JP2004296473A - 熱発電用熱電変換材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】150℃〜200℃で性能指数の大きく安価なBiTe系多結晶熱電材料、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】合金化していないBi、Te、Se及びSbの中の2種以上とPb又はPbTe、必要に応じてCuBr,SbI3を含む素原料粉を50質量%以上が単一相になるよう機械的に合金化した粉末とする工程と、この合金化した粉末から成形体を得る工程と、この成形体を水素中で熱処理する工程と、この成形体を塑性変形かつ焼結する焼結工程とを含むことを特徴とする熱発電用熱電変換材料の製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】合金化していないBi、Te、Se及びSbの中の2種以上とPb又はPbTe、必要に応じてCuBr,SbI3を含む素原料粉を50質量%以上が単一相になるよう機械的に合金化した粉末とする工程と、この合金化した粉末から成形体を得る工程と、この成形体を水素中で熱処理する工程と、この成形体を塑性変形かつ焼結する焼結工程とを含むことを特徴とする熱発電用熱電変換材料の製造方法。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はペルチェ効果またはゼーベック効果を利用した熱発電用熱電変換材料の製造方法およびそれにより得られる熱発電用熱電変換材料に関するものであり、特に自動車や焼却炉などの廃熱を利用し熱電変換発電を行うためのものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電変換材料はゼーベック効果により熱を電気に直接変換したり、これとは逆にペルチェ効果により電気を熱(加熱・冷却)に直接変換できる材料である。熱電変換材料は、(1)可動部分がない、(2)電流方向の切替で冷却加熱ができる、(3)小型・軽量、(4)フロンガス等の冷却媒体を使わない、(5)温度応答が非常に速い等の特徴がある。熱電変換材料には、金属のように導電率が高い半導体が用いられ、通常、p型とn型の半導体を組み合わせて利用される。この対を通常、熱電変換素子といい、一般には、多数の素子を組み合わせたモジュールとして使用する。この熱電変換モジュールは、(a)精密な温度制御ができる、(b)局部的冷却ができる、(c)静かである、(d)フロン規制を受けない、(e)長寿命で信頼性が高い、(f)メインテナンス不要など利点があり、光通信用レーザーダイオードの温度制御、腕時計の発電用等に利用されている。常温域で使用される熱電変換材料としては、1954年に米国のGE社のGoldsmidによって見出されたBiTe系が、現在実用化されている唯一の材料である。p型材料にはテルル化ビスマス(Bi2Te3)とアンチモン化ビスマス(Bi2Sb3)の固溶体が、また、n型材料にはテルル化ビスマスとセレン化ビスマス(Bi2Se3)の固溶体またはテルル化ビスマス、アンチモン化ビスマスとセレン化アンチモン(Sb2Se3)の固溶体に三ヨウ化アンチモン(SbI3)または臭化銅(CuBr)を添加したものが使用されている。BiTe系の熱電変換材料は、常温における性能指数が他の組成の熱電変換材料より大きく、また、この組成の多結晶材料は、へき開性の強いBiTe系材料の問題点(加工性・製品信頼性)を軽減することができるため、光通信用レーザーダイオードの精密温度制御等に用いられている。
【0003】
この材料の合成方法としては、原材料(Bi,Te,Sb,Seその他)を溶解し一方向凝固しインゴットを作成する場合(以後、溶製材料)と、原材料を溶解し凝固したインゴットを粉砕し焼結する場合(以後、多結晶材料)がある。一般に、熱電材料の性能は、ゼーベック係数α、電気抵抗率ρ及び熱伝導率κを用い、性能指数Z=α2/(ρ・κ)によって表され、この値が大きいほど、良好な熱電特性を示す。BiTe系化合物は六方晶系の結晶構造を有し、c軸方向の電気抵抗率はa軸方向の電気抵抗率の3倍以上大きいため、性能指数の優れたBiTe系熱電変換材料を得るには、c面を一方向にそろえ、a軸方向に電流を流して使用する必要がある。溶製材料は、結晶方向がそろっており、電気抵抗率が小さいが、BiTe系熱電変換材料はc面とc面の間の結合が弱いことから、加工時にへき開を起こしやいという問題がある。また、粒界が少ないため熱伝導率が大きいという問題もある。一方、多結晶材料は多数の粒界が存在し、熱伝導を阻害する効果を持つ。
