JP2004294408A - 超解像画像検証装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】判定行列管理手段6に正解画像と超解像処理結果画像の散乱点の対応関係の候補の散乱点相関行列とクラスタを生成させ、相関・検証管理手段8に散乱点相関行列をもとにクラスタ別の散乱点相関行列と相関評価値を算出させ、これらの算出結果をクラスタ管理手段11に記録・管理させ、検証結果インターフェイス手段12に検証結果を表示させて超解像処理結果画像の検証を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波画像に超解像手法を適用した結果を検証する超解像画像検証装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理では、一般に、処理結果の善し悪しの評価値を決定することや、正しく解像度が向上しているかを検証することが難しい。特に、実際に採取したフィールドデータを利用した場合には、処理結果と比較するための正解となる超解像処理の画像データを得ることが困難である。このため、シミュレーションを利用して、正解となる超解像画像とそれに対応した入力画像を予め作成しておき、この入力画像を使って超解像処理を実行し、その処理結果と正解の超解像画像を比較する方法が、有効な検証法の1つとなる。
【0003】
超解像処理では、観測データを元に、信号処理に基づいた推定法等を利用して、センサの能力を超える解像度を実現する。このため、超解像処理を実現する様々なアルゴリズムには、得手不得手とする状況がある。また、各手法の内部での実装方法やパラメータの設定値等により、処理結果の画像が影響を受けることもある。このため、超解像処理の検証を行う場合には、多くの条件で処理結果の検証をくり返して実施する必要がある。このため、画像を人間が比較するような方法は不適であり、効率良く検証できる装置が必要になる。
検証を行う装置を実現するには、まず、正解の画像と超解像処理結果の画像データを使って、両者の違いを適切に比較できる評価基準を定めることが重要である。評価基準を定めた後で、その基準に従って正解と処理結果の画像を比較し、問題となる箇所を効率良く提示して検証できる装置が求められる。
【0004】
電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の適用先の1つにSAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダ)画像がある。SARはマイクロ波等を使った画像レーダーであり、日中、夜間、雲霧等の天候を問わずに、地表等の観測が可能な特徴があり、リモートセンシングの分野で利用されている。比較的小さなアンテナを利用して、地表を高解像度で撮像可能なため、人工衛星や航空機へ搭載されて利用されている。
SARでは、センサが収集した観測データに信号処理等を施して、人間が理解可能な画像を生成する処理(SAR画像再生処理)が必要になる。このSAR再生画像の解像度は、センサの能力によって決定する。センサの能力以上にSAR再生画像の解像度を向上させる手段として、様々な超解像手法が提案されている。
【0005】
超解像を実現する手段の1つにMUSIC(Multiple SignalClassification)を利用したものがある。SARは画像レーダーであり、後方散乱(レーダの送信波に対する反射波)を観測して、画像にしている。MUSIC超解像処理は、電波の到来方向の観測精度を向上させるMUSICアルゴリズムを利用して、画素の中に埋もれている散乱点を分離することで、画像の解像度を向上させる。MUSIC超解像処理では、指定された処理範囲での移動平均を元に固有値解析などを行って、その範囲に含まれる散乱点の個数を推定し、推定した個数の散乱点があると仮定して、指定範囲の解像度を向上させる。
MUSIC超解像処理は、SAR再生画像から任意の範囲を切り出して実行可能である。ただし、同じ画像領域に超解像を行う場合でも、指定される処理範囲が変わると、移動平均や固有値解析の計算結果が変わり、推定される散乱点の個数や位置が変動し、処理結果の超解像画像が変わってしまう。例えば、同じ画像領域でも、画像領域を1つの固まりとして切り出して実行した場合と、2つに分割して切り出して実行した場合では、超解像画像が変わってしまう。前記の例では、処理結果は異なるが、両者とも画像の解像度は向上している。このため、適切な切り出し範囲を決定するためには、2つの(処理結果の)超解像画像の結果が正しいかを検証することが課題になる。
【0006】
ただし、前記のように、超解像処理では実際に衛星などで採取したSAR再生画像(フィールドデータ)を使って処理結果が正しいかを検証することが困難であり、シミュレーション等を利用して作成した模擬画像を使って、正解と処理結果の画像を比較する検証法が有効である。
この比較を行う画像データの種類としては、信号データ(複素数形式のデータ)をパワー化したもの(実部と虚部の値の2乗して平方根を取ったもの等)が考えられる。SAR画像の保存形式として利用される複素数形式のデータは、そのままでは画像データとして計算機上で人間が見にくいため、パワー化した画像データを階調に変換してから表示するケースが多い。このため、MUSIC超解像画像の評価方法として、パワー化した画像データで、シミュレーションによる正解画像と、超解像処理結果の画像を比較することが考えられる。
【0007】
適切な切り出し範囲を決定するには、様々な条件下で超解像処理の検証をくり返して実施する必要がある。例えば、MUSIC超解像処理を使って画像の片方の方向、例えば画像の行方向にレンジ方向を割り当て、行方向の解像度を向上させる場合を考える。
この時、各行毎に図47のように、縦軸をパワーの大きさ、横軸を画素とし、正解と処理結果をプロットすれば、両者の違いを比較することはできる。ただし、例えば画像が64行あれば、この比較作業を1枚画像に対して64回実施する必要がある。また、様々な条件で超解像処理の検証を行うには、この作業を検証条件別に作成した画像の数だけ実施する必要がある。これは、膨大な数になるため、画像を人間が比較するような方法は不適であり、効率良く検証できる装置が必要になる。
検証を行う装置を実現するには、まず、正解の画像と超解像処理結果の画像データを使って、両者の違いを適切に比較できる評価基準を定めることが重要である。
【0008】
このような装置の参考となる従来例として、シミュレーションを利用してSAR再生画像のパラメータや歪み補正の精度を評価する装置(例えば特許文献1参照)、また、SAR再生画像の分解能やコントラスト等を評価する装置(例えば特許文献2参照)がある。前者は、観測時のパラメータと単純化した地表モデルから、シミュレーションを利用して、画像再生時に利用するパラメータの影響を評価し、適切なパラメータを選択して画像再生処理を行う。また、SAR再生画像上のGCP(ground Control point)を利用して幾何的な歪み補正の精度を評価する。
後者は、SAR再生画像を見ながら、対象の画像の分解能、コントラスト、サイドローブ等に対する評価値を、対話式のインターフェイスを使って入力できる。ただし、これらの装置では、撮影済みのSAR再生画像に信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の評価を行うことはできない。
電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の評価で、シミュレーションによる正解画像と、処理結果の画像を比較して超解像画像の善し悪しを評価するような従来例はない。このため、正解画像と処理結果の画像を比較した評価値を利用して、処理結果の画像を検証する従来例もない。
【0009】
一方で、2つの画像データを比較(マッチング)することは、基本的な画像処理であり、画像処理ハンドブックなどにも基本的な方法が記載されている。ただし、電波画像の超解像処理の検証で利用するには、単純な画像の比較方法は適さない。例えば、MUSIC超解像処理では、電波の測角性能を向上する特徴を利用して、画素に埋まっている散乱点を分離して解像度を向上させる。このため、処理結果の検証では、画像全体の一致の程度よりも、散乱点を正しく算出できたか(散乱点に対応する頂点の位置と強さの一致の程度)が重要になるためである。
【0010】
【特許文献1】
特開昭58−179368号公報
【特許文献2】
特開昭60−195472号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
電波画像の超解像処理の評価で、単純な2つの画像データの比較手法で電波画像の検証を行う場合に課題となる例として、図48がある。図48のAは複数の近接した散乱点がパワーの大きな1点として現れたケース、Bは片側の散乱点を検出できなかったケースを示している。それぞれ、画像の1行分の処理結果の一例であり、横軸は画素、縦軸は各画素のパワーを示している。このような場合に、正解と処理結果の画素の間で、距離と画素のパワーを基準に比較するような手法では、両者は同じような現象だと判断される確率が高い。一方で、電波画像の超解像処理の検証では、散乱点がパワーの大きな1点として現れたケースでは、散乱点が分離できなくても、パワーの大きな合成散乱点を検出できたとして、散乱点を見つけられなかった状況と区別して考えたい(異なった評価値を与えたい)。一般的な2つの画像データを比較するような方法では、このように判断することは困難な課題がある。
【0012】
前記のように、単純な2つの画像データの比較手法での問題から、検証の基準となる画像との比較方法として、次のような方法を容易に考えることができる。正解の超解像画像と処理結果の超解像画像で、散乱点と識別できる点(画像上でピークとなる頂点)を算出し、両者の画像上の距離とピークの大きさを比較する。ここで、正解画像と処理結果画像の間で頂点の対応を取る従来の方法としては、位置(座標)が最も近い頂点を選択する。ただし、単純に位置(座標)が最も近い頂点を選択するだけでは、図49と図50のような状況で散乱点どうしを正しく対応させることができない課題がある。なお、図49と図50では、図48と同様に、画像の1行分の処理結果の一例であり、横軸は画素、縦軸は各画素のパワーを示している。
【0013】
図49では、正解画像の散乱点Aと散乱点B、処理結果の散乱点1と散乱点2の間で、散乱点どうしの対応関係を決定していく。ここでは、本来、散乱点Aと散乱点1、散乱点Bと散乱点2を対応させたい。ただし、処理結果画像の散乱点を基準に最も近い頂点を選択すると、散乱点1と散乱点2の両方が、散乱点Bとマッチングしてしまう。この結果、正解である散乱点Aに対応する散乱点が存在しないと判定してしまう。また、散乱点1と散乱点B、散乱点2と散乱点Bの間で頂点の一致の程度を算出した上で、散乱点1か散乱点2のいずれかをノイズと判定してしまう。一方、図50でも、本来、散乱点Aと散乱点1、散乱点Bと散乱点2を対応させたい。ただし、正解画像の散乱点を基準に最も近い頂点を選択した時に、散乱点1と散乱点Bがマッチングしてしまう。この結果、散乱点2と散乱点Aに対応する散乱点がなくなってしまい、正解である散乱点Aに対応する散乱点がなく、散乱点2をノイズと判定してしまう。また、散乱点1と散乱点Bの間で頂点の一致の程度を算出するため、間違った散乱点の一致精度を求めてしまう。
上記のような問題に対応するために、超解像処理の検証方法では、複数の散乱点どうしの複雑な対応関係を考慮しながら、対応関係を信頼度に基づいて判定できる機能を実現することが課題となる。
【0014】
この他、超解像処理の検証では、入力画像(処理前の画像)からの改善量(原画像からの散乱点を分離できたか否か)も検証できることが求められる。図35は、入力画像と処理結果画像の対応関係を示す一例である。ここでは、入力画像(SAR再生画像)では散乱点数が2個で、正解画像では散乱点数が4個の処理領域である領域に対して、処理範囲を変えた実行(実行パターン1〜実行パターン5)での処理結果(算出された散乱点の数)を示している。また、入力画像で散乱点数が4個で、正解画像では散乱点数が4個の処理領域である領域に対して、処理範囲を変えた実行(実行パターン6〜実行パターン10)での処理結果(算出された散乱点の数)を示している。
入力画像を考慮せずに、正解画像と処理結果画像の一致だけで比較すると、
実行パターン1と実行パターン6、実行パターン2と実行パターン7、
実行パターン3と実行パターン8、実行パターン4と実行パターン9、
実行パターン5と実行パターン10は、同じ処理結果として検証されることになる。
一方で、入力画像と比較すると、例えば実行パターン3と実行パターン8では、実行パターン3では入力画像よりも解像度が向上(1個多く散乱点を発見)しているが、実行パターン8では入力画像よりも解像度が低下している(散乱点が1個消えてしまっている)。
上記のようなケースでは、解像度向上のための処理として行う超解像処理の検証方法としては、単純に散乱点の一致度で評価値を決定するだけでなく、入力画像からの解像度の改善量も考慮して検証できる機能を実現することも課題になる。
【0015】
散乱点と識別できる点に絞って2つの画像を比較することで、2つの画像データを全ての画素単位で比較するような単純な画像処理よりも処理効率の良い評価方法を実現できる可能性が高い。ただし、一般にSAR画像はサイズが大きいため、超解像処理の評価法でも効率の良い実装が求められる。
前記のように、正解画像と処理結果画像の間で頂点の対応を取る単純の方法として、単純に位置(座標)が最も近い頂点の選択では、正しく対応できないケースがある課題を示した。
この対応関係を調べる方法として、全ての対応関係の組み合わせを取ることも考えられる。この場合、評価対象の画像内の散乱点数が多いと、組み合わせ爆発を起こし、膨大な計算時間がかかる課題がある。
このため、複雑な対応関係を判定できるだけでなく、組み合わせ爆発による実行時間の増加を抑えて判定できる機能として実現することも、超解像処理の検証方法に対する課題となる。
【0016】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の評価で、シミュレーションによる正解画像と処理結果の画像を、画像中の散乱点の情報を基準に比較して、超解像処理結果の検証を行える、(SAR)超解像画像検証装置を得ることを目的とする。
また、正解画像と処理結果の画像の間で、複雑な散乱点の対応関係を信頼度に基づいて判定でき、かつ、組み合わせ爆発による実行時間の増加を抑えた効率の良い判定処理を行える、(SAR)超解像画像検証装置を得ることを目的とする。
この発明では、複数の散乱点情報が合成された散乱点も考慮して散乱点の対応関係を判定でき、超解像処理結果を検証できる、(SAR)超解像画像検証装置を得ることも目的とする。
【0017】
この発明では、超解像処理結果を評価する時に、入力画像からの改善の度合いも考慮して、超解像処理結果を検証できる、(SAR)超解像画像検証装置を得ることも目的とする。
【0018】
この発明では、正解画像と対応しなかった処理結果画像の散乱点をノイズと判断し、このノイズの影響をも考慮して超解像処理結果を検証できる、(SAR)超解像画像検証装置を得ることを目的とする。
また、処理結果画像で分離できた散乱点に対応する正解画像の散乱点の間の距離や密集密度をも考慮して超解像処理結果を検証できる、(SAR)超解像画像検証装置を得ることも目的とする。
【0019】
なおここまでの説明では、MUSICによるSAR再生画像の超解像処理を例に説明してきた。ただし、レーダーでは後方散乱(レーダの送信波に対する反射波)を観測して情報を得るため、散乱点(後方散乱の原因となった地点)を正確に把握することは、レーダーの観測情報の品質を評価する上で、一般的に重要な指標である。このため、散乱点の算出精度を基準とした電波画像の検証方法は、MUSICによるSAR再生画像の超解像処理だけでなく、他のSAR再生画像の超解像手法の評価及び、SAR再生画像以外でも電波画像に超解像手法を適用した結果を検証するのに有効である。例えば、超解像手法を利用して、電波の到来方向の観測精度を向上すような例(電波センサによる測角精度の向上)でも、前記と同様の検証が有効と考えられる。本装置及び課題は、SAR画像への適用に限定されたものではない。電波画像へ超解像手法を適用した時の共通の課題であり、本装置をSAR画像以外でも利用可能である。
【0020】
なお、この発明での正解画像と超解像画像での散乱点の対応関係を決定していく手順は、例えば特開2000−230977号に示されるような、MHT(Multiple Hypothesis Tracking)やJPDA(Joint Probabilistic Data Association)といった多目標の追尾を行うアルゴリズムでの、航跡と観測点情報の対応関係を決定する手順と似ている(正解画像の散乱点を航跡、処理結果の散乱点を入力される観測点に対応させた手順となっている)。
両者の決定していく基本的な手順は似ているが、この手順を進める際に基準となる対応の度合いを示す評価値(信頼度)の決定方法や、情報を管理する単位であるクラスタの生成基準となる閾値の決定方法等が大きく異なる。また、適用対象が違うため、この発明と多目標の追尾処理装置では、目的や効果も全く異なるものである。
例えば、追尾では航跡情報から運動モデルなどを用いて次の観測点が出現する位置を予測し、その予測値に基づいて、航跡と観測点情報の対応する信頼度や、クラスタの生成基準となる閾値を決定する。一方で、この発明では、正解画像と超解像画像での散乱点(頂点)の位置と大きさ(パワー)の差に基づいて、評価値やクラスタの生成基準となる閾値を決定する。
また、正解に対応する超解像結果の散乱点がないケースと、航跡に対応する観測点が見つからないケースでは、評価値(信頼度)へ与える影響の度合いが異なる(散乱点がないケースの方が、評価値を下げる割合が大きい)。これは、超解像結果では散乱点が見つからないといった状況が、超解像処理の評価でインパクトの大きい現象なのに対して、多目標追尾では航跡に対応する観測点が見つからないことは、システム全体では致命的ではないためである(追尾処理では、あるサンプル程度航跡に対応する観測点が見つからなくても、以後のサンプルで良い観測点が見つかれば、機能的に問題がないため)。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑みこの発明は、電波画像の正解画像とその散乱点の情報及び前記正解画像に超解像処理を施した超解像処理結果の画像とその散乱点の情報結果を入力として超解像処理結果の評価・検証をする超解像画像検証装置であって、散乱点判定行列生成の基準となる正解画像と超解像処理結果画像の各散乱点の間での対応に関する評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件とを保持している判定基準保持手段と、前記正解画像及び前記超解像処理結果画像のそれぞれの散乱点の情報から前記判定基準保持手段の評価値の算出方法および散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件を参照して散乱点間の相関の評価値を算出し、その算出結果から散乱点判定行列とクラスタを生成する判定行列管理手段と、散乱点相関行列の生成ルールを保持している相関行列生成ルール保持手段と、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している検証項目保持手段と、前記判定行列管理手段が算出した散乱点判定行列と、前記正解画像と前記超解像処理結果画像の散乱点の情報とをクラスタ単位で記録・管理するクラスタ管理手段と、前記相関行列生成ルール保持手段の散乱点相関行列の生成ルールと、前記検証項目保持手段の散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目とを参照して前記クラスタ管理手段が保持している散乱点判定行列から散乱点相関行列を生成して評価値を算出し、この評価値を元に生成した散乱点相関行列を選択し、選択した散乱点相関行列を使って対象のクラスタの処理結果を検証し、また生成した散乱点相関行列とその検証結果を前記クラスタ管理手段でクラスタ単位で記録・管理させる相関・検証管理手段と、前記クラスタ管理手段の検証結果を参照して検証結果を表示するとともに外部から検証結果を調査するためのインターフェイスを提供する検証結果インターフェイス手段と、を備えたことを特徴とする超解像画像検証装置にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、第1発明に対する一実施の形態を図を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図1において、SAR超解像画像検証装置1は、検証装置制御手段2、正解画像管理手段3、超解像処理結果画像管理手段4、頂点情報生成手段5、判定行列管理手段6、判定基準保持手段7、相関・検証管理手段8、検証項目保持手段9、相関行列生成ルール保持手段10、クラスタ管理手段11、検証結果インターフェイス手段12を備える。
図2はこの実施の形態での検証装置制御手段2の、図3は判定行列管理手段6の、図4は相関・検証管理手段8の、図5は検証結果インターフェイス手段12のフローチャート図である。図6は仮散乱点判定行列について説明した図、図7は正解に対応する処理結果がない時の散乱点判定行列を説明した図、図8は散乱点判定行列の合成を説明した図、図9は散乱点相関行列生成ルールを説明した図、図10はクラスタ管理手段11で保持する情報の例を説明した図、図11は生成可能な散乱点相関行列の一覧の一例である。図12と図13は、本装置の効果を説明するため、課題で説明した検証例に本装置を適用した時の一例である。
【0023】
頂点情報生成手段5は、デフォルトの頂点情報生成手段であり、与えられた画像データから頂点の位置とパワー(ピークの大きさ)を算出できる。正解画像管理手段3は、正解画像(画像データ)とその散乱点の情報(頂点の位置とパワー)を保持している。正解画像とは、正解画像生成のシミュレーションにより得られた画像データあるいは予め定められたモデル画像の画像データである。外部入力として、正解画像とその散乱点の情報が与えられた場合には、入力された散乱点情報をそのまま、正解画像の散乱点情報として利用できる。また、画像データから、頂点情報生成手段5を使って散乱点の情報を生成することもできる。なお、本発明では以後、正解画像の散乱点を「基準点」とする。
超解像処理結果画像管理手段4は、超解像処理結果の画像(画像データ)とその散乱点の情報(頂点の位置とパワー)を保持している。外部入力として、超解像処理結果の画像とその散乱点の情報が与えられた場合には、入力された散乱点情報をそのまま、超解像結果の散乱点情報として利用できる。また、画像データから、頂点情報生成手段5を使って散乱点の情報を生成することもできる。
なお、本発明では以後、超解像処理結果画像の散乱点を「評価対象点」とする。
【0024】
クラスタ管理手段11は、各手段が算出した情報を管理・記録する。ここでは、判定行列管理手段6が算出した散乱点判定行列と、相関・検証管理手段8が算出した散乱点相関行列と検証結果とを、クラスタ単位で記録・管理する。また、基準点と評価対象点の情報(所属しているクラスタの情報)を記録・管理する。
この実施の形態でクラスタ管理手段11が管理・記録する情報の例を図10に示す。ここで、クラスタ管理手段11では、クラスタ単位の情報を管理するクラスタ情報テーブルと、基準点を管理する基準点表と、評価対象点を管理する評価対象点表がある。図10は検証装置制御手段2の各STEPでの実行が終了した時のクラスタ管理手段11が管理・記録している情報を示している(詳細は後述)。
【0025】
検証装置制御手段2の動作について、図2を使って説明する。検証装置制御手段2は、SAR超解像画像検証装置1内の各手段間でのデータ交換や、各手段への実行指示を行って、装置全体での検証動作を制御する手段である。
【0026】
まず、STEP01で、検証装置制御手段2は以下の初期化作業を行う。初期化作業では、正解画像管理手段3から基準点の情報と、超解像処理結果画像管理手段4から評価対象点の情報を入手する。ここで、検証装置制御手段2は、外部入力として画像データだけが与えられた場合(散乱点の情報がない場合)には、頂点情報生成手段5を使って散乱点の情報を生成してから、基準点と評価対象点の情報を送るように、正解画像管理手段3、超解像処理結果画像管理手段4へ指示する。
一方で、外部入力として画像とその散乱点の情報が与えられた場合には、入力された散乱点情報をそのまま使うか、頂点情報生成手段5を使って散乱点の情報を生成するかの指示を正解画像管理手段3、超解像処理結果画像管理手段4へ与える。両者の選択は、ユーザ入力やデフォルトの指定等に従って決定される。基準点と評価対象点の情報を入手後、検証装置制御手段2は、クラスタ管理手段11へ指示をして、全ての基準点と評価対象点を記録する。クラスタ管理手段11では、与えられた基準点と評価対象点の情報(各散乱点の位置座標とピークの大きさ)から、基準点表と評価対象点表を作成する。基準点表と評価対象点表での各散乱点のIDは、クラスタ管理手段11が付与する。位置座標とピークの大きさは、検証装置制御手段2から与えられた入力値をそのまま設定する。また、この時点では、全ての基準点と評価対象点はどのクラスタにも所属していないため、「無所属状態」(この例では、Cluster ID =0。図10参照)に設定する。
【0027】
