JP2004294244A - 移動体の速度極性付加装置 - Google Patents

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雄一 増田
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Abstract

【課題】加速度計出力の雑音、衝撃等の影響による前進/後進の誤判定を排除して、速度極性を付加した速度を生成する速度極性付加装置を提供する。
【解決手段】加速度計1と、速度センサ2と、加速度101に基づきオフセット補正加速度101aを生成するオフセット補正回路4と、オフセット補正加速度101aを積分し、仮想速度105を生成する速度演算回路6と、速度102を受け、速度102に移動体の前進/後進に対応する正/負の極性を付与した正速度103及び負速度104を生成する正負速度演算回路5と、仮想速度105、正速度103及び負速度104を受けて、仮想速度105と正速度103の“差1”と、仮想速度105と負速度104の“差2”とを比較照合して、その差の小さい方の速度極性が正なりと判定し、正と判定された該当速度に判定速度極性を付加した速度極性付加速度106を出力する判定演算回路7とから構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体の速度極性付加装置、特に移動体の移動時において、速度センサにより検出される移動速度に対して、該移動体の前進/後進に対応する正負の極性を付加し、真の移動速度を生成して出力する移動体の速度極性付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車両等の移動体に装備されるカーナビゲーション装置等においては、該車両の位置識別用のデータとして車両の速度が利用されている。この車両の速度を検知する手段としては、車軸の回転数により車速パルス等を発生する車速センサが用いられている。しかしながら一般に該車速センサの速度出力値には、車両の移動時における前進/後進を示す速度の極性情報が含まれていない。その対応策として、車両の後進の場合には、変速装置(シフトレバー)の位置が後進であるかという後進信号を基にして、前記車速センサ出力に対して極性を付加する方法が用いられている。しかし、この後進信号をユーザーとして実際に利用する際には、カーナビゲーション装置の購入後において所要の配線接続処理を行うことが必要であり、また後進信号の特性自体が正論理値であるか負論理値であるかについては車両等によっても異なっており、カーナビゲーション装置の購入後に、ユーザーが該装置を車両に取り付けて利用するということは、容易なことではないという欠点がある。
【0003】
そこで、この後進信号の配線を不要とする改善策として、特開平9ー257824号公報には、車両の加速度計と車速センサとを併用した移動体の進行方向検出装置(以下、従来例と云う)が開示されている。この従来例においては、車速センサの出力が0となる停止時の加速度計の出力をオフセット加速度とし、車両が動き出して車速センサの出力が0以外の値となった時の加速度計出力を該オフセット加速度と比較し、その比較結果を基に車速に極性を付加する方法が用いられている。これにより、カーナビゲーション装置の自立航法において、より正確なナビゲーションが可能となり、またカーナビゲーション装置の載せ換え時に、特殊な配線等の処理が不要になるものとしている。
【0004】
図8は、上記の特開平9ー257824号公報に開示されている前記従来例を用いたカーナビゲーション装置を示すブロック図である。図8のカーナビゲーション装置22は自動車に搭載された場合の装置例であり、道路地図記憶装置(CDーROM)23、GPS受信器24、角度センサ25、車速センサ26、加速度センサ27、メモリ28、制御部29、表示部30およびキー入力回路31により構成される。図8のカーナビゲーション装置22において、本従来例の主たる構成要件は、自動車の移動速度を検出する車速センサ26と、自動車に印加される加速度を検出する加速度センサ27と、車速センサ26の出力に基づいて自動車の移動速度および移動距離を計算する演算手段(制御部(CPU)29に含まれる)と、加速度センサ27の出力値を予め定められた基準値と比較して、その比較結果により自動車の進行方向を決定する決定手段(制御部(CPU)29に含まれる)である。以下においては、当該従来例の動作機能に主眼を置いて、その動作について説明する。
【0005】
