JP2004289893A - 力率改善回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング電源装置50などのコンデンサインプット型の回路の前段に設けられる昇圧チョッパ回路などとして実現され、入力電流波形を入力交流の電圧波形に近似させることによって入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路31において、製造コストの大幅な上昇を招くことなく、脈流電圧を検出するための入力分圧抵抗45,46の損失を低減する。
【解決手段】入力交流電圧のオフ時にフィルタコンデンサ33,35の電荷を放電するために設けられている放電抵抗を、参照符51,52のように2つに分割し、それらの接続点から分圧電圧を取出し、スイッチングを制御する制御回路49に与える。したがって、従来のように入力交流の全波整流電圧を分圧抵抗45,46で分圧するのに比べて、該入力分圧抵抗45,46の損失を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるAC−DCコンバータなどとして実現されるスイッチング電源装置などのコンデンサインプット型の回路の前段に設けられる昇圧チョッパ回路などとして実現され、入力電流波形を入力交流の電圧波形に近似させることによって、入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
商用交流などの単相交流を入力とし、所望とする電圧で安定化された直流電流を作成するにあたって、入力側と出力側とを絶縁し、かつ変圧器を小形化することができるスイッチング電源装置が広く用いられている。このスイッチング電源装置は、前記単相交流を整流して得られた整流後の電圧(脈流)を平滑化する平滑コンデンサを電源として、その平滑化された電流をスイッチングする。このため、前記平滑コンデンサには、前記整流後の電圧が該平滑コンデンサの充電電圧よりも高くなるピーク値付近でしか電流が流れ込まず、導通角が狭く、力率が低く、また高調波を発生するという問題がある。
【0003】
そこで、前記平滑コンデンサへの入力電流波形を、前記整流後の電圧の波形に対応させて力率を改善するようにした力率改善回路が、スイッチング電源装置の前段側に介挿されるようになってきている。図5は典型的な従来技術の力率改善回路1を備える電源装置の電気的構成を示すブロック図であり、図6はその動作を説明するための波形図である。
【0004】
商用電源2からの商用交流は、コンデンサ3、フィルタコイル4およびコンデンサ5から成るフィルタ回路を通り、ダイオード6a,6b,6c,6dから成るダイオードブリッジ6に印加され、前記力率改善回路1の入力ライン7,8間に、図6(a)において参照符α1で示すような整流電圧(脈流)が出力される。
【0005】
力率改善回路1は、昇圧チョッパ形式の力率改善回路であり、正入力ライン7に介在されるチョークコイル11およびダイオード12と、前記チョークコイル11とダイオード12との接続点と負入力ライン8との間に介在されるスイッチング素子13と、ダイオード12のカソード(出力)側に設けられる平滑コンデンサ14と、入力分圧抵抗15,16と、出力分圧抵抗17,18と、前記スイッチング素子13をオン/オフ制御する制御回路19とを備えて構成されている。
【0006】
制御回路19は、前記図6(a)において参照符α1で示すダイオードブリッジ6からの整流後の電圧の前記入力分圧抵抗15,16による分圧値と、前記図6(a)において参照符α2で示す平滑コンデンサ14の充電電圧の前記出力分圧抵抗17,18による分圧値とを取込み、これらを演算処理して、チョークコイル11に図6(b)において実線で示す波形の電流を流すように、タイミング制御した駆動信号をスイッチング素子13のゲートに送出する。前記図6(b)で示す電流波形は、その平均値が参照符α3で示すように、前記整流電圧α1に相似した波形となるように、したがって商用電源2からの電圧波形と近似するように、かつ平滑コンデンサ14の充電電圧が所定の平滑電圧値になるように制御されている。
【0007】
図6(a)において参照符α1で示す整流後の電圧および参照符α2で示す平滑コンデンサ14の充電電圧の波形は、共通のグラウンドレベルを基準として作図されており、そのレベル差は、力率改善回路1による電圧昇圧分に相当する。
【0008】
前記スイッチング素子13のオン/オフ動作による電流は、商用電源2とダイオードブリッジ6との間に介在される前記フィルタ回路によって平均化され、該商用電源2には、図6(b)において参照符α3で示す波形を交互に極性反転させた波形の電流が流れる。こうして、商用電源2から流れる電流波形を電圧波形に近似させ、力率が改善されている。
【0009】
力率改善回路1おける昇圧のメカニズムは、通常一般の昇圧チョッパ回路と同じであり、スイッチング素子13のオン期間中に正入力ライン7からチョークコイル11を通してスイッチング素子13に電流が流れることで該チョークコイル11内に励磁エネルギが蓄積され、スイッチング素子13がオフすると、該励磁エネルギによって昇圧電流がダイオードブリッジ6からチョークコイル11およびダイオード12を通して平滑コンデンサ14に流入することで実現される。
