JP2004295378A - 非接触icカード - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触ICカードが複数枚重ねられて用いられる場合に受信効率が低下するのを抑制する。
【解決手段】非接触ICカードの被覆部材の表面に非平行状態形成部を備える。これにより、アンテナコイル同士が非平行状態となり、非接触ICカードが重ねられた場合の電磁結合が小さくなる。
【選択図】 図1
【解決手段】非接触ICカードの被覆部材の表面に非平行状態形成部を備える。これにより、アンテナコイル同士が非平行状態となり、非接触ICカードが重ねられた場合の電磁結合が小さくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)等の非接触ICカードに関し、特に、複数枚重ねて、データの読み出し、または書き込みを行うような場合において、受信効率の低下を極力抑えるようにした非接触ICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
リーダライタ装置に対する非接触ICカードの実装状態、たとえば、表面と表面または裏面と裏面が向かい合う状態(いわゆる1枚が裏返しの状態)で重ねた場合に、その重なり具合に起因する通信不良を解消する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記従来技術によれば、非接触ICカードが複数枚重なる場合に、アンテナができるだけ線部分で重ならないような形状のアンテナコイルを採用することによって、お互いの受信状態への干渉を防止する。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−222542号公報 (第2頁−第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における、非接触ICカードが複数枚重なる場合を考慮してアンテナの形状でアンテナの重なり防止を行う方法は、重なった時の割合が低くなるだけで完全な重なり防止にはならない為、充分な効果が得られない。
本発明の目的は、従来の非接触ICカードが複数枚重なる場合でもアンテナの重なりを完全に防止する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、たとえば、表面と表面または裏面と裏面が向かい合う状態(いわゆる1枚が裏返しの状態)で重ねた場合に、アンテナコイル同士の重なりが少ない非平行状態となる、形状の被覆部材を採用することによって、受信効率を極力低下させないようにするものである。
【0007】
すなわち本発明の構成は、基板の縁内部分を周回するように形成されたアンテナコイルと、基板とアンテナコイルとを覆う被覆部材と、を備え、薄板形状の非接触ICカードにおいて、
被覆部材の表面に、他の非接触ICカードと重なり合ったときにお互いのアンテナコイル同士を非平行状態とする非平行状態形成部を備えることを特徴としている。この場合において、非平行状態形成部は、被覆部材の表面の他の部分よりも突出した突出部を備えるようにしてもよい。
【0008】
また、突出部は、段差を伴う凸部であるようにしてもよい。さらに、突出部は、斜面を伴う起伏の頂点部分であるようにしてもよい。
また、全体平面形状が略四角形状であって、突出部は、その四角形状の第1象限乃至第4象限のいずれか一つの象限のみに形成されているようにしてもよい。さらに、突出部は、四角形状のいずれか一つの角の近傍に一つだけ形成されているようにしてもよい。
【0009】
また、突出部は、その表面は上に凸の曲面となっているようにしてもよい。
また、非平行状態形成部を、カード表面側の被覆部材の表面と、カード裏面側の被覆部材の表面との両方に設けるようにしてもよい。
ここで、非接触ICカードとは、広義には、非接触識別タグに含まれる。
非接触識別タグとは、RFIDシステムにおいて用いられるもので、一般にデータキャリアなどとも呼ばれている。その形状には、カード型をはじめ、ラベル型、コイン型、スティック型等の様々なものがある。これらの形状はアプリケーションと密接な関係が有り、例えば、人が持つものは、カード型あるいはラベル型をキーホルダ形状に加工したものがある。また、半導体のキャリアIDとしてはスティック型が主流になっている。なお、リネン関連の服に縫い込まれるものはコイン型が主流になっている。また、カード型などにおいては、表示部を備えるものもある。
【0010】
また、非接触識別タグは、データ読み取り専用、あるいは、データの読み書きが自由に行える記憶領域を備えており、更に、アンテナ側からの非接触電力伝送により電池がなくても動作可能なものがある。
また、RFIDシステムとは、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステムであり、非接触識別タグが、(1) 形態容易な大きさであること、(2) 情報を電子回路に記憶すること、(3) 非接触通信により更新することの3つの特徴を備えている。
【0011】
したがって、RFIDシステムは、非接触識別タグを持つ人・物・車などと、その情報とを一元化させる目的で使用される。つまり、人・物・車がある場所で随時、必要な情報を取り出すことができ、かつ必要に応じて新たな情報を書き込むことが出来る。