図8において、自動車の移動時においては、車速センサ26の検出速度Pおよび加速度センサ27の検出加速度Aは制御部(CPU)29に入力される。制御部(CPU)29においては、前記演算手段において自動車の移動速度と移動距離が計算されており、自動車の移動速度が0(km/h)になり停止状態と判断される時点においては、制御部(CPU)29の制御作用を介して、その時の加速度センサ27の検出加速度Aの値はオフセット値Aoff として設定され、メモリ28に入力されて記憶される。次に自動車が移動を開始して動き出してからは、前記決定手段においては、加速度センサ27の検出加速度Aの値が、メモリ28に記憶されているオフセット値Aoff を基準値として比較され、その比較結果によって、自動車の移動が前進または後進かの進行方向が決定される。なお、自動車が平坦な道路を走行している場合には該基準値のオフセット値はAoff =0であり、また傾斜角θの坂道を走行している場合には、基準値のオフセット値はAoff =Gsin θ(G:重力加速度)である。該基準値との比較結果が正の値となる場合には前進と判断されて、前進に対応する移動情報が決定手段より出力され、負の値となる場合には後進と判断されて、後進に対応する移動情報が決定手段より出力される。これらの前進/後進を識別する移動情報は、カーナビゲーション装置22において、自動車の正確な位置識別情報として有効に利用される。勿論、カーナビゲーション装置のユーザーによる配線処理の必要性は排除されるものとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例(特開平9ー257824号公報)においては、移動体に搭載される加速度センサ自体において発生する雑音または移動体の振動等による加速度出力に対する影響については全く考慮が為されていない。例えば車両の停止中における加速度センサのオフセット値の設定に際しては、乗員または積荷の状態により、或はドアの開閉等による衝撃によって加速度センサの検出出力に変動が生じるが、これらの変動に起因する影響に対しては対応策が採られてはいない。このために、車両が動き出した時の加速度センサ検出出力とオフセット値の基準値との比較による進行方向の判定に誤判定を生じる可能性があるという欠点がある。
【0007】
また、移動体の発進時にノッキングが発生した場合には、これにより、車両自体はゆっくりと進行しているにもかかわらず、加速度センサの検出出力が正負に大きく変動するために、加速度センサの検出出力とオフセット値の基準値とを比較するタイミングによっては、進行方向の判定に誤判定を生じる可能性があるという欠点がある。
【0008】
本発明の目的は上記の課題を解決し、移動体に搭載される加速度計の検出出力に対する各種の雑音、衝撃およびノッキング等の影響により生じる前進/後進に対する誤判定を排除して、進行方向に対応する真の速度を求めるとともに、前進と判定される場合には、該真の速度に対して正の極性を付加し、後進と判定される場合には、該真の速度に対して負の極性を付加することにより、移動情報の信頼度を向上させた移動体の速度極性付加装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0010】
(1)移動体の速度を検出する速度センサと、該移動体の進行方向の加速度を検出する加速度計とを有し、該移動体の前進または後退を判定する装置において、
前記速度センサで検出した前記移動体の速度に正または負の極性を付加し、正速度または負速度として出力する正負速度演算部と、
前記加速度計の出力を受け、該加速度計出力における誤差であるオフセットを補正し、オフセット補正済み加速度を生成するオフセット補正部と、
前記オフセット補正済み加速度を積分し、仮想速度を計算する速度演算部と、前記仮想速度と前記正速度との差の絶対値を差1とし、前記仮想速度と前記負速度との差の絶対値を差2とするとき、差1<差2ならば該正極性を真の極性と判定し、差1>差2ならば該負極性を真の極性と判定し、真と判定した該極性を前記速度センサ出力に付加した極性付き速度を出力する判定演算部と
を備える移動体の速度極性付加装置。
【0011】
(2)前記オフセット補正部は、正速度ループと負速度ループとを有し、前記判定演算部で真と判定された前記極性に応じて該正速度ループ又は該負速度ループのうちの一方を選択して用い、
前記正速度ループは、前記差1の積分値を前記オフセットの推定値とするフィードバックループを備え、
前記負速度ループは、前記差2の積分値を前記オフセットの推定値とするフィードバックループを備える
ことを特徴とする前記(1)に記載の速度極性付加装置。
【0012】
【作用】
