JP2004294064A - 膜式流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】価格上昇を防止しながら流量計測の信頼性を向上し得る膜式流量計を提供する。
【解決手段】計量室4を形成するケーシングC1に周縁部が固定された状態で設けられて、計量室4へのガスの給排により往復動する膜部Fの一方側の面に、丁番台13が設けられ、ケーシングC1に揺動自在に片持状に支承された翼15の先端に支持した丁番軸26が、その軸心周りに相対回転自在に丁番台13に挿通された膜式流量計であって、丁番軸26が、膜部Fの膜面に沿う膜面方向であって、丁番軸26の軸心方向及びその軸心と交差する軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通されている。
【選択図】 図4
【解決手段】計量室4を形成するケーシングC1に周縁部が固定された状態で設けられて、計量室4へのガスの給排により往復動する膜部Fの一方側の面に、丁番台13が設けられ、ケーシングC1に揺動自在に片持状に支承された翼15の先端に支持した丁番軸26が、その軸心周りに相対回転自在に丁番台13に挿通された膜式流量計であって、丁番軸26が、膜部Fの膜面に沿う膜面方向であって、丁番軸26の軸心方向及びその軸心と交差する軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられて、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部の一方側の面に、丁番台が設けられ、
前記ケーシングに揺動自在に片持状に支承された翼の先端に支持した丁番軸が、その軸心周りに相対回転自在に前記丁番台に挿通された膜式流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる膜式流量計は、例えば、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管の途中に設けて、ガスの流量を計測するものであり、翼をケーシングに揺動自在に片持状に支承すると共に、その翼の先端に支持した丁番軸をその軸心周りに相対回転自在に丁番台に挿通して、翼と膜部とを丁番台及び丁番軸を介して連結し、計量室へのガスの給排により往復動する膜部によって翼を揺動させて、そのように揺動する翼により、計量室へのガスの給排を制御する弁部を開閉操作させるようにしたものである。
そして、膜部の1往復の間に計量室に供給されて排出されるガスの量を計測基準流量として予め設定して、その設定計測基準流量に基づいてガスの流量を計測するようになっている。
【0003】
このような膜式流量計において、従来は、丁番軸を、膜部の膜面に沿う膜面方向であって丁番軸の軸心と交差する方向(以下、膜面沿い軸心交差方向と記載する場合がある)に融通が無い状態で丁番台に挿通して、丁番軸と丁番台とを膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動できないように連結していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭54−22044号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、膜式流量計を製作する際には、各部材の寸法公差や各部材の組み付けのバラツキにより、各部材を組み付けた状態での各部材の相対位置関係にバラツキが生じることから、膜部と翼との連結を解除した状態で見たときの膜部の往復動の軌跡と翼の揺動の軌跡(以下、膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡と記載する場合がある)が互いに合い難くなる場合がある。
しかしながら、従来では、丁番軸と丁番台との間に、膜部の膜面に沿う膜面方向であって丁番軸の軸心方向(以下、膜面沿い軸心方向と記載する場合がある)には相対移動が許容される融通があったとしても、膜面沿い軸心交差方向には相対移動を許容するような融通がないことから、上述のように膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡が互いに合い難い場合には、膜部と翼とを連結して膜部の往復動と翼の揺動とを連係させた状態では、膜部に局部的に引っ張り応力や縮め応力がかかることになるので、時間経過に伴って膜部にしわが生じて、膜部の1往復の間に計量室に供給されて排出される実際のガス量(以下、単位排出量と称する場合がある)と設定基準流量との間に偏差が生じることになり、又、時間経過に伴って膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなって、膜部が適正に往復動し難くなり、流量計測の信頼性を向上する上で改善の余地があった。
【0006】
又、使用中に、熱の影響等により各部材の寸法が変化する場合があるが、このように使用中に各部材の寸法が変化すると、例えば、膜部が各部分でばらついて伸びると、従来のように丁番台と丁番軸との間に膜面沿い軸心交差方向に相対移動可能な融通がない場合には、膜部の往復動と翼の揺動とが適切に連係されなくなるので、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなって、膜部が適正に往復動し難くなり、流量計測の信頼性を向上する上で改善の余地があった。
【0007】
ちなみに、上述の如き従来の構成において流量計測の信頼性の向上を図るためには、寸法公差が小さく且つ熱等による寸法変化が小さい部材を用いると共に、各部材を高精度に組み付けるようにすることが考えられるが、この場合は、膜式流量計の価格が上昇することになって、実用的なものではない。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、価格上昇を防止しながら流量計測の信頼性を向上し得る膜式流量計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の膜式流量計は、計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられて、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部の一方側の面に、丁番台が設けられ、
前記ケーシングに揺動自在に片持状に支承された翼の先端に支持した丁番軸が、その軸心周りに相対回転自在に前記丁番台に挿通されたものであって、