【0010】
制御回路19は、前述の通り、出力分圧抵抗17,18にて平滑コンデンサ14の充電電圧レベルを監視し、該電圧レベルが所定の電圧より高い場合、平滑コンデンサ14内を流れる電流の波高値が全体に低くなるようにスイッチング素子13をオン/オフ制御し、逆に該電圧レベルが前記所定の電圧より低い場合、平滑コンデンサ14内を流れる電流の波高値が全体に高くなるようにスイッチング素子13をオン/オフ制御することによって、該電圧レベルは常に前記所定の一定電圧値に制御されている。一定電圧値に制御された出力電圧は、スイッチング電源装置20などの後段回路に入力され、したがって前記スイッチング電源装置20は平滑コンデンサ14とともに、コンデンサインプット型の回路を構成する。
【0011】
また、前記スイッチング電源装置20は、図示しない負荷が所定の値より軽い場合において、公知のとおり、スイッチング周波数を下げると同時に、ライン21を介して、軽負荷信号を前記制御回路19に送出する。これに応答し、制御回路19は動作を停止し、本電源装置全体での消費電力の低減が図られている。
【0012】
なお、前記制御回路19の動作停止状態において、当然のことながらスイッチング素子13は常にオフ状態となり、本電源装置は、コンデンサインプットタイプの電源装置と同一の動作となり、力率改善機能がなくなることになる。しかしながら、法規制上、軽負荷時は高調波入力電流規制の対象外となり、問題はない。
【0013】
また、本電源装置は、実際にはACプラグとACコンセントとを介して前記商用電源2に接続されるので、前記ACプラグのターミナル間に放電抵抗22が設けられている。この放電抵抗22は、前記ACプラグをACコンセントから引抜いた時に、前記フィルタコンデンサ3,5の充電状態が維持されているとプラグから感電する虞があるので、該フィルタコンデンサ3,5の電荷を速やかに放電し、事故を未然に防止するために設けられている。このため、上記放電が所定の時間内に速やかに完了するよう、通常、入力分圧抵抗15,16の抵抗値よりも低い抵抗値のものが選択採用される。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−201051号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成され、待機時の低消費電力化を図った電源装置において、まだ入力分圧抵抗15,16の消費電力を低減する余地が残されている。特にこれらの入力分圧抵抗15,16には、商用電源2と同一乃至は同一以上の電圧が印加されており、軽負荷時の消費電力の低減を図る上で重要なポイントとなる。
【0016】
ここで、これらの入力分圧抵抗15,16の消費電力を低減するために、これらの抵抗を高抵抗にて構成する方法があるが、制御回路19の各制御入力端子の入力インピーダンス等による制約があり、一定値以上に高抵抗にできないという問題がある。また、これらの入力分圧抵抗15,16に直列にスイッチを接続し、前記力率改善回路1の非動作状態において、これらのスイッチをオフするという手法も考えられる。しかしながら、そのような手法では、高耐圧のスイッチを必要とし、製造コストが上昇するという問題がある。
【0017】
本発明の目的は、製造コストの大幅な上昇を招くことなく、脈流電圧を検出するための入力分圧抵抗の損失を低減することができる力率改善回路を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の力率改善回路は、コンデンサインプット型の回路の前段に設けられ、入力交流の電圧波形を参照して、前記コンデンサインプット型の回路への入力電流波形を、前記入力交流の電圧波形に近似させることによって、入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路において、入力交流電圧のオフ時にフィルタコンデンサの電荷を放電するための放電抵抗を備え、該放電抵抗を複数に分割した接続点から、前記入力交流の電圧波形を検出することを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、スイッチング電源装置などのコンデンサインプット型の回路の前段に設けられる昇圧チョッパ回路などとして実現され、入力電流波形を入力交流の電圧波形に近似させることによって入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路で、入力電流の流れを制御するにあたって、集積回路等で実現される制御手段へ前記電圧波形を入力する構成において、従来では入力交流の全波整流電圧(脈流電圧)を分圧抵抗で分圧して前記制御手段へ取込んでいたのに対して、本発明では、入力交流電圧のオフ時にフィルタコンデンサの電荷を放電するために設けられている放電抵抗を利用する。すなわち、その放電抵抗を複数に分割し、それらの接続点から分圧電圧を取出す。
