JP2004294228A - 光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い測定可能範囲を備える可搬性のよい光測定装置を提供する。
【解決手段】筐体と、筐体に固定されて被測定物Dを保持するステージと、複数の駆動関節を有する多関節ロボット30と、多関節ロボット30の駆動アーム32の先端に固定され、被測定物Dからの光を収集するカメラ20とを備え、カメラ20は、駆動アーム32を介して、被測定物Dを中心とする1/4球の球表面Pに沿って移動し、複数位置において被測定物Dからの光を収集する。
【選択図】 図3
【解決手段】筐体と、筐体に固定されて被測定物Dを保持するステージと、複数の駆動関節を有する多関節ロボット30と、多関節ロボット30の駆動アーム32の先端に固定され、被測定物Dからの光を収集するカメラ20とを備え、カメラ20は、駆動アーム32を介して、被測定物Dを中心とする1/4球の球表面Pに沿って移動し、複数位置において被測定物Dからの光を収集する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物からの光を収集し分析する光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CRT、TFT液晶ディスプレイ等の電子ディスプレイからの発光光および電子ディスプレイ上で反射光の色特性や強度特性等の光学特性を測定するために、測色装置等の光測定装置が用いられている。光測定装置は、この電子ディスプレイなどの物体からの光をカメラやセンサで受光し、受光した光の強度や色成分を分析し、分析した結果を測定装置に備わっているディスプレイ等に表示する装置である。
【0003】
一般に、電子ディスプレイ等の物体からの反射光に関する角度依存性を収集するためには、物体と物体を照明している光源の位置を固定した状態で、物体と観察する装置との距離を保ちながら、観察する位置が物体を中心として公転することが必要となる。そのような装置としては、通常センサを回転ステージに乗せて物体の回りを公転する装置が使用されている。
【0004】
図5は、回転ステージ上に配置されたセンサを備えた光測定装置100を示す図である。この光測定装置100は、所定の半径を有する円の円周の一部に沿って配置されたレール等のガイド部材110を設け、ガイド部材110に沿って移動可能に配置された回転ステージ120上に光センサ130を配置した構成となっている。光センサ130の受光面131は、前記ガイド部材110の描く円の中心方向に設けられており、被測定物であるディスプレイ150は円の中心にあたる位置に配置されている。この光測定装置100は、外部光源140からディスプレイ150に光を照射させ、ディスプレイ150上で散乱反射した反射光をガイド部材110で案内される円周上の複数の位置で光センサ130によって測定することにより、反射光の角度依存性を測定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、携帯機器等に設けられたディスプレイの反射光角度依存性を調べるためには、屋外で使用されることも考慮し、ライト等の特定の光源のみを用いるのではなく、太陽を光源とし、ディスプレイで反射した太陽光を光センサで測定することもしばしば行われる。
【0006】
しかしながら、図5に示す光測定装置100は、光センサ130の位置を制御するために、回転ステージ120やそれを案内するためのレール等のガイド部材110を使用しているので、装置自体が大がかりなものとなり、装置全体を人間一人の力で移動可能な100kg程度の重量に抑えることが困難であった。したがって、測定時には、数人がかりで装置を保管場所から屋外へ移動し、測定場所にて別途設置を行う必要があり、非常に多大な労力と手間を要していた。
【0007】
また、レール等のガイド部材110によって光センサ130の可動範囲が制限されるため、3次元的に光センサ130の位置を変えることまではできず、広い測定範囲を確保することが難しかった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、広い測定可能範囲を備え、且つ人間一人でも容易に搬送することのできる光測定装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下に示すような構成を有する光測定装置によって達成される。
(1) 筐体と、前記筐体に固定され、被測定物を保持するステージと、複数の駆動関節を有し、前記筐体に対し回動可能に固定された駆動アームと、前記駆動アームに固定され、前記被測定物からの光を収集する光収集器と、を備え、前記光収集器は、前記駆動アームにより前記被測定物の周囲を移動し、複数位置において前記被測定物からの光を収集することを特徴とする光測定装置。
(2) 前記複数位置において収集した前記光をもとに前記被測定物の光学特性を分析する分析部を備えたことを特徴とする(1)記載の光測定装置。