上記の構成によれば、加速度計の加速度出力を積分処理して得られた仮想速度と、速度センサの速度出力より抽出される正速度および負速度との速度差を比較照合することにより、正速度、負速度の何れが真の速度であるかを的確に判定することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、第1の発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態の主要部を示すブロック図である。図1に示されるように、本実施の形態は、移動体の進行方向の加速度101を検出する加速度計1と、該移動体の速度102を検出する速度センサ2と、これらの加速度101および速度102の入力を受けて、速度102における前進/後進に対応する速度極性を判定して、移動体の真の速度に判定速度極性を付加された速度極性付加速度106を生成出力する演算処理部3とを備えて構成される。
【0014】
なお演算処理部3には、加速度101の入力を受けて、オフセット補正された補正加速度101aを出力するオフセット補正回路4と、補正加速度101aの入力を受けて積分し、仮想速度105を生成して出力する速度演算回路6と、速度102の入力を受けて、該速度102に対して、移動体の移動時における前進/後進に対応して正/負の極性を付与し、それぞれ正速度103および負速度104として出力する正負速度演算回路5と、上記の仮想速度105、正速度103および負速度104の入力を受けて、仮想速度105と正速度103の速度差の絶対値(以下、“差1”と記述する)と、仮想速度105と負速度104の速度差の絶対値(以下、“差2”と記述する)とを比較照合して、その差の小さい方の速度極性が正しいものと判定し、正しいものと判定された該当速度に対して、該判定速度極性が付加された速度極性付加速度106を生成して出力する判定演算回路7が含まれている。
【0015】
本実施の形態においては、移動体に装備されている加速度計1により検出される加速度101には、移動に伴う加速度出力に加えて、加速度計1のバイアスによるオフセット、姿勢角による重力加速度成分によるオフセットなどを含むオフセットと、移動体の移動に伴う加速成分および減速成分と、移動体による振動成分等が加算されている。この内のオフセットは、オフセット補正回路4において補正され、オフセット補正加速度101aとして出力されて速度演算回路6に入力される。速度演算回路6においては、積分演算処理を介してオフセット補正加速度101aに含まれている移動体の振動成分等が除去された移動体の進行方向の仮想速度105が生成されて出力され、判定演算回路7に入力される。
【0016】
他方、速度センサ2より検出出力された速度102は正負速度演算回路5に入力され、正負速度演算回路5においては、前進/後進に対応してそれぞれ速度102に+1を乗じて正の極性を付与された正速度103と、−1を乗じて負の極性を付与された負速度104が生成されて共に判定演算回路7に入力される。判定演算回路7においては、これらの正速度103と負速度104は、前記仮想速度105を介して、何れか一方の速度が真の速度であるものと判定される。前述のように、加速度計1による加速度101に対して、オフセット補正回路4および速度演算回路6の処理作用を介して速度演算回路6より出力された仮想速度105は、移動体の前方が正の速度として規定されているため、前進する場合には正の極性となり、後進する場合には負の極性となるように規定されており、且つ理論的には加速度出力を積分処理して得られた速度であるために、移動体の真の速度に近い特性を有している。従って判定演算回路7においては、前述のように、この仮想速度105と正速度103との差の“差1”と、仮想速度105と負速度104との差の“差2”とを比較照合することにより、正速度103と負速度104の何れの速度が、この仮想速度105に近い値を有しているかを判別するという判断基準により、正しい速度極性の判定が行われる。そして正しいと判定された該当速度に対して、該判定速度極性が付加された速度極性付加速度106が生成されて出力される。
【0017】
なお、図1におけるオフセット補正回路4におけるオフセット補正方法としては、図2(a)に示されるように、負帰還回路を使用するハイパスフィルタ8を用いて構成してもよく、また図2(b)に示されるように、オフセット補正回路4をハイパスフィルタ8により構成し、速度102の入力に対応する正負速度演算回路5の前段にも、ハイパスフィルタ8と同型のハイパスフィルタ9を挿入して、速度102に含まれるオフセットが補正されたオフセット補正速度102aを正負速度演算回路5に入力し、正負速度演算回路5において、正の極性を付与された正速度103と負の極性を付与された負速度104とを生成して、判定演算回路7に出力するようにしてもよい。
