JP2004293479A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油の供給が良好に行われ、また駆動ピンの撓みによる偏心穴への強接触を低減して駆動ピンおよびブッシュ間の耐久性を向上可能とするスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】主軸211の先端側に設けられた駆動ピン212がブッシュ213の偏心穴213aに回転可能に挿入され、スナップリング214によってブッシュ213の抜け止めがされて成る偏心クランク機構210の回転駆動によって、旋回スクロール240が公転作動され、この旋回スクロール240に対向する固定スクロール250との間に形成される作動室256で流体を圧縮するスクロール型圧縮機において、駆動ピン212とブッシュ213との間に、駆動ピン212の先端側あるいは根元側の少なくとも一方で、部分的に本来の隙間より大きく形成されて外部側に繋がる拡大隙間部213bを設ける。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCOを冷媒として用いる超臨界冷凍サイクルに適用して好適なスクロール型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスクロール型圧縮機は、例えば特許文献1に示されるように、可動スクロールを公転させる偏心クランク機構として、主軸(シャフト)の一端側に設けられた駆動ピンに偏心穴を有するブッシュが回転可能に挿入されたものが知られている。そして、ブッシュの抜け止めのために駆動ピンの先端側にはスナップリングが設けられている。
【0003】
これにより、流体圧縮時の反作用によってブッシュには回転モーメントが生じ、可動スクロールを固定スクロール側に押し付けるように作用することになり、両スクロール間の安定したシールが得られるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−301688号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スナップリングが駆動ピンとブッシュの偏心穴との間の隙間を塞いでしまう形となるので、駆動ピンと偏心穴との間には充分な潤滑油が供給されなくなり、焼付きや異常摩耗等が発生する問題があった。また、駆動ピンはブッシュを保持するために所定の長さを必要としていることから、駆動ピンの先端側から根元までの間に充分な潤滑油を供給することが難しかった。更には、駆動ピンはブッシュからの荷重を片持ちで受けるために駆動ピンが撓んだ時に、偏心穴に強接触して焼付きや異常摩耗等に至るという問題もあった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、潤滑油の供給が良好に行われ、また駆動ピンの撓みによる偏心穴への強接触を低減して駆動ピンおよびブッシュ間の耐久性を向上可能とするスクロール型圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、偏心穴(213a)を有するブッシュ(213)と、主軸(211)の先端側に設けられ、偏心穴(213a)に回転可能に挿入される駆動ピン(212)と、駆動ピン(212)の先端側に固定され、ブッシュ(213)の抜け止めを行うスナップリング(214)とから成る偏心クランク機構(210)の回転駆動によって、旋回スクロール(240)が公転作動され、この旋回スクロール(240)に対向する固定スクロール(250)との間に形成される作動室(256)で流体を圧縮するスクロール型圧縮機において、駆動ピン(212)とブッシュ(213)との間には、駆動ピン(212)の先端側あるいは根元側の少なくとも一方で、部分的に本来の隙間より大きく形成されて外部側に繋がる拡大隙間部(213b、213c、213d)が設けられたことを特徴としている。
【0009】
これにより、拡大隙間部(213b、213c、213d)から駆動ピン(212)とブッシュ(213)との間に潤滑油が入りやすくなる。特に駆動ピン(212)の先端側に拡大隙間部(213b、213c、213d)を設けた場合には、少なくともC字状のスナップリング(214)の開口部を介して潤滑油の流入性が向上する。
【0010】
また、拡大隙間部(213b、213c、213d)を設けた分だけ、駆動ピン(212)とブッシュ(213)との間における本来の隙間領域を少なくすることができるので、潤滑油の流通が容易となる。
【0011】
