JP2004294303A - レール表面特性評価方法、鉄道運行管理方法及びレール表面特性評価装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レール表面特性評価装置100をレールR上に設置し、本体103下面の2個の鋼球107をレールR表面に押し当てつつ移動させると、電気抵抗測定器155により2個の鋼球107間におけるレールR表面の電気抵抗が測定され、動歪みアンプ157により鋼球107とレールR表面との摩擦係数が測定される。さらに、エンコーダ145により鋼球107をレールR上で移動させる移動速度が得られ、この移動速度に対する摩擦係数の増減傾向が得られる。これらの電気抵抗、摩擦係数及び摩擦係数の増減傾向は、制御装置のレール表面特性評価部に入力され、レールRの表面特性が評価される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道レール表面の特性を評価する方法・装置、その特性の評価に基づいて鉄道の運行を管理する方法に関する。特には、鉄道レール表面の状態すなわち付着物の有無や種類等をより詳細に評価することのできるレール表面特性評価方法・装置等に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、鉄道のレール表面の摩擦係数を測定する機器として、トリボメータが知られている。このトリボメータは、レール表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定することのできる機器であって、現在広く使用されている。
【0003】
図9は、トリボメータを組み込んだレール摩擦力測定装置の一例を示す図である。
図9に示すように、摩擦力測定装置のトリボメータ1は、鋼製ブロックからなる本体3を備えている。この本体3の下面には、鋼球5が固定されている。この鋼球5は、直径10mmであって、レールRの長手方向に沿って2個(あるいは3個)固定されている。これらの鋼球5の下端は、トリボメータ1をレールR上に設置した際に、レールR表面に接する。トリボメータ1を設置した際の、鋼球5のレールR表面への接触圧は、実際の鉄道車両の車輪とレール間の接触圧とほぼ等しく設計されている。
【0004】
トリボメータ1の外側には、枠11が取り付けられている。この枠11には、走行輪13と案内輪15が回転可能に取り付けられている。走行輪13は、トリボメータ1を挟んで前後に2輪設けられている。これら走行輪13は、移動用の車輪である。案内輪15は、トリボメータ1の側部両側に2輪ずつ、計4輪設けられている(図9には片側の2輪のみ示されている)。各案内輪15は、枠11から垂下した軸16の下端に取り付けられている。各案内輪15は、外周面がレールRの頭頂部の側面に接するよう、横向きに配置されている。設置状態において、各案内輪15はレールR頭頂部の側面を挟んだ状態で配置され、外周面がレールRの頭頂部の側面に接触しつつ転動する。
【0005】
枠11の前部(図9の左側)には、ロードセル21及びてこ23が取り付けられている。ロードセル21には、ケーブルを介して動歪み測定器25及び記録計(ペンレコーダ)27が接続されている。トリボメータ1がレールRの表面上を移動する際に発生する摩擦力は、てこ23を介してロードセル21を圧縮する力に変換され、この力が動歪み測定器25で測定されて記録計27に記録される。さらに、枠11の前端部には、紐31が接続されている。この紐31の基端側は、巻取器33に巻き取られる。枠11と巻取器33は、紐31を介して接続されている。巻取器33で紐31を巻き取ると、紐31に引かれた枠11及びトリボメータ1が、レールRの長手方向に沿って移動する。
【0006】
このような摩擦力測定装置において、力の伝達系(巻取器33、紐31、枠11)の途中に適当なばね定数のばねを挿入すると、トリボメータ1がレールR表面上でいわゆるスティック・スリップ運動を起こす。このようにした場合は、レールRの静摩擦係数を得ることができる。あるいは、ばねを挿入せず、力の伝達系をほぼ剛体にした場合は、レールRの動摩擦係数を得ることができる。
【0007】
次に、前記の摩擦力測定装置の使用方法について説明する。
まず、図9に示すように、トリボメータ1及び巻取器33をレールR頭頂部に設置する。設置状態においては、トリボメータ1は鋼球5を介してレールR表面に接する。また、案内輪15の外周面は、レールR頭頂部の側面に接する。一方、巻取器33は、紐31をある程度引き出した状態で、トリボメータ1の前方(図9の左側)に設置される。
【0008】
