JP2004292014A - 吐出容器の液体充填方法及び吐出容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内に気泡が残存しないようにジェル状の液体を充填する方法及び当該方法に適した吐出容器を提供する。
【解決手段】吐出容器1は、内容物であるジェル2を吐出するポンプ3と、ジェル2が充填される容器4と、容器4の底部に設けられ容器4内を摺動自在のピストン5と、容器4の底部に装着され容器4の底部とピストン5とを覆うボトムキャップ6とを備える。(a)〜(b)のように容器4内にジェル2を充填し、(c)のように遠心分離機8により遠心力を付与して容器4内の気泡Aを除去する。このとき、ピストン5の凹部5cの裏面がボトムキャップ6の支持突起6aにより支持されるので、ピストン5の変形が抑制される。その後(d)のようにポンプ3を容器4の頂部に装着する。上記充填方法により、容器4内には気泡Aは残存しないので、外見がよく、ポンプ3による吐出を円滑に行うことができる。
【選択図】図2
【解決手段】吐出容器1は、内容物であるジェル2を吐出するポンプ3と、ジェル2が充填される容器4と、容器4の底部に設けられ容器4内を摺動自在のピストン5と、容器4の底部に装着され容器4の底部とピストン5とを覆うボトムキャップ6とを備える。(a)〜(b)のように容器4内にジェル2を充填し、(c)のように遠心分離機8により遠心力を付与して容器4内の気泡Aを除去する。このとき、ピストン5の凹部5cの裏面がボトムキャップ6の支持突起6aにより支持されるので、ピストン5の変形が抑制される。その後(d)のようにポンプ3を容器4の頂部に装着する。上記充填方法により、容器4内には気泡Aは残存しないので、外見がよく、ポンプ3による吐出を円滑に行うことができる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、ジェル状の液体を吐出する吐出容器に液体を充填する方法及び吐出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、円筒状の容器内に、芳香剤、香水、整髪剤等の液体を収納し、この液体を容器の頂部に装着されたポンプにより吐出する吐出容器が知られている。このような吐出容器の中には、収納する液体が空気等に触れないようにしたものがある。例えば、下記特許文献1に開示されている吐出容器11は、図3に示すように、底部に開口部を備える円筒状の容器14と、容器14の頂部に装着されたポンプ13と、容器14の周壁内面に沿って摺動自在に設けられたピストン15とからなる。ポンプ13は、頭部13aを押圧して上下動を繰り返すことによりポンプ作用を発生させ、容器14内に収納された液体12を吸引口13bから吸引し、頭部13aに設けられた吐出口3cから吐出する。
【0003】
この種の吐出容器11に用いられているピストン15は、軟質樹脂により形成され、容器14の内周面に液密に摺接するシール部15aと、シール部15aの内部を覆い液体12に接触する膜部15bとを備えている。シール部15aは容器14の内周面との密着性を確保するため、容器14の高さ方向にある程度の高さを必要とする。一方、液体12に接触する膜部15bは、容器14の内部の液体12をポンプ13により無駄なく吐出させるため、ポンプ13の吸引口13bが収納されるように凹部13cを備えている。また、ピストン15の重さを軽減し、原料を低減するため、膜部15bの厚さは必要な強度を確保できる程度に薄く形成されている。従って、この種の吐出容器11に用いられているピストン15は、図3に示すように、周囲のシール部15aの下端部よりも凹部13cの裏面が上方に位置している。
【0004】
一方、吐出容器11の分野においては、従来の粘度の低い液体のみならず、ジェル状の液体も充填することが望まれている。しかしながら、ジェル状の液体は容器14の内部に充填する際に気泡が発生することは避けられない。また、当該気泡はジェルの粘性により容器内に残存した状態となる。このように、気泡が残存した状態では、容器14が透明であるときは、当該気泡が外部より視認されてしまうため、見た目が悪くなり、商品価値を下げてしまうという不都合があった。また、ポンプ13を使用している際に気泡の部分がポンプ13に吸引されると、ポンプ13からの吐出量が気泡の分だけ減少してしまうため、使用者に違和感を与えるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−52068号公報(第1,2頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者等は、容器14内に残存する気泡を除去する方法として、容器14を遠心分離機にかけてピストン15側に向けて液体12に遠心力を付与し、液体12に加わる圧力によって気泡を除去する方法を考案した。