更に、駆動ピン(212)が旋回スクロール(240)からの反力によって撓んだ場合でも、拡大隙間部(213b、213c、213d)によって強接触する領域を低減することができる。よって、駆動ピン(212)とブッシュ(213)との間における焼付きや異常摩耗等を低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、拡大隙間部(213b、213c、213d)は、駆動ピン(212)の先端側に設けられると共に、偏心穴(213a)からスナップリング(214)の外側領域に延びるように切欠きされて形成される切欠き状拡大隙間部(213b)としたことを特徴としている。
【0013】
これにより、従来技術のようにスナップリング(214)によって駆動ピン(212)とブッシュ(213)との間が塞がれるものに対して、切欠き状拡大隙間部(213b)からより多くの潤滑油の流入できるようになる。
【0014】
そして、請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載の発明のように、切欠き状拡大隙間部(213b)を偏心穴(213a)の周方向に複数設けるようにしてやれば、更に潤滑油の流入量を増加させることができる。
【0015】
また、拡大隙間部(213b、213c、213d)としては、請求項4に記載の発明のように、偏心穴(213a)の内径が駆動ピン(212)の長手方向の所定領域に渡って大きく形成されるリング状拡大隙間部(213c)としても良い。
【0016】
この場合は、駆動ピン(212)が撓んだ場合のブッシュ(213)との強接触領域をより少なくすることができる。
【0017】
更に、拡大隙間部(213b、213c、213d)として、請求項5に記載の発明のように、駆動ピン(212)が流体圧縮時の旋回スクロール(240)側からの反力を受ける側とは逆側の領域において、駆動ピン(212)の長手方向に渡って形成される長手方向拡大隙間部(213d)としても良い。
【0018】
この場合は、旋回スクロール(240)の作動を損なう事無く、駆動ピン(212)の長手方向の全領域に渡って潤滑油を流れやすくでき、また、駆動ピン(212)が撓んだ場合の強接触を更に少なくすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明における逆側の領域の具体的な設定としては、請求項6に記載の発明のように、駆動ピン(212)における反力の作用点とは逆側の点を中央にして駆動ピン(212)の周方向に180度から270度の領域としてやれば良く、反力の作用側において駆動ピン(212)とブッシュ(213)とで確実に反力を受けつつ、逆側において潤滑油の流入性、流通性を最大限に確保することができる。
【0020】
そして、長手方向拡大隙間部(213d)の形成は、請求項7に記載の発明のように、偏心穴(213a)を反力を受ける側から逆側に延びる長穴としてやることで容易に対応が可能となる。
【0021】
また、長手方向拡大隙間部(213d)の形成にあたっては、請求項8に記載の発明のように、駆動ピン(212)の反力を受ける側とは逆側を徐肉するようにしても良い。
【0022】
請求項1〜請求項8に記載の発明においては、請求項9に記載の発明のように、偏心クランク機構(210)は、自身の内部に一体的に設けられ、外部電力を受けて駆動する電動機(300)によって回転駆動されるようにしたり、請求項10に記載の発明のように、外部原動機によって回転駆動されるようにして対応するのが好ましい。
【0023】
更に、請求項1〜請求項10に記載の発明においては、請求項11に記載の発明のように、流体は冷凍サイクル内を流通する冷媒であり、冷媒の圧縮後の圧力は、臨界圧力を超えるように設定されたものに用いて好適である。
【0024】
即ち、冷媒の圧縮後の圧力が臨界点を越えるような高い圧力で使用する場合には、耐久強度面から駆動ピン(212)およびブッシュ(213)の長さが長く設定され、その分、潤滑油が流通しにくくなる訳で、本発明を効果的に活用することができる。
【0025】
請求項11に記載の発明における具体的な冷媒は、請求項12に記載の発明のように、COの場合が挙げられる。
【0026】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図3に示し、まず具体的な構成について説明する。本実施形態のスクロール型圧縮機100は、COを冷媒として圧縮後の圧力が臨界圧力を超えるような超臨界冷凍サイクルに適用されるものとしている。
【0028】
スクロール型圧縮機100は、図1に示すように、ここでは圧縮機構部200に電動機部(電動機)300が一体的に設けられ、この電動機部300によって圧縮機構部200が作動される電動圧縮機としている。圧縮機構部200および電動機部300は、本体ケーシング101a、上部ケーシング101b、下部ケーシング101cから成る耐圧容器101内に収容されている。
【0029】