設置終了後、摩擦力を測定する際には、巻取器33を巻いて紐31を巻き取り、枠11を引っ張ってトリボメータ1を移動させる。この移動時には、案内輪15がレールR頭頂部の側面を転動して、トリボメータ1がレールRから外れないようガイドする。トリボメータ1の移動速度を調整するには、巻取器33の紐巻き上げ速度を適宜調整する。
【0009】
そして、レールRの静摩擦係数を測定する場合は、巻取器33の作動後にトリボメータ1が動き出す直前の最大摩擦係数を読み取り、それらの平均値を記録計27に表示する。あるいは、レールRの動摩擦係数を測定する場合は、トリボメータ1の移動に伴い変動する摩擦係数の平均値を求め、それをチャート上に表示する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したトリボメータ1は、基本的には摩擦の実験用又は研究用の道具として設計・製作されており、装置を取り扱う際には測定者に一定以上の技量や経験が要求される。さらに、この種のトリボメータ1では、レールの静摩擦係数あるいは動摩擦係数の平均値を記録・表示することはできるが、測定によって取得したデータを解析し、それに基づいてレール表面の特性を評価することまでは行うことができない。そのため、従来のトリボメータ1よりも簡単に取り扱うことができ、現場等においても容易にデータ処理・評価を行うことができるシステムが求められている。
【0011】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであって、鉄道レール表面の状態すなわち付着物の有無や種類等をより詳細に評価することのできるレール表面特性評価方法・装置等を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のレール表面特性評価方法は、鉄道レールの表面に複数の表面接触子を押し当て、 該複数の表面接触子間における前記レール表面の電気抵抗を測定し、 前記表面接触子と前記レール表面との摩擦係数を測定し、 測定した電気抵抗及び摩擦係数から、前記レール表面の特性を評価することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、レール表面の摩擦係数に加えて電気抵抗を測定することで、これら電気抵抗と摩擦係数とに基づくレール表面の特性、例えば、油脂や落ち葉、赤錆等の付着物の有無や種類等を、より詳細に評価することができる。
【0014】
本発明のレール表面特性評価方法においては、前記表面接触子を前記レール上で移動させながら前記摩擦係数を測定し、その移動速度に対する摩擦係数の増減傾向をも含めて前記レール表面の特性を評価することができる。
この場合、表面接触子の移動速度に対する摩擦係数の増減傾向をも考慮することで、より精緻なレール表面特性評価を実現することができる。
【0015】
本発明のレール表面特性評価方法のより具体的な態様においては、 前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が低、及び、前記増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物なし且つ乾燥」と判定し、 前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物が砂」と判定し、 前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向が減少のときは、「レール表面付着物が赤錆」と判定し、 前記摩擦係数が低、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向が増加のときは、「レール表面付着物が固体潤滑剤」と判定し、あるいは、 前記摩擦係数が低、前記電気抵抗が低、及び、前記増減傾向が減少のときは、「レール表面が湿潤あるいは油脂付着」と判定することができる。
なお、前記の判定の全てを行う必要がない場合には、必要なものだけを行う。
【0016】
本発明の鉄道運行管理方法は、前記請求項1、2又は3記載の評価・判定、今後の列車運行予定及び天候予測に基づいて今後の処置を決定することを特徴とする。
この場合、レール表面付着物の種類に応じて、レール表面清掃や砂撒き、減速運転、そのままの通常運転継続等、適切なレールメンテナンスや鉄道運行を選択できる。したがって、安全性を確保しつつ、過剰な輸送力ダウンに結び付かない鉄道運行管理を実現できる。
【0017】