性能指数としては、溶製材料と多結晶材料はほぼ同じ値となるが、加工時のへき開による歩留まりを考慮すると、総合的に多結晶材料の方が優れる。
【0004】
ところで、多結晶材料においては、原材料を溶解し凝固したインゴットを粉砕し焼結しただけでは、配向度が小さく、性能指数の大きな材料が得られないため、結晶方向をそろえ、電気抵抗率を低減する目的で、焼結体の熱間塑性加工が行われている。例えば特許3305991号公報では、焼結体を熱間すえこみ鍛造により塑性変形を起こし、配向性の向上を図っている。しかし、この方法では、焼結後にさらに熱間塑性加工という二つの加熱プロセスが必用なため、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を有している。一方、特開平2002−118299号公報に開示されるように、熱伝導率を低減し、性能指数を向上させるため、加熱溶解した凝固インゴットを微粉砕し、粒径が38μm以下の固溶体を作成して原料とすることで、焼結体の結晶粒径を小さくすることが試みられている。しかし、この方法も、溶解インゴットの合成と、粗粉砕及び微粉砕の工程が必要となり、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を有する。
【0005】
また、BiTe材は、室温付近で高い性能指数を有するが、150℃以上になると、急激に性能指数が低下するといった問題を有するため、この高温域における特性向上が自動車や焼却炉などの廃熱を利用した熱発電用熱電変換材料として必要とされていたが満足できる特性を有していなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3305991号公報 (第5頁右欄42行目〜第6頁32行目、表1)
【特許文献2】
特開平2002−118299号公報 (第2頁右欄42行目〜第3頁左欄26行目、図1)
【0007】
【発明が解決する課題】
本発明は以上の従来の問題に鑑みてなされたものであり、150℃以上で性能指数の大きな熱発電用熱電変換材料を、安価に製作可能な手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、合金インゴットを作成し、それを粉砕するのではなく、Bi、Te、SeまたはSb等にPb又はPbTeを加えた素原料粉を振動ミルまたは遊星ボールミル等のメカニカルアロイングが可能な方法にて合金化と微粉砕化を同時に行い、微細な原料粉を作成するプロセスを採用した。
つまり本発明に係る熱発電用熱電変換材料の製造方法は、合金化していないBi、Te、Se及びSbの中の2種以上にPb又はPbTeを加えた素原料粉(必要によりドーパントとしてCuBrSbI3などを含む)を50質量%以上が単一相になるよう振動ミルまたは遊星ボールミル等の方法でメカニカルアロイングし、この合金化した粉末から一軸プレスにより相対密度が65%以上の成形体を得、この成形体を200℃以上の水素中で熱処理して酸素濃度を質量で2000ppm以下にし、ホットプレス等の焼結装置により350℃〜550℃の範囲でこの成形体を塑性変形かつ焼結することを特徴とするものである。本発明によれば、従来方法よりも100℃以上で性能指数が大きく、コストの安価な熱発電用熱電変換材料を製造することができる。Pb又はPbTeの添加量は素原料粉全体に対して0.1〜0.9質量%であれば、自動車や焼却炉などの廃熱を利用した熱電変換発電用のものとして有用である。添加量が0.1質量%未満であると添加効果が不十分であり、150°以上での使用において必要な性能指数ZTが得られない。また、0.9質量%超であっても同様に性能指数ZTが低下してしまう。さらに好ましい添加量は0.3〜0.6質量%である。
【0009】
前記成形体は合金化した粉末を一軸プレスにより相対密度が65%以上の成形体とするものであることが好ましい。65%未満であると成形体が非常に脆く、ハンドリング等が困難であるとともに特性劣化に繋がる
【0010】