【0020】
したがって、従来の分圧抵抗分の消費電力を削減し、電力変換効率を向上することができる。この消費電力の削減分は絶対量は小さく、機器の定格動作状態のように消費電力の絶対量が大きい場合おいて目立たないけれども、待機状態のように消費電力の絶対量が小さい場合おいて、改善効果が際立つことになる。殆どの電子機器(家庭用電気機器も含む)は、一般的に、定格動作時間よりも待機時間の方が長く、近年、その待機電力の削減が強く求められており、本発明の実施によって、電子機器の消費電力の長時間平均値を下げることができ、好都合である。しかも、高耐圧のスイッチ等の高価な部材を使用する必要が無く、低コストで実現することができる。
【0021】
また、本発明の力率改善回路は、前記放電抵抗の接続点の電圧を取出す逆流防止ダイオードおよび起動抵抗ならびにそれらの出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを、前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに、制御電源として用いることを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、起動時に前記放電抵抗の接続点から平滑コンデンサに電流が供給されて、該平滑コンデンサの充電電圧が徐々に上昇し、スイッチング電源装置の内の制御回路の動作開始電圧に到達すると、該スイッチング電源装置が動作を開始すると同時に、該スイッチング電源装置から力率改善回路側の制御回路に通常動作電流が供給され、以後は、主として、この通常動作電流を電源として、スイッチング電源装置および力率改善回路が動作することになる。
【0023】
したがって、スイッチング電源装置用の電源となる平滑コンデンサの充電電圧を分圧して制御電源として使用するよりも、より低電圧から制御電圧を作成するので、より一層消費電力を低減することができる。
【0024】
さらにまた、本発明の力率改善回路は、前記放電抵抗の直列回路と並列にもう1組の放電抵抗が設けられるとともに、それらの接続点の電圧を取出す起動抵抗ならびにその出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを、前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに、制御電源として用いることを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、起動時にもう1組の放電抵抗の接続点から平滑コンデンサに電流が供給されて、該平滑コンデンサの充電電圧が徐々に上昇し、スイッチング電源装置の内の制御回路の動作開始電圧に到達すると、該スイッチング電源装置が動作を開始すると同時に、該スイッチング電源装置から力率改善回路側の制御回路に通常動作電流が供給され、以後は、主として、この通常動作電流を電源として、スイッチング電源装置および力率改善回路が動作することになる。
【0026】
したがって、スイッチング電源装置用の電源となる平滑コンデンサの充電電圧を分圧して制御電源として使用するよりも、より低電圧から制御電圧を作成するにあたって、放電抵抗をもう1組追加した分、部品点数が増加し、配線スペースが増加するとともに、消費電力が増加するけれども、前記逆流防止ダイオードを不要とし、製造コストを低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第1の形態について、図1に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0028】
図1は、本発明の実施の第1の形態の力率改善回路31を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。商用電源32からの商用交流は、コンデンサ33、フィルタコイル34およびコンデンサ35から成るフィルタ回路を通り、ダイオード36a,36b,36c,36dから成るダイオードブリッジ36に印加され、前記力率改善回路31の入力ライン37,38間に、整流電圧(脈流)が出力される。
【0029】
力率改善回路31は、昇圧チョッパ形式の力率改善回路であり、正入力ライン37に介在されるチョークコイル41およびダイオード42と、前記チョークコイル41とダイオード42との接続点と負入力ライン38との間に介在されるスイッチング素子43と、ダイオード42のカソード(出力)側に設けられる平滑コンデンサ44と、入力分圧抵抗45,46と、出力分圧抵抗47,48と、前記スイッチング素子43をオン/オフ制御する制御回路49とを備えて構成されている。以上の構成は、前記図5で示す従来の力率改善回路1と同様である。
【0030】