次に、STEP02で、検証装置制御手段2は、判定行列管理手段6に散乱点判定行列とクラスタの生成を指示する。判定行列管理手段6は、図3のSTEP02−1からSTEP02−11の手順(詳細は後述)で散乱点判定行列とクラスタの生成を行うと、結果をクラスタ管理手段11へ記録する。ここで、散乱点判定行列は、各々の基準点と評価対象点が対応する確率を保持している。クラスタは、対応関係が存在する可能性がある基準点と評価対象点の組の集合であり、1個の散乱点判定行列を持つ。
【0028】
STEP02で判定行列管理手段6から処理完了の通知を受けると、検証装置制御手段2は、STEP03へ進み、相関・検証管理手段8へ散乱点相関行列の生成とクラスタ別の検証作業を指示する。
相関・検証管理手段8は、図4のSTEP03−1からSTEP03−4の手順(詳細は後述)で散乱点相関行列を生成し、生成した散乱点相関行列毎に評価値(以後、本発明では「相関行列評価値」とする)を順次算出し、評価値が最大となるものを「検証対象行列」として選択する。ここで、散乱点相関行列は、基準点と評価対象点の組み合わせの候補ごとに生成される。1個の散乱点判定行列に対して複数の散乱点相関行列を生成することが可能なケースが多く、この場合、相関行列評価値が最大のものが検証対象行列として選択される。「検証対象行列」を決定後、「検証対象行列」での基準点と評価対象点の対応関係を選択して、クラスタ別の検証作業を実行する。また、「検証対象行列」と検証結果等をクラスタ管理手段11へ記録する。
【0029】
STEP03で相関・検証管理手段8から処理完了の通知を受けると、検証装置制御手段2は、最後のSTEP04へ進む。
STEP04で、検証装置制御手段2は、検証結果インターフェイス手段12にクラスタ管理手段11を参照して検証結果を表示するように指示する(検証結果インターフェイス手段12の動作は後述)。
【0030】
判定基準保持手段7は、散乱点判定行列生成の基準となる、基準点と評価対象点の各散乱点間での評価値(以後、本発明では「散乱点間評価値」とする)の算出方法を保持している。また、クラスタ生成・更新の条件を保持している(以後、本発明では散乱点間評価値の算出方法とクラスタへの生成・更新条件をまとめて「判定行列生成規則」とする)。判定基準保持手段7では、デフォルトの判定行列生成規則(以後、本発明では「基本判定規則」とする)を保持している。この実施の形態では、基本判定規則を次のように定義する。
判定規則1
散乱点間評価値
=1/(a×(画像上の距離+1)n×b×(ピークの大きさの差+1)m)[式1]
ただし、a、b、n、mは、基本判定規則パラメータである。基本判定規則パラメータは、適当な値の数値であり、超解像の割合(SAR再生画像を何倍拡張するか)、SARのセンサの緒元、データ生成時のシミュレーションの条件などから任意に設定する。
基本判定規則パラメータは、適当な値の数値であり、超解像の割合(SAR再生画像を何倍拡張するか)や、SARのセンサの緒元、データ生成時のシミュレーションの条件などから任意に設定する。
この実施の形態では、簡易に説明するため、全ての値を1とした例で説明する。また、画像上の距離の差は比較対象の基準点と評価対象点の距離(の絶対値)、ピークの大きさの差は比較対象の基準点と評価対象点のピークの大きさの差(の絶対値)である。
判定規則2:
次の[式2]を満たす評価対象点をゲート内と判定する。
散乱点間評価値>ゲート内判定閾値 [式2]
ゲート内判定閾値は、適当な値の数値であり、超解像の割合(SAR再生画像を何倍拡張するか)や、SARのセンサの緒元、データ生成時のシミュレーションの条件などから任意に設定する。
判定規則3:
評価対象点がゲート内と判定された時には、散乱点判定行列及びクラスタの生成または更新を行う。
判定規則4:
ゲート内に散乱点間評価値がない基準点については、対応散乱点無しの評価値(この例では、評価値「0」)を設定した散乱点判定行列と、これに対応した新規のクラスタを生成する。
判定規則5:
クラスタは、散乱点判定行列と1対1に対応させる。
また、同じ評価対象点を持つクラスタは、情報を統合して1つのクラスタにする(クラスタ内の散乱点判定行列も同時に統合する)。
なお、散乱点判定行列統合時に、基準点に対応する評価対象点がないところには対応散乱点無しの評価値を設定する。
【0031】
判定行列管理手段6の動作について、図3を使って説明する。判定行列管理手段6は、検証装置制御手段2の指示を受けて、基準点と評価対象点から、判定基準保持手段7が保持している判定行列生成規則(この実施の形態では、基本判定規則)を参照して、散乱点間の相関の評価値を算出し、その算出結果から散乱点判定行列とクラスタの生成を行う手段である。
【0032】
判定行列管理手段6では、検証装置制御手段2の指示を受けて、まず、STEP02−1処理を開始する。ここで判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11を参照して、一番最初の基準点を1個選択する。図10の例では、基準点表から基準点Aが選択される。
【0033】
次にSTEP02−2で、一番最初の評価対象点を1個選択する。図10の例では、評価対象点表から評価対象点1が選択される。
STEP02−3で判定行列管理手段6は、選択された基準点と評価対象点の間で、まず、判定規則1の[式1]を使って散乱点間評価値を算出する。次に、判定規則2の[式2]を使って評価対象点がゲート内にあるか否かを判定する(ゲート内判定を行う)。ゲート内判定の結果、「ゲート内にある」場合はSTEP02−4へ、「ゲート内にない」場合はSTEP02−5へ進む。
図10の例では、基準点Aと評価対象点1に対して、[式1]を使って散乱点間評価値(評価値A1)を算出後、[式2]でゲート内判定を行う。ここでは、「ゲート内にある」と判定した例で(STEP02−4へ進む例で)以下の説明を進める。
【0034】
STEP02−4で判定行列管理手段6は、STEP02−3で算出した散乱点間評価値を仮散乱点判定行列に登録する。仮散乱点判定行列は、判定行列管理手段6が内部での中間処理情報を保持するために、一時的に散乱点の情報を記憶しておく場所である。仮散乱点判定行列では、列方向に基準点の項目、行方向に評価対象点の項目を設け、対応するフィールドに散乱点間評価値を記録する。
STEP02−2からSTEP02−5の繰り返し実行されるステップで、最初にSTEP02−4の処理を行う時には、既存の仮散乱点判定行列が存在しないため、判定行列管理手段6は、仮散乱点判定行列を生成する。2回目以後にSTEP02−4の処理を行う時には、生成済みの仮散乱点判定行列に情報を追加する。
現在まで説明に利用している図10の例では、最初のSTEP02−4での処理のため、既存の仮散乱点判定行列は存在しない。このため、判定行列管理手段6は、新たに仮散乱点判定行列を生成し、散乱点間評価値を登録する。ここでは、列方向に基準点Aの項目、行方向に評価対象点1の項目、対応するフィールドに評価値A1(基準点Aと評価対象点1での散乱点間評価値)となる仮散乱点判定行列ができる(図6の仮散乱点判定行列−1の状態となる)。
【0035】
STEP02−5で判定行列管理手段6は、STEP02−1で選択した基準点に対して、ゲート判定が済んでいない評価対象点の有無(残りの評価対象点はあるか)を調べる。ここで、ゲート判定が済んでいない評価対象点があれば再びSTEP02−2へ戻り、全ての評価対象点がゲート判定済みであれば、STEP02−6へ進む。現在まで説明に利用している図10の例では、評価対象点1しか判定しておらず、ゲート判定が済んでいない評価対象点が残っているので、STEP02−2へ戻る。
【0036】
ここで、2回目のSTEP02−2からの処理である、基準点Aと評価対象点2での散乱点間評価値(評価値A2)もゲート内判定閾値よりも大きい例で以下の説明をすすめる。この場合、STEP02−2からSTEP2−5までの動作は前述の評価対象点1と基本的に同じである。ただし、STEP02−4では、既に仮散乱点判定行列が存在するため、既存のものに情報を追加することになる。仮散乱点判定行列では、同じ基準点に対する評価結果を記録するため、列方向の項目は増えない。行方向の評価対象点の項目と、対応するフィールドが追加していく。この例では、行方向にの評価対象点2の項目が追加され、対応するフィールドに評価値A2が記録される(図6の仮散乱点判定行列−2の状態となる)。
【0037】
3回目のSTEP02−2からの処理では、基準点Aと評価対象点3での散乱点間評価値(評価値A3)が、ゲート内判定閾値よりも小さい例で以下の説明をすすめる。この場合、STEP02−3で散乱点間評価値を求めるまでは評価対象点1、評価対象点2と同じだが、STEP02−3のゲート内判定の結果を受けて、判定行列管理手段6は、STEP02−3からSTEP02−5へ進む。このため、仮散乱点判定行列の情報は更新されない(図6の仮散乱点判定行列−2の状態のままとなる)。
STEP02−5では、評価対象点1、評価対象点2と同じように、残りの評価対象点の有無(残りの評価対象点はあるか)を調べ、再びSTEP02−2へ戻ることになる。
【0038】
この後、評価対象点がなくなるまで、STEP02−2からSTEP02−5のステップを繰り返し実行する。その結果、基準点Aでゲート内と判定されたのは、評価対象点1と評価対象点2だけであった例で以下の説明を進める。
【0039】
STEP02−6で判定行列管理手段6は、仮散乱点判定行列の有無を調べる。仮散乱点判定行列があればSTEP02−7へ、なければSTEP2−10へ進む。この例では、仮散乱点判定行列があるのでSTEP2−7へ進む。
【0040】
STEP02−7で判定行列管理手段6は、仮散乱点判定行列と同じ評価対象点を含むクラスタ(の散乱点判定行列)の有無を調べる。ここで、同じ評価対象点を含むクラスタがなければSTEP02−8へ、同じ評価対象点を含むクラスタがあればSTEP02−9へ進む。この例では、最初のステップを進めているため既存のクラスタは存在しない。このため、STEP02−8へ進む。
【0041】
STEP02−8で判定行列管理手段6は、仮散乱点判定行列を散乱点判定行列とするクラスタを新規に生成し、クラスタ管理手段11に登録する。この時、クラスタ管理手段11では、登録されたクラスタに新規のID番号を付与し、散乱点判定行列とともにクラスタ情報テーブルに記録する。また、登録された散乱点判定行列を参照して、内部で保持している基準点表と評価対象点表のCluster ID フィールドの値を更新する。
判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11での登録作業完了後に仮散乱点判定行列の情報をクリアし(仮散乱点判定行列が存在しない初期状態へ戻る)、STEP2−11へ進む。この例では、判定行列管理手段6は、図6の仮散乱点判定行列−2を散乱点判定行列としてクラスタ管理手段11に登録する。
クラスタ管理手段11では、新規に登録されたクラスタにCluster ID が「1」を付与して、散乱点判定行列の情報をクラスタ情報テーブルに記録する。また、登録された散乱点判定行列を参照して、内部で保持している基準点表と評価対象点表のCluster ID フィールドの値を更新(Cluster ID に「1」を設定)する。
【0042】
STEP02−11では、残りの基準点の有無を調べる。ここで、判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11の基準点表を参照して、「無所属状態」(Cluster ID =0。STEP01参照)となっている基準点の有無をチェックする。ここで「無所属状態」の基準点があれば(残りの基準点の有)再びSTEP02−1へ戻り、「無所属状態」の基準点が無ければ(残りの基準点の無)STEP02の処理を完了して、検証装置制御手段2へ散乱点判定行列とクラスタの生成完了を通知する(STEP03へ進む)。
【0043】
この例では、残りの基準点があるので、再びSTEP02−1へ戻り、2番目の基準点として基準点Bが選ばれる。基準点Bでは、基準点Aと同様に2つの評価対象点(評価対象点2と評価対象点3)との間で、散乱点間評価値(評価値B2、評価値B3)がゲート内判定閾値を超えた例で説明する。
この場合、STEP02−1からSTEP02−6までは基準点Aと同様な動作のため、説明を省略し、STEP02−7から説明する。ここでは、STEP02−6までの処理の結果として、図8の仮散乱点判定行列が既に生成されている。
【0044】
基準点BでのSTEP02−7では、既にクラスタが登録されているため、判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11の評価対象点表を参照して、仮散乱点判定行列に含まれる評価対象点が、既存のクラスタに所属しているか否かをチックする。ここで、仮散乱点判定行列に含まれる評価対象点が、どの既存のクラスタにも所属していなけば、基準点Aでのケースと同様にSTEP02−8へ進み、新規クラスタ生成の処理を行う。一方で、既に所属しているクラスタがあれば、STEP02−9へ進む。基準点Bの例では、評価対象点2が既にCluster ID が「1」の既存クラスタに所属しているため、STEP02−9へ進む。
【0045】
STEP02−9で判定行列管理手段6は、クラスタの更新を行う。ここでは、評価対象点を共有する全てのクラスタを1つのクラスタへ統合する。クラスタの統合手順は次の通り。
【0046】
まず、統合対象の全てのクラスタの散乱点判定行列と、仮散乱点判定行列を統合する。統合対象の既存のクラスタの散乱点判定行列は、判定行列管理手段6が、クラスタ管理手段11から入手する。判定行列の統合を図8の例を使って説明する。
判定行列では、基準点の情報は互いに独立(同じ基準点がない)のため、列方向は単純に、各配列での列を全て統合後の配列の項目に設定する(図8の例で、基準点Aと基準点Bの項目は、単純に統合後の配列の項目に設定して良い)。
一方で、行方向は、共有される評価対象点が含まれるため、各配列での行の和を項目として設定する(重複する評価対象点の項目を重ねる。図8の例で、統合後の配列では評価対象点2の行を1つにまとめる)。
散乱点間評価値のフィールドも重複しない(列方向が重複しないため)ので、既存の散乱点間評価値をそのまま設定する(図8の例で、評価値A1、評価値A2、評価値B2、評価値B3は、統合後の配列でも、そのまま設定する)。ただし、行の項目が増えることにより、散乱点間評価値が未定のフィールドができる可能性がある。この場合、判定規則5に従って対応散乱点無しの評価値「0」を設定する(図8の例で、基準点Aと評価対象点3のフィールドと、基準点Bと評価対象点1のフィールドには、統合前の配列に対応する散乱点間評価値がないため、「0」を設定する)。
【0047】
次に、統合対象のクラスタのうち、一番小さいCluster ID を統合後のクラスタのID(説明のため、以下「統合ID」とする)として情報の更新を行う。ここで、判定行列管理手段6は、統合IDと統合後の散乱点判定行列をクラスタ管理手段11へ送り、情報の更新を指示する。
更新指示を受けたクラスタ管理手段11は、まず、クラスタ情報テーブルで、「統合ID」に対応する散乱点判定行列を、判定行列管理手段6に指定された統合後の散乱点判定行列へ更新(上書き)する。次に、統合後の散乱点判定行列を参照して、基準点表と評価対象点表を更新する。ここでは、統合後の散乱点判定行列に含まれる基準点と評価対象点のCluster ID フィールドを「統合ID」に設定する。なお、この時、「統合ID」に書き換えらたClusterID を「削除ID」として覚えておく。最後に、統合によりなくなるクラスタ(「削除ID」として覚えておいたクラスタ)を、クラスタ情報テーブルから削除する。
この例では、統合対象の既存クラスタが1個のため、自動的にClusterID 「1」が統合IDとして選択される。このため、図8の統合後の散乱点判定行列がCluster ID 「1」の散乱点判定行列として登録される。また、基準点表と評価対象点表では、基準点A、基準点B、評価対象点1、評価対象点2、評価対象点3のCluster ID が「1」に設定される。なお、この例では、統合によりなくなるクラスタの削除は発生しない。
【0048】
判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11でのクラスタ統合の処理が完了すると、仮散乱点判定行列の情報をクリアし(仮散乱点判定行列が存在しない初期状態へ戻る)、STEP2−11へ進む。
STEP02−11では、基準点Aの時と同じように残りの基準点の有無を調べる(調査法及び次のステップへ進む条件は、前回と同じ)。
【0049】
この例では、残りの基準点があるので、再びSTEP02−1へ戻り、3番目の基準点として基準点Cが選ばれる。基準点Cでは、全ての評価対象点との間で、散乱点間評価値がゲート内判定閾値よりも小さい例で説明する。
この場合も、STEP02−2からSTEP02−5の繰り返し実行するステップでの処理手順は基準点A、基準点Bと同じである。ただし、全ての評価対象点で散乱点間評価値がゲート内判定閾値よりも小さいため、STEP02−4へ一度も進むことがない。このため、STEP02−6へ進む時に、仮散乱点判定行列が存在しない。
【0050】
基準点CのSTEP02−6では、仮散乱点判定行列が存在しないため、STEP02−6からSTEP02−10へ進む。
【0051】
STEP02−10で判定行列管理手段6は、判定規則4に従って、評価値「0」を設定した散乱点判定行列を生成する。この散乱点判定行列では、列の項目は従来と同じで実行中の基準点(ここでは基準点C)だが、行の項目は対応する評価対象点がないため、消失評価対象点という特別の項目を設定する(図7の散乱点判定行列を生成する)。
この後、判定行列管理手段6は、クラスタ管理手段11へ評価値「0」だけを設定した散乱点判定行列に対応する新規のクラスタの生成を指示する。クラスタ管理手段11では、STEP02−9からの指示された時と同様の手順で新規クラスタの生成処理を実行する。ただし、評価対象点表は対応するデータがないため、更新されない。クラスタ管理手段11から新規クラスタの登録が完了した通知を受け取ると、判定行列管理手段6は、STEP2−11へ進む。
【0052】
ここまでの例で、判定行列管理手段6でのSTEP2−1からSTEP2−11で繰り返し実行する動作フローのパターンを1通り説明した。判定行列管理手段6では、STEP2−1からSTEP2−11を繰り返して、STEP2−11の判定で残りの基準点がなくなると、処理の完了を検証装置制御手段2へ通知して終了する(STEP03へ進むことになる)。
この時、クラスタ管理手段11は図10のSTEP02終了時の状態になる。基準点表では、全ての基準点に対応するCluster ID が設定される。評価対象点表には、Cluster ID が設定されない点が残っていても良い。また、クラスタ情報テーブルでは、評価値や検証対象行列といったフィールドは空のままである。
【0053】
相関行列生成ルール保持手段10は、デフォルトの散乱点相関行列生成ルール(基本相関行列生成ルール)を保持している。基本相関行列生成ルールは、次の通り。
ルール1:
各行では、散乱点判定行列から高々1個の評価値を選択し、他は評価値として「0」とする。
ルール2:
各列では、散乱点判定行列から高々1個の評価値を選択し、他は評価値として「0」とする。
ルール3:
同じ散乱点相関行列を重複して生成しないこと
【0054】
検証項目保持手段9は、散乱点相関行列を使って検証する項目として、次の情報を保持している手段である。この手段では、生成した散乱点相関行列に対するデフォルトの相関評価値算出法(基本相関行列評価値算出法)と、検証対象行列を決定後、その基準点と評価対象点の対応関係を選択して各クラスタで処理結果を検証する項目(基本検証項目)を、保持している。この実施の形態での基本相関行列評価値算出法は、次の通り。
算出法1:
散乱点相関行列に含まれる、評価値「0」以外の評価値を選択。
選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」とする。
算出法2:
「正解消失評価値」=(全ての要素が評価値「0」の列の数)×消失評価値[式3]
とする。
消失評価値とは、本来あるはずの散乱点情報が消えてしまった場合の評価値とし、十分な大きさの負の値の評価値であり、超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件などから任意に設定する。
算出法3:
相関行列評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」 [式4]
とする。
また、基本検証項目は次の通り。
検証項目1:
基準点数、評価対象点数、及び、基準点のうち対応する評価対象点があるものの個数(発見点数)。
発見点数は、超解像処理の結果、正しく抽出された散乱点(正解の散乱点に対応した処理結果の散乱点)の個数である。
ここで、基準点数は検証対象行列の列の要素の個数、評価対象点数は行の要素の個数である。また、発見点数は、検証対象行列で、「0」以外の評価値を有する(全ての要素が「0」でない)列の個数になる。
検証項目2:
基準点に対して評価対象点が見つからなかった個数(消失点数)。
消失点数は、超解像処理の結果、散乱点を抽出できなかった個数(正解の散乱点に対応した散乱点が処理結果でみつからなかった個数)である。
消失点数は、検証対象行列で、全ての要素が「0」の列の個数になる。
【0055】
相関・検証管理手段8の動作について、図4を使って説明する。相関・検証管理手段8は、検証装置制御手段2の指示を受けて、クラスタ管理手段11からクラスタを1個ずつ選択し、その散乱点判定行列を取出し、相関行列生成ルール保持手段10を参照して可能な範囲で散乱点相関行列を(複数)生成し、各散乱点相関行列に対して検証項目保持手段9の基本相関行列評価値算出法を参照して個々の相関行列評価値を算出し、この中で最も良い値の相関行列評価値を「検証対象行列」として選択し、検証項目保持手段9の基本検証項目を参照して「検証対象行列」を使って各クラスタの処理結果を検証を行い、「検証対象行列」と検証結果等をクラスタ管理手段11に記録する手段である。
【0056】
相関・検証管理手段8では、検証装置制御手段2の指示を受けると、STEP03−1へ進む。STEP03−1では、クラスタ管理手段11のクラスタ情報テーブルを参照して、クラスタを1個選択する。ここでは、評価値と検証対象行列のフィールドが空のクラスタを選択する。
【0057】
次に、STEP03−2で相関・検証管理手段8は、選択したクラスタの散乱点判定行列をクラスタ管理手段11から取出す。取出した散乱点判定行列を元に、相関行列生成ルール保持手段10を参照して可能な範囲で散乱点相関行列を生成し(STEP03−2−1)、生成した各散乱点相関行列に対して検証項目保持手段9を参照して相関行列評価値を算出する(STEP03−2−2)。
ここで、STEP03−2−1の一例として図8の統合後の散乱点判定行列に対して、相関行列生成ルール保持手段10での生成ルールを適用して算出した散乱点相関行列の一例を図9に示す。図9では、生成ルールのルール1に従って、評価対象点1の行と評価対象点3の行では1個の評価値(評価値A1と評価値B3)を選択し残りは評価値「0」、評価対象点2の行では全て評価値「0」としている。また、生成ルールのルール2に従って、基準点Aの列と基準点Bの列では1個の評価値(評価値A1と評価値B3)を選択し残りは評価値「0」としている。
STEP03−2−2の一例として、図9の散乱点相関行列に対して検証項目保持手段9を参照して相関行列評価値を算出する例を説明する。まず、算出法1を使って、評価値A1と評価値B3の積を散乱点評価値として算出する。次に、算出法2を使って、正解消失評価値を算出するが、ここでは全ての要素が評価値「0」の列がないため、正解消失評価値は「0」となる([式3]参照)。最後に、算出法3を使って、相関行列評価値を求める。この例では散乱点評価値がそのまま相関行列評価値となる([式4]参照)。
相関行列評価値を算出すると、相関・検証管理手段8は、STEP03−2−3へ進む。ここで、相関・検証管理手段8は、クラスタ管理手段11を参照して、対応するクラスタの評価値フィールドの値と算出した相関行列評価値を比較する。比較の結果、新規に算出した相関行列評価値の方が大きい場合と、評価値フィールドに値が設定されていない場合(最初に相関行列評価値を求めた時)には、相関・検証管理手段8は、対応するクラスタの評価値フィールドと検証対象行列のフィールドを、今回新規に算出した相関行列評価値とSTEP03−2−1で算出した散乱点相関行列に更新するようにクラスタ管理手段11へ指示する。逆に、既に設定されている評価値フィールドの値の方が大きい場合には、更新は行わない。
上記のSTEP03−2−1〜STEP03−2−3は、生成ルールのルール3に従って、重複しない範囲で散乱点相関行列が生成できるだけ繰り返す。例えば、図8の統合後の散乱点判定行列からは、図11に示す散乱点相関行列が生成可能であり、ここでは、全ての散乱点相関行列に対してSTEP03−2−1〜STEP03−2−3を繰り返して実行することになる。
【0058】
なお、STEP03−2で評価値「0」だけの散乱点判定行列が選択された場合、1行1列で評価値「0」の散乱点相関行列が1個しか生成できない。ここでは、算出法1から散乱点評価値は「0」、算出法2から全ての要素が評価値「0」の列の数が1で正解消失評価値=消失評価値、算出法3の[式3]から相関行列評価値=消失評価値となる。このため、対応するクラスタの評価値フィールドに消失評価値、検証対象行列のフィールドに1行1列で評価値「0」の散乱点相関行列をクラスタ管理手段11へ登録することになる。