尚、電動機部300は、シャフト(主軸)211に固定される回転子310と、この回転子310の外周側で本体ケーシング101aの内壁に焼嵌固定された固定子320とから形成されている。電動機部300に図示しない外部電源(バッテリ)から電力が供給されると回転子310が回転駆動され、シャフト211が回転される。
【0030】
圧縮機構部200は、上記シャフト211を本体部として形成される偏心クランク機構210に接続される旋回スクロール240およびこの旋回スクロール240に対向配置される固定スクロール250等から形成されている。
【0031】
偏心クランク機構210は、シャフト211の先端側(図1中では下側)に形成された駆動ピン212に組付けられるブッシュ213と、このブッシュ213の抜け止めを行うスナップリング214によって形成されている。
【0032】
シャフト211は、一端側に外形が大きく形成される主受け部211aを有しており、主受け部211aにはシャフト211の軸心に対して偏心して駆動ピン212が一体で設けられている。ミドルハウジング220には主軸受け215が固定されており、また開口部231を有するホルダ230には副軸受け216が固定されており、主軸受け215に主受け部211aが対応し、また副軸受け216にはシャフト211の他端側が対応して、シャフト211は回転可能に支持されている。
【0033】
ブッシュ213は、偏心穴213aが設けられた円筒状の部材であり、この偏心穴213aには上記駆動ピン212が回転可能に挿入され、駆動ピン212の先端部にC字状を成すスナップリング214が固定され、ブッシュ213の抜け止めが成されている。駆動ピン212とブッシュ213との間の隙間は、両者のはめあい、摺動を可能とし、且つガタつきを抑えるために10〜30μmレベルとしている。このようにブッシュ213は、シャフト211の軸心に対して所定量偏心した形で装着されており、シャフト211が回転作動する際に、駆動ピン212に対する自転を許容されつつ、シャフト211の軸心のまわりを回転する。そして、ブッシュ213には、回転作動時における動的なアンバランスを相殺するためのバランサ217が固定されている。尚、本発明においては、駆動ピン212とブッシュ213との間における隙間の形成に特徴部を持たせているが、詳細については後述する。
【0034】
偏心クランク機構210のブッシュ213には、旋回スクロール240が接続されている。旋回スクロール240は、円板状の端板部241の各平面(図1中の上下面)に渦巻き状の羽根部242および円筒状のボス部243が設けられたものであり、ボス部243には上記のブッシュ213が旋回スクロール軸受け245を介して挿入されている。そして、旋回スクロール240は、ミドルハウジング220に固定されたスラスト軸受け246によって、ブッシュ213を介した旋回作動が可能となるように支持されている。また、スラスト軸受け246は、圧縮作動時において旋回スクロール240に発生するスラスト荷重を受ける役割を果たす。
【0035】
尚、ボス部243の端板部241側の側壁には流通穴243aが設けられ、ボス部243の内外部が連通するようにしている。また、端板部241の外周側には自転防止穴244が設けられており、後述する固定スクロール250に設けられた自転防止ピン254が挿入され、旋回スクロール240の自転を防止するようにしている。
【0036】
旋回スクロール240の反シャフト側には、端板部251に渦巻き状の羽根部252が形成された固定スクロール250が設けられ、固定スクロール250はミドルハウジング220に図示しないボルトによって固定されている。そして、旋回スクロール240の羽根部242と固定スクロール250の羽根部252とがシャフト211の長手方向に嵌合して作動室256を形成している。
【0037】
固定スクロール250の反羽根部側には凹部255が形成され、更に中心部には吐出孔253が設けられている。凹部255の開口側はリヤプレート260によって閉塞され、内部空間として吐出室257が形成されている。そして、吐出孔253には、吐出室257側に開く吐出弁270および吐出弁270の最大開度を規制するストッパ271が設けられ、ボルト272によって固定スクロール250に固定されている。
【0038】
そして、ミドルハウジング220には冷媒通路221および吸入室222が設けられており、主に電動機部300が収容される空間から冷媒通路221、ボス部243の外側部、スラスト軸受け246を通って吸入室222に連通するようにしている。更に、図示しない固定スクロール240に設けられた通路によって、吸入室222と作動室256とが連通するようにしている。
【0039】
上部ハウジング101bには本体ケーシング101a内に連通する吸入パイプ281が設けられ、また固定スクロール250には、吐出室257内に連通する吐出パイプ282が設けられている。
【0040】