また、RFIDシステムの代表的な種類としては、主に、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して非接触識別タグとの更新を行う電磁結合方式、主に、250kHz以下、あるいは、13.56MHz帯の長・中波帯の電磁波を利用して非接触識別タグとの更新を行う電磁誘導方式、リーダ・ライタ側のアンテナと非接触識別タグ間で、2.45GHz帯のマイクロ波によりデータ更新を行うマイクロ波方式、光の発生源としてLEDを、受光器としてはフォトトランジスタ等を配置し、光の空間伝送を利用して非接触識別タグとの更新を行う光方式の4つがある。
【0012】
また、アクセス方式は、主に、シングルアクセスモード、FIFO(First In First Out)アクセスモード、マルチアクセスモード、セレクティブアクセスモードの4つがある。
シングルアクセスモードは、アンテナ交信領域内に存在する非接触識別タグは1個であり、複数の非接触識別タグがアンテナの交信領域内にあると交信エラーとなり、交信できなくなる。
【0013】
FIFOアクセスモードは、アンテナの交信領域内に順番に入ってくる非接触識別タグと順番に交信することが出来る。更新を終了した非接触識別タグにはアクセス禁止処理を行うので、交信終了したタグがアンテナの交信領域内に複数存在しても、新たなタグが1個だけアンテナの交信領域内に入ってくれば交信が出来る。同時に非接触識別タグが交信領域内に入ると、交信エラーとなり交信できなくなる。アクセス禁止された非接触識別タグは、交信領域外にでると再び交信が可能となる。
【0014】
マルチアクセスモードは、アンテナの交信領域内に複数の非接触識別タグが存在しても、すべての非接触識別タグと交信が出来る。
セレクティブアクセスモードは、交信領域内にある複数の非接触識別タグのうち、特定の非接触識別タグと交信できるもので、交信領域内の非接触識別タグに番号を割り当てるコマンドと、割り当てた番号を元に、特定の非接触識別タグとの更新を行うコマンドで実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図であり、同(a)は平面図、同(b)は同(a)のA−A’線断面である。
【0016】
即ち、非接触ICカード100は、全体平面形状が略四角形状である薄板形状をなし、その内部に基板110を備えており、その基板110には、その縁の内周部分を周回するアンテナコイル111が配されている。アンテナコイル111を含む基板110全体は、被覆部材113で覆われている。
そして、被覆部材113の表面には、非平行状態形成部としての突出部115が形成されている。
【0017】
本実施の形態では、突出部115は、被覆部材113の各辺に平行で且つ重心を通る直交座標系を考えた場合に、その直交座標系の第1象限乃至第4象限のいずれか一つのみ設けており、他の象限には設けていない。特に、本実施の形態では、突出部115は、非接触ICカード100表面の一つの角に極近い位置に形成している。
【0018】
また、突出部115は、図1(b)に示すように、被覆部材113を局所的に厚くすることにより形成された半球状の凸部であり、半球状であるため、その表面は、上に凸の曲面になっている。
突出部115の寸法は、特に限定されるものではないが、カードとして携帯した場合に不都合にならないよう、あまり大き過ぎない方がいい。例えば、非接触ICカード100が一般的な名刺程度の大きさであれば、突出部115の直径は10mm程度で、厚さは1mm以下(例えば、0.75mm程度)とする。
【0019】
また、本実施の形態では、突出部115は、非接触ICカード100の表面のみに設けており、裏面側には設けていない。
ここで、非接触ICカード100を使用する場合には、所定の場所に配置されているリーダライタ装置上に例えば置かれることになる。図6は、リーダライタ装置900と非接触ICカード100との位置関係を示す図であって、同(a)は正面図、同(b)は平面図である。即ち、非接触ICカード100は、そのアンテナコイル111と、リーダライタ装置900のアンテナコイル911が、面方向に平行に位置するような関係におかれている。その方向は、地面に対して規定されるものではなく、上向きであろうが、横向きであろうが、またはその他の方向に向いていても何ら問題はない。また、複数枚同時に実装される場合には、図6(a)に示すようにアンテナコイルの面方向に重ねられる。
【0020】
このようにアンテナコイル同士を介して通信を行うため、リーダライタ装置900上に複数枚の非接触ICカード100を置くような使用形態も可能であるが、図6(c)に示すように、非接触ICカード100、200の表面同士或いは裏面同士を重ねた場合に、お互いのアンテナコイル同士間の距離が極端に近づく場合が考えられる。かかる場合に、通信不良状態或いは通信不能状態を招く可能性があるが、本実施形態の構成であれば、突出部115を設けているため、図2(a)のように突出部115が短辺側に並んで重なった場合には、非接触ICカード100、200は、長辺方向に傾いた状態になる(同図では下矢印方向に下る)。また、図2(b)のように突出部115が長辺側に並んで重なった場合には、非接触ICカード100、200は、短辺方向に傾いた状態になる(同図では左矢印方向に下がる)。このことからも、非接触ICカード100は、他の非接触ICカード200と重なり合ったときに、お互いのカード本体は非平行状態にある。さらに、そのカード本体に平行に形成されている非接触ICカード100のアンテナコイル111と、非接触ICカード200のアンテナコイル211と、も当然非平行状態となるので、従来の非接触ICカードでは、複数枚同時に実装、例えば、定期券入れ等に入れたまま使用する場合には、通信不良状態或いは通信不能状態が生じていたが、本発明による非接触ICカード100では、定期券入れ等の中で他の非接触ICカード200と重なり合ったときでも、お互いのカード本体は非平行状態となり、非接触ICカード100とリーダライタ装置900の間の通信が安定する。よって、通信不良状態或いは通信不能状態を減少させることができる。