注目すべきは、本発明では、ACプラグをACコンセントから引抜いた時に前記フィルタコンデンサ33,35の電荷を速やかに放電させるための放電抵抗が、参照符51,52で示すように2つに分割されており、前記入力分圧抵抗45,46は、入力交流を前記放電抵抗51,52で分圧した後の電圧をさらに分圧して、制御回路49に電圧波形検知用に入力することである。制御回路49は、その分圧された入力電圧波形と、前記平滑コンデンサ44の充電電圧の前記出力分圧抵抗47,48による分圧値とを取込み、これらを演算処理し、商用電源32から流入する入力電流が、その電圧波形と近似した波形になり、かつ平滑コンデンサ44の充電電圧が所定の平滑電圧値になるようにタイミング制御した駆動信号を、スイッチング素子43のゲートに送出する。
【0031】
前記スイッチング素子43のオン/オフ動作による電流は、商用電源32とダイオードブリッジ36との間に介在される前記フィルタ回路によって平均化され、こうして商用電源32から流れる電流波形を電圧波形に近似させ、力率が改善されている。力率改善回路31における昇圧のメカニズムは、通常一般の昇圧チョッパ回路と同一である。
【0032】
制御回路49は、前述の通り、出力分圧抵抗47,48にて平滑コンデンサ44の充電電圧レベルを監視し、該電圧レベルが所定の電圧より高い場合、平滑コンデンサ44内を流れる電流の波高値が全体に低くなるようにスイッチング素子43をオン/オフ制御し、逆に該電圧レベルが前記所定の電圧より低い場合、平滑コンデンサ44内を流れる電流の波高値が全体に高くなるようにスイッチング素子43をオン/オフ制御することによって、該電圧レベルは常に前記所定の一定電圧値に制御されている。一定電圧値に制御された出力電圧は、スイッチング電源装置50などの後段回路に入力され、したがって前記スイッチング電源装置50は平滑コンデンサ44とともに、コンデンサインプット型の回路を構成する。
【0033】
また、前記スイッチング電源装置50は、図示しない負荷が所定の値より軽い場合において、公知のとおり、スイッチング周波数を下げると同時に、ライン53を介して、軽負荷信号を前記制御回路49に送出する。これに応答し、制御回路49は動作を停止し、本電源装置全体での消費電力の低減が図られている。
【0034】
前記放電抵抗51,52は、相互に等しい抵抗値に設定されており、したがって前記商用電源32からの電圧波形と比較して、電圧が約半分に分圧された電圧が、前記入力分圧抵抗45,46に入力される。そして、前記放電抵抗51,52の抵抗値は、下式に示す関係が成立するように設定すると、上述のとおりACプラグをACコンセントから抜き去った場合におけるフィルタコンデンサ33,35の放電速度を、前記力率改善回路1の放電抵抗22の場合と同一値に設定することができる。但し、制御回路49の入力インピーダンスが、各抵抗51,52,45,46の抵抗値R51,R52,R45,R46に対して充分大きく、計算を簡略化するため、無限大としている。
【0035】
R22=R51+1/{(1/R52)+〔1/(R45+R46)〕}
但し、R22は、従来の放電抵抗22の抵抗値であり、また上述のとおり、R51=R52である。
【0036】
このようにして、各抵抗51,52,45,46の合成抵抗値を前記放電抵抗22の抵抗値と等しく設定することで、放電抵抗に発生する電力損失を従来と等しくすることができる。その上で、本発明では、前記入力分圧抵抗15,16に相当する分の電力損失を削減することができる。換言すると、前記入力分圧抵抗45,46を放電抵抗に組込むことによって、該入力分圧抵抗45,46単独の損失を零にしたことになる。
【0037】
この消費電力の削減分の絶対量は小さく、機器の定格動作状態のように消費電力の絶対量が大きい場合おいて目立たないけれども、待機状態のように消費電力の絶対量が小さい場合おいて、改善効果が際立つことになる。殆どの電子機器(家庭用電気機器も含む)は、一般的に、定格動作時間よりも待機時間の方が長く、近年、その待機電力の削減が強く求められており、本発明の実施によって、電子機器の消費電力の長時間平均値を下げることができ、好都合である。しかも、高耐圧のスイッチ等の高価な部材を使用する必要が無く、低コストで実現することができる。
【0038】
本発明の実施の第2の形態について、図2および図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0039】
図2は、本発明の実施の第2の形態の力率改善回路61を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。前記力率改善回路61は、前述の力率改善回路31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、この力率改善回路61は、前記スイッチング電源装置50に起動時の動作電源を供給する電源ライン62が追加されていることである。前記電源ライン62は、前記放電抵抗51,52の接続点の電圧(入力電圧の略1/2の電圧を脈流に整流した電圧)を取出す逆流防止ダイオード63および起動抵抗64を備えており、その出力電圧は平滑コンデンサ65に入力される。
【0040】
