JP2004290845A - 物の仕分け方法と仕分け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受け入れる仕分け対象物を、量的な比率を所要の目標値として、できるだけそれぞれ特性を揃えて複数のグループに仕分ける場合、確率分布している特性を揃えることと、分布を区切って量的比率を保つことは矛盾する目的であり、順次、仕分けをしながら確率分布を分析する一方で、仕分け順序が仕分けた対象物の序列に影響するのを軽減しようとすることも難しい課題である。
【解決手段】仕分けのために得た特性値の確率分布の分析に基づき目標値に対応するしきい値を決定する開ループ制御を行い、必要に応じて仕分け誤差に応じた閉ループ制御も併用するが、誤差を大きくしないこと、仕分けた対象物の序列の乱れを少なくするための推定値の利用、対象物の分割、按分、仕分け順の変更など多様な方法を示した。
【選択図】 図28

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は農水産物等を始め各種の対象物を、加工条件を揃えたり、用途を分けたり、差別化した商品にしたり、貯蔵や運送の条件を改善したりする目的で、対象物個々のあるいは集合の特性値に応じて分ける、即ち仕分ける技術に関するもので、予め定められている基準にそって分け、分けた結果としての量が成り行きに任される選別と異なり、仕分けた結果おおよそ所要の比率の量を得ることを主要な目的とする点に特色がある。
【0002】
【従来の技術】
農水産物を始め多くの物が生産・流通の過程で選別操作を受ける。選別はあらかじめ設定されている規格を根拠にして行われる。その規格は流通上の必要を満たすために設けられ、何らかの測定(五感等による評価判定等を含む…以下単に測定等という)可能な特性値で表現されている。農水産物、例えば果物の特性値である重量、サイズ、糖度、酸度などは確率分布(図2参照…実務的にはヒストグラムで表し、数学的には確率密度関数で表す)に従うから、選別された量の総量に占める割合は確率分布関数(確率密度関数を−∞から積分したもので、実務的には累積頻度(確率)グラフに相当する)に従うことになるが、そのことを意識して制御する考えは見当たらない。これは一般の制御がフローを対象としており、出力がフローとして検出できない場合には適用しにくいからである。
【0003】
規格が設定されていなくても、何かの特性値に基づいて区分けすることは、設備効率を高めたり、加工条件を揃えたり、用途を分けたり、差別化した商品にしたり、貯蔵や運送の条件を改善したりと、メリットが発生する。このような目的にしたがって区分けするいわゆる仕分けの操作では、特性値に対する絶対的な要求よりも、量ないしは量的な比率に対する要求に意味があることも多い。例えば加工設備を複数の系統に分け特性値に応じて加工条件を設定するような場合、系統ごとの時間当たり処理能力とほぼ均衡した供給となるように仕分けておくことが望ましい。また処理能力を上回る荷受量の場合、設備に貯留する機能を持たせて対応するが、加工条件を頻繁に変えることなく加工設備を運用したい場合には特性値の揃った仕分けにして貯留することが望ましい。更に差別化した商品にしようとする場合、それぞれの商品の所要量は市場の動向を見てできるだけ遅く決定したいし、貯留装置からの搬出時に自在に使い分けできるのが望ましい。いずれの目的にせよ特性値の確率分布関数が既知であれば、所要の量的比率を分け取るための境目になる特性値は算出でき、出力が偏ってもその内所要の比率に落ち着くことになる。以下、仕分けの境目にする特性値をしきい値と呼ぶ。なお例示として個体ごとに選別される果物を挙げたが以上述べた事情は茶のような集合体として扱われる物にあっても同様である。
【0004】
ところが農水産物等では、量的比率を目標として特性値にしたがって分けてゆく上で大きく分けて二つの問題がある。ひとつは特性値の分布は日により、産地により変化するし、来歴の異なるものが混入した状態で受け入れることもあるので確率分布が一定しないことである(図1にそのパラメータの変化を示す)。多数の仕分け対象物から均等にサンプリングして特性値を得られるなら、確率分布関数を推定できるが、これらの産物の加工場や集荷場では、集荷時間に幅があり、にもかかわらず集荷した物は限られた時間内に処理を求められているから、集荷対象全体から均等にサンプリングすることは望むべくもない。もう一つは、例え確率分布自体は安定していても、特性値の出現は確率的な現象であるから、一時的な偏りは常に発生し、したがって仕分けられた比率は大きく変動する。仕分け対象物が集合体の場合には荷口の量もまた分布を持っており、大きな荷口の仕分けは一時的な偏りと同じことであるから比率を大きく変動させる。仕分けの総量さえも気象条件などによって不安定であるから、目標仕分け比率が低い場合には、ひとつの荷口が仕分けの目標量に匹敵することさえあり得る。したがって例えば分布の端を全体の十分の一だけ(即ち図2では確率0.1に対応する特性値20.5で)仕分けるようなことは、試みる前から難しいと予見できる。このような事情から品質評価に基づいて仕分けし、仕分け結果の目標比率からのズレに基づいて仕分けのしきい値を操作する取り組みはなされなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
はじめにこの制御の基本システム上の課題ついて説明する。受け入れる仕分け対象物を、特性を揃えて複数のグループに分けるとき、量的な比率を確保することを目標とするなら、確率分布関数から量的な比率(厳密には目標累積比率)に対応する特性値を求め、これをしきい値として仕分けることになる(再び図2で言えば、仕分け比率40%と60%のグループに仕分けるしきい値は21.5%である)。ここで特性値の揃ったグループをX軸上の範囲で表現したが、図5のように2次元の平面で表すほうが適切な場合もある。一次元で序列を意識した分け方が一般的であるから、特性値の揃ったグループを便宜上分かり易くランクと呼ぶことにする。さてしきい値はおおよその値は予想できるが、上述のように特性値の出現は確率的な現象であるからしきい値も変化する。したがって仕分けを進めながら実勢値を得る必要があるし、仕分けの途中でも特性値の確率分布は図4の点線で示したように変化してゆくから常時分析して追従する必要がある。まず確率分布の状態を随時的確に把握することがこの制御における最初の課題といえる。しきい値を追従させても仕分け比率の誤差は残るはずであるが、特性値の出現は確率現象であるから誤差が解消することもある。確率分布が安定している場合には仕分け回数が多ければ、誤差を無視できる。一般的には一方のランクの量的な比率が不足するときに、そのランクに振り分けるべき特性値の範囲を広げれば次第に量が増え、逆に量的な比率が余っているときに、特性値の範囲を狭めれば次第に量が減り、目標の比率に近づくはずである(図4参照…余っているとき)。制御工学でいうところのフィードバック制御(言い換えれば閉ループ制御)に相当する考えである(図3では破線で示した)。これに対して先に述べた確率分布状態を分析して望ましいしきい値に操作することは開ループ制御に相当し、そのしきい値はフィードバック制御の操作の基準点としても使える。総体としての確率分布関数が変わらなくても確率現象であるから特性値の出現が一時的に偏る可能性は避けられない。そのしきい値が確率分布の一時的な偏り(大きな荷口も同じ作用をする)にあまり追随しないことは望ましくはあるが、確率分布の変化への追随との兼ね合いで、開ループ制御、閉ループ制御をどんな場合に採用し、あるいはどのように組み合わせるかは状況に応じて選ぶべき課題である。
【0006】
次に確率分布するものの一部を切り取った確率そのものを制御することの持つ課題について説明する。まず制御のゲイン(誤差に対する操作量の比)についての問題である。特性値によって確率密度関数が変化するから同じゲインであっても制御の効果に差がでる(図6参照)。このことは目標仕分け比率を変えると制御効果が変わるという問題と、3分割以上にするときに同じゲインでは、それぞれの制御間で誤差の大きさと制御効果量について整合性が無くなるという問題を生ずる。
【0007】
また特性値の範囲を変更することは特性を揃えるという前提と矛盾する操作である。これは本質的な矛盾であり、前提をある程度緩めなければ制御はできない(図8に示すように各ランクには変動幅があり、部分的に隣のランクの変動幅と重なり合う)が、どこまで緩めれば制御が機能するかは確率論的に考えることになる。どこまで揺るめるかを裏返しに言えば、フィードバックでしきい値を動かせる範囲をどこで制限するということになるが、実務上のメリットとどう絡むかは後に述べる。このようないわゆる外乱以上に不確実さの残る考えを制御と認めたくない向きもあろうが、図7に示すように集合体の仕分け対象物はひとつの荷口の中も均一ではなく、仕分けたランクは重なり合うのが常態であり、実用上の不都合はない。仕分け段階で個体別に処理されるものの場合も取引上は集合体として扱われ、特性値は分布を持つからやはり実用上の不具合はない。
【0008】
確率現象を対象としたフィードバック制御では、仕分けの境界であるしきい値を操作しすぎるおそれがある。一つの対象物を悪いランクに仕分ければ次の仕分けでは良いランクを増やす方向にしきい値は移動するが、確率現象であるから直ちにその効果がでるとは限らず、しきい値をどんどん移動してしまうことになる(図10参照)。上述のしきい値の変動範囲制限は、仕分けの進行を待って自然な回復を待つ作用があるが、より積極的に仕分け比率の誤差を安定化する手法、即ち誤差を増やさない方法を考えることも課題となる。特にしきい値近傍の特性値のものを確率のいたずらで上下のランクに分けることは上述の集合体内部の分布を考慮するといかにも無意味な操作である。確率分布するものが対象だから一般の制御とは桁違いの外乱があり、その影響が時間とともに収束安定化することは全くない。そればかりか仕分けの終了間際の誤差は回復の機会すらない。このことからいろいろな観点から安定化を図らなければならない。特性値の出現の一時的偏りだけでなく、荷口が大きいときには、その一つだけでもしきい値の移動量は大きく、より悪い物を良いランクに仕分けることになる(図9参照…その結果として起こるランクの重なりを図8に示した)。誤差の計算だけでなく、目標値に対応するしきい値の計算にも影響する。また荷口の大小は仕分け回数と相対的なものであり、荷口数が少ないときには荷口が小さくても問題になり得る。
