JP2004294740A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドからのレーザ光の照射による熱に反応してガスを発生させる感光材料を用いた画像記録装置において、前記ガスによる記録ヘッドの汚染を最小限にする。
【解決手段】記録ドラム1の外周面に固定された刷版100は記録ヘッド8の対物レンズ86から外部に出射するレーザ光により照射され、それに伴いガスを発生させる。記録ヘッド8は対物レンズ86の前面に空気流を生じさせるガス拡散吸引ユニット80を有するとともに、給気管73によってその内部が加圧されている。これにより、対物レンズ87のガスによる汚染が防止できるだけでなく、記録ヘッド8内部へのガスの進入を防止できる。
【選択図】図3
【解決手段】記録ドラム1の外周面に固定された刷版100は記録ヘッド8の対物レンズ86から外部に出射するレーザ光により照射され、それに伴いガスを発生させる。記録ヘッド8は対物レンズ86の前面に空気流を生じさせるガス拡散吸引ユニット80を有するとともに、給気管73によってその内部が加圧されている。これにより、対物レンズ87のガスによる汚染が防止できるだけでなく、記録ヘッド8内部へのガスの進入を防止できる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録ドラムの外周面に感光材料を固定し、当該記録ドラムを回転させると共に記録ヘッドを記録ドラムの回転軸と平行な副走査方向に移動してレーザ光を照射することにより当該感光材料上に二次元画像を記録する画像記録装置に関する。特に、感光材料として、熱反応によりガス等を発生させる感光材料に対して画像記録を行う画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスを生じさせる感光材料を用いた画像記録装置においては、当該ガスが記録ヘッドの対物レンズ等に付着して対物レンズの表面が曇り、感光材料に形成される画像の質が劣化する恐れがある。そのため、従来から、記録ヘッドから出射されるレーザ光と交差するような空気流をつくりだすことにより前記ガスを拡散させて、記録ヘッドの対物レンズにガスが付着することを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−56400号
【0004】
図4は、従来の画像記録装置における記録ドラム101および記録ヘッド108の概要を示す説明図である。感光材料である刷版100を先端クランプ102および後端クランプ103によって記録ドラム101の外周面に固定する。記録ヘッド108は刷版100に対してレーザ光を照射して画像記録を行う。記録ヘッド108はガス拡散吸引ユニット180を備えている。このガス拡散吸引ユニット180はエア噴出口182から清浄な空気を噴出し、またガス吸引口183から吸引することで、対物レンズ186の前面にエアカーテンを生成し、対物レンズ186にガスが付着することを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ガス発生量の多い感光材料の使用が増えている。このため、刷版100から生じるすべてのガスをガス吸引口183から吸引することは困難になりつつある。また、記録ドラム101および記録ヘッド108、その他の駆動手段等は通常、閉鎖性の筐体の中に格納される。このため、感光材料への画像記録を長時間連続して行うと前記筐体内部のガス濃度が上がり、図4中矢印aで示すようにガスが記録ヘッド108の内部に進入し、記録ヘッド108の内部に配された種々の光学部品などを汚染することが考えられる。しかし、上記特許文献1に記載された画像記録装置などの従来の画像記録装置においてはこの点についての配慮がない。
【0006】
したがって、本発明は、レーザ照射によりガスが生じる感光材料に対する画像記録を行う画像記録装置において、当該ガスによる記録ヘッド内部の汚染を最小限にすることが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および本発明の効果】
請求項1の発明に係る画像記録装置は、その周面に感光材料が固定される記録ドラムと、前記記録ドラムを回転させる回転手段と、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を前記記録ドラムの周面に固定された感光材料に対して照射する対物レンズと、少なくとも前記レーザ光源を格納する密閉性のケースとを有する記録ヘッドと、外部から加圧された気体を送り込むことにより前記ケースの内部を加圧する加圧手段と、前記レーザ光の照射によって発生するガスを、前記対物レンズ近傍において所定の気体を噴出することで拡散させる噴出手段と、前記噴出手段よりも前記所定のガスの噴出方向において下流側に位置し、前記噴出手段によって拡散したガスを吸引する吸引手段とを有する。