したがって、該電源装置の立ち上げ時に前記放電抵抗51,52の接続点から電源ライン62を介して、平滑コンデンサ65に電流が供給されて、該平滑コンデンサ65の充電電圧が徐々に上昇し、該充電電圧が動作電源供給ターミナル50aを介してスイッチング電源装置50の内部に備えられた図示しない制御回路に供給され、所定の動作開始電圧に到達すると、該スイッチング電源装置50が動作を開始する。同時に、スイッチング電源装置50の前記動作電源供給ターミナル50aから電源ライン66を介して制御回路49に通常動作電流が供給され、以後は、主として、この通常動作電流を電源として、スイッチング電源装置50および力率改善回路61が動作することになる。図3に、スイッチング電源装置50の一構成例を示す。
【0041】
但し、スイッチング電源装置50の内部に備えられた制御回路67の動作開始電圧が、力率改善回路61の制御回路49の動作開始電圧より低いことが望ましい。これは、電源立ち上げ開始時において、スイッチング電源装置50より先に力率改善回路61の制御回路49が動作し、該制御回路49の電流消費によって平滑コンデンサ65の充電電圧の上昇が停止し、スイッチング電源装置50が起動しなくなる虞れがあるためである。また、スイッチング電源装置50が動作しないと、前記動作電源供給ターミナル50aから通常動作電流が供給されず、本電源装置が立ち上がらないことになる。
【0042】
さらにまた、スイッチング電源装置50の制御回路67の動作開始電圧が、力率改善回路61の制御回路49の動作開始電圧より高い場合は、電源ライン66を電源ライン62から切り離し、スイッチング電源装置50に追加増設されたもう少し出力電圧の低い動作電源供給ターミナル(図示せず)に接続すればよい。
【0043】
前記逆流防止ダイオード63は、商用電源32の電圧が低いタイミング、たとえば0V付近の時、平滑コンデンサ65の充電電荷が起動抵抗64を介して放電抵抗51,52の接続点に流入し、該接続点の電圧が入力電圧に相似した波形から逸脱し、力率改善回路61の力率改善機能が損なわれてしまわないように設けられている。
【0044】
本発明の実施の第3の形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0045】
図4は、本発明の実施の第3の形態の力率改善回路71を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。この力率改善回路71は、前述の力率改善回路61に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、この力率改善回路71では、前記放電抵抗51,52の直列回路と並列にもう1組の放電抵抗81,82が設けられるとともに、それらの接続点から前記スイッチング電源装置50に起動時の動作電源を供給する電源ライン72に、前記起動抵抗64だけが設けられていることである。
【0046】
本電源装置は、図2の電源装置と比較して、放電抵抗81,82を追加した分、部品点数が増加し、配線スペースが増加するとともに、消費電力が増加するという欠点があるけれども、前記逆流防止ダイオード63が不要となり、該逆流防止ダイオードの価格が、放電抵抗81,82より高いので、製造コストを低減することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の力率改善回路は、以上のように、スイッチング電源装置などのコンデンサインプット型の回路の前段に設けられる昇圧チョッパ回路などとして実現され、入力電流波形を入力交流の電圧波形に近似させることによって入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路で、入力電流の流れを制御するにあたって、集積回路等で実現される制御手段へ前記電圧波形を入力する構成において、従来では入力交流の全波整流電圧(脈流電圧)を分圧抵抗で分圧して前記制御手段へ取込んでいたのに対して、本発明では、入力交流電圧のオフ時にフィルタコンデンサの電荷を放電するために設けられている放電抵抗を利用し、その放電抵抗を複数に分割し、それらの接続点から分圧電圧を取出す。
【0048】
それゆえ、従来の分圧抵抗分の消費電力を削減し、電力変換効率を向上することができる。また、高耐圧のスイッチ等の高価な部材を使用する必要が無く、低コストで実現することができる。
【0049】
また、本発明の力率改善回路は、以上のように、前記放電抵抗の接続点の電圧を取出す逆流防止ダイオードおよび起動抵抗ならびにそれらの出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに制御電源として用い、起動時に前記放電抵抗の接続点から平滑コンデンサに電流が供給されて、該平滑コンデンサの充電電圧が徐々に上昇し、スイッチング電源装置の内の制御回路の動作開始電圧に到達すると、該スイッチング電源装置が動作を開始すると同時に、該スイッチング電源装置から力率改善回路側の制御回路に通常動作電流が供給され、以後は、主として、この通常動作電流を電源として、スイッチング電源装置および力率改善回路を動作させる。
【0050】