【0059】
STEP03−2での、散乱点相関行列から評価値算出、検証対象行列の選択までの1連の処理を終了すると、相関・検証管理手段8は、STEP03−3へ進む。
STEP03−3では、選択した検証対象行列(最終的に、クラスタ管理手段11へ登録した散乱点相関行列)を使って、検証項目保持手段9の基本検証項目を参照して各クラスタの処理結果を検証する。ここでは、図11に示す散乱点相関行列を生成して評価値を算出した結果、図9と同じ散乱点相関行列3が、検証対象行列として選択された例で説明する。
まず、検証項目1の基準点数、評価対象点数、発見点数を調べる。行列の行と列の要素の個数から、基準点数は「2」、評価対象点数は「3」となる。また、発見点数は、全ての要素が「0」でない列が2つあるので「2」となる。次に、検証項目2の消失点数を調べる。ここでは、全ての要素が「0」の列が存在しないため、消失点数は「0」になる。最後(検証終了後)に、相関・検証管理手段8は、結果をクラスタ管理手段11へ登録する。
一方で、例えば、図11の散乱点相関行列1が検証対象行列として選択された場合、検証項目1での基準点数、評価対象点数は変わらないが、全ての要素が「0」でない列が1つのため、発見点数は「1」となる。また、検証項目2では、全ての要素が「0」の列が1個あるため、消失点数が「1」になる。このように、STEP03−3では、選択した検証対象行列と、基本検証項目を使って各クラスタの検証項目を調査し、結果をクラスタ管理手段11へ登録する。
【0060】
STEP03−2で選択した検証対象行列を使ったクラスタに対する検証作業が終了すると、相関・検証管理手段8は、STEP03−4へ進む。STEP03−4では、クラスタ評価値を算出していない未処理のクラスタの有無をチェックする(クラスタ管理手段11のクラスタ情報テーブルを参照して、評価値と検証対象行列のフィールドが空のクラスタが残っているか否かをチェックする)。
ここで、未処理のクラスタがあれば、再びSTEP03−1へ戻る。逆に、全てのクラスタでクラスタ評価値が算出済みであれば、検証装置制御手段2へ処理の完了を通知して、終了する(STEP04へ進む)。
この時、クラスタ管理手段11は図10のSTEP03終了時の状態になる(クラスタ情報テーブルの評価値と検証対象行列のフィールドなど、全て値が設定された状態)。
【0061】
検証結果インターフェイス手段12の動作について、図5を使って説明する。検証結果インターフェイス手段12は、検証装置制御手段2の指示を受けて、クラスタ管理手段11を参照して検証結果を表示できるとともに、検証結果を調査するためのインターフェイスを提供する手段である。
検証結果インターフェイス手段12では、検証装置制御手段2からの指示を受けると、まず、STEP04−1で、クラスタ管理手段11を参照して、各クラスタ別の検証結果を得る。ここで、検証結果インターフェイス手段12は検証装置制御手段2に依頼して(経由で)、クラスタ管理手段11の情報を参照する。
検証結果を得た検証結果インターフェイス手段12は、その検証結果を表示する。ここでは、例えば、クラスタ毎にリストで一覧表示する等、任意の表示方法で検証結果を表示できる。
【0062】
検証結果を表示後、検証結果インターフェイス手段12は、STEP04−2へ進む。STEP04−2では、検証結果を調査するためのユーザからの入力を待つ。すなわち、検証結果を調査するためのインターフェイスが利用可能状態となす。
STEP04−2で、ユーザからの検証操作が行われると、STEP04−3へ進む。
STEP04−3では、ユーザからの検証操作の内容を解析し、指示された操作を実行し、再び、STEP04−2へ戻る。
このSTEP04−2とSTEP04−3の処理を繰り返すことで、検証結果を調査するためのインタラクティブな検証操作を可能にする。ここでは、検証対象のクラスタの発見点数や消失点数などの検証情報の表示させる他、クラスタの位置や、基準点や散乱点の位置情報を表示させる等の、基本的な検証操作を実行可能である。
【0063】
正解と処理結果での散乱点の一致の程度を比較して超解像画像の検証を行うためには、正解と処理結果画像の間での散乱点の間の対応関係を正しく選択できていることが前提となる。
本装置では、この対応関係の候補を散乱点相関行列で列挙し、そこから最終的な対応関係を検証対象行列として選択する。このため、検証対象行列を正しく選択することが、正確な検証を行う前提となる。
【0064】
本装置での検証対象行列選択での効果を説明するため、まず、図12中の評価対象の画像へ適用した例で説明する。ここでは、基準点A、基準点B、評価対象点1、評価対象点2がある。散乱点間評価値は、基準点Aと評価対象点1が評価値A1、基準点Aと評価対象点2では評価値A2、基準点Bと評価対象点1が評価値B1、基準点Bと評価対象点2が評価値B2とする。この大きさは、評価値B2>評価値B1>評価値A1>評価値A2の順で、評価値A2はゲート内判定閾値よりも小さいとする。
【0065】
この条件では、STEP02で図12中の散乱点判定行列が生成される。これに基づいて、STEP03では、図12中の散乱点相関行列1から散乱点相関行列5に対する相関行列評価値を算出する。
算出される相関行列評価値は、
散乱点相関行列1では「2×正解消失評価値」、
散乱点相関行列2では「評価値B1+正解消失評価値」、
散乱点相関行列3では「評価値B2+正解消失評価値」、
散乱点相関行列4では「評価値A1+正解消失評価値」、
散乱点相関行列5では「評価値A1×評価値B1」となる。
ここで、正解消失評価値はある程度の大きさを持った負の値のため、相関行列評価値の大きさは、
散乱点相関行列5>散乱点相関行列3>散乱点相関行列2>散乱点相関行列4>散乱点相関行列1
の順になる。
このため、散乱点相関行列5が検証対象行列になる。
【0066】
散乱点相関行列5では、基準点Aと評価対象点1、基準点Bと評価対象点2が対応する関係であり、従来例で課題となっていた対応関係を、本装置では正しく判定できている。
図12の条件では、各評価対象点毎に独立して、散乱点間評価値を元に対応する基準点を決定すると、評価対象点1と評価対象点2で基準点Bを選択してしまうが、本装置では複数の散乱点の間での信頼度を考慮して、散乱点相関行列5の対応関係を選択できることがわかる。
【0067】
なお、基準点Aと評価対象点1、基準点Bと評価対象点2の位置が入れ代わったケース(散乱点間評価値は評価値B2>評価値A2>評価値A1>評価値B1の順)では、各基準点毎に独立して、散乱点間評価値を元に対応する基準点を決定すると、基準点Aと基準点Bで評価対象点2を選択してしまう。
一方で本装置では、散乱点判定行列で評価値B1に対応する評価値が「0」、「0」であった部分に評価値A2となる。また、散乱点相関行列2では、評価値B1に対応する評価値が「0」、基準点Aと評価対象点2の対応するフィールドが評価値A2となる。
ここで、散乱点相関行列2の相関行列評価値は「評価値A2+正解消失評価値」となるが、相関行列評価値の大きさは、
散乱点相関行列5>散乱点相関行列3>散乱点相関行列2>散乱点相関行列4>散乱点相関行列1
の順であり、正しい対応関係である散乱点相関行列5が検証対象行列になる。
【0068】
このように、本装置では、従来で課題となっていた図12のようなケースでも、検証対象行列を正しく選択することができる。
【0069】
次に、図13中の評価対象の画像へ適用した例で説明する。ここでも、基準点A、基準点B、評価対象点1、評価対象点2がある。散乱点間評価値は、基準点Aと評価対象点1が評価値A1、基準点Aと評価対象点2では評価値A2、基準点Bと評価対象点1が評価値B1、基準点Bと評価対象点2が評価値B2とする。
散乱点間評価値の大きさは、評価値B1>評価値B2>評価値A1>評価値A2の順で、評価値A2はゲート内判定閾値よりも小さいとする。
【0070】
この条件では、STEP02で図13中の散乱点判定行列が生成される。これに基づいて、STEP03では、図13中の散乱点相関行列1から散乱点相関行列5に対する相関行列評価値を算出する。
算出される相関行列評価値は、
散乱点相関行列1では「2×正解消失評価値」、
散乱点相関行列2では「評価値B1+正解消失評価値」、
散乱点相関行列3では「評価値B2+正解消失評価値」、
散乱点相関行列4では「評価値A1+正解消失評価値」、
散乱点相関行列5では「評価値A1×評価値B1」となる。
相関行列評価値の大きさは、
散乱点相関行列5>散乱点相関行列2>散乱点相関行列3>散乱点相関行列4>散乱点相関行列1
の順になる。
このため、散乱点相関行列5が検証対象行列になる。
【0071】
散乱点相関行列5では、基準点Aと評価対象点1、基準点Bと評価対象点2が対応する関係であり、従来例で課題となっていた対応関係を、本装置では正しく判定できている。
図13の条件では、散乱点間評価値(相互の対応を無視して散乱点だけで信頼度を決めた場合)では評価値B1(基準点Bと評価対象点1が対応)が一番大きな値となるが、上記のように、本装置では複数の散乱点の間での信頼度を考慮して、散乱点相関行列5を検証対象行列として選択できることがわかる。
【0072】
このように、本装置では、電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の検証で、正解画像と処理結果の画像を、画像中の散乱点の情報を基準に比較して超解像処理結果画像の検証ができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
本装置では、内部で行列の生成ルールや評価値の算出法、検証する項目等の情報に基づいて、正解と処理結果の画像データだけを使って、自動的に検証作業を行える。このため、多くの条件下での検証作業を、人間による画像の比較作業無しに、装置だけを用いて自動的に進めることができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
本装置では、検証を正しく行う前提である、正解と処理結果画像の間での散乱点の間の対応関係を信頼度に基づいて選択することができる。ここでは、複数の散乱点の間で、お互いの相関関係をも考慮した信頼度を与えることができる。また、この判定を行う範囲をクラスタと呼ぶ近接した散乱点の間に限定して実行することで、組み合わせ爆発による実行時間の増加を抑えて効率良く選択することができる。このため、正解画像と処理結果の画像の散乱点での複雑な対応関係に対して、お互いの対応関係をも考慮した適切な対応関係を選択することができ、かつ、選択にかかる実行時間の増加を抑えた効率の良いSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
本装置では、対応関係の選択にかかる時間が、装置内の処理で最も実行時間がかかる可能性が高い。このため、選択にかかる実行時間の増加を抑えることで、検証全体でかかる実行時間を抑えた効率の良いSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0073】
上記の実施の形態では、基本判定規則の[式1]の基本判定規則パラメータであるa、b、n、mを全ての値を1とした例で説明したが、これらは任意の値を設定することが可能であり、任意の値を設定した場合でも上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0074】
この実施の形態1の[式1]では、距離とピークの大きさの差の積に反比例する例で説明したが、距離とピークの大きさの差に基づいて、2つの散乱点の間で評価値を設定するものであれば、任意の式を[式1]として設定可能であり、同様の効果が得られる。
例えば、距離とピークの大きさの差でそれぞれ、反比例する値を求めてその和を評価値とするようにしても同様の効果が得られる。また、実施の形態1では、[式1]で単純にピークの大きさの差(絶対値)を基準としたが、正解画像よりも超解像画像のピークが大きい場合には、散乱点間評価値の減少率を小さくし、正解画像よりも超解像画像のピークが小さい場合には、散乱点間評価値が減少率を大きくするように、ピークの大きさの差に対して正方向と負の方向で重み付けを変更した判定規則を設定してもよく、同様の効果が得られる。
【0075】
上記の実施の形態での、判定規則4と判定規則5での対応散乱点無しの評価値に対する評価値「0」は、散乱点情報が消えたことがわかる値であれば、任意の値を設定可能で、その場合でも上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0076】
上記の実施の形態の、基本相関行列評価値算出法の算出法1では、選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」としているが、これを全ての評価値の総和とするなど、散乱点相関行列に含まれる評価値「0」以外の評価値を基準とした算出方法であれば、任意の算出式を設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0077】
上記の実施の形態では、超解像処理結果に対して汎用的に適用できる例で説明した。一方で、超解像処理にある程度制約がある条件下では、実施の形態1の装置を変形することで、処理を効率良く実行できる(高速化できる)。
なお、図14はこの変形例でのクラスタ管理手段11で保持する評価対象点表の一例である。
【0078】
SAR画像では、レンジ方向(センサが電波を照射する方向)とアジマス方向(センサを搭載したプラットホームの進行方向)を、それぞれ行または列に割り当てて画像を作成することが多い。レンジ方向とアジマス方向では、画像の生成手法(画像再生のアルゴリズムでの算出方法)が異なることもあり、両者の解像度に違いがあるケースもある。このため、SAR画像の超解像処理では、レンジまたはアジマスのうち、片方の方向だけ解像度を向上させることもある。
このように、片方の方向だけ解像度を向上させる時には、画像データの行または列だけが超解像される。このようなケースでは、実施の形態を変形することで、処理を効率良く実行できる。
【0079】
例えば、画像のレンジ方向(この例では、レンジ方向が行に割り当てられたとする)だけ、超解像処理を適用して解像度を向上させることを考える。
この場合、超解像処理の結果は、基本的に、各行単位で検証作業を行えば良い。このため、図2のフローチャートで、STEP01の一部及びSTEP02とSTEP03の処理を、各行単位に繰り返して実行するように変更する。ただし、クラスタ管理手段11では、各行での処理終了時に内部の情報を検証済の情報として、別途記憶させてから、次の検証対象の行のために、更新作業用の領域を初期化する作業が必要になる。
【0080】
STEP01では、クラスタ管理手段11では、検証対象の行毎に、情報の初期化を行う。ここでは、行毎の基準点と評価対象点を、それぞれ位置座標を基準に、昇順にソートして並べておく。また、この変形例でのクラスタ管理手段11では、図14のように評価対象点表に、ゲート判定開始位置と前クラスタ終了位置を設ける。STEP01では、各行毎の処理の初期化の時に、前クラスタ終了位置として「NULL」(対象の評価対象点無し)を示させる。
【0081】
図3のフローチャートでは、STEP02−1の基準点の選択、STEP02−11での残りの基準点の判定では、上記の変更によりクラスタ管理手段11に記録されている基準点が、評価中の行に含まれるものに限定される。これにより、判定対象の領域を汎用の実施の形態よりも小さくし、処理を高速化できる。
【0082】
この他、図3のフローチャートでは、ゲート判定開始位置と前クラスタ終了位置を利用して、処理の高速化を図る。なお、評価対象点の選択に関する部分以外は、上記の実施の形態1と同様である。このため、同様な部分の説明は省略する。
【0083】
まず、STEP02−1では、判定行列管理手段6はクラスタ管理手段11に指示して、ゲート判定開始位置として、評価対象点表の最初の評価対象点(最も座標の小さな評価対象点)を示させる。また、この変形例では、判定行列管理手段6の内部情報記憶用の「ゲート判定フラグ」を設ける。そしてSTEP02−1では、「ゲート判定フラグ」を「0」に設定する。
STEP02−2の評価対象点の選択では、クラスタ管理手段11に記録された評価対象点表を参照して評価対象点を1個ずつ選択する時に、ゲート判定開始位置から順番に、評価対象点を選択するように変更する。
STEP02−3のゲート判定では、
ゲート判定フラグが「0」で評価対象点がゲート内と判定された場合は、ゲート判定フラグを「1」にしてからSTEP02−4へ進む、
ゲート判定フラグが「1」で評価対象点がゲート内と判定された場合は、ゲート判定フラグを「1」のままにしてSTEP02−4へ進む、
ゲート判定フラグが「0」で評価対象点がゲート外と判定された場合は、クラスタ管理手段11内のゲート判定開始位置を次の評価対象点へ進めてSTEP02−5へ進む、
ゲート判定フラグが「1」で評価対象点がゲート外と判定された場合は、ゲート判定フラグを「2」にしてからSTEP02−5へ進むように変更する。
STEP02−5の残りの評価対象点の判定では、ゲート判定フラグが「0」または「1」であれば、クラスタ管理手段11に記録されている評価対象点で、STEP02−2で選択したものより大きなものがあるかを調査して判定を行い、STEP02−2またはSTEP02−6へ進む。ゲート判定フラグが「2」の場合には、自動的にSTEP02−6へ進むように変更する。
STEP02−6では、仮散乱点判定行列がない場合に、前クラスタ終了位置として「NULL」を示させるように変更する。
【0084】
STEP02−7では、クラスタの統合判定を、次のように変更する。
前クラスタ終了位置が「NULL」でなければ、「仮散乱点判定行列の一番座標データが小さな評価対象点」が「前クラスタ終了位置」より大きい場合には、自動的にSTEP02−8へ進むように変更する。逆に、「仮散乱点判定行列の一番座標データが小さな評価対象点」が「前クラスタ終了位置」以下の場合には、自動的にSTEP02−9へ進むように変更する。
なお、STEP02−7では、統合判定の後、次のステップ(STEP02−8またはSTEP02−9)へ進む前に、前クラスタ終了位置が「NULL」ならば、前クラスタ終了位置として、仮散乱点判定行列の一番座標データが大きな評価対象点を示させる。
【0085】
STEP02−9のクラスタの更新では、更新対象のクラスタは、一番最近に作成または統合したクラスタ1個に限定される。このため、一番最近に作成または統合したクラスタに、仮散乱点判定行列の情報を加えるようなクラスタの更新だけを行うように変更する。
【0086】
上記のように、図3のフローチャートを変更することで、STEP02−2の評価対象点の選択では、捜索する評価対象点の範囲を、評価中の行に含まれ、かつ、ゲート判定開始位置よりも大きいものに限定できる。
STEP02−5の残りの評価対象点の判定では、捜索する評価対象点の範囲を、評価中の行に含まれ、かつ、STEP02−2で選択したものより大きな座標データを持つ評価対象点に限定することができる。また、STEP02−3のゲート判定結果を利用して、無駄な判定処理を省くことができる(ゲート判定フラグが「2」となるケース)。
STEP02−7では、上記実施の形態1では、クラスタと仮散乱点判定行列での評価対象点の包含関係を全て調べる必要があったクラスタの統合判定を、「前クラスタ終了位置」と「仮散乱点判定行列の一番座標データが小さな評価対象点」の位置関係だけで、簡単かつ高速に判定できるようにした。
STEP02−9では、上記実施の形態1では複雑なクラスタの統合処理を実施する必要があったクラスタの更新を、一番最近に作成または統合したクラスタへ仮散乱点判定行列の情報を加えるようなクラスタの更新だけを行えば済むようにした。
【0087】
STEP03での操作は、散乱点判定行列を基準に行うので、実施の形態1とこの変形例で処理手順が変わる部分はない。ただし、クラスタ管理手段11では、STEP03での処理終了時に内部の情報を検証済の情報として、別途記憶させてから、次の検証対象の行の処理を行うために、STEP01へ戻る操作が必要になる。
STEP01へ戻った時には、次に選択した行のためのクラスタ管理手段11の初期化作業が必要になる。
なお、STEP04についても、実施の形態1とこの変形例で処理手順が変わる部分はない。ここでは、クラスタ管理手段11に記録されている情報が、STEP01からSTEP03を一気に実施して記録されたか、各行毎に実施した検証結果を積み重ねて記録されたかが違っているだけである。検証結果インターフェイス手段12は、最終的な検証結果を参照できればよく、中間段階での算出や記録の順序や方法には、依存しない。
【0088】
このように、片方の方向だけ解像度を向上させるケースに特化した変形例を用いることで、実施の形態1での処理を高速化できる効果がある。この他、この変形例では、行列を使った判定処理等を簡易な方法に変更できるため、装置の実装を容易にできる効果もある。また、片方の方向だけに限定することで、行列を利用した対応関係の把握処理だけで無く、頂点情報生成手段5での頂点の情報を抽出する方法等も、単純化して、高速化や実装を容易にできるといった効果もある。
この変形例は、解像度を向上させる方向を限定することで処理の高速化等を行うが、散乱点判定行列と散乱点相関行列を使って、正解画像と処理結果画像での間で散乱点の相関関係を信頼度に基づいて決定する基本的な部分については、同じ決定法を用いており、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記の変形例では、レンジ方向片方の拡張で説明したが、アジマス方向片方の拡張でも上記の変形例と同様の効果を奏する。なお、変形前の実施の形態は汎用的な装置であり、解像度を向上させる方向を限定したケースにおいても、検証を行うことが当然できる。
【0089】
上記の実施の形態では、SAR画像の超解像処理へ適用した例で説明したが、散乱点(頂点)の抽出が重要な指標であり、正解と処理結果を比較して評価を行う場合に、複数の散乱点(頂点)の間での相関(対応)関係を用いた評価が有効なものであれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
例えば、電波の到来方向の計測を超解像手法で向上させるケースでも、上記の実施の形態の装置を利用することができる。図15は本装置をSAR画像以外へ適用するための説明図である。
【0090】
図15で左側の画像は、SAR画像に超解像処理を適用した結果であり、横軸は画素、縦軸は各画素のパワーを示している。
一方で、右側の画像は、電波の到来方向の計測に超解像処理を適用した結果であり、横軸は角度θ、縦軸は各画素のパワーを示している。
右側の画像では、角度θを各画素データに対応させてやることで、容易に画像データに変換して取り扱うことができる。画像データに変換できれば、上記実施の形態と同様の方法で検証を行えることは自明である。
この画像データでも、画像中に頂点として現れる散乱点の分離精度が重要であり、正解と処理結果を比較して評価を行う場合には、散乱点(頂点)の間での相関(対応)関係を考慮した検証が有効である。
このように、上記実施の形態をSAR画像以外の超解像処理に適用して評価することが可能であり、複数の散乱点(頂点)の間での相関(対応)関係を用いた評価が有効なものであれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
上記の実施の形態では、STEP02において、STEP02−2で単純に評価対象点を順次選択してSTEP02−3からSTEP02−5で散乱点評価値の算出やゲート判定を行う例で説明したが、粗ゲートと呼ぶ簡単な判定処理を加えた変形例も考えられる。
【0092】
粗ゲートでは、全ての評価対象点に対して、簡易な判定計算を実行して、STEP02−3からSTEP02−5の処理を行う評価対象点を選別する。この簡易な判定計算は、STEP02−3での散乱点評価値の算出からのゲート判定の計算よりも小さな計算負荷で実行可能なものである。例えば、対応関係を調査する基準点の座標から、行と列の座標が5画素以内といった判定計算が指定される。
この場合、STEP02−2では、粗ゲートに入る評価対象点を順次選択して、STEP02−3からSTEP02−5の処理ステップへ進むように変更する。また、粗ゲートに入る評価対象点が1個もない場合には、STEP02−10へ進むように変更する。
また、STEP02−5でも、残りの評価対象点を調べる時に、散乱点評価値の算出が済んでおらず、かつ、粗ゲートに入る評価対象点の有無を調べ、その有無によりSTEP02−2またはSTEP02−6へ進むように変更する。なお、粗ゲートを使った判定を行う場合には、基本判定規則を変更して、粗ゲートの定義情報等を追加する。
【0093】
粗ゲートでは、明らかにゲート内判定閾値を越えない評価対象点に対する計算を、簡易な計算で事前に省略する方法である。このため、粗ゲートを利用しても最終的な評価結果には影響を与えないことが保証されており、上記実施の形態と同様の効果を奏する。さらに、画像サイズが大きい場合などで、評価対象点の個数が多いケースでは、適切な粗ゲートを設定することで、SAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
なお、上記の変形例では、粗ゲートとして、対応関係を調査する基準点の座標から、行と列の座標が5画素以内といった判定計算が指定する例で説明したが、これ以外の任意の粗ゲートを設定することが可能であり、上記変形例と同様の効果を奏することができる。
【0094】
実施の形態2.