本発明のレール表面特性評価装置は、鉄道レールの表面に押し当てられる複数の表面接触子と、 該複数の表面接触子間における前記レール表面の電気抵抗を測定する電気抵抗測定手段と、 前記表面接触子と前記レール表面との摩擦係数を測定する摩擦係数測定手段と、 前記表面接触子を前記レール上で移動させた際の移動速度に対する前記摩擦係数の増減傾向を取得する取得手段と、 前記電気抵抗、前記摩擦係数、及び、前記摩擦係数の増減傾向から、前記レール表面の特性を評価する特性評価手段と、を具備することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るレール表面特性評価装置を模式的に示す側面図である。
図2は、同レール表面特性評価装置の正面図である。
図3は、同レール表面特性評価装置の背面図である。
図4は、同レール表面特性評価装置の制御系のブロック図である。
なお、以下の説明においては、特に断らない限り、上下・前後・左右とは図1〜図3中に示す矢印の方向を指すものとする。なお、それらの方向は、鉄道車両の姿勢に対応するものである。
【0019】
図1〜図3に示すように、このレール表面特性評価装置100は、鋼製のケースである本体103を備えている。この本体103の下面側には、四角形状をした2つの穴103aが形成されている。これらの穴103aの四隅には加工時の逃げ溝103a´が形成されている(図3参照)。本体103の各穴103a内には、MCナイロン等の絶縁材からなる絶縁ホルダー105を介して、鋼球107が収容されている。これらの鋼球107の下端は、本体103の下面よりも下側に突き出ており、レール表面特性評価装置100をレールR上に設置した際(図1及び図2に示す状態)にレールR表面に接する。鋼球107は、一例で直径が20mm程度、接触圧が686MPa程度である。
【0020】
図2及び図3に示すように、各絶縁ホルダー105の下面側は左右2つ(分割部105A、105B)に分割されているとともに、ほぼ半球状に抉られた収容部105Cを備えている。各絶縁ホルダー105は、収容部105C内において分割部105A、105Bで左右両側から挟み込むように鋼球107を収容している。絶縁ホルダー105の右側の分割部105Bは、中空ボルト121で本体103右側面側から押えられている。絶縁ホルダー105の左側の分割部105Aは、蝶ネジ135で本体103左側面側から押えられている。これら中空ボルト121及び蝶ネジ135により、鋼球107は、絶縁ホルダー105を介して本体103に保持されている。
【0021】
図2及び図3に示すように、中空ボルト121は、本体103右側面のネジ孔103bにねじ込まれている。この中空ボルト121は、頭部にメネジ121aを有する。中空ボルト121のメネジ121aには、MCナイロン等の絶縁材からなるスリーブ状の絶縁アダプター123が結合されている。さらに、この絶縁アダプター123の端部には、押しボルト127がねじ込まれている。この押しボルト127の軸部には、2個の皿ナット129が螺合しており、これら皿ナット129間には圧着端子131が挟まれている。この圧着端子131は、ケーブル132を介して、後述する電気抵抗測定器155(図1参照)に接続されている。
【0022】
中空ボルト121内及び絶縁アダプター123内には、通電ロッド125が配置されている。この通電ロッド125は、左端が絶縁ホルダー105の右側の分割部105Bを貫通して鋼球107に接触しており、右端が絶縁アダプター123内で押しボルト127端部に接触している。中空ボルト121と通電ロッド125間には、絶縁スリーブ124が介装されている。そのため、通電ロッド125は、両端が鋼球107と押しボルト127に接触して圧着端子131に導通可能となっているが、側周面はホルダー分割部105B・絶縁スリーブ124・絶縁アダプター123で絶縁されている。この通電ロッド125により、鋼球107は、圧着端子131からケーブル132を介して電気抵抗測定器155に電気的に接続される。
【0023】
一方、蝶ネジ135は、本体103左側面のネジ孔103cにねじ込まれている。この蝶ネジ135は、頭部にツマミ137を有する。蝶ネジ135の端部は、絶縁ホルダー105の左側の分割部105A外面に当たっており、この分割部105Aを鋼球107側に向けて押し付けている。
【0024】
図1及び図2に示すように、本体103の外側には、外枠141が取り付けられている。本体103上面と外枠141との間には、リニアスライダ147が介装されている。本体103は、外枠141内で前後方向にスムーズに移動できるようになっている。外枠141の四隅からは、軸141aが垂下している。図1に示すように、各軸141aの下端には、案内輪143が回転可能に取り付けられている(図1ではレール幅方向(左右方向)の片側のみが示されている)。案内輪143は、本体103の側部両側に2輪ずつ、計4輪設けられており、外周面がレールRの頭頂部の側面に接するよう、横向きに配置されている。設置状態において、各案内輪143はレールR頭頂部の側面を挟んだ状態で配置され、外周面がレールRの頭頂部の側面に接触しつつ転動する。