【0009】
荷口の大きについて別の角度から考えてみる。仕分け対象が集合体である場合、内部は必ずしも均一な特性値を示すものではなく、特性値はある程度の広がりを持っている。さらにこの広がりには測定等における誤差も加わる。この広がりは基本的には正規分布に根ざしていると考えることができる。もしこの仕分け対象物を一回の測定等でランクを判定するとすれば、たまたま得られた特性値は大きいこともあれば小さいこともあり、その代表的特性とは異なったランクに区分けることもあり得る(図7参照)。測定や仕分けの取り扱い単位量をどうするかという課題があり、また分割によって分析段階で分布が滑らかになり仕分けの精度が上がり、さらに仕分け段階でも量の細分化によって誤差の安定性を向上させる余地もある。なお仕分け回数が十分に多い場合(分割した結果として回数が多くなるのを含めて)、あるいは確率分布が安定している場合にはフィードバック制御をせず、目標値に対応したしきい値の調整だけでも仕分けの目的が達せられる。つまり制御の基本構成には選択の余地があるのである。
【0010】
受け入れる対象物を順次即断即決で仕分け処理していく場合、一つの対象物を悪いランクに仕分ければ次の仕分けでは良いランクを増やす方向にしきい値は移動し、より悪い物を良いランクに仕分けることになる弊害があるが、これを緩和するため誤差を抑制するあるいは即断即決を見直すという課題がある。一般的に荷受けには待ち時間が付きものであるし、工程間に仕分け工程を入れる場合もバッファを設けるから、そこで得られる特性値も活用することを課題とする。それ以後に仕分ける対象物の特性値を測定等ができる、あるいは推定できれば、次回以降の仕分けを予め織り込んだより的確な仕分けにつながる。特に本発明では、対象物を供給されるまま受動的に処理するのでなく、順序のコントロール、あるいは順序の影響を受けない方法を課題とする。
【0011】
最後に実務的な観点からの課題を検討する。大量の物を扱う場合、量は運搬してきた車両ごと重量を測る方式が一般的である。この方式では搬入時と搬入後の重量差から算出される正味量は搬入者が諸手続を終えて帰るまで確定せず、従って仕分け対象物の品質評価と同期しないことが多く特性値の加重分布を分析するのに支障がある。計量値が確定した荷口だけで特性値の確率分布と仕分け誤差を算出し制御すれば、制御工学でいう”むだ時間のある制御”になってしまう。即ち未確定分の仕分けで既に一時的偏りが解消していたとしても、計算の遅れから強いフィードバックのまま仕分け続けることとなって、乱高下しやすい制御になる。荷受け部分を例に計測遅れの問題を説明したが、工程間で仕分ける場合も計測遅れの有無は別にして、特性値の確率分布が未知あるいは変動する場合を課題とした発明である。
【0012】
ところで仕分けが可能になれば様々なメリットを見いだせるが、貯留設備への収容効率を目的にするなら仕分け比率が優先されるし、加工条件を揃えることを目的にするなら分布幅の制限が優先される。また差別化した商品を作りたいなら平均値の差を維持したいかもしれない。比率をベースにしつつも最低限確保すべき量がある場合もあるし、どうしても譲れない品質上の制限をおく場合もある。これらの要求を満たすにはいくつかの手法を組み合わせる必要がある。
【0013】
本発明の仕分け制御を実現するためには、計測のための機器を導入する必要があり、またこれと連動して搬送制御を自動化することが望ましい。しかし、既存の多くの設備では設備機器を改造、更新しようにも設置された機器間にゆとりがなくまた制御システムの改造、更新は多大な費用と時間を要する。従ってより簡便に導入できる設備構成が求められる。
【0014】
以上確率分布するものの一部を切り取って得られる確率そのものを制御することに関する諸課題を概観してきたが、一般に制御工学では制御モデルを状態方程式で表し、それは時間の関数である(システムの周波数特性や時間微分、時間積分が扱われることから理解できよう)。本発明の場合、厳密には順序の進行であって時間の進行はない。そして状態方程式ではなくそれに代わるものとして上述のように確率関数で表現する。また制御の対象はフローとしての量ではなくストック量である。つまり過去の制御結果は単なる履歴の痕跡として残るのではなく、過去の結果はその100%が現在の制御結果に含まれている。にもかかわらず仕分けの順序を変えただけで結果がまったく変わってしまう。目標である比率はストックとして量であるが、操作の対象はフローとしての量であるから、誤差に対する感度、操作のゲインにも問題がある。便宜上、制御工学で常用する用語を用いているが、制御工学の知識がそのまま適用できる訳ではなく、確率論に基づいて制御手法を検討しなければならない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では仕分けのために行う測定等で得た特性値の出現の頻度(言い換えれば確率密度関数)から累積頻度(言い換えれば確率分布関数)を求め、目標値に対応するしきい値を算出する。この確率分布状態が続いているならこのしきい値で仕分ければ目標の量的比率が得られる、即ち仕分け誤差がゼロになることが期待できる。これは開ループ制御にあたる。ところで後述するフィードバック制御には誤差がゼロになる操作の基準点が必要であり、この開ループ制御のしきい値をフィードバック制御の基準点として使うことを特に明確にいうとき、しきい値の基準点と呼び、それ以外一般には短く基準のしきい値と呼ぶことにする(図4参照)。基準のしきい値を得る方法としては、(1)受け入れる仕分け対象物を、量的な比率を所要の目標値として、できるだけそれぞれの特性を揃えて複数のグループに分けるとき、仕分け予定の対象物、現に仕分ける対象物および既に仕分けられた対象物から得られた総ての特性値データに、もしくはそれらのうち最新の所定個数の特性値データに、受入順に基づく重みを与えて特性値の分布状態を分析し、仕分けの目標値に対応するしきい値を求める。まず分布状態の分析方法を具体的に説明すると、分布の形が判っている場合、例えば最もよく見られる正規分布の場合には、平均と標準偏差をパラメータとして確率分布関数(図2の正規分布の累積確率曲線に対応)が決まり、任意の仕分け比率に対応する特性値が得られるからこれを基準のしきい値に採用する(分布の形は正規確率紙で判定するまでもなく一般には正規分布することが多い。変数を変換して正規分布になる場合もある。また茶生葉のN/F指数のように相関性の高いN、F二成分間の比の場合でさえも正規分布と見なして差し支えないことがある)。これに対して分布の形が判っていない場合(判っている場合に適用しても構わないが…)には、測定等で得た特性値を小さい方から並べ直して累積頻度グラフを作り、これに回帰線を当てはめたり、単純に補間計算、外挿計算をすることで、任意の仕分け比率に対応した特性値を算出し、これを基準のしきい値に採用する。この方法は確率分布の形が特定できないとき、分布の形に歪みがあるときでも適用できる利点がある。次に取り扱う分析対象データの範囲については、確率分布に一定の移動傾向がない場合は、得られた特性値の総てを用いれば、最も安定したしきい値が得られる。これと反対に移動する確率分布を捉えたい場合は、得られた特性値うち最新の所定個数に限ったデータから算出するいわゆる移動計算のほうが、確率分布の変化によく追従したしきい値が得られる。追従を早める手法としては新しい対象データに大きい重み付けをして扱う方法も利用できる。これら追従の速い方法ではフィードバックと同じ方向にしきい値が動くからフィードバックに類似した効果もある。分布の形が安定している状況で精度の高いしきい値を得るためには、各特性値を均等な重みで分析する。新しく受け入れた特性値を大きい重みで分析する場合、重みの係数には一般に等比級数が用いられ、係数の合計は1になる。これと等価な、一つ前の仕分け時の特性値の平均と今回の特性値を一定の比率で平均計算する方法は、計算方法が単純で反応の早さの調整も簡単である(図1の9:1平均を参照)。この重みは荷受けのため受け付けた順、あるいは前の工程から仕分け工程に供給された順(総称して受入順としよう)によって付ける。以上一つの基準のしきい値を得る方法について述べたが、累積頻度グラフ上では仕分け目標比率を順次積み上げれば対応する基準のしきい値を求めることができる。同様に仕分け誤差もランク順に累積して考えれば、多分割は各しきい値で二分割しているとして解析できる。確率密度曲線のグラフで解釈すれば、しきい値で区切った確率密度曲線の下の面積を各ランクに割り当てることに対応している。また、仕分ける量に不揃いがある場合には、計算対象データを仕分け量で重み付けして分析しなければ正確な分布状態を把握できず、正確な基準のしきい値を得ることができない。農産物において良くある、量と特性値に関係が認められる場合にも、同じことが言える。なお説明の都合上、特性値を一次元の量として説明したが、多次元であっても構わない。図5のように二つの測定値X、Yの比(上述のN/F比に対応し、右上がりの放射状の線で示す)を品質の指標にする方式に代えて、二次元のしきい値(太線)でより自然な区切り方にすることもできる。さて従来は仕分けに供する時点で測定等を行うことが一般的であったが、仕分けには往々にして待ちが発生することに着目して、本発明では積極的にそれらの測定等を行ってより多くの特性値を得ようとした。それでもなお仕分けの開始時に充分な特性値が得られないときは、仕分けの開始時点で実績値等を参考にして基準のしきい値に適当な初期値を与え、計算データ数が増えるに従って測定データに基づくしきい値に緩やかに移行しても良い。また測定値には予想外の誤差が発生することがある。分布状態の分析ではそれらのデータが繰り返して使用されるため、排除したい。少し穏当な方法としては特性値を前回の平均値等(もしくはこれに代わる中央値など)から一定の範囲に制限して(例えば、前回平均値から標準偏差の2〜3倍程度を越えないように制限すし、図1では11番、24番、57番、64番、82番のデータが制限される)計算し、悪影響が尾を引くのを防いだ方がよい。この制限は特性値の要素となる計測値に対して実施しても良い。以上、一連の作業として行われる仕分けについて述べたが、実務上は引き続いて次の一連の作業が行われることがある。また、初めからそのように計画されてなくても分布の変化から判断して別の仕分け作業に切り替えるべき場合も生ずる。