【0007】
しかしながら、ピストン15は軟質樹脂により薄く形成されているため、液体12の圧力がかかるとピストン15の凹部15cが容器14の底部に向けて変形してしまう。これにより、ピストン15のシール部15aと容器14の内壁との密着が解除され、液体12がシール部15aと容器14の内壁との間に流れ込み、さらには液体12が容器14の外部に漏れ出すという不都合があった。
【0008】
本発明は、吐出容器の液体充填方法及び吐出容器の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、容器内に気泡を残存させることなく、且つ液体が容器外に漏れ出すことのないジェル状の液体を充填する方法を提供し、さらに当該方法に適した吐出容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の吐出容器の液体充填方法は、下記の工程により吐出容器内にジェル状の液体を充填する方法である。
【0010】
まず、前記吐出容器は、液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有する。
【0011】
そして、前記容器の底部近傍に前記ピストンを装着する工程と、前記支持突起が前記ピストンの凹部の裏面に当接するように前記容器に前記ボトムキャップを装着する工程と、前記容器内に液体を充填する工程と、遠心分離機により前記ピストン側に向けて液体に遠心力を付与して前記液体内の気泡を除去する工程と、前記容器に前記ポンプを装着する工程とを備える。
【0012】
ジェル状の液体を容器内に充填する際には内部に気泡が残存することは避けられないが、本発明の液体充填方法によれば、容器内に液体を充填した後、遠心分離機により液体内の気泡を除去するため、容器内に気泡が残存しない。これにより、容器内を外見上も美しく保つことができ、さらにポンプにより吐出する際にも常に所定の量を吐出することができる。
【0013】
前記吐出容器の液体充填方法に用いられる吐出容器としては、内部にジェル状の液体が充填される際に遠心分離機により液体に遠心力が付与されて液体内の気泡が除去される吐出容器であって、液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有していることが好ましい。
【0014】
内部にジェル状の液体が充填された容器を遠心分離機にかけた場合、容器内部の液体に遠心力が付与され、前記ピストンの膜部に圧力が加わる。その際、前記ボトムキャップには前記膜部の凹部の裏面に当接する支持突起が設けられているため、前記凹部は前記支持突起により支持される。これにより、遠心分離機により前記膜部に遠心力が付与された場合であっても前記ピストンの変形が抑制される。従って、前記膜部及びシール部が変形してシール部と容器との間に液体が侵入したり、シール部から液体が漏れ出す等の不都合を防止することができる。
【0015】
また、本発明の吐出容器においては、前記ボトムキャップの支持突起は、前記ボトムキャップとは別個に形成された部材を前記ボトムキャップの内部に固定したものであることが好ましい。このように、前記ボトムキャップと前記支持突起とを別個に形成することにより、従来の吐出容器のボトムキャップに前記支持突起を固定することもできる。このため、遠心分離器にかけることができなかった従来の吐出容器に前記支持突起を装着することで、ジェル状の液体を充填し、容器内に気泡が生じた場合であっても、遠心分離機により当該気泡を取り除くことができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の吐出容器の液体充填方法及び吐出容器についてその実施形態の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態の吐出容器を示す説明的断面図、図2は本実施形態の液体充填方法を示す説明図である。
【0017】
本実施形態の吐出容器1は、図1に示すように、内容物であるジェル状の液体(以下単にジェルとする)2を吐出するポンプ3と、ジェル2が充填される容器4と、容器4の底部に設けられ容器4内を摺動自在のピストン5と、容器4の底部に装着され容器4の底部とピストン5とを覆うボトムキャップ6とを備えている。
【0018】
容器4は、略円筒状の透明な合成樹脂により形成されている。その頂部には、ポンプ3が装着されている。また、底部にはボトムキャップ6が装着される装着面4aが設けられている。容器4の頂部に装着されるポンプ3は、頭部3aと吸引口3bと吐出口3cとを備えている。そして、頭部3aを押圧して上下動を繰り返すことによりポンプ作用を発生させ、吸引口3bから容器4内のジェル2を吸引し、頭部3aに設けられた吐出口3cよりジェル2を吐出する。容器4内に充填されるジェル2としては、例えば化粧用のジェルや医薬品として用いられるジェルがある。