前記丁番軸が、前記膜部の膜面に沿う膜面方向であって、前記丁番軸の軸心方向及びその軸心と交差する軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で前記丁番台に挿通されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸と丁番台とが、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向のいずれの方向にも互いに相対移動可能な状態で連結されている。
従って、各部材の寸法公差や各部材の組み付けのバラツキにより、各部材を組み付けた状態での各部材の相対位置関係にバラツキが生じて、膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡が互いに合い難くいものであっても、丁番軸と丁番台とが連結された状態では、丁番軸と丁番台とが膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動し合うので、膜部の往復動と翼の揺動とが夫々の動きがスムーズになるようにスムーズに連係されることになる。そして、膜部の往復動と翼の揺動とがスムーズに連係されことにより、膜部に局部的に引っ張り応力や縮め応力がかかるのが抑制されるので、膜部にしわが生じるのを抑制して、単位排出流量と設定基準流量との偏差を抑制することが可能になると共に、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなるのを抑制して、膜部を適正に往復動させることが可能となり、もって、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
又、使用中に熱の影響等により各部材の寸法が変化しても、例えば、膜部が各部分でばらついて伸びたりしても、丁番軸と丁番台とが膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動し合って、膜部の往復動と翼の揺動とのスムーズな連係が維持されるので、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなるのを抑制して、膜部が適正に往復動する状態を維持させることが可能となり、もって、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
つまり、寸法公差が小さく且つ熱等による寸法変化が小さい部材を用いたり、各部材を高精度に組み付けるようにしたりすることなく、流量計測の信頼性を向上することが可能となるのである。
要するに、価格上昇を防止しながら流量計測の信頼性を向上し得る膜式流量計を提供することができるようになった。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の膜式流量計は、請求項1において、前記丁番台に形成された丁番軸挿通孔が、前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されて、前記融通がある状態で前記丁番軸が前記丁番台に挿通されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸が、丁番台に形成された膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔に挿通されて、丁番軸と丁番台とが、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動可能な状態で連結される。
つまり、丁番台に膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔を形成して、その長孔状の丁番軸挿通孔に丁番軸を挿通するだけの簡単な構成により、丁番軸と丁番台とを、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動自在に連結することが可能となる。
従って、低廉化を図りながら本発明を実施する上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の膜式流量計は、請求項2において、前記丁番台に、前記丁番軸を挿通させる一対の挿通孔形成部分が前記丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて並設され、
それら一対の挿通孔形成部分の夫々に、前記丁番軸挿通孔が前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸が、丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて丁番台に並設された一対の挿通孔形成部分夫々に形成された膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔の夫々に挿通されて、丁番軸と丁番台とが、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動可能な状態で連結される。
つまり、丁番軸が、その丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて並ぶ状態で丁番台に備えられた一対の丁番軸挿通孔に挿通されるので、丁番軸と丁番台とを、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動自在なように連結しながらも、丁番台を、それに備えられた前記一対の丁番軸挿通孔にて、膜部の往復動方向でのねじれを抑制する状態で丁番軸に支持されるようにすることが可能となる。
そして、丁番台が膜部の往復動方向にねじれるのを抑制することにより、膜部を適正な姿勢を保つ状態で往復動させることが可能になるので、単位排出流量と設定基準流量との偏差を一層抑制することが可能になる。
従って、流量計測の信頼性を一段と向上することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
膜式ガスメータは、図1に示すように、ガス供給口1及びガス排出口2を備えたケーシングCを用いて組み付けて構成してあり、ガス供給口1及びガス排出口2により、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管(図示省略)の途中に接続して、ガス供給管を流れるガスの流量を計測して、ケーシングCの外部に設けた表示部3に計測したガス流量を表示するように構成してある。
【0013】