【0008】
請求項1の発明に係る画像記録装置によると、記録ヘッドのケースの内部は加圧手段によって加圧されているので、レーザ光の照射によって感光材料から生じるガスが当該ケースの内部に進入することがない。さらに、対物レンズ近傍のガスを噴出手段によって拡散させ、さらに回収手段によって回収しているので、対物レンズがガスにより汚染することがない。
【0009】
請求項2の発明に係る画像記録装置は、請求項1の発明に係る画像記録装置において、前記加圧手段は、給気手段と、当該給気手段に連通する一端と前記ケース内部に連通する他端とを有する給気管とを備え、前記噴出手段は、前記給気管から分岐された第2給気管から供給される気体を噴出することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明に係る画像記録装置は、記録ヘッドのケースの内部を加圧する加圧手段の給気手段から供給する所定の気体の一部が噴出手段に送られているので、装置の構成が簡易になる。
【0011】
請求項3記載の発明に係る画像記録装置は、請求項2の発明に係る画像記録装置において、前記給気管の前記他端は、前記記録ヘッドのケースに対して、前記記録ドラムの周面に対向しない位置において連通されることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明に係る画像記録装置によると、給気管の他端は、記録ヘッドのケースに対して、記録ドラムの周面に対向しない位置において連通されているので、ケースの内部において、記録ドラムの外周面に対向しない位置から対向する位置に向けて空気流を生じさせることが可能になる。これにより刷版から生じるガスのケース内部への進入がより起こりにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例における画像記録装置の斜視図である。画像記録装置は筐体10と、この筐体10の内部に配置されたベース部11と、ベース部11に形成された一対の軸受け12によって回転自在に支持された記録ドラム1と、記録ドラム1を回転させるモータ13と、ベース部11上で、記録ドラム1の回転軸方向に沿って移動可能に配置された記録ヘッド8と、記録ヘッド8に対して画像信号供給用ケーブル(不図示)、電力供給ケーブル(不図示)、給気管73(後述)および排気管77(後述)を案内するケーブルベア14、給気ポンプ70、排気ポンプ79を備えている。
【0014】
記録ドラム1の外周面には、感光材料としてのアルミニウム製の刷版100が先端クランプ2(図3参照)および後端クランプ3(図3参照)により固定される。
【0015】
記録ヘッド8は、その内部に図1には図示しないレーザ光源30を備えている。当該レーザ光源30は画像信号に応じて制御され、記録ドラム1の外周面に固定された刷版100に向けてレーザ光を照射する。
【0016】
そして、記録ドラム1の回転に同期して、記録ヘッド8を順次、副走査方向に移動させることで記録ドラム1上の刷版100に所望の二次元画像が形成される。
【0017】
給気ポンプ70は、望ましくは筐体10の外部の空気を加圧して給気管73に送り出す、圧縮機もしくは送風機等の部材である。給気ポンプ70と給気管73との間にはフィルタ71が介在しているので給気管73には不純物が除去された清浄な空気が供給される。給気管73の途中には第1流量調整弁72が配置されており、給気ポンプ70から供給される空気の流量が調整できるようになっている。
【0018】
給気管73は、記録ヘッド8の裏面(記録ヘッド8の記録ドラム1外周面に対向しない面)において記録ヘッド8に連結されている。給気管73は途中で分岐管74により第2給気管76と連結されている。第2給気管76は図1には図示されないガス拡散吸引ユニット80に対して空気を供給する管である。なお、記録ヘッド8内部に供給される空気量とガス拡散吸引ユニット80に供給される空気量とは第2給気管76の途中に配置された第2流量調整弁75によって調整される。
【0019】
後述するガス拡散吸引ユニット80によって回収される刷版100から発生したガスを含む気体は、排気管77とこれに連通する排気ポンプ79とによって回収される。排気される気体の流量は、排気管77の途中に取り付けられた第3流量調整弁78によって調整される。
【0020】
図2に記録ヘッド8の詳細な構成を示す。記録ヘッド8は、ケース20と、ケース20の内部に配置されたレーザ光源30と、ケース20の前面に取り付けられたガス拡散吸引ユニット80とを有する。
【0021】
ケース20は密閉性の容器であり、下部ケース20aと上部ケース20bとからなる。下部ケース20aと上部ケース20bとはレーザ光源30が画像記録装置の筐体10の内部の雰囲気から気密になるように組み合わされている。また、下部ケース20aの記録ドラム1と対向する面にはレーザ出射孔87(図2には図示せず)が形成されている。