【0016】
仕分け目標の量的比率とは仕分け量の積算値の比率であるから、各仕分け量は仕分け操作の結果としての誤差計算には不可欠である。ところで一般に取引のための量は重量で表すことが多く、大量の物を扱う場合、量は運搬してきた車両ごと重量を測る方式が採用される。搬入時と搬入後の重量差から算出される正味量は搬入者が諸手続を終えて帰るまで確定せず、従って仕分け対象物の品質評価より早いことも遅いこともあり、特性値の加重分布を分析するのに支障がある。また計量値が確定した荷口だけで仕分け誤差を算出して制御すれば、制御工学でいう”むだ時間のある制御”になってしまう。即ち未確定分の仕分けで既に誤差が解消していても、計算の遅れから強いフィードバックのまま仕分け続けることとなって、乱高下しやすい制御になる(図11参照…図10と比較すると判る)。それでも決定的に間違った仕分けになることが稀なのは、特性値の出現は確率現象であるから、制御の遅れによるしきい値のずれの範囲に特性値が出現する確率がもともと大きくなく、しきい値の計算が少しずれていても同じ判定になることが多いからである。その改善もまた厳格な手法でなくても良いわけで、確定の遅れた計量値を推定値で補って仮計算を行い、若干の誤差を許容しつつも最新の誤差あるいは(および)最新のしきい値に基づく仕分けを行う方がよい結果が得られる(図12参照)。即ち、(2)仕分け誤差の計算と特性値の分布状態の分析に於いて、仕分け対象物の量に推定値を含める。仕分け対象物の量は正規分布する保証はないが、近い分布になる。確率分布が正規分布である場合、最も確からしい推定値は平均値である。これを未確定の数量の代わりに用いて仕分け誤差を仮計算したり、最新の特性値分布状態を分析して基準のしきい値を得ることができる。実務的には中央値でも良い。前日の実績値や、仕分け開始からの実績値等を用いる。ところで実際の荷受けと仕分けの作業において、習熟した操作員であれば計量に依らずおおよその量を判断できることが多い。また出荷者である搬入者には当然おおよその量は判っているし、風袋込みの量だけでも判断できる。ここで扱うデータは取引用のデータではないから推定値として用いることに特段の支障もない。一般には平均値等を用いるより数段正確であるが、荷受けが集中した時間帯に操作員の入力が遅れたために搬送が停滞することは好ましくないから、荷口が登録された時点で平均値等の推定値を登録しておき、入力時点で推定値を置き換え、計量が確定した時点で再び置き換えることが望ましい。分布の分析は特性値のある物についてそのつど行い、仕分け誤差の計算は仕分け操作をした物についてそのつど行う。なお、取引のための計量には重量が用いられることが多いが、仕分けの計量には重量でなく容積を用いることもできる。
【0017】
仕分けをする際に行った測定等から得た特性値のみを記憶しておき、特性値の分布状態を分析する時に使う方法では、分布が変化していくときしきい値の変化に遅れがでる。しかし仕分けのための計測結果を取引用のデータとしても利用する場合、できるだけ正確に全体の品質を把握しなければならず、現に仕分けるもの以外に事前にデータを得ることには困難が伴うため、事前にデータを取る試みは適切な初期値を与えられないときの代替え手段として仕分けと切り離して試みられるにとどまっていた。しかし品質計測手段が荷受け装置に投入される前の仕分け対象物を計測するに適した形態である場合、積極的に分布を把握すべく測定等が行うことができ、既に仕分けした物と合わせて特性値の分布状態を分析すれば、基準のしきい値の精度は向上する。とは言え、仕分けに使える特性値を多く得るのは必ずしも容易ではない。そこで、(3)仕分け誤差の計算と特性値の分布状態の分析に於いて、仕分け予定対象物の特性値に推定値を含める。既に仕分け対象物の量については推定値を用いて仮計算することが有効であると指摘したが、特性値の推定値についても同様である。仕分けや取引用にも使える精度の良い特性値なら言うことはないが、各荷口の特性値を推定するだけのサンプリング測定でも良い。当然対象物の量もまた推定値になることがある。但し少ない点数のサンプルで荷口全体を代表させることは、次に述べる大きな荷口による分布の偏り招く恐れがあるから、均一でない限りサンプル数はあまり減らせない。蛇足であるが量の推定値の場合と違い、当該対象物の仕分けに当たってその特性値の推定値を使うことは適当ではない。集荷状況にもよるから対象物は必ずあるとは限らないが、この考えを更に拡張すれば、当日集荷予定の対象物に対して事前に調査した特性値分布に予定集荷量を掛けた分布データを初期値として与えることもできる。この際予定集荷量を恣意的に控えめ(たとえば数10%から数分の1)に設定すれば、その集荷量に達した時点で実績としての確率分布に置き換わる。上述の推定値を用いる弊害はデータ数の多さで緩和される。この場合仕分けのつど実際の仕分け量を予想集荷量から差し引いてゆけば、分布状態は順次実勢数値に置き換わってゆく。全集荷量の分布を予想した場合は、最初から適正と考えられるしきい値が得られるから、フィードバックのゲインを低く抑えて特性値の順序とランクの順序の逆転を少なくする。この方法を実行する品質計測手段としては、必ずしも設備内に設置された手段であることを要しないが、一般には荷受けの待機区域に設置されたものが適し、荷受け装置もしくはそれに続く搬送経路や工程間に設置された装置であっても、外部サンプルの計測が可能になっているか、少なくとも推定値を得るに足る別の計測手段が有れば適用可能である。
【0018】
対象物の量は均一ではなく、集合体の場合は殊更そうである。処理する総量も経営規模、気象条件など様々な要因に影響され保証できない。このため総量に所要の量的比率を掛けて得られる各ランクの目標仕分け量と一回の仕分け対象物の量との量的関係は予想の域を出ない。極端な場合、上記目標仕分け量より一回の仕分け対象量の方が多いこともあり得る。また一回の仕分け量が多いとその一回で誤差が大きく変動し、フィードバック量も増すから、特性値の低いものを「悪いランク」に仕分けた後に、より低いものを「良いランク」に仕分けてしまうような逆転現象の可能性も大きくなってしまう(図9参照…当然分布の変化とこれに伴う基準のしきい値の変化があるが、図示してない)。また一般に大きな荷口ほど広範囲の特性値の混合物(図7参照)になっており、サンプリングして得られた測定値等の振れも大きい。これらの弊害を防ぐため、(4)受け入れる仕分け対象物が集合体の場合、グループの目標仕分け比率の数分の一ないし数十分の一に相当する量を超えるグループに仕分けられる可能性がある対象物を分割して仕分ける。即ち仕分け対象物の集合体を無条件に一口として仕分けることなく、その集合体の特性値の分布が及ぶと推定される範囲にある各ランクのうち、目標仕分け比率が低いランクの数分の一の比率に対応する数量を目安として、分割して仕分けを行う(図13参照)。特性値の分布が及ぶ可能性があれば、分割した仕分け単位の中からサンプリングして得られる特性値が、その目標仕分け比率が低いランクに該当する可能性があるからである。逆に分布の及ぶ範囲が目標仕分け比率の小さいクラスに及ばない場合、分割した測定や搬送操作は煩雑になるだけで無駄であるから分割は省いて良い。なお分布が及ぶ範囲とは、分布の端の部分の量が最小の目標仕分け比率に相当する量に対して無視できなくなるところということになる。これはサンプリング測定されたデータから累積頻度もしくは平均値を中心に所定の偏差で判断する方法が採用できる。分割して仕分ければ誤差の変動は小刻みになり、仕分け対象物の中身の分布に忠実な仕分けになる。特性値の分布も(特に仕分け比率の小さいランク付近で)きめ細かくなる。ここで比率を乗ずる対象となる数量は一連の仕分け作業の総量であるが、仕分けの過程では不確かであり、予定の処理量で考えることとする。ここで数分の一とは具体的にいくつにすべきかを説明する。これは最小の目標仕分け比率に対してどの程度の誤差まで許容するかに関わっている。例えば目標仕分け率を10%とし、誤差を±1%に収めたいなら目標仕分け量の少なくとも5分の1、望ましくは20分の1に相当する仕分け単位量にはしたい。これは全仕分け量に照らして言えば200分の1、単純に言えば200回程度の仕分けにすることを意味する。但し、図2に示すような分布の端では比率は安定せず、高い目標精度は望めない。また実際の仕分け単位量の決定には仕分け量を計量する装置の収容量は当然として、他の仕分け関連設備、特に計測装置の収容量や最低所要量についても考慮することになる。これら設備の最小処理量以下に分割することはできないし、最大処理量より大きな仕分け単位にするには、計測や計量をスキップするための操作が必要になる。実際の荷受けと仕分けの作業において、習熟した操作員であれば測定等によらず生産地の栽培状況や降雨の影響、対象物の外観等から分割の必要性を判断できることが多いから、実務上、操作員の判断に任せる余地があった方がよい。集荷量の見通しの変更、分割するときに生じる端数の扱いやそれに準用すべき特性値なども同じである。以上述べた対象物を分割して計測する効用は、計測自体の誤差や同一サンプル測定におけるハンドリング誤差と比べて、対象物の場所による変動が大きいことが前提になる。このような前提が成り立つときには、分割計測で確率分布がきめ細かくなることにも大きな効用がある。即ちランク判定の基準であるしきい値を正確に求めることができる。仕分け操作と誤差計算は必ず対応させなければならないし、最終的な精度も要求されるが、しきい値を正確にする目的で行う分割計測はこれらと切り離して実行することもできる。従って分割する大きさは著しく偏ることは望ましくはないが、等量にこだわる必要はない。荷口当たりのサンプリング数を多くできる場合には、複数の測定値を一つの平均値にまとめるよりも、分割したデータのまま分布状態を表現するほうが一般に滑らかな分布が得られる。以上述べた分割の考えは工程間に仕分け工程を設け、連続的に仕分け対象物を供給する場合にも応用できる。なお計測のみを分割し、五感等による判定は分割前の一口に対して行った判定を準用することもある。また計測しない項目のデータ入力は共通化できる。