図3に示すように、膜式ガスメータは、計量室4へのガスの給排を制御する弁部V、計量室4へのガスの給排により往復動する膜部F、その膜部Fの1往復で1回転するように、膜部Fにリンク機構Lにて連動連結された回転体R、その回転軸芯から径方向に離れた位置に位置して、膜部Fの往復動に伴って、その回転軸芯周りに回転するように設けられた磁石5、その磁石5が特定回転位相に回転したときに動作するリードスイッチ6、及び、そのリードスイッチ6からの信号と前記設定計測基準流量とに基づいて流量を求めると共に求めた流量を上述の表示部3に表示させるコントローラ7(図6参照)を、ケーシングC内に組み付けて構成してある。
【0014】
ケーシングCは、下ケーシングC1及び上ケーシングC2から成る。
周知であるので詳細な説明並びに図示は省略するが、上ケーシングC2内には、上述のコントローラ7の他に、膜式ガスメータに供給されるガス圧力を検出する圧力センサ、地震の震動を検出する感震器、及び、ガス供給遮断弁を設けて、前記圧力センサが異常圧力を検出したときや前記感震器が地震を検出したとき等、異常が発生したときに、上述のコントローラ7により、前記ガス供給遮断弁を遮断制御すると共に、異常情報を前記表示部に表示するように構成してあり、図1において、8は、前記ガス供給遮断弁の遮断状態を解除するための復帰軸(図示せず)の操作部を覆う復帰軸キャップである。
【0015】
図2及び図3に示すように、下ケーシングC1は、その中央を仕切り壁9にて仕切り、その仕切り壁9の両側それぞれに仕切り壁9を底部とする概ね円筒形状の計量室形成用空間を備え、各計量室形成用空間の中央部を膜部Fにて仕切ると共に、各計量室形成用空間の開口部を蓋10にて閉じて、各膜部Fの両側夫々に計量室4を形成してある。即ち、膜部Fは1対設け、計量室4は4室形成してある。
【0016】
図2ないし図4に基づいて、膜部Fについて説明を加えると、膜部Fは、計量室4を形成する下ケーシングC1に枠状の整膜板14により周縁部を固定した状態で設けた膜体11と、その膜体11の両面夫々の中央部に保持した円形の膜板12にて構成してあり、外側の膜板12の中央には、丁番台13を設けてある。
膜体11は、可撓性を有する材料にて形成してある。
【0017】
図2ないし図5に示すように、翼軸16を、その軸心を上下方向に向けて上端側を下ケーシングC1の上部壁に形成した穴に気密状に貫通させた状態で、回動自在に支承し、その翼軸16に翼15を片持ち状に支持してある。つまり、翼15を翼軸16により下ケーシングC1に揺動自在に片持ち状に支承してある。
そして、翼15の先端に支持した丁番軸26を、その軸心周りに相対回転自在に丁番台13に挿通して、膜部Fの往復動に伴って翼15が揺動するように、膜部Fと翼15とを連結してある。
【0018】
本発明では、丁番軸26を、膜部Fの膜面に沿う膜面方向であって、丁番軸26の軸心方向(即ち、膜面沿い軸心方向)及びその軸心と交差する軸心交差方向(即ち、膜面沿い軸心交差方向)の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通してある。ちなみに、膜部Fの膜面に沿う膜面方向は、膜部Fの往復動方向(以下、膜部往復動方向と記載する場合がある)に直交する面方向に相当する。
【0019】
以下、丁番軸26を、丁番軸26の軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通する構成について説明を加える。
図3ないし図5に示すように、丁番台13に、丁番軸26を挿通させる一対の挿通孔形成部分13aを丁番軸26の軸心方向に間隔を隔てて並設し、それら一対の挿通孔形成部分13aの夫々に、膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔13bを形成してある。
その長孔状の丁番軸挿通孔13bは、膜部往復動方向の径を丁番軸26が挿通可能なようにその丁番軸26の外径よりも多少大きく設定して、その膜部往復動方向の径が膜面沿い軸心交差方向の略全長にわたって略一定になるように形成してある。
そして、丁番軸26を前記一対の丁番軸挿通孔13bに挿通することにより、丁番軸26を、丁番軸26の軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通してある。
【0020】
長孔状の丁番軸挿通孔13bは、上述のように、膜部往復動方向の径が膜面沿い軸心交差方向の略全長にわたって略一定になるように形成してあるので、丁番軸26と丁番台13とを、膜面沿い軸心交差方向の相対移動を許容しながらも、膜部往復動方向での相対移動を極力抑制するようにして、膜部Fの往復動範囲のバラツキを極力小さくして、流量計測の信頼性を一層向上するようにしてある。
【0021】
図3及び図6に示すように、リンク機構Lは、端部同士を互いに枢支連結した大肘金17と小肘金18との組を2組備えて構成してある。
そして、各翼軸16の上端部に、各大肘金17の一端を枢支連結してある。
【0022】
図3及び図6に示すように、回転体Rは、下ケーシングC1の上部壁上に取り付けた支持台19に上下方向の軸心周りで回転自在に支持したクランク軸20と、そのクランク軸20の上端に同軸芯状に取り付けた回転円板21とを備えて構成し、クランク軸20には、その径方向外方に突出する状態でクランクアーム22を取り付けてある。
前記磁石5は、回転円板21の上面の外周側に設けて、前記リードスイッチ6は、回転円板21の外周に位置させて、支持台19に支持させて設けてある。
【0023】
図3及び図6に示すように、弁部Vは、上記の4室の計量室4のガスの給排を制御するように下ケーシングC1の上部壁に設け、弁部Vが膜部Fの往復動にて開閉操作されるように設けてある。
図6に基づいて弁部Vについて説明を加えると、下ケーシングC1の上部壁には、膜部Fを介して対向する2室の計量室4に各別に連通する2個のガス給排口Xを間隔を隔てて並べて設けることにより、2個のガス給排口Xが並ぶガス給排口Xの組を2組設けると共に、各組のガス給排口Xの間にはガス排出口Yを設けてある。つまり、ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶ給排用開口部列を2列形成してある。
各給排用開口部列のガス排出口Yは、下ケーシングC1の上部壁に設けたガス排出用接続口Zに対して、ガス排出路(図示省略)にて接続し、このガス排出用接続口Zは、下ケーシングC1上に上ケーシングC2を設けた状態で、上ケーシングC2内に設けたガス排出路(図示省略)にてガス排出口2に接続されるようになっている。
【0024】
各給排用開口部列の上部に、揺動バルブ23を上下方向の軸部にて給排用開口部列の開口部並び方向に揺動自在に支持して設けてある。