【0022】
下部ケース20aの底面にはレーザ光源30が配置されている。レーザ光源30は、2個のレーザユニット31および32、レーザユニット31および32から出射された2本のレーザ光を合成する合成器33、合成されたレーザ光を画像信号に応じて選択的に反射させる変調器34、当該変調器34から反射されたレーザ光を、レーザ出射孔87と対物レンズ86とを介して刷版100上に合焦させる結像光学系35とを有する。
【0023】
図3は本発明における記録ヘッド8の内部および周辺の空気流を説明するための概略図である。図3に示すように、記録ドラム1の周面には刷版100が先端クランプ2および後端クランプ3によって固定されている。また、記録ヘッド8の前面にはガス拡散吸引ユニット80が取り付けられている。ガス拡散吸引ユニット80は、第2給気管76から供給される空気を刷版100のレーザ被照射位置に向けて噴出させて刷版100から発生するガスを拡散させるエアー噴出口82と、前記レーザ出射孔87に対応する位置に配置された対物レンズ86と、エアー噴出口82からの空気の噴出方向に関してエアー噴出口82よりも下流側に位置し、拡散されたガスを吸引するガス吸引口83と、ガス吸引口83に連通され、吸引回収されたガスを排気ポンプ79に向けて送る排気管77とを有している。なお、ガス吸引口83の面積は、エア噴出口82によって拡散したガスの回収効率を上げるために、エア噴出口82の面積よりも大きくしている。
【0024】
前述のように、刷版100は、レーザ光の照射によってガスを生じさせる。このガスは、記録ドラム1の矢印A方向の回転によって拡散し、記録ヘッド8の対物レンズ86や、筐体10内部のその他の部材を汚染する。特に、対物レンズ86がガスによって汚染されて曇ると、光効率が落ち、記録ヘッド8の描画性能に悪影響を与える。同様に、記録ヘッド8の内部にガスが進入してレーザ光源30のレンズ等が汚れても描画性能が劣化する。
【0025】
これを防ぐために、本画像記録装置では、記録ヘッド8の前面(記録ドラム1に対向する面)にガス拡散吸引ユニット80を配置するとともに、記録ヘッド8内部を筐体10内部の気圧よりも高圧にすることによって記録ヘッド8の内部にガスが進入しないようにしている。
【0026】
図3に示すように、記録ヘッド8のケース20内部には、給気管73により加圧された清浄な空気が供給され、記録ヘッド8の内部が加圧されている。このため、記録ヘッド8内部は外部に対して圧が高くなり記録ヘッド8の隙間等の開口部から気体が吹き出す状態となる。このため、記録ヘッド8の外部の埃や刷版100の熱反応により発生するガスの侵入を防止できる。この結果、記録ヘッド8内部のレンズ等が汚れることがなく、性能が維持できる。
【0027】
特に、この画像記録装置では、ガス拡散吸引ユニット80によって対物レンズ86の前面空間に空気流を生じさせている。すなわち、第2給気管76から空気を送り込むことによってエアー噴出口82から空気を吹き出させると共に、ガス吸引口83によって刷版100から発生するガスを吸引させている。これによって、対物レンズ86の前面空間に空気流が形成される。これによって、対物レンズ86にガスが付着しにくくなることは従来と同一であるが、空気流の発生により対物レンズ86の前面空間の気圧が記録ヘッド8の他の部位の表面よりも相対的に低くなるという副次的な現象も発生する。このため、仮に対物レンズ86の取り付け部位およびレーザ射出孔87に隙間があったとしても、この隙間からガスが記録ヘッド8内部に進入することはない。
【0028】
なぜなら、対物レンズ86の前面領域の気圧は記録ヘッド8の他の部分の表面よりも気圧が相対的に低いので、記録ヘッド8内部の加圧された空気は、前記対物レンズ86取り付け部位およびレーザ射出孔87の隙間から外部に噴出する傾向が強くなるからである。これによってガス濃度が最も高い対物レンズ86に対向する空間(対物レンズ86の前面の空間)から記録ヘッド8内部へのガスの進入がより生じにくくなる。
【0029】
さらに、図3に模式的に示すように記録ヘッド8内部には、記録ヘッド8の裏面(記録ドラム1に対向しない側)から記録ヘッド8の前面(記録ドラム1に対向する側)に向けての空気流が生じている。この空気流によって、前記したレーザ光源30の各要素(レーザユニット31および32、合成器33、変調器34、結像光学系35)を冷却することができる。本画像記録装置では図1に示すように記録ヘッド8に向けて送り込まれる空気は記録ドラム1から離れた位置から採取されたものである。したがって、記録ヘッド8による画像記録に伴って温度上昇していない空気を記録ヘッド8の内部に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における画像記録装置の斜視図である。