【0019】
本発明では仕分けのために測定等で得た特性値の出現の頻度(言い換えれば確率密度関数)から累積頻度(言い換えれば確率分布関数)を求め、その時点での目標値に対応するしきい値を算出する。このしきい値を仕分け誤差がゼロになることが期待できるという意味でしきい値の基準点と称する。特性値の出現は確率現象であるから得られる量的比率には常時誤差が発生する。分布が変動したとき、基準のしきい値は古い分布を引きずって遅れるから、誤差を発生させる。また確率分布の形に歪みがあれば、その付近の基準のしきい値からは仕分け誤差が生ずる。これらの誤差を修正復旧するためには、しきい値の基準点から不足しているランクへの特性値の出現確率を増やす方向へしきい値を移動する必要がある。そこで、(5)特性値の分布状態を分析して目標値に対応するしきい値の基準点を決定する開ループ制御と、目標との誤差に応じて該基準点からしきい値を調整する閉ループ制御を組み合わて仕分け比率を制御する。このようにすれば確率分布が変化して仕分けの量的比率に誤差を生じても、まずフィードバックの基準点が目標の量が得られる点に移動し、その上で誤差を修正回復するためのフィードバック機能が追加されることになる。以上の説明から容易に判るように、この方法はフィードバックのゲインが大きくなくても十分な修正回復力が得られる。仕分けでは測定等と仕分けを一回行う度にすべてを再計算できるので、制御はあくまで静的に進行する。したがってフィードバックが大きくても一般の制御工学のように動作が不安定になることはないが、代わりに特性値を揃えるという前提に反するという矛盾を抱えている。なお3つ以上のランクに分けるとすればしきい値は2つ以上となる。各ランクの仕分け誤差を累積してしきい値のフィードバック量を決める。また隣り合うしきい値が制御によって上下逆転することの無いように配慮しなければならない。
【0020】
さて次にフィードバックの強さをどのように選定すべきかを検討する。仕分け比率はしきい値で区切られた確率密度曲線の下の面積で表される。図4では基準のしきい値からしきい値を左へ移動して減らした面積だけ左のランクに振り分けられる確率が減る。逆に一仕分け分不足しているとき確率密度曲線の下の全面積(即ち確率=1)の5%だけ増やせば20回仕分けるうちには回復できると期待できる(図6参照…一点鎖線→点線)。ここで直ちに判ることは目標である仕分け比率によってフィードバックの強さを変えなければならないことである。同じ効果を得るためには、同じ面積にすればよいから、仕分けのしきい値における確率密度と略反比例した幅だけ動かせばよい。即ち、(6)目標からの仕分け誤差に応じてしきい値を調整する閉ループ制御のゲインの体系を各しきい値近傍の確率密度に反比例した大きさに選定する。このようにすれば仕分け比率に関係なく同じ速度(=実現の確率、期待仕分け回数の逆数)で誤差が復旧するように機能する。一つのしきい値の操作は隣り合う二つのランクのフィードバック量を変えるから、二つのしきい値に挟まれたランクでは両側のフィードバック量の差がフィードバックとして与えられたことになる。制御ゲインを確率密度関数に反比例した体系にすることで三つ以上のランク相互間における制御の整合性を確保できる。ただしゲインを大きくするときにはしきい値の両側で確率密度がアンバランスになっていることを考慮しなければならない。次にフィードバックの入力となる誤差について説明する。まず量的な比率を目標とするから比率の誤差をそのままフィードバック入力とする考えがある。この場合の比率はストックの比率であるから仕分け総量が増えるほどにだんだん検出感度が落ちる欠点があるが、開ループ制御が機能しているからこれでも制御できる。もちろん仕分け総量を乗数として感度補正しても良い。総量に比率を掛けて仕分け量との差を取れば、感度が落ちることはない。検出感度は制御ゲインと直結しているが、制御ゲインは平均仕分けの量に比例するから誤差量を平均仕分け量で規準化しておいた方が汎用性は高い。
【0021】
仕分けの量的比率を制御していても、たまたま仕分けの終わり頃に特性値の出現が偏ると目標から大きく外れたまま終わることもある。また搬入される総量が的確に予想できないこともある。このようなときでもある程度望ましい方向へ余裕を見込んで仕分けすることができれば好都合である。そこで(7)基準のしきい値を本来の値からバイアスして決定する。つまり、仕分けの量的比率と対応しているしきい値自身を本来の位置からバイアスして決定し、仕分け比率の上で希望するマージンを持たせる(図14の太線の位置に制御の特性線が移動し、太い一点鎖線の位置に基準のしきい値がバイアスされる)。バイアス量は随時修正設定しても良い。
【0022】
特性値がどのような値になるかは確率現象であるから、その出現が偏ることがある。また荷口の大きさもまた確率分布するが、荷口が大きいことは特性値の出現の偏りと同じ影響をもたらし、しきい値は偏りの方向に移動する。これは閉ループ制御の有無に関係なく、仕分けを進めながら確率分布状態を分析する制御の本質的な特徴であり、閉ループ制御を組み合わせた場合には、さらにフィードバックによるしきい値の変化が加わる。そこで特性値の変動が加工上の要請を越えるような場合には、特性値の変動範囲を制限する必要が生じる。特性値の変動範囲を制限するには実際に仕分けに用いられるしきい値を制限すればよい。即ち開ループ制御だけで制御する場合には目標に対応するしきい値の変動を制限することになり、閉ループ制御を併用する場合は誤差に応じて調整するしきい値を制限することになる。加工上の要請が特性値に対する絶対的な条件であるなら、(8)目標値に対応するしきい値もしくは誤差に応じて調整するしきい値の変動を固定的な範囲に制限する。また、加工上の要請が特性値を揃えることにあるなら、(9)誤差に応じて調整するしきい値の変動をしきい値の基準点に対する相対的な範囲に制限する。閉ループ制御する場合には、これら二つの方式を併用することができる。図19は相対的な制限の仕組みを示したもので、縦の太線が制限範囲である。これに対して図20は、例えば品質維持の目的で特性値に絶対的な制約を設けたものであり、例えば品質の良いランク(左側部分)について品質の劣る物の混入を確実に排除するため、品質の良い物の仕分け比率が下がっても、しきい値が品質の劣る物の範囲にまで入らないよう制限している。なおこの図では閉ループ制御が併用されているが、開ループ制御のみでもよい。絶対的と言うことは制限値が確率分布の変化による基準のしきい値の変化に左右されないことであり、従って品質規格の線と基準のしきい値の位置関係が逆転することもあり得る。その場合このしきい値の上下のランク相互間の比率は制御できない。従って一方の側が複数のランクに分かれていて、それらの相互間の比率を目標にしたければ制御自体を階層化しなければならない。また、一つのしきい値は二つのランクの境界であるから、特性値の変動幅を抑制することを両方のランクで追求する場合には、一つのしきい値に対して上下それぞれに制限を設定してこれを実現する。ここに代表的な制限特性を持たせた制御ゲイン特性線を図15〜18に示す。一つのしきい値の上下に設けうる制限の掛け方は目的によって種々組み合わせて選択でき、多くのバリエーションが考えられる。上下双方から制限する方式の特殊なケースとして、しきい値を固定して運用するなら選別同様に機能し、相互の仕分け比は成り行きになり、両側のランクを合わせた比率しか制御できない。ところで目標からの仕分け誤差に応じて調整するしきい値の変動範囲の両側に加える制限を特性値の出現確率から見て非対称とすれば、これにより隣り合う二つのランクの間でどちらの量的な確保を優先して制御するかを非対称の度合いによって調節することができる(同様にフィードバックのゲインを非対称としてこのような効果を得ることもできる)。極端な場合、正負いずれかのフィードバックを禁ずることもできる。また制御ゲインを大きくすると、しきい値は大きく偏倚するから制御ゲインと制限(特に相対的制限)はセットで検討すべきである。
【0023】