【0018】
次に、図3および図4は、本実施の形態の判定演算回路7において、正速度103と負速度104の何れが真の速度に対応するかを判定する手順のフローチャートを示す図である。以下図3および図4を参照して、その判定手順について説明する。まずステップS1 において、速度センサ2の速度102の出力が0で移動体が停止中であるか否かが判定される。ステップS1 において速度102が0で移動体が停止中の場合にはステップS3 に移行し、正速度/負速度に対する判定状態が未定であり、極性が正であり真の速度が0であるものとして直ちにRETURNに移行する。また移動中の場合には、ステップS2 に移行して判定状態が確定されていないか否かが判定され、確定されている場合にはRETURNに移行し、確定されていない場合にはステップS4 に移行する。ステップS4 においては、仮想速度と正速度の差の絶対値である“差1”と、仮想速度と負速度の差の絶対値である“差2”が演算出力され、ステップS5 において“差1”と“差2”の大小が比較判定される。“差1”>“差2”の場合には、ステップS6 において速度の極性は負であり後進と見做されて、負速度が真の速度であるものと判定される。また“差1”<“差2”の場合には、ステップS9 において速度の極性は正であり前進と見做されて、正速度が真の速度であるものと判定される。
【0019】
ステップS6 において負速度が真の速度であるものと判定された場合には、ステップS7 において“差1”と所定の閾値との大小が比較判定される。なお該閾値の値は移動体の振動加速度の数値を考慮して設定される。例えば、加速度計に振幅 4.9m/s2、周波数 5Hz の振動加速度が入っている場合には、積分により仮想速度として約0.16m/s の振幅となるため、閾値としては、この仮想速度の振幅よりも大きい値に設定する。また、判定の信頼度をより重視する場合には、閾値の値をより大きい値に設定すればよい。ステップS7 において“差1”>閾値の場合には、ステップS8 において負速度が真の速度に対応するものとして判定が確定される。そしてステップS12においては、判定演算回路7より、真の速度(負速度)に負の速度極性が付加された速度極性付加速度106が出力されて、RETURNに移行する。またステップS7 において“差1”<閾値の場合には判定不可として直ちにRETURNに移行する。一方、上述のように、ステップS5 において“差1”<“差2”であり、ステップS9 において速度の極性が正で前進と見做され、正速度が真の速度であるものと判定された場合には、ステップS10において“差2”と前記閾値との大小が比較判定される。“差2”>閾値の場合には、ステップS11において正速度が真の速度に対応するものとして判定が確定される。そしてステップS13においては、判定演算回路7より、真の速度(正速度)に正の速度極性が付加された速度極性付加速度106が出力されて、RETURNに移行する。またステップS10において“差2”<閾値の場合には判定不可として直ちにRETURNに移行する。即ち、判定演算回路7において前進と見做した場合には、正速度103を速度出力として使用することが可能となり、後進と見做した場合には、負速度104を速度出力として使用することができる。なお判定演算回路7による判定処理は、移動体が停止状態から速度が発生し始めてから、前記“差1”または“差2”の何れか一方の絶対値が閾値よりも大きい値になる時点に至るまで行われ、それ以降においては次に停止するまでは行われない。
【0020】
次に、第1の発明の実施の形態における具体的な運用状態を示す実施例について説明する。最初に、移動体として車両が上り坂において停車しているものとする。その際の加速度計1の出力には、加速度計1のバイアスと、加速度計1の入力軸が水平面からなす角度に応じた重力成分の和がオフセットされている。例えば、車両の加速度計1の入力軸の角度が水平面から5゜の場合には、重力成分として 0.854m/s(=G×sin5゜)が加算されている(G:重力加速度=9.8m/s)。 この加速度出力に対して、オフセット補正回路4においては、オフセットを減算することによりオフセット補正が行われる。オフセットは、速度センサ2の出力(速度102)が0になってから、0以外の数値となる直前に至るまでの加速度計1の出力(加速度101)について、最新のT秒間における移動平均値とする。この移動平均時間は加速度計1に加わる振動周期の値よりも長い値に採ることが望ましい。オフセット補正加速度101aは、車両の前後移動に対応する加速度として求められる。