(3) 前記光収集器は、前記駆動アームを介して1/4球の球表面に沿って移動し、前記光を収集することを特徴とする(1)または(2)記載の光測定装置。
(4) 前記駆動アームは、水平面に対して略垂直な方向に配置されたアーム回動軸を有し、前記光収集器は、前記アーム回動軸を介して水平面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の光測定装置。
(5) 前記ステージは、前記アーム回動軸の延長線上に配置されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載の光測定装置。
(6) 前記駆動アームの前記複数の駆動関節は、それぞれ水平面に対して略平行に配置された回動軸を有し、前記光収集器は、前記複数の駆動関節を介して水平面に垂直な垂直面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか記載の光測定装置。
(7) 前記被測定物は、電子ディスプレイであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか記載の光測定装置。
【0010】
本発明の光測定装置によれば、複数の駆動関節を有する駆動アームに光収集器を取り付けているので、装置構成上、場所をとったり重量が嵩んだりすることの多いガイド部材や回転ステージが不要であり、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、駆動関節を制御するだけで光収集器の位置を変えることができるので、3次元的に光収集器の位置を移動することも簡単にでき、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0011】
したがって、携帯電話等のディスプレイ(電子ディスプレイ)等からの反射光を複数位置において測定する場合であっても、駆動アームを介して光収集器を複数位置に移動させることによって、容易に反射光測定を実行することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光測定装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の光測定装置の全体構成を示す側面図、図2は同装置の平面図(ただし多関節ロボットアームは図示省略)である。
【0013】
この光測定装置10は、下端に走行用キャスタ11が取り付けられた筐体12の上に、被測定物Dを保持するためのステージ13と、被測定物Dからの光を収集する光収集器としてのカメラ20を先端に取り付けた駆動アームである多関節ロボットアーム30と、その他に図示しない分析装置や制御装置などの機器を搭載して構成されている。この光測定装置10は、走行用キャスタ11によって設置面上を移動し、任意の場所に搬送可能に構成されている。
【0014】
筐体12上に搭載された多関節ロボットアーム30は、筐体12に固定されたベース31と、ベース31から上方に延びた駆動アーム32とを備えている。駆動アーム32は、複数の駆動関節を有しており、各駆動関節を互いに関連付けて駆動制御されるように構成されている。これにより、駆動アーム32の先端に取り付けたカメラ20は、任意の姿勢に制御されて、任意の位置に移動できるように構成されている。
【0015】
具体的に、複数の駆動関節について述べると、駆動関節の機能を果たす第1軸としては水平旋回軸(アーム回動軸)40が設けられており、また第2〜4軸としては垂直旋回軸(回動軸)41、42、43が設けられている。水平旋回軸40は、水平面に対して略垂直な方向(鉛直な方向に沿って)に配置されており(図では便宜上、中心軸線だけで旋回軸を示してある)、ベース31から上の駆動アーム32部分が、水平旋回軸40を中心にして水平面内で旋回できるように構成されている。
【0016】
すなわち、駆動アーム32の基部をなす旋回台33が水平旋回軸40を介してベース31に取り付けられることで、旋回台33から上の部分が水平面内で旋回できるようになっている。これにより、多関節ロボットアーム30の先端に取り付けられたカメラ20は、水平面内の所定の円軌道に沿って旋回運動可能となっている。ここで、カメラ20の水平面内における旋回可能角度は、図2にしめすように、中心位置から左右に90゜の範囲であり、すなわち中心角180゜の円弧上に設定されている。
【0017】
垂直旋回軸41、42、43は、それぞれ水平面に対して略平行に配置されている。また、旋回台33には、第1の垂直旋回軸41を介して第1アーム34の基端が略鉛直な面内で回動可能に連結されている。そして、第1アーム34の先端には、第2の垂直旋回軸42を介して第2アーム35の基端が略鉛直な面内で回動可能に連結されており、また第2アーム35の先端には、第3の垂直旋回軸43を介してカメラ取付台36が略鉛直な面内で回動可能に連結されている。
【0018】