フィードバックの有無に関わりなく、一つの対象物を悪いランクに仕分ければ次の仕分けでは良いランクを増やす方向にしきい値は移動するが、制御ゲインが大きい、仕分け量が多いなどの理由でその移動量が大きければ、その後の仕分けでより悪い物を良いランクに仕分けて、特性値の順序とランクの間に逆転現象が発生する確率が増す。もともと得られた特性値自体にも誤差はあり、仕分け対象物が集合体の場合にはサンプリング等の誤差も加わるから、しきい値に近い対象物を厳格に分けようとすること自体に無意味な側面がある。そこで無意味な仕分けを止めながら誤差自体も小さくする案を考える。即ち(10)しきい値に近い所定範囲の特性値の対象物をしきい値の両側のグループに所定の比率で配分する。図22では、仕分けの誤差A点に対応して基準のしきい値から偏倚してしきい値が決まるが、この点を中心に按分範囲を設け、仕分け対象物の特性値がこの範囲になったとき両側のランクに分けることを示している。なおフィードバックを組み合わせない開ループ制御の場合は、基準のしきい値を中心に按分範囲を置く。このように両ランクに分けることは境界付近の対象物について、仕分けの誤差を露わにしないことでフィードバック量を抑えることであり、無条件にランクの順序をぼかすことである。按分の比率としては、一つには隣り合う各ランクのしきい値に近い所定範囲から按分に供するのだから、その供する割合に応じて各ランクへ戻すべく按分比率を定める方法がある。図22では按分中心から左の按分範囲の確率密度の面積は按分範囲全体の確率の約30%であるから、左側のランクに按分される率は約30%となっている。このようにすれば特性値の分布の形に沿った比率で仕分けができる。また、しきい値に近い所定範囲の特性値の仕分け対象物を、特性値としきい値との差に比例してその特性値の属する側に傾斜して配分してもよい。つまり、範囲内に入れば一律に按分するのでなく、仕分け対象物の特性値がしきい値から離れるのに比例してその特性値が属すべきランクにより多く傾斜して配分する。図23は左側のランクに対する按分比率が特性値によって変わることを示している。この方法に依ればランクの移行が滑らかで、各ランク内の特性値の分散を小さくできる。これらの方法は仕分け誤差に対して中立な操作であるが、しきい値に近い所定範囲の特性値の仕分け対象物を、そのしきい値を挟む両ランクのうち、その時点の相互間の仕分け比率が目標とする相互間の仕分け比率より不足している側に傾斜して配分すればフィードバックの機能を持たせることができる。図24では仕分け誤差A点に対応してしきい値(即ち按分の中心)が決まり、また仕分け誤差に対して左のランクへの按分比率aが決まることを示している。以上述べた按分等に供する幅は方式とともに操作員が選択し、各方式を組み合わせて実施することもできる。
【0024】
以上はいずれも仕分け時に即断即決する方法であるが、しきい値に近い所定範囲の特性値の仕分け対象物を一旦中間のグループとして保管し(図25参照)、仕分けた対象物を使用あるいは搬出する際に隣り合ういずれかのランクの目標比率もしくは目標量を満たすよう配分する方法も有効である。つまり、(11)しきい値に近い所定範囲の特性値の対象物をいったん中間のグループとして保管し、仕分け終わった対象物を使用あるいは搬出する際に隣り合うグループのいずれかのグループの目標比率もしくは目標量を満たすよう配分する。この場合対象物は中間のグループとして保管するが、仕分け誤差の計算は前述の図22あるいは図23の按分方式に準じて行う。このようにすることで基本的な効果は按分の場合と同様であるが、仕分けられた各ランク内の特性値が揃い易いうえに、目標達成の確実性を増すことができる。中間グループとして留保する幅は全仕分け量に対する比率を考慮して指定すればよい。この留保分を1ランクとして追加する方法もあるが、目標値を持たせた分特性の揃いが悪くなる。なお、開ループ制御の場合には基準のしきい値を中心に保管する範囲を置く。なお実務上、両側のランクの保管区域の中間に保管すれば排出時に都合がよい。なお、相対的な制限と中間グループもしくは按分範囲を置く考え、中間グループと按分の考えは一つのしきい値について併用することはできない。固定的な制限とそれらを併用する場合は、しきい値に近い所定範囲までを固定的な制限範囲に収めるべきである。また、固定的な制限とバイアスによってマージンを持たすこともしきい値の同じ方向に併用することは望ましくない。その他の組み合わせは目的次第である。
【0025】
仕分け時に即時即断することによる最大の問題は、仕分ける順によって仕分け先が変わり得ることである。その原因は仕分けのつど誤差計算することにある。これを改善するため、(12)仕分け予定の対象物の特性値が、基準のしきい値の近傍に複数個あるとき、基準のしきい値に遠い対象物から仕分け先を決定し、基準のしきい値を越えて隣のグループから取り込む場合はより近いものを優先する。基準のしきい値から遠い物は仕分け順序で仕分け先が変わることはないからどんどん仕分けて構わない。そして保留した物を仕分けなければならない状況では、受入順にとらわれず仕分け予定対象物の中で、特性を揃えることと誤差を減らすことの両立に最も適したものを選ぶ。図26はA、B、C、D、E、Fの順に受け入れた対象物を五つのランクに分割する場合で、A〜Fの特性値を含む少し左に偏った確率分布(太い実線)とそれら仕分け予定対象物の特性値を上段に示し、下段にはそれらを基準のしきい値によって仮に仕分けた場合の各しきい値の累積誤差を示している。対象物A、B、Dは基準のしきい値(一点鎖線)と誤差で決まるしきい値(図示しない)の間にあるので隣のランクに仕分けるべきものであり、C、E、Fはそのままのランクに仕分けるべきものとしよう。C、Eは仕分け順が影響することはなくそのまま仕分けて良いと考えられる。問題は最初に受け入れたAであるが、これを隣のランクに仕分けるのを見送って、Dを隣のランクに仕分けるべきものとして予定する。ここで残った誤差(太い点線)と、Aも仕分けたときの誤差(細い点線)を絶対値で比較すると、誤差は逆に増えるからAは本来のランクに仕分けるのが最適の仕分け判定であることが分かる。なお累積誤差のグラフでは一つの境界で仕分けを変更しても他の累積誤差は変化しない。もう一つの問題Bであるが、仮にC、E、Aを仕分けた時点で、計測を終わった仕分け対象物が増えていれば、それを加えて同じ方法で判定するから先の判定は変わる可能性があり、同じようにDも実際に仕分ける直前まで本来のランクになる可能性があるから仕分けを保留するのである。仕分け誤差から見ればそのままのランクに仕分けるべきFも、位置関係の逆転と言う意味では待った方がよい。なお対象物が増えることによる最適化の可能性はフィードバックを併用しない場合にもある。図27は10荷口先まで特性値が分かっている場合に受入順に仕分けた例である。例えば43番目の荷口を上のランクにしなければ、47〜9番の誤差の上昇を防ぐことができる。31,35番目が保留されていれば選択肢は更に広がる。
【0026】
(13)仕分ける対象物と仕分け予定対象物の計測ができる品質計測手段と、対象物の量を計測する手段と、それら計測時点で仕分け予定の対象物、現に仕分ける対象物および既に仕分けた対象物の特性値データ、対象物の量のデータおよびそれらの推定値を記憶または置き換えるとともに、搬送を指定した対象物の仕分け先を指示する仕分け判定手段とより構成することを特徴とする、受け入れる仕分け対象物を、量的な比率を所要の目標値として複数のグループにできるだけ特性を揃えて分ける物の仕分け装置を用いる。図28では一つの仕分け判定手段のもとに他の手段が一つずつ配置されているが複数個に分担させ、あるいは複数系有っても構わない。また図28に示した他の仕分け設備(遠隔地にあっても構わない)との連係動作では、仕分け方法を同一にすることを前提に、特性値の分布状態分析と仕分け誤差の計算を統合して行う。また取引用に使用されるデータを会計手段へ送るルートは、図の例に特定されるものではなく、仕分け先指示は直接搬送手段に送っても良い。なお計量手段を搬送手段の途中に設けて実重量を直接測っても良いし、取引と関係のなく実際の仕分け量を量ることもできる。
【0027】
【作用】
本発明は、以上のような構成により次のような効果を有する。(1)によって仕分ける対象物、既に仕分けた対象物だけでなく仕分け予定の対象物も含めて特性値の確率分布状態を分析するから、より的確なしきい値が得られる。確率分布状態が変化しても、仕分け予定対象物から変化が早く把握される。実務的には分布関数の形が判っているときにはそのパラメーターの計算から、判ってないときには累積頻度の計算からしきい値が求められ、また確率分布の変化の態様に応じて、分析対象の範囲の選択と新旧の重み付けの調節が行われ、極端な測定誤差を排除してしきい値の算出が行われる。仕分ける量に不揃いがある場合、農産物において良くある量と特性値に関係が認められる場合には、仕分け対象物の量も重みとして分析される。
【0028】
また(2)により、計測と計量が同期しなくても支障がない。即ち操作員の入力する推定値で、あるいは操作員の入力遅れがあっても平均値等の推定値で確率分布の分析が行われ、仕分けられた物については誤差の計算において仮の計算が行える。当然、確率分布状態の分析と仕分け誤差の計算に若干の誤差を許容しなければならないが、最新の基準のしきい値あるいは(および)最新の誤差に基づく仕分け判定により、いわゆるむだ時間による乱高下が防がれる。また仮計算分は量が確定した時点で自動的に修正計算され精度は維持される。
【0029】
(3)によれば、対象物の特性値についてもサンプリング測定等によりその推定値を取得するから、仕分けのために行う測定等で得たデータよりずっと多くのデータから確率分布状態を判断できる。また確率分布が一方向に変化していく場合にも、いわゆる移動計算に当たって仕分けの前後のデータから分布の変動を的確に捉えられる。集荷予定の対象物全体に対する特性値の分布が予想できる場合には、最初から適正と考えられるしきい値が得られるから、フィードバックのゲインを低く抑えて制御することになる(図27の10荷口先まで特性値が分かっている仕分けの例を参照)。ところで大きな荷口を数少ないサンプルから判断することにはリスクを伴うが、その場合でも荷口数が多ければサンプリング誤差も打ち消し合うことが期待できる。