揺動バルブ23の裏面には連通用凹部(図示省略)を設けてあり、揺動バルブ23は、各揺動端に位置する状態で、揺動端側のガス給排口Xとガス排出口Yとを前記連通用凹部にて接続し且つ揺動端と反対側のガス給排口Xを開口し、揺動方向の中央に位置する状態で、両方のガス給排口Xを閉じるように構成してある。
【0025】
図6に示すように、クランク台24の一端を、クランクアーム22の先端に軸心が上下方向を向くように設けた軸部22aに枢支し、各翼軸16の上端部に、各大肘金17の一端を枢支し、両方の小肘金18の一端をクランク台24におけるクランクアーム22に対する枢支軸芯から偏芯させた位置に枢支することにより、膜部Fと回転体Rとを連動連結し、クランクアーム22の軸部22aに連結した2本のクランクロッド25夫々を各揺動バルブ23に連結してある。そして、1対の膜部Fが1往復すると、各翼軸16が所定角度で回動し、その回動に伴って、リンク機構Lにより回転体Rが1回転して、各揺動バルブ23が揺動し、4個の計量室4に対するガスの給排を制御するように構成してある。
つまり、弁部Vは、2個の揺動バルブ23、各揺動バルブ23に夫々対応する2列の給排用開口部列(ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶもの)を備えて、2個の揺動バルブ23夫々の揺動によって4室の計量室4へのガスの給排を行うように構成し、その弁部Vが膜部Fの往復動にて開閉操作されるように、翼軸16と弁部Vとを、リンク機構L及びクランク軸20とクランクアーム22とから構成されるクランク機構にて連結してある。
【0026】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 丁番軸26をその軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通する構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態のように、丁番台13に一対の挿通孔形成部分13aを形成すると共に、それら一対の挿通孔形成部分13aの夫々に長孔状の丁番軸挿通孔13bを形成する場合に、長孔状の丁番軸挿通孔13bの形状を第1実施形態と異ならせる実施形態が考えられる。例えば、図7に示すように、長径を膜面沿い軸心交差方向に沿わせた楕円形であっても良い。
この場合は、丁番軸26と丁番台13とを、膜部往復動方向での相対移動も許容するように連結するので、膜部Fの往復動と翼15の揺動とが一層スムーズに連係されることになり、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
【0027】
又、図8に示すように、丁番台13に第1実施形態と同様に備えた一対の挿通孔形成部分13aの夫々に、膜面沿い軸心交差方向に長い細長状の切り欠き13cを形成し、それら一対の細長状の切り欠き13cに丁番軸26を挿通することにより、丁番軸26を、その軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通するようにしても良い。ちなみに、細長状の切り欠き13cの長さは、想定される膜面沿い軸心交差方向での丁番軸26と丁番台3との相対移動範囲よりも長く設定して、丁番軸26が細長状の切り欠き13cから抜けるのを阻止するようになっている。
この場合は、丁番軸26を切り欠き13cの開口部から切り欠き13cに挿入することにより、丁番軸26と丁番台13とを連結することが可能となるので、組み付け構成を簡略化することが可能となる。
【0028】
(ロ) 上記の実施形態においては、丁番台13に、丁番軸26を挿通させる挿通孔形成部分13aを一対設ける場合について例示したが、挿通孔形成部分13aを1個設けても良い。
【0029】
(ハ) 上記の実施形態においては、回転体Rに設けた磁石5によりリードスイッチ6を動作させるようにして、リードスイッチ6からの信号に基づいて流量を計測するように構成したが、これに代えて、カウンタを回転体Rにより操作されるように設けて、そのカウンタにて流量を表示するように構成しても良い。
【0030】
(ニ) 本発明を適用することができる膜式流量計は、上記の実施形態において例示した膜式流量計以外にも、種々の膜式ガスメータに適用することができる。例えば、上記の実施形態においては、揺動操作することにより2室の計量室4に対するガスの給排を制御する揺動バルブ23を2個備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータに適用する場合について例示したが、回転操作することにより4室の計量室4に対するガスの給排を制御するロータリーバルブを備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータにも適用可能である。
あるいは、上記の実施形態においては、計量室4を4室設け、膜部Fを一対設けた膜式ガスメータ適用する場合について例示したが、計量室4を2室設け、膜部Fを1個設けた膜式ガスメータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る膜式ガスメータの斜視図
【図2】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の縦断面図
【図3】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の分解斜視図
【図4】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の斜視図
【図5】実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【図6】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の平面図
【図7】別実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【図8】別実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【符号の説明】
4 計量室
13 丁番台
13a 挿通孔形成部分
13b 丁番軸挿通孔
15 翼
26 丁番軸
C1 ケーシング
F 膜部
【発明の属する技術分野】
本発明は、計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられて、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部の一方側の面に、丁番台が設けられ、