機械的に合金化した粉末すべてが単一相の合金になっている必要はなく、全体の50質量%以上が単一相になっていれば、最適な焼結条件で焼結することにより残りの未反応原料が反応し、得られる焼結体は完全に単相となる。ここで、最適な焼結条件というのは、焼結時における粒成長が少なく、高い焼結密度が得られる焼結条件を指す。
【0011】
前記焼結工程における成形体の塑性変形量は一軸プレスにより行い、塑性変形前と塑性変形後の前記成形体の断面積の比率が1.05以上とすることが好ましい。1.05未満では塑性変形による配向性の向上が不十分である。またあまりに比率が大きすぎても、例えば50.0超であると、配向度の向上効果が飽和してしまう。さらに好ましい塑性変形量は1.1〜20である。
【0012】
なお、通常使用されるBi、Te、SeまたはSb等の原料は数百ppm以上の酸素含有率を購入時点で有している。さらに機械的に合金化した粉末とする工程及び成形工程においてある程度の酸化は避けられない。これにより成形体の酸素含有率は1000ppmを大きく超えてしまう。酸素含有率が増加すると得られた焼結体のキャリア濃度が変化し、十分な特性が得られない。そこで、成形体を水素中で熱処理し、酸素含有率を2000ppm以下に低減させることが好ましい。
焼結工程ではパルス状の電流を流しそのジュール熱により焼結する手法を採用可能である。
これらの製法により得られた熱発電用熱電変換材料は、150℃以上において無次元性能指数ZT=0.9以上、さらには1.0以上と安価な製法であるにも係わらず非常に特性が高く、工業上優位なものである。
【0013】
実施例中に記載したX線回折法を用いた配向度については、下記(数2)の式から求められる。X線照射面は一軸加圧面と平行な面とする。fは配向度、I(hkl)はhkl面の回折強度、I(00l)は00l面の回折強度とする。f=1で完全配向、f=0で完全無配向である。
【0014】
【数2】
【0015】
ゼーベック係数と電気抵抗率の測定においては、アルバック理工製ZEM2を用いて測定を行っている。試料サイズは、2mm四方×厚さ20mmのものを用い、真空中で行った。ゼーベック係数は、試料端に10℃、20℃、30℃の温度差をつけて測定を行った。電気抵抗率測定は4端子法を用いている。
熱伝導率はレーザーフラッシュ法を採用し、京都電子工業製LFA−502を用いて測定した。試料サイズは、5mm四方×厚さ1mmのものを用いた。
合金比率は、X線回折による定量分析により測定し、X線回折装置は、リガク製RINT2500を使用した。
【0016】
実施例中では (Bi2Te3)0.2(Sb2Te3)0.8+0.1〜0.9質量%PbTe組成について述べているが、本発明はこの組成に限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
機械的に合金化した粉末中に存在する単一相の合金の質量比率と、焼結体中に生成される単一相の合金の比率を調べた。図1にその結果を示す。粉末中、50質量%以上が単一相になるよう機械的に合金化した粉末であれば、最適な焼結条件で焼結することにより、焼結体中に生成される単一相の合金の比率はほぼ100%であることがわかる。
【0018】
塑性変形による成形体の変形量が配向度にどのような影響を与えるかを調べた。試料としてφ20mmの円筒形状である成形体を用いた。この成形体を軸方向にプレスし、塑性変形後の成形体の断面積を塑性変形前の成形体の断面積で割ったものを比率とした。図2にその結果を記す。この結果より成形体と焼結体の断面積比が1.05倍以上で配向度が大きく向上することが確認された。
【0019】
(実施例1)
Bi0.4Sb1.6Te3+0.5質量%PbTeの組成となるよう、平均粒径が約200μmのビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)及び鉛テルル(PbTe)粉末を所定量秤量した。この素原料粉を直径10mmのアルミナボールとともにステンレス製の容器に入れ、常温で24h、振動ミルによるメカニカルアロイングを行った。得られた原料粉をX線回折により分析した結果、全重量の88%が単一相に合金化していた。この原料粉を、加圧力3ton/cm2で金型成形を行い、直径φ20mmの成形体を作成した。重量と寸法から求めた成形体の相対密度は85%であった。この成形体を、1気圧の水素中で、温度300℃で12時間の熱処理を行った。得られた成形体の酸素濃度は、960ppmとなった。