次に、本発明の要部について、図2、図3を用いて詳細に説明する。本発明では、駆動ピン212とブッシュ213との間に、部分的に本来の隙間よりも大きく形成されて、外部側に繋がる拡大隙間部(213b)を設けるようにしている。具体的には、駆動ピン212の先端側において、ブッシュ213の偏心穴213aからスナップリング214の外側領域に延びる切欠き部213bを設けることで、切欠き状拡大隙間部を形成している。この切欠き部213bは、ここでは偏心穴213aの周方向に略90度間隔で3ヶ所設けており、そのうちの1ヶ所は、C字状のスナップリング214の開口部と一致するようにしている。
【0041】
次に、上記構成に基づく作動およびその作用効果について説明する。電動機部300に電力が供給されると回転子310が回転駆動し、シャフト211がそれに伴い回転し、ブッシュ213は、所定の偏心量をもってシャフト211のまわりを回転する。そして、ブッシュ213と共に、旋回スクロール240が旋回し、冷媒は吸入パイプ281から電動機部300、冷媒通路221、吸入室222を通って作動室256に流入し、圧縮され、更に吐出孔253、吐出弁270、吐出室257を通って吐出パイプ282から吐出される。
【0042】
冷媒には予め所定量の潤滑油が混入されており、この潤滑油はミスト状になって冷媒と共に流動し、圧縮機構部200内の各摺動部の潤滑を果たす。本発明においては、特に駆動ピン212とブッシュ213との間の潤滑にポイント置いたものであって、冷媒中の潤滑油は、旋回スクロール240のボス部243に設けた流通孔243aから、駆動ピン212の先端側に至り、切欠き部213bから駆動ピン212とブッシュ213との隙間に流入し、両者間の潤滑を果たす。
【0043】
このように、従来技術ではスナップリング214によって駆動ピン212とブッシュ213との間が塞がれていたものに対して、切欠き部(切欠き状拡大隙間部)213bを設けることで、駆動ピン212とブッシュ213との間に潤滑油が入りやすくなる。
【0044】
また、切欠き部213bを設けた分だけ、駆動ピン212とブッシュ213との間における本来の隙間領域を少なくすることができるので、潤滑油の流通が容易となる。
【0045】
更に、駆動ピン212が旋回スクロール240からの反力によって撓んだ場合でも、切欠き部213bによって強接触する領域を低減することができる。よって、駆動ピン212とブッシュ213との間における焼付きや異常摩耗等を低減することができる。
【0046】
また、本実施形態のように冷媒の圧縮後の圧力が臨界点を越えるような高い圧力で使用する場合には、耐久強度面から旋回スクロール軸受け245の大型化を伴い、駆動ピン212およびブッシュ213の長さが長く設定され、その分、潤滑油が流通しにくくなるため、本発明を効果的に活用することができる。
【0047】
尚、切欠き部213bの設定数は、上記実施形態中の3ヶ所に限定されるものでは無く、少なくとも1ヶ所設けることで本発明における基本的な作用効果が得られる。
【0048】
また、シャフト211の主受け部211aのブッシュ213側の面には、軸心から放射状に外径部に至る複数の溝を設けると良い。即ち、溝の回転によりポンプ作用(遠心力による潤滑油の吐出効果)が得られ、駆動ピン212とブッシュ213との間の潤滑油の流通が更に良好となる。
【0049】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図4、図5に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して拡大隙間部を逃がし部213cによって形成されるリング状拡大隙間部としたものである。
【0050】
逃がし部(リング状拡大隙間部)213cは、駆動ピン212の先端側に設けられるようにしており、ブッシュ213の偏心穴213a(全長L)において、内径が駆動ピン212の長手方向の所定領域(L1)に渡って大きくなるようにして形成されている。ここでは、逃がし部213cによって形成される隙間を本来の隙間10〜30μmに対して100μmレベルとしている。
【0051】
これにより、C字状のスナップリング214の開口部から逃がし部(リング状拡大隙間)213cに潤滑油が流入しやすくなる。そして、逃がし部213cによって、駆動ピン212とブッシュ213との間における本来の隙間領域を少なくすることができるので、潤滑油の流通が容易となる。また、駆動ピン212が旋回スクロール240からの反力によって撓んだ場合、上記第1実施形態に対して強接触する領域を更に低減することができる。よって、駆動ピン212とブッシュ213との間における焼付きや異常摩耗等を低減することができる。
【0052】
尚、逃がし部213cを駆動ピン212の先端側に限らず、図6に示すように、根元側にも追加すれば(領域L2の逃がし部213c)、上記効果を向上させることができる。更に、図7に示すように、逃がし部213cを駆動ピン212の根元側にのみ設けるようにしても良い。