前記ケーシングに揺動自在に片持状に支承された翼の先端に支持した丁番軸が、その軸心周りに相対回転自在に前記丁番台に挿通された膜式流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる膜式流量計は、例えば、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管の途中に設けて、ガスの流量を計測するものであり、翼をケーシングに揺動自在に片持状に支承すると共に、その翼の先端に支持した丁番軸をその軸心周りに相対回転自在に丁番台に挿通して、翼と膜部とを丁番台及び丁番軸を介して連結し、計量室へのガスの給排により往復動する膜部によって翼を揺動させて、そのように揺動する翼により、計量室へのガスの給排を制御する弁部を開閉操作させるようにしたものである。
そして、膜部の1往復の間に計量室に供給されて排出されるガスの量を計測基準流量として予め設定して、その設定計測基準流量に基づいてガスの流量を計測するようになっている。
【0003】
このような膜式流量計において、従来は、丁番軸を、膜部の膜面に沿う膜面方向であって丁番軸の軸心と交差する方向(以下、膜面沿い軸心交差方向と記載する場合がある)に融通が無い状態で丁番台に挿通して、丁番軸と丁番台とを膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動できないように連結していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭54−22044号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、膜式流量計を製作する際には、各部材の寸法公差や各部材の組み付けのバラツキにより、各部材を組み付けた状態での各部材の相対位置関係にバラツキが生じることから、膜部と翼との連結を解除した状態で見たときの膜部の往復動の軌跡と翼の揺動の軌跡(以下、膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡と記載する場合がある)が互いに合い難くなる場合がある。
しかしながら、従来では、丁番軸と丁番台との間に、膜部の膜面に沿う膜面方向であって丁番軸の軸心方向(以下、膜面沿い軸心方向と記載する場合がある)には相対移動が許容される融通があったとしても、膜面沿い軸心交差方向には相対移動を許容するような融通がないことから、上述のように膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡が互いに合い難い場合には、膜部と翼とを連結して膜部の往復動と翼の揺動とを連係させた状態では、膜部に局部的に引っ張り応力や縮め応力がかかることになるので、時間経過に伴って膜部にしわが生じて、膜部の1往復の間に計量室に供給されて排出される実際のガス量(以下、単位排出量と称する場合がある)と設定基準流量との間に偏差が生じることになり、又、時間経過に伴って膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなって、膜部が適正に往復動し難くなり、流量計測の信頼性を向上する上で改善の余地があった。
【0006】
又、使用中に、熱の影響等により各部材の寸法が変化する場合があるが、このように使用中に各部材の寸法が変化すると、例えば、膜部が各部分でばらついて伸びると、従来のように丁番台と丁番軸との間に膜面沿い軸心交差方向に相対移動可能な融通がない場合には、膜部の往復動と翼の揺動とが適切に連係されなくなるので、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなって、膜部が適正に往復動し難くなり、流量計測の信頼性を向上する上で改善の余地があった。
【0007】
ちなみに、上述の如き従来の構成において流量計測の信頼性の向上を図るためには、寸法公差が小さく且つ熱等による寸法変化が小さい部材を用いると共に、各部材を高精度に組み付けるようにすることが考えられるが、この場合は、膜式流量計の価格が上昇することになって、実用的なものではない。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、価格上昇を防止しながら流量計測の信頼性を向上し得る膜式流量計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の膜式流量計は、計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられて、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部の一方側の面に、丁番台が設けられ、
前記ケーシングに揺動自在に片持状に支承された翼の先端に支持した丁番軸が、その軸心周りに相対回転自在に前記丁番台に挿通されたものであって、
前記丁番軸が、前記膜部の膜面に沿う膜面方向であって、前記丁番軸の軸心方向及びその軸心と交差する軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で前記丁番台に挿通されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸と丁番台とが、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向のいずれの方向にも互いに相対移動可能な状態で連結されている。
従って、各部材の寸法公差や各部材の組み付けのバラツキにより、各部材を組み付けた状態での各部材の相対位置関係にバラツキが生じて、膜部の往復動及び翼の揺動夫々の独立軌跡が互いに合い難くいものであっても、丁番軸と丁番台とが連結された状態では、丁番軸と丁番台とが膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動し合うので、膜部の往復動と翼の揺動とが夫々の動きがスムーズになるようにスムーズに連係されることになる。そして、膜部の往復動と翼の揺動とがスムーズに連係されことにより、膜部に局部的に引っ張り応力や縮め応力がかかるのが抑制されるので、膜部にしわが生じるのを抑制して、単位排出流量と設定基準流量との偏差を抑制することが可能になると共に、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなるのを抑制して、膜部を適正に往復動させることが可能となり、もって、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