カメラ取付台36には、カメラ20が取り付けられている。これらの垂直旋回軸41,42,43は、互いに同調しながら駆動されることによって、多関節ロボットアーム30の先端に取り付けられたカメラ20を、垂直面内の所定の円軌道に沿って旋回運動可能となっている。ここで、カメラ20の垂直面内における旋回可能角度は、水平面に平行な位置から、水平面に垂直な鉛直面位置(水平旋回軸40の鉛直線L上の位置)まで90゜の範囲に設定されている。
なお、カメラ取付台36に、カメラ20の左右の振り角度を変えるための旋回軸を設けてあってもよい。
【0019】
被測定物Dを保持するステージ13は、前記水平旋回軸40の延長線L上に被測定物Dの測定面(ディスプレイ面)を位置させることができるように、多関節ロボットアーム30のベース31の上方に配置されている。また、ステージ13は、図2に示すような、ステージ駆動装置15によって所定の測定位置に位置決めできるようになっている。
【0020】
本光測定装置10において、カメラ20は、多関節ロボットアーム30を制御することによって、水平面内において旋回角180゜の範囲で移動し、また垂直面内において旋回角90゜の範囲で移動することによって、ステージ13に保持された被測定物Dを中心とする1/4球の球表面に沿って移動可能に構成されている。カメラ20は、1/4球表面上の複数の位置に移動しながら、カメラ20の光軸を被測定物Dに向けた姿勢で、被測定物Dからの光を連続的に、または断続的に収集することができるようになっている。
【0021】
ここで、カメラ20の移動する1/4球の球表面は、図3に示すように、全球をその中心O(被測定物Dのある位置)を通る水平面と鉛直面で4等分した場合の1/4球の球表面Pに相当する。すなわち、カメラ20は、水平旋回軸40を駆動することにより水平面内の円軌道に沿って移動し、図4に示すように垂直旋回軸41〜43を駆動することによって、鉛直面内の円軌道に沿って移動する。
【0022】
つまり、前述の通り、カメラ20は、水平方向については180度の範囲で円軌道に沿って移動し、垂直方向については水平位置から上方に向けて90度の範囲で円軌道に沿って移動する。このように、1/4球の球表面Pに沿ってカメラ20を移動することにより、必要最小限の可動域を確保しながら最大限の測定範囲を確保することができる。
【0023】
図示略の制御装置は、多関節ロボットアーム30を制御して、カメラ20を前記1/4球の球表面P上の所定位置に位置決めする。そして、カメラ20の光軸をステージ13に保持された被測定物Dに指向させる機能やカメラ20やステージ駆動装置15等を制御する機能を有している。
また、分析装置は、光収集器としてのカメラ20が収集した光をもとに被測定物Dの光学特性を分析して、表示装置等に出力する機能を有している。この分析装置は、光測定装置10の筐体12内部に収納するように構成し、すべての構成要素を光測定装置10内部に設けるように構成してもよい。
【0024】
次に、被測定物Dとして、携帯電話等の電子ディスプレイの反射光の角度依存性を測定する場合について説明する。テスト用の光源としては、所定の出力や波長を有する屋内光源や、太陽等の屋外光源を用いることが可能である。テスト用の光源として太陽を用いる場合には、屋外に本装置10を運び出して屋外にて測定を行う。
【0025】
ステージ13に被測定物Dを保持させて、図示しない制御装置をスタートさせると、制御装置からの指令に基づいて多関節ロボットアーム30が始動する。そして、カメラ20は、多関節ロボットアーム30を介して、図3に示すような1/4球の球表面に沿って移動しながら、複数の位置で被測定物Dからの反射光を収集する。そして、図示しない分析装置が収集した光をもとに、被測定物Dの光学特性を分析して表示装置等に出力する。
【0026】
このように、上記の光測定装置10は、多関節ロボットアーム30の駆動アーム32の先端にカメラ20を取り付け、駆動アーム32の関節の回動操作によってカメラ20を1/4球の球表面に沿って移動させながら、カメラ20により被測定物Dからの反射光を収集するようにしているので、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、多関節ロボットアーム30を使用しているので、3次元的にカメラ20の位置を自由に移動することができ、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0027】
また、光測定装置Dを保持するステージ13の位置を、多関節ロボットアーム30の水平旋回軸40の延長線上に設けているので、多関節ロボットアーム30のトータルの長さを一番短く構成することが可能になり、光測定装置10の小型化、軽量化及びコストダウンを図ることが可能となる。また、多関節ロボットアーム30のトータルの長さを一番短く構成することにより、多関節ロボットアーム30の位置制御が容易になり、動作プログラムの単純化が図れる。
【0028】