【0019】
ピストン5は、適度の弾性を有する合成樹脂により形成されている。また、図1に示すように、容器4の内周面に液密に摺接するシール部5aと、シール部5aの内部を覆いジェル2に接触する膜部5bとを備えている。この膜部5bには、ポンプ3の吸引口3bの形状に対応して下方に向かって凹入する凹部5cが設けられている。この凹部5cの裏面は、シール部5aの下端部よりも上方に位置している。
【0020】
ボトムキャップ6は、有底の筒状体に形成されており、筒状の側壁6aが容器4の装着面4aに接着剤で固定されている。また、ボトムキャップ6の内部には、図1に示すように、ピストン5の凹部5cに向けて突出する支持突起6bが設けられている。この支持突起6bは、本実施形態においては、ボトムキャップ6とは別個の部材をボトムキャップ6の底面に接着することにより形成している。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施形態の吐出容器1に、ジェル2を充填する行程について説明する。まず、吐出容器1は各部品毎に分かれた状態から容器4内部の底部近傍にピストン5が配設され、容器4の底部にボトムキャップ6が装着される。次に、図2aに示すように、当該容器4を起立させて容器4の内部にノズル7によってジェル2を充填する。このとき、ジェル2の内部には気泡Aが混入されている。
【0022】
次に、ジェル2が充填された容器4(図2b)を、図2cに示すように遠心分離機8内に装着する。そして、遠心分離機8を作動させてピストン5側に向けてジェル2に遠心力を付与する。これにより、ジェル2内の気泡Aが圧力を受けたジェル2により容器4の頂部側に押し出される。
【0023】
このとき、ピストン5の膜部5b及び凹部5cには底面に向けて圧力がかかるが、図2cの下図に示すように、凹部5cの裏面にはボトムキャップ6の内部から上方に突出する支持突起6bが当接しているため、ピストン5は支持突起6bに支持されて圧力による変形が抑制される。これにより、従来のようにピストン5が変形してジェル2が容器4の外部に漏れるおそれがない。そして、ジェル2内の気泡Aを除去した後、容器4を遠心分離機8から取り外す。
【0024】
次に、容器4の頂部にポンプ3を取り付ける。このとき、ポンプ3の底面側の吸引口3bによりジェル2が押されることにより、容器4内の空気はほぼ容器4の外部に押し出される。
【0025】
このように、本発明の充填方法及び吐出容器1によれば、内部に気泡Aが混合しやすいジェル2であっても、容器4内に充填した後に遠心分離機8により気泡Aを除去するため、外見が良好な吐出容器1を提供することができる。
【0026】
本実施形態の吐出容器1を使用するときは、ポンプ3の頭部3aを上下動させることによりポンプ作用によって容器4の内部のジェル2が吐出口3cから吐出させる。容器4内のジェル2が吐出によって減少すると、図2eに示すようにピストン5が上方に移動するため、ジェル2は空気に触れることがない。
【0027】
上記実施形態においては、ボトムキャップ6の支持突起6bを別個の部材で形成し、ボトムキャップ6に接着している。このため、従来の吐出容器についても支持突起6bを接着することにより本実施形態の吐出容器1とすることができる。尚、ボトムキャップ6の底面に支持突起6bが嵌合される嵌合部を設け、当該嵌合部に支持突起6bを嵌合固定してもよい。或いは、支持突起6bをボトムキャップ6と一体に形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の吐出容器を示す説明的断面図。
【図2】本実施形態の液体充填方法を示す説明図。
【図3】従来の吐出容器を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…吐出容器、2…ジェル状の液体、3…ポンプ、4…容器、5…ピストン、5a…シール部、5b…膜部、6…ボトムキャップ、6b…支持突起。
【発明の属する技術の分野】
本発明は、ジェル状の液体を吐出する吐出容器に液体を充填する方法及び吐出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、円筒状の容器内に、芳香剤、香水、整髪剤等の液体を収納し、この液体を容器の頂部に装着されたポンプにより吐出する吐出容器が知られている。このような吐出容器の中には、収納する液体が空気等に触れないようにしたものがある。例えば、下記特許文献1に開示されている吐出容器11は、図3に示すように、底部に開口部を備える円筒状の容器14と、容器14の頂部に装着されたポンプ13と、容器14の周壁内面に沿って摺動自在に設けられたピストン15とからなる。ポンプ13は、頭部13aを押圧して上下動を繰り返すことによりポンプ作用を発生させ、容器14内に収納された液体12を吸引口13bから吸引し、頭部13aに設けられた吐出口3cから吐出する。