又、使用中に熱の影響等により各部材の寸法が変化しても、例えば、膜部が各部分でばらついて伸びたりしても、丁番軸と丁番台とが膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動し合って、膜部の往復動と翼の揺動とのスムーズな連係が維持されるので、膜部の往復動にかかる抵抗が大きくなるのを抑制して、膜部が適正に往復動する状態を維持させることが可能となり、もって、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
つまり、寸法公差が小さく且つ熱等による寸法変化が小さい部材を用いたり、各部材を高精度に組み付けるようにしたりすることなく、流量計測の信頼性を向上することが可能となるのである。
要するに、価格上昇を防止しながら流量計測の信頼性を向上し得る膜式流量計を提供することができるようになった。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の膜式流量計は、請求項1において、前記丁番台に形成された丁番軸挿通孔が、前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されて、前記融通がある状態で前記丁番軸が前記丁番台に挿通されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸が、丁番台に形成された膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔に挿通されて、丁番軸と丁番台とが、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動可能な状態で連結される。
つまり、丁番台に膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔を形成して、その長孔状の丁番軸挿通孔に丁番軸を挿通するだけの簡単な構成により、丁番軸と丁番台とを、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動自在に連結することが可能となる。
従って、低廉化を図りながら本発明を実施する上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の膜式流量計は、請求項2において、前記丁番台に、前記丁番軸を挿通させる一対の挿通孔形成部分が前記丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて並設され、
それら一対の挿通孔形成部分の夫々に、前記丁番軸挿通孔が前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されている点を特徴構成とする。
即ち、丁番軸が、丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて丁番台に並設された一対の挿通孔形成部分夫々に形成された膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔の夫々に挿通されて、丁番軸と丁番台とが、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向に互いに相対移動可能な状態で連結される。
つまり、丁番軸が、その丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて並ぶ状態で丁番台に備えられた一対の丁番軸挿通孔に挿通されるので、丁番軸と丁番台とを、丁番軸の軸心周りに相対回転自在で、且つ、膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の両方向に相対移動自在なように連結しながらも、丁番台を、それに備えられた前記一対の丁番軸挿通孔にて、膜部の往復動方向でのねじれを抑制する状態で丁番軸に支持されるようにすることが可能となる。
そして、丁番台が膜部の往復動方向にねじれるのを抑制することにより、膜部を適正な姿勢を保つ状態で往復動させることが可能になるので、単位排出流量と設定基準流量との偏差を一層抑制することが可能になる。
従って、流量計測の信頼性を一段と向上することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
膜式ガスメータは、図1に示すように、ガス供給口1及びガス排出口2を備えたケーシングCを用いて組み付けて構成してあり、ガス供給口1及びガス排出口2により、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管(図示省略)の途中に接続して、ガス供給管を流れるガスの流量を計測して、ケーシングCの外部に設けた表示部3に計測したガス流量を表示するように構成してある。
【0013】
図3に示すように、膜式ガスメータは、計量室4へのガスの給排を制御する弁部V、計量室4へのガスの給排により往復動する膜部F、その膜部Fの1往復で1回転するように、膜部Fにリンク機構Lにて連動連結された回転体R、その回転軸芯から径方向に離れた位置に位置して、膜部Fの往復動に伴って、その回転軸芯周りに回転するように設けられた磁石5、その磁石5が特定回転位相に回転したときに動作するリードスイッチ6、及び、そのリードスイッチ6からの信号と前記設定計測基準流量とに基づいて流量を求めると共に求めた流量を上述の表示部3に表示させるコントローラ7(図6参照)を、ケーシングC内に組み付けて構成してある。
【0014】
ケーシングCは、下ケーシングC1及び上ケーシングC2から成る。
周知であるので詳細な説明並びに図示は省略するが、上ケーシングC2内には、上述のコントローラ7の他に、膜式ガスメータに供給されるガス圧力を検出する圧力センサ、地震の震動を検出する感震器、及び、ガス供給遮断弁を設けて、前記圧力センサが異常圧力を検出したときや前記感震器が地震を検出したとき等、異常が発生したときに、上述のコントローラ7により、前記ガス供給遮断弁を遮断制御すると共に、異常情報を前記表示部に表示するように構成してあり、図1において、8は、前記ガス供給遮断弁の遮断状態を解除するための復帰軸(図示せず)の操作部を覆う復帰軸キャップである。
【0015】
図2及び図3に示すように、下ケーシングC1は、その中央を仕切り壁9にて仕切り、その仕切り壁9の両側それぞれに仕切り壁9を底部とする概ね円筒形状の計量室形成用空間を備え、各計量室形成用空間の中央部を膜部Fにて仕切ると共に、各計量室形成用空間の開口部を蓋10にて閉じて、各膜部Fの両側夫々に計量室4を形成してある。即ち、膜部Fは1対設け、計量室4は4室形成してある。