なお、上記実施形態では、光収集器としてカメラ20を使用した場合を示したが、カメラの代わりに光センサを使用してもよい。また、多関節ロボットアーム30の軸数は必要数であればよく、前記の例に限定されないことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光測定装置は、複数の駆動関節を有する駆動アームに光収集器を取り付けているので、装置構成上、場所をとったり重量が嵩んだりすることの多いガイド部材や回転ステージが不要であり、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、駆動関節を制御するだけで光収集器の位置を変えることができるので、3次元的に光収集器の位置を移動することも簡単にでき、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0030】
したがって、携帯電話等のディスプレイ(電子ディスプレイ)等からの反射光を複数位置において測定する場合であっても、駆動アームを介して光収集器を複数位置に移動させることによって、容易に反射光測定を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光測定装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】同光測定装置の全体構成を示す一部省略した平面図である。
【図3】同光測定装置においてカメラを移動する1/4球の球表面の概念図である。
【図4】同光測定装置において垂直面内でカメラを移動する際の範囲を概念的に示す図である。
【図5】従来の光測定装置の例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 光測定装置
12 筐体
13 ステージ
20 カメラ(光収集器)
30 多関節ロボットアーム
31 ベース
32 駆動アーム
33 旋回台
34 第1アーム
35 第2アーム
36 カメラ取付台
40 水平旋回軸(アーム回動軸)
41〜43 垂直旋回軸(回動軸)
D 被測定物
P 1/4球の球表面
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物からの光を収集し分析する光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CRT、TFT液晶ディスプレイ等の電子ディスプレイからの発光光および電子ディスプレイ上で反射光の色特性や強度特性等の光学特性を測定するために、測色装置等の光測定装置が用いられている。光測定装置は、この電子ディスプレイなどの物体からの光をカメラやセンサで受光し、受光した光の強度や色成分を分析し、分析した結果を測定装置に備わっているディスプレイ等に表示する装置である。
【0003】
一般に、電子ディスプレイ等の物体からの反射光に関する角度依存性を収集するためには、物体と物体を照明している光源の位置を固定した状態で、物体と観察する装置との距離を保ちながら、観察する位置が物体を中心として公転することが必要となる。そのような装置としては、通常センサを回転ステージに乗せて物体の回りを公転する装置が使用されている。
【0004】
図5は、回転ステージ上に配置されたセンサを備えた光測定装置100を示す図である。この光測定装置100は、所定の半径を有する円の円周の一部に沿って配置されたレール等のガイド部材110を設け、ガイド部材110に沿って移動可能に配置された回転ステージ120上に光センサ130を配置した構成となっている。光センサ130の受光面131は、前記ガイド部材110の描く円の中心方向に設けられており、被測定物であるディスプレイ150は円の中心にあたる位置に配置されている。この光測定装置100は、外部光源140からディスプレイ150に光を照射させ、ディスプレイ150上で散乱反射した反射光をガイド部材110で案内される円周上の複数の位置で光センサ130によって測定することにより、反射光の角度依存性を測定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、携帯機器等に設けられたディスプレイの反射光角度依存性を調べるためには、屋外で使用されることも考慮し、ライト等の特定の光源のみを用いるのではなく、太陽を光源とし、ディスプレイで反射した太陽光を光センサで測定することもしばしば行われる。
【0006】
しかしながら、図5に示す光測定装置100は、光センサ130の位置を制御するために、回転ステージ120やそれを案内するためのレール等のガイド部材110を使用しているので、装置自体が大がかりなものとなり、装置全体を人間一人の力で移動可能な100kg程度の重量に抑えることが困難であった。したがって、測定時には、数人がかりで装置を保管場所から屋外へ移動し、測定場所にて別途設置を行う必要があり、非常に多大な労力と手間を要していた。
【0007】
