーンシートを得る工程と、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体を得る工程と、このセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備することから、接着層がセラミックスラリー塗布時に溶解されて、接着層の有機樹脂を主成分とする接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合することにより、接着層とセラミックスラリーとの界面は拡散し界面が無い状態で接合される。そして、セラミックスラリーの乾燥後に支持体を剥離する際には、接着層とセラミックグリーンシートとの界面が界面破壊されることによるのではなく、セラミックグリーンシートよりも強度の弱い接着層の内部で破壊されることとなるので、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持され、その結果セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0060】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、接着層に含有される有機樹脂がアクリル系樹脂であるときには、接着層に含有される有機樹脂による接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合しやすくなるので、好適な接着層となり、金属箔を容易にセラミックグリーンシートへ転写させることができる。
【0061】
また、アクリル系樹脂であるときには、接着層の機能として求められる接着性・剥離性の両機能を持つ接着層として、低Tgの熱可塑性樹脂であるとともに共重合体が得られることからTgを容易に変化させることが出来るので好適である。
【0062】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーの溶剤のSP値が8乃至13であるときには、接着層に用いられるアクリル系樹脂をほぼ完全に溶解でき、ほぼ完全に溶解してセラミックスラリーのバインダと相溶することによって接着層とセラミックスラリーとの十分な混合が可能となる。
【0063】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーに可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されているときには、セラミックスラリー塗布時に支持体上の接着層がセラミックスラリーの溶剤に溶解し、接着層の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層へ拡散移動し、接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔のセラミックグリーンシートへの転写をより容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・支持体
2・・・・・・金属箔
3・・・・・・接着層
4・・・・・・セラミックスラリー
5・・・・・・貫通導体
6・・・・・・セラミックグリーンシート
7・・・・・・セラミックグリーンシート積層体
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子収納用パッケージや多層配線基板などに適した、絶縁基板がセラミックスあるいはガラスセラミックスからなる配線基板の製造方法に関するものであり、より詳細には微細な配線回路層が形成された配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報処理装置の主体を占めるLSIやVLSIなどの半導体素子は、集積度の向上とともに発熱量が大きくなり、そのためこれら半導体素子を搭載する基板には耐熱性に優れたセラミックスを用いた多層回路基板がよく用いられる。この多層回路基板上には配線回路が形成され、この配線回路を形成した配線基板に多数の半導体素子をマトリックス状に装着して電子回路が作られる。一方、半導体素子の演算速度を高速化する要求に対して、配線基板の電気的な特性としての信号遅延が問題となり、これを解決するために導体損失の小さい、つまり低抵抗の導体を用いる配線基板が要求されている。
【0003】
このような半導体素子を搭載する配線基板として、その信頼性の点から、アルミナセラミックスを絶縁基板とし、その表面あるいは内部にタングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線回路層を被着形成したセラミック配線基板が多用されている。ところが、従来から多用されている高融点金属からなる配線回路層では、抵抗を高々8mΩ/□程度までしか低くできず、高集積化・演算の高速化のために必要な信号遅延特性を満足させる十分なものが得られなかった。
【0004】
これに対して、近年に至り、低抵抗導体である銅や銀と同時焼成可能な、いわゆるガラスセラミックスを用いた多層配線基板が提案されている。
【0005】
銅を配線導体とするガラスセラミック配線基板は、例えば、ガラスセラミック原料粉末と有機バインダ等を用いて調製した泥漿物をシート状のセラミックグリーンシートに成形した後、得られたセラミックグリーンシートに貫通孔を打ち抜き加工し、その貫通孔に銅を主成分とする導体ペーストを充填すると共に、セラミックグリーンシート上に同様の導体ペーストを用いて所定の配線パターンを形成し、これらの複数シートを位置合わせして加圧積層した後、一般的には、この積層体を水蒸気を含有する窒素雰囲気から成る非酸化性雰囲気の中で加熱して脱バインダおよび焼成を行なうことにより作製されていた。
【0006】