【0016】
図2ないし図4に基づいて、膜部Fについて説明を加えると、膜部Fは、計量室4を形成する下ケーシングC1に枠状の整膜板14により周縁部を固定した状態で設けた膜体11と、その膜体11の両面夫々の中央部に保持した円形の膜板12にて構成してあり、外側の膜板12の中央には、丁番台13を設けてある。
膜体11は、可撓性を有する材料にて形成してある。
【0017】
図2ないし図5に示すように、翼軸16を、その軸心を上下方向に向けて上端側を下ケーシングC1の上部壁に形成した穴に気密状に貫通させた状態で、回動自在に支承し、その翼軸16に翼15を片持ち状に支持してある。つまり、翼15を翼軸16により下ケーシングC1に揺動自在に片持ち状に支承してある。
そして、翼15の先端に支持した丁番軸26を、その軸心周りに相対回転自在に丁番台13に挿通して、膜部Fの往復動に伴って翼15が揺動するように、膜部Fと翼15とを連結してある。
【0018】
本発明では、丁番軸26を、膜部Fの膜面に沿う膜面方向であって、丁番軸26の軸心方向(即ち、膜面沿い軸心方向)及びその軸心と交差する軸心交差方向(即ち、膜面沿い軸心交差方向)の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通してある。ちなみに、膜部Fの膜面に沿う膜面方向は、膜部Fの往復動方向(以下、膜部往復動方向と記載する場合がある)に直交する面方向に相当する。
【0019】
以下、丁番軸26を、丁番軸26の軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通する構成について説明を加える。
図3ないし図5に示すように、丁番台13に、丁番軸26を挿通させる一対の挿通孔形成部分13aを丁番軸26の軸心方向に間隔を隔てて並設し、それら一対の挿通孔形成部分13aの夫々に、膜面沿い軸心交差方向に沿う長孔状の丁番軸挿通孔13bを形成してある。
その長孔状の丁番軸挿通孔13bは、膜部往復動方向の径を丁番軸26が挿通可能なようにその丁番軸26の外径よりも多少大きく設定して、その膜部往復動方向の径が膜面沿い軸心交差方向の略全長にわたって略一定になるように形成してある。
そして、丁番軸26を前記一対の丁番軸挿通孔13bに挿通することにより、丁番軸26を、丁番軸26の軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通してある。
【0020】
長孔状の丁番軸挿通孔13bは、上述のように、膜部往復動方向の径が膜面沿い軸心交差方向の略全長にわたって略一定になるように形成してあるので、丁番軸26と丁番台13とを、膜面沿い軸心交差方向の相対移動を許容しながらも、膜部往復動方向での相対移動を極力抑制するようにして、膜部Fの往復動範囲のバラツキを極力小さくして、流量計測の信頼性を一層向上するようにしてある。
【0021】
図3及び図6に示すように、リンク機構Lは、端部同士を互いに枢支連結した大肘金17と小肘金18との組を2組備えて構成してある。
そして、各翼軸16の上端部に、各大肘金17の一端を枢支連結してある。
【0022】
図3及び図6に示すように、回転体Rは、下ケーシングC1の上部壁上に取り付けた支持台19に上下方向の軸心周りで回転自在に支持したクランク軸20と、そのクランク軸20の上端に同軸芯状に取り付けた回転円板21とを備えて構成し、クランク軸20には、その径方向外方に突出する状態でクランクアーム22を取り付けてある。
前記磁石5は、回転円板21の上面の外周側に設けて、前記リードスイッチ6は、回転円板21の外周に位置させて、支持台19に支持させて設けてある。
【0023】
図3及び図6に示すように、弁部Vは、上記の4室の計量室4のガスの給排を制御するように下ケーシングC1の上部壁に設け、弁部Vが膜部Fの往復動にて開閉操作されるように設けてある。
図6に基づいて弁部Vについて説明を加えると、下ケーシングC1の上部壁には、膜部Fを介して対向する2室の計量室4に各別に連通する2個のガス給排口Xを間隔を隔てて並べて設けることにより、2個のガス給排口Xが並ぶガス給排口Xの組を2組設けると共に、各組のガス給排口Xの間にはガス排出口Yを設けてある。つまり、ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶ給排用開口部列を2列形成してある。
各給排用開口部列のガス排出口Yは、下ケーシングC1の上部壁に設けたガス排出用接続口Zに対して、ガス排出路(図示省略)にて接続し、このガス排出用接続口Zは、下ケーシングC1上に上ケーシングC2を設けた状態で、上ケーシングC2内に設けたガス排出路(図示省略)にてガス排出口2に接続されるようになっている。
【0024】
各給排用開口部列の上部に、揺動バルブ23を上下方向の軸部にて給排用開口部列の開口部並び方向に揺動自在に支持して設けてある。
揺動バルブ23の裏面には連通用凹部(図示省略)を設けてあり、揺動バルブ23は、各揺動端に位置する状態で、揺動端側のガス給排口Xとガス排出口Yとを前記連通用凹部にて接続し且つ揺動端と反対側のガス給排口Xを開口し、揺動方向の中央に位置する状態で、両方のガス給排口Xを閉じるように構成してある。
【0025】
図6に示すように、クランク台24の一端を、クランクアーム22の先端に軸心が上下方向を向くように設けた軸部22aに枢支し、各翼軸16の上端部に、各大肘金17の一端を枢支し、両方の小肘金18の一端をクランク台24におけるクランクアーム22に対する枢支軸芯から偏芯させた位置に枢支することにより、膜部Fと回転体Rとを連動連結し、クランクアーム22の軸部22aに連結した2本のクランクロッド25夫々を各揺動バルブ23に連結してある。そして、1対の膜部Fが1往復すると、各翼軸16が所定角度で回動し、その回動に伴って、リンク機構Lにより回転体Rが1回転して、各揺動バルブ23が揺動し、4個の計量室4に対するガスの給排を制御するように構成してある。
つまり、弁部Vは、2個の揺動バルブ23、各揺動バルブ23に夫々対応する2列の給排用開口部列(ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶもの)を備えて、2個の揺動バルブ23夫々の揺動によって4室の計量室4へのガスの給排を行うように構成し、その弁部Vが膜部Fの往復動にて開閉操作されるように、翼軸16と弁部Vとを、リンク機構L及びクランク軸20とクランクアーム22とから構成されるクランク機構にて連結してある。