【0003】
この種の吐出容器11に用いられているピストン15は、軟質樹脂により形成され、容器14の内周面に液密に摺接するシール部15aと、シール部15aの内部を覆い液体12に接触する膜部15bとを備えている。シール部15aは容器14の内周面との密着性を確保するため、容器14の高さ方向にある程度の高さを必要とする。一方、液体12に接触する膜部15bは、容器14の内部の液体12をポンプ13により無駄なく吐出させるため、ポンプ13の吸引口13bが収納されるように凹部13cを備えている。また、ピストン15の重さを軽減し、原料を低減するため、膜部15bの厚さは必要な強度を確保できる程度に薄く形成されている。従って、この種の吐出容器11に用いられているピストン15は、図3に示すように、周囲のシール部15aの下端部よりも凹部13cの裏面が上方に位置している。
【0004】
一方、吐出容器11の分野においては、従来の粘度の低い液体のみならず、ジェル状の液体も充填することが望まれている。しかしながら、ジェル状の液体は容器14の内部に充填する際に気泡が発生することは避けられない。また、当該気泡はジェルの粘性により容器内に残存した状態となる。このように、気泡が残存した状態では、容器14が透明であるときは、当該気泡が外部より視認されてしまうため、見た目が悪くなり、商品価値を下げてしまうという不都合があった。また、ポンプ13を使用している際に気泡の部分がポンプ13に吸引されると、ポンプ13からの吐出量が気泡の分だけ減少してしまうため、使用者に違和感を与えるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−52068号公報(第1,2頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者等は、容器14内に残存する気泡を除去する方法として、容器14を遠心分離機にかけてピストン15側に向けて液体12に遠心力を付与し、液体12に加わる圧力によって気泡を除去する方法を考案した。
【0007】
しかしながら、ピストン15は軟質樹脂により薄く形成されているため、液体12の圧力がかかるとピストン15の凹部15cが容器14の底部に向けて変形してしまう。これにより、ピストン15のシール部15aと容器14の内壁との密着が解除され、液体12がシール部15aと容器14の内壁との間に流れ込み、さらには液体12が容器14の外部に漏れ出すという不都合があった。
【0008】
本発明は、吐出容器の液体充填方法及び吐出容器の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、容器内に気泡を残存させることなく、且つ液体が容器外に漏れ出すことのないジェル状の液体を充填する方法を提供し、さらに当該方法に適した吐出容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の吐出容器の液体充填方法は、下記の工程により吐出容器内にジェル状の液体を充填する方法である。
【0010】
まず、前記吐出容器は、液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有する。
【0011】
そして、前記容器の底部近傍に前記ピストンを装着する工程と、前記支持突起が前記ピストンの凹部の裏面に当接するように前記容器に前記ボトムキャップを装着する工程と、前記容器内に液体を充填する工程と、遠心分離機により前記ピストン側に向けて液体に遠心力を付与して前記液体内の気泡を除去する工程と、前記容器に前記ポンプを装着する工程とを備える。
【0012】
ジェル状の液体を容器内に充填する際には内部に気泡が残存することは避けられないが、本発明の液体充填方法によれば、容器内に液体を充填した後、遠心分離機により液体内の気泡を除去するため、容器内に気泡が残存しない。これにより、容器内を外見上も美しく保つことができ、さらにポンプにより吐出する際にも常に所定の量を吐出することができる。
【0013】
前記吐出容器の液体充填方法に用いられる吐出容器としては、内部にジェル状の液体が充填される際に遠心分離機により液体に遠心力が付与されて液体内の気泡が除去される吐出容器であって、液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有していることが好ましい。
【0014】