このオフセット補正加速度101aは、速度演算回路6に入力されて積分され、仮想速度105が出力されて判定演算回路7に入力される。他方、速度センサ2においては、車両の車軸の回転を検知して極性のない速度102が出力されて正負速度演算回路5に入力され、正負速度演算回路5において+1を乗じることにより正速度103が出力され、−1を乗じることにより負速度104が出力されて共に判定演算回路7に入力される。なお判定演算回路7における判定処理は、前述のように、車両が停止状態から速度が発生し始めてから、“差1”または“差2”の何れか一方の絶対値が閾値よりも大きい値になる時点に至るまで行われ、その時点以降においては次に停止するまでは行われない。また、閾値については、既に前述したように車両の振動周波数を考慮して行われる。例として加速度計1に振幅 4.9m/s、周波数 5Hz の振動加速度が入っている場合には、速度演算回路6による積分により仮想速度105として約 0.16m/sの振幅となるため、閾値の値としては該仮想速度の振幅よりも大きい値に設定する。また、信頼度をより一層重視する場合には、閾値の値を更に大きい値にすればよい。本例においては、以上のことを考慮して閾値の値を 0.5m/s 程度に設定する。
【0021】
次に、図7を参照して、車両の走行を仮定した場合の車両の速度と、“差1”および“差2”の時間経過の状態について説明する。車両は、時刻t=0において発進するものとし、車両の発進加速度は 1m/sとする。停止中においては、加速度計1の出力の加速度101の平均値を求めてオフセットとし、停止から走行開始する時刻t=0 において、走行に伴う姿勢変化(ピッチ角=約 3゜)を想定して、加速度計1の加速度出力に+0.5m/s のオフセットが発生するものと仮定する。また、加速度計1には、振動加速度(振幅 4.9m/s、周波数 5Hz )が入っているものと仮定する。この振動加速度により、“差1”および“差2”の振動成分は、約 0.32m/s(peakーpeak) で振動しているが、前述の閾値 0.5m/s よりも小さい値であるために、判定演算回路7における判定に対しては影響が出ないということが分かる。図7において、車両の速度が加速度 1m/Sにて加速されるのに対応して、“差1”は、オフセットの変化による加速度 0.5m/sで変化してゆき、これに対して“差2”は、加速度 2.5m/sで変化してゆく。判定演算回路7においては、“差2”の方が、“差1”よりも先に閾値の 0.5m/s よりも大きくなったことにより、正速度の方が正しいものと判定し、車両は前進と見做すことができる。なお一般的な車両の発進時における加速度は 1〜2m/s であり、上記の例のように、振幅 4.9m/sという大きな振動加速度が発生していても、速度での比較が行われているために、誤判定を防止することができる。
【0022】
次に、前記“差1”および“差2”の値を他の方法を用いて求める第2の発明の実施の形態について説明する。図5は本実施の形態の主要部を示すブロック図である。図5に示されるように、本実施の形態は、移動体の進行方向の加速度101を検出する加速度計1と、該移動体の速度102を検出する速度センサ2と、これらの加速度101および速度102の入力を受けて、速度102における前進/後進に対応する速度極性を判定して、移動体の真の速度106を生成出力する演算処理部3とを備えて構成される。この構成は前述の第1の発明の場合と同様であるが、該演算処理部3が、速度102の入力に対して、移動体の移動時における前進/後進に対応して正/負の極性を付与し、それぞれ正速度103および負速度104として出力する正負速度演算回路5と、加速度101、正速度103および負速度104の入力を受けて、前記“差1”107および“差2”108を演算出力する速度差演算回路10と、これらの“差1”107および“差2”108の入力を受けて、“差1”107と“差2”108とを比較照合して、その差の小さい方の速度極性が正しいものと判定し、正しいものと判定された速度に対して、該判定速度極性が付加された速度極性付加速度106を生成して出力する判定演算回路7とを備えて構成される点に差異があり、この差異が第2の発明の特徴となっている。
【0023】
本実施の形態においても、移動体の加速度計1により検出される加速度101には、移動に伴う加速度出力に加えて、加速度計1のバイアスによるオフセット値、姿勢角による重力加速度成分によるオフセット値などを含むオフセット値と、移動体の移動に伴う加速成分/減速成分と移動体による振動成分等が加算されている点については、第1の発明の実施の形態において説明した事態と全く同様である。本実施の形態の演算処理部3において、正負速度演算回路5の動作については前記第1の発明の場合と同様であるが、速度差演算回路10においては、加速度101、正速度103および負速度104の入力を受けて、所定の帰還ループを用いることにより、仮想速度の生成と、この仮想速度を介して“差1”107および“差2”108の生成が並行して行われる。