以下、第2発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図16はこの発明の実施の形態2によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図16では、実施の形態1の構成に画像情報連係手段13を加えた構成である。
この図で、画像情報連係手段13は外部からの検証結果インターフェイス手段12を介しての指示で、正解画像管理手段3が保持している正解画像や超解像処理結果画像管理手段4が保持している超解像処理結果画像等の各種画像情報に対して、クラスタ管理手段11の位置情報に対応する画像上の位置を算出する手段である。図17は、この実施の形態を使った装置の実現イメージの一例である。
【0095】
この実施の形態では、図2のSTEP03終了までの処理で超解像処理に対する検証結果を得るまでの手順は実施の形態1と同じため、処理ステップの詳細な説明は省略する。
この実施の形態では、検証結果インターフェイス手段12がSTEP04−1で検証結果を表示する時、または、STEP04−2とSTEP04−3で検証結果に対する評価を行う時に、検証結果を超解像処理結果の画像または正解画像と連係させて表示することができる。
【0096】
この連係表示の例を図17に示す。図17の「検証結果と画像データの連係表示1」では、検証結果の一覧画面をクリックすると、正解画像または超解像処理結果画像の対応する位置が強調表示される。この時、実施の形態2の装置は次のように動作する。
【0097】
まず、他の操作と同様にSTEP04−2で検証結果インターフェイス手段12が、検証結果の一覧画面のクリックにより、検証結果の画像の対応する位置への表示操作の入力を受け付ける。この操作では、表示対象の検証結果と表示対象の画像の種別が指定される。
本装置の検証結果は、クラスタ単位で表示される。このため、表示対象の検証結果としては、任意のクラスタが指定されることになる。また、この例では、表示対象の画像として、超解像処理結果画像が指定された例で説明する。
【0098】
STEP04−3で検証結果インターフェイス手段12は、指定されたクラスタと、表示対象の画像(ここでは、超解像処理結果画像)から、超解像処理
結果画像の対応する位置への表示操作を実行する。
検証結果インターフェイス手段12は、まず、指定されたクラスタと表示対象の画像を画像情報連係手段13に送って表示対象の画像上でクラスタに対応する位置の算出を指示する。
【0099】
画像情報連係手段13は、検証結果インターフェイス手段12から受け取ったクラスタ情報から、クラスタ管理手段11の基準点表と評価対象点表を参照して、指定されたクラスタに対応する基準点と評価対象点の位置座標を入手する。
次に、画像情報連係手段13は、指定されたクラスタに対応する位置座標を使って、検証結果インターフェイス手段12が指定した表示対象の画像データに対する位置を算出する。ここでは、表示対象の画像が超解像処理結果画像なので、超解像処理結果画像管理手段4より超解像処理結果画像の情報を入手して、先ほど入手した指定されたクラスタに対応する位置座標を使って、超解像処理結果画像に対する位置を算出する。
最後に、画像情報連係手段13は、算出結果を検証結果インターフェイス手段12へ送る。
【0100】
画像情報連係手段13から解像処理結果画像の対応する位置の算出結果を受け取った検証結果インターフェイス手段12は、超解像処理結果画像上の算出結果の位置へ強調表示を行う。
ここで、超解像処理結果画像が事前に画面に表示されていなければ、検証結果インターフェイス手段12は、検証装置制御手段2経由で超解像処理結果画像管理手段4から超解像処理結果画像のデータを読み出して、画面に表示する。
【0101】
図17の「検証結果と画像データの連係表示2」の例での実施の形態2の装置の動作を説明する。まず、STEP04−2で検証結果インターフェイス手段12が、正解画像または超解像処理結果画像のクリックによる検証結果の表示操作を受け付ける。この例では、正解画像が指定された例で説明する。
ここで、検証結果インターフェイス手段12は、検証結果の表示操作の要求を、正解画像でクリックされた位置(座標)とともに入力として受け付ける。
【0102】
STEP04−3で検証結果インターフェイス手段12は、指定された画像上の位置に対する検証結果の表示操作を実行する。検証結果インターフェイス手段12は、まず、指定された画像上の位置(ここでは正解画像とその座標)を画像情報連係手段13に送って対するクラスタの算出を指示する。
【0103】
画像情報連係手段13は、検証結果インターフェイス手段12から画像上の位置を受け取ると、正解画像管理手段3が保持している正解画像の情報と、クラスタ管理手段11の基準点表と評価対象点表での位置座標参照して、対応するクラスタを算出する。この算出結果を検証結果インターフェイス手段12へ送る。
【0104】
画像情報連係手段13から算出結果として対応するクラスタを受け取った検証結果インターフェイス手段12は、検証装置制御手段2経由でクラスタ管理手段11から表示対象のクラスタに対する検証結果情報を得て、目的の検証結果情報を表示する。
【0105】
図17の「検証結果を画像上に表示」の例での実施の形態2の装置の動作を説明する。まず、STEP04−2で検証結果インターフェイス手段12が、正解画像または超解像処理結果画像上へ検証結果の一覧を表示する操作を受け付ける。
【0106】
次に、STEP04−3で検証結果インターフェイス手段12は、検証装置制御手段2経由でクラスタ管理手段11から順番にクラスタを取出し、各クラスタの情報を定められた凡例に従って検証結果別に画像上に表示する。
ここで、各クラスタで、クラスタの情報を表示する位置を特定し、画像上に表示を行う手順は、前記、「検証結果と画像データの連係表示1」での強調表示と同じである。
ここでは、ユーザがマウスのクリックで指定していたクラスタが検証結果インターフェイス手段12が順次選択したクラスタになり、強調表示が検証結果別の表示に切り変わることだけが異なる。
【0107】
このように、本装置では、画像データと連係して検証結果を提示できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。本装置を利用することで、超解像処理の検証結果を画像上に表示する、検証結果に対する画像上の位置を表示する、画像上の位置に対する検証結果を表示するといった操作を容易に実現できる。これは、超解像処理の検証結果を解析する作業での、解析者の手間を削減し、検証結果の解析作業を効率良く行える効果がある。また、画像と検証結果を容易に対応させることで、検証結果に対する直感的な理解を高める効果がある。
【0108】
上記の実施の形態では、「検証結果と画像データの連係表示1」で表示対象の画像データを超解像処理結果画像、「検証結果と画像データの連係表示2」では正解画像でのマウスのクリックをトリガーとする例で説明したが、ここでは、超解像処理結果画像と正解画像から任意の片方を選択可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
上記の実施の形態では、「検証結果と画像データの連係表示1」で検証結果の画像をクリックして表示対象の検証結果を選択する例で説明したが、ここでは強調表示対象のクラスタを指定できるものであれば、任意の手段を選択して実現が可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
上記の実施の形態では、「検証結果と画像データの連係表示2」で画像上の位置をマウスでクリックする例で説明したが、これは画像上の位置を特定できる任意の手段に変えることもでき、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
上記の実施の形態では、図17での強調表示等の例で、簡単な長方形の枠で囲む例で示したが、強調表示がわかる任意の表示方法に変えることもでき、上記実施の形態と同様の効果を奏する。例えば、「検証結果を画像上に表示」では、検証結果の種類別に色を変えて表示することも有効である。
【0109】
上記の実施の形態では、検証結果のクラスタを1個指定して強調する表示する例で説明したが、ある条件を満たすクラスタを選択する手段と組み合わせて、条件を満たすクラスタを複数個強調して表示するなど、任意の個数のクラスタを対象に、画像データと連係して検証結果を表示することも可能である。
本装置では、検証結果とその表示方法、及び、各表示に対応するクラスタを指定すれば、任意の表示を行うことが可能である。
【0110】
実施の形態3.
以下、第3発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図18はこの発明の実施の形態3によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図18では、実施の形態1の判定基準保持手段7に代えて理論正解対応判定基準保持手段15を、検証項目保持手段9に代えて理論正解対応検証項目保持手段16を備え、さらに、実施の形態1の構成に加えて理論正解頂点情報管理手段14を備えた構成である。
ここで、理論正解頂点情報管理手段14は、正解画像生成時のシミュレーションでの設定条件等からの理論上の正解の散乱点(以下、理論基準点とする)の情報を保持している手段である。
理論正解対応判定基準保持手段15は、正解画像の散乱点と理論上の正解の散乱点の両方を使って、超解像処理結果画像の各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件とを保持している手段である。
理論正解対応検証項目保持手段16は、正解画像の散乱点と理論上の正解の散乱点の両方を使って、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
【0111】
この実施の形態では、正解画像管理手段3が保持している基準点の情報と、理論正解頂点情報管理手段14が保持している理論基準点の情報を両方使って、正解と処理結果の散乱点の対応関係を評価する。
このため、判定行列管理手段6は、理論正解対応判定基準保持手段15を使って散乱点間評価値の算出やゲート判定など、STEP02での各ステップを実行する。また、相関・検証管理手段8は理論正解対応検証項目保持手段16を使って、STEP03で各散乱点相関相関行列に対する評価値を算出する。
この実施の形態では、散乱点間評価値等を算出する時に基準となる、散乱点間の距離情報として、評価対象点と基準点、評価対象点と理論基準点の2つの値を算出できる。このため、この実施の形態の理論正解対応判定基準保持手段15と理論正解対応検証項目保持手段16では、こうした値を取れるケースに対応した、基本判定規則と基本相関行列評価値算出法での計算方法を保持している。
【0112】
上記のように、この実施の形態では、基本判定規則と基本相関行列評価値算出法が変更される以外、内部での処理ステップなどは実施の形態1と同様である。このため、処理ステップの詳細な説明は省略する。
【0113】
このように、本装置では、電波画像へ信号処理を施して解像度を向上させる超解像処理の検証で、正解画像データに基づく散乱点の情報と、正解画像データ生成時のシミュレーションでの設定条件等から理論上の正解の散乱点の情報を両方使って、処理結果の画像の散乱点の情報を比較して検証でき、超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0114】
上記の実施の形態では、理論基準点と基準点の情報を両方利用する例で説明したが、理論正解対応判定基準保持手段15と理論正解対応検証項目保持手段16での設定を、理論基準点だけを使った方法に変えて実現することも可能である。この場合、本装置により、正解画像データ生成時のシミュレーションでの設定条件等から理論上の正解の散乱点の情報だけを使って、処理結果の画像の散乱点の情報を比較して検証でき、超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0115】
上記の実施の形態では、実施の形態1を基準に機能拡張する例で説明したが、実施の形態2を基準に機能拡張する構成でも実現可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏する。また、この場合、実施の形態2での画像データとの連携インターフェイスも利用できる。
【0116】
実施の形態4.
以下、第4発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図19はこの発明の実施の形態4によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図19は、実施の形態1の検証項目保持手段9の代わりにノイズ対応検証項目保持手段17を加えた構成である。
ノイズ対応検証項目保持手段17は、対応する正解画像の散乱点がないと判定した処理結果画像の散乱点をノイズと見なし、このノイズをも考慮した散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。図20はこの実施の形態でクラスタ管理手段11に記録されるクラスタ情報テーブルの一例である。
【0117】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、相関行列評価値の算出と、クラスタの結果を検証する部分についてのみ説明し、他の部分は省略する。
この実施の形態では、検証項目保持手段9がノイズ対応検証項目保持手段17に変わる。ノイズ対応検証項目保持手段17では、相関行列評価値算出法と検証項目が変わる。
【0118】
まず、実施の形態1の基本相関行列評価値算出法が、ノイズ対応検証項目保持手段17が保持しているノイズ(対応する基準点がないと判定された評価対象点)の影響をも考慮した相関行列評価値算出法(ノイズ対応相関行列評価値算出法)に変わる。
ノイズ対応相関行列評価値算出法は、次の通り(ノイズ算出法1とノイズ算出法2は、基本相関行列評価値算出法の算出法1、算出法2と同じ)。
ノイズ算出法1:
散乱点相関行列に含まれる、評価値「0」以外の評価値を選択。
選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」とする。
ノイズ算出法2:
「正解消失評価値」=(全ての要素が評価値「0」の列の数)×消失評価値[式3]
とする。
消失評価値とは、本来あるはずの散乱点情報が消えてしまった場合の評価値とし、十分な大きさの負の値の評価値であり、超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件などから任意に設定する。
ノイズ算出法3:
「ノイズ評価値」=(全ての要素が評価値「0」の行の数)×ノイズ評価係数[式5]
とする。
ノイズ評価係数とはノイズと判定された散乱点に対する評価係数である。ノイズ評価値係数は負の値であり、かつ、絶対値が消失評価値よりも小さな値になるように設定する。超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、なども考慮して決定する。
ノイズ算出法4:
相関行列評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」+「ノイズ評価値」[式6]
とする。
【0119】
次に、基本検証項目も、ノイズの影響を考慮した検証項目3を追加した「ノイズ検証項目」に変わる。この検証項目3は次の通り(検証項目1と検証項目2は有効のまま)
検証項目3:
クラスタ内で対応する基準点がない評価対象点の個数(ノイズ数)。
ノイズ数は、超解像処理の結果、本来散乱点がない位置に、散乱点を抽出した個数(正解にない散乱点を処理の結果生成してしまった個数)である。
ノイズ数は、検証対象行列で、全ての要素が「0」の行の個数になる。
【0120】
まず、散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)から説明する。実施の形態4のSTEP03−2−2では、相関・検証管理手段8は、ノイズ対応検証項目保持手段17のノイズ対応相関行列評価値算出法に従って、相関行列評価値を算出する。
【0121】
この算出を、図8の散乱点相関行列に対して相関行列評価値を算出する例で説明する。まず、ノイズ算出法1を使って、評価値A1と評価値B3の積を散乱点評価値として算出する。次に、ノイズ算出法2を使って、正解消失評価値を算出するが、ここでは全ての要素が評価値「0」の列がないため、正解消失評価値は「0」となる([式3]参照)。ここまでは、実施の形態1と同じである(ノイズ算出法1、ノイズ算出法2が算出法1、算出法2と同じのため)。
この後、ノイズ算出法3([式5])を使って、ノイズ評価値を求める。ここでは、全ての要素が評価値「0」の行の数が「1」のため(評価対象点2の行)、ノイズ評価値はノイズ評価係数の値になる。
最後に、ノイズ算出法4([式6])を使って、相関行列評価値を求める。ここでは、ノイズ評価値の量だけ、相関行列評価値が実施の形態1よりも小さな値になる。
【0122】
実施の形態4で検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)について説明する。この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態1に比べて検証項目3が増えている。このため、実施の形態1の検証項目1と証項目2に加えて、各クラスタでノイズ数についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。
例えば、実施の形態1と同様に、図9の散乱点相関行列が、検証対象行列として選択されたとする。ここでは、実施の形態1と同様に、検証項目1と証項目2の検証を行った後、検証項目3のノイズ数についても検証を行う。
図9の散乱点相関行列には、全ての要素が「0」の行が1個(評価対象点2の行)あるため、ノイズ数「1」となる。この検証項目3の結果を検証項目1と証項目2の結果と一緒にクラスタ管理手段11に記録する。
図20はこの実施の形態でSTEP03終了時のクラスタ情報テーブルの例である。ここでは、実施の形態1に比べてノイズ数のフィールドが増えている。
【0123】
このように、本装置では、対応する正解画像の散乱点がないと判定した処理結果画像の散乱点をノイズと見なし、このノイズの影響をも考慮して正解と処理結果の画像の対応関係を選択できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。このため、クラスタ内でノイズと判定した散乱点があるケースの影響をも考慮して、超解像処理結果の検証ができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0124】
上記の実施の形態では、ノイズ算出法3で全ての要素が評価値「0」の行の数を基準にノイズ評価値を決定する例で説明したが、全ての要素が評価値「0」の行に対する評価対象点の情報を使った任意のノイズ評価値の決定法を設定可能であり、この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、全ての要素が評価値「0」となった行毎に、散乱点のピークの大きさを反映させた値を算出することも有効である。ここでは単純にピークの大きさを利用する他、ピークが最小となる基準点との差を利用することも有効である。
【0125】
上記の実施の形態では、実施の形態1を基本にノイズ対応検証項目保持手段17を加えた構成で説明したが、実施の形態2または実施の形態3へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0126】
実施の形態5.
以下、第5発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図21はこの発明の実施の形態5によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図21では、実施の形態4の構成に、クラスタ外ノイズ検証手段18を加えた構成である。図22は、この実施の形態でクラスタ管理手段11に記録される評価対象点表の一例である。図23は、この実施の形態での検証装置制御手段2のフローチャートである。
【0127】
実施の形態4では、ノイズ対応検証項目保持手段17を利用することで、クラスタに所属する評価対象点で、対応する基準点がないものをノイズと判定して、その影響を画像の検証へ反映させた。しかし、クラスタは基準点をベースに生成していくため、基準点から離れ、クラスタに所属しない評価対象点については、その影響が無視されてしまっていた。
クラスタ外ノイズ検証手段18は、このようなクラスタに所属しない評価対象点をノイズと見なし、これらのノイズに対しても検証を行う手段である。なお、この実施の形態では、STEP01からSTEP03までの処理は、実施の形態4と同様である。このため、STEP05の処理についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0128】
この実施の形態で検証装置制御手段2は、STEP03までの処理でクラスタ毎の検証を完了した後、STEP05へ進む。STEP05で検証装置制御手段2は、クラスタ外ノイズ検証手段18へクラスタ外ノイズに対する検証を指示する。
【0129】
検証装置制御手段2からの指示を受けたクラスタ外ノイズ検証手段18は、クラスタ管理手段11の評価対象点表を参照して、「無所属状態」(この例では、Cluster ID =0。図10参照)の散乱点を、ノイズと判定する。そこで、クラスタ外ノイズ検証手段18は、ノイズと判定した評価対象点のCluster ID をノイズを示す特別のIDである「Noise」に設定するようにクラスタ管理手段11へ指示する。
図22は、この実施の形態でクラスタ管理手段11に記録される評価対象点表の一例である。ここでは、従来の評価対象点表(図10参照)と比較して、Cluster ID に、「Noise」を設定された評価対象点が現れることが変わっている。最後に、クラスタ外ノイズ検証手段18は、検証の完了を検証装置制御手段2へ伝える。
【0130】
クラスタ外ノイズ検証手段18から検証完了の通知を受け取った検証装置制御手段2は、STEP04へ進む。このSTEP04での実行手順は基本的に実施の形態4と同じである。ただし、実施の形態5のSTEP04では、検証装置制御手段2からの検証結果表示の指示を受けた検証結果インターフェイス手段12が、クラスタ管理手段11のクラスタ情報テーブルだけでなく、評価対象点表に記載されている「Noise」を設定された評価対象点の情報をも検証結果として参照し、表示する。
【0131】
このように、本装置では、クラスタに所属しなかった、対応する正解画像の散乱点がないと判定した処理結果画像の散乱点までもノイズと見なし、このノイズの影響をも考慮して超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
クラスタに所属しなかった処理結果画像の散乱点をノイズとして判定できることで、超解像処理結果でのノイズの影響をより正確に反映した検証ができる効果がある。
【0132】
実施の形態6.