【図2】図1の画像記録装置に使用される記録ヘッド8の分解斜視図である。
【図3】図1の画像記録装置における記録ヘッド8の周辺および内部の空気流を説明する概念図である。
【図4】従来の画像記録装置における記録ヘッドの周辺および内部の空気流を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 記録ドラム
2 先端クランプ
3 後端クランプ
8 記録ヘッド
10 筐体
11 ベース部
12 軸受
13 モータ
14 ケーブルベア
20 ケース
20a 下部ケース
20b 上部ケース
30 レーザ光源
31 レーザユニット
32 レーザユニット
33 合成器
34 変調器
70 給気ポンプ
71 フィルタ
72 第1流量調整弁
73 給気管
74 分岐管
75 第2流量調整弁
76 第2給気管
77 排気管
78 第3流量調整弁
79 排気ポンプ
80 ガス拡散吸引ユニット
82 エアー噴出口
83 ガス吸引口
86 対物レンズ
100 刷版
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録ドラムの外周面に感光材料を固定し、当該記録ドラムを回転させると共に記録ヘッドを記録ドラムの回転軸と平行な副走査方向に移動してレーザ光を照射することにより当該感光材料上に二次元画像を記録する画像記録装置に関する。特に、感光材料として、熱反応によりガス等を発生させる感光材料に対して画像記録を行う画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスを生じさせる感光材料を用いた画像記録装置においては、当該ガスが記録ヘッドの対物レンズ等に付着して対物レンズの表面が曇り、感光材料に形成される画像の質が劣化する恐れがある。そのため、従来から、記録ヘッドから出射されるレーザ光と交差するような空気流をつくりだすことにより前記ガスを拡散させて、記録ヘッドの対物レンズにガスが付着することを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−56400号
【0004】
図4は、従来の画像記録装置における記録ドラム101および記録ヘッド108の概要を示す説明図である。感光材料である刷版100を先端クランプ102および後端クランプ103によって記録ドラム101の外周面に固定する。記録ヘッド108は刷版100に対してレーザ光を照射して画像記録を行う。記録ヘッド108はガス拡散吸引ユニット180を備えている。このガス拡散吸引ユニット180はエア噴出口182から清浄な空気を噴出し、またガス吸引口183から吸引することで、対物レンズ186の前面にエアカーテンを生成し、対物レンズ186にガスが付着することを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ガス発生量の多い感光材料の使用が増えている。このため、刷版100から生じるすべてのガスをガス吸引口183から吸引することは困難になりつつある。また、記録ドラム101および記録ヘッド108、その他の駆動手段等は通常、閉鎖性の筐体の中に格納される。このため、感光材料への画像記録を長時間連続して行うと前記筐体内部のガス濃度が上がり、図4中矢印aで示すようにガスが記録ヘッド108の内部に進入し、記録ヘッド108の内部に配された種々の光学部品などを汚染することが考えられる。しかし、上記特許文献1に記載された画像記録装置などの従来の画像記録装置においてはこの点についての配慮がない。
【0006】
したがって、本発明は、レーザ照射によりガスが生じる感光材料に対する画像記録を行う画像記録装置において、当該ガスによる記録ヘッド内部の汚染を最小限にすることが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および本発明の効果】
請求項1の発明に係る画像記録装置は、その周面に感光材料が固定される記録ドラムと、前記記録ドラムを回転させる回転手段と、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を前記記録ドラムの周面に固定された感光材料に対して照射する対物レンズと、少なくとも前記レーザ光源を格納する密閉性のケースとを有する記録ヘッドと、外部から加圧された気体を送り込むことにより前記ケースの内部を加圧する加圧手段と、前記レーザ光の照射によって発生するガスを、前記対物レンズ近傍において所定の気体を噴出することで拡散させる噴出手段と、前記噴出手段よりも前記所定のガスの噴出方向において下流側に位置し、前記噴出手段によって拡散したガスを吸引する吸引手段とを有する。