なお、案内輪143は、図2、図3では図示省略されている。
【0025】
図1に示すように、本体103の前部には、ロードセル151が取り付けられている。このロードセル151には、ケーブルを介して動歪みアンプ157が接続されている。一方、外枠141の前側の板141bにおいて、ロードセル151との対向位置には、突起152が取り付けられている。外枠141の板141bの前面には、レール表面特性評価装置100をレールR上で移動させる際に把持する把持部153が取り付けられている。この把持部153を把持してレール表面特性評価装置100をレールR上で移動させる際に発生する摩擦力は、板141b及び突起152を介してロードセル151を圧縮する力に変換され、この力が動歪みアンプ157で測定される。
なお、これらロードセル151等は、図2、図3では図示省略されている。
【0026】
さらに、外枠141の四隅の軸141aのうちの一つ(図1の前側)には、案内輪143の付け根にエンコーダ145が取り付けられている。このエンコーダ145は、レールR上でレール表面特性評価装置100を移動させる際の案内輪143の回転速度から、鋼球107がレールR上を移動する移動速度を検出して符号化し、図4に示す制御装置170へと出力する。
【0027】
図4に示すように、制御装置170は、レール表面特性評価部171及び運行管理部172を備えている。図1及び図2に示すように、レール表面特性評価装置100をレールR上に設置し、本体103下面の2個の鋼球107をレールR表面に押し当てつつ移動させる。すると、前述の電気抵抗測定器155により2個の鋼球107間におけるレールR表面の電気抵抗が測定され、動歪みアンプ157により鋼球107とレールR表面との摩擦係数が測定される。さらに、エンコーダ145により鋼球107をレールR上で移動させる移動速度が得られ、この移動速度に対する摩擦係数の増減傾向が得られる。図4の制御装置170のレール表面特性評価部171には、これらの電気抵抗、摩擦係数及び摩擦係数の増減傾向が入力される。そして、制御装置170の運行管理部172が、レール表面特性評価部171の判定、及び、今後の列車運行予定及び天候予測に基づいて、今後の処置(例えば、レール表面清掃や砂撒き、減速運転、そのままの通常運転継続等)を決定する。
【0028】
制御装置170には、一例で図5に示すようなレールR表面の各種付着物の摩擦特性(速度依存性)に関する情報が予めインプットされている。
図5は、レール表面の各種付着物の摩擦特性(速度依存性)の一例を表すグラフである。図5は、縦軸が動摩擦係数を示し、横軸が摩擦速度を示す。
図5において、最上部の実線グラフaはレールが極乾燥且つ錆極小を表し、グラフaの下の一点鎖線グラフbはレール付着物が砂の場合を表し、グラフbの下の破線グラフcはレールが乾燥状態の場合を表す。各グラフからわかるように、これらの場合は、摩擦速度の増加に伴う動摩擦係数の増減がほとんど現れず(つまり速度依存性が極めて小さく)、且つ、動摩擦係数も比較的高い値を示す。
【0029】
次いで、右上がりの二点鎖線グラフdはレール付着物が固体潤滑剤の場合を表し、右下がりの破線グラフeはレール付着物が生成直後の錆の場合を表す。固体潤滑剤(グラフd)の場合は、いわゆる固体の層間破壊滑りが起こるため、速度の増加に伴い動摩擦係数が徐々に増加する右上がりのグラフとなっている。一方、生成直後の錆(グラフe)の場合は、固体潤滑剤の場合とは逆に、速度の増加に伴い動摩擦係数が徐々に減少する右下がりのグラフとなっている。
【0030】
次いで、一点鎖線の曲線グラフfはレール付着物が湿潤の場合を表し、破線の曲線グラフgはレール付着物が堆積した赤錆の場合を表し、二点鎖線の曲線グラフhはレール付着物が油脂の場合を表す。これらの場合は、速度が50mm/s〜20km/hの範囲で動摩擦係数が急激に減少する傾向を示す。湿潤(グラフf)は動摩擦係数の値が中から低に減少し、堆積した赤錆(グラフg)は動摩擦係数の値が極高から低に急激に減少し、油脂(グラフh)は動摩擦係数の値が低から極低に減少する傾向がある。
【0031】
図4に示す制御装置170は、前述した電気抵抗の値から動摩擦係数の値の程度(高低)を判断し、さらに動摩擦係数の速度依存性(図5に示すデータ)に基づいて、例えば次のような判定基準(1)〜(6)にしたがいレール表面特性の判定を行う。
(1)動摩擦係数が高、電気抵抗が低、及び、増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物なし且つ乾燥(グラフaあるいはグラフc)」と判定する。