ここで、従来のセラミックグリーンシートの厚さは一般に300μm程度であり、また導体線路の厚さは30〜50μm程度のものが使用されていた。しかし、情報処理装置の小型化と高性能化に伴って多層セラミック配線基板は、さらに薄層化することが必要とされており、そのため単位層を形成するセラミックグリーンシートの厚さは100μm以下にまで薄層化している。一方、配線パターンについてはLSIやVLSIを駆動するための電流容量を確保する必要上からセラミックグリーンシートの薄層化に合わせて薄くすることは困難である。
【0007】
ところが、セラミックグリーンシートが薄くなると、加圧の際にセラミックグリーンシートが変形することによって配線パターンの厚さを吸収し、配線パターンの形状に沿って一体化した積層体を得ることは次第に困難となり、配線パターンの周囲に隙間を生じ、これを焼成して生じた多層セラミック配線基板の配線パターンの周辺にはこの隙間が残り、これが原因で絶縁不良や積層した基板の剥離を生じる問題があった。
【0008】
これに対し、金属箔をパターン形成した導体線路を高分子よりなるキャリアフィルム上に貼着した後、このキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布・乾燥させて、導体線路を下部に備えたセラミックグリーンシートを作り、次にこのセラミックグリーンシートに貫通孔を穴開けして導体ペーストを貫通孔に充填した貫通導体を形成し、これらの複数シートを位置合わせして積層した後に、加圧・一体化して焼成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−191047号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法による、金属箔をパターン形成した導体線路を高分子よりなるキャリアフィルム上に貼着し、このキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布した後に乾燥させて、導体線路を下部に備えたセラミックグリーンシートを作る方法では、特に配線パターンが100μm以下の微細配線においてキャリアフィルム上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させた後に、キャリアフィルムを剥離する際、セラミックグリーンシート側にパターンが転写されずにキャリアフィルム側に残り、導体線路形成が不十分なセラミックグリーンシートが出来上がってしまうという問題点があった。
【0011】
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、微細な導体線路が不足なく形成され、かつ導体線路の周辺に空隙部を無くし、性能と信頼性を向上した多層セラミック回路基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような課題について鋭意検討した結果、セラミックスラリー乾燥後にキャリアフィルム上の接着層が強度劣化し、配線パターンが転写されたセラミックグリーンシートを容易かつ不足なくキャリアフィルムから剥離することが可能となる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の配線基板の製造方法は、支持体上に、有機樹脂を主成分とする接着層およびこの接着層上に所定パターン形状の金属箔を順次被着させる工程と、前記接着層および前記金属箔の上に、前記有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布して、接合界面において前記接着層の表面を溶解することによって前記有機樹脂との相互拡散により前記セラミックスラリーを前記接着層と接合させる工程と、前記接着層を前記接合界面および前記金属箔の表面から前記支持体と共に除去して、前記金属箔が被着された前記セラミックスラリーから成るセラミックグリーンシートを得る工程と、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体を得る工程と、このセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の配線基板の製造方法によれば、支持体上の有機樹脂を主成分とする接着層に、この有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布することから、接着層がセラミックスラリー塗布時に溶解されて、接着層の有機樹脂を主成分とする接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する。このことにより、接着層とセラミックスラリーとの界面は拡散し界面が無い状態で接合される。そして、セラミックスラリーの乾燥後に支持体を剥離する際には、接着層とセラミックグリーンシートとの界面が破壊されることによるのではなく、セラミックグリーンシートよりも強度の弱い接着層の内部で破壊されることとなるので、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持され、その結果セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0015】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記接着層に含有される前記有機樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の配線基板の製造方法によれば、接着層に含有される有機樹脂がアクリル系樹脂であるときには、セラミックグリーンシートの有機樹脂バインダに用いられ、かつ低粘着として使用可能なアクリル系樹脂と同じであることより、接着層に含有される有機樹脂による接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合しやすくなるので、好適な接着層となり、金属箔を容易にセラミックグリーンシートへ転写させることができる。