【0008】
請求項1の発明に係る画像記録装置によると、記録ヘッドのケースの内部は加圧手段によって加圧されているので、レーザ光の照射によって感光材料から生じるガスが当該ケースの内部に進入することがない。さらに、対物レンズ近傍のガスを噴出手段によって拡散させ、さらに回収手段によって回収しているので、対物レンズがガスにより汚染することがない。
【0009】
請求項2の発明に係る画像記録装置は、請求項1の発明に係る画像記録装置において、前記加圧手段は、給気手段と、当該給気手段に連通する一端と前記ケース内部に連通する他端とを有する給気管とを備え、前記噴出手段は、前記給気管から分岐された第2給気管から供給される気体を噴出することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明に係る画像記録装置は、記録ヘッドのケースの内部を加圧する加圧手段の給気手段から供給する所定の気体の一部が噴出手段に送られているので、装置の構成が簡易になる。
【0011】
請求項3記載の発明に係る画像記録装置は、請求項2の発明に係る画像記録装置において、前記給気管の前記他端は、前記記録ヘッドのケースに対して、前記記録ドラムの周面に対向しない位置において連通されることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明に係る画像記録装置によると、給気管の他端は、記録ヘッドのケースに対して、記録ドラムの周面に対向しない位置において連通されているので、ケースの内部において、記録ドラムの外周面に対向しない位置から対向する位置に向けて空気流を生じさせることが可能になる。これにより刷版から生じるガスのケース内部への進入がより起こりにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例における画像記録装置の斜視図である。画像記録装置は筐体10と、この筐体10の内部に配置されたベース部11と、ベース部11に形成された一対の軸受け12によって回転自在に支持された記録ドラム1と、記録ドラム1を回転させるモータ13と、ベース部11上で、記録ドラム1の回転軸方向に沿って移動可能に配置された記録ヘッド8と、記録ヘッド8に対して画像信号供給用ケーブル(不図示)、電力供給ケーブル(不図示)、給気管73(後述)および排気管77(後述)を案内するケーブルベア14、給気ポンプ70、排気ポンプ79を備えている。
【0014】
記録ドラム1の外周面には、感光材料としてのアルミニウム製の刷版100が先端クランプ2(図3参照)および後端クランプ3(図3参照)により固定される。
【0015】
記録ヘッド8は、その内部に図1には図示しないレーザ光源30を備えている。当該レーザ光源30は画像信号に応じて制御され、記録ドラム1の外周面に固定された刷版100に向けてレーザ光を照射する。
【0016】
そして、記録ドラム1の回転に同期して、記録ヘッド8を順次、副走査方向に移動させることで記録ドラム1上の刷版100に所望の二次元画像が形成される。
【0017】
給気ポンプ70は、望ましくは筐体10の外部の空気を加圧して給気管73に送り出す、圧縮機もしくは送風機等の部材である。給気ポンプ70と給気管73との間にはフィルタ71が介在しているので給気管73には不純物が除去された清浄な空気が供給される。給気管73の途中には第1流量調整弁72が配置されており、給気ポンプ70から供給される空気の流量が調整できるようになっている。
【0018】
給気管73は、記録ヘッド8の裏面(記録ヘッド8の記録ドラム1外周面に対向しない面)において記録ヘッド8に連結されている。給気管73は途中で分岐管74により第2給気管76と連結されている。第2給気管76は図1には図示されないガス拡散吸引ユニット80に対して空気を供給する管である。なお、記録ヘッド8内部に供給される空気量とガス拡散吸引ユニット80に供給される空気量とは第2給気管76の途中に配置された第2流量調整弁75によって調整される。
【0019】
後述するガス拡散吸引ユニット80によって回収される刷版100から発生したガスを含む気体は、排気管77とこれに連通する排気ポンプ79とによって回収される。排気される気体の流量は、排気管77の途中に取り付けられた第3流量調整弁78によって調整される。
【0020】
図2に記録ヘッド8の詳細な構成を示す。記録ヘッド8は、ケース20と、ケース20の内部に配置されたレーザ光源30と、ケース20の前面に取り付けられたガス拡散吸引ユニット80とを有する。
【0021】
ケース20は密閉性の容器であり、下部ケース20aと上部ケース20bとからなる。下部ケース20aと上部ケース20bとはレーザ光源30が画像記録装置の筐体10の内部の雰囲気から気密になるように組み合わされている。また、下部ケース20aの記録ドラム1と対向する面にはレーザ出射孔87(図2には図示せず)が形成されている。