【0024】
図6は速度差演算回路10の構成を示すブロック図であり、減算器12、16、積分器13、15および乗算器14を含む正速度ループ11と、減算器18、22、積分器19、21および乗算器20を含む負速度ループ17とを備えて構成される。図6において、加速度101は、正速度ループ11の減算器12と負速度ループ17の減算器18の双方に入力され、また正速度103は正速度ループ11の減算器16に入力され、負速度104は負速度ループ17の減算器22に入力される。正速度ループ11および負速度ループ17の帰還回路内に含まれるゲインK の値は 2ζω 、K の値はω であり、固有周波数ω の値は、主に移動体の姿勢変化に伴う重力成分の変化を除去することを目的として設定される。この帰還ループを介して、正速度ループ11においては、積分器15からはオフセット推定値が出力されて減算器12に負帰還入力され、その差出力を受けて積分器13からは仮想速度が出力されて減算器16に入力される。減算器16においては、この仮想速度より正速度103が減算されて“差1”107が出力される。同様に、負速度ループにおいても、積分器21からはオフセット推定値が出力されて減算器18に負帰還入力され、積分器19からは仮想速度が出力されて減算器22に入力される。減算器22においては、この仮想速度より負速度104が減算されて“差2”108が出力される。これらの“差1”107および“差2”108は共に判定演算回路7に入力されて、“差1”と“差2”の大小が比較照合され、正速度103と負速度104の何れの速度が真の速度であるかの判定が行われる。なお本実施の形態の場合には、判定演算回路7における判定手順は、図3および図4のフローチャートにおいて、ステップS4 における“差1”と“差2”の演算処理が省略された形で行われる。本実施の形態においても、判定演算回路7において前進と見做した場合には、正速度103を速度出力として使用することが可能となり、後進と見做した場合には、負速度104を速度出力として使用することができる。また判定演算回路7による判定処理は、移動体が停止状態から速度が発生し始めてから、前記“差1”または“差2”の何れか一方の絶対値が該閾値よりも大きい値になる時点に至るまで行われ、その時点以降においては次に停止するまでは行われない。
【0025】
次に、第2の発明の実施の形態における具体的な運用状態を示す実施例について説明する。図6の本実施の形態における正負偏差値演算回路10においては、前述のように、内部の帰還回路を介してオフセット推定値および仮想速度が求められる。オフセット推定値は、正速度ループ11および負速度ループ17における積分器15および積分器21において求められる。前記の停止中の移動平均により求めたオフセットは、走行中のオフセット変化には対応していないために、確実にオフセットを取得するためには、停止時間も移動平均する時間上において考慮することが必要となる。しかし、本実施の形態におけるオフセット補正においては、走行中のオフセット変化をも推定することができるために、停止時間が短かい場合においても、望ましいオフセット補正を行うことができる。正速度ループ11および負速度ループ17における帰還回路のゲインK(=2 ζω )およびゲインK(=ω )の値については、車両が自動車の場合には、ζ=1程度で、ω =1〜0.2(rad/s)程度であればよい。図6の正速度ループ11と負速度ループ17において、一方の速度ループの速度極性が正しかったものとすると、他方の速度ループの速度極性は間違っていたことになり、従ってオフセット推定値も正しい値にはならない。そこで、走行状態から停止した時に、正しい方の速度ループのオフセット推定値(帰還回路の積分値)を、他方の速度ループのオフセット推定値としてリセットを行う。本方法により推定したオフセットは、車両の加減速の影響が除去されているために、加速度計1のバイアス変化の影響を除けば、車両の傾斜計出力として見做すことができる。
【0026】