【0017】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーの溶剤は、SP値が8乃至13であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の配線基板の製造方法によれば、セラミックスラリーの溶剤のSP値が8乃至13であるときには、接着層に用いられるアクリル系樹脂をほぼ完全に溶解でき、ほぼ完全に溶解してセラミックスラリーのバインダと相溶することによって接着層とセラミックスラリーとの十分な混合が可能となる。
【0019】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーに可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の配線基板の製造方法によれば、セラミックスラリーの組成に可塑剤が1〜3質量%添加されているときには、セラミックスラリー塗布時に支持体上の接着層がセラミックスラリーの溶剤に溶解し、接着層の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層へ拡散移動し、接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔のセラミックグリーンシートへの転写をより容易とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1(A)〜(E)は、それぞれ本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一例を説明するための断面図である。
【0023】
まず、図1(A)に示すように、厚み25〜100μmのポリエチレンテレフタレート等の支持体1上に、有機樹脂を主成分とする接着層3および接着層3上に所定パターン形状の金属箔2を順次被着形成する。
【0024】
接着層3の有機樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ポリアルキレンカーボネイト系樹脂のポリエチレンカーボネイト・ポリプロピレンカーボネイト等が挙げられる。
【0025】
このとき、所定パターン形状の金属箔2は、予め全面に金属箔2の厚みが3〜20μmとなる銅箔を接着し、所定パターン以外の不要部分をエッチングして加工するサブトラクティブ法や、塗布したレジストをフォトリソグラフィ法によって所定形状に露光した後に所定パターンの部分のレジストを除去し、レジストが除去された部分に銅めっきで所定パターン形状の金属箔2を厚みが3〜20μmとなるように作製するアディティブ法を用いることで作製可能である。
【0026】
次に、図1(B)に示すように、接着層3および金属箔2の上に、接着層3の有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末および溶剤を含有するセラミックスラリー4をドクターブレード法により塗布する。このときに、接着層3とセラミックスラリー4との接合界面において接着層3の表面がセラミックスラリー4に含まれる溶剤によって溶解され、セラミックスラリー4中へ拡散することによりセラミックスラリー4中の有機樹脂バインダと相溶し、セラミックスラリー4と接着層3とが混合して接合を形成する。そして、接着層3の接着成分がセラミックスラリー4組成の有機樹脂バインダと相溶し混合することにより、接着層3とセラミックスラリー4との界面は拡散し界面が無くなる。このことによって、セラミックスラリー4の乾燥後に得られるセラミックグリーンシート6から支持体を剥離する際には、接着層3とセラミックグリーンシート6との界面における界面破壊ではなく、セラミックグリーンシート6よりも強度の弱い接着層3の内部で破壊されることとなり、接着層3上に被着された所定パターン形状の金属箔2は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持されるので、セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0027】
また、接着層3に含有される有機樹脂は、セラミックグリーンシート6の有機樹脂バインダに用いられ、かつ低粘着として使用可能なアクリル系樹脂が良い。また、支持体1上の接着層3がセラミックスラリー4を塗布するときにセラミックスラリー4の溶剤で溶解され、接着層の接着成分である有機樹脂がセラミックスラリー4に含まれる有機樹脂バインダと相溶し混合されるには、熱硬化性樹脂よりも熱可塑性樹脂の方が相溶により拡散混合しやすいので、熱可塑性樹脂であるアクリル系樹脂は適している。
【0028】
また、接着層3の機能としては、配線パターンを形成するための金属箔2を接着層3に貼着して支持体1上に保持する機能と、さらにセラミックスラリー4を塗布し乾燥させた後に支持体1を剥離する際には、金属箔2から容易に分離して支持体1を剥離しやすくする機能とをもつ接着剤が必要となる。このような接着性・剥離性の両機能を持つ接着層3には一般的にTg(ガラス転移温度、以下同じ)が低く、熱可塑性で、かつ共重合体が得られることからTgを容易に変化させることが出来るアクリル系樹脂が好適である。
【0029】
また、セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8乃至13であるほうがよい。セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8乃至13であると、接着層3に用いられる有機樹脂をほぼ完全に溶解できる。接着層3の有機樹脂をほぼ完全に溶解することによって接着層3とセラミックスラリー4との相溶による十分な混合が可能となる。
【0030】
セラミックスラリー4の溶剤のSP値が8未満の溶剤としては、炭化水素・エーテル・アミンの分子量の小さい溶剤があるが、これらは揮発しやすく危険な点から、使用が難しくセラミックスラリーの溶剤には適さない。またSP値が13を超える溶剤は、接着層3に用いられるアクリル系樹脂・ポリアルキレンカーボネイト系樹脂などが溶けにくく、かつ反応性の高い官能基・ジオール基などをもつ高分子量の溶剤が多く、セラミックスラリー4の溶剤には適さない。