【0022】
下部ケース20aの底面にはレーザ光源30が配置されている。レーザ光源30は、2個のレーザユニット31および32、レーザユニット31および32から出射された2本のレーザ光を合成する合成器33、合成されたレーザ光を画像信号に応じて選択的に反射させる変調器34、当該変調器34から反射されたレーザ光を、レーザ出射孔87と対物レンズ86とを介して刷版100上に合焦させる結像光学系35とを有する。
【0023】
図3は本発明における記録ヘッド8の内部および周辺の空気流を説明するための概略図である。図3に示すように、記録ドラム1の周面には刷版100が先端クランプ2および後端クランプ3によって固定されている。また、記録ヘッド8の前面にはガス拡散吸引ユニット80が取り付けられている。ガス拡散吸引ユニット80は、第2給気管76から供給される空気を刷版100のレーザ被照射位置に向けて噴出させて刷版100から発生するガスを拡散させるエアー噴出口82と、前記レーザ出射孔87に対応する位置に配置された対物レンズ86と、エアー噴出口82からの空気の噴出方向に関してエアー噴出口82よりも下流側に位置し、拡散されたガスを吸引するガス吸引口83と、ガス吸引口83に連通され、吸引回収されたガスを排気ポンプ79に向けて送る排気管77とを有している。なお、ガス吸引口83の面積は、エア噴出口82によって拡散したガスの回収効率を上げるために、エア噴出口82の面積よりも大きくしている。
【0024】
前述のように、刷版100は、レーザ光の照射によってガスを生じさせる。このガスは、記録ドラム1の矢印A方向の回転によって拡散し、記録ヘッド8の対物レンズ86や、筐体10内部のその他の部材を汚染する。特に、対物レンズ86がガスによって汚染されて曇ると、光効率が落ち、記録ヘッド8の描画性能に悪影響を与える。同様に、記録ヘッド8の内部にガスが進入してレーザ光源30のレンズ等が汚れても描画性能が劣化する。
【0025】
これを防ぐために、本画像記録装置では、記録ヘッド8の前面(記録ドラム1に対向する面)にガス拡散吸引ユニット80を配置するとともに、記録ヘッド8内部を筐体10内部の気圧よりも高圧にすることによって記録ヘッド8の内部にガスが進入しないようにしている。
【0026】
図3に示すように、記録ヘッド8のケース20内部には、給気管73により加圧された清浄な空気が供給され、記録ヘッド8の内部が加圧されている。このため、記録ヘッド8内部は外部に対して圧が高くなり記録ヘッド8の隙間等の開口部から気体が吹き出す状態となる。このため、記録ヘッド8の外部の埃や刷版100の熱反応により発生するガスの侵入を防止できる。この結果、記録ヘッド8内部のレンズ等が汚れることがなく、性能が維持できる。
【0027】
特に、この画像記録装置では、ガス拡散吸引ユニット80によって対物レンズ86の前面空間に空気流を生じさせている。すなわち、第2給気管76から空気を送り込むことによってエアー噴出口82から空気を吹き出させると共に、ガス吸引口83によって刷版100から発生するガスを吸引させている。これによって、対物レンズ86の前面空間に空気流が形成される。これによって、対物レンズ86にガスが付着しにくくなることは従来と同一であるが、空気流の発生により対物レンズ86の前面空間の気圧が記録ヘッド8の他の部位の表面よりも相対的に低くなるという副次的な現象も発生する。このため、仮に対物レンズ86の取り付け部位およびレーザ射出孔87に隙間があったとしても、この隙間からガスが記録ヘッド8内部に進入することはない。
【0028】
なぜなら、対物レンズ86の前面領域の気圧は記録ヘッド8の他の部分の表面よりも気圧が相対的に低いので、記録ヘッド8内部の加圧された空気は、前記対物レンズ86取り付け部位およびレーザ射出孔87の隙間から外部に噴出する傾向が強くなるからである。これによってガス濃度が最も高い対物レンズ86に対向する空間(対物レンズ86の前面の空間)から記録ヘッド8内部へのガスの進入がより生じにくくなる。
【0029】
さらに、図3に模式的に示すように記録ヘッド8内部には、記録ヘッド8の裏面(記録ドラム1に対向しない側)から記録ヘッド8の前面(記録ドラム1に対向する側)に向けての空気流が生じている。この空気流によって、前記したレーザ光源30の各要素(レーザユニット31および32、合成器33、変調器34、結像光学系35)を冷却することができる。本画像記録装置では図1に示すように記録ヘッド8に向けて送り込まれる空気は記録ドラム1から離れた位置から採取されたものである。したがって、記録ヘッド8による画像記録に伴って温度上昇していない空気を記録ヘッド8の内部に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における画像記録装置の斜視図である。