この成形体を、内径φ35mmのカーボンダイの中心にセットし、Arガス中で温度が500℃に達してから、一定速度で一軸加圧を行い、500Kg/cm2の圧力を加えてφ35mmの円筒状に塑性変形させた。そして、この状態で30分間保持した後、徐冷した。得られた焼結体の加圧軸と垂直方向に長さ20mmで2mm四方の試験片を切り出し、X線回折による配向度評価及びゼーベック係数と電気抵抗率の評価を行った。また、焼結体の加圧軸と垂直方向に厚さ1mmで5mm四方の試験片を切り出し、無次元性能指数を算出した。得られた試料の特性を図3及び表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様にして素原料粉を作成した。この素原料粉を直径10mmのアルミナボールとともにステンレス製の容器に入れ、常温で8h、振動ミルによるメカニカルアロイングを行った。得られた原料粉をX線回折により分析した結果、全重量の51%が単一相に合金化していた。この原料粉を、加圧力3ton/cm2で金型成形を行い、直径φ20mmの成形体を作成した。重量と寸法から求めた成形体の相対密度は85%であった。この成形体を、1気圧の水素中で、温度200℃で12時間の熱処理を行った。この成形体を、内径φ22mmのカーボンダイの中心にセットし、Arガス中で温度が500℃に達してから、一定速度で一軸加圧を行い、500Kg/cm2の圧力を加えてφ22mmの円筒状に塑性変形させた。そして、この状態で30分間保持した後、徐冷して本発明の熱発電用熱電変換材料を得た。
その後、実施例1と同様にしてこの測定を行った。結果を表1に併記する。
【0022】
(実施例3〜5及び比較例1)
実施例1と同様の手順でPbTeの添加量を変えて原料粉及び焼結体を作製した。また、比較例1は、PbTeを添加せず素原料を作成した。得られた焼結体の無次元性能指数の計算結果を表1に示す。比較例1はPbTeを添加していないため、180℃付近で無次元性能指数が低い。
【0023】
(比較例2)
比較のため、溶製材料から製造した合金粉を用い、成形、一軸加圧焼結のみで製造する公知の方法で実験を行った。Bi2.0Te2.85Se0.15の組成となるよう各合金を秤量し、750℃×4時間の溶解処理を行った。これにより得たインゴットを粉砕し、300μm以下の原料粉末とした。この原料粉末を500度でアルゴン雰囲気中45分ホットプレスすることで焼結し、比較用の試料を作成した。
実施例1と同じ項目について測定を行った。測定結果を表1に併記する。十分な配向度が得られていないことが明白である。確かに、一軸加圧をすることにより、加圧軸に垂直な面とc面が平行になりやすい性質を有しているが、X線回折法を用いた配向度の評価では、試料の配向度は高々0.3程度であり、これでは、電気抵抗率が大きくなり、高い性能指数は得られないことが解った。
【0024】
(比較例3)
比較のため、溶製材料から製造した合金粉を用い、成形、一軸加圧焼結後に熱間塑性加工を施す公知の方法で実験を行った。Bi2.0Te2.85Se0.15の組成となるよう各合金を秤量し、750℃×4時間の溶解処理を行った。これにより得たインゴットを粉砕し、300μm以下の原料粉末とした。この原料粉末を500度で45分ホットプレスすることで焼結して焼結体とした。この焼結体を再度450度まで加熱した後、塑性加工を施して比較用の試料を作成した。
実施例1と同じ項目について測定を行った。測定結果を表1に併記する。その結果本発明と同等の配向度の向上が図られていることが解る。しかし、この方法では、焼結と熱間塑性加工という二つの加熱プロセスが必用なため、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を払拭させることはできていない。
【0025】
【発明の効果】
以上、本発明の説明から明らかなように、従来技術による熱電変換材料に対して、150℃から200℃で無次元性能指数が大きい特性に優れた熱発電用熱電変換材料を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械的に合金化した粉末中の単一相の比率とそれを用いた焼結中の単一相の比率を示す図である。
【図2】塑性変形前と塑性変形後の前記成形体の断面積の比率と配向度の関係を示す図である。
【図3】無次元性能指数の温度依存性を表した図である。