【0031】
ここで、SP値とは溶解度パラメータ(Solubility Parameter)とも呼ばれ、物質が溶剤にどれだけ溶けやすいかということを数値化した値である。SP値は物質の溶解力を示す指標として用いられる。本発明においては講談社出版「溶剤ハンドブック」浅原照三ほか編、1976年初版によるSP値のデータを使用した。
【0032】
また、セラミックスラリー4には可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されているほうがよい。セラミックスラリー4の組成に可塑剤が1〜3%添加されていることにより、セラミックスラリー塗布時に支持体1上の接着層3がセラミックスラリー4の溶剤に溶解し、接着層3の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層3へ拡散移動し接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層3の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔2のセラミックグリーンシート6への転写をより容易に可能とすることができる。
【0033】
可塑剤が1%未満ではセラミックスラリー4に含まれた可塑剤が接着層3に十分に分散しないために接着層の可塑性を増す効果が十分に得られず、3%より多いとセラミックグリーンシート自体の強度が低下し、支持体から引き剥がす際にセラミックグリーンシートが破れる傾向がある。
【0034】
次に、図1(C)に示すように、セラミックスラリー4を乾燥・固化させた後に、金属箔2が被着されたセラミックスラリー4から成るセラミックグリーンシート6の必要な位置をレーザやマイクロドリル・パンチングにより貫通孔を形成し穴開けして後、スクリーン印刷法により銅ペーストを充填して貫通導体5を形成する。なおレーザ・マイクロドリル・パンチング等で貫通孔を形成する場合、必ずしもセラミックグリーンシート6のみに貫通孔を形成する必要はなく、セラミックグリーンシート6とともに所定パターン形状の金属箔2まで貫通孔を形成し、所定パターン形状の金属箔2と貫通導体5との電気的接続を取るようにしてもよい。
【0035】
次に、図1(D)に示すように、接着層3を接合界面および金属箔2の表面から支持体1と共に除去して、金属箔2が被着されたセラミックスラリー4から成り、その厚みが25〜100μmのセラミックグリーンシート6を得る。
【0036】
次に、図1(E)に示すように、セラミックグリーンシート6を所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体7を得る。
【0037】
次に、このセラミックグリーンシート積層体7を例えば100℃〜1000℃の温度で加熱処理して、接着層3・貫通導体5・セラミックグリーンシート6中の有機成分を分解除去した後、焼成することにより所定パターン形状の金属箔2および貫通導体5を保持したセラミックグリーンシート6を多層に積層してなる配線基板を作製することができる。
【0038】
セラミックスラリー4は、ガラス粉末・フィラー粉末・有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤・有機溶剤を加えることによって得られる。
【0039】
ガラス成分としては、例えばSiO2−B2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3系・SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同一または異なってCa・Sr・Mg・BaまたはZnを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は前記と同じである)・SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi・NaまたはKを示す)・SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じである)・Pb系ガラス・Bi系ガラス等が挙げられる。
【0040】
また、フィラーとしては、例えばAl2O3・SiO2・ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物・Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル・ムライト・コージェライト)等が挙げられる。
【0041】
これらガラスとフィラーとの混合割合は質量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
【0042】
セラミックグリーンシート6に配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸・メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体・メタクリル酸エステル共重合体・アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)・ポリビニルブチラール系・ポリビニルアルコール系・アクリル−スチレン系・ポリプロピレンカーボネート系・セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。特にアクリル系有機樹脂バインダは、上述のとおり好適である。
【0043】
有機成分の除去は、100〜1000℃の温度範囲でこの積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解・揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約700〜1000℃の範囲内である。焼成は通常、大気中で行なうが、導体材料に銅を使用する場合には100℃〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行なった後、窒素雰囲気中で焼成を行なう。