また、レール等のガイド部材110によって光センサ130の可動範囲が制限されるため、3次元的に光センサ130の位置を変えることまではできず、広い測定範囲を確保することが難しかった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、広い測定可能範囲を備え、且つ人間一人でも容易に搬送することのできる光測定装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下に示すような構成を有する光測定装置によって達成される。
(1) 筐体と、前記筐体に固定され、被測定物を保持するステージと、複数の駆動関節を有し、前記筐体に対し回動可能に固定された駆動アームと、前記駆動アームに固定され、前記被測定物からの光を収集する光収集器と、を備え、前記光収集器は、前記駆動アームにより前記被測定物の周囲を移動し、複数位置において前記被測定物からの光を収集することを特徴とする光測定装置。
(2) 前記複数位置において収集した前記光をもとに前記被測定物の光学特性を分析する分析部を備えたことを特徴とする(1)記載の光測定装置。
(3) 前記光収集器は、前記駆動アームを介して1/4球の球表面に沿って移動し、前記光を収集することを特徴とする(1)または(2)記載の光測定装置。
(4) 前記駆動アームは、水平面に対して略垂直な方向に配置されたアーム回動軸を有し、前記光収集器は、前記アーム回動軸を介して水平面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の光測定装置。
(5) 前記ステージは、前記アーム回動軸の延長線上に配置されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載の光測定装置。
(6) 前記駆動アームの前記複数の駆動関節は、それぞれ水平面に対して略平行に配置された回動軸を有し、前記光収集器は、前記複数の駆動関節を介して水平面に垂直な垂直面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか記載の光測定装置。
(7) 前記被測定物は、電子ディスプレイであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか記載の光測定装置。
【0010】
本発明の光測定装置によれば、複数の駆動関節を有する駆動アームに光収集器を取り付けているので、装置構成上、場所をとったり重量が嵩んだりすることの多いガイド部材や回転ステージが不要であり、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、駆動関節を制御するだけで光収集器の位置を変えることができるので、3次元的に光収集器の位置を移動することも簡単にでき、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0011】
したがって、携帯電話等のディスプレイ(電子ディスプレイ)等からの反射光を複数位置において測定する場合であっても、駆動アームを介して光収集器を複数位置に移動させることによって、容易に反射光測定を実行することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光測定装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の光測定装置の全体構成を示す側面図、図2は同装置の平面図(ただし多関節ロボットアームは図示省略)である。
【0013】
この光測定装置10は、下端に走行用キャスタ11が取り付けられた筐体12の上に、被測定物Dを保持するためのステージ13と、被測定物Dからの光を収集する光収集器としてのカメラ20を先端に取り付けた駆動アームである多関節ロボットアーム30と、その他に図示しない分析装置や制御装置などの機器を搭載して構成されている。この光測定装置10は、走行用キャスタ11によって設置面上を移動し、任意の場所に搬送可能に構成されている。
【0014】
筐体12上に搭載された多関節ロボットアーム30は、筐体12に固定されたベース31と、ベース31から上方に延びた駆動アーム32とを備えている。駆動アーム32は、複数の駆動関節を有しており、各駆動関節を互いに関連付けて駆動制御されるように構成されている。これにより、駆動アーム32の先端に取り付けたカメラ20は、任意の姿勢に制御されて、任意の位置に移動できるように構成されている。
【0015】
具体的に、複数の駆動関節について述べると、駆動関節の機能を果たす第1軸としては水平旋回軸(アーム回動軸)40が設けられており、また第2〜4軸としては垂直旋回軸(回動軸)41、42、43が設けられている。水平旋回軸40は、水平面に対して略垂直な方向(鉛直な方向に沿って)に配置されており(図では便宜上、中心軸線だけで旋回軸を示してある)、ベース31から上の駆動アーム32部分が、水平旋回軸40を中心にして水平面内で旋回できるように構成されている。
【0016】