【0021】
また、本発明による非接触ICカード100の1枚使用においても、例えば、定期券入れ等への出し入れに関しては、突出部115の段差寸法が、非接触ICカード100の厚み寸法と同程度であること、および、非平行状態形成部の大きさが非接触ICカード100全体面に比べて局所的なことにより、従来の非接触ICカードと同程度の使い勝手である。
【0022】
さらに、非平行状態形成部として被覆部材113の表面の他の部分よりも突出した突出部115を備える構成は、従来のアンテナコイルを加工するという大掛かりな作業工程を不要にするほか、突出部115は被覆部材113の一部として加工できるので、製造品コストの大幅な上昇にはならない。
また、図1(b)のように突出部115の表面を上に凸の曲面にすることにより、突出部115と重なり合う非接触ICカード100の接触面が最小になり非接触ICカード100の傾きが容易になる。また、突出部115の人体に対する接触感も違和感が少なくなる。
【0023】
また、全体平面形状が略四角形状であって、図4(a)のように突出部115を、その四角形状の第1〜第4象限のいずれか一つの象限のみに形成することにより、突出部115の数が必要最小限で効果を得ることができる。さらに、図4(b)のように突出部115を、四角形状のいずれか一つの角の極近い位置に一つだけ形成することにより、突出部115の形状が非接触ICカード100の本来持っている表面を利用した表示、操作、デザイン等の邪魔にならないようにすることもできる。
【0024】
図3は、本発明の第2の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図である。
本実施の形態では、突出部115は、斜面を伴う起伏の頂点部分により構成している。この様な突出部115を設けているため、自然で違和感のないデザインを施した加工ができる。
【0025】
図5は、本発明の第3の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図である。
本実施の形態では、非平行状態形成部としての突出部115を、カード表面側の被覆部材113の表面と、カード裏面側の被覆部材113の表面との両方に設けている。このため、非接触ICカード100の製造時に表裏を考慮する必要がないことから製造が容易になる。また、今後、非接触ICカード100の厚みが薄くなった時にはアンテナコイル同士間が近くなるため有効になる。
【0026】
また、本実施例では非平行状態形成部の突出部115を、被覆部材113の一部として説明しているが、図7のように非平行状態形成部の突出部115が、被覆部材113とは別物の適当な厚みのある片面粘着部材等で後から被覆部材113に接着しても何ら問題ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図と断面図。
【図2】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図。
【図3】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【図4】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図。
【図5】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【図6】リーダライタ装置と非接触ICカードの実装状態を示す三面図と非接触ICカードの断面図。
【図7】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【符号の説明】
100…非接触ICカード、200…非接触ICカード、900…非接触ICカード処理装置(リーダライタ装置)、110…基板、111…非接触ICカードのアンテナコイル、113…被覆部材、115…突出部、211…非接触ICカードのアンテナコイル、911…リーダライタ装置のアンテナコイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)等の非接触ICカードに関し、特に、複数枚重ねて、データの読み出し、または書き込みを行うような場合において、受信効率の低下を極力抑えるようにした非接触ICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