【0044】
焼成後、得られた絶縁基体表面の銅の配線導体に用途に応じてメッキ処理を施し、下地にニッケルあるいは銅を被覆し、その上に金を被覆して銅の配線導体を有する多層セラミック配線基板が得られる。
【0045】
この配線基板を切断して調べた結果、所定パターン形状の金属箔2および貫通導体5の周囲には空隙等全く見られず、また配線基板には層間剥離などの兆候は全く認められなかった。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
まず、初めに支持体1とする厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートのキャリアフィルムの上に、アクリル酸エチル樹脂の接着剤を塗布して接着層3を5μm形成した。その上に厚み9μmの銅箔を貼り、レジストを塗布、露光、現像の後に、不要な銅箔をエッチングで除去し、レジストを剥離することにより、φ30、50、100μmの金属箔2となるランドパターンをキャリアフィルム上に形成した。
【0048】
一方、SiO2が44質量%、Al2O3が28質量%、MgOが11質量%、ZnOが8質量%、B2O3が9質量%の組成を有する結晶性ガラス粉末61質量%と、ジルコン酸カルシウム粉末21質量%、チタン酸ストロンチウム粉末16質量%、Al2O3粉末2質量%から成るガラスセラミック原料粉末100質量部に対して、有機バインダ、可塑剤としてフタル酸ジブチルをそれぞれ、表1に表す割合で添加し、表1に示す溶媒を加えてボールミルにより40時間混合し、セラミックスラリー4を調整した。
【0049】
次に、得られたセラミックスラリー4をドクターブレード法により、前記の配線パターン付きのキャリアフィルム上に塗布した後、乾燥して厚さが100μmのセラミックグリーンシート6を形成した。
【0050】
乾燥後、セラミックグリーンシート6を吸引して固定し、キャリアフィルムを引き剥がして、その転写率(パターン欠損率)を調べた。その結果も表1に示す。
【0051】
また、それを3層重ねて積層した積層体を作製し、この積層体中の有機バインダ等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×103Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に750℃の温度で1時間保持する熱処理を行なった後、900℃の温度で1時間保持してガラスセラミック配線基板を作製した。
【0052】
作製したガラスセラミック配線基板を切断して調べた結果、導体線路であるランドパターンはガラスセラミックスに密着しており、また層間剥離などの兆候は全く認められなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
表1における評価結果のパターン欠損率については、キャリアフィルム上に形成された直径100・50・30μmのランドパターンがセラミックグリーンシートに転写された結果におけるパッド数の欠損率を示す。
【0055】
表1の結果から明らかなように、接着層のアクリル酸エチル樹脂と相溶しないポリエーテルを使ったスラリーNo.9においては、φ100μmのパッド径においてもパターン欠損を生じた。(表中の総合判定の欄に×で示す)。
【0056】
ポリエーテル以外の、接着層のアクリル酸エチル樹脂と相溶するアクリル樹脂・ポリアセタール樹脂に、SP値が8.9のトルエン・9.3のメチルエチルケトン・12.9のメタノールのセラミックスラリー溶媒を使用し、可塑剤の調合量を1〜3%としたセラミックスラリーNo.2・3・6・7・10・12・13において、φ30μmのパッド径においてもパターン欠損が無く良好な結果であった。(表中の総合判定の欄に○で示す)。アクリル系樹脂を使用した試料No.1〜4・10〜13においても良好な結果であった。
【0057】
これに対して、可塑剤の調合量が1%未満または3%を超えるセラミックスラリーNo.1・4・5・8・11においては、φ100μmパッドは欠損なく転写できるものの、φ50、30μmパッドにおいては欠損を生じる場合があった。(表中の総合判定の欄に△で示す)。
【0058】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の例ではサーマルビア用の貫通孔の形成方法としてレーザやマイクロドリル・パンチングにより形成するとしたが、フォトリソグラフィ(写真現像)工法等を用いても何ら支障無い。
【0059】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、支持体上に、有機樹脂を主成分とする接着層およびこの接着層上に所定パターン形状の金属箔を順次被着させる工程と、接着層および金属箔の上に、有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布して、接合界面において接着層の表面を溶解することによって有機樹脂との相互拡散によりセラミックスラリーを接着層と接合させる工程と、接着層を接合界面および金属箔の表面から支持体と共に除去して、金属箔が被着されたセラミックスラリーから成るセラミックグリーンシートを得る工程と、このセラミックグリーンシートを所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体を得る工程と、このセラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備することから、接着層がセラミックスラリー塗布時に溶解されて、接着層の有機樹脂を主成分とする接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合することにより、接着層とセラミックスラリーとの界面は拡散し界面が無い状態で接合される。そして、セラミックスラリーの乾燥後に支持体を剥離する際には、接着層とセラミックグリーンシートとの界面が界面破壊されることによるのではなく、セラミックグリーンシートよりも強度の弱い接着層の内部で破壊されることとなるので、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔は、接着層とセラミックグリーンシートとに覆われた状態で保持され、その結果セラミックグリーンシートへの転写を容易とすることができる。