以下、第6発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図24はこの発明の実施の形態6によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図24では、実施の形態1の検証項目保持手段9の代わりに、距離密集度対応検証項目保持手段19を備えた構成である。
距離密集度対応検証項目保持手段19は、分離できた正解画像の散乱点間の距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度をも考慮して、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
図25はこの実施の形態でクラスタ管理手段11に記録されるクラスタ情報テーブルの一例である。
【0133】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、相関行列評価値を算出と、クラスタの結果を検証する部分についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0134】
この実施の形態では、検証項目保持手段9が距離密集度対応検証項目保持手段19に変わる。距離密集度対応検証項目保持手段19では、相関行列評価値算出法と検証項目が変わる。
【0135】
まず実施の形態1の基本相関行列評価値算出法の変更を説明する。この実施の形態では、距離密集度対応検証項目保持手段19が保持している基準点間の距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度の影響も考慮した相関行列評価値算出法を利用する。この実施の形態では、距離だけを基準とする基準点間距離対応相関行列評価値算出法を利用した例で説明する。基準点間距離対応相関行列評価値算出法は、次の通り(距離算出法2は、基本相関行列評価値算出法の算出法2と同じ)。
距離算出法1:
散乱点相関行列に含まれる、評価値「0」以外の評価値を選択。
まず、選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」とする。
次に、評価値「0」以外の評価値を持つ基準点が2個以上ある場合に、その2点の距離を求める(これを、「相関基準点間距離」とする)。
相関基準点間距離を元に[式7]を使って「2点分離評価値」を求める。
「2点分離評価値」=分離評価係数/(相関基準点間距離+1)d[式7]
dは任意の値の定数で、この例では説明を簡単にするため1とする。ここで、評価値「0」以外の評価値を持つ基準点が3個以上ある場合には、近接する2点間毎に「2点分離評価値」を求め、その総和を「2点分離評価値」とする。
なお、分離評価係数とは分離できた散乱点の距離に対する評価係数である。分離に対するボーナスの評価値のため、正の値を取る。超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、なども考慮して決定する。
距離算出法2:
「正解消失評価値」=(全ての要素が評価値「0」の列の数)×消失評価値[式3]
とする。
距離算出法3:
相関行列評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」+「2点分離評価値」[式8]
とする。
【0136】
次に、基本検証項目も、正解画像での距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度の影響を考慮した検証項目4を追加した「距離密度検証項目」に変わる。この実施の形態では、相関行列評価値算出法が距離だけを基準とする例のため、検証項目4も距離だけを基準とする例で説明する。この場合の検証項目4は次の通り(検証項目1と検証項目2は有効のまま)。
検証項目4:
クラスタ内で分離(検出)できた基準点の距離を記録する。
ここでは、全ての要素が「0」でない列の基準点に対して、クラスタ内で最も近接した基準点との距離を記録する。ただし、全ての要素が「0」でない列の数が1個以下の場合、この情報は空になる。
【0137】
まず、STEP03−2−2での相関行列評価値を算出する部分を説明する。実施の形態6のSTEP03−2−2では、相関・検証管理手段8は、距離密集度対応検証項目保持手段19の基準点間距離対応相関行列評価値算出法に従って、相関行列評価値を算出する。
【0138】
この算出を、図9の散乱点相関行列に対して相関行列評価値を算出する例で説明する。ここで、評価値A1と評価値B3の積を散乱点評価値として算出するまでは実施の形態1と同じである。
この後、実施の形態6の相関・検証管理手段8は、距離算出法1を使って、基準点1と基準点2の相関基準点間距離を求める。この時、相関・検証管理手段8は、クラスタ管理手段11の基準点表から基準点1と基準点2の座標データを得て、相関基準点間距離を求める。
相関基準点間距離を算出後、[式7]を使って、相関・検証管理手段8は、「2点分離評価値」を求める。
次に、相関・検証管理手段8は、距離算出法2から「正解消失評価値」を求めるが、これは実施の形態1で算出法2を使った場合と同じである。最後に、相関・検証管理手段8は、距離算出法3から[式8]を使って相関行列評価値を算出する(「2点分離評価値」が相関行列評価値の算出に加わっていることが、実施の形態1と異なる)。ここでは、「2点分離評価値」の量だけ、相関行列評価値が実施の形態1よりも大きな値になる。
【0139】
実施の形態6で検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)について説明する。この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態1に比べて検証項目4が増えている。このため、実施の形態1の検証項目1と証項目2に加えて、検証項目4についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。ここでは、図9の散乱点相関行列が検証対象行列となった場合の例で説明する。この時、全ての要素が「0」でない列の基準点である、基準点Aと基準点Bの距離を求め、これをクラスタ管理手段11に記録する。
図25はこの実施の形態でSTEP03−3終了時のクラスタ管理手段11に記録されているクラスタ情報テーブルの一例である。ここでは、距離密集度フィールドが新たに追加され、検証項目4の結果を記録できるようになる。
【0140】
このように、本装置では、超解像処理の結果分離できた散乱点に対して、その正解画像での距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度をも考慮して、検証対象の散乱点相関行列を選択できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。このため、分離可能な散乱点の距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度をも反映して超解像処理の結果を検証できる効果がある。
【0141】
上記の実施の形態では、[式7]で定数dの値を1とするものについて示したが、任意の値に設定してもよく、同様の効果を奏することができる。また、分母を「相関基準点間距離+1」としたが、ここでは、分母が「0」にならないように計算でき、相関基準点間に距離が近い時に高い評価値が設定できれば良く、分母を「相関基準点間距離」とし、相関基準点間距離が「0」の時は例外処理で高い評価値を設定するような設定としてもよく、同様の効果を奏することができる。
また、分離評価係数についても、dの値と連動させて、任意の値を設定することが可能であり、任意の値を設定した場合でも上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0142】
上記の実施の形態では、[式7]で、相関基準点間距離だけを基準に、2点分離評価値を決定しているが、適用する超解像処理でのアルゴリズム等から、理論上の分離可能な距離を求め、この理論上の分離可能な距離を基準に2点分離評価値を決定するような算出式に置き換えた変形例も可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、理論上の分離可能な距離を評価値に反映させることで、分離距離に対するボーナスの評価値である2点分離評価値を、より適切な値として算出できる確率を向上できる効果もある。理論上の分離可能な距離を基準にした、2点分離評価値を決定するような算出式の例としては、[式8]の相関基準点間距離に代わって、相関基準点間距離と理論上の分離可能な距離の差を利用する例が考えられる。
【0143】
上記の実施の形態では、距離密集度対応検証項目保持手段19が保持している相関行列評価値算出法を、距離だけを基準とする基準点間距離対応相関行列評価値算出法を利用した例で説明したが、これをクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度だけを考慮した次の密集対応相関行列評価値算出法としても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。これを次の変形例で説明する。
密集対応相関行列評価値算出法は、次の通り(密集算出法2は、基本相関行列評価値算出法の算出法2と同じ)。
密集算出法1:
散乱点相関行列に含まれる、評価値「0」以外の評価値を選択。
まず、選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」とする。
次に、評価値「0」以外の評価値を持つ基準点が2個以上ある場合に、クラスタの領域の大きさ(面積)を求める(これを、「クラスタ領域サイズ」とする)。相関基準点間距離を元に[式9]を使って「密集分離評価値」を求める。
「密集分離評価値」=密集評価係数×「評価値「0」以外の評価値を持つ基準点の数」/「クラスタ領域サイズ」 [式9]
なお、密集評価係数とは散乱点の密集度合に対する評価係数である。分離に対するボーナスの評価値のため、正の値を取る。超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、なども考慮して決定する。
密集算出法2:
「正解消失評価値」=(全ての要素が評価値「0」の列の数)×消失評価値[式3]
とする。
密集算出法3:
相関行列評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」+「密集分離評価値」[式10]
とする。
密集対応相関行列評価値算出法を使った場合には、相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)は次のように評価値を算出する。
相関・検証管理手段8は、密集算出法1を使って、クラスタ領域サイズを算出する。クラスタ領域サイズは、クラスタに含まれる評価値「0」以外の評価値を持つ基準点を頂点とする範囲の領域である。ここでは、基準点1と基準点2の2つの頂点しかないため、両者の距離×1画素分の領域となる。(3点あれば3角形、4点あれば4角形の領域となる)。なお、全ての基準点が直線上に並ぶケース(一方向での超解像処理等)では、両端の基準点の距離×1画素分の領域とする。領域決定で利用する基準点の位置は、クラスタ管理手段11の基準点表を参照して得る。
クラスタ領域サイズを算出後、[式9]を使って、相関・検証管理手段8は、「密集分離評価値」を求める。次に、相関・検証管理手段8は、密集算出法2から「正解消失評価値」を求めるが、これは実施の形態1で算出法2を使った場合と同じである。最後に、相関・検証管理手段8は、密集算出法3から[式10]を使って相関行列評価値を算出する(「密集分離評価値」が相関行列評価値の算出に加わっていることが、実施の形態1と異なる)。ここでは、「密集分離評価値」の量だけ、相関行列評価値が実施の形態1よりも大きな値になる。
【0144】
次に、距離密度検証項目での検証項目4も、密集対応相関行列評価値算出法にあわせて変更する(検証項目4−1とする)。
検証項目4−1:
クラスタ内で分離(検出)できた基準点の密集度を記録する。密集度は、次の[式11]で求める。
密集度=「評価値「0」以外の評価値を持つ基準点の数」/「クラスタ領域サイズ」 [式11]
なお、「クラスタ領域サイズ」は、密集算出法1で定義したものと同じである。
この変形例では、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)で、実施の形態1の検証項目1と証項目2に加えて、検証項目4ー1についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。
【0145】
上記の変形例では、[式9]及び検証項目4で密集分離評価値算出の基準として「クラスタ領域サイズ」としてクラスタ領域の大きさ(面積)を使った例で説明したが、単純に面積を利用するだけでなく、拡張率(超解像で元の画像を何倍にするか)や、クラスタ領域の形状などを考慮して、密集分離評価値を算出するような変形例も可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、実施の形態1での変形例のように片方向だけを拡張する例では、クラスタの両端の距離×1画素をクラスタの領域の大きさとしたり、クラスタの両端の距離の2乗を、密集分離評価値算出の基準として利用することも可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0146】
上記の変形例では、[式10]で密集分離評価値算出の基準として「クラスタ領域サイズ」と「評価値「0」以外の評価値を持つ基準点の数」だけを使っているが、適用する超解像処理のアルゴリズム等から、対象の密度で発見可能な理論上の散乱点数を求め、この数と発見した散乱点の個数(「評価値「0」以外の評価値を持つ基準点の数」)を比較して、密集分離評価値を決定するような算出式に置き換えた変形例も可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
ここでは、対象の密度で発見可能な理論上の散乱点数を反映させることで、
相関評価値の算出精度を向上できる効果もある。
【0147】
上記の実施の形態及び変形例では、距離密集度対応検証項目保持手段19が保持している相関行列評価値算出法と検証項目を、距離だけを基準とするものとクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度だけものの例で説明したが、両者を組み合わせた相関行列評価値算出法と検証項目を指定することもでき、
上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0148】
上記の実施の形態及び変形例では、実施の形態1を基本に距離密集度対応検証項目保持手段19を加えた構成で説明したが、実施の形態2または実施の形態3へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0149】
実施の形態3への適用では、通常の評価値の算出には基準点を使い、[式8]の基準となる相関基準点間距離は理論基準点で求めるなど、複数の種類の基準点情報を有効に利用することで、相関評価値の算出精度を向上できる効果もある。
【0150】
実施の形態7.
以下、第7発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図26はこの発明の実施の形態7によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図26では、実施の形態1の検証項目保持手段9の代わりに、移動方向対応検証項目保持手段20を加えた構成である。
移動方向対応検証項目保持手段20は、正解画像の散乱点と処理結果画像でのずれの方向も考慮して、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
図27はこの実施の形態でクラスタ管理手段11に記録されるクラスタ情報テーブルの一例である。
【0151】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0152】
この実施の形態では、検証項目保持手段9が移動方向対応検証項目保持手段20に変わる。移動方向対応検証項目保持手段20では、相関行列評価値算出法と検証項目が変わる。まず、実施の形態1の基本相関行列評価値算出法が、移動方向対応検証項目保持手段20が保持している基準点と評価対象点のずれた方向も考慮した相関行列評価値算出法(移動方向対応相関行列評価値算出法)に変わる。移動方向対応相関行列評価値算出法は、次の通り(移動算出法2は、基本相関行列評価値算出法の算出法2と同じ)。
移動算出法1:
散乱点相関行列に含まれる、評価値「0」以外の評価値を選択。
まず、選択した全ての評価値の積を「散乱点評価値」とする。
次に、評価値「0」以外の評価値を持つ基準点が2個以上ある場合に、評価値「0」以外の各フィールド毎に、基準点と評価対象点の差異をベクトルで求める(これを移動ベクトルとする。例えばX軸にレンジ方向、Y軸にアジマス方向の画像であれば、XとY方向のベクトルとして移動ベクトルを求める)。
各移動ベクトルの間で、ベクトルの差を差異ベクトルとして算出後、差異ベクトルの大きさの総和を「移動量」として算出する。この「移動量」を元に[式12]を使って「移動評価値」を求める。
「移動評価値」=移動評価係数×移動量 [式12]
なお、移動評価係数とは、基準点と評価対象点のずれた方向に対する評価係数である。異なる方向に散乱点がずれている度合に対するペナルティの評価値のため、負の値を取る。超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、なども考慮して決定する。
移動算出法2:
「正解消失評価値」=(全ての要素が評価値「0」の列の数)×消失評価値[式3]
とする。
移動算出法3:
相関行列評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」+「移動評価値」[式13]
とする。
【0153】
次に、基本検証項目も、基準点と評価対象点のずれた方向も考慮した検証項目5を追加した「移動検証項目」に変わる。この検証項目5は次の通り(検証項目1と検証項目2は有効のまま)
検証項目5:
クラスタ内で対応関係にある基準点と評価対象点の移動情報を列挙して記録する。対応関係にある基準点と評価対象点とは、検証対象行列で、「0」でない評価値を持つフィールドに対応した基準点と評価対象点である。この対応関係にある基準点と評価対象点での、移動方向と距離を、移動情報とする。
【0154】
まず、STEP03−2−2での相関行列評価値を算出する部分を説明する。実施の形態7のSTEP03−2−2では、相関・検証管理手段8は、移動方向対応検証項目保持手段20の移動方向対応相関行列評価値算出法に従って、相関行列評価値を算出する。
ここでは、STEP03−2−2で、相関行列評価値を算出する時に、散乱点相関行列で評価値「0」以外の評価値を持つ基準点が2個以上ある場合に、評価値「0」以外の各フィールド毎に、移動ベクトルを求める。その後、各移動ベクトルの間で、相互にベクトルの差を差異ベクトルとして算出後、差異ベクトルの大きさの総和を「移動量」として算出する。この「移動量」を元に[式12]を使って「移動評価値」を求める。
次に、相関・検証管理手段8は、移動算出法2から「正解消失評価値」を求めるが、これは実施の形態1で算出法2を使った場合と同じである。
最後に、相関・検証管理手段8は、移動算出法3から[式13]を使って相関行列評価値を算出する(「移動評価値」が相関行列評価値の算出に加わっていることが、実施の形態1と異なる)。ここでは、「移動評価値」の量だけ、相関行列評価値が実施の形態1よりも小さな値になる。
【0155】
実施の形態7で検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)について説明する。この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態1に比べて検証項目5が増えている。このため、実施の形態1の検証項目1と検証項目2に加えて、検証項目5についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。
ここでは、図9の散乱点相関行列が検証対象行列となった場合の例で説明する。この時、「0」でない評価値を持つ、基準点Aと評価対象点1、基準点Bと評価対象点3が、対応関係にある基準点と評価対象点になる。このため、基準点Aと評価対象点1、基準点Bと評価対象点3に対して、両者の距離と移動方向を求め、クラスタ管理手段11に記録する。
図27はこの実施の形態でSTEP03−3終了時のクラスタ管理手段11に記録されているクラスタ情報テーブルの一例である。ここでは、移動情報フィールドが新たに追加され、検証項目5の結果を記録できるようになる。
【0156】
このように、本装置では、正解画像の散乱点と処理結果画像でのずれの方向をも考慮して検証対象の散乱点相関行列を選択できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。このため、散乱点の分離制度だけでなく、ずれた方向の考慮をも反映して超解像処理の結果を検証できる効果がある。
【0157】
上記の実施の形態では、[式12]で「移動評価値」を求めるのに移動ベクトルを基準に求めていく手順で説明したが、実施の形態1での変形例のように片方向だけを拡張する例では、移動ベクトルを正負の数値だけで表現することも可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。この場合、「移動評価値」を容易にかつ効率よく求められる効果もある。
上記の実施の形態では、実施の形態1を基本に移動方向対応検証項目保持手段20を加えた構成で説明したが、実施の形態2または実施の形態3へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0158】
実施の形態8.
以下、第8発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図28はこの発明の実施の形態8によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図28では、実施の形態1の検証項目保持手段9の代わりに合成型検証項目保持手段21を、相関行列生成ルール保持手段10の代わりに合成型相関行列生成ルール保持手段22を備えた構成である。
合成型相関行列生成ルール保持手段22は、超解像処理の結果、正解画像の複数の散乱点に対して複数の散乱点が合成された1つの合成散乱点が生成されたとして、正解画像の複数の散乱点と超解像処理での1つの合成散乱点とが対応するような散乱点相関行列を生成する手段である。
合成型検証項目保持手段21は、合成型相関行列生成ルール保持手段22を使って生成する散乱点相関行列に対して、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と、選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を、保持している手段である。
【0159】
図29はこの実施の形態でクラスタ管理手段11に記録されるクラスタ情報テーブルの一例である。図30は、合成型検証項目保持手段21と合成型相関行列生成ルール保持手段22を使って、新たに算出されるようになる散乱点相関行列の一例である。図31は、本装置の効果を説明するため、課題で説明した検証例に本装置を適用した時の一例である。
【0160】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点判定行列から散乱点相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−1)と散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、STEP03−2−1とSTEP03−2−2とSTEP03−3についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0161】
まず、散乱点判定行列から散乱点相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−1)と散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)を説明する。実施の形態8では、散乱点相関行列生成ルールが、実施の形態1の基本相関行列生成ルールから、合成型相関行列生成ルール保持手段22が保持している合成散乱点対応相関行列生成ルールに変わる。
合成散乱点対応相関行列生成ルールでは、超解像処理の結果、複数の基準点に対する処理結果が1つの評価対象点に合成された(このような評価対象点を合成評価対象点とする)として、複数の基準点と合成評価対象点の対応するような散乱点相関行列を生成できる。このため、基本相関行列生成ルールのルール1を無効とし、新たに次の「合成ルール4」と「合成ルール5」を追加する(基本相関行列生成ルールの「ルール2」と「ルール3」は有効である)
合成ルール4:
基準点が2個以上のクラスタにおいて、散乱点相関行列で「0」以外の評価値が複数設定されている行の評価対象点で、合成点判定値を算出する。この合成点判定値が合成判定閾値よりも大きい場合に、評価対象点を合成候補点とする。
ここでは、対象の評価対象点の「ピークの大きさ」を合成点判定値とする。
また、合成判定閾値は、合成評価対象点となる可能性がある散乱点を判定するための閾値であり、超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、合成点判定値の算出方法などから任意に設定する。
合成ルール5:
合成候補点の行では、「0」以外の評価値を複数個選択可能とする。
合成候補点の行以外では、従来通り、「0」以外の評価値を高々1個選択可能とする。
【0162】
また、実施の形態8では、合成型相関行列生成ルール保持手段22に従って生成される散乱点対応相関行列での評価に対応するため、実施の形態1の基本相関行列評価値算出法から、合成型検証項目保持手段21が保持している合成散乱点対応相関行列評価値算出法に代える。
合成散乱点対応相関行列評価値算出法では、基本相関行列評価値算出法に次の「合成算出法4」を追加する(基本相関行列評価値算出法の算出法1から算出法3は有効のまま)。
合成算出法4:
合成候補点の行で、「0」以外の評価値を複数個選択した場合には、
まず、「0」以外の評価値を選択した個数を「合成数」とする(合成算出法4−1)。
次に、対象の行での「0」以外の評価値を[式14]で再計算し、修正する(合成算出法4−2)。
補正散乱点間評価値=評価値/(g×合成数h) [式14]
g、hは任意の定数を設定可能。この例では説明を簡単にするためともに「1」とする。
最後に、修正後の補正散乱点間評価値を使って、基本パターンの算出ルール(算出法1から算出法3)で相関評価値を求める(合成算出法4−3)。
【0163】
実施の形態8のSTEP03−2−1とSTEP03−2−2での処理の例を、図30の散乱点相関行列に対して相関行列評価値を算出する例で説明する。
STEP03−2−1で、相関・検証管理手段8は、合成候補点の有無を調べる。ここでは、評価対象点2が「合成ルール4」の条件を満たして合成候補点と判定された例で説明する。ここでは、合成ルール5から、図30の「合成散乱点対応相関行列生成ルールで認められる散乱点相関行列」が生成できるようになる(実施の形態1の基本相関行列生成ルールでは許されない)。
STEP03−2−2で、この「合成散乱点対応相関行列生成ルールで認められる散乱点相関行列」に対する評価値を算出する場合には、合成算出法4が適用される。この例では、まず、評価対象点2で合成される基準点数が2個のため、「合成数」=2となる(合成算出法4−1)。次に、[式14]を使って対象の行(ここでは評価対象点2の行)の散乱点間評価値を補正散乱点間評価値に修正する(合成算出法4−2)。ここまでの処理の結果、図30の「合成散乱点対応相関行列評価値算出法で利用する散乱点相関行列」ができる。
相関・検証管理手段8は、最後に基本パターンの算出ルール(ここでは、算出法1から算出法3)を使って、相関行列評価値を求める。ここでは、評価の基準となる散乱点相関行列の内容が異なるが、算出方法は実施の形態1と同じである。また、この後STEP03−2−3へ進んで、相関行列評価値の最も大きいものを、検証対象行列として選出していく手順も実施の形態1と同じである。
この例では、合成候補点の影響を受けて実施の形態1と変わるのは、図30の「合成散乱点対応相関行列評価値算出法で利用する散乱点相関行列」のパターンだけであるが、他の実施の形態と同様に合成散乱点対応相関行列生成ルールに従って生成可能な範囲で、STEP03−2−1からSTEP03−2−3の操作を繰り返す。
この例でも、図30の「合成散乱点対応相関行列評価値算出法で利用する散乱点相関行列」だけでなく、図11に示す散乱点相関行列を生成し、相関行列評価値を求める処理は実施の形態1と同じように実行される。
【0164】
次に、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)を説明する。ここでは、基本検証項目が、合成型検証項目保持手段21が保持している「合成検証項目」に変わる。合成検証項目は、基本検証項目に次の検証項目6を追加したものである(検証項目1と検証項目2は有効のまま)。
検証項目6:
ここでは、検証対象行列で、「0」でない評価値が2個以上ある行の評価対象点を合成散乱点とする。
検証対象行列に合成散乱点がある場合には、合成された基準点及び合成散乱点となった評価対象点の情報を合成情報として列挙して記録する。各合成情報には、何点が合成されたかという情報も加える。
【0165】
この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態1に比べて検証項目6が増えている。このため、実施の形態1の検証項目1と検証項目2に加えて、検証項目6についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。
ここでは、図30の「合成散乱点対応相関行列評価値算出法で利用する散乱点相関行列」が検証対象行列となった場合の例で説明する。この時、評価対象点2の行では、「0」でない評価値が2個以上ある。このため、評価対象点2を合成散乱点と判定する。
ここでは、基準点Aと基準点Bが合成された基準点、評価対象点2が合成散乱点とする、合成情報をクラスタ管理手段11に記録する。また、この合成情報では、2点が合成されたという情報も付加する。図29はこの実施の形態でSTEP03−3終了時のクラスタ管理手段11に記録されているクラスタ情報テーブルの一例である。ここでは、合成情報フィールドが新たに追加され、検証項目6の結果を記録できるようになる。
【0166】
図31は、本実施の形態の装置の効果を説明するための1事例の図である。図31の評価対象の画像は、複数の近接した散乱点がパワーの大きな1点として現れたケース(ケース1)と、片側の散乱点を検出できなかったケース(ケース2)の例である。ここで、横軸は画素、縦軸は各画素のパワーであり、正解の散乱点として基準点A、基準点Bの2つ、処理結果の散乱点として評価対象点1が1つがある。
ここでは、ケース1では基準点Aと基準点Bの情報が合成されて評価対象点1が算出され、ケース2では基準点Aと評価対象点1が対応して基準点Bの情報は消失したのが正解とする。このケース1とケース2を、2つの画像を比較する単純な方法で判定すると、共に2つの点のうち1つの点が見つかり、1つの点は消失したという評価を得ることになる。
【0167】
図31中に評価対象の画像に対する散乱点判定行列を示す。この散乱点判定行列はケース1とケース2で共通の形状であり、評価値A1>評価値B1となる。ただし、ケース1とケース2では、評価値A1と評価値B1の値は異なる(行列の形状と、評価値間の大小関係だけが同じである)。
【0168】
図31の散乱点判定行列をもとに、実施の形態1から実施の形態7の装置で散乱点相関行列を求めると、図31の散乱点相関行列1から散乱点相関行列3までが算出される。この場合には、ケース1とケース2の両方で、最も評価値が高くなる散乱点相関行列2が検証対象行列に選択される。これは、基準点Aと評価対象点1が対応して基準点Bの情報は消失したと、判定したことになる。
【0169】
一方で、実施の形態8の装置では、合成散乱点を考慮できる。この実施の形態では、合成ルール4で示したように、評価対象点のピークの大きさを、合成判定閾値と比較して合成散乱点の候補を選出する。ここでは、ケース1の評価対象点1ではピークが大きいため、合成判定閾値を上回ったとする。また、ケース2の評価対象点1ではピークが小さいため、合成判定閾値を下回ったとする。
この結果、ケース1では、新たなに散乱点相関行列4が算出される。ケース2では、実施の形態1から実施の形態7と同様に散乱点相関行列1から散乱点相関行列3までしか算出されない。ここでは、散乱点相関行列4の評価値が散乱点相関行列2よりも大きかった例で説明する。
【0170】
この時、ケース1では、散乱点相関行列4の対応関係が選択される。これは、基準点Aと基準点Bの情報が合成されて評価対象点1が算出された対応関係を選択したことになる。ケース2では、散乱点相関行列2が選択される。これは、基準点Aと評価対象点1が対応して基準点Bの情報は消失した対応関係を選択したことになる。
【0171】
このように、実施の形態8の装置では、合成散乱点を考慮できることで、図31のケース1のように、散乱点の情報が合成されたケースでも、対応関係を正しく判定できることを示した。散乱点の対応関係を正しく判定できると、超解像処理の検証をより正確に行える効果がある。
【0172】
このように、本装置では、複数の散乱点情報が合成された散乱点も考慮して散乱点の対応関係を判定でき、超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
複数の散乱点情報が合成された散乱点に対応できることで、単純な画像の比較では困難であった、1対多の散乱点の対応関係に適切な評価値を与えることができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0173】
上記の実施の形態では、[式14]で補正散乱点間評価値を求める時に、g、hを「1」とする例で説明したが、g、hは任意の定数を設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0174】
上記の実施の形態では、実施の形態1を基本に合成型検証項目保持手段21と合成型相関行列生成ルール保持手段22を加えた構成で説明したが、実施の形態2から実施の形態7へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0175】
実施の形態9.