【図2】図1の画像記録装置に使用される記録ヘッド8の分解斜視図である。
【図3】図1の画像記録装置における記録ヘッド8の周辺および内部の空気流を説明する概念図である。
【図4】従来の画像記録装置における記録ヘッドの周辺および内部の空気流を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 記録ドラム
2 先端クランプ
3 後端クランプ
8 記録ヘッド
10 筐体
11 ベース部
12 軸受
13 モータ
14 ケーブルベア
20 ケース
20a 下部ケース
20b 上部ケース
30 レーザ光源
31 レーザユニット
32 レーザユニット
33 合成器
34 変調器
70 給気ポンプ
71 フィルタ
72 第1流量調整弁
73 給気管
74 分岐管
75 第2流量調整弁
76 第2給気管
77 排気管
78 第3流量調整弁
79 排気ポンプ
80 ガス拡散吸引ユニット
82 エアー噴出口
83 ガス吸引口
86 対物レンズ
100 刷版
Claims (3)
- その周面に感光材料が固定される記録ドラムと、
前記記録ドラムを回転させる回転手段と、
レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を前記記録ドラムの周面に固定された感光材料に対して照射する対物レンズと、少なくとも前記レーザ光源を格納する密閉性のケースとを有する記録ヘッドと、
外部から加圧された気体を送り込むことにより前記ケースの内部を加圧する加圧手段と、
前記レーザ光の照射によって発生するガスを、前記対物レンズ近傍において所定の気体を噴出することで拡散させる噴出手段と、
前記噴出手段よりも前記所定のガスの噴出方向において下流側に位置し、前記噴出手段によって拡散したガスを吸引する吸引手段とを有することを特徴とする画像記録装置。 - 前記加圧手段は、給気手段と、当該給気手段に連通する一端と前記ケース内部に連通する他端とを有する給気管とを備え、
前記噴出手段は、前記給気管から分岐された第2給気管から供給される気体を噴出することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。 - 前記給気管の前記他端は、前記記録ヘッドのケースに対して、前記記録ドラムの外周面に対向しない位置において連通されることを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086661A JP2004294740A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 画像記録装置 |
US10/793,842 US7230636B2 (en) | 2003-03-10 | 2004-03-08 | Image recording apparatus with jet and suction |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086661A JP2004294740A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 画像記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004294740A true JP2004294740A (ja) | 2004-10-21 |
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ID=33401226
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004294740A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008170746A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 画像記録装置 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003086661A patent/JP2004294740A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008170746A (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-24 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 画像記録装置 |
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