リーダライタ装置に対する非接触ICカードの実装状態、たとえば、表面と表面または裏面と裏面が向かい合う状態(いわゆる1枚が裏返しの状態)で重ねた場合に、その重なり具合に起因する通信不良を解消する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記従来技術によれば、非接触ICカードが複数枚重なる場合に、アンテナができるだけ線部分で重ならないような形状のアンテナコイルを採用することによって、お互いの受信状態への干渉を防止する。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−222542号公報 (第2頁−第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における、非接触ICカードが複数枚重なる場合を考慮してアンテナの形状でアンテナの重なり防止を行う方法は、重なった時の割合が低くなるだけで完全な重なり防止にはならない為、充分な効果が得られない。
本発明の目的は、従来の非接触ICカードが複数枚重なる場合でもアンテナの重なりを完全に防止する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、たとえば、表面と表面または裏面と裏面が向かい合う状態(いわゆる1枚が裏返しの状態)で重ねた場合に、アンテナコイル同士の重なりが少ない非平行状態となる、形状の被覆部材を採用することによって、受信効率を極力低下させないようにするものである。
【0007】
すなわち本発明の構成は、基板の縁内部分を周回するように形成されたアンテナコイルと、基板とアンテナコイルとを覆う被覆部材と、を備え、薄板形状の非接触ICカードにおいて、
被覆部材の表面に、他の非接触ICカードと重なり合ったときにお互いのアンテナコイル同士を非平行状態とする非平行状態形成部を備えることを特徴としている。この場合において、非平行状態形成部は、被覆部材の表面の他の部分よりも突出した突出部を備えるようにしてもよい。
【0008】
また、突出部は、段差を伴う凸部であるようにしてもよい。さらに、突出部は、斜面を伴う起伏の頂点部分であるようにしてもよい。
また、全体平面形状が略四角形状であって、突出部は、その四角形状の第1象限乃至第4象限のいずれか一つの象限のみに形成されているようにしてもよい。さらに、突出部は、四角形状のいずれか一つの角の近傍に一つだけ形成されているようにしてもよい。
【0009】
また、突出部は、その表面は上に凸の曲面となっているようにしてもよい。
また、非平行状態形成部を、カード表面側の被覆部材の表面と、カード裏面側の被覆部材の表面との両方に設けるようにしてもよい。
ここで、非接触ICカードとは、広義には、非接触識別タグに含まれる。
非接触識別タグとは、RFIDシステムにおいて用いられるもので、一般にデータキャリアなどとも呼ばれている。その形状には、カード型をはじめ、ラベル型、コイン型、スティック型等の様々なものがある。これらの形状はアプリケーションと密接な関係が有り、例えば、人が持つものは、カード型あるいはラベル型をキーホルダ形状に加工したものがある。また、半導体のキャリアIDとしてはスティック型が主流になっている。なお、リネン関連の服に縫い込まれるものはコイン型が主流になっている。また、カード型などにおいては、表示部を備えるものもある。
【0010】
また、非接触識別タグは、データ読み取り専用、あるいは、データの読み書きが自由に行える記憶領域を備えており、更に、アンテナ側からの非接触電力伝送により電池がなくても動作可能なものがある。
また、RFIDシステムとは、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステムであり、非接触識別タグが、(1) 形態容易な大きさであること、(2) 情報を電子回路に記憶すること、(3) 非接触通信により更新することの3つの特徴を備えている。
【0011】
したがって、RFIDシステムは、非接触識別タグを持つ人・物・車などと、その情報とを一元化させる目的で使用される。つまり、人・物・車がある場所で随時、必要な情報を取り出すことができ、かつ必要に応じて新たな情報を書き込むことが出来る。
また、RFIDシステムの代表的な種類としては、主に、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して非接触識別タグとの更新を行う電磁結合方式、主に、250kHz以下、あるいは、13.56MHz帯の長・中波帯の電磁波を利用して非接触識別タグとの更新を行う電磁誘導方式、リーダ・ライタ側のアンテナと非接触識別タグ間で、2.45GHz帯のマイクロ波によりデータ更新を行うマイクロ波方式、光の発生源としてLEDを、受光器としてはフォトトランジスタ等を配置し、光の空間伝送を利用して非接触識別タグとの更新を行う光方式の4つがある。
【0012】
また、アクセス方式は、主に、シングルアクセスモード、FIFO(First In First Out)アクセスモード、マルチアクセスモード、セレクティブアクセスモードの4つがある。
シングルアクセスモードは、アンテナ交信領域内に存在する非接触識別タグは1個であり、複数の非接触識別タグがアンテナの交信領域内にあると交信エラーとなり、交信できなくなる。
【0013】
FIFOアクセスモードは、アンテナの交信領域内に順番に入ってくる非接触識別タグと順番に交信することが出来る。更新を終了した非接触識別タグにはアクセス禁止処理を行うので、交信終了したタグがアンテナの交信領域内に複数存在しても、新たなタグが1個だけアンテナの交信領域内に入ってくれば交信が出来る。同時に非接触識別タグが交信領域内に入ると、交信エラーとなり交信できなくなる。アクセス禁止された非接触識別タグは、交信領域外にでると再び交信が可能となる。