(2)動摩擦係数が高、電気抵抗が高、及び、増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物が砂(グラフb)」と判定する。
(3)動摩擦係数が高、電気抵抗が高、及び、増減傾向が減少のときは、「レール表面付着物が赤錆(グラフg)」と判定する。
(4)動摩擦係数が中、電気抵抗が高、及び、増減傾向が減少のときは、「レール表面付着物が生成直後の錆(グラフe)」と判定する。
(5)動摩擦係数が低、電気抵抗が高、及び、増減傾向が増加のときは、「レール表面付着物が固体潤滑剤(グラフd)」と判定する。
(6)動摩擦係数が低、電気抵抗が低、及び、増減傾向が減少のときは、「レール表面が湿潤(グラフf)あるいは油脂付着(グラフh)」と判定する。
【0032】
図5のグラフにおいては、例えば極乾燥且つ錆極小(グラフa)と砂(グラフb)と乾燥(グラフc)とはそれぞれ直線であり、あるいは、湿潤(グラフf)と堆積した赤錆(グラフg)と油脂(グラフh)とは、曲線形状が互いに似通っている。さらに、レール表面の状況によっては、動摩擦係数の絶対値は変わるので、動摩擦係数のみに基づく判定には不確さが伴う。本発明によれば、電気抵抗の値を測定することで摩擦抵抗の値の高低を判別できるので、これらのように互いに似通った速度依存性を示す付着物であっても、より的確な種類の判別を行うことができる。
【0033】
なお、図5のグラフは一例であって、大気の湿度や温度、あるいは、レールの硬さ、表面粗さ、曲率、内外軌の別、列車の速度、直前走行車両からの経過時間等の他の要因を考慮すると、図5よりも複雑な様相を示すものと思われる。
一例として、付着物のないレールを時間別に測定した動摩擦係数の速度依存性の変化について、図6を参照しつつ説明する。
図6は、ある地点におけるレール表面の摩擦特性(速度依存性)の一例を表すグラフである。(A)は午前10時30分頃に測定した場合を示し、(B)は午後1時30分頃に測定した場合を示す。
【0034】
この図からわかるように、図6(A)の場合(午前の測定結果)は、速度増加に伴いグラフが右下がりの傾向を示し、平均動摩擦係数が0.403程度であるのに対し、図6(B)の場合(午後の測定結果)は、速度増加に伴いほぼ変化がなく、平均動摩擦係数が0.469程度となった。このように、ある同一地点におけるレールであっても、時間によって動摩擦係数に差が生じることがわかる。図6(A)ではレールに結露が残存しており、この場合は前述の判定基準(6)で「レール表面が湿潤」と判定できる。一方、図6(B)では日光の照射等によってレールが乾燥しており、この場合は前述の判定基準(1)で「レール表面が乾燥」と判定できる。
【0035】
次に、電気抵抗の値と動摩擦係数の値との関係についての一測定例を説明する。
図7及び図8は、本発明のレール表面特性評価方法に係るレールの電気抵抗と動摩擦係数との関係を説明するための、一測定例を示すグラフである。(A)は測定位置(単位cm)に対する電気抵抗(単位Ω)の値の変化を示し、(B)は測定位置(単位cm)に対する動摩擦係数の値の変化を示す。
【0036】
図7に示す例では、平均電気抵抗が479.5Ωと比較的高く、平均動摩擦係数が0.39と中程度の値であった。この場合、レール表面の状態は、図5におけるグラフg(堆積した赤錆)とグラフe(生成直後の錆)との中間程度と判別できる。現場においてこのような測定結果が得られた場合は、例えば列車が走行してから数時間程度経過した後のレールの状態を表しているものと判別できる。
【0037】
図8に示す例では、平均電気抵抗が3.06Ωと低く、平均動摩擦係数が0.39と比較的高い値であった。この場合、レール表面の状態は、図5におけるグラフc(乾燥)の近傍と判別できる。現場においてこのような測定結果が得られた場合は、目視的にはレール表面にはほとんど付着物がなく、例えばレール表面に自然酸化膜が形成されている程度であるものと判別できる。
【0038】
このように、本発明によれば、レール表面の電気抵抗を測定することで動摩擦係数の大小の程度が判別でき、これら電気抵抗と動摩擦係数、及び、動摩擦係数の増減傾向に基づき、レール表面の特性をより系統的に的確に評価することができる。したがって、従来のトリボメータ(図9参照)では不能であった、現場におけるレール表面の特性の評価を実現することができる。
【0039】
なお、前述のレール表面特性評価装置100において、本体103と外枠141との間に、外枠141に対して本体103を左右方向(レール幅方向)の任意の位置に横倒し・横振りできる角度調整機構等を設けると、レール頭頂部のアール面や側面、レール長手方向のゲージコーナー等の測定も行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄道レール表面の状態すなわち付着物の有無や種類等をより詳細に評価することのできるレール表面特性評価方法・装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るレール表面特性評価装置を模式的に示す側面図である。