内部にジェル状の液体が充填された容器を遠心分離機にかけた場合、容器内部の液体に遠心力が付与され、前記ピストンの膜部に圧力が加わる。その際、前記ボトムキャップには前記膜部の凹部の裏面に当接する支持突起が設けられているため、前記凹部は前記支持突起により支持される。これにより、遠心分離機により前記膜部に遠心力が付与された場合であっても前記ピストンの変形が抑制される。従って、前記膜部及びシール部が変形してシール部と容器との間に液体が侵入したり、シール部から液体が漏れ出す等の不都合を防止することができる。
【0015】
また、本発明の吐出容器においては、前記ボトムキャップの支持突起は、前記ボトムキャップとは別個に形成された部材を前記ボトムキャップの内部に固定したものであることが好ましい。このように、前記ボトムキャップと前記支持突起とを別個に形成することにより、従来の吐出容器のボトムキャップに前記支持突起を固定することもできる。このため、遠心分離器にかけることができなかった従来の吐出容器に前記支持突起を装着することで、ジェル状の液体を充填し、容器内に気泡が生じた場合であっても、遠心分離機により当該気泡を取り除くことができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の吐出容器の液体充填方法及び吐出容器についてその実施形態の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態の吐出容器を示す説明的断面図、図2は本実施形態の液体充填方法を示す説明図である。
【0017】
本実施形態の吐出容器1は、図1に示すように、内容物であるジェル状の液体(以下単にジェルとする)2を吐出するポンプ3と、ジェル2が充填される容器4と、容器4の底部に設けられ容器4内を摺動自在のピストン5と、容器4の底部に装着され容器4の底部とピストン5とを覆うボトムキャップ6とを備えている。
【0018】
容器4は、略円筒状の透明な合成樹脂により形成されている。その頂部には、ポンプ3が装着されている。また、底部にはボトムキャップ6が装着される装着面4aが設けられている。容器4の頂部に装着されるポンプ3は、頭部3aと吸引口3bと吐出口3cとを備えている。そして、頭部3aを押圧して上下動を繰り返すことによりポンプ作用を発生させ、吸引口3bから容器4内のジェル2を吸引し、頭部3aに設けられた吐出口3cよりジェル2を吐出する。容器4内に充填されるジェル2としては、例えば化粧用のジェルや医薬品として用いられるジェルがある。
【0019】
ピストン5は、適度の弾性を有する合成樹脂により形成されている。また、図1に示すように、容器4の内周面に液密に摺接するシール部5aと、シール部5aの内部を覆いジェル2に接触する膜部5bとを備えている。この膜部5bには、ポンプ3の吸引口3bの形状に対応して下方に向かって凹入する凹部5cが設けられている。この凹部5cの裏面は、シール部5aの下端部よりも上方に位置している。
【0020】
ボトムキャップ6は、有底の筒状体に形成されており、筒状の側壁6aが容器4の装着面4aに接着剤で固定されている。また、ボトムキャップ6の内部には、図1に示すように、ピストン5の凹部5cに向けて突出する支持突起6bが設けられている。この支持突起6bは、本実施形態においては、ボトムキャップ6とは別個の部材をボトムキャップ6の底面に接着することにより形成している。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施形態の吐出容器1に、ジェル2を充填する行程について説明する。まず、吐出容器1は各部品毎に分かれた状態から容器4内部の底部近傍にピストン5が配設され、容器4の底部にボトムキャップ6が装着される。次に、図2aに示すように、当該容器4を起立させて容器4の内部にノズル7によってジェル2を充填する。このとき、ジェル2の内部には気泡Aが混入されている。
【0022】
次に、ジェル2が充填された容器4(図2b)を、図2cに示すように遠心分離機8内に装着する。そして、遠心分離機8を作動させてピストン5側に向けてジェル2に遠心力を付与する。これにより、ジェル2内の気泡Aが圧力を受けたジェル2により容器4の頂部側に押し出される。
【0023】
このとき、ピストン5の膜部5b及び凹部5cには底面に向けて圧力がかかるが、図2cの下図に示すように、凹部5cの裏面にはボトムキャップ6の内部から上方に突出する支持突起6bが当接しているため、ピストン5は支持突起6bに支持されて圧力による変形が抑制される。これにより、従来のようにピストン5が変形してジェル2が容器4の外部に漏れるおそれがない。そして、ジェル2内の気泡Aを除去した後、容器4を遠心分離機8から取り外す。
【0024】
次に、容器4の頂部にポンプ3を取り付ける。このとき、ポンプ3の底面側の吸引口3bによりジェル2が押されることにより、容器4内の空気はほぼ容器4の外部に押し出される。