以下、第9発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図32はこの発明の実施の形態9によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図32では、実施の形態8の合成型検証項目保持手段21の代わりに距離密集度対応合成型検証項目保持手段23を備え、合成型相関行列生成ルール保持手段22の代わりに合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24を加えた構成である。
距離密集度対応合成型検証項目保持手段23は、合成散乱点を含む散乱点相関行列を使った検証で、合成散乱点に対応する正解画像の各々の散乱点間の距離と密集度をも考慮して、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24は、合成型相関行列生成ルール保持手段22に合成散乱点の判定ルールを任意に設定できる機能を拡張した手段である。
【0176】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8では、散乱点判定行列から散乱点相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−1)と散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態8と同様である。このため、STEP03−2−1とSTEP03−2−2とSTEP03−3についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0177】
まず、散乱点相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−1)を説明する。この実施の形態では、散乱点相関行列の生成ルールとして、合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24が保持している可変合成散乱点判定ルール対応相関行列生成ルールを使用する。可変合成散乱点判定ルール対応相関行列生成ルールは、実施の形態9の合成散乱点対応相関行列生成ルールの合成ルール4へ、合成散乱点の判定ルールを任意に設定できる機能を拡張したものである。
ここでは、合成ルール4を次の合成ルール4αに変更した例で説明する。なお、基本相関行列生成ルールの「ルール2」と「ルール3」と合成散乱点対応相関行列生成ルールの合成ルール5は、そのまま有効である。
合成ルール4α:
基準点が2個以上のクラスタにおいて、散乱点相関行列で「0」以外の評価値が複数設定されている行の評価対象点で、合成点判定値を算出する。この合成点判定値が合成判定閾値よりも大きい場合に、評価対象点を合成候補点とする。
この合成点判定値の算出では、対象の評価対象点の「ピークの大きさ」に加えて、合成時に対応する複数の基準点と対象の評価対象点の間の「散乱点間評価値」や「距離の差」、合成時に対応する複数の基準点どうしの「距離」や「密度(密集の程度)」などを任意に組み合わせ、任意の重み付けをした合成点判定値の算出法を指定できる。また、合成判定閾値は、合成評価対象点となる可能性がある散乱点を判定するための閾値であり、超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件、合成点判定値の算出方法などから任意に設定する。
この実施の形態では、合成ルール4αで合成候補点が選定されることが実施の形態8と異なる。これにより、STEP03−2−1で生成される散乱点相関行列が実施の形態8と異なる場合がある。
【0178】
次に、相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)を説明する。実施の形態9では、実施の形態8の合成散乱点対応相関行列評価値算出法を、距離密集度対応合成型検証項目保持手段23が保持している距離密度拡張合成散乱点対応相関行列評価値算出法に代える。距離密度拡張合成散乱点対応相関行列評価値算出法では、合成散乱点対応相関行列評価値算出法の「合成算出法4」を「合成算出法5」へ変更する。
合成算出法5:
合成候補点の行で、「0」以外の評価値を複数個選択した場合には、
まず、「0」以外の評価値を選択した個数を「合成数」とする(合成算出法5−1。これは合成算出法4−1と同じ)。
次に、対象の行での「0」以外の評価値を再計算し、修正する(合成算出法5−2)。
ここでは、合成される基準点の間の「2点間の距離」及び「複数点の間の密集度」と「合成数」を、任意に組み合わせで選択し、任意の重み付け定数を設定して再計算法を定義する。
ここでは、説明を簡単にするため、「複数点の間の密集度」を利用した、以下の単純な方法で説明する。まず、合成される基準点を頂点とする多角形の面積を求める(頂点が2点または直線上の場合は、1画素×両端までの長さとする)。
次に、[式15]で補正散乱点間評価値を求める。
補正散乱点間評価値=評価値/(g×合成数h)×(合成数/多角形の面積)[式15]
g、hは任意の定数を設定可能。この例では説明を簡単にするためともに「1」とする。
最後に、修正後の補正散乱点間評価値を使って、基本パターンの算出ルール(算出法1から算出法3)で相関評価値を求める(合成算出法5−3)。
【0179】
実施の形態9のSTEP03−2−2での処理の例を、図30の「合成散乱点対応相関行列生成ルールで認められる散乱点相関行列」に対する評価値の算出で説明する。他の散乱点相関行列については、実施の形態8と同じため、説明を省略する。
実施の形態9では、「合成散乱点対応相関行列生成ルールで認められる散乱点相関行列」の評価値算出で、合成算出法5が適用される。まず、評価対象点2で合成される基準点数が2個のため、「合成数」=2となる(合成算出法5−1)。次に、合成される基準点Aと基準点Bを頂点とする多角形の面積を求める(2点のため、1画素×両者の距離)とする。その後、[式16]を使って対象の行(ここでは評価対象点2の行)の散乱点間評価値を補正散乱点間評価値に修正する(合成算出法5−2)。
【0180】
なお、実施の形態9では、合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24が保持している可変合成散乱点判定ルール対応相関行列生成ルールを使用するため、STEP03−2−1で生成される散乱点相関行列が実施の形態8と異なる場合がある。このため、STEP03−2−2で最終的に選択される検証対象行列が変わる可能性はある。
ただし、このSTEP03−2−2での処理手順は、実施の形態8の合成散乱点対応相関行列生成ルールを使用した場合と、実施の形態9の可変合成散乱点判定ルール対応相関行列生成ルールを使用した場合で同じである。
【0181】
最後に、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)を説明する。実施の形態9では、実施の形態8での合成検証項目が、距離密集度対応合成型検証項目保持手段23で保持している拡張合成検証項目に変わる。拡張合成検証項目は、基本検証項目に次の検証項目7を追加したものである(検証項目1と検証項目2は有効のまま)。
検証項目7:
ここでは、検証対象行列で、「0」でない評価値が2個以上ある行の評価対象点を合成散乱点とする。
検証対象行列に合成散乱点がある場合には、合成された基準点及び合成散乱点となった評価対象点の情報を合成情報として列挙して記録する。各合成情報には、何点が合成されたかという情報も加える。また、各合成情報には、合成された基準点の2点間の距離及び複数点の間の密集度の情報も追加する。
なお、この例では、合成算出法5で「複数点の間の密集度」とした例のため、検証項目7でも「複数点の間の密集度」を合成情報として記録する。
【0182】
実施の形態9では、実施の形態8の検証項目6に代わって、検証項目7を検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。ここでは、検証対象行列に合成散乱点が含まれている時に、2点間の距離及び複数点の間の密集度の情報も追加で入手し、クラスタ管理手段11に合成情報として記録することが実施の形態8と異なる。その他は、実施の形態8と同じである。
【0183】
このように、本装置では、複数の散乱点情報が合成された散乱点も考慮して散乱点の対応関係を判定でき、かつ、合成される正解画像の散乱点間の距離や密度をも考慮して超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
合成される散乱点の個数だけでなく、正解画像の散乱点間の距離や密度をも考慮して評価値を決定することで、合成が起きる状況をより適切に超解像処理結果の評価値へ反映できる効果がある。
また、散乱点の対応関係を決定する時にも、正解画像の散乱点間の距離や密度をも考慮した評価値をベースに優劣を決定するため、より適切な対応関係を判定できる効果がある。
【0184】
また、本装置では、合成された散乱点を決定する基準の値を、様々なパラメータを組み合わせて設定できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
散乱点の合成では、対象の評価対象点の「ピークの大きさ」や、合成対象の複数の基準点どうしの「距離」や「密度(密集の程度)」、合成対象の複数の基準点と対象の評価対象点の間の「散乱点間評価値」や「距離の差」など、判定の指標となりうるパラメータが多くある。これらのパラメータを任意に組み合わせて、合成点判定値の算出法を決定することで、より適切な合成散乱点の判定基準を定めることができる効果がある。
【0185】
上記の実施の形態では、合成算出法5での補正散乱点間評価値の算出で、「複数点の間の密度」を利用した単純な方法で説明したが、合成される基準点の間の「2点間の距離」及び「複数点の間の密度」と「合成数」を、任意に組み合わせで選択し、任意の重み付け定数を設定した算出方法を定義することが可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。例えば、合成される基準点の間の「2点間の距離」の総和を、補正散乱点間評価値の算出へ反映させる算出方法も定義可能である。
【0186】
上記の実施の形態では、[式15]で補正散乱点間評価値を求める時に、g、hを「1」とする例で説明したが、g、hは任意の定数を設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0187】
上記の実施の形態では、合成型検証項目保持手段21の代わりに距離密集度対応合成型検証項目保持手段23を備え、合成型相関行列生成ルール保持手段22の代わりに合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24を加えた構成で説明したが、実施の形態8へ距離密集度対応合成型検証項目保持手段23だけを代わりに加える、合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24だけを代わりに加える構成も可能である。
距離密集度対応合成型検証項目保持手段23と、合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段24は、それぞれ独立した機能として追加して動作することが可能であり、片方だけを追加した場合には、それぞれ加えた手段に対応した効果について、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0188】
実施の形態10.
以下、第10発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図33はこの発明の実施の形態10によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図33では、実施の形態1の構成に入力画像管理手段25と入力画像クラスタ範囲算出手段26とを加え、検証項目保持手段9の代わりに入力画像対応検証項目保持手段27を備えた構成である。
図33で、入力画像管理手段25は超解像処理に対する入力画像とその散乱点の情報を保持している手段、入力画像クラスタ範囲算出手段26は算出したクラスタに対応した入力画像の領域を算出する手段である。また、入力画像対応検証項目保持手段27は、入力画像での散乱点数と処理結果画像で検出した散乱点数を比較した結果をも考慮して、相関行列生成ルール保持手段10を使って生成した散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と、選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
【0189】
図34はこの実施の形態でクラスタ管理手段11に記録されるクラスタ情報テーブルの一例である。図35は、本装置の効果を説明するため、課題で説明した検証例に本装置を適用した時の一例である。
【0190】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0191】
この実施の形態では、検証項目保持手段9が入力画像対応検証項目保持手段27に変わる。入力画像対応検証項目保持手段27では、相関行列評価値算出法と検証項目が変わる。
【0192】
まず、実施の形態1の基本相関行列評価値算出法が、入力画像対応検証項目保持手段27が保持している入力対応相関行列評価値算出法に変わる。入力対応相関行列評価値算出法では、基本相関行列評価値算出法の「算出法3」を無効にし、次の「入力算出法4」と「入力算出法5」を追加する(基本相関行列評価値算出法の算出法1と算出法2は有効のまま)。
入力算出法4:
まず、基準点が2個以上のクラスタで、対応する範囲の原画像(入力画像)での散乱点の数「原画像散乱点数」をカウント(入力算出法4−1)。
次に、[式16]で「解像度改善数」を算出(入力算出法4−2)。
「解像度改善数」=(評価値「0」以外の要素を含む列の数)−「原画像散乱点数」 [式16]
最後に、[式17]で「解像度改善数評価値」を算出(入力算出法4−3)。
「解像度改善数評価値」=「解像度改善数」p×解像度改善評価係数[式17]
pは任意の定数。ここでは説明を簡単にするため「1」とする。
なお、解像度改善評価係数は原画像よりも解像度が改善した時に、ボーナスとして加える(正)の評価値の係数である。超解像の割合や、SARのセンサの緒元、データ生成シミュレーションの条件などを考慮して設定する。
入力算出法5:
[式18]で相関評価値を算出。
相関評価値=「散乱点評価値」+「正解消失評価値」+「解像度改善数評価値」[式18]
【0193】
次に、基本検証項目も、基準点と評価対象点のずれた方向も考慮した検証項目8を追加した「入力対応検証項目」に変わる。この検証項目8は次の通り(検証項目1と検証項目2は有効のまま)
検証項目8:
入力画像で、各クラスタに対応する範囲にある散乱点の個数を記録する。
【0194】
まず、STEP03−2−2での相関行列評価値を算出する部分を説明する。実施の形態10のSTEP03−2−2では、相関・検証管理手段8は、クラスタ管理手段11を参照して、処理対象のクラスタでの基準点の位置情報を入手し、この情報をもとに、クラスタに対応した入力画像の領域を算出するように、入力画像クラスタ範囲算出手段26に指示する。
指示を受けた入力画像クラスタ範囲算出手段26は、超解像の割合(入力画像を何倍に拡張しているか)と、基準点の位置情報(超解像画像での位置情報)から、クラスタに対応した入力画像の領域を算出し、結果を相関・検証管理手段8へ返す。
入力画像の領域を受け取った相関・検証管理手段8は、入力画像管理手段25が保持している入力画像の散乱点情報を参照して、クラスタに対応した入力画像の散乱点の個数をカウントする。なお、ここまでの処理は、1つのクラスタで共通(STEP03−2で共通)のため、最初に1度実行してクラスタに対応した入力画像の散乱点の個数を覚えておき、以後のSTEP03−2の処理で利用するように実現しても良い。
【0195】
クラスタに対応した入力画像の散乱点の個数が判明すると、相関・検証管理手段8は、これを「原画像散乱点数」とする(入力算出法4−1)。次に、相関・検証管理手段8は、評価値算出対象として選択されている散乱点相関行列で、評価値「0」以外の要素を含む列の数をカウントし、[式16]で「解像度改善数」を求める(入力算出法4−2)。その後で、相関・検証管理手段8は、[式17]を使って「解像度改善数評価値」を求める(入力算出法4−3)。
【0196】
相関・検証管理手段8では、また、基本相関行列評価値算出法の算出法1と算出法2を使って、実施の形態1と同じ手順で「散乱点評価値」と「正解消失評価値」を求める。ここで、入力算出法4−1から入力算出法4−3を使って「解像度改善数」を求める処理と、算出法1と算出法2を使って「散乱点評価値」と「正解消失評価値」を求める処理は、どちらを先に実行しても構わない。
【0197】
「散乱点評価値」と「正解消失評価値」と「解像度改善数」を算出後、相関・検証管理手段8は、[式18]を使って相関評価値を求め(入力算出法5)、STEP03−2−2での処理を終了する。ここでは、「解像度改善数」の量だけ、相関行列評価値が実施の形態1から変動する。
【0198】
実施の形態10で検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)について説明する。この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態1に比べて検証項目8が増えている。このため、実施の形態1の検証項目1と証項目2に加えて、検証項目8についても検証し、その結果をクラスタ管理手段11に記録する。
ここでは、まず、上記の評価値算出と同様の手順で、相関・検証管理手段8は入力画像クラスタ範囲算出手段26からクラスタに対応した入力画像の領域を得て、入力画像管理手段25が保持している入力画像の散乱点情報を参照して、クラスタに対応した入力画像の散乱点の個数をカウントする。
次に、この個数をクラスタ管理手段11に記録する。図34はこの実施の形態でSTEP03−3終了時のクラスタ管理手段11に記録されているクラスタ情報テーブルの一例である。ここでは、入力画像フィールドが新たに追加され、検証項目8の結果を記録できるようになる。
【0199】
図35は、この実施の形態の効果を説明するための1事例を示した図である。ここでケース1では、原画像(入力画像)では散乱点数が2個の画像に対して、様々なパターンで超解像処理を行った結果、処理結果として散乱点(評価対象点)が1個から5個(実行パターン1から実行パターン5)となった例を示している。なお、この原画像に対する正解(画像)の散乱点数は4個である。
ケース2では、原画像(入力画像)で散乱点数が4個の画像に対して、様々なパターンで超解像処理を行った結果、処理結果として散乱点(評価対象点)が1個から5個(実行パターン1から実行パターン5)となった例を示している。この原画像に対する正解(画像)の散乱点数も4個である。
実施の形態1から実施の形態7の装置を使った評価を説明する。この時、実施の形態1から実施の形態7の装置では、基本的に正解画像との対応関係だけで、相関行列評価値を決定していく。ここでは、対応関係がある散乱点評価値の積と、発見できなかった散乱点のペナルティを引いた評価値となる。このため、ケース1の実行パターン4とケース2の実行パターン7など、見つかった散乱点数が同じ場合には、比較的近い値の評価値となる可能性が高い。
【0200】
一方で、実施の形態10では、発見した散乱点の個数を原画像と比較して解像度改善数を算出し、この解像度改善数を反映した相関行列評価値を利用する。このため、ケース1の実行パターン4とケース2の実行パターン9のように、同じ正解が4で発見が2のケースでも、入力画像からの改善の度合いによって相関行列評価値に差をつけることができる。
【0201】
このように、本装置では、入力画像からの改善の度合いも考慮して、相関行列評価値を決定できるため、検証対象行列の選択で、入力画像からの改善も考慮できる利点がある。
【0202】
このように、本装置では、入力画像からの改善の度合いも考慮して、超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
解像度の向上を目的とする超解像処理では、正解画像との一致の度合いとともに、入力画像からの改善の度合いも、処理結果の検証で重要な指標である。
本装置を利用することで、電波画像の超解像処理での入力画像からの改善度合いを、正解画像との一致の度合いと組み合わせて検証できる効果がある。
【0203】
上記の実施の形態では、[式17]でpを「1」とする例で説明したが、pは任意の定数を設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0204】
上記の実施の形態では、実施の形態1に各手段を加えた構成で説明したが、実施の形態2から実施の形態7へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0205】
実施の形態11.