【0026】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 丁番軸26をその軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通する構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態のように、丁番台13に一対の挿通孔形成部分13aを形成すると共に、それら一対の挿通孔形成部分13aの夫々に長孔状の丁番軸挿通孔13bを形成する場合に、長孔状の丁番軸挿通孔13bの形状を第1実施形態と異ならせる実施形態が考えられる。例えば、図7に示すように、長径を膜面沿い軸心交差方向に沿わせた楕円形であっても良い。
この場合は、丁番軸26と丁番台13とを、膜部往復動方向での相対移動も許容するように連結するので、膜部Fの往復動と翼15の揺動とが一層スムーズに連係されることになり、流量計測の信頼性を向上することが可能となる。
【0027】
又、図8に示すように、丁番台13に第1実施形態と同様に備えた一対の挿通孔形成部分13aの夫々に、膜面沿い軸心交差方向に長い細長状の切り欠き13cを形成し、それら一対の細長状の切り欠き13cに丁番軸26を挿通することにより、丁番軸26を、その軸心周りに相対回転自在で且つ膜面沿い軸心方向及び膜面沿い軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で丁番台13に挿通するようにしても良い。ちなみに、細長状の切り欠き13cの長さは、想定される膜面沿い軸心交差方向での丁番軸26と丁番台3との相対移動範囲よりも長く設定して、丁番軸26が細長状の切り欠き13cから抜けるのを阻止するようになっている。
この場合は、丁番軸26を切り欠き13cの開口部から切り欠き13cに挿入することにより、丁番軸26と丁番台13とを連結することが可能となるので、組み付け構成を簡略化することが可能となる。
【0028】
(ロ) 上記の実施形態においては、丁番台13に、丁番軸26を挿通させる挿通孔形成部分13aを一対設ける場合について例示したが、挿通孔形成部分13aを1個設けても良い。
【0029】
(ハ) 上記の実施形態においては、回転体Rに設けた磁石5によりリードスイッチ6を動作させるようにして、リードスイッチ6からの信号に基づいて流量を計測するように構成したが、これに代えて、カウンタを回転体Rにより操作されるように設けて、そのカウンタにて流量を表示するように構成しても良い。
【0030】
(ニ) 本発明を適用することができる膜式流量計は、上記の実施形態において例示した膜式流量計以外にも、種々の膜式ガスメータに適用することができる。例えば、上記の実施形態においては、揺動操作することにより2室の計量室4に対するガスの給排を制御する揺動バルブ23を2個備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータに適用する場合について例示したが、回転操作することにより4室の計量室4に対するガスの給排を制御するロータリーバルブを備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータにも適用可能である。
あるいは、上記の実施形態においては、計量室4を4室設け、膜部Fを一対設けた膜式ガスメータ適用する場合について例示したが、計量室4を2室設け、膜部Fを1個設けた膜式ガスメータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る膜式ガスメータの斜視図
【図2】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の縦断面図
【図3】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の分解斜視図
【図4】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の斜視図
【図5】実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【図6】実施形態に係る膜式ガスメータの要部の平面図
【図7】別実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【図8】別実施形態に係る膜式ガスメータの丁番台周辺の平面図
【符号の説明】
4 計量室
13 丁番台
13a 挿通孔形成部分
13b 丁番軸挿通孔
15 翼
26 丁番軸
C1 ケーシング
F 膜部
Claims (3)
- 計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられて、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部の一方側の面に、丁番台が設けられ、
前記ケーシングに揺動自在に片持状に支承された翼の先端に支持した丁番軸が、その軸心周りに相対回転自在に前記丁番台に挿通された膜式流量計であって、
前記丁番軸が、前記膜部の膜面に沿う膜面方向であって、前記丁番軸の軸心方向及びその軸心と交差する軸心交差方向の相対移動が許容される融通がある状態で前記丁番台に挿通されている膜式流量計。 - 前記丁番台に形成された丁番軸挿通孔が、前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されて、前記融通がある状態で前記丁番軸が前記丁番台に挿通されている請求項1記載の膜式流量計。
- 前記丁番台に、前記丁番軸を挿通させる一対の挿通孔形成部分が前記丁番軸の軸心方向に間隔を隔てて並設され、
それら一対の挿通孔形成部分の夫々に、前記丁番軸挿通孔が前記膜面方向であって前記軸心交差方向に沿う長孔状に形成されている請求項2記載の膜式流量計。
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JP2006234641A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Kimmon Mfg Co Ltd | 膜式ガスメータ |
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- 2003-03-25 JP JP2003082592A patent/JP2004294064A/ja active Pending
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