【0014】
マルチアクセスモードは、アンテナの交信領域内に複数の非接触識別タグが存在しても、すべての非接触識別タグと交信が出来る。
セレクティブアクセスモードは、交信領域内にある複数の非接触識別タグのうち、特定の非接触識別タグと交信できるもので、交信領域内の非接触識別タグに番号を割り当てるコマンドと、割り当てた番号を元に、特定の非接触識別タグとの更新を行うコマンドで実現される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図であり、同(a)は平面図、同(b)は同(a)のA−A’線断面である。
【0016】
即ち、非接触ICカード100は、全体平面形状が略四角形状である薄板形状をなし、その内部に基板110を備えており、その基板110には、その縁の内周部分を周回するアンテナコイル111が配されている。アンテナコイル111を含む基板110全体は、被覆部材113で覆われている。
そして、被覆部材113の表面には、非平行状態形成部としての突出部115が形成されている。
【0017】
本実施の形態では、突出部115は、被覆部材113の各辺に平行で且つ重心を通る直交座標系を考えた場合に、その直交座標系の第1象限乃至第4象限のいずれか一つのみ設けており、他の象限には設けていない。特に、本実施の形態では、突出部115は、非接触ICカード100表面の一つの角に極近い位置に形成している。
【0018】
また、突出部115は、図1(b)に示すように、被覆部材113を局所的に厚くすることにより形成された半球状の凸部であり、半球状であるため、その表面は、上に凸の曲面になっている。
突出部115の寸法は、特に限定されるものではないが、カードとして携帯した場合に不都合にならないよう、あまり大き過ぎない方がいい。例えば、非接触ICカード100が一般的な名刺程度の大きさであれば、突出部115の直径は10mm程度で、厚さは1mm以下(例えば、0.75mm程度)とする。
【0019】
また、本実施の形態では、突出部115は、非接触ICカード100の表面のみに設けており、裏面側には設けていない。
ここで、非接触ICカード100を使用する場合には、所定の場所に配置されているリーダライタ装置上に例えば置かれることになる。図6は、リーダライタ装置900と非接触ICカード100との位置関係を示す図であって、同(a)は正面図、同(b)は平面図である。即ち、非接触ICカード100は、そのアンテナコイル111と、リーダライタ装置900のアンテナコイル911が、面方向に平行に位置するような関係におかれている。その方向は、地面に対して規定されるものではなく、上向きであろうが、横向きであろうが、またはその他の方向に向いていても何ら問題はない。また、複数枚同時に実装される場合には、図6(a)に示すようにアンテナコイルの面方向に重ねられる。
【0020】
このようにアンテナコイル同士を介して通信を行うため、リーダライタ装置900上に複数枚の非接触ICカード100を置くような使用形態も可能であるが、図6(c)に示すように、非接触ICカード100、200の表面同士或いは裏面同士を重ねた場合に、お互いのアンテナコイル同士間の距離が極端に近づく場合が考えられる。かかる場合に、通信不良状態或いは通信不能状態を招く可能性があるが、本実施形態の構成であれば、突出部115を設けているため、図2(a)のように突出部115が短辺側に並んで重なった場合には、非接触ICカード100、200は、長辺方向に傾いた状態になる(同図では下矢印方向に下る)。また、図2(b)のように突出部115が長辺側に並んで重なった場合には、非接触ICカード100、200は、短辺方向に傾いた状態になる(同図では左矢印方向に下がる)。このことからも、非接触ICカード100は、他の非接触ICカード200と重なり合ったときに、お互いのカード本体は非平行状態にある。さらに、そのカード本体に平行に形成されている非接触ICカード100のアンテナコイル111と、非接触ICカード200のアンテナコイル211と、も当然非平行状態となるので、従来の非接触ICカードでは、複数枚同時に実装、例えば、定期券入れ等に入れたまま使用する場合には、通信不良状態或いは通信不能状態が生じていたが、本発明による非接触ICカード100では、定期券入れ等の中で他の非接触ICカード200と重なり合ったときでも、お互いのカード本体は非平行状態となり、非接触ICカード100とリーダライタ装置900の間の通信が安定する。よって、通信不良状態或いは通信不能状態を減少させることができる。
【0021】
また、本発明による非接触ICカード100の1枚使用においても、例えば、定期券入れ等への出し入れに関しては、突出部115の段差寸法が、非接触ICカード100の厚み寸法と同程度であること、および、非平行状態形成部の大きさが非接触ICカード100全体面に比べて局所的なことにより、従来の非接触ICカードと同程度の使い勝手である。
【0022】
さらに、非平行状態形成部として被覆部材113の表面の他の部分よりも突出した突出部115を備える構成は、従来のアンテナコイルを加工するという大掛かりな作業工程を不要にするほか、突出部115は被覆部材113の一部として加工できるので、製造品コストの大幅な上昇にはならない。