すなわち、駆動アーム32の基部をなす旋回台33が水平旋回軸40を介してベース31に取り付けられることで、旋回台33から上の部分が水平面内で旋回できるようになっている。これにより、多関節ロボットアーム30の先端に取り付けられたカメラ20は、水平面内の所定の円軌道に沿って旋回運動可能となっている。ここで、カメラ20の水平面内における旋回可能角度は、図2にしめすように、中心位置から左右に90゜の範囲であり、すなわち中心角180゜の円弧上に設定されている。
【0017】
垂直旋回軸41、42、43は、それぞれ水平面に対して略平行に配置されている。また、旋回台33には、第1の垂直旋回軸41を介して第1アーム34の基端が略鉛直な面内で回動可能に連結されている。そして、第1アーム34の先端には、第2の垂直旋回軸42を介して第2アーム35の基端が略鉛直な面内で回動可能に連結されており、また第2アーム35の先端には、第3の垂直旋回軸43を介してカメラ取付台36が略鉛直な面内で回動可能に連結されている。
【0018】
カメラ取付台36には、カメラ20が取り付けられている。これらの垂直旋回軸41,42,43は、互いに同調しながら駆動されることによって、多関節ロボットアーム30の先端に取り付けられたカメラ20を、垂直面内の所定の円軌道に沿って旋回運動可能となっている。ここで、カメラ20の垂直面内における旋回可能角度は、水平面に平行な位置から、水平面に垂直な鉛直面位置(水平旋回軸40の鉛直線L上の位置)まで90゜の範囲に設定されている。
なお、カメラ取付台36に、カメラ20の左右の振り角度を変えるための旋回軸を設けてあってもよい。
【0019】
被測定物Dを保持するステージ13は、前記水平旋回軸40の延長線L上に被測定物Dの測定面(ディスプレイ面)を位置させることができるように、多関節ロボットアーム30のベース31の上方に配置されている。また、ステージ13は、図2に示すような、ステージ駆動装置15によって所定の測定位置に位置決めできるようになっている。
【0020】
本光測定装置10において、カメラ20は、多関節ロボットアーム30を制御することによって、水平面内において旋回角180゜の範囲で移動し、また垂直面内において旋回角90゜の範囲で移動することによって、ステージ13に保持された被測定物Dを中心とする1/4球の球表面に沿って移動可能に構成されている。カメラ20は、1/4球表面上の複数の位置に移動しながら、カメラ20の光軸を被測定物Dに向けた姿勢で、被測定物Dからの光を連続的に、または断続的に収集することができるようになっている。
【0021】
ここで、カメラ20の移動する1/4球の球表面は、図3に示すように、全球をその中心O(被測定物Dのある位置)を通る水平面と鉛直面で4等分した場合の1/4球の球表面Pに相当する。すなわち、カメラ20は、水平旋回軸40を駆動することにより水平面内の円軌道に沿って移動し、図4に示すように垂直旋回軸41〜43を駆動することによって、鉛直面内の円軌道に沿って移動する。
【0022】
つまり、前述の通り、カメラ20は、水平方向については180度の範囲で円軌道に沿って移動し、垂直方向については水平位置から上方に向けて90度の範囲で円軌道に沿って移動する。このように、1/4球の球表面Pに沿ってカメラ20を移動することにより、必要最小限の可動域を確保しながら最大限の測定範囲を確保することができる。
【0023】
図示略の制御装置は、多関節ロボットアーム30を制御して、カメラ20を前記1/4球の球表面P上の所定位置に位置決めする。そして、カメラ20の光軸をステージ13に保持された被測定物Dに指向させる機能やカメラ20やステージ駆動装置15等を制御する機能を有している。
また、分析装置は、光収集器としてのカメラ20が収集した光をもとに被測定物Dの光学特性を分析して、表示装置等に出力する機能を有している。この分析装置は、光測定装置10の筐体12内部に収納するように構成し、すべての構成要素を光測定装置10内部に設けるように構成してもよい。
【0024】
次に、被測定物Dとして、携帯電話等の電子ディスプレイの反射光の角度依存性を測定する場合について説明する。テスト用の光源としては、所定の出力や波長を有する屋内光源や、太陽等の屋外光源を用いることが可能である。テスト用の光源として太陽を用いる場合には、屋外に本装置10を運び出して屋外にて測定を行う。
【0025】
ステージ13に被測定物Dを保持させて、図示しない制御装置をスタートさせると、制御装置からの指令に基づいて多関節ロボットアーム30が始動する。そして、カメラ20は、多関節ロボットアーム30を介して、図3に示すような1/4球の球表面に沿って移動しながら、複数の位置で被測定物Dからの反射光を収集する。そして、図示しない分析装置が収集した光をもとに、被測定物Dの光学特性を分析して表示装置等に出力する。
【0026】