以下、第11発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図36はこの発明の実施の形態11によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図36では、実施の形態8の合成型検証項目保持手段21の代わりに合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28を備え、さらに実施の形態10の入力画像管理手段25と入力画像クラスタ範囲算出手段26とを加えた構成である。
合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28は、入力画像での散乱点数と処理結果画像で検出した散乱点数及び合成散乱点に対応する入力画像での散乱点数をも考慮して散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している手段である。
入力画像管理手段25と入力画像クラスタ範囲算出手段26は実施の形態10と同じものである。
【0206】
この実施の形態では、相関・検証管理手段8で散乱点相関行列から相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)以外は、基本的に実施の形態1と同様である。このため、相関行列評価値を算出する部分(図4のSTEP03−2−2)と、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)についてのみ説明し、他の部分は省略する。
【0207】
この実施の形態では、合成型検証項目保持手段21が合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28に変わる。合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28では、相関行列評価値算出法と検証項目が変わる。
【0208】
実施の形態8の合成散乱点対応相関行列評価値算出法は、合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28の入力画像・合成散乱点対応相関行列評価値算出法に代わる。
入力画像・合成散乱点対応相関行列評価値算出法では、合成散乱点対応相関行列評価値算出法の合成算出法4での補正散乱点間評価値の算出方法([式14])を次のように変更する。
合成解像度改善数=合成される基準点の数−対応する入力画像での散乱点の個数[式19]
補正散乱点間評価値=評価値/(g×合成数h)×(V×合成解像度改善数T) [式20]
g、h、V、Tは任意の定数を設定可能。この例では説明を簡単にするために「1」とする。
合成検証項目は、実施の形態10での検証項目8を追加した「入力合成検証項目」に変わる。
【0209】
まず、STEP03−2−2での相関行列評価値を算出する部分を説明する。実施の形態11のSTEP03−2−2では、相関・検証管理手段8は、合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段28の入力画像・合成散乱点対応相関行列評価値算出法に従って、相関行列評価値を算出する。ここでは、補正散乱点間評価値の算出方法([式14])が、[式19]と[式20]を使った方法になる。それ以外の部分は、実施の形態8と同じである。
【0210】
次に、検証対象行列でクラスタの結果を検証する部分(図4のSTEP03−3)について説明する。この実施の形態のSTEP03−3では、実施の形態8に比べて検証項目8が増えている。ここで、検証項目1と検証項目2と検証項目5について、検証を実行してクラスタ管理手段11に記録する手順は実施の形態8と同じである。この手順を実行後、実施の形態10と同じ手順で、検証項目8の検証を実行してクラスタ管理手段11に記録する。ここでは、クラスタ管理手段11のクラスタ情報テーブルが、実施の形態8のフィールドに加えて、入力画像フィールドが新たに追加され、検証項目8の結果を記録できるようになる。
【0211】
このように、本装置では、入力画像での散乱点数と処理結果画像で検出した散乱点数と、合成散乱点の両方を考慮して、超解像処理結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0212】
上記の実施の形態では、[式20]でg、h、V、Tを「1」とする例で説明したが、g、h、V、Tは任意の定数を設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0213】
上記の実施の形態では、実施の形態8に各手段を加えた構成で説明したが、実施の形態9へ適用しても上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0214】
実施の形態12.
以下、第12発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図37はこの発明の実施の形態12によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図37では、実施の形態1の頂点情報生成手段5の代わりに可変頂点情報算出手段29を加えた構成である。可変頂点情報算出手段29は、画像データから散乱点を検出する方法を任意に設定して、散乱点情報を生成する手段である。
【0215】
この実施の形態では、STEP01の初期化処理において、可変頂点情報算出手段29を使って、正解画像管理手段3と超解像処理結果画像管理手段4で管理する画像情報から、散乱点を検出する方法を任意に設定して、散乱点情報を生成する。なお、初期化で散乱点を生成する以外の処理手順は、実施の形態1と同じであるため、各STEPでの詳細な動作の説明は省略する。
【0216】
このように、本装置では、画像データから散乱点を検出する方法を任意に設定して、散乱点情報を生成でき、ここで生成した散乱点情報を使って超解像処理の結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
散乱点を検出する方法を任意に設定できると、特定のケースで超解像処理の検証の前提となる、基準点と評価対象点の対応関係をより正確に行える効果がある。
例えば、パワーの大きさの傾きだけで散乱点を判定することを考える。散乱点が密集して存在している場合には、本来散乱点と認識されるべき画素が隣接してしまうことがある。この場合、隣接した画素よりも大きいものは、散乱点となるが、小さい方は散乱点として検出されない。散乱点として検出されない情報は、ノイズにも正解としても反映されないため、パワーの大きな画素の情報が埋もれてしまうことになる。
【0217】
一方で、パワーの大きさの傾きに加えて、一定の大きさ以上のピークは散乱点とするような設定で散乱点を抽出すれば、上記のような密集したケースでも、散乱点として抽出することができる。散乱点として検出すれば、本装置を使って、散乱点の間での対応関係を調べ、処理結果検証に、その情報が反映される。
【0218】
同じ処理結果画像に対して、散乱点の抽出方法を変えて検証を行って比較することも、超解像処理結果の検証で有効である。例えば、上記の例で、パワーの大きさの傾きだけで散乱点を判定するものと、一定の大きさ以上のピークも散乱点とする例で検証結果を比較する。
ピークの大きな散乱点がまばらに分布するような画像では、両者の検証結果は大きくは変わらない。一方で、ピークの大きな画素が密集しているようなケースでは、散乱点となる画素が増えることで、両者の検証結果が大きく異なる可能性が高い。このように、散乱点の切り出しを変えることで、検証対象の画像のデータによる影響を推測することもできるようになる効果がある。
【0219】
また、逆に、パワーの大きさの傾きが増加から減少転じる条件に加えて、その点で一定の大きさ以上のピークを有する場合にのみ、散乱点とすることで有利な例もある。例えば、散乱点に対してピークの小さなノイズ情報がたくさんあるために、各種行列の計算に時間がかかるケースでは、ピークの小さな頂点を評価対象からはずすことで、計算を効率良く実行できる効果がある。
【0220】
このような情報を蓄積することで、検証に適切な散乱点の抽出方法を選択できる効果もある。
【0221】
このように、散乱点として検出する情報を調整することで、本装置では、より適切な条件で超解像処理の検証を行うことができるようになる。
【0222】
上記の実施の形態では、実施の形態1に可変頂点情報算出手段29を加えた構成で説明したが、他の実施の形態に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0223】
実施の形態13.
以下、第13発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図38はこの発明の実施の形態13によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図38では、実施の形態1の構成に、検証項目保持手段9に代えて検証項目設定手段31とし、さらに判定規則管理設定手段30、実施の形態4のノイズ対応検証項目保持手段17および実施の形態6の距離密集度対応検証項目保持手段19とを加えた構成である。
判定規則管理設定手段30は、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件での、各種パラメータの値や閾値や係数の値を管理し、これらの値を外部から変更できるインターフェイスを提供する手段である。
検証項目設定手段31は、各検証項目保持手段での、各種パラメータの値や閾値や係数の値を管理し、外部からこれらの値を変更することで各検証項目保持手段内部の値を任意に設定でき、かつ、複数の検証項目保持手段を任意の組み合わせで選択し、各検証項目保持手段の間での重み付けをも設定できる手段である。
なお、ノイズ対応検証項目保持手段17は実施の形態4で、距離密集度対応検証項目保持手段19は実施の形態6で説明したものと同じである。
【0224】
判定規則管理設定手段30は、判定基準保持手段7が保持している各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件での、各種パラメータの値や閾値や係数の値を記録している。また、判定規則管理設定手段30には、これらの値を操作するためのインターフェイスがあり、外部から更新の指示を受けると、STEP01の初期化で、判定基準保持手段7が保持している各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件での、各種パラメータの値や閾値や係数の値を変更する。
例えば、実施の形態1での[式1]のパラメータを変更して、距離の差に反比例した値を散乱点間評価値とするような変更を行える。なお、STEP01の初期化で判定規則管理設定手段30が各種パラメータの値や閾値や係数の値を変更した後の手順は、実施の形態1と同じであるため、各STEPでの詳細な動作の説明は省略する。
【0225】
検証項目設定手段31は、任意の検証項目保持手段を組み合わせた構成に対応が可能であるが、実施の形態13では、実施の形態4のノイズ対応検証項目保持手段17と実施の形態6の距離密集度対応検証項目保持手段19を組み合わせた構成を例に説明する。
ここで、検証項目設定手段31では、ノイズ対応検証項目保持手段17のノイズ対応相関行列評価値算出法でのノイズ評価係数や、距離密集度対応検証項目保持手段19の[式7]の定数dや分離評価係数などのパラメータの値を記録しており、また、任意の値を設定するインターフェイスも提供する。また、ノイズ対応相関行列評価値算出法での「ノイズ評価値」と基準点間距離対応相関行列評価値算出法での「2点分離評価値」の重み付けを任意に設定するインターフェイスも提供する。
検証項目設定手段31では、各検証項目保持手段が保持している検証項目の規則をマージする。ここでは、ノイズ対応検証項目保持手段17と距離密集度対応検証項目保持手段19が保持している規則をマージして、検証項目1、検証項目2、検証項目3、検証項目4を、この実施の形態での検証項目とする。
【0226】
この実施の形態13で、相関・検証管理手段8はSTEP03−2−2で各散乱点相関行列の評価値を算出する時に、検証項目設定手段31が設定したノイズ評価係数や、[式7]の定数dや分離評価係数などのパラメータの値を使って、ノイズ対応検証項目保持手段17と距離密集度対応検証項目保持手段19の両方のルールで評価値を算出する。さらに、検証項目設定手段31を参照して、両者の重み付け情報を得て、両方のルールで算出した評価値から、最終的な評価値を算出する。
【0227】
また、相関・検証管理手段8はSTEP03−3で検証対象行列でクラスタの結果を検証する時に、マージした、検証項目1、検証項目2、検証項目3、検証項目4に対して検証を実行し、結果をクラスタ管理手段11に記録する。
【0228】
なお、上記で説明したSTEP01の初期化と、STEP03−2−2での各散乱点相関行列の評価値算出、TEP03−3での検証対象行列でクラスタの検証以外は、実施の形態1と同様に動作するため、説明を省略する。
【0229】
このように、本装置では、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件での、各種パラメータの値や閾値や係数の値として、任意の値を設定して、超解像処理の結果を検証できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
ここで設定する値は、評価値算出の基礎となる散乱点判定行列での生成条件である。この条件を任意に設定できることで、超解像処理の評価をより柔軟に行える効果がある。
【0230】
また、本装置では、相関評価値算出法と検証項目に対して、各種パラメータの値や閾値や係数の値を管理し、外部からこれらの値を変更することで各算出法を任意に設定でき、かつ、複数の検証項目保持手段を任意の組み合わせで選択し、各相関評価値算出法の評価値の間での重み付けをも設定できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
これにより、様々な相関評価値算出法と検証項目を組み合わせ、かつ、それらの重み付けをして散乱点相関行列の選択基準となる評価値を算出し、検証作業を行うことができる。このため、超解像処理の検証をより柔軟に行える効果がある。
【0231】
上記の実施の形態では、実施の形態1に各手段を加えた構成で説明したが、実施の形態2から実施の形態11に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、検証項目保持手段として、ノイズ対応検証項目保持手段17と距離密集度対応検証項目保持手段19とを加える例で説明したが、他の実施の形態の検証項目保持手段を、任意の個数で、任意の組み合わせで加えても、相関・検証管理手段8は対応することが可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0232】
実施の形態14.
以下、第14発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図39はこの発明の実施の形態14によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図39では、実施の形態13の構成に動的判定検証項目管理設定手段32を加えた構成である。
動的判定検証項目管理設定手段32は、評価実行中に、処理対象の画像データに依存して、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件や、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目の切り替えの設定及び指示ができる手段である。
【0233】
動的判定検証項目管理設定手段32では、処理対象の画像データに依存して、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件や、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目に対する切り替えの判断基準と、切り替え方法を設定するインターフェイスを提供する。また、設定されない場合に対応して、デフォルトの処理対象の画像データに依存して、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件や、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を切り替える判断基準と、切り替え方法を保持している。
【0234】
実施の形態14では、STEP01で、動的判定検証項目管理設定手段32を使って、処理対象の画像データに依存して、各種判断条件や、切り替え方法を設定できる。動的判定検証項目管理設定手段32は、選択された切り替えの判断基準を、検証装置制御手段2経由で、正解画像管理手段3と、相関・検証管理手段8へ送る。
【0235】
実施の形態14では、STEP02とSTEP03は次のようになる。正解画像管理手段3はSTEP02で、相関・検証管理手段8はSTEP03で、切り替えの判断基準を調査しながら、それぞれのステップを進める。ここで、切り替えの判断基準を満たした場合には、動的判定検証項目管理設定手段32へ条件が満たされたことを通知する。
動的判定検証項目管理設定手段32では通知を受け取ると、設定済みの切り替え方法を参照して、判定規則管理設定手段30と検証項目設定手段31を使って、必要なパラメータ等の変更を行う。変更が完了後に、動的判定検証項目管理設定手段32からの完了通知を受け取った正解画像管理手段3または相関・検証管理手段8は、それぞれのステップを進める。なお、各ステップでの詳細な動作は、実施の形態13と同じため省略する。
【0236】
このように、本装置では、評価実行中に、処理対象の画像データに依存して、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件や、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目の切り替えの設定及び指示ができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
超解像処理の結果を散乱点を基準に比較する場合には、散乱点の密集密度などにより、評価値での重み付けを変更することで、検証対象行列選択の基準となる相関評価値を、より適切に算出できることがある。
本装置を利用することで、評価実行中に、評価対象の画像の状況に適した条件を動的に選択することができれば、このようなケースで、より適切な散乱点の対応関係を選択して検証を行えるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
【0237】
上記の実施の形態では、実施の形態13に手段を加えた構成で説明したが、他の実施の形態も含めて組み合わせても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0238】
実施の形態15.
以下、第15発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図40はこの発明の実施の形態15によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図40は、実施の形態13に模擬条件対応検証項目選択手段33を加えた構成である。
模擬条件対応検証項目選択手段33は超解像処理で利用したアルゴリズムやセンサの緒元やデータ生成時のシミュレーションの条件などの前提条件から、検証で利用する各種パラメータを選択する手段である。
【0239】
実施の形態15で模擬条件対応検証項目選択手段33は超解像処理で利用したアルゴリズムやセンサの緒元やデータ生成時のシミュレーションの条件などの前提条件から、検証で利用する各種パラメータを自動的に選択する。
実施の形態15では、判定規則管理設定手段30と検証項目設定手段31があるので、自動的に選択した検証で利用する各種パラメータは、判定規則管理設定手段30を使って判定基準保持手段7へ、検証項目設定手段31を使って各検証項目保持手段へ反映させる。なお、判定規則管理設定手段30を使って散乱点判定行列の生成ルールを変更する手順や、検証項目設定手段31を使って各検証項目保持手段を組み合わせて利用する手順は、実施の形態13と同じである。
【0240】
このように、本装置では、超解像処理で利用したアルゴリズムやセンサの緒元やデータ生成時のシミュレーションの条件などの前提条件から、検証で利用する各種パラメータを選択できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
本装置の超解像処理の検証では、シミュレーションによる正解画像と処理結果を比較して検証を行う。このため、シミュレーションの条件などの前提条件から、検証を行う時の適切なパラメータがわかるケースもある。
本装置を利用することで、このようなケースで、適切なパラメータを設定して、超解像処理の検証を行える効果がある。
【0241】
上記の実施の形態では、実施の形態13に模擬条件対応検証項目選択手段33を加えた構成で説明したが、実施の形態14に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0242】
実施の形態16.
以下、第16発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図41はこの発明の実施の形態16によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図41では、実施の形態1に相関行列・検証結果保存手段34と再検証制御手段35とを加えた構成である。
相関行列・検証結果保存手段34は、相関・検証管理手段8で生成される全ての散乱点相関行列を記録しておく手段である。
再検証制御手段35は、相関行列・検証結果保存手段34が記録している散乱点相関行列の情報を使って散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を変えて処理結果画像を再検証できる手段である。
【0243】
実施の形態16では、相関・検証管理手段8に相関行列・検証結果保存手段34が接続されている。この場合、相関・検証管理手段8は、検証装置制御手段2から指示されてSTEP03のステップを開始するときに(STEP03−1を最初に実行する時に)、クラスタ管理手段11の内容を記録するように相関行列・検証結果保存手段34へ指示してから、以後のステップを開始する。
また、各STEP03−2−2で散乱点相関行列を生成する度に、その散乱点相関行列を相関行列・検証結果保存手段34へ記録する。相関行列・検証結果保存手段34では、クラスタ別に散乱点相関行列を記録しておく。ここでは、算出した全ての散乱点相関行列が記録される。
検証作業実行中に、上記の作業を実行することで、超解像画像の評価処理中に算出した散乱点相関行列及び、散乱点相関行列生成直前のクラスタ管理手段11の情報が、相関行列・検証結果保存手段34に記録される。
【0244】
再検証制御手段35は、一旦評価作業が終わった後で、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を変えて再検証したい時に使用する。ここでは、既に1回以上通常の超解像処理の評価作業が完了していて、かつ、その情報が相関行列・検証結果保存手段34に記録されていることが前提になる。
再検証は次の手順で実行する。まず、再検証制御手段35は、クラスタ管理手段11と相関行列・検証結果保存手段34へ、クラスタ管理手段11の内容を相関行列・検証結果保存手段34に記録された状態に設定するようにに指示を出す。
また、検証項目保持手段9へ、再検証で利用する、新たな散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を指示する。この指示を受けると、相関行列・検証結果保存手段34は、自分の内部に記録された情報を使って、クラスタ管理手段11の内容を設定する。クラスタ管理手段11の内容の設定が終了すると、その旨を再検証制御手段35へ通知する。
【0245】
再検証制御手段35は、相関行列・検証結果保存手段34からのクラスタの設定完了通知を受け取ると、再検証を開始する。この再検証の処理ステップは、基本的に実施の形態1のSTEP03と同じである。ただし、STEP03−2−1では散乱点相関行列の生成は行わず、相関行列・検証結果保存手段34に記録されている散乱点相関行列を1個づつ取出して実行する。他の処理ステップは、実施の形態1のSTEP03と同じである。
【0246】
相関行列・検証結果保存手段34では、散乱点相関行列をクラスタ別に記録している。このため、再検証制御手段35は、各クラスタ単位で、STEP03−2の処理を行い、評価結果を相関・検証管理手段8と同じように、クラスタ管理手段11へ記録していく。
再検証制御手段35の再検証は、相関行列・検証結果保存手段34の散乱点相関行列に対して、評価値の再計算が終了するまで繰り返す。
【0247】
このように、本装置では、超解像画像の検証中に算出した散乱点相関行列の処理結果を保持しておき、このデータを使って散乱点相関行列に対する評価値の算出方法や検証項目を変えた時の検証結果を効率良く算出できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
このため、同じ画像データに対して、散乱点相関行列に対する評価値の算出方法や検証項目を変えた時の再検証を容易に、かつ、効率良く実行できる効果がある。
クラスタが大きくなり、散乱点判定行列に含まれる基準点や評価対象点が増えると、そこから生成される散乱点判定行列も多くなる。このため、クラスタが大きくなるような画像データに対して、評価値の算出方法や検証項目を変えた再検証を最初からやり直すと実行時間がかかる。本装置を利用することで、この再計算を効率良く実行できる効果がある。
【0248】
上記の実施の形態では、新たな散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を指示する例で説明したが、この新たな評価値の算出方法と検証項目は任意のものを設定可能であり、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。例えば、評価値の算出方法はそのままで、相関評価値が(2番目や3番目がある場合に)2番目や3番目のものを検証対象行列として検証を行うといった設定も可能である。
このように、本装置を利用することで、相関評価値が最大となる以外の散乱点の対応の候補についても、検証を行うことができるSAR超解像画像検証装置を得られる効果もある。
上記の実施の形態では、実施の形態1に各手段を加えた構成で説明したが、他の実施の形態に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0249】
実施の形態17.
以下、第17発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図42はこの発明の実施の形態17によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図42では、実施の形態1に再判定・検証制御手段36と判定行列保存手段37とを加えた構成である。
判定行列保存手段37は判定行列管理手段6が判定処理完了時までにクラスタ管理手段11へ保存する散乱点判定行列の算出情報と正解と処理結果画像の散乱点に関する情報を記録しておく手段である。
再判定・検証制御手段36は、判定行列保存手段37が記録している散乱点判定行列の情報を使って、散乱点相関行列の生成ルールと、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と、選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を変えて処理結果画像を再検証できる手段である。
【0250】
実施の形態17では、判定行列管理手段6に判定行列保存手段37が接続されている。この場合、判定行列管理手段6は、STEP02での処理を完了して検証装置制御手段2に通知する時(STEP−02−11からSTEP03へ進む直前)に、判定行列保存手段37へ、クラスタ管理手段11の内容を記録するように指示する。この時判定行列保存手段37は、クラスタ管理手段11から散乱点判定行列の情報を取出して記録する。また、基準点表や評価点表の情報も同時に記録する。
評価作業実行中に、上記の作業を実行することで、超解像画像の検証中に算出した散乱点判定行列及び、散乱点判定行列生成直後のクラスタ管理手段11の情報が、判定行列保存手段37に記録される。
【0251】
再判定・検証制御手段36は、一旦評価作業が終わった後で、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目に加えて、散乱点相関行列の生成ルールをも変えて、処理結果画像を再検証したい時に使用する。ここでは、既に1回以上通常の超解像処理の検証作業が完了していて、かつ、その情報が判定行列保存手段37に記録されていることが前提になる。
再検証は次の手順で実行する。まず、再判定・検証制御手段36は、クラスタ管理手段11と判定行列保存手段37へ、クラスタ管理手段11の内容を判定行列保存手段37に記録された状態に設定するように指示を出す。
また、再判定・検証制御手段36は、相関行列生成ルール保持手段10へ新たな散乱点相関行列の生成ルールを指示する。検証項目保持手段9へは、再検証で利用する、新たな散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を指示する。
この指示を受けると、判定行列保存手段37は、自分の内部に記録された情報を使って、クラスタ管理手段11の内容を設定する。クラスタ管理手段11の内容の設定が終了すると、その旨を再判定・検証制御手段36へ通知する。
再判定・検証制御手段36は、判定行列保存手段37からのクラスタの設定完了通知を受け取ると、再検証を開始する。この再計算の処理ステップは、基本的にSTEP03と同じである。この再計算では、再判定・検証制御手段36が通常実行時の相関・検証管理手段8でのSTEP03と同じ動作をする。
【0252】
このように、本装置では、超解像画像の検証中に算出した散乱点判定行列の処理結果を保持しておき、このデータを使って、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目に加えて、散乱点相関行列の生成ルールをも変えた時の検証を効率良く実行できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
このため、同じ画像データに対して、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目に加えて、散乱点相関行列の生成ルールをも変えた時の再検証を容易に、かつ、効率良く実行できる効果がある。
【0253】
上記の実施の形態では、実施の形態1に各手段を加えた構成で説明したが、他の実施の形態に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0254】
実施の形態18.