また、図1(b)のように突出部115の表面を上に凸の曲面にすることにより、突出部115と重なり合う非接触ICカード100の接触面が最小になり非接触ICカード100の傾きが容易になる。また、突出部115の人体に対する接触感も違和感が少なくなる。
【0023】
また、全体平面形状が略四角形状であって、図4(a)のように突出部115を、その四角形状の第1〜第4象限のいずれか一つの象限のみに形成することにより、突出部115の数が必要最小限で効果を得ることができる。さらに、図4(b)のように突出部115を、四角形状のいずれか一つの角の極近い位置に一つだけ形成することにより、突出部115の形状が非接触ICカード100の本来持っている表面を利用した表示、操作、デザイン等の邪魔にならないようにすることもできる。
【0024】
図3は、本発明の第2の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図である。
本実施の形態では、突出部115は、斜面を伴う起伏の頂点部分により構成している。この様な突出部115を設けているため、自然で違和感のないデザインを施した加工ができる。
【0025】
図5は、本発明の第3の実施の形態における非接触ICカード100の構成を示す図である。
本実施の形態では、非平行状態形成部としての突出部115を、カード表面側の被覆部材113の表面と、カード裏面側の被覆部材113の表面との両方に設けている。このため、非接触ICカード100の製造時に表裏を考慮する必要がないことから製造が容易になる。また、今後、非接触ICカード100の厚みが薄くなった時にはアンテナコイル同士間が近くなるため有効になる。
【0026】
また、本実施例では非平行状態形成部の突出部115を、被覆部材113の一部として説明しているが、図7のように非平行状態形成部の突出部115が、被覆部材113とは別物の適当な厚みのある片面粘着部材等で後から被覆部材113に接着しても何ら問題ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図と断面図。
【図2】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図。
【図3】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【図4】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの平面図。
【図5】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【図6】リーダライタ装置と非接触ICカードの実装状態を示す三面図と非接触ICカードの断面図。
【図7】本発明の一実施の形態の非接触ICカードの断面図。
【符号の説明】
100…非接触ICカード、200…非接触ICカード、900…非接触ICカード処理装置(リーダライタ装置)、110…基板、111…非接触ICカードのアンテナコイル、113…被覆部材、115…突出部、211…非接触ICカードのアンテナコイル、911…リーダライタ装置のアンテナコイル
Claims (8)
- 基板の縁内部分を周回するように形成されたアンテナコイルと、前記基板と前記アンテナコイルとを覆う被覆部材と、を備え、薄板形状の非接触ICカードにおいて、
前記被覆部材の表面に、他の非接触ICカードと重なり合ったときにお互いの前記アンテナコイル同士を非平行状態とする非平行状態形成部を備えることを特徴とする非接触ICカード。 - 前記非平行状態形成部は、前記被覆部材の表面の他の部分よりも突出した突出部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触ICカード。
- 前記突出部は、段差を伴う凸部であることを特徴とする請求項2記載の非接触ICカード。
- 前記突出部は、斜面を伴う起伏の頂点部分であることを特徴とする請求項2記載の非接触ICカード。
- 全体平面形状が略四角形状であって、前記突出部は、その四角形状の第1象限乃至第4象限のいずれか一つの象限のみに形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の非接触ICカード。
- 前記突出部は、前記四角形状のいずれか一つの角の近傍に一つだけ形成されていることを特徴とする請求項5記載の非接触ICカード。
- 前記突出部は、その表面は上に凸の曲面となっていることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の非接触ICカード。
- 前記非平行状態形成部を、カード表面側の前記被覆部材の表面と、カード裏面側の前記被覆部材の表面との両方に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の非接触ICカード。
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-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085543A patent/JP2004295378A/ja not_active Withdrawn
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