【0053】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図8〜図10に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、拡大隙間部を逃がし部213dによって形成される長手方向拡大隙間部としたものである。
【0054】
逃がし部(長手方向拡大隙間部)213dは、圧縮作動時における旋回スクロール240からの反力Ftを駆動ピン212が受ける側とは逆側において、駆動ピン212の長手方向に渡って形成されるものとしている。
【0055】
ここで反力Ftについて図8を用いて簡単に説明する。まず、シャフト211が図8中のC方向に回転する際に、圧縮冷媒からの圧縮反力Fgがブッシュ213に作用し、この圧縮反力Fgによってブッシュ213には駆動ピン212を中心とした回転モーメントMが発生し、ブッシュ213は駆動ピン212を中心として回転(図8中では右回り)する。すると、ブッシュ213の外径部の図中の最上部は上方(厳密には右上方向)へ移動して、旋回スクロール240は固定スクロール250を押圧することになり、その反力として固定スクロール250からの押付け反力Fdを受ける。この圧縮反力Fgと押付け反力Fdとの合力が反力Ftとして表され、駆動ピン212に作用する。
【0056】
よって、図9に示すように、この反力Ftが駆動ピン212に作用する側とは反対側において、偏心穴213aの内径を大きくすることで逃がし部213dを形成している。尚、反力Ftが作用し得る領域を考慮して、ここでは図10に示すように、駆動ピン212における反力Ftの作用点とは逆側の点を中心にして周方向に180度の範囲で偏心穴213aの内径を大きくし、更に、180度から270度の範囲で本来の偏心穴213aに滑らかに繋がるようにして、逃がし部213dを設けている。
【0057】
これにより、旋回スクロール240の作動を損なう事無く、駆動ピン212の長手方向の全領域に渡って潤滑油を流れやすくでき、また、駆動ピン212が撓んだ場合の強接触を更に少なくすることができる。
【0058】
また、逃がし部213dを設ける領域を上記のように180度から270度の領域としているので、反力Ftの作用側において駆動ピン212とブッシュ213とで確実に反力を受けつつ、逆側において潤滑油の流入性、流通性を最大限に確保することができる。
【0059】
更に、駆動ピン212が撓んだ場合の強接触を上記第1、第2実施形態よりも更に少なくすることができ、駆動ピン212とブッシュ213との間における焼付きや異常摩耗等を低減することができる。
【0060】
尚、逃がし部(長手方向拡大隙間部)213dは、図11に示すように、偏心穴213aを反力Ftを受ける側から逆側に延びる長穴(本来の内径Ltに対して長軸寸法をLrとしたもの)として対応しても良く、これによれば上記実施形態に対して偏心穴213aの加工が容易になる。
【0061】
更に、逃がし部(長手方向拡大隙間部)213dは、図12に示すように、駆動ピン212の反力Ftを受ける側とは逆側を徐肉して全体の断面形状が卵型に成るようにして形成するようにしても良い。
【0062】
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、圧縮機構部200が電動機部300によって作動される電動圧縮機として説明したが、例えば車両に搭載される内燃機関(エンジン)のような外部原動機によって作動されるものとしても良い。
【0063】
更に、冷媒としてCOを用いた超臨界冷凍サイクルに適用したものとして説明したが、これに限らずフロン等を用いる通常の冷凍サイクルに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すスクロール型圧縮機の全体構成を示す断面図である。
【図2】第1実施形態における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図3】図2におけるA方向からの矢視図である。
【図4】第2実施形態における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図5】図4におけるB方向からの矢視図である。
【図6】第2実施形態の変形例1における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図7】第2実施形態の変形例2における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図8】駆動ピンに作用する反力を説明する模式図である。
【図9】第3実施形態における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図10】図9におけるD−D部の断面図である。