このように、上記の光測定装置10は、多関節ロボットアーム30の駆動アーム32の先端にカメラ20を取り付け、駆動アーム32の関節の回動操作によってカメラ20を1/4球の球表面に沿って移動させながら、カメラ20により被測定物Dからの反射光を収集するようにしているので、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、多関節ロボットアーム30を使用しているので、3次元的にカメラ20の位置を自由に移動することができ、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0027】
また、光測定装置Dを保持するステージ13の位置を、多関節ロボットアーム30の水平旋回軸40の延長線上に設けているので、多関節ロボットアーム30のトータルの長さを一番短く構成することが可能になり、光測定装置10の小型化、軽量化及びコストダウンを図ることが可能となる。また、多関節ロボットアーム30のトータルの長さを一番短く構成することにより、多関節ロボットアーム30の位置制御が容易になり、動作プログラムの単純化が図れる。
【0028】
なお、上記実施形態では、光収集器としてカメラ20を使用した場合を示したが、カメラの代わりに光センサを使用してもよい。また、多関節ロボットアーム30の軸数は必要数であればよく、前記の例に限定されないことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光測定装置は、複数の駆動関節を有する駆動アームに光収集器を取り付けているので、装置構成上、場所をとったり重量が嵩んだりすることの多いガイド部材や回転ステージが不要であり、軽量で可搬性のよい装置構成とすることができる。また、駆動関節を制御するだけで光収集器の位置を変えることができるので、3次元的に光収集器の位置を移動することも簡単にでき、広い測定可能範囲を確保することができる。
【0030】
したがって、携帯電話等のディスプレイ(電子ディスプレイ)等からの反射光を複数位置において測定する場合であっても、駆動アームを介して光収集器を複数位置に移動させることによって、容易に反射光測定を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光測定装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】同光測定装置の全体構成を示す一部省略した平面図である。
【図3】同光測定装置においてカメラを移動する1/4球の球表面の概念図である。
【図4】同光測定装置において垂直面内でカメラを移動する際の範囲を概念的に示す図である。
【図5】従来の光測定装置の例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 光測定装置
12 筐体
13 ステージ
20 カメラ(光収集器)
30 多関節ロボットアーム
31 ベース
32 駆動アーム
33 旋回台
34 第1アーム
35 第2アーム
36 カメラ取付台
40 水平旋回軸(アーム回動軸)
41〜43 垂直旋回軸(回動軸)
D 被測定物
P 1/4球の球表面
Claims (7)
- 筐体と、
前記筐体に固定され、被測定物を保持するステージと、
複数の駆動関節を有し、前記筐体に対し回動可能に固定された駆動アームと、前記駆動アームに固定され、前記被測定物からの光を収集する光収集器と、を備え、
前記光収集器は、前記駆動アームにより前記被測定物の周囲を移動し、複数位置において前記被測定物からの光を収集することを特徴とする光測定装置。 - 前記複数位置において収集した前記光をもとに前記被測定物の光学特性を分析する分析部を備えたことを特徴とする請求項1記載の光測定装置。
- 前記光収集器は、前記駆動アームを介して1/4球の球表面に沿って移動し、前記光を収集することを特徴とする請求項1または2記載の光測定装置。
- 前記駆動アームは、水平面に対して略垂直な方向に配置されたアーム回動軸を有し、前記光収集器は、前記アーム回動軸を介して水平面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の光測定装置。
- 前記ステージは、前記アーム回動軸の延長線上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の光測定装置。
- 前記駆動アームの前記複数の駆動関節は、それぞれ水平面に対して略平行に配置された回動軸を有し、前記光収集器は、前記複数の駆動関節を介して水平面に垂直な垂直面内の円軌道に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の光測定装置。
- 前記被測定物は、電子ディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の光測定装置。
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003086002A patent/JP2004294228A/ja active Pending
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