【0025】
このように、本発明の充填方法及び吐出容器1によれば、内部に気泡Aが混合しやすいジェル2であっても、容器4内に充填した後に遠心分離機8により気泡Aを除去するため、外見が良好な吐出容器1を提供することができる。
【0026】
本実施形態の吐出容器1を使用するときは、ポンプ3の頭部3aを上下動させることによりポンプ作用によって容器4の内部のジェル2が吐出口3cから吐出させる。容器4内のジェル2が吐出によって減少すると、図2eに示すようにピストン5が上方に移動するため、ジェル2は空気に触れることがない。
【0027】
上記実施形態においては、ボトムキャップ6の支持突起6bを別個の部材で形成し、ボトムキャップ6に接着している。このため、従来の吐出容器についても支持突起6bを接着することにより本実施形態の吐出容器1とすることができる。尚、ボトムキャップ6の底面に支持突起6bが嵌合される嵌合部を設け、当該嵌合部に支持突起6bを嵌合固定してもよい。或いは、支持突起6bをボトムキャップ6と一体に形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の吐出容器を示す説明的断面図。
【図2】本実施形態の液体充填方法を示す説明図。
【図3】従来の吐出容器を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…吐出容器、2…ジェル状の液体、3…ポンプ、4…容器、5…ピストン、5a…シール部、5b…膜部、6…ボトムキャップ、6b…支持突起。
Claims (3)
- 吐出容器内にジェル状の液体を充填する方法であって、
前記吐出容器は、液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、
前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、
前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有し、
前記容器の底部近傍に前記ピストンを装着する工程と、前記支持突起が前記ピストンの凹部の裏面に当接するように前記容器に前記ボトムキャップを装着する工程と、前記容器内に液体を充填する工程と、遠心分離機により前記ピストン側に向けて液体に遠心力を付与して前記液体内の気泡を除去する工程と、前記容器に前記ポンプを装着する工程とを備えたことを特徴とする吐出容器の液体充填方法。 - 内部にジェル状の液体が充填される際に遠心分離機により液体に遠心力が付与されて液体内の気泡が除去される吐出容器であって、
液体を充填するシリンダ状の容器と、前記容器の頂部に設けられ前記容器内の液体を吸引して容器外に吐出するポンプと、前記容器の底部近傍に配設され容器内に充填した液体を密封し且つ吐出による液体の減少に伴って頂部側に向かって移動する軟質樹脂製のピストンと、前記ピストンの底面を覆うと共に前記容器の底部に装着されるボトムキャップとを備え、
前記ポンプは前記容器内に突出し前記液体を吸引する吸引口を有し、
前記ピストンは前記容器の内周面に液密に摺接する筒状のシール部と、前記シール部の内側を覆うと共に前記ポンプの吸引口を収納可能な凹部が設けられた膜部とを有し、前記凹部の裏面が前記シール部の底部よりも上方に位置してなり、前記ボトムキャップは前記ピストンが前記容器の底部近傍に配設された状態で前記凹部の裏面に当接する支持突起を有していることを特徴とする吐出容器。 - 前記ボトムキャップの支持突起は、前記ボトムキャップとは別個に形成された部材を前記ボトムキャップの内部に固定したものであることを特徴とする請求項2に記載の吐出容器。
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JP2003087276A JP2004292014A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 吐出容器の液体充填方法及び吐出容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2003087276A Pending JP2004292014A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 吐出容器の液体充填方法及び吐出容器 |
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003087276A patent/JP2004292014A/ja active Pending
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