【0060】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、接着層に含有される有機樹脂がアクリル系樹脂であるときには、接着層に含有される有機樹脂による接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合しやすくなるので、好適な接着層となり、金属箔を容易にセラミックグリーンシートへ転写させることができる。
【0061】
また、アクリル系樹脂であるときには、接着層の機能として求められる接着性・剥離性の両機能を持つ接着層として、低Tgの熱可塑性樹脂であるとともに共重合体が得られることからTgを容易に変化させることが出来るので好適である。
【0062】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーの溶剤のSP値が8乃至13であるときには、接着層に用いられるアクリル系樹脂をほぼ完全に溶解でき、ほぼ完全に溶解してセラミックスラリーのバインダと相溶することによって接着層とセラミックスラリーとの十分な混合が可能となる。
【0063】
また、本発明の配線基板の製造方法は、上記構成において、前記セラミックスラリーに可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されているときには、セラミックスラリー塗布時に支持体上の接着層がセラミックスラリーの溶剤に溶解し、接着層の接着成分がセラミックスラリー組成の有機樹脂バインダと相溶し混合する前述の効果に加え、セラミックスラリー組成の可塑剤が接着層へ拡散移動し、接着層自体の可塑性を増すことにより、可塑剤を添加されないセラミックスラリー組成を塗布したときより接着層の内部破壊が発生しやすくなるため、接着層上に被着された所定パターン形状の金属箔のセラミックグリーンシートへの転写をより容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・支持体
2・・・・・・金属箔
3・・・・・・接着層
4・・・・・・セラミックスラリー
5・・・・・・貫通導体
6・・・・・・セラミックグリーンシート
7・・・・・・セラミックグリーンシート積層体
Claims (4)
- 支持体上に、有機樹脂を主成分とする接着層および該接着層上に所定パターン形状の金属箔を順次被着させる工程と、
前記接着層および前記金属箔の上に、前記有機樹脂と相溶する有機樹脂バインダおよびセラミック粉末を含有するセラミックスラリーを塗布して、接合界面において前記接着層の表面を溶解することによって前記有機樹脂との相互拡散により前記セラミックスラリーを前記接着層と接合させる工程と、
前記接着層を前記接合界面および前記金属箔の表面から前記支持体と共に除去して、前記金属箔が被着された前記セラミックスラリーから成るセラミックグリーンシートを得る工程と、
該セラミックグリーンシートを所定枚数積層してセラミックグリーンシート積層体を得る工程と、
該セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程と
を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記接着層に含有される前記有機樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 前記セラミックスラリーの溶剤は、SP値が8乃至13であることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 前記セラミックスラリーに可塑剤が1乃至3質量%の割合で添加されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
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JP2003086196A Pending JP2004296727A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 配線基板の製造方法 |
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JP (1) | JP2004296727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010067944A (ja) * | 2008-03-31 | 2010-03-25 | Ngk Insulators Ltd | セラミック基板及びセラミックチップ部品 |
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003086196A patent/JP2004296727A/ja active Pending
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JP2010067944A (ja) * | 2008-03-31 | 2010-03-25 | Ngk Insulators Ltd | セラミック基板及びセラミックチップ部品 |
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