【図2】同レール表面特性評価装置の正面図である。
【図3】同レール表面特性評価装置の背面図である。
【図4】同レール表面特性評価装置の制御系のブロック図である。
【図5】レール表面の各種付着物の摩擦特性(速度依存性)の一例を表すグラフである。
【図6】ある地点におけるレール表面の摩擦特性(速度依存性)の一例を表すグラフである。(A)は午前10時30分頃に測定した場合を示し、(B)は午後1時30分頃に測定した場合を示す。
【図7】本発明のレール表面特性評価方法に係るレールの電気抵抗と動摩擦係数との関係を説明するための、一測定例を示すグラフである。
【図8】本発明のレール表面特性評価方法に係るレールの電気抵抗と動摩擦係数との関係を説明するための、一測定例を示すグラフである。
【図9】トリボメータを組み込んだレール摩擦力測定装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
100 レール表面特性評価装置
103 本体 103a 穴
105 絶縁ホルダー
105A、105B 分割部 105C 収容部
107 鋼球 121 中空ボルト
123 絶縁アダプター 124 絶縁スリーブ
125 通電ロッド 127 押しボルト
129 皿ナット 131 圧着端子
135 蝶ネジ 141 外枠
141a 軸 141b 板
143 案内輪 145 エンコーダ
147 リニアスライダ 151 ロードセル
152 突起 153 把持部
155 電気抵抗測定器 157 動歪みアンプ
170 制御装置
171 レール表面特性評価部 172 運行管理部
Claims (5)
- 鉄道レールの表面に複数の表面接触子を押し当て、
該複数の表面接触子間における前記レール表面の電気抵抗を測定し、
前記表面接触子と前記レール表面との摩擦係数を測定し、
測定した電気抵抗及び摩擦係数から、前記レール表面の特性を評価することを特徴とするレール表面特性評価方法。 - 前記表面接触子を前記レール上で移動させながら前記摩擦係数を測定し、その移動速度に対する摩擦係数の増減傾向をも含めて前記レール表面の特性を評価することを特徴とする請求項1記載のレール表面特性評価方法。
- 前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が低、及び、前記増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物なし且つ乾燥」と判定し、
前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向がほぼ変化なしのときは、「レール表面付着物が砂」と判定し、
前記摩擦係数が高、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向が減少のときは、「レール表面付着物が赤錆」と判定し、
前記摩擦係数が低、前記電気抵抗が高、及び、前記増減傾向が増加のときは、「レール表面付着物が固体潤滑剤」と判定し、あるいは、
前記摩擦係数が低、前記電気抵抗が低、及び、前記増減傾向が減少のときは、「レール表面が湿潤あるいは油脂付着」と判定する、
ことを特徴とする請求項2記載のレール表面特性評価方法。 - 前記請求項1、2又は3記載の評価・判定、今後の列車運行予定及び天候予測に基づいて今後の処置を決定することを特徴とする鉄道運行管理方法。
- 鉄道レールの表面に押し当てられる複数の表面接触子と、
該複数の表面接触子間における前記レール表面の電気抵抗を測定する電気抵抗測定手段と、
前記表面接触子と前記レール表面との摩擦係数を測定する摩擦係数測定手段と、
前記表面接触子を前記レール上で移動させた際の移動速度に対する前記摩擦係数の増減傾向を取得する取得手段と、
前記電気抵抗、前記摩擦係数、及び、前記摩擦係数の増減傾向から、前記レール表面の特性を評価する特性評価手段と、
を具備することを特徴とするレール表面特性評価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003088051A JP4041759B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | レール表面特性評価方法、鉄道運行管理方法及びレール表面特性評価装置 |
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