なお、前記第1の発明の実施の形態において、図2(a)に示されるように、オフセット補正の別法として、加速度計出力に対してハイパスフィルタ8を用いる際には、該ハイパスフィルタ8の固有周波数の値は、加速度計に加わる振動周期と車両の姿勢変化に伴う重力成分の変化を取り除くことを目的として設定するようにし、その値としては1〜0.2(rad/s)程度の固有周波数に設定すればよい。このように、加速度出力のオフセット補正をハイパスフィルタにより行う場合には、発進加速による加速度計出力もハイパスフィルタを経由して出力されるために、走行−停止を頻繁に繰返す場合には、図6の速度ループに示されるように、速度の差を帰還してオフセット補正する方法の方が望ましいが、停止時間中にオフセットを除去できる時間が望める場合には、この方法も使用することが可能である。また、図2(b)に示されるように、加速度出力に対して使用したものと同じハイパスフィルタ9を、速度センサ2の出力に対して使用することも可である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、移動体の前進・後進に対応して、速度センサの出力速度より正速度と負速度を生成するとともに、オフセット補正された加速度を積分することにより仮想速度を生成し、該仮想速度と正速度の差の絶対値である“差1”と該仮想速度と負速度の差の絶対値である“差2”を求め、これらの“差1”と“差2”を比較照合して、該速度差の小なる方の速度の極性を真なりと判定することができる。加速度計検出出力に対する各種の雑音および衝撃等の影響による誤判定をも排除することにより、信頼度の高い移動速度情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態に含まれる演算処理部を示すブロック図である。
【図3】前記実施形態の判定演算回路における速度極性判定のフローチャート(1)を示す図である。
【図4】前記実施形態の判定演算回路における速度極性判定のフローチャート(2)を示す図である。
【図5】第2の発明の実施形態を示すブロック図である。
【図6】前記実施形態に含まれる速度差演算回路を示すブロック図である。
【図7】車両の速度と、“差1”および“差2”の時間経過の状態を示す図である。
【図8】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 加速度計
2 速度センサ
3 演算処理部
4 オフセット補正回路
5 正負速度演算回路
6 速度演算回路
7 判定演算回路
8,9 ハイパスフィルタ
10 速度差演算回路
11 正速度ループ
12,16,18,22 減算器
13,15,19,21 積分器
14,20 乗算器
17 負速度ループ
22 カーナビゲーション装置
23 道路地図記憶装置
24 GPS受信器
25 角度センサ
26 車速センサ
27 加速度センサ
28 メモリ
29 制御部(CPU)
30 表示部
31 キー入力回路
32 交通情報受信装置
101 加速度
101a オフセット補正加速度
102 速度
102a オフセット補正速度
103 正速度
104 負速度
105 仮想速度
106 速度極性付加速度
107 “差1”
108 “差2”
A 検出加速度
Aoff オフセット値
P 検出速度
S1 〜S13 ステップ

Claims (2)

  1. 移動体の速度を検出する速度センサと、該移動体の進行方向の加速度を検出する加速度計とを有し、該移動体の前進または後退を判定する装置において、
    前記速度センサで検出した前記移動体の速度に正または負の極性を付加し、正速度または負速度として出力する正負速度演算部と、
    前記加速度計の出力を受け、該加速度計出力における誤差であるオフセットを補正し、オフセット補正済み加速度を生成するオフセット補正部と、
    前記オフセット補正済み加速度を積分し、仮想速度を計算する速度演算部と、前記仮想速度と前記正速度との差の絶対値を差1とし、前記仮想速度と前記負速度との差の絶対値を差2とするとき、差1<差2ならば該正極性を真の極性と判定し、差1>差2ならば該負極性を真の極性と判定し、真と判定した該極性を前記速度センサ出力に付加した極性付き速度を出力する判定演算部と
    を備える移動体の速度極性付加装置。
  2. 前記オフセット補正部は、正速度ループと負速度ループとを有し、前記判定演算部で真と判定された前記極性に応じて該正速度ループ又は該負速度ループのうちの一方を選択して用い、
    前記正速度ループは、前記差1の積分値を前記オフセットの推定値とするフィードバックループを備え、
    前記負速度ループは、前記差2の積分値を前記オフセットの推定値とするフィードバックループを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の速度極性付加装置。
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