【0030】
(4)では、仕分ける荷口の特性値の広がりが及ぶランクのうち、目標仕分け比率が一番低いものに(予想される)総仕分け量を乗じた量の数分の一の量を基準に、この量を越える可能性のある荷口を基準を超えない程度に分割して仕分けが行われる(図13参照)。特性値の分布の及ぶ範囲に大きな仕分け比率のランクしか無ければ、設備の最大能力で仕分けの操作が進行する。このようにすれば仕分け対象物の集合体がある程度の特性値の広がりを持つことを生かして、仕分け対象物の中身の分布に忠実に仕分けが行われ、また仕分けの誤差の変化が小刻みになって、特性値の順序とランクの順序の逆転を少なくする。また分割するかどうかに操作員の判断を加味することで、天候の急変による特性値の変動に対応した分割の実行、集荷量の減少に対する対応、産地の栽培状況、外観から判断しての分割の実施や省略などが行われ、設備装置の複雑化を招くこともない。
【0031】
(5)のようにすれば確率分布が変化して仕分けの量的比率に誤差を生じても、まずフィードバックの基準点が目標の量が得られる点に移動し、その上で誤差を修正回復するためのフィードバック機能によってしきい値の制御が追加されることになる。特性値の出現は確率現象であるから得られる量的比率には常時誤差が発生し、分布状態が動くとき、分布に歪みがあるときにも誤差が生ずるが、フィードバック制御を組み合わせることでこれらの誤差が修正復旧される。
【0032】
(6)によれば、同じ誤差量であれば特性値の出現する確率が同じ量だけ増減するようにフィードバックの大きさが決定されることになる。これによって目標の仕分け比率を変えても同じ速さ(=実現の確率)で誤差が復旧する。また複数のしきい値で仕分けるとき、ランク相互間の制御の整合性が確保される。
【0033】
確率分布関数(実務的には累積頻度曲線)から、目標仕分け比率にあるマージンを持った基準のしきい値を得て、(7)によって仕分けを行えば、仕分け誤差があっても本来必要な仕分け比率は維持され、主な仕分け目的のランクが目標未達に終わる可能性は少なくなる。搬入される総量が不確かなときでも、ある程度の余裕を見込んで仕分けを進めることができる。
【0034】
(8)と(9)の作用を具体的に見ると、図20の品質規格の線はしきい値の左側のランクが不足しても品質規格を越えて右側のものまで取り込まないことを示しており、図19でしきい値の制限範囲を示す縦の太線はしきい値の右側のランクが不足しても、本来のランク境界である基準のしきい値(一点鎖線)の左側を大きく取り込まないようにしていると解釈できる。それぞれの図の制限を設けない側については仕分け比率の余剰に対しそのランクの特性値範囲を際限なく狭めることを意味している。また代表的な制限特性を持たせた図15〜18の制御ゲイン特性線によれば、僅かな誤差を容認して回復を待つための不感帯を持つもの、産地や天候の急変に応答するとともに一定の安定性もあるヒステリシスを持たせた方法など、対象物の性質あるいは仕分けの目的によって、フィードバックの形を変えて様々な特性を持たせることができる。ゲインを上げるほど制限が必要になると考えてもよく、その極限がしきい値切替型と言うことになる。もちろんフィードバックの強さ、つまり制御のゲインを適度に設定すれば、誤差を回復する確率を調整するだけで制限を加える必要が生ずる前に誤差が回復することが多い。制限付きリニア型や曲線型はその具体化例である。ところで制限の強さについての基本的な認識としてはゲインの選定方法で述べたように、一仕分け分不足しているとき確率密度曲線の下の全面積(即ち確率=1)の10%だけ増やせば10回仕分けるうちには回復できると期待できるのだから、しきい値の変化を確率10%分までに制限すれば、平均的には一仕分け分を回復するのに10回程度待つべきだと言うことである。当然、制限(中でも品質規格)を厳しくして偏倚量を抑制しすぎると誤差を回復しない可能性がでてくる。
【0035】
(10)の作用を具体的に見ると、図22、23、24では、仕分けの誤差A点に対応して基準のしきい値から偏倚してしきい値が決まるが、この点を中心に按分範囲が設けられ、仕分け対象物の特性値がこの範囲になったとき所定の按分比率で両側のランクに分けられる。このように按分範囲の対象物を仕分けた時にはその対象物についてはランクの順序が無条件にぼかされ、仕分けの誤差計算に於いても誤差を露わにしないことで以後の仕分けにおけるフィードバック量が抑えられる。一方、按分範囲から離れた対象物を仕分けた時には、荷口全体を一方のランクに仕分けるから、仕分け誤差の変化は大きくなり、以後の仕分けにおけるフィードバック操作量は大きくなる(それに確率分布状態の変化による基準のしきい値の変動も加わる)。しかしいわゆる順序の逆転が起きるのは、その後にしきい値の変動範囲に近い特性値の対象物が仕分けられるときに限られる。そのような対象物が按分範囲に入れば両側のランクに按分され、やはり順序の逆転は抑制される。フィードバック制御を併用しない場合には、確率分布状態の変化による基準のしきい値の移動で按分範囲は動き、按分範囲に入った仕分け対象物は按分され、やはりランクの順序はぼかされる。
【0036】
(11)の手段によれば、按分と同じ方法で決まる範囲の仕分け対象物を、即断即決で分けるのではなくまとめて保管する。つまりランクの中間にもう一つグループができる。
【0037】
仕分け予定の対象物からもその量や特性値が得られれば、その時点で仕分け先は決定可能であるが、それには後になって必ずしも合理的でないケースが含まれる。特にフィードバック制御を併用する場合、フィードバック量は誤差で決まり、誤差は順序によって変わるから、仕分け予定対象物全体を対象にした誤差の解析法が必要であり、順序を決めるルールが必要であった。本発明では、施設の運用状況によって、仕分けを行わねばならぬ時、物と、判断を待って良い時、物に分けて対応する。(12)によれば、現にある仕分け予定対象物の中では特性値の順序がランクの順序と逆転することはない。従って、仕分け予定対象物の中で仕分け順序を変更しても仕分けの判定が変わることはない。さらに基準のしきい値に近い対象物の仕分け順を遅らせるので、特性値を揃えることと誤差を減らすことを両立させる対象物が入荷することがある。
【0038】
(13)の手段により、品質計測、仕分け対象物の量の計測が行われるとともに、仕分け制御装置がそれら計測値と量および特性値と推定値を記憶し、計測のつど最新の実測データに置き換えて、特性値の確率分布状態に基づいて搬送を指定した対象物の仕分け先を指示する。
【0039】
【発明の実施の形態】
対象物を荷受装置に投入する前に、計測区域で品質計測を行う製茶工場を事例として、図28のブロックダイアグラムに基づいて説明する。仕分けの開始時には先ず、仕分け判定手段に仕分けの条件を入力する。先ず加工上の必要性に従って各ランク境界のしきい値を決める。同時に各ランクの保管先を指定する。ここでは三つのランクに分けることとし、先ず下位のランクは、分布の端の数%が品質の悪いものの混入として目立ちやすいのでこれを除去するためのランクとして設定する。つぎに中位のランクは、全体の品質が下がった時も産地ブランド名を維持するための下限の規格(特性値)を設定する。また上位と中位ランクは、加工後にそれぞれを均一に混合して明確な品質格差を持たせるが、それぞれの加工量を需要状況に合わせて調整すべく全体の10%を中間のグループに仕分けて保管する。以上の目的から按分やバイアスの手法は併用しない。ところで中位のランクでは下の境界のしきい値が上に振れたとき中間のグループ入らないようにプログラムされている。この工場の傘下の圃場では事前に集荷量と集荷予定の茶葉の特性値分布が推定できるので、仕分けの初期データとして分布データを入力し、制御ゲイン”弱”を選定する。フィードバックはリニア型を選定する。計画的に摘採し、品種の切替もなく天候も安定しているので、受入順による重み、分析データの範囲制限は付けない。外部の茶葉を加工する場合は計算対象データ範囲を制限し、後述する推定値を得るためのサンプル測定に注力することがある。これら設定条件の中には仕分けの途中で変更できるものもある。また一連の仕分けを打ち切って新しい仕分けを開始する場合、以上の設定条件等だけでなく登録されている仕分け予定対象物のデータを選択する必要がある。
【0040】
製茶工場に搬入された茶生葉は自動的に受付番号を付与し生産者に関する情報とともに登録される。操作員は搬入者に受付番号を確認し、品種、摘採方法、栽培方法、病虫害(仕分け対象から外す場合もある)など判定項目を入力し、量が多いか、特性値にバラツキがあるかを観察して、分割仕分けの必要性を判断する。続いて仕分け順を決め、さらに分割時の投入順を付与しながら、仕分け用の計測サンプルを、分割する仕分け単位から均等に採取して計測係に回す。荷受け待ちが生ずるときには、推定値を得るため荷口を代表するサンプルを採取して計測係に回す。荷受けが進めば、順次それらの荷口から正式な仕分け計測のためのサンプルを採取する。計測されたデータは計測制御手段から仕分け判定手段へ送られ随時更新される。なお量が多くても均質で分割仕分けする必要がないと操作員が判断した荷口は、代表的サンプルの計測のみで仕分けを行う。逆に外観から判断して分割しても均質な仕分け単位になりにくい荷口に対しては、強制的にバラツキの下位の方の品質に合わせてランク付けすることがある。
【0041】
計測時には茶生葉の成分を測るほか、大きさ、色などの官能評価値、判定項目も計測制御手段に入力する。この工場では官能評価結果は取引用データとしてのみ使用している。計測制御手段では品質の計測値とその他判定項目のデータをまとめて会計システムへ送る。会計システムではそれらを総合して品質判定値が決定され、茶生葉の買い入れ単価を決定するために使用される。一方、仕分け判定手段では受付番号、後述する仕分け順、重量などとの対応データとして登録され、特性値の分布を分析するためのデータとなる。またこの時点で事前に予定した集荷量から実際に集荷した量を差し引いてゆく。この工場では判定項目は特性値に反映させてない。また特性値は正規分布になるとしてパラメーターを算出する方法を採用している。