【図11】第3実施形態の変形例1における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【図12】第3実施形態の変形例2における駆動ピンおよびブッシュを示す断面図である。
【符号の説明】
100 スクロール型圧縮機
210 偏心クランク機構
211 シャフト(主軸)
212 駆動ピン
213 ブッシュ
213a 偏心穴
213b 切欠き部(切欠き状拡大隙間部)
213c 逃がし部(リング状拡大隙間部)
213d 逃がし部(長手方向拡大隙間部)
214 スナップリング
240 旋回スクロール
250 固定スクロール
256 作動室
300 電動機部(電動機)

Claims (12)

  1. 偏心穴(213a)を有するブッシュ(213)と、
    主軸(211)の先端側に設けられ、前記偏心穴(213a)に回転可能に挿入される駆動ピン(212)と、
    前記駆動ピン(212)の先端側に固定され、前記ブッシュ(213)の抜け止めを行うスナップリング(214)とから成る偏心クランク機構(210)の回転駆動によって、旋回スクロール(240)が公転作動され、この旋回スクロール(240)に対向する固定スクロール(250)との間に形成される作動室(256)で流体を圧縮するスクロール型圧縮機において、
    前記駆動ピン(212)と前記ブッシュ(213)との間には、前記駆動ピン(212)の先端側あるいは根元側の少なくとも一方で、部分的に本来の隙間より大きく形成されて外部側に繋がる拡大隙間部(213b、213c、213d)が設けられたことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 前記拡大隙間部(213b、213c、213d)は、前記駆動ピン(212)の先端側に設けられると共に、前記偏心穴(213a)から前記スナップリング(214)の外側領域に延びるように切欠きされて形成される切欠き状拡大隙間部(213b)としたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記切欠き状拡大隙間部(213b)は、前記偏心穴(213a)の周方向に複数設けられたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記拡大隙間部(213b、213c、213d)は、前記偏心穴(213a)の内径が前記駆動ピン(212)の長手方向の所定領域に渡って大きく形成されるリング状拡大隙間部(213c)としたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記拡大隙間部(213b、213c、213d)は、前記駆動ピン(212)が前記流体圧縮時の前記旋回スクロール(240)側からの反力を受ける側とは逆側の領域において、前記駆動ピン(212)の長手方向に渡って形成される長手方向拡大隙間部(213d)としたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  6. 前記逆側の領域は、前記駆動ピン(212)における前記反力の作用点とは逆側の点を中央にして前記駆動ピン(212)の周方向に180度から270度の領域としたことを特徴とする請求項5に記載のスクロール型圧縮機。
  7. 前記長手方向拡大隙間部(213d)は、前記偏心穴(213a)を前記反力を受ける側から逆側に延びる長穴とすることで形成されることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  8. 前記長手方向拡大隙間部(213d)は、前記駆動ピン(212)の前記反力を受ける側とは逆側を徐肉することで形成されることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  9. 前記偏心クランク機構(210)は、自身の内部に一体的に設けられ、外部電力を受けて駆動する電動機(300)によって回転駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  10. 前記偏心クランク機構(210)は、外部原動機によって回転駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  11. 前記流体は、冷凍サイクル内を流通する冷媒であり、
    前記冷媒の圧縮後の圧力は、臨界圧力を超えるように設定されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。
  12. 前記冷媒は、COを用いたことを特徴とする請求項11に記載のスクロール型圧縮機。
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