それゆえ、スイッチング電源装置用の電源となる平滑コンデンサの充電電圧を分圧して制御電源として使用するよりも、より低電圧から制御電圧を作成するので、より一層消費電力を低減することができる。
【0051】
さらにまた、本発明の力率改善回路は、以上のように、前記放電抵抗の直列回路と並列にもう1組の放電抵抗を設けるとともに、それらの接続点の電圧を取出す起動抵抗ならびにその出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに制御電源として用い、起動時にもう1組の放電抵抗の接続点から平滑コンデンサに電流が供給されて、該平滑コンデンサの充電電圧が徐々に上昇し、スイッチング電源装置の内の制御回路の動作開始電圧に到達すると、該スイッチング電源装置が動作を開始すると同時に、該スイッチング電源装置から力率改善回路側の制御回路に通常動作電流が供給され、以後は、主として、この通常動作電流を電源として、スイッチング電源装置および力率改善回路を動作させる。
【0052】
それゆえ、スイッチング電源装置用の電源となる平滑コンデンサの充電電圧を分圧して制御電源として使用するよりも、より低電圧から制御電圧を作成し、消費電力を削減するとともに、前記逆流防止ダイオードを不要とし、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の力率改善回路を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第2の形態の力率改善回路を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の力率改善回路に適応したスイッチング電源装置の電気回路図である。
【図4】本発明の実施の第3の形態の力率改善回路を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】典型的な従来技術の力率改善回路を備え、待機時省エネ機能を有する電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】力率改善回路の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
31.61,71 力率改善回路
32 商用電源
33,35 コンデンサ
34 フィルタコイル
36 ダイオードブリッジ
36a,36b,36c,36d ダイオード
41 チョークコイル
42 ダイオード
43 スイッチング素子
44,65 平滑コンデンサ
45,46 入力分圧抵抗
47,48 出力分圧抵抗
49,67 制御回路
50 スイッチング電源装置
50a 動作電源供給ターミナル
51,52 放電抵抗
62,66,72 電源ライン
63 逆流防止ダイオード
64 起動抵抗
81,82 放電抵抗(もう1つの放電抵抗)

Claims (3)

  1. コンデンサインプット型の回路の前段に設けられ、入力交流の電圧波形を参照して、前記コンデンサインプット型の回路への入力電流波形を、前記入力交流の電圧波形に近似させることによって、入力電流の力率を改善するようにした力率改善回路において、
    入力交流電圧のオフ時にフィルタコンデンサの電荷を放電するための放電抵抗を備え、該放電抵抗を複数に分割した接続点から、前記入力交流の電圧波形を検出することを特徴とする力率改善回路。
  2. 前記放電抵抗の接続点の電圧を取出す逆流防止ダイオードおよび起動抵抗ならびにそれらの出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを、前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに、制御電源として用いることを特徴とする請求項1記載の力率改善回路。
  3. 前記放電抵抗の直列回路と並列にもう1組の放電抵抗が設けられるとともに、それらの接続点の電圧を取出す起動抵抗ならびにその出力電圧で充電される平滑コンデンサを備え、該平滑コンデンサを、前記コンデンサインプット型の後段回路としてのスイッチング電源装置とともに、制御電源として用いることを特徴とする請求項1記載の力率改善回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102044981A (zh) * 2009-10-16 2011-05-04 深圳Tcl新技术有限公司 带有电容放电电路的开关电源
JP2011193718A (ja) * 2011-02-24 2011-09-29 Nanao Corp 電源装置
CN102244461A (zh) * 2010-05-12 2011-11-16 日隆电子股份有限公司 减少电磁干扰滤波器的功率消耗的泄放电路及方法
CN104297553A (zh) * 2014-10-28 2015-01-21 矽力杰半导体技术(杭州)有限公司 输出电压检测电路、控制电路和开关型变换器

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