以下、第18発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図43はこの発明の実施の形態18によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図43では、実施の形態17に部分再検証制御手段38を加えた構成である。
部分再検証制御手段38は、指定したクラスタでのみ再検証を実行する制御を行うことができる手段である。
【0255】
部分再検証制御手段38は、一旦評価作業が終わった後で、再検証を実行する時に、画像データ全体ではなく、指定したクラスタだけを再検証したい時に使用する。ここでは、既に1回以上通常の超解像処理の検証作業が完了していて、かつ、その散乱点判定行列または散乱点相関行列の情報が記録されていることが前提になる。この実施の形態では、実施の形態17へ部分再検証制御手段38を加えた構成のため、判定行列保存手段37に散乱点判定行列が記録されている例で説明する。
再検証は次の手順で実行する。まず、部分再検証制御手段38は、記録されている散乱点判定行列または散乱点相関行列の情報を使って再検証を制御する手段に、クラスタ管理手段11への情報の設定と、新たな散乱点相関行列の生成ルールや、再検証で利用する、新たな散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目の設定を指示する。
この実施の形態では、実施の形態17へ部分再検証制御手段38を加えた構成のため、部分再検証制御手段38は、再判定・検証制御手段36へ指示を出す。再判定・検証制御手段36では、実施の形態17と同じ手順で、クラスタ管理手段11の内容を判定行列保存手段37に記録された状態に設定するようにし、検証項目保持手段9へは、再検証で利用する、新たな散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目の設定を行う。
次に、部分再検証制御手段38は、前記の処理でクラスタ管理手段11へ設定された情報のうち、再検証で指定したクラスタ以外の情報を削除するように、クラスタ管理手段11へ指示を出す。
最後に、部分再検証制御手段38は、記録されている散乱点判定行列または散乱点相関行列の情報を使って再検証を制御する手段に、再検証の開始を指示する。
この実施の形態では、実施の形態17へ部分再検証制御手段38を加えた構成のため、部分再検証制御手段38は、再判定・検証制御手段36へ指示を出す。ここで、再判定・検証制御手段36では、実施の形態17と同じ手順で、再検証の実行を制御する。ただし、クラスタ管理手段11には、部分再検証制御手段38によって再検証を指定したクラスタの情報だけが記録されている。このため、処理ステップを進める手順は実施の形態17と同じだが、再検証の実行範囲は、指定したクラスタだけとなる。
【0256】
このように、本装置では、指定したクラスタでのみ再検証を実行できるSAR超解像画像検証装置を得ることができる。指定したクラスタだけで再検証を実行できると、必要な範囲に絞った再検証が可能となり、再検証にかかる実行時間を短縮できる効果がある。また、必要な情報だけを再検証するため、利用者が再検証結果を調査する時に、必要な情報に集中して再検証できる効果がある。
【0257】
上記の実施の形態では、実施の形態17に手段を加えた構成で説明したが、実施の形態16に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0258】
実施の形態19.
以下、第19発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図44はこの発明の実施の形態19によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図44では、実施の形態1に検証結果検索手段39を加えた構成である。
検証結果検索手段39は、クラスタ管理手段11に記録された検証情報を検索できる手段である。
【0259】
この実施の形態では、既にSTEP1からSTEP4までの検証実行が1通り完了して、STEP04−2とSTEP04−3で、装置の利用者が各種の検証操作を入力してからの動作を説明する。なお、検証実行が完了するまでの動作は実施の形態1と同じため省略する。
ここでは、まず、STEP04−2で、検証結果インターフェイス手段12へ、装置の利用者が検証結果に対する検索の指示を出す。検証結果インターフェイス手段12は、STEP04−3でこの検索の指示を検証結果検索手段39へ伝え、検索の実行を指示する。検索実行の指示を受けた検証結果検索手段39は、指示された検索条件に従って、クラスタ管理手段11に記録された検証結果の情報を検索する。そして、検索結果を検証結果インターフェイス手段12へ戻す。検索結果を受け取った検証結果インターフェイス手段12は、それを装置の利用者へ提示して、再びSTEP04−2へ戻り、次の操作を受け付けられるようにする。
【0260】
このように、本装置では、クラスタ管理手段11に記録された検証結果の情報を、任意の検索式を用いて検索できるSAR超解像画像検証装置を得られる効果がある。
このため、散乱点が2個以上消失しているクラスタ等の条件で検証結果を検索できることで、超解像処理結果で問題となる現象が起こっている場所を効率良く見つけることができる効果がある。
また、散乱点の合成が起きているクラスタなど、特定の現象(処理結果)が発生している場所を、効率良く見つけることができる効果もある。
【0261】
上記の実施の形態では、実施の形態1に手段を加えた構成で説明したが、他の実施の形態に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0262】
実施の形態20.
以下、第20発明の一実施の形態を図を用いて説明する。図45はこの発明の実施の形態によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。図45では、実施の形態1に内部情報記録手段40と、内部情報検索手段41を加えた構成である。
内部情報記録手段40は、超解像計算実行時の内部情報を設定できる手段である。内部情報検索手段41は、クラスタ管理手段11の記録内容に対応する内部情報記録手段40に記憶された超解像計算実行時の内部情報を選択して、検証結果インターフェイス手段12への表示を指示する手段である。図46は、超解像計算実行時の内部情報の一例である。
【0263】
超解像処理を実現する装置では、デバッグや評価で使うための内部情報を出力するものがある。内部情報記録手段40は、こうした内部情報を、SAR超解像画像検証装置1で利用するために、設定(記憶)しておく手段である。
ここで、内部情報記録手段40に設定する情報の一例として、MUSICを用いた超解像処理の内部情報を図46に示す。
【0264】
内部情報検索手段41は、既にSTEP1からSTEP4までの検証実行が1通り完了して、STEP04−2とSTEP04−3で、装置の利用者が各種の検証操作を入力してから動作する手段である。このため、ここでは、検証実行が完了するSTEP04−2より前の動作は実施の形態1と同じため省略する。
この実施の形態では、まず、STEP04−2で、検証結果インターフェイス手段12が、装置の利用者から対象のクラスタに対する超解像計算実行時の内部情報の表示の指示を受ける。
検証結果インターフェイス手段12は、STEP04−3でこの内部情報の表示の指示を内部情報検索手段41へ伝える。
内部情報の表示の指示を受けた内部情報検索手段41は、指示に従って、対象のクラスタの位置情報をクラスタ管理手段11から入手し、このクラスタの位置情報を元に、内部情報記録手段40から、クラスタに対応した超解像計算実行時の内部情報を取出して、検証結果インターフェイス手段12へ渡す。
図46はこのような内部情報の一例である。図46は各行の解像度を向上させるMUSIC超解像処理での内部情報であり、固有値情報と評価値情報である。各行の解像度を向上させるMUSIC超解像処理では、各行に存在する散乱点数を推定し、対象の行には推定した個数の散乱点があると仮定して、解像度の向上を実行する。
ここで、存在する散乱点数を推定する基準となるのが、各行毎に算出する固有値である。この固有値を元に、評価関数を使って評価値を算出し、散乱点数を推定する。このため、超解像処理の結果がうまくうかなかった時に、固有値がどうなっていたか、評価値がどうなっていたかを知ることで、超解像処理のどの部分に課題があるかを解析する助けになる。
内部情報検索手段41から処理結果としての超解像計算実行時の内部情報を受け取った検証結果インターフェイス手段12は、それを装置の利用者へ提示して、再びSTEP04−2へ戻り、次の操作を受け付けられるようにする。
【0265】
このように、本装置では、超解像処理の検証結果と連動して、超解像計算実行時の内部情報を表示できるSAR超解像画像検証装置を得ることができる。
検証結果と連動して超解像計算実行時の内部情報を表示できることで、問題となる処理結果の発生原因の解析や、超解像処理プログラムのデバッグで有効な情報を提供でき、超解像処理を利用した様々なシステムの開発を効率化できる効果がある。
【0266】
上記の実施の形態では、実施の形態1に各手段を加えた構成で説明したが、他の実施の形態に加えても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0267】
なお、幾つかの実施の形態およびその変形例につき説明してきたが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらの可能の組み合わせも含むことは言うまでもない。
また検証装置制御手段2で装置全体の制御を行うようにしてもよいが、各々の手段がそれぞれ関連する手段と直接連係されるようにしてもよく、その場合には検証装置制御手段2を特に設ける必要はない。
また、この発明はSAR超解像画像検証装置だけに限定されるものではなく、一般的な超解像画像検証装置に適用可能である。
【0268】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、電波画像の正解画像とその散乱点の情報及び前記正解画像に超解像処理を施した超解像処理結果の画像とその散乱点の情報結果を入力として超解像処理結果の評価・検証をする超解像画像検証装置であって、散乱点判定行列生成の基準となる正解画像と超解像処理結果画像の各散乱点の間での対応に関する評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件とを保持している判定基準保持手段と、前記正解画像及び前記超解像処理結果画像のそれぞれの散乱点の情報から前記判定基準保持手段の評価値の算出方法および散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件を参照して散乱点間の相関の評価値を算出し、その算出結果から散乱点判定行列とクラスタを生成する判定行列管理手段と、散乱点相関行列の生成ルールを保持している相関行列生成ルール保持手段と、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している検証項目保持手段と、前記判定行列管理手段が算出した散乱点判定行列と、前記正解画像と前記超解像処理結果画像の散乱点の情報とをクラスタ単位で記録・管理するクラスタ管理手段と、前記相関行列生成ルール保持手段の散乱点相関行列の生成ルールと、前記検証項目保持手段の散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目とを参照して前記クラスタ管理手段が保持している散乱点判定行列から散乱点相関行列を生成して評価値を算出し、この評価値を元に生成した散乱点相関行列を選択し、選択した散乱点相関行列を使って対象のクラスタの処理結果を検証し、また生成した散乱点相関行列とその検証結果を前記クラスタ管理手段でクラスタ単位で記録・管理させる相関・検証管理手段と、前記クラスタ管理手段の検証結果を参照して検証結果を表示するとともに外部から検証結果を調査するためのインターフェイスを提供する検証結果インターフェイス手段と、を備えたことを特徴とする超解像画像検証装置としたので、正解画像と超解像処理結果の画像データを使って両者の違いを適切に比較し超解像処理結果の検証が行える超解像画像検証装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図2】この発明による検証装置制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【図3】この発明による判定行列管理手段の動作を示すフローチャート図である。
【図4】この発明による相関・検証管理手段の動作を示すフローチャート図である。
【図5】この発明による検証結果インターフェイス手段の動作を示すフローチャート図である。
【図6】この発明による仮散乱点判定行列について説明するための図である。
【図7】この発明による正解に対応する処理結果がない時の散乱点判定行列を説明する図である。
【図8】この発明による散乱点判定行列の合成を説明する図である。
【図9】この発明による散乱点相関行列生成ルールを説明する図である。
【図10】この発明によるクラスタ管理手段で保持している情報の例を説明する図である。
【図11】この発明による生成可能な散乱点相関行列の一覧の一例を示す図である。
【図12】この発明の効果を説明するための図である。
【図13】この発明の効果を説明するための図である。
【図14】この発明の実施の形態1における変形例でのクラスタ管理手段で保持している評価対象点表の一例を示す図である。
【図15】この発明の装置をSAR画像以外へ適用するための説明図である。
【図16】この発明の実施の形態2によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図17】この発明の実施の形態2による連係表示の例を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態3によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図19】この発明の実施の形態4によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図20】この発明の実施の形態4におけるクラスタ管理手段に記録されるクラスタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態5によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図22】この発明の実施の形態5におけるクラスタ管理手段に記録される評価対象点表の一例を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態5における検証装置制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【図24】この発明の実施の形態6によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図25】この発明の実施の形態6におけるクラスタ管理手段に記録されるクラスタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図26】この発明の実施の形態7によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図27】この発明の実施の形態7におけるクラスタ管理手段に記録されるクラスタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図28】この発明の実施の形態8によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図29】この発明の実施の形態8におけるクラスタ管理手段に記録されるクラスタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図30】この発明の実施の形態8における合成型検証項目保持手段と合成型相関行列生成ルール保持手段を使って新たに算出されるようになる散乱点相関行列の一例を示す図である。
【図31】この発明の実施の形態8における効果を説明するための図である。
【図32】この発明の実施の形態9によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図33】この発明の実施の形態10によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図34】この発明の実施の形態10におけるクラスタ管理手段に記録されるクラスタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図35】この発明の実施の形態10における効果を説明するための図である。
【図36】この発明の実施の形態11によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図37】この発明の実施の形態12によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図38】この発明の実施の形態13によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図39】この発明の実施の形態14によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図40】この発明の実施の形態15によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図41】この発明の実施の形態16によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図42】この発明の実施の形態17によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図43】この発明の実施の形態18によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図44】この発明の実施の形態19によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図45】この発明の実施の形態20によるSAR超解像画像検証装置の構成図である。
【図46】この発明の実施の形態20における超解像計算実行時の内部情報の一例を示す図である。
【図47】超解像画像検証装置における課題を説明するための図である。
【図48】超解像画像検証装置における課題を説明するための図である。
【図49】超解像画像検証装置における課題を説明するための図である。
【図50】超解像画像検証装置における課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1 SAR超解像画像検証装置、2 検証装置制御手段、3 正解画像管理手段、4 超解像処理結果画像管理手段、5 頂点情報生成手段、6 判定行列管理手段、7 判定基準保持手段、8 相関・検証管理手段、9 検証項目保持手段、10 相関行列生成ルール保持手段、11 クラスタ管理手段、12 検証結果インターフェイス手段、13 画像情報連係手段、14 理論正解頂点情報管理手段、15 理論正解対応判定基準保持手段、16 理論正解対応検証項目保持手段、17 ノイズ対応検証項目保持手段、18 クラスタ外ノイズ検証手段、19 距離密集度対応検証項目保持手段、20 移動方向対応検証項目保持手段、21 合成型検証項目保持手段、22 合成型相関行列生成ルール保持手段、23 距離密集度対応合成型検証項目保持手段、24 合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段、25 入力画像管理手段、26 入力画像クラスタ範囲算出手段、27 入力画像対応検証項目保持手段、28 合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段、29 可変頂点情報算出手段、30 判定規則管理設定手段、31 検証項目設定手段、32 動的判定検証項目管理設定手段、33 模擬条件対応検証項目選択手段、34 相関行列・検証結果保存手段、35 再検証制御手段、36 再判定・検証制御手段、37 判定行列保存手段、38 部分再検証制御手段、39 検証結果検索手段、40 内部情報記録手段、41 内部情報検索手段。
Claims (21)
- 電波画像の正解画像とその散乱点の情報及び前記正解画像に超解像処理を施した超解像処理結果の画像とその散乱点の情報結果を入力として超解像処理結果の評価・検証をする超解像画像検証装置であって、
散乱点判定行列生成の基準となる正解画像と超解像処理結果画像の各散乱点の間での対応に関する評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件とを保持している判定基準保持手段と、
前記正解画像及び前記超解像処理結果画像のそれぞれの散乱点の情報から前記判定基準保持手段の評価値の算出方法および散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件を参照して散乱点間の相関の評価値を算出し、その算出結果から散乱点判定行列とクラスタを生成する判定行列管理手段と、
散乱点相関行列の生成ルールを保持している相関行列生成ルール保持手段と、
散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している検証項目保持手段と、
前記判定行列管理手段が算出した散乱点判定行列と、前記正解画像と前記超解像処理結果画像の散乱点の情報とをクラスタ単位で記録・管理するクラスタ管理手段と、
前記相関行列生成ルール保持手段の散乱点相関行列の生成ルールと、前記検証項目保持手段の散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目とを参照して前記クラスタ管理手段が保持している散乱点判定行列から散乱点相関行列を生成して評価値を算出し、この評価値を元に生成した散乱点相関行列を選択し、選択した散乱点相関行列を使って対象のクラスタの処理結果を検証し、また生成した散乱点相関行列とその検証結果を前記クラスタ管理手段でクラスタ単位で記録・管理させる相関・検証管理手段と、
前記クラスタ管理手段の検証結果を参照して検証結果を表示するとともに外部から検証結果を調査するためのインターフェイスを提供する検証結果インターフェイス手段と、
を備えたことを特徴とする超解像画像検証装置。 - 正解画像および超解像処理結果の画像の画像データからこれらの散乱点の情報を生成する頂点情報生成手段と、
前記正解画像とその散乱点の情報を保持している正解画像管理手段と、
前記超解像処理結果の画像とその散乱点の情報を保持している超解像処理結果画像管理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超解像画像検証装置。 - 散乱点の情報が頂点の位置とパワーの情報からなり、検証結果インターフェイス手段を介しての外部からの指示で、正解画像管理手段が保持している正解画像および超解像処理結果画像管理手段が保持している超解像処理結果画像の各種画像情報に対して、クラスタ管理手段の保持している散乱点の情報中の頂点の位置の情報に対応する画像上の位置を算出する画像情報連係手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の超解像画像検証装置。
- 正解画像生成時のシミュレーションでの設定条件からの理論上の正解の散乱点の情報を保持している理論正解頂点情報管理手段と、
前記判定基準保持手段の代わりに、正解画像の散乱点と理論上の正解の散乱点の両方を使った、超解像処理結果画像の各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件とを保持している理論正解対応判定基準保持手段と、
前記検証項目保持手段の代わりに、前記理論正解対応判定基準手段の評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件で生成された散乱点判定行列を使って生成された散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している理論正解対応検証項目保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 前記検証項目保持手段又は前記理論正解対応検証項目保持手段の代わりに、対応する正解画像の散乱点がないと判定した処理結果画像の散乱点をノイズと見なし、このノイズをも考慮した散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持しているノイズ対応検証項目保持手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
- クラスタに所属しないため、散乱点相関行列を基準とした検証に反映されない処理結果画像の散乱点をノイズと見なし、このノイズに対する検証を行うクラスタ外ノイズ検証手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の超解像画像検証装置。
- 前記検証項目保持手段又は前記理論正解対応検証項目保持手段の代わりに、分離できた正解画像の散乱点間の距離及びクラスタ内に存在する正解画像の散乱点の密集度をも考慮した、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している距離密集度対応検証項目保持手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
- 前記検証項目保持手段又は前記理論正解対応検証項目保持手段の代わりに、正解画像の散乱点と処理結果画像でのずれの方向も考慮した、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している移動方向対応検証項目保持手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
- 前記相関行列生成ルール保持手段の代わりに、超解像処理の結果、正解画像の複数の散乱点に対して複数の散乱点が合成された1つの合成散乱点が生成された場合の、正解画像の複数の散乱点と超解像処理での1つの合成散乱点とが対応するような散乱点相関行列を生成する散乱点相関行列の生成ルールを保持している合成型相関行列生成ルール保持手段と、
この合成型相関行列生成ルール保持手段を使って生成した散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している合成型検証項目保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 前記合成型相関行列生成ルール保持手段の代わりに、これに合成散乱点の判定ルールを任意に設定する機能を付加した合成点判定ルール設定対応相関行列生成ルール保持手段と、
前記合成型検証項目保持手段の代わりに、合成散乱点を含む散乱点相関行列を使った検証で、合成散乱点に対応する正解画像の各々の散乱点間の距離と密集度をも考慮した、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している距離密集度対応合成型検証項目保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9記載の超解像画像検証装置。 - 超解像処理に対する入力画像とその散乱点の情報を保持している入力画像管理手段と、
算出したクラスタに対応した前記入力画像の領域を算出する入力画像クラスタ範囲算出手段と、
前記各検証項目保持手段の代わりに、前記入力画像での散乱点数と処理結果画像で検出した散乱点数を比較した結果をも考慮した散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している入力画像対応検証項目保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 超解像処理に対する入力画像とその散乱点の情報を保持している入力画像管理手段と、
算出したクラスタに対応した前記入力画像の領域を算出する入力画像クラスタ範囲算出手段と、
前記検証項目保持手段の代わりに、合成型相関行列生成ルール保持手段で生成した散乱点相関行列に対して、入力画像での散乱点数と処理結果画像で検出した散乱点数及び合成散乱点に対応する入力画像での散乱点数をも考慮して散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を保持している合成散乱点用入力画像対応検証項目保持手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9又は10記載の超解像画像検証装置。 - 前記頂点情報生成手段の代わりに、画像データから散乱点またはノイズを検出する方法を任意に設定して、散乱点情報を生成する可変頂点情報算出手段を備えたことを特徴とする請求項2ないし12のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
- 複数種の検証項目保持手段を備え、さらに
各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件での、各種パラメータの値、閾値および係数の値を管理し、これらの値を変更することで判断基準を外部から任意に設定する判定規則管理設定手段と、
各検証項目保持手段での、各種パラメータの値、閾値および係数の値を管理し、外部からこれらの値を変更することで各検証手段内部の値を任意に設定し、かつ、複数の検証項目保持手段を任意の組み合わせで選択し、各検証項目保持手段の間での重み付けをも設定する検証項目設定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし13のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 評価実行中に、処理対象の画像データに依存して、各散乱点の間での評価値の算出方法と散乱点判定行列及びクラスタの生成・更新条件、散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目の切り替えの設定及び指示をおこなう動的判定検証項目管理設定手段を備えたことを特徴とする請求項14記載の超解像画像検証装置。
- 超解像処理で利用したアルゴリズム、センサの緒元およびデータ生成時のシミュレーションの条件の前提条件から、検証で利用する各種パラメータを選択する模擬条件対応検証項目選択手段を備えたことを特徴とする請求項14又は15記載の超解像画像検証装置。
- 相関・検証管理手段で生成される全ての散乱点相関行列を記録しておく相関行列・検証結果保存手段と、
この相関行列・検証結果保存手段が記録している散乱点相関行列の情報を使って散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を変えて処理結果画像を再検証する再検証制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 判定行列管理手段が判定処理完了時までにクラスタ管理手段へ保存する散乱点判定行列の算出情報と正解と処理結果画像の散乱点に関する情報を記録しておく判定行列保存手段と、
この判定行列保存手段が記録している散乱点判定行列の情報を使って、散乱点相関行列の生成ルールと散乱点相関行列を選択する基準となる評価値の算出方法と選択した散乱点相関行列を使って検証する項目を変えて処理結果画像を再検証する再判定・検証制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。 - 指定したクラスタで再検証を実行する制御を行う部分再検証制御手段を備えたことを特徴とする請求項17又は18記載の超解像画像検証装置。
- クラスタ管理手段に記録された検証情報を検索する検証結果検索手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
- 超解像計算実行時の内部情報が記憶される内部情報記録手段と、
クラスタ管理手段の記録内容に対応する前記内部情報記録手段に記憶された超解像計算実行時の内部情報を選択して検証結果インターフェイス手段への表示を指示する内部情報検索手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1項記載の超解像画像検証装置。
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