【0042】
取引のための量として、受入れ重量の計測は一般に搬入前にトラックスケールで風袋込みの重量計測が行われ、搬入後に風袋の重量計測が行われ、正味重量が計算される。データは受付番号等と関係づけられて、仕分け判定手段と会計システムに送られる。品質計測と計量のタイミングは一般に同期しないから、受付番号を付与した時に仮計算用の推定重量を登録しておき、操作員が仕分け制御手段におおよ推定重量を入力した場合には、その値を入力データで置き換える。そして風袋の重量計測後、さらに確定重量に置き換えられる。
【0043】
仕分け判定手段では、特性値を重量に基づく重みを付けて特性値の平均値と標準偏差を算出し、それらに基づいて目標の仕分け比率に対応する各ランクの基準のしきい値を決定する。分割して特性値を得た場合は、確率分布状態をきめ細かく把握するため分割データを使ってパラメーターを算出する。仕分け量の重みには登録された重量を分割数で割ったものを用いる。確率分布のパラメーターは、特性値が登録されている荷口について重量が更新されるつど再計算する。
【0044】
荷受け装置で投入する荷口の受付番号(分割する場合はその投入順も)を入力すると、対応する特性値を下のしきい値、中間グループの上下と比較してどのランクに仕分けるかを判定して、搬送先を表示するからそれに従って搬送操作する。搬送先と併せて搬送先の現在の充填状況(ランク別の仕分け累積量に対応)および後述する各ランクの仕分け誤差を表示し操作員の総合的な状況判断を助ける。さらに計測を終わっている仕分け待ちのもの総てについて最適の仕分けを行い、仕分け対象物の分割された仕分け単位ごとに最適の仕分け先を予め表示し、操作員が実際の仕分け順序を調整できるようにする。また平均荷口重量で規準化した仕分け誤差は、既に仕分けを終わった荷口について重量が更新されるつど再計算する。なお中間グループに入った対象物の誤差計算は、ここでは中間グループに供する割合で上・中位に按分したものとして計算する。この誤差に仕分け比率に対応した制御ゲインを乗じて二つのしきい値のフィードバック操作量を算出する。ここで中間グループに仕分けたものは生葉保管装置から搬出するときに、上・中位の用途に使い分ける。
【0045】
他の仕分け設備(遠隔地にあっても構わない)とネットワーク等の方法で仕分け判定手段を接続し、連係動作を行う場合は、仕分け方法を同一にすることを前提に、特性値の分布状態分析と仕分け誤差の計算を統合して行う。このとき受付番号とともに仕分け予定の対象物の特性値と量を共通データとすればより的確な仕分けができる。なお取引用に使用されるデータを会計手段へ送るルートは、図の例に特定されるものではない。
【0046】
以上、集荷した茶葉の仕分けについて述べたが、この他にも加工条件を揃えたり、用途を分けたり、差別化した商品にしたり、貯蔵や運送の条件を改善したり、このような仕分け技術を応用できる分野は数多くあり、農水産物に限らず確率分布に従う物なら同じように仕分けできる。ここにその一端として農水産物の例をを述べる。最近の動きとして生産者が消費者への直販の増加が見られるが、この場合、直販の顧客が最優先し、品質の良い物からその出荷量を確保したいという考え方が働く。収穫量の何パーセントを直販に振り向けるかということになれば、従来の選別ではなく「仕分け」の考えが必要になる。これとは逆に、大手流通業者はもちろん外食・中食の事業者でも市場機能をバイパスした調達に走っている。
これら業者が生産者と直接に取り引きするとき現実的に自分の必要とするものを経済的に得るには産物の実態に即した取引条件を設定するのが合理的であり、仕分けの技法はその実現を促進できる。このような特化する動きの根底にほとんどの産物が過剰供給の状況にあることが指摘できる。このような状況であるから生産地では市場の価格動向に非常に敏感になっており、出荷団体では情報化が進められてきたが、収量や時期を自由にはできないから出荷の調整、用途の調整は避けられない。例えば果物の場合、出荷の規格とは別に貯蔵への適性の有無があるから、出荷と貯蔵の比率を定めた仕分けを選果工程と併用することができる。また生食用とジュースや缶詰などの加工用を選択できる場合には、生食用の規格内、規格外の境界を仕分け制御して量を調整することができる。さらに缶詰用を例に取れば、缶のサイズと釣り合う範囲でカット物と全形物の比率を生産計画に合わせて仕分け調整できる。
以上述べたような仕分け制御を応用できる仕分け対象物は多岐にわたるが、一般的な産物を例示すれば、トマト、アスパラガス、ジャガイモ、タマネギ、メロン、柑橘類、りんご、ぶどう、もも、おうとう、すもも、うめ、くり、かつお、さんま、うなぎ、さけ、さば、いわし、あるいは魚の切り身、貝類、卵、籾米、玄米、精米等が挙げられる。また、茶については、生葉に限らず、荒茶、あるいは加工途中の茶葉、緑茶以外の茶にも利用できる。
【0047】
【発明の効果】
(1)によって、仕分け予定を含めた得られる限り最新の特性値から確率分布状態を分析するから、仕分けの目標比率に対応した最も的確なしきい値が得られる。実務的には得られた特性値うち、最新の所定個数に限ったデータから算出したり、新旧による重み付けをしたり、極端な特性値を排除することにより、確率分布の変動の態様に適したしきい値を求めることができる。またこの方法は確率分布の形が特定できないときでも広く適用できる。
(2)によれば、仕分け対象物の量の推定値を用いた最新の誤差と最新の分布状態に基づく仕分け判定が行われることにより、仕分け誤差の乱高下、ひいてはランクと特性値の順序の逆転が減少する。量の計測の遅れによる制御の遅滞がなく、荷受けが集中した時間帯の並列処理を少人数の操作員で対応したり、搬送の効率を考えた仕分け順序の変更など施設運用の自由度が向上する。
(3)のように特性値の分布状態の分析に当たって、仕分け予定の対象物の特性値の推定値も含めることで、その後の分布の変化をも見越したしきい値を得るから、より適正なしきい値が得られ、更に事前調査による分布状態を含めた場合には、仕分けの終了時に総計算して得られるしきい値に近い初期値でしかも低い制御ゲインで仕分けを行えるから、ランクと特性値の順位の間に逆転が発生することが減る。
(4)によれば、誤差の変動は小刻みになり、仕分け誤差に比例してしきい値が大きくフィードバック操作されることもないから、特性値の順序とランクの順序の逆転が減少する。大きな荷口の中に部分的に特性値のことなる部分が含まれる場合も、分離して仕分けられて全体の分布に忠実な仕分けになる。小さい仕分け比率のランクに引っ掛からない荷口に対しては分割を行わないので処理が早くなる。目標の仕分け比率が小さい場合でも安定した仕分けが可能になるから、多くのランクに分けようとする場合には特に有効である。
(5)によれば、特性値に一時的偏りによって仕分け誤差が生じても、確率分布が変化して既に仕分けた分から誤差を生じても、フィードバックによって仕分け誤差を回復できる。
(6)によれば、目標仕分け比率を変えたり、多くのランクに仕分けたりすることが整合性を持って可能になる。
(7)によれば、目標仕分け比率に対して余裕があるから、目標のランクの仕分け量が未達に終わる可能性は少なくなる。
(8)により基準のしきい値に関係なく制限を置けば、品質規格を維持しながら所要の比率に仕分けることができる。
(9)により基準のしきい値を基点に制限を置けば、分布状態の変化には対応しつつ制限範囲が的確に維持できるから、特性値を揃えるという目的と所要の比率に仕分けるという目的との矛盾を調和できる。
(10)によれば、制御ゲインが大きい、あるいは仕分け単位量が大きくてしきい値が大きく変動しても、仕分け対象物を両方のランクに按分することでランクの境界付近で特性値の順序に逆転現象が発生するのを少なくできる。按分の比率の選び方を両方のランクからの供出の比率にすれば全体の分布の形に対して中立にできる。また、しきい値から離れるに従い本来のランクへの按分を多くすれば各ランクの分布幅は小さくなる。さらに、しきい値に近い所定範囲の特性値の仕分け対象物を仕分け比率の誤差に応じてこれを修正回復すべく、不足している側により多く傾斜して按分するればフィードバックの機能を持たせることができる。
(11)の手段による基本的な効果は按分の場合と同様であるが、仕分けられた各ランク内の特性値の分布が狭いだけでなく、目標達成の確実性を増すことができる。
(12)によれば、仕分け対象物の特性値を得ることのメリットを完全に生かすことができる。即ち単に仕分け対象物の特性値を得て確率分布状態を早く把握しても、仕分けのつど誤差を算出する方法では仕分け順序の影響を受けて必ずしも最適な仕分けができなかったのである。また最初に仕分けを開始する時点、分割した荷口の計測値が出揃って一括して仕分け判定する場合にも合理的な仕分けができる。また施設の担当者は機械設備の操作をできるだけ省き、起動停止に伴う時間損失を減らしたいが、仕分け順序を変更して、同じ仕分け先になるものをまとめて搬送することができる。基準のしきい値に近い対象物の仕分け順を遅らせてより的確な仕分け判定ができる。
(13)の手段により、仕分けを終わった対象物、現に仕分ける対象物の特性値だけでなく仕分け予定の対象物の特性値(あるいは推定値)の分布をも特性値の確率分布の分析に供することで、可能な限り的確且つ安定な基準のしきい値による仕分け判定ができるとともに、結果を表示もしくは搬送制御装置へ送信して的確な仕分け制御を助ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】受け入れる仕分け対象物の特性値の変動と移動計算した標準偏差値の変動を示した図。仕分けのつど再計算した平均値についても示した。