【発明の属する技術分野】
本発明はペルチェ効果またはゼーベック効果を利用した熱発電用熱電変換材料の製造方法およびそれにより得られる熱発電用熱電変換材料に関するものであり、特に自動車や焼却炉などの廃熱を利用し熱電変換発電を行うためのものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電変換材料はゼーベック効果により熱を電気に直接変換したり、これとは逆にペルチェ効果により電気を熱(加熱・冷却)に直接変換できる材料である。熱電変換材料は、(1)可動部分がない、(2)電流方向の切替で冷却加熱ができる、(3)小型・軽量、(4)フロンガス等の冷却媒体を使わない、(5)温度応答が非常に速い等の特徴がある。熱電変換材料には、金属のように導電率が高い半導体が用いられ、通常、p型とn型の半導体を組み合わせて利用される。この対を通常、熱電変換素子といい、一般には、多数の素子を組み合わせたモジュールとして使用する。この熱電変換モジュールは、(a)精密な温度制御ができる、(b)局部的冷却ができる、(c)静かである、(d)フロン規制を受けない、(e)長寿命で信頼性が高い、(f)メインテナンス不要など利点があり、光通信用レーザーダイオードの温度制御、腕時計の発電用等に利用されている。常温域で使用される熱電変換材料としては、1954年に米国のGE社のGoldsmidによって見出されたBiTe系が、現在実用化されている唯一の材料である。p型材料にはテルル化ビスマス(Bi2Te3)とアンチモン化ビスマス(Bi2Sb3)の固溶体が、また、n型材料にはテルル化ビスマスとセレン化ビスマス(Bi2Se3)の固溶体またはテルル化ビスマス、アンチモン化ビスマスとセレン化アンチモン(Sb2Se3)の固溶体に三ヨウ化アンチモン(SbI3)または臭化銅(CuBr)を添加したものが使用されている。BiTe系の熱電変換材料は、常温における性能指数が他の組成の熱電変換材料より大きく、また、この組成の多結晶材料は、へき開性の強いBiTe系材料の問題点(加工性・製品信頼性)を軽減することができるため、光通信用レーザーダイオードの精密温度制御等に用いられている。
【0003】
この材料の合成方法としては、原材料(Bi,Te,Sb,Seその他)を溶解し一方向凝固しインゴットを作成する場合(以後、溶製材料)と、原材料を溶解し凝固したインゴットを粉砕し焼結する場合(以後、多結晶材料)がある。一般に、熱電材料の性能は、ゼーベック係数α、電気抵抗率ρ及び熱伝導率κを用い、性能指数Z=α2/(ρ・κ)によって表され、この値が大きいほど、良好な熱電特性を示す。BiTe系化合物は六方晶系の結晶構造を有し、c軸方向の電気抵抗率はa軸方向の電気抵抗率の3倍以上大きいため、性能指数の優れたBiTe系熱電変換材料を得るには、c面を一方向にそろえ、a軸方向に電流を流して使用する必要がある。溶製材料は、結晶方向がそろっており、電気抵抗率が小さいが、BiTe系熱電変換材料はc面とc面の間の結合が弱いことから、加工時にへき開を起こしやいという問題がある。また、粒界が少ないため熱伝導率が大きいという問題もある。一方、多結晶材料は多数の粒界が存在し、熱伝導を阻害する効果を持つ。
性能指数としては、溶製材料と多結晶材料はほぼ同じ値となるが、加工時のへき開による歩留まりを考慮すると、総合的に多結晶材料の方が優れる。
【0004】
ところで、多結晶材料においては、原材料を溶解し凝固したインゴットを粉砕し焼結しただけでは、配向度が小さく、性能指数の大きな材料が得られないため、結晶方向をそろえ、電気抵抗率を低減する目的で、焼結体の熱間塑性加工が行われている。例えば特許3305991号公報では、焼結体を熱間すえこみ鍛造により塑性変形を起こし、配向性の向上を図っている。しかし、この方法では、焼結後にさらに熱間塑性加工という二つの加熱プロセスが必用なため、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を有している。一方、特開平2002−118299号公報に開示されるように、熱伝導率を低減し、性能指数を向上させるため、加熱溶解した凝固インゴットを微粉砕し、粒径が38μm以下の固溶体を作成して原料とすることで、焼結体の結晶粒径を小さくすることが試みられている。しかし、この方法も、溶解インゴットの合成と、粗粉砕及び微粉砕の工程が必要となり、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を有する。
【0005】
また、BiTe材は、室温付近で高い性能指数を有するが、150℃以上になると、急激に性能指数が低下するといった問題を有するため、この高温域における特性向上が自動車や焼却炉などの廃熱を利用した熱発電用熱電変換材料として必要とされていたが満足できる特性を有していなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3305991号公報 (第5頁右欄42行目〜第6頁32行目、表1)
【特許文献2】
特開平2002−118299号公報 (第2頁右欄42行目〜第3頁左欄26行目、図1)
【0007】
【発明が解決する課題】
本発明は以上の従来の問題に鑑みてなされたものであり、150℃以上で性能指数の大きな熱発電用熱電変換材料を、安価に製作可能な手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、合金インゴットを作成し、それを粉砕するのではなく、Bi、Te、SeまたはSb等にPb又はPbTeを加えた素原料粉を振動ミルまたは遊星ボールミル等のメカニカルアロイングが可能な方法にて合金化と微粉砕化を同時に行い、微細な原料粉を作成するプロセスを採用した。
つまり本発明に係る熱発電用熱電変換材料の製造方法は、合金化していないBi、Te、Se及びSbの中の2種以上にPb又はPbTeを加えた素原料粉(必要によりドーパントとしてCuBrSbI3などを含む)を50質量%以上が単一相になるよう振動ミルまたは遊星ボールミル等の方法でメカニカルアロイングし、この合金化した粉末から一軸プレスにより相対密度が65%以上の成形体を得、この成形体を200℃以上の水素中で熱処理して酸素濃度を質量で2000ppm以下にし、ホットプレス等の焼結装置により350℃〜550℃の範囲でこの成形体を塑性変形かつ焼結することを特徴とするものである。本発明によれば、従来方法よりも100℃以上で性能指数が大きく、コストの安価な熱発電用熱電変換材料を製造することができる。Pb又はPbTeの添加量は素原料粉全体に対して0.1〜0.9質量%であれば、自動車や焼却炉などの廃熱を利用した熱電変換発電用のものとして有用である。添加量が0.1質量%未満であると添加効果が不十分であり、150°以上での使用において必要な性能指数ZTが得られない。また、0.9質量%超であっても同様に性能指数ZTが低下してしまう。さらに好ましい添加量は0.3〜0.6質量%である。
【0009】
前記成形体は合金化した粉末を一軸プレスにより相対密度が65%以上の成形体とするものであることが好ましい。65%未満であると成形体が非常に脆く、ハンドリング等が困難であるとともに特性劣化に繋がる
【0010】
機械的に合金化した粉末すべてが単一相の合金になっている必要はなく、全体の50質量%以上が単一相になっていれば、最適な焼結条件で焼結することにより残りの未反応原料が反応し、得られる焼結体は完全に単相となる。ここで、最適な焼結条件というのは、焼結時における粒成長が少なく、高い焼結密度が得られる焼結条件を指す。
【0011】
前記焼結工程における成形体の塑性変形量は一軸プレスにより行い、塑性変形前と塑性変形後の前記成形体の断面積の比率が1.05以上とすることが好ましい。1.05未満では塑性変形による配向性の向上が不十分である。またあまりに比率が大きすぎても、例えば50.0超であると、配向度の向上効果が飽和してしまう。さらに好ましい塑性変形量は1.1〜20である。
【0012】
なお、通常使用されるBi、Te、SeまたはSb等の原料は数百ppm以上の酸素含有率を購入時点で有している。さらに機械的に合金化した粉末とする工程及び成形工程においてある程度の酸化は避けられない。これにより成形体の酸素含有率は1000ppmを大きく超えてしまう。酸素含有率が増加すると得られた焼結体のキャリア濃度が変化し、十分な特性が得られない。そこで、成形体を水素中で熱処理し、酸素含有率を2000ppm以下に低減させることが好ましい。
焼結工程ではパルス状の電流を流しそのジュール熱により焼結する手法を採用可能である。
これらの製法により得られた熱発電用熱電変換材料は、150℃以上において無次元性能指数ZT=0.9以上、さらには1.0以上と安価な製法であるにも係わらず非常に特性が高く、工業上優位なものである。
【0013】
実施例中に記載したX線回折法を用いた配向度については、下記(数2)の式から求められる。X線照射面は一軸加圧面と平行な面とする。fは配向度、I(hkl)はhkl面の回折強度、I(00l)は00l面の回折強度とする。f=1で完全配向、f=0で完全無配向である。
【0014】
【数2】
【0015】
ゼーベック係数と電気抵抗率の測定においては、アルバック理工製ZEM2を用いて測定を行っている。試料サイズは、2mm四方×厚さ20mmのものを用い、真空中で行った。ゼーベック係数は、試料端に10℃、20℃、30℃の温度差をつけて測定を行った。電気抵抗率測定は4端子法を用いている。
熱伝導率はレーザーフラッシュ法を採用し、京都電子工業製LFA−502を用いて測定した。試料サイズは、5mm四方×厚さ1mmのものを用いた。
合金比率は、X線回折による定量分析により測定し、X線回折装置は、リガク製RINT2500を使用した。
【0016】
実施例中では (Bi2Te3)0.2(Sb2Te3)0.8+0.1〜0.9質量%PbTe組成について述べているが、本発明はこの組成に限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
機械的に合金化した粉末中に存在する単一相の合金の質量比率と、焼結体中に生成される単一相の合金の比率を調べた。図1にその結果を示す。粉末中、50質量%以上が単一相になるよう機械的に合金化した粉末であれば、最適な焼結条件で焼結することにより、焼結体中に生成される単一相の合金の比率はほぼ100%であることがわかる。
【0018】
塑性変形による成形体の変形量が配向度にどのような影響を与えるかを調べた。試料としてφ20mmの円筒形状である成形体を用いた。この成形体を軸方向にプレスし、塑性変形後の成形体の断面積を塑性変形前の成形体の断面積で割ったものを比率とした。図2にその結果を記す。この結果より成形体と焼結体の断面積比が1.05倍以上で配向度が大きく向上することが確認された。
【0019】
(実施例1)
Bi0.4Sb1.6Te3+0.5質量%PbTeの組成となるよう、平均粒径が約200μmのビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)及び鉛テルル(PbTe)粉末を所定量秤量した。この素原料粉を直径10mmのアルミナボールとともにステンレス製の容器に入れ、常温で24h、振動ミルによるメカニカルアロイングを行った。得られた原料粉をX線回折により分析した結果、全重量の88%が単一相に合金化していた。この原料粉を、加圧力3ton/cm2で金型成形を行い、直径φ20mmの成形体を作成した。重量と寸法から求めた成形体の相対密度は85%であった。この成形体を、1気圧の水素中で、温度300℃で12時間の熱処理を行った。得られた成形体の酸素濃度は、960ppmとなった。この成形体を、内径φ35mmのカーボンダイの中心にセットし、Arガス中で温度が500℃に達してから、一定速度で一軸加圧を行い、500Kg/cm2の圧力を加えてφ35mmの円筒状に塑性変形させた。そして、この状態で30分間保持した後、徐冷した。得られた焼結体の加圧軸と垂直方向に長さ20mmで2mm四方の試験片を切り出し、X線回折による配向度評価及びゼーベック係数と電気抵抗率の評価を行った。また、焼結体の加圧軸と垂直方向に厚さ1mmで5mm四方の試験片を切り出し、無次元性能指数を算出した。得られた試料の特性を図3及び表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様にして素原料粉を作成した。この素原料粉を直径10mmのアルミナボールとともにステンレス製の容器に入れ、常温で8h、振動ミルによるメカニカルアロイングを行った。得られた原料粉をX線回折により分析した結果、全重量の51%が単一相に合金化していた。この原料粉を、加圧力3ton/cm2で金型成形を行い、直径φ20mmの成形体を作成した。重量と寸法から求めた成形体の相対密度は85%であった。この成形体を、1気圧の水素中で、温度200℃で12時間の熱処理を行った。この成形体を、内径φ22mmのカーボンダイの中心にセットし、Arガス中で温度が500℃に達してから、一定速度で一軸加圧を行い、500Kg/cm2の圧力を加えてφ22mmの円筒状に塑性変形させた。そして、この状態で30分間保持した後、徐冷して本発明の熱発電用熱電変換材料を得た。
その後、実施例1と同様にしてこの測定を行った。結果を表1に併記する。
【0022】
(実施例3〜5及び比較例1)
実施例1と同様の手順でPbTeの添加量を変えて原料粉及び焼結体を作製した。また、比較例1は、PbTeを添加せず素原料を作成した。得られた焼結体の無次元性能指数の計算結果を表1に示す。比較例1はPbTeを添加していないため、180℃付近で無次元性能指数が低い。
【0023】
(比較例2)
比較のため、溶製材料から製造した合金粉を用い、成形、一軸加圧焼結のみで製造する公知の方法で実験を行った。Bi2.0Te2.85Se0.15の組成となるよう各合金を秤量し、750℃×4時間の溶解処理を行った。これにより得たインゴットを粉砕し、300μm以下の原料粉末とした。この原料粉末を500度でアルゴン雰囲気中45分ホットプレスすることで焼結し、比較用の試料を作成した。
実施例1と同じ項目について測定を行った。測定結果を表1に併記する。十分な配向度が得られていないことが明白である。確かに、一軸加圧をすることにより、加圧軸に垂直な面とc面が平行になりやすい性質を有しているが、X線回折法を用いた配向度の評価では、試料の配向度は高々0.3程度であり、これでは、電気抵抗率が大きくなり、高い性能指数は得られないことが解った。
【0024】
(比較例3)
比較のため、溶製材料から製造した合金粉を用い、成形、一軸加圧焼結後に熱間塑性加工を施す公知の方法で実験を行った。Bi2.0Te2.85Se0.15の組成となるよう各合金を秤量し、750℃×4時間の溶解処理を行った。これにより得たインゴットを粉砕し、300μm以下の原料粉末とした。この原料粉末を500度で45分ホットプレスすることで焼結して焼結体とした。この焼結体を再度450度まで加熱した後、塑性加工を施して比較用の試料を作成した。
実施例1と同じ項目について測定を行った。測定結果を表1に併記する。その結果本発明と同等の配向度の向上が図られていることが解る。しかし、この方法では、焼結と熱間塑性加工という二つの加熱プロセスが必用なため、作業工数と作業時間がかかり、コスト上の問題を払拭させることはできていない。
【0025】
【発明の効果】
以上、本発明の説明から明らかなように、従来技術による熱電変換材料に対して、150℃から200℃で無次元性能指数が大きい特性に優れた熱発電用熱電変換材料を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械的に合金化した粉末中の単一相の比率とそれを用いた焼結中の単一相の比率を示す図である。
【図2】塑性変形前と塑性変形後の前記成形体の断面積の比率と配向度の関係を示す図である。
【図3】無次元性能指数の温度依存性を表した図である。
Claims (6)
- 合金化していないBi、Te、Se及びSbの中の2種以上とPb又はPbTe、必要に応じてCuBr,SbI3を含む素原料粉を50質量%以上が単一相になるよう機械的に合金化した粉末とする工程と、この合金化した粉末から成形体を得る工程と、この成形体を水素中で熱処理する工程と、この成形体を塑性変形かつ焼結する焼結工程とを含むことを特徴とする熱発電用熱電変換材料の製造方法。
- 前記素原料粉中のPbまたはPbTeの添加量が0.1〜0.9質量%である請求項1に記載の熱発電用熱電変換材料。
- 前記成形体を得る工程は合金化した粉末を一軸プレスにより相対密度が65%以上の成形体とするものである請求項1に記載の熱発電用熱電変換材料の製造方法。
- 前記焼結工程における成形体の塑性変形は一軸プレスによるものであり、塑性変形前と塑性変形後の前記成形体の断面積の比率が1.05以上とするものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱発電用熱電変換材料の製造方法。
- 前記焼結工程がパルス状の電流を流しそのジュール熱により焼結するものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱発電用熱電変換材料の製造方法。
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