【図2】図1の例について特性値の分布をヒストグラムに表し、算出した平均値と標準偏差に基づいて描いた正規分布曲線と重ね合わせて示し、また密度関数を−∞から積分した確率分布関数(累積確率)も示した図。(ただし、この曲線と重なり合う実際の累積確率グラフは荷受け重量で重み付けされた累積グラフである。)
【図3】本発明が課題とする確率分布に従う物を、比率を目標として仕分ける方法を一般の制御工学との対応させながら示した概念図。
【図4】制御の概念図。仕分け誤差が上下に振れると制御ゲイン特性線を介してしきい値(縦実線)が左右に振れる。確率分布が実線から点線へ変化するとき、縦の一点鎖線で示した基準のしきい値が点線の位置へ移動して対応する。
【図5】相関性を持つ2次元の分布を仕分ける概念図。右下がりの線は回帰直線。
【図6】確率密度関数グラフ上で、フィードバックで同じ効果を得られるしきい値の操作量を示した図。それぞれ点線で挟まれた部分の面積は全体の10%である。
【図7】仕分け対象物全体の特性値の確率分布と、一つの荷口の特性値の確率分布(1から10の番号で示す)、および6番の荷口について得られる可能性のある特性値の関係を示す図(三回のサンプリング測定を3本の縦の点線で示す。ランク2、3、4のいずれにもなり得る)。
【図8】特性値の確率分布とランクの変動範囲、しきい値の変動範囲の関係を示す図。
【図9】大きな荷口を分割しないで仕分けた場合の誤差の変化としきい値の変化を示した制御動作の概念図。誤差Aのとき特性値aの大きな荷口を左のランクに仕分けると誤差はBなる。このとき確率密度関数が変化し(図は省略)、基準のしきい値(A)の一点鎖線が左へ移動し、制御ゲイン線は(B)に移動し、つぎの特性値bの荷口は特性値がaより低いのに右のランクに仕分けられてしまう。
【図10】受け入れる物の特性値の変動と、計量の遅れがない場合のしきい値の変動を示した図。累積の平均値は安定かつ総平均値との差も少ないが、しきい値は仕分け完了時に総計算した各総しきい値の上下に大きな変動があることがわかる。
【図11】実際の特性値について、仕分け誤差の確定が4荷口分遅れた場合のしきい値と仕分け誤差の変動を比較した図。26、33、43、46、52、56、58、70番目の荷口で図10と異なる仕分けになる。
【図12】4荷口分の遅れに対し、平均の荷口重量で仮計算して制御した場合のしきい値と仕分け誤差の変動を比較した図。11荷口目だけ図10と違う仕分けになる。
【図13】図9の大きな荷口を4分割して仕分けた場合の誤差の変化としきい値の変化を示した制御動作の概念図(特性値がa、1、2、3に出現したとき、仕分け誤差としきい値はA、1、2、3と動く。確率密度関数、基準のしきい値、制御ゲイン線の変化は煩雑になるので図を省いた)。
【図14】基準のしきい値をバイアスする場合のしきい値の振れを制限する概念図。
【図15】制御ゲイン特性線が制限付きリニア型の場合、仕分け誤差に対してしきい値を基準のしきい値から振る量の関係を示した概念図。
【図16】制御ゲイン特性線が不感帯付き切替型の場合、仕分け誤差に対してしきい値を基準のしきい値から振る量の関係を示した概念図。
【図17】制御ゲイン特性線がヒステリシス付き折線型の場合、仕分け誤差に対してしきい値を基準のしきい値から振る量の関係を示した概念図。
【図18】制御ゲイン特性線が曲線型の場合、仕分け誤差に対してしきい値を基準のしきい値から振る量の関係を示した概念図。
【図19】基準のしきい値から一定範囲にしきい値の振れを制限する概念図。
【図20】基準のしきい値に関係なく、品質規格でしきい値の振れを制限する概念図。
【図21】図10の例を按分方式で制御した場合の仕分け誤差の変動図。
【図22】しきい値を中心に設けた按分範囲で両側のランクから按分に供する比率で両方のランクに分配する概念図。
【図23】しきい値を中心に設けた按分範囲で仕分け対象物の特性値に対応した比率で両方のランクに分配する概念図。
【図24】しきい値を中心に設けた按分範囲で仕分け誤差に対応したある一定の比率で両方のランクに分配する概念図。
【図25】しきい値を中心に中間グループとして保管する範囲を設定する概念図。
【図26】基準のしきい値としきい値の間に特性値を持つ複数の仕分け対象物と各ランクの累積誤差の関係図。
【図27】図10の受入例を、仕分け予定対象物を先行して品質計測して仕分けた場合の仕分け誤差の変動図。10荷口分先行して計測し、累積頻度から基準のしきい値を求め、フィードバックゲインはゼロ(即ち開ループ制御)。
【図28】制御システムの構成を示した図。太い矢印が物の流れ、点線の三角形が操作員の関与を示す。仕分け方式としては、開/閉ループ、確率分布分析法、按分・中間グループ・バイアス・制限法の選択と組合せ、目標の階層化等の項目を選択する。仕分け条件としては、仕分けに用いる特性値、初期値・初期推定分布、制御ゲイン、計算対象データ数、順序重み、量の重み、異常特性値制限、推定量選択等を指定する。このほか対象物データの削除・選択などを行う。また仕分け状況の表示としては、仕分け先の充填状況、仕分け比率・量、仕分け誤差、特性値の累積分布、移動平均・標準偏差等のほか、仕分け予定対象物の特性値と標準のしきい値の関係、誤差の仮計算も表示する。これら表示の助けを得て仕分け対象物を指定する。

Claims (13)

  1. 受け入れる仕分け対象物を、量的な比率を所要の目標値として、できるだけそれぞれの特性を揃えて複数のグループに分けるとき、仕分け予定の対象物、現に仕分ける対象物および既に仕分けられた対象物から得られた総ての特性値データに、もしくはそれらのうち最新の所定個数の特性値データに、受入順に基づく重みを与えて特性値の分布状態を分析し、仕分けの目標値に対応するしきい値を求めることを特徴とする物の仕分け方法。
  2. 仕分け誤差の計算と特性値の分布状態の分析に於いて、仕分け対象物の量に推定値を含むことを特徴とする請求項1記載の物の仕分け方法。
  3. 仕分け誤差の計算と特性値の分布状態の分析に於いて、仕分け予定対象物の特性値に推定値を含めることを特徴とする請求項1、2記載の物の仕分け方法。
  4. 受け入れる仕分け対象物が集合体の場合、グループの目標仕分け比率の数分の一ないし数十分の一に相当する量を超えるグループに仕分けられる可能性がある対象物を分割して仕分けることを特徴とする請求項1、2、3記載の物の仕分け方法。
  5. 特性値の分布状態を分析して目標値に対応するしきい値の基準点を決定する開ループ制御と、目標との誤差に応じて該基準点からしきい値を調整する閉ループ制御を組み合わて仕分け比率を制御することを特徴とする請求項1、2、3、4記載の物の仕分け方法。
  6. 目標からの仕分け誤差に応じてしきい値を調整する閉ループ制御のゲインの体系を各しきい値近傍の確率密度に反比例した大きさに選定することを特徴とする請求項5記載の物の仕分け方法。
  7. 基準のしきい値を本来の値からバイアスして決定することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6記載の物の仕分け方法。
  8. 目標値に対応するしきい値もしくは誤差に応じて調整するしきい値の変動を固定的な範囲に制限することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6記載の物の仕分け方法。
  9. 誤差に応じて調整するしきい値の変動をしきい値の基準点に対する相対的な範囲に制限する請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の物の仕分け方法。
  10. しきい値に近い所定範囲の特性値の対象物をしきい値の両側のグループに所定の比率で配分する請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の物の仕分け方法。
  11. しきい値に近い所定範囲の特性値の対象物をいったん中間のグループとして保管し、仕分け終わった対象物を使用あるいは搬出する際に隣り合うグループのいずれかのグループの目標比率もしくは目標量を満たすよう配分することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の物の仕分け方法。
  12. 仕分け予定の対象物の特性値が、基準のしきい値の近傍に複数個あるとき、基準のしきい値に遠い対象物から仕分け先を決定し、基準のしきい値を越えて隣のグループから取り込む場合はより近いものを優先することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の物の仕分け方法。
  13. 仕分ける対象物と仕分け予定対象物の計測ができる品質計測手段と、対象物の量を計測する手段と、それら計測時点で仕分け予定の対象物、現に仕分ける対象物および既に仕分けた対象物の特性値データ、対象物の量のデータおよびそれらの推定値を記憶または置き換えるとともに、搬送を指定した対象物の仕分け先を指示する仕分け判定手段とより構成することを特徴とする、受け入れる仕分け対象物を、量的な比率を所要の目標値として複数のグループにできるだけ特性を揃えて分ける物の仕分け装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016175760A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 三井造船株式会社 コンテナ重量算出システムおよびコンテナ重量算出方法
JP7521470B2 (ja) 2021-03-24 2024-07-24 株式会社豊